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情報工学科 - 中央大学
学科紹介 情報工学科 情 報 工学 科 新 デ ザインの 専 門 科 目 群 で 企 画 創 出とプ ログ ラミング 能 力 を 強 化 Department of Information and System Engineering The department educates intelligent human resources who, in order to grow to actors of middle or top management over many categories of business in the information field, develop a wide range of fundamental knowledge with expertise, have minds to continue learning and challenging towards realization of own dreams, have communication skills fostered through research activities and presentations at academic conferences, sense always own roles in groups and societies, and act with proper ethics. 40 グローバルに活動する現役の研究者が マルチな情報領域を指導 標準的カリキュラムに独自視点を付加 新デザインの専門教育科目群 豊富な演習・プロジェクト科目で 企画創出とプログラミング能力を強化 情報工学とは、任意の事象を定量化または定性 情報処理学会コンピュータ科学教育委員会の (1) 情報技術のかなめであるプログラミング能 化し、解決すべき問題をコンピュータが計算できる 策定によるコンピュータ科学知識体系へ、グロー 力を豊富な演習科目を通じて重点的に修得するこ 形に定式化または規則化したうえで、必要な情報 バルに活動している現役の研究者による独自の とにより、個々の学生が自身の成長を実感し、(2) 処理過程をコンピュータのコードで記述し、高性 視点を付加し、活用環境を想定した知識体系と プロジェクト科目の選択的な履修を通じてコンピ 能な情報システムを効率的に設計・構築・運用する して、数学/プログラミング/概論/倫理/アー テンシー(社会における高業績者に共通する思考・ 技術を継承しつつ発展させる複合領域学問の一つ キテクチャ/データ構造とアルゴリズム/数値計 行動特性)を能動的に強化することにより、情報 です。この目的のため、IEEE(米国電気電子学会) 算/データベース演習/コンピュータグラフィッ 技術者としての成長を持続し得る行動変容を引き や ACM(米国計算機学会)などの分野で活動して クス/ネットワーク/オペレーティングシステム 出し、(3) 企業で必要とされる企画創出能力と本 いる社会情報領域、映像情報領域、数理情報領域、 /ソフトウェア工学/知能/画像の暗号と復号/ 質的には同義な研究力を育成することにより、毎 知能情報領域、生命情報領域の現役の研究者を、 政策数学、の 15 カテゴリへと組み換えたうえで、 年度2千件を超える求人実績や、専攻生による学 本学科の専任教員として採用しています。 専門教育科目群を系統的に新デザインしました。 会等発表実績などへと確実につなげていきます。 Faculty of Science and Engineering 2017 理 工 学 部 プレイを 4 Kディス た 視 体 立 要な 合わせ メガネ不 6 面組み 縦 2 面= ル」 ー ォ 横 3 面× ウ して イ・ ィスプレ 設備導入事例と い 「3D デ 3D のな の と 当 こ た 相 12K4K の誰も見 体感。 を まだ世界 ンテンツ 世界 初。 コ D ルな 3 オリジナ PickUp 授業 特長的な科目を4つご紹介します。詳しいカリキュラムについては、web ページをご覧ください。 オープンプロジェクト演習 情報総合演習 1〜4 年次 1 年次 Web とオープンソースをリードしてきた Mozilla Japan に所属す オープンソースのソフトウェア開発、シミュレーションのためのモ るエンジニア講師陣から、Web の標準化や Firefox の開発といっ デリング、地理情報システム(GIS)における道案内文や略地図の た活動を通じて得た実践的な知見が学べます。過去の履修者には、 作成、構造物の設計を行うための数値解析手法の原理、その他 この科目の最終成果を磨き上げてロンドンで行われる Mozilla の題材についてグループ学習も交えて学びます。ロジカルシンキ Festivalでワークショップを行った例や、 Mozilla Japanのインター ングは、経済産業省IT人材育成強化加速事業実践講座として実 ンとして Firefox の開発に携わっている例などがあります。 施。オープンキャンパスで模擬授業を体験してください。 