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本文P25~P40(衛生管理1)
Ⅲ 衛生管理 1 衛生管理とは 給食を円滑かつ安全に行うためには、施設の整備と衛生的な管理ならびに給食に関わる職 員の健康管理が必要である。 また、集団給食施設における食中毒を予防するためには、「大量調理施設衛生管理マニュ アル」に基づいて衛生管理体制を確立し、調理過程における「重要管理事項」について、点 検・記録を行うとともに、必要な改善措置を講じる必要がある。 (1) 重要管理事項とは ア 原材料受け入れ及び下処理段階における管理を徹底すること。 イ 加熱調理食品については、中心部まで十分加熱し、食中毒菌等(ウイルスを含む。以 下同じ。)を死滅させること。 ウ 加熱調理後の食品及び非加熱調理食品の二次汚染防止を徹底すること。 エ 食中毒菌が付着した場合に菌の増殖を防ぐため、原材料及び調理後の食品の温度管理 を徹底すること。 (2) 施設設備の構造について 施設設備の構造については、「大量調理施設衛生管理マニュアル」において「食品の各 調理過程ごとに、汚染作業区域、非汚染作業区域を明確に区別すること」となっている。 作 業 区 分 検収場 原材料の保管場 下処理場 汚染作業区域 準清潔作業区域 調理場 非汚染作業区域 放冷・調製場 清潔作業区域 製品の保管場 25 2 原材料の受け入れについて (1) (2) 納入業者は信頼のできる業者を選定すること。 受け入れに際しては、以下の点について留意して点検を行うこと。 ア 点検項目 期限表示・数量・鮮度・容器包装などの状況・品温・異物の混入 など イ 調理従事者が必ず立合い、原材料の取り扱い等点検表、検収の記録簿等に記録するこ と。 ウ 不良品はすみやかに業者に連絡し、返品・交換または使用禁止とすること。 エ 品質・鮮度について 食品の種類 食 品 の 見 分 け 方 特有の鮮やかな色で、つやがあり、みずみずしい 肉 類 魚 介 特有の鮮やかな色で、つやがあり、みずみずしい。 類 肉は弾力性に富み、傷・異臭がない。 生魚は目につやがあり、えらは赤く、うろこは硬くくっついている。 練 製 品 ねばりや異臭がない。 卵 類 光に透かすと明るくみえ、殻がザラついている。 野菜・果物類 乾 表面が乾燥しておらず、弾力性に富み、傷・異臭がない 特有の鮮やかな色で、つやがあり、みずみずしい。 傷・異臭がない。 物 よく乾燥し、カビや虫がついていない。異臭がない。 缶 詰 ・ 瓶 詰 変形・傷・さびがない。 ※生魚・いかは下処理した切身を購入すること。 (3) 受け入れは調理計画(献立)に基づくこと。 ア 生鮮食品は、1 回に使い切る量を調理当日に仕入れることを基本とする。業者の事情 などによりどうしても困難な場合には、乳幼児の保育施設での保管時間ができるだけ短 くなるように配慮し、前日仕入れもやむを得ない。 イ 常温保存可能な食品(乾物、缶詰、調味料など)は、できるだけ早く使い切るように 仕入れること。 (4) その他(参考) ア 原材料については、品名、仕入元の名称及び所在地、生産者(製造又は加工者を含む。) の名称及び所在地、ロットが確認可能な情報(年月日表示またはロット番号)並びに仕 入年月日を記録し、1 年間保管すること。 イ 原材料について納入業者が定期的に実施する微生物及び理化学検査の結果を提出さ せること。検査結果については、1 年間保管すること。 ウ 生鮮食品の納入にあたっては、納入業者の検便を提出させること。 