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2J グローバル時代のメディア、 報道と情報アイデンティティ戦略
メディア社会専攻・ 「社会とメディア」領域 2J グローバル時代のメディア、 報道と情報アイデンティティ戦略 日 高 勝 之 ニュース報道を中心にしたメディア研究、グローバル・コミュニケーションが専門で、 「グローバル・メディア論」他を担当。もともとは NHK で、主に報道局のディレクター、 デスクとして、国際報道・ニュース番組の企画、制作の仕事に 15 年携わりました。在 職中にメディア関連の研究を始め、5 年前に大学教員に転職。一昨年はイギリスで研究 を行いました。現在は、メディアとグローバル化、モダニティ、ナショナリズムなどの 関連を研究しています。 1.専門演習の目標 グローバルな視座から、テレビや新聞のニュース報道をは じめ、映画、テレビ、インターネットなどの理解を行い、自 分自身やメディア、社会の問題を考察すると共に、21 世紀 のメディアの行方を追究します。最終的には、将来の進路も 視野に入れた主体的な取り組みによって、困難な時代を生き 抜くための、論理的かつ戦略的な自己アイデンティティの造 型にもとづく、総合的な自己演出を図ることが目標です。 2.専門演習で扱う課題と内容 本演習の力点は、21 世紀の新たな「情報メディア生活」 の開拓です。既成メディアは、新聞、テレビ、映画どれも不 況に喘いでおり、多くのメディア企業が淘汰されていくで しょう。この激動の時代にあって、大学でなぜメディアを学 ぶのか、皆さんは自分に問いかける必要があります。21 世 紀の「情報メディア生活」の未来を占うには、従来のメディ ア研究の理解だけでは不十分かもしれません。本演習では、 新しい時代の「情報メディア生活」開拓のための、各自のい わば知恵比べの側面もあります。 主なキーワードは、人間、アイデンティティ、イデオロギー を中心に、グローバル化、自分史、議題設定、ニュース価値 などが挙げられます。 本演習で取り上げるメディアは、テレビ、新聞、映画、イン ターネット、広告など多岐に渡ります。テーマ理解のしやす さから教材としては、3 回生前期は映画、テレビを扱う頻度 が高いでしょう。後期は、ニュース報道が中心になります。 3.授業の進め方・内容 ■ 3 回生演習の進め方 ・毎週、課題テーマを設定し、予習中心に進める。①テキ スト等の指定した箇所を読んでくる。②指定したメディ ア教材(映画など)を各自で視聴してくる。③上記の①、 ②を行ったうえで課題テーマへの考えを整理してくる。 ・演習の時間は、予習に基づき、まずグループ別のディス カッションを行う。その後、代表者による短い発表を行 う。最後に教員が全体総評を行い、理解を深める。 ■ 3 回生演習の内容 演習で毎週扱うテーマ課題の参考例は以下の通り。 (例)☆イデオロギーとメディア、☆世界観、神話とメディ ア表現、☆自分史とメディア、☆モダニティの問題とメ ディアの可能性、☆イギリスメディアの対日報道、☆世界 のニュース報道議題の規程要因 ■ 4 回生演習の進め方と内容 各自の志向性を重んじながら卒業論文指導を行なう。具体 的には、各自の論文のテーマの選び方、テーマ絞込み、論 文の形式、書き方・スタイル等、毎回テーマを定め、具体 的に学びます。 4.必要とする知識 普段からテレビニュースや新聞報道、映画などに慣れ親し むことが求められます。 5.関連する分野・科目・知識 メディア研究、社会学全般。「グローバル・メディア論」 、 「コ ミュニケーション政策論」など。 6.テキスト ・ 参考書・機材(受講生が標準的に持つもの) ・テキスト:アート・シルバーブラットほか著「メディア リテラシーの方法」 (リベルタ出版)。 ・参考書:ギデンズ「近代とはいかなる時代か?」 (而立 書房)、 フィスク「テレビジョン・カルチャー∼ポピュラー 文化の政治学」 (梓出版社) 、伊藤陽一編「ニュースの国 際流通と市民意識」 (慶応義塾大学出版会)ほか 7.独自に付加する選考方法 選考上、必要と判断した場合、面接を行います。なお、演 習の中身を正確に知ってもらうため、出来る限りクラス別ガ イダンスに出席するか、オフィスアワーにて教員本人と接触 しておくことをお薦めします。 8.受講生に望むこと ・進路希望は、メディア産業希望者に限らず、幅広く考え ています。メディア理解を通して自己理解やアイデン ティティの問題を考えたい人、さらに将来の進路のため に、戦略的に自己アイデンティティの造型を図りたい人 を求めます。将来の進路、人生と演習の勉強を結びつけ る主体的、積極的な取り組みを求めます。 ・グローバルな視点からメディアを考えるため、外国語学 習に意欲的な学生は、特に歓迎します。有志学生により、 夏季にイギリス語学文化研修。 ̶ 46 ̶