画像・映像コンテンツ演習 卒業研究 2〜4 年次 4 年次 立体視用バーチャルシティ、立体肖像撮影インターフェース、画像 情報工学科における学修の総括として、配属された研究室の指導教 の符号化と暗号化、立体視用リアルタイムグラフィックスに関する 授による指導下で、各自がテーマを設定し自主的に研究を進め卒業 プロジェクト開発をグループで進めます。リクルーターも兼ねた社 論文としてまとめ成果を発表するまでの、 1年間にわたる取り組みが 会人を招き、学会のポスターセッションと同様にプレゼンとデモを 卒業研究です。3年次後期に研究室を選び、4年次に研究室での発 行い、卒業研究や就職活動へとつなげます。経産省「社会人基礎 表・討論や文献調査等を通じて確実に研究を推進することにより、 力を育成する授業 30 選」に選ばれた先進的な授業です。 IT分野で自由に活躍できる強力な頭脳と技術をみずから鍛えます。 業 種 別 就 職 状 況・主 な 就 職 先 ※ その他のサービス業 2.8% その他 卸売業、小売業 4.4% 5.2% 学術研究、専門・技術サービス業 5.2% 金融業、保険業 5.2% 製造業 12.9% 情報通信業 64.3% 伊藤忠テクノソリューションズ 日本電気 NEC ソフト エヌ・ティ・ティ・コムウェア エヌ・ティ・ティ・データ カシオ計算機 キヤノン 京セラ 日本ヒューレット・パッカード バンダイナムコスタジオ 東日本電信電話 東日本旅客鉄道 日立製作所 本田技研工業 コナミデジタルエンタテインメント ジェーシービー 新日鉄住金ソリューションズ みずほフィナンシャルグループ 三井住友銀行 三菱電機 ヤフー リコー ソフトバンク 第一生命保険 日揮 ほか多数 ※ 2013年〜 2015年 学部・大学院卒業生のうち、就職希望者 大学院進学については54 ペ ージ 41 学科紹介 情報工学科 研究室紹介 浅野 孝夫 教授 鈴木 寿 教授 離散アルゴリズム 知能・情報制御 計算機で問題を効率的に処理するための理論的研究とそ サイバネティクス=人工頭脳学を基盤に、人工知能=AIお の応用を、主なテーマとしています。問題を計算機で効 よびロボティクス=ロボット工学を包含する学際分野にお 率的に処理するには、ハード面での高速化だけでは不十 いて、脳型コンピュータ(雑談プログラム、思考支援プロ 分で、ソフト面での高速化が必要不可欠です。このような グラム) 、嗜好の類似性検索、ステレオ視3D技術(コン 点から、離散アルゴリズムや図形処理アルゴリズムの研 ピュータ支援立体内視鏡) 、自律移動車、等身人型ロボッ 究をしています。また、Java言語によるアルゴリズムア ト格闘技、自動音楽、高性能スペクトル分析など、要素 ニメーション、およびインターネット社会で生じる学際的 なトピックの研究も始めています。 東北大学出身* 技術から応用面に至るまで幅広く研究を進めています。 検索エンジンから「サイバネティクス研究室」と入力すれ 大阪大学出身* ば、概要をご覧になれます。 今井 桂子 教授 田口 東 教授 アルゴリズム理論基礎 数理モデル 情報科学の理論的基礎分野で研究を行っています。問題 社会生活に現れる現象のように、対象の中に含まれる要因 を効率良く解くための方法を考えるアルゴリズム理論や工 が多く、複雑な関係があるために数量化しにくいと考えら 学的な問題に関連した応用数学に興味をもっています。 れるシステムに対して、本質的な部分を取り出して数理モ 特に、計算幾何学という、図形をコンピュータで処理する デルを考察することがテーマです。バス・鉄道の公共交通 ためのデータ構造やアルゴリズムの研究を行う分野での 機関、混雑する歩行空間の利便性向上、駅ナカ施設の利 研究が中心です。計算幾何学の専門家。 アイコン 説 明 便性、地理情報システム、モデルを想定したデータ解析な 津田塾大学出身* どの研究をしています。通勤電車の混雑緩和策が注目され (テレビ東京WBS、NHKサイエンスZERO出演)鉄の血 東京大学出身* が明らかになった後、最近はバスに関心を移しています。 今堀 慎治 教授 趙 晋輝 教授 アルゴリズム工学 情報通信工学 アルゴリズムとは、コンピュータで計算を行うときの計算方 暗号理論とメディア情報処理を研究しています。前者は、 法のことであり、実社会に現れるさまざまな問題を、計算方 楕円暗号と超楕円暗号を主な研究対象としています。後 法を工夫することで効率的に解くことに興味があります。解 者は、人間の視覚情報処理のメカニズムを数理モデル化 きたい問題は山のようにあり、それらの問題に対して個別の し、メディア工学の基本アルゴリズムを開発しています。 アルゴリズムを設計することは現実的とは言えません。アル ゴリズムの方法論と技術を体系化することで、解決を求めら れている多くの問題に対し、汎用性と柔軟性に富む高性能な アルゴリズムの開発を可能にするための工学を構築する(誰 中国西安電子科技大学出身* 京都大学出身* でも高性能アルゴリズムをつくれる)ことが目標です。 久保田 光一 教授 古屋 清 教授 数値情報処理 計算機システム 数値計算のための記号処理技術である自動微分法とその コンピュータアーキテクチャ、論理設計、コンピュータ用 ためのプリコンパイラに関して研究しています。