大量調理施設衛生管理マニュアルー厚生労働省 平成 25 年 10 月 22 日改正― 特定給食施設における衛生管理指針―大阪市健康福祉局 平成 18 年― より (5) 原材料の保存食をとること。(詳細は「P32 7 保存食について」を参照) ※ 記録簿については「P43 別紙 3 原材料の取り扱い等点検表」「P44 別紙 4 検収の 記録簿」参照のこと。 26 3 原材料の保管について (1) 原材料を配送用包装のまま非汚染作業区域(「P25 1 衛生管理とは」参照)に持ち込 まないこと。配送時の包装(ダンボール箱、袋など)は地面に置かれて汚染されているこ とがあるので、置き場所を考慮すること。 (ダンボール箱は吸湿性があってカビが生えやす く、ゴキブリやネズミのすみかとなることがある。)また、置いてあった場所で、次の作業 をする場合には、その場所を清潔にしてから使用すること。 (2) 納入された原材料は、相互汚染を防止するため、肉類、魚介類、野菜・果物類などに分 けて、専用の清潔なふた付き容器または袋に入れ、冷蔵の必要なものは、すみやかに冷蔵 庫に保管すること。 (3) 乾物、缶詰、油脂類などは換気のよい冷暗所で保管し、異常がないか定期的に点検する こと。 (4) 冷蔵庫、食品保管場所などは定期的に清掃及び整理整頓し、長期間保管されたままにな っている食品がないように、期限表示を確認した上で先入れ先出しすること。 ※ 冷蔵庫は常に5℃以下に保つこと。出勤後すぐに冷蔵庫の庫内温度を確認し、記録 すること。「P 47 別紙 7 食品保管時の記録簿」参照のこと。 27 原材料、製品等の保存温度 食 品 名 保 存 温 度 穀類加工品(小麦粉・デンプン) 室温 砂糖 室温 食肉・鯨肉 10℃以下 細切りした食肉・鯨肉を凍結したものを容器包装に入れたもの -15℃以下 食肉製品 10℃以下 鯨肉製品 10℃以下 冷凍食肉製品 -15℃以下 冷凍鯨肉製品 -15℃以下 ゆでだこ 10℃以下 冷凍ゆでだこ -15℃以下 生食用かき 10℃以下 生食用冷凍かき -15℃以下 冷凍食品 -15℃以下 魚肉ソーセージ、魚肉ハム及び特殊包装かまぼこ 10℃以下 冷凍魚肉ねり製品 -15℃以下 液状油脂 室温 固形油脂 10℃以下 (ラード、マーガリン、ショートニング、カカオ脂) 殻付卵 10℃以下 液卵 8℃以下 凍結卵 -18℃以下 乾燥卵 室温 ナッツ類 15℃以下 チョコレート 15℃以下 生鮮果実・野菜 10℃前後 生鮮魚介類(生食用鮮魚介類を含む) 5℃以下 乳・濃縮乳 脱脂乳 10℃以下 クリーム バター チーズ 15℃以下 練乳 清涼飲料水 室温 (食品衛生法の食品、添加物等の規格基準に既定のあるものにつ いては、当該保存基準に従うこと。) 「大量調理施設衛生管理マニュアル」より ※ ※ 調味料は、洗剤や消毒薬などまぎらわしいものと一緒に置かないこと。 牛乳は、容器の汚れなどを確認のうえ、清潔に保ち、保存機能のついた保管庫(冷蔵庫等) で保管すること。 28 4 下処理について 下処理とは、野菜の泥を落とす、魚の内臓を除く、洗うなど調理に向けての作業のこと をいう。 (1) 冷蔵庫から出した原材料は、すみやかに下処理、調理を行うこと。 (2) 消毒した専用の器具(ざる、ボウルなど)を使用すること。 (3) 下処理は専用の前掛けをして汚染作業区域内で確実に行い、非汚染作業区域を汚染しな いようにすること。それが区別しにくい場合には、下処理が終わってから使用した器具・ シンクなどの洗浄・消毒を行った後、手指の洗浄・消毒を行い、調理に移り、食品が汚染 されないように十分注意すること。 (4) 下処理した食品をざるに入れて積み重ねたり、床に直接置かないこと。 (5) 魚介類の取り扱いについて ア 魚の切り身などは流水で手早く洗い、骨がある場合は骨をていねいに取り除くこと。 イ 貝類は水または塩水につけて砂出しし、流水でていねいに洗うこと。 (魚介類には腸炎ビブリオ菌が付着していることがあるので、十分注意すること。) (6) 卵の取り扱いについて ア イ ウ 卵は冷蔵庫で保管し、直前に割ってすぐに加熱調理すること。 卵をさわったあとは、必ず手をきれいに洗うこと。 卵を使用した容器を別の調理で使用する場合は、洗浄・消毒を十分行ったあと、使用 すること。 (卵の殻にはサルモネラ菌が付着していることがあるので、十分注意すること。) (7) 根菜類の取り扱いについて 土がついている場合は、きれいに落とし流水でていねいに洗うこと。 (8) 葉菜類及びきのこ類の取り扱いについて ア イ 水槽に一度にたくさんの量を入れずに流水で繰り返していねいに洗うこと。 葉やきのこ類のかさの裏側のひだや根元の土、ゴミをよく洗うこと。特にキャベツな どの結球野菜は外葉をはがしてから中心部まで流水でていねいに洗うこと。 (9) 野菜及び果物を加熱せずに供する場合には、流水で十分洗浄を行い、必要に応じ次亜塩 素酸ナトリウムなどで殺菌を行った後、流水でよくすすぎ洗いを行うこと。 ※ 次亜塩素酸ナトリウムを使用する場合の薬液濃度と浸漬時間の目安 有効塩素濃度 200mg/L の溶液で 5 分間又は 100mg/L の溶液に 10 分間 ※ 次亜塩素酸ナトリウムの希釈方法については「P38 11 調理器具・容器などの 取り扱いについて」を参照のこと。 (10) ア イ 異物混入を防ぐ 包装容器(ビニール袋など)の一部などが混入しないように留意する。 乾物については、戻した後もゴミや虫がついていないか確認する。 29 5 加熱調理について 食品が食中毒菌に汚染されていたとしても十分加熱することにより食中毒菌を死滅 させることができる。中心温度計を用いて中心部が75℃で1分間以上加熱されてい ることを確認する必要がある。(二枚貝等ノロウイルス汚染のおそれのある食品の場 合は85℃~90℃で90秒間以上加熱されていることを確認しする。) (1) 揚げ物 油温が設定した温度以上になったことを確認する 調理を開始した時間を記録する 調理の途中で適当な時間を見はからって食品の中心温度を3点以上測定し、全ての点 において75℃以上(二枚貝等ノロウイルス汚染のおそれのある食品の場合は85℃ ~90℃で90秒間以上)に達していた場合には、それぞれの中心温度を記録簿に記 録するとともに、その時点からさらに1分以上加熱を続ける。 最終的な加熱処理時間を記録する (2) 焼き物及び蒸し物 調理を開始した時間を記録する 調理の途中で適当な時間を見はからって食品の中心温度を3点以上測定し、全ての点 において75℃以上(二枚貝等ノロウイルス汚染のおそれのある食品の場合は85℃ ~90℃で90秒間以上)に達していた場合には、それぞれの中心温度を記録簿に記 録するとともに、その時点からさらに1分以上加熱を続ける。 最終的な加熱処理時間を記録する (3) 煮物及び炒め物 調理の途中で適当な時間を見はからって、最も熱が通りにくい具材を選び、食品の中 心温度を3点以上(煮物の場合は1点以上)測定し、全ての点において75℃以上(二 枚貝等ノロウイルス汚染のおそれのある食品の場合は85℃~90℃で90秒間以 上)に達していた場合には、それぞれの中心温度を記録簿に記録するとともに、その 時点からさらに1分以上加熱を続ける。 なお、中心温度を測定できるような具材がない場合には、調理釜の中心付近の温度を 3点以上(煮物の場合は1点以上)測定する。 ※ 調理の順序は肉類の加熱を優先すること。 (1)~(3)について複数回同一の作業をくりかえす場合には、 設定した条件に基づき、同様に点検・記録を行うこと ※ 中心温度計については、本体部分に水が掛からないように注意すること。 ※ 中心温度計は、材料ごとに洗浄・消毒して使用すること。 ※ 記録簿については「P48 別紙 8 食品の加熱加工の記録簿」参照のこと。 30 6 調理後の食品の取り扱いについて 調理後の食品は、調理終了後から 2 時間以内に喫食することが望ましい。やむを得ず遅 れる場合は、食中毒菌の増殖を抑制するために、冷蔵庫で衛生的に保管し、喫食直前に再 加熱すること。 (1) 手指の洗浄・消毒を必ず行うこと。 (2) 盛り付け時は、清潔な服装であることを確認し、前掛けははずしておくこと。 (3) 食器は必ず消毒したものを使用すること。 (4) 和え物について ア 加熱した材料は十分に冷まし、水気をよく絞ること。(流水で冷やす場合は清潔な容 器の中で行う。) イ サラダや酢の物、お浸しなどを和える時は、消毒した器具(はし、トングなど)や使 い捨て手袋を使用すること。 ウ 材料を混ぜ合わせたり、ソース類をかける時は、盛り付けの直前に行うこと。 (5) 調理後の食品や生食用食品(パンや果物など)について 清潔な手又は使い捨て手袋で扱い、消毒した専用の器具(まな板、包丁、果物用の皮む き、ボウル、はし、トングなど)を使用すること。 (6) 調理後の食品を冷蔵したり、食器に盛り付けて保管する場合は、ラップなどで覆いをし て二次汚染を防止すること。 (7) 盛り付けは調理の最終段階として、衛生的に取り扱うことはもちろん、見た目にも美し く仕上げることが大切である。 (8) (9) 積み重ね配膳を行わないこと。 配送する場合は適切な温度管理をし、配送時刻の記録(「P49 別紙9 参照)を行うことが望ましい。 (10)調理後の食品の保存食をとること。(詳細は「P32 7 31 配送先記録簿」 保存食について」を参照) 7 保存食について 万一、食中毒が発生した場合の原因調査に備えるために原材料及び調理済み食品(保存 食という)の保存が必要である。 (1) 保存すべき食事 給食及びおやつを保存する。 (2) 保存すべき食品 原材料及び調理後の食品 (3) 保存しなくてもよい食品 ア イ ウ 米・麦、乾麺類、粉類 塩・砂糖・酢・みりん・しょうゆ・ソース・こしょうなどの調味料 わかめ(干)・しいたけ(干)・かつおぶし・こんぶ・春雨・ごま・のりなどの乾物、 缶詰、常温で保存できる市販の菓子など ※ 開封後冷蔵保存が必要なもの(みそ、ケチャップ、マヨネーズ、マーガリン、ジャム など)については、基本的に 1 回で使い切る。やむを得ず 1 回で使い切れない場合 は最後50gを残し、保存食とする。 (4) 保存容器、温度、期間 ア 清潔な容器(ビニール袋など)に入れ、できるだけ空気を抜いて密封する。 イ -20℃以下で保存する。 ウ 2 週間以上保存する。(明確に日時などを記入すること) (5) 原材料の保存方法 ア 洗浄・消毒を行わず、納入された状態で保存すること。 イ 使用後の包丁、まな板、手指などから、二次汚染しないように配慮すること。 ウ 保存する分量(50g)は、食品によっては困難な場合もあるが、次のような場合に は、適宜採取する。 例)魚の切り身が40gの場合→1 切を保存する エ 牛乳についても、約50cc を保存用ビニール袋等に入れて保存する。 (6) 調理後の食品の保存方法 ア 同じ料理でも器具(鍋など)が違うものは、それぞれに保存すること。 