Comments
Description
Transcript
通貨体制の選択と 経済安定
通貨体制の選択と 経済安定 国際的な資金フローに関する研究会 2012年2月23日(木) 慶應義塾大学経済学部 嘉治佐保子 目次 1. 単一通貨と欧州経済の安定 2. 経済安定のために必要な改革は何か 金融規制改革、構造改革 等の改革 それを実現するためのgovernance overhaul 3. 必要な改革を進める手段 欧州にとっては統合、「内政干渉」の方向へ 日本・アジアは何を選ぶのか 協力・統合のあり方は 2 単一通貨と欧州の経済安定 ユーロ危機後、アジアはじめ世界各地域は通貨同盟 に懐疑的になっている しかし、単一通貨を手放せば、それだけで経済が安 定するわけではなく、単一通貨さえなければ必ず経済 が安定していたわけでもない すべての通貨体制にはコストとベネフィットがある どのコストとベネフィットの組み合わせを選ぶか 経済には不確実性が内在しており、為替レートとい う調整変数を止めれば、ほかの変数が動くことになる 欧州にとって、単一通貨という選択は合理的 今後は、必要な改革を、固定レートでなく内政干渉 が行うことになる 3 単一通貨と欧州の経済安定 ユーロ導入の目的の一つ:金融財政政策の自由 度を奪われ、価格・コストが透明になることに よる合理化・構造改革の促進 これによって、経済指標が「望ましい方向」に 収斂する形で共通通貨域内の非対称性が減少 収斂せずに非対称性が残る国々の間では、 為替レートを固定するのは困難 しかし非対称性は期待通りには低下せず、為替 レートの調整を必要とする状態が継続した為、 共通通貨が危機を迎えた 4 The Lisbon Strategy • 欧州における合理化・構造改革の促進の試み: 2000年3月のサミットでうちあげられた 「リスボン計画」ないし「リスボン戦略」 (The Lisbon Agenda, The Lisbon Strategy) • その目標は、10年間で “to make the EU the most competitive and dynamic knowledge-based economy in the world with more and better jobs and greater social cohesion” 5 The Lisbon Strategy • 2000年12月ニース理事会: 毎年春の理事会で実施条項を審 査する • 2001年3月ストックホルム特別理事会: 雇用対策に関する 目標を設定 • 2002年3月バルセロナ理事会:リスボン計画の進展が遅い 分野もあることを認めた上で、2010年までに定年の平均 年齢を5年引き上げることなどを含む新しい目標も導入 • 2003年7月ブラッセル理事会: 加盟国が提出するBroad Economic Policy Guidelines を新規加盟国も2005年からは Implementation Reportの形で提出、財サービス資本市場 のカーディフ・構造改革レポート(Cardiff reports)につ いて、2003年10月から自主的に提出することを勧める 6 The Lisbon Strategy • 2003年7月、ブラッセル自由大学のSapir教授率いるグ ループが委員会の依頼によって作成したレポートを発 表、EU予算増額のための税導入と農業から投資への支 出振り替えを提唱したほか、「開かれた協調」(Open Method of Coordination)だけで戦略の目標が達成で きるかどうかに疑問を呈した • 実際、事態は大きく進展せず、2004年3月のブラッセル 理事会は、リスボン戦略見直しの議論のたたき台を作 成することを、ヴィム・コック元オランダ首相率いる グループに要請 • こうして2004年11月に欧州委員会に提出されたのが、 加盟国の政治的意思が希薄であることを批判したコッ ク・レポート(Kok Report) 7 The Re‐launch of Lisbon • 2005年3月ルクセンブルグ理事会は、欧州委員会の 提案にしたがって成長と雇用に焦点をあて、リスボ ン戦略を「再出発」(re-launch) させた。 • この「再出発」がそれまでと違うのは、加盟国に sense of ownershipを持たせる構造として、”new cycle of governance” を埋め込んだこと (slide 9) • しかし、加盟国のsense of ownershipを増加させて も、国民(有権者)のsense of ownershipを増加さ せないと、効果が出ないことは容易に予想できた • 有権者が、痛みを伴う改革を実行するような政治家 に投票しないかぎり、改革は実現しない 8 2005 年 欧 州 理 事 会 2005 年 4 月 ‐6 月 委 員 会 と理 事 会 が New Integrated Guidelines for Growth and Jobs 2005-2008 を採 択 3 月 22 日 ‐23 日 リスボン戦 略 再 出 発 2005 年 6 月 委 員 会 が Community Lisbon Programme 2005-2008 を発 表 、3 月 欧 州 理 事 会 後 に update、 