これは、 の符号、フォールトレランス(耐故障設計) 、大規模集積 数値計算の結果の「正確さ」を示す誤差評価値を自動的 化システムのテストなどの研究を主なテーマとしていま に計算したり、その評価値から計算の「品質」を保証した す。特に、最近では、集積回路の組み込み自己検査のた りするための基礎として有用な技術です。また、情報技 めの並列疑似ランダムパタン生成に興味をもって研究して 術の観点からの地理情報処理として、構成的な略地図の 記述形式とその表示システムを題材とした地理情報科学 技術を学ぶための教育ツール開発に取り組んでいます。 42 います。デジタルシステム設計のエキスパート。 東京大学出身* 東京工業大学出身* Faculty of Science and Engineering 2017 理 工 学 部 牧野 光則 教授 鳥海 重喜 准教授 システム解析・可視化 空間情報技術 コンピュータグラフィックス(CG) 、バーチャルリアリティ (VR) 地理的な位置に関する情報(とそれに関連付けられた情報) による可視化技法や方程式を解くための数値シミュレーショ を空間情報と呼び、それらを収集、管理、加工、分析、表 ン技法を中心に研究しています。さまざまな問題に対して、 示する空間情報技術を開発しています。そして、現実の社 コンピュータを使って「確実にかつ効率的に計算する」 、 「理 会や都市における、さまざまなシステムが複雑に絡み合って 解しやすくかつ元の情報を損ねずに表示する」 、 「社会に役立 いる問題を、空間情報技術を活用して解決することをめざし つ」ことが目標です。CG分野の受賞多数、CGの専門家。 エンジニアリング教育の質保証にも積極的に参画。 ています。具体的な研究テーマとして、鉄道・船舶・航空な 早稲田大学出身* どの交通システムとそれと密接な関係をもつ都市・地域・環 境の諸問題を取り上げ、それらを解決するための数理的手 中央大学出身* 法、ならびに、実践的手法に関して研究を行っています。 *出身大学は、学士号を取得した大学名を統一表記しています 髙松 瑞代 准教授 数理最適化 身のまわりにあるさまざまな問題を取り上げ、その数理的 な構造を抽出し、最適化手法を用いて問題を解決するこ とが研究テーマです。具体的には、組合せ最適化手法を 用いた行列計算の高速化、微分代数方程式の最適モデリ ング、鉄道・バス間の乗換が便利な時刻表の設計などに 取り組んでいます。専門分野は組合せ最適化、オペレー ションズ・リサーチ、離散数学ですが、実用をめざして分 野横断的な研究を行うことを目標にしています。 東京大学出身* h arrcch RReesseea 粒 子 法 に よるリアル タイム C G を 用 い た 屋 根 から の 落 雪 の 対 話 的 な 危 険 度 可 視 化 近年、都心部において屋根からの落雪による傷害・ 図上の色で表すヒートマップが挙げられます。 損害事故が増加しています。この原因は、都心部での この、屋根から落雪の危険性を正しく学習させるた 積雪量増加や密集した住宅地が多いことなどさまざま めのシミュレーションと可視化について私は研究を進め ですが、雪に慣れていない人々が雪の危険性を正しく ています。物理シミュレーションについては、粒子法に 理解していないことも大きな原因のひとつです。 より落雪中の挙動計算をしています。粒子法では物体 落雪に関する正しい知識と強い印象を付与する方 を微少な粒子の集合体であるととらえ、その粒子 1 個 法として、コンピュータグラフィックス (Computer 1 個の挙動によって物体全体の挙動を計算します。こ Graphics, CG) があります。CG を用いると実際の落 のため、形を変化させるような物体に適しており、現 雪映像よりもさまざまな場面と視点において落雪を観 在さまざまなシミュレーションに適用されています。ま 察できるため、学習効果は向上すると考えられます。 た、計算を可視化に用いるためにリアルタイムでの処 このとき、重要となってくるのがリアリティです。違和 理が必要となることから、SPH(Smoothed Particle 感のある雪挙動は学習効果を低下させるため、物理的 Hydrodynamics )法を用いた高速並列処理計算を行 に正しい挙動を描画する必要があります。 うことも研究課題のひとつです。可視化については、 一方、雪の振る舞いを正確にシミュレーションしても、 誰でも直感的に正しい落雪危険性の理解ができるよう 視覚的には雪が落下してくるだけであり、その場で何が に必要な要素や機能、また、表示方法やユーザーイン 起こるのか直感的に理解することは容易ではありませ ターフェースなどを検討しています。 ん。この、必ずしも見えるとは限らない情報を CG 技 これからも可視化のような社会に貢献できる研究を 術によって見えるようにし、理解を促進することを可視 進めていき、プログラミング技術だけでなく幅広い知 化と呼びます。例としては各地域の気温や積雪量を地 識や多彩な能力を修得していきたいと考えています。 齋藤 朱里 博士前期課程 情報工学専攻 1 年 私立中央大学杉並高校(東京都)出身 43