イ 調理に使用したすべての食品が入るように保存すること。 ウ 展示食を保存食とすることは避けること。 32 8 調乳の衛生管理について 1 歳未満の乳児は、細菌に対する抵抗力が十分でなく、下痢の原因となる大腸菌やブドウ 球菌に特に弱い。しかも下痢をすると体力が低下し、ほかの病気にもかかりやすくなる。こ のデリケートな時期に直接口にするのが哺乳瓶である。育児用ミルクのついた哺乳瓶や乳首 には細菌が繁殖しやすい条件がそろっていることを考えると、12 か月頃までは、哺乳瓶・ 乳首の消毒に細心の注意を払う必要がある。 (1) 調乳の衛生管理 ア 専用の部屋で調乳のみを行う。 イ 調乳する台、周辺の床、棚などは整理整頓し、清潔に保つ。 ウ 清潔なエプロン、三角巾、マスクを着用し、直前に手指の洗浄・消毒を行う。 エ オ (2) 哺乳瓶などの器具は洗浄・消毒を行う。 育児用ミルクの使用期限は開封後1か月以内とする。 哺乳瓶の洗浄と消毒の方法について ア 煮沸消毒の場合 (ア) 授乳が終わったら、すぐ湯につけておく。 (イ) 哺乳瓶を食器用洗剤で、育児用ミルクかすが残らないよう、すみずみまでよく洗 い、よくすすぐ。 (ウ) 専用の保管容器についても洗剤で洗い、よくすすぎ消毒し、乾燥させる。 (エ) 鍋に哺乳瓶を入れ、完全につかるくらいの水を入れ、沸騰させ哺乳瓶は 5 分間煮沸 する。乳首の場合は2~3 分間程度煮沸する。鍋から取り出すときに「やけど」をし ないよう注意する。 (オ) 専用の保管容器に哺乳瓶を入れて保管する。 ※ 鍋から取り出した時に哺乳瓶の口を上にすると水滴がなくなる。 イ 電子レンジで消毒する場合 (ア) 授乳が終わったら、すぐ湯につけておく。 (イ) 哺乳瓶を食器用洗剤で、育児用ミルクかすが残らないよう、すみずみまでよく洗い、 よくすすぐ。 (ウ) 専用の保管容器についても洗剤で洗い、よくすすぎ消毒し、乾燥させる。 (エ) きれいに洗浄した哺乳瓶は、電子レンジ消毒用の専用容器の所定の位置に入れる。 (オ) 電子レンジ消毒用の専用容器取り扱い説明書に則って消毒する。 ※ ブラシ等金属製のものは、絶対に入れないこと。 33 育 児 用 ミ ル ク の 調 乳 方 法 34 冷 凍 母 乳 の 取 り 扱 い 母乳育児を希望する保護者のために、衛生面を配慮し、冷凍母乳による栄養法などで対応 する。 (保育所保育指針―厚生労働省 平成 20 年 3 月―保育所保育指針解説書第 5 章健康及び安全より) 母乳は細菌が繁殖しやすいので、搾乳・保存・解凍の各過程で、消毒や温度管理などの衛 生的な配慮が必要である。冷凍母乳は、前日もしくは持参日に最も近い(1 週間以内)搾乳 分で、完全に冷凍したものとする。 (1) 保護者が注意すること ア 搾乳前は、手洗いをきちんと行う。 イ 乳房・乳首を清浄綿等できれいに拭き、搾乳は衛生的に十分留意する。 ウ 当日必要分(1 回量×回数)を、滅菌もしくは消毒した容器(市販されている専用の 母乳パック等)に搾乳する。 エ 搾乳後、名前・搾乳時間(日付と時間)・搾乳量を容器に明記し、他の食品に直接ふ れないようにビニール袋等に入れ、すみやかに冷凍(-20℃以下)保存する。 オ 自宅から乳幼児の保育施設に持参する時は、保冷シート等でくるみ冷凍状態を保つと ともに、容器に傷がつかないように注意する。 カ 母親は健康管理を心がけ、発熱などで体調が悪い時や、乳房・乳首に痛みやしこりが ある時は搾乳を中止する。 (2) 乳幼児の保育施設が注意すること ア 衛生管理 (ア) 冷凍母乳の解凍等は、専用の場所で行い、冷凍冷蔵庫、調乳する台、周辺の床、棚 等は整理整頓し清潔にする。 (イ) 使用する器具等は洗浄・殺菌し、衛生的に取り扱う。 (ウ) 冷凍母乳を取り扱う時は、服装は清潔にし、直前に手指の洗浄・消毒をきちんと行 う。 イ 持参された冷凍母乳はすみやかに冷凍(-20℃以下)保存する。 ウ 解凍は自然解凍または流水で行う。微温湯の場合は30℃以下とする。(電子レンジ や熱湯での解凍は、母乳成分のたんぱく質・ビタミン類・免疫物質などが変質するので 使用しない。) エ 解凍後、消毒した哺乳瓶に移し適温に温める。 オ 授乳後の残乳は廃棄し、次回には使用しない。また、子どもの体調等が悪くて飲まな かった「未解凍の冷凍母乳」はそのまま保護者に返却するが、母親の体調等により乳幼 児の保育施設で引き続き保管した方が適当と思われる場合に限り、搾乳後 1 週間を限度 に預かることも可能とする。 35 9 調理従事者の衛生管理について (1) (2) 調理従事者は定期的な健康診断及び月に 1 回以上の検便を受け、その検査成績を 1 年間 保管すること。 ア 検便には、従来の赤痢・サルモネラ菌の検査項目に加え腸管出血性大腸菌の検査を含 めること。また、必要に応じ 10 月から 3 月にはノロウイルスの検査を含めることが望 ましい。 イ 下痢、発熱などの症状や手指などに化膿創がある場合は施設長に報告し、指示をあお ぐこと。 毎日、専用で清潔な調理着、三角巾、マスクを着用すること。 ア 下処理で汚れた調理着のまま、調理や盛り付け、配膳は行わないこと。 イ ポケットには私物や調理に関係ないものを入れないこと。 (3) 履物は調理室内専用のものを使用すること。 (4) 爪は短く切り、マニキュアはしないこと。 (5) 香水などにおいのきついものはつけないこと。 (6) 指輪や腕時計、装飾品などははずすこと。 (7) 毛髪は三角巾の中から出ないようにすること。 (8) 便所には、調理室用の調理着、三角巾、マスク、履物のまま入らないこと。 (9) 作業全般において、衛生的な習慣づけを行うこと。手洗いの励行に努めること。 (10) 清掃作業に従事する時には、調理室用の調理着、三角巾、マスク、履物のまま行わない こと。再び調理作業に従事する時には、必ず手指の洗浄・消毒を実施し、衛生的に努める 毛髪が出ないよう こと。 三角巾をきちんと 着用 マスクを着用 専用の清潔な調理着 ※調理や配膳作業以外で 調理室から出る時は、調理 着などを着替え、靴を履き 替える。 爪は短く切り、 マニキュアは しない 指輪や腕時計などははずす ボタンはきちんと とめる 手を使わずに履ける専用の清潔な履物 36 必要に応じて前掛けを使用 10 手指の洗浄・消毒について (1)手指の洗浄・消毒 二次汚染の防止のため、次に定める場合には流水・石けんによる手洗いによりしっかりと 2 回(その他の時には丁寧に1回)手指の洗浄及び消毒を行うこと。 (使い捨て手袋を使用する場合にも、原則として次に定める場合に交換を行うこと。) ア 作業開始前、用便後及び清掃作業後 イ 汚染作業区域から非汚染作業区域に移動する場合 ウ 食品に直接触れる作業にあたる前 エ 生の食肉類、魚介類、卵殻等微生物の汚染源となるおそれのある食品等に触れた後、 他の食品や器具等に触れる場合 オ 配膳の前 (2)手指の洗浄・消毒方法 手洗い設備には、手洗いに適当な石けん、爪ブラシ、消毒液、ペーパータオルなどを定期 的に補充し、常に使用できる状態にしておくこと。 消毒用アルコールを使用する場合 逆性石けんを使用する場合 ( 「大量調理施設衛生管理マニュアル」より) ( 「食品衛生講習会テキスト 大阪市」より) 水で手をぬらし石けん をつける。