欧 州 議 会 と欧 州 委 員 会 の承 認 が必 要 2005 年 10 月 から 12 月 加 盟 国 が National Reform Programmes (三 年 計 画 ) を採 択 2006 年 1 月 委 員 会 が Annual Progress Report と proposals for possible update of Integrated Guidelines and Recommendations を採 択 2006 年 3 月 欧 州 理 事 会 : 欧 州 議 会 からの input を 受 けて修 正 もある 2006 年 4 月 ‐6 月 理 事 会 が Updated Integrated Guidelines and Recommendations 2005-2008 を採 択 2006 年 秋 加 盟 国 が Implementation Reports を採 択 2007 年 1 月 委 員 会 が Annual Progress Report と proposals for possible update of Integrated Guidelines and Recommendations を採 択 2007 年 3 月 欧 州 理 事 会 : 欧 州 議 会 からの input を 受 けて修 正 もある 2007 年 4 月 ‐6 月 理 事 会 が Updated Integrated Guidelines and Recommendations 2005-2008 を採 択 2007 年 秋 加 盟 国 が Implementation Reports を採 択 2008 年 4 月 ‐6 月 委 員 会 と理 事 会 が New Integrated Guidelines for Growth and Jobs 2009-2012 を採 択 2008 年 6 月 委 員 会 が Community Lisbon Programme 2009-2012 を発 表 、3 月 欧 州 理 事 会 後 に update、 欧 州 議 会 と欧 州 委 員 会 の承 認 が必 要 2008 年 11 月 頃 加 盟 国 が National Reform Programmes (三 年 計 画 ) を採 択 出所:Kaji (2007) 9 Productivity since the launch of the “Lisbon Strategy” 10 Labour productivity is defined as GDP per hour worked 製造業単位労働コストの推移 http://www5.cao.go.jp/j-j/sekai_chouryuu/sa11-02/s2_11_2_1/s2_11_2_1_1.html 第2‐1‐45図 11 生産性と労働コスト(製造業) 12 http://www5.cao.go.jp/j-j/sekai_chouryuu/sa11-02/s2_11_2_1/s2_11_2_1_1.html 第2‐1‐46図 製造業労働生産性:TFPの低下 TFP=経済成長のうち労働投入と資本投入で説明できない、技術革新等の様々な要因による http://www5.cao.go.jp/j-j/sekai_chouryuu/sa11-02/s2_11_2_1/s2_11_2_1_1.html 第2‐1‐47図 13 TFPを下げる、競争阻害の程度 http://www5.cao.go.jp/j-j/sekai_chouryuu/sa11-02/s2_11_2_1/s2_11_2_1_1.html 第2‐1‐48図: OECDのProduct Market Regulation指数(価格決定における行政の介入や参入規制等の程度について調 査を行い、規制の厳しさを数値化した もの)の内、国内経済の規制(domestic economic regulation)に関する項目を用いた計算。 14 有期雇用増加率における 低スキル雇用者の寄与度 15 http://www5.cao.go.jp/j-j/sekai_chouryuu/sa11-02/s2_11_2_1/s2_11_2_1_1.html 第2‐1‐49図 産業別生産構造(輸出競争力)の比較 http://www5.cao.go.jp/j-j/sekai_chouryuu/sa11-02/s2_11_2_1/s2_11_2_1_1.html 第2‐1‐43図 16 政府部門人件費の割合(財政悪化要因) 17 http://www5.cao.go.jp/j-j/sekai_chouryuu/sa11-02/s2_11_2_1/s2_11_2_1_1.html 第2‐1‐44図 アイルランドとスペインの 住宅価格と家計債務残高 http://www5.cao.go.jp/j-j/sekai_chouryuu/sa11-02/s2_11_2_1/s2_11_2_1_1.html 第2‐1‐53図 18 就業者数の変化 (建設・不動産業が回復の足かせ) 19 http://www5.cao.go.jp/j-j/sekai_chouryuu/sa11-02/s2_11_2_1/s2_11_2_1_1.html 第2‐1‐54図 