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センチュウ類及び根黒斑病の切り札策として
= 普 及 情 報 = No . 6 平成24年1 1月2 8日 農業技術センター技術普及部 標題 シャク ヤク栽 培における温湯処 理の推進 ~センチュウ類及 び根黒斑病 の切り 札策と して ~ (ダ イジェスト) ボタン輸出で活用している温湯処理をシャクヤク 1 年生苗栽培で検討した。 検討結果は概ね良好で、本処理を取り入れた防除暦を生産者へ提示し、シャクヤク 栽培における温湯処理の定着化を目指す。 高品質な牡丹生産には、健全なシャクヤク(台木)は欠かせないが、センチュウ類及び 根黒斑病の発生が問題となっている。被害が甚大な圃場では収穫皆無というケースもあり、 生産者の防除意識は高い。 ボタン を海外 へ輸出 する 場合、 昭和 40 年代に米 国の検疫でセンチュウ類の加害が確認、処分され たことから温湯処理が必須になっている。 当時、センチュウ種と温湯温度及び死滅時間等 について詳細に調査し、48 ℃で 30 分処理すればセ ンチュウ類が完全に死滅し(卵も含めて)輸出に 問 題ないと結論、約半世紀にわたり活用されて続け て いる。また、本法は根黒斑病菌にも有効であるこ とを確認している。 そこで、シャクヤク台木栽培においてその効果を 検証した。48 ℃で 20 ~ 60 分、1 年生苗を供試した。 結果は概ね良好で、シャクヤクが温湯処理で枯死 す る こ と は な く 、 収穫 品 質 も 慣 行 区 と ほ ぼ同 様で、センチュウ類の寄生もなかった(第 1,2 表)。 しかしながら、一部の収穫物で根黒斑病の発症を認めたた め、本圃栽培では病原菌の持ち込みを防ぎつつ、圃場におけ る感染防止(土壌消毒等)との併用が必要であると考察され た。 以上の結果から、一定の成果が得られたと判断し、温湯処 理を取り入れた防除暦を松江農業普及部、当センター病虫 G と共同で作成し、生産者へ提示した。 関係機関と連携を図りながら普及、定着を進めていく。 第1図 黒斑罹病株 担 当者 農業 環 境グループ 平佐聡尚