肘まできれ いに。 水で手をぬらし石けんを つける。 爪ブラシで爪の中まで 洗う。 指、腕を洗う。特に、指 の間、指先をよく洗う。 (30 秒程度) 石けんをよく洗い流す。 石けんをよく洗い流す。 (20 秒程度) 使い捨てペーパータオル等で ふく。 (タオル等の共用はしな いこと。 ) 消毒用のアルコールをか けて手指によくすりこむ。 0.2%逆性石けん液で手指 をよくもむ。 再び流水でよくすすぐ。 使い捨てペーパータオル等 でふく。(タオル等の共用は しないこと。) ※逆性石けんは普通の石けんと一緒にすると、 効果がなくなるので、石けんを十分に落とし てから使用すること。 37 11 調理器具・容器などの取り扱いについて (1) (2) 定期的に破損などがないか点検を行うこと。 器具、容器などの使用後は、十分洗浄・殺菌を行った後、乾燥させ、衛生的に保管する こと。また、使用中も必要に応じ、殺菌を行うなど衛生的に使用すること。 ※ 殺菌方法は、次の方法が考えられる。 加熱殺菌: 80℃ 5分以上 乾熱殺菌: 80℃ 30分以上 蒸気殺菌:100℃ 10分以上 薬液殺菌:次亜塩素酸ナトリウムの有効塩素濃度200mg/ℓの溶液に5分間以上 市販の 5~6%次亜塩素酸ナトリウム溶液には、100 ㎖に 5~6gの塩素が 含まれている。すなわち 1ℓに 50,000~60,000mg の塩素が含まれている。 有効塩素濃度 200mg/ℓの溶液(1ℓに 200mg の塩素が含まれる。)にする には 60,000mg÷200mg=300 倍に薄める 5~6%次亜塩素酸ナトリウム溶液 1 ㎖に水を加えて 300 ㎖にする。 (4) フードカッター、野菜切り機などの調理機械は使用後、分解して十分洗浄・消毒を行っ た後、乾燥させ、衛生的に保管すること。また、使用前には消毒液などで消毒を行うこと。 (5) 食器は使用後、十分洗浄し、食器消毒保管庫で殺菌(85℃、90分間)し、衛生的に 保管すること。 食器消毒保管庫は、庫内を清潔にし、設定温度及び時間の確認を定期的に行うこと。 (6) (7) (8) 配膳用のワゴン、給食用リフトは、使用前後に消毒液などで消毒すること。 ふきん、スポンジなどは、用途別にそれぞれ専用のものを用意し、使用後は十分に消毒 を行った後、乾燥させ、衛生的に保管すること。 器具の点検 日常使用している器具について日々点検を行い安全管理、衛生管理の徹底を図ること。 38 12 施設・設備などについて (1) 調理室内にみだりに部外者を立ち入らせたり、調理作業に不必要な物品などを置いたり しないこと。 (2) 床面はひどい破損がなく、水はけがよいか、排水溝や会所は詰まりや異臭がなく、ふた が正しく閉まっているか、また、換気を十分行っているかなど、定期的に点検を行い、常 に衛生的に使用できるよう維持すること。 (3) 調理室内は作業終了後、清掃及び洗浄・消毒を行うこと。 ア 調理室や食品保管庫の扉、冷凍庫及び冷蔵庫のドア、水道栓など手指がよく触れる場 所は消毒液で消毒すること。 (4) ネズミやハエ、ゴキブリなどの駆除は定期的に行い、侵入を防止すること。 ア 発生状況を把握するための巡回点検は、1 か月に 1 回以上行うこと。 イ 駆除は、半年に 1 回以上行い、実施記録については 1 年間保管すること。 (5) 生ごみ及び残菜は、汚臭、汚液などが漏れないようにビニール袋などに入れ、できるだ け密封し、すみやかに処分すること。 ア 廃棄物集積場はカラス、野良犬・猫などにいたずらされないようにし、ネズミやハエ、 ゴキブリなどが発生しないように注意すること。 (6) 使用水は飲用適の水を用いること。 ア 作業前・作業終了後に水道の蛇口からコップ 1 杯の水をくみ、複数の職員で色、濁り、 匂いなど異常がないか確認する。 イ 水道水が、受水槽により供給されているところについては、残留塩素濃度を検査し、 数値を記録する。(0.1mg/ℓ以上であること。)残留塩素濃度の測定については、専用 の容器に水道水を入れ、その中に試薬を入れて測定器で色の違いにより数値を計る。 (保 育所のプール使用時に測定している方法と同じ) ウ 上記検査内容に基づき、異常がなければ○を、異常があればその状況を点検表に記入 する。 エ 異常があった場合については、しばらく水道水を流し続けた後、再度確認する。再度 確認した後も異常があった場合については、大阪市水道局お客さまセンター(コールセ ンター)06-6458-1132に連絡のうえ、原因を調べる。 オ 残留塩素濃度が 0.1mg/ℓ未満時の水道水については、必ず沸騰させて使用する。た だし、加熱調理する物を洗う時については、そのまま水道水を使用してもかまわない。 ※ 記録簿については「P45 別紙 5 調理器具等及び使用水の点検表」参照のこと。 39 40 汚 処 物 理 の 食 品 の 管 理 の調 衛理 生従 管事 理者 機 器 等 の 管 理 施 設 の 管 理 専用で清潔な外衣や三角巾を正しく着用し履物は調理室専 用のものを使用していますか。 生鮮食品は1回に使い切る量を調理当日に仕入れしました か。 原材料の仕入れにあたっては、品質、鮮度、品温、異物の混 入等の点検(検収)を行なっていますか。 冷蔵庫、冷凍庫の温度管理をし、食品の相互汚染の無いよう 清潔に区分されていますか。 18 記入要領 ○ : 良好 1 2 △ : 不十分 生ごみ及び残菜は、汚臭、汚液などが漏れないようにして速や かに処分し、衛生の保持に努めていますか。 保存食は原材料、調理済み食品を食品ごとに50g程度ずつ 17 清潔な容器に密封して入れ、-20℃以下で2週間以上保存 されていますか。 16 常温保存可能な食品(乾物・調味料など)の保管場所は衛 15 生的で、温度・湿度は適切ですか。直射日光は当たっていま せんか。 14 13 12 手洗いを適切な時期に適切な方法で行なっていますか。 11 マスクを着用していますか 10 健康診断、検便検査の結果に異常なく、下痢・発熱・手指な どに化膿創はありませんか。 手洗設備には、石けん・爪ブラシ・ペーパータオル・消毒液など を定期的に補充し、常に使用できる状態ですか。 6 9 調理場内にみだりに外部者を立ち入らせたり、調理作業に不 必要な物品が置かれていませんか。 5 調理機械、調理器具、容器等は使用後よく洗浄し、消毒・ 乾燥して衛生的に保管されていますか。 施設は十分に換気が行なわれ、高温多湿が避けられています か。 4 8 施設へのネズミやハエ・ゴキブリの侵入を防止するための設備に 不備はありませんか。 3 包丁、まな板等の調理器具は用途別及び食品別に用意し、 混同しないように使用されていますか。 施設は常に点検し、破損等はありませんか? (あるときはすみやかに施設長に報告しましょう。) 2 7 施設及びその周辺は毎日清掃し、衛生上支障がないですか。 曜日 日 1 点 検 項 目 3 参考例) 自 主 管 理 点 検 表 5 × : 不良 4 6 7 記録者 : 8 9 ) 保育所 平成 年 月 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 ( 13 自主管理点検表について