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政府統計データの活用(折田委員提出資料)
資料1-1 第4回「情報通信技術利活用のための規制・制度改革に関する専門調査会」 (2010年12月28日)提出資料 政府統計データの活用 委員 折田 明子 政府の統計データ • 公的統計 – 国の行政機関・地方公共団体が作成する統計 – 基幹統計 (54統計 H22.10時点) • 行政機関が作成する特に重要な統計 • 統計データの利用促進 – 統計調査によって集められた情報(調査票情報)の 二次的利用 • 統計の公表 – 基幹統計や一般統計調査の結果は、原則として作成 した後に速やかにインターネット(政府統計の総合窓 口e‐Stat )や冊子形式で公表 2 (出典: 総務省統計局 統計制度 http://www.stat.go.jp/index/index.htm) 統計データの二次的利用 • オーダーメード集計 (統計法34条) – 既存の統計調査で得られた調査票データを活用して、調査実施機関 等が申出者からの委託を受けて、 そのオーダーに基づいた新たな統 計を集計・作成し、提供するもの – 国勢調査でオーダーメード集計ができる項目 男女、年齢、出生の月、世帯主との続き柄、配偶関係、国籍、世帯の種類、世帯の家族類 型、世帯人員、 親族人員、子供の有無、数、年齢、住居の種類、住宅の所有の関係、住 宅の建て方、延べ面積、労働力状態、 就業状態、就業時間、従業上の地位、産業、職業、 社会経済分類、世帯の経済構成、従業・通学時の世帯の状況、 通勤・通学者数、都市計 画の地域区分、従業地・通学地、常住地 • 匿名データの提供 (統計法36条) – 調査客体が特定されないように加工を施した上で、利用申出を行っ た申出者に対して匿名データを提供(貸与) – 例: 「全国消費実態調査」高齢者の所得・消費行動の分析 – 例:「就業構造基本調査」非正規雇用の拡大の社会的な影響 の分析、若者の就業の実態に関する分析等 3 (出典: 総務省統計局 統計制度 http://www.stat.go.jp/index/index.htm) 論点 政府統計データの活用を図るため、オーダーメード集計及匿名 データの提供の要件を、例えばビジネス用途など、他の目的にも 利活用できるよう拡大する 2009.4 改正統計法施行 (2007.5 全面改正) 2009. 10 統計法施行規則改正 1. 二次的利用に向けた課題 – – – – 利用範囲・提供状況 国民の情報利用に対する理解 国民の不安 進捗状況について これをどのように解決し、進めていくべきか 2. 利活用のニーズ – 教育・研究以外の利用に対する要望 利用に資する政府のデータ提供とはどのようにあるべきか 4 ヒアリング調査対象 本件の具体的な取り組みは、内閣府統計委員会では なく、総務省で取りまとめを行っているとのことから、下 記の府省を対象とした。 また、要望元に関しては、個別の企業からの具体的な ヒアリングが困難だったため、取りまとめを行った日本 経済団体連合会が対象となった。 • 総務省 • 経済産業省 • 本項目要望元(日本経済団体連合会) 5 (参考) 二次的利用の推進 統計委員会「公的統計の整備における喫緊の課題とその対応に関する基 本的考え方」(平成22年6月18日) (3)必要な統計リソースの確保 公的統計の作成・提供のための予算・人員に限りがある中で、公的統計が一定 の精度を確保し、その役割を果たすためには、統計リソースの確保及び有効活用 をより一層推進する必要がある。 特に、国民経済計算関連統計の整備、サービス産業関連統計の整備、新たな政 策課題に対応可能な統計の整備を推進するための統計リソース確保が重要であ る。また、近年の統計調査環境の変化や、統計ニーズの多様化・高度化に対応す るため、行政記録情報等の活用、統計データの二次的利用の推進、ビジネスレジ スターの整備等に必要な統計リソースを充実させることも求められている。 (出所) http://www5.cao.go.jp/statistics/report/interimreport/koutekitoukei.pdf 6 (参考)二次的利用の利用目的の制限 第8回「統計データの二次利用促進に関する研究会」 (平成22年12月10日) 資料4: 二次的利用の利用目的の制限等について(これまでの考え方) ①オーダーメード集計を行うためには、相当程度の行政資源を投入する必要がある。 ②利用目的を問わずにオーダーに応じることとした場合には、個人情報などが調査 対象者の意図に反して利用されるのではないかという不安を、調査対象者に与える おそれもあり、統計調査に対する調査対象者の信頼を損ね、ひいては統計の真実性 の確保に支障を来すことも考えられる。 利用目的を問わず匿名データの提供に応じることとした場合には、実質的に無制限 に誰に対しても匿名データを配布することとなる。 匿名化されているとはいえ、生活実態や会社運営実態などの赤裸々な個々の回答 の内容に変わりはなく、これらの情報が無制限に提供されれば、回答内容が調査 対象者の意図に反して利用されるのではないかという不安を調査対象者に与える おそれもあり、統計調査に対する調査対象者の信頼を損ね、ひいては統計の真実 性の確保に支障を来すことも考えられる。 (出所)http://www.stat.go.jp/info/kenkyu/2jiriyou/pdf/si8‐4.pdf 7 (参考)調査票情報と個人情報保護 統計局ホームページ公的統計の利用拡大について(二次的利用について) 基幹統計調査及び一般統計調査に係る調査票情報に含まれる個人情報は、「行政 機関の保有する個人情報の保護に関する法律 (平成15年法律第58号)」及び「独立 行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第59号)」 の規 定の適用から除外されます(統計法第52条)。 これは、統計法自らにおいて第39条~第43条において調査票情報等の保護が整備 されていること、また統計調査により集められた個人情報については、 集計後は個人 が識別されない形で利用・提供されることを踏まえたものです。 なお、匿名データの作成においても、個人情報に当たる部分は削除され、さらに 個々のデータから個体が間接的に特定されることの無いよう、匿名化措置 を行い、個 人情報が漏洩しないように万全の措置を取っています。 加えて、匿名データの提供を受けた者に対しても、統計法により調査票情報の取扱 と同様に、匿名データを適正に管理することが求められています。 (出所) http://www.stat.go.jp/index/seido/2jiriyou.htm 8 (参考)施策の施行状況 統計委員会「平成21 年度統計法施行状況に関する審議結果報告書(平成22年9月30日) オーダーメード集計、匿名データの作成及び提供(二次的利用)、調査票情報の提供について (第3ワーキンググループ) ア 施策の施行状況 (ⅰ)平成21 年度中に、国の行政機関がオーダーメード集計のサービスを開始した統計 調査は、法人企業景気予測調査(内閣府と財務省の共管)、国勢調査(総務省)・学校基 本調査(文部科学省)・賃金構造基本統計調査(厚生労働省)・農林業センサス、漁業セ ンサス(以上農林水産省)の6調査であり、提供件数は4件であった。また、匿名データ の提供を開始した統計調査は、住宅・土地統計調査・就業構造基本調査・全国消費実態 調査・社会生活基本調査(以上いずれも総務省)の4調査であり、提供件数は20 件で あった。 (ⅱ)さらに、平成21 年度中に、国の行政機関が、法第33 条第2号に該当するとして、調 査票情報を提供した件数は、54 件であった。 (出所)http://www5.cao.go.jp/statistics/report/21followup/21followup_2.pdf 9 (参考)施行状況の評価と課題 統計委員会「平成21 年度統計法施行状況に関する審議結果報告書(平成22年9月30日) オーダーメード集計、匿名データの作成及び提供(二次的利用)、調査票情報の提供について (第3ワーキンググループ) イ 施策の施行状況を取り巻く現状の評価と課題 (ⅰ)二次的利用は、新法の施行に伴い平成21 年度から開始されたものの、利用件数の実績につい ては24 件にとどまっている。この理由としては以下が挙げられる。 ・二次的利用可能な統計調査の数がまだ少ない。また、提供されているデータの対象期間も限られ ており、平成21 年度末にサービスが開始された統計調査もある。一方、総務省が行っている統計 ニーズに関するアンケートの結果によると、二次的利用が可能な統計調査以外の統計調査に対して も、今後早期のサービス開始を求めるニーズが存在している。 ・さらに、同アンケートの結果によると、二次的利用のサービスの開始や制度内容を知る者が約四分 の一にとどまっており、潜在的な利用者に制度が十分認知されていない。 ・また、統計ニーズに関するアンケート結果によると、利用目的の拡大に対するニーズが寄せられて いる一方、実際に利用できる目的が現在は学術研究目的又は高等教育目的等に限られている。 (ⅱ)法第33 条に基づく調査票情報の利用については、厳格な運用が必要である が、手続が煩雑で時間がかかるため、手続の円滑化を求める声がある。 (出所)http://www5.cao.go.jp/statistics/report/21followup/21followup_2.pdf 10 (参考)取り組むべき方向性 統計委員会「平成21 年度統計法施行状況に関する審議結果報告書(平成22年9月30日) オーダーメード集計、匿名データの作成及び提供(二次的利用)、調査票情報の提供について (第3ワーキンググループ) ウ 取り組むべき統計整備の方向性 (ⅰ)基本計画に掲げられた二次的利用について、引き続き以下の事項を推進する。 ・各府省は、今後、利用者のニーズを踏まえ、二次的利用の対象となる統計調査について順次拡大 していく必要がある。 また、秘密の保護等を確保しつつ、現在、一定期間を置いて作成している匿名データについて、その 期間をより短くしたり、過去長期にわたって二次的利用の対象としていく必要がある。 ・総務省は、国民からの理解が得られる範囲において、二次的利用を一層推進する観点から、二次 的利用の利用目的の範囲について検討を行う必要がある。 ・各府省は、二次的利用に対する制度、手続き、二次的利用可能な統計調査の周知を図る必要があ る。また、情報管理について利用者側の意識向上に努める。 ・各府省は、利用手続きについて、利用者のニーズを把握し改善に努める。 (ⅱ)各府省は、法第33 条に基づく調査票情報の利用について、ガイドラインに 準拠して適切な運用を確保する必要がある。また、総務省はオンサイト利用についての検討を進め る際に法第33 条に基づく調査票情報の利用の手続の簡素化の検討を行う。 (出所)http://www5.cao.go.jp/statistics/report/21followup/21followup_2.pdf 11 (参考)諸外国の状況(利用条件) 総務省統計局「統計データの二次的利用促進に関する研究会」(平成19年10月22日) 資料7:諸外国の統計データの二次的利用の状況 – 使途や使用方法を問わない • 米国センサス局 PUMS(Public Use Microdata Sample) • ドイツ連邦統計局 PUFs(Public Use Files) • オーストラリア ASSDA (Australian Social Science Data Archive) – 商業目的でも利用可能 • 英国UKDA (The UK Data Archive) – 学術研究に限る • カナダ統計局 DLI (Data Libration Initiative) • ドイツ連邦統計局 ZUMA, ZA • 英国 CCSR , SARs (Samples of Anonymised Recoreds), CeLSIUS, – 研究計画書の提出 • カナダ統計局 RDC (Research Data Center), Remote Data Access – 資格が必要(雇用、宣誓など) • • • • 米国センサス局 CES &RDC カナダ統計局 PUMFs (public Use Microdata Files) ドイツ連邦統計局 RDC (Research Data Centres) 英国ONS (契約による) (出所)http://www.stat.go.jp/info/kenkyu/2jiriyou/pdf/si1‐7.pdf 12 (参考)諸外国の状況(提供形態) 総務省統計局「統計データの二次的利用促進に関する研究会」(平成19年10月22日) 資料7:諸外国の統計データの二次的利用の状況 • 提供フォーマット – SAS, SPSS, Stata + EXCEL, csv, tsv, ASCII(米国、英国、豪州) – Dat形式 (米国) • 提供形態 – オンライン提供 – オンサイトによる提供/データセンターの端末で利用 – CD‐ROM等メディア媒体を販売 • オーダーメード集計 – 英国 CeLSIUS, ONS (出所)http://www.stat.go.jp/info/kenkyu/2jiriyou/pdf/si1‐7.pdf 13 (参考) 米国 Data.gov • 2009年5月21日開設 • 情報・データを入手できる http://www.data.gov/ 14