不良債権比率の変化 20 http://www5.cao.go.jp/j-j/sekai_chouryuu/sa11-02/s2_11_2_1/s2_11_2_1_1.html 第2‐1‐55図 家計債務残高の変化 21 http://www5.cao.go.jp/j-j/sekai_chouryuu/sa11-02/s2_11_2_1/s2_11_2_1_1.html 第2-1-24図 対外純資産 22 http://www5.cao.go.jp/j-j/sekai_chouryuu/sa11-02/s2_11_2_1/s2_11_2_1_1.html 第2-1-42図 経済安定のために必要な改革は何か 以上から: 特にギリシャ、ポルトガル、イタリアで Lisbon Strategyが効果を発揮せず、生産性・ 競争力が低いという問題が残った これに対しドイツでは2002年のハルツ改革等 を経て生産性・競争力を向上させた スペイン、アイルランドは、不動産バブルが 生じた(安易な景気拡大) これらの問題を解決しなければ、(ユーロの有 無にかかわらず)本質的解決にならない 23 経済安定のために必要な改革は何か 民主主義のもとで、いかにして 「経済全体を良くするが投票者に不人気な政策」 を実行するか 欧州は、まだこの問いに答えを出せずにいる 単一市場 共通通貨ユーロ リスボン戦略(のちのEurope 2020) → Governance Overhaul (slide no.29~) 24 経済安定のために必要な改革は何か ユーロ導入は冷戦終焉・東西ドイツ統一と時期が重なり、 SGP(Stability and Growth Pact)に実効性を持たせる ことができなかった ユーロ建て国債の金利は、どの加盟国が発行するユーロ 建て国債についても、ドイツ国債の金利水準にむけて収 束した このことで借り入れによる支出を野放図に増やしたのは 国だけではなく、一部の加盟国では民間も借り入れを 増やし多額の負債を負った (slides 18, 21) → 国家の負債の危険性、民間負債の危険性 25 経済安定のために必要な改革は何か 欧州の政策担当者たちは、 制度改革(governance overhaul)という言葉を盛んに 口にするようになっている 制度改革の短期的目標は、市場を安定させ、 ユーロゾーン加盟国国債と欧州の民間銀行に対する 不信感を払拭すること 長期的目標は、 欧州の平和的繁栄を実現するための統合を持続可能にすること 2010年5月、 ヘルマン・ヴァン=ロンプイ欧州理事会議長が率いる タスク・フォース が発足した 26 経済安定のために必要な改革は何か ヴァン・ロンプイ タスク・フォースのレポート: (1) (2) (3) (4) 安定成長協定を通じて財政規律を強化する 加盟国間の競争率格差を減少させる 金融危機の対応を有効なものにする 経済ガヴァナンスと協調を改善する Eurobond(ユーロ共同債) 欧州金融安定基金EFSF 欧州安定メカニズムESM 「開かれた政策協調手法」(open method of cooperation)の見直し 27 必要な改革を進める手段 しかし、危機を経験した後でさえ、政治的に困難な構 造改革は実現しがたい 危機後の経済回復政策は、様々な矛盾を孕んでいる 他の加盟国の構造改革を推進する為には、内政に干 渉し、財政金融政策の自由度を取り去る必要がある が、短期的な景気回復のためには政策を緩和せざる を得ない 金融機関への資本注入は、税金を使った援助を得ら れないほかの産業に従事する投票者にとっては納得 がいかない 市場安定化のための規制は、自由闊達な市場取引 (景気回復)の障害 28 必要な改革を進める手段 投票者や市場の意見表明は、あながち間違えでない ドイツ、フィンランド、オランダ、オーストリア の有権者が「周辺国」への貸付に反対し、貸し付け るなら担保を取ってほしいという意見を政治に反映 させるとき、彼らはモラルハザードの悪を指摘して いるにすぎない 市場が、スピードが早すぎるとはしても、財政秩 序を失った国の国債発行費用を釣り上げていくとき、 必要な財政規律を回復することを求めているにすぎ ない 29 必要な改革を進める手段 他方、民主主義の赤字と言われながらも、長 期的に望ましい政策を実行する政策担当者も必 要だし、市場の動きが経済活動に大きな打撃を 与えないようにするためには、ある程度市場取 引を規制しなければならない ↓ これらの矛盾は、改革推進に活用できる 矛盾を露呈する危機は、改革のチャンス 30 必要な改革を進める手段 「相互依存の強まる国同士の間で、平和的繁栄を維持す るためには、どれほど国家主権を譲渡しなければならな いか」 ユーロはその重要な目的を達成できず、危機を迎えたと いう意味では失敗 しかし、ユーロを諦めたところで何も解決しない 加盟国の相互依存度は高く、共通通貨を持っていようと いなかろうと、為替レートの変動は経済活動を阻害する 統合以外に、欧州の平和的繁栄の道はない そして、ユーロ危機の結果として必要なgovernance overhaulと構造改革が実現すれば、ユーロは成功だった と言える 31 必要な改革を進める手段 危険なのは、公的債務・政府赤字だけでなく、 民間の債務・赤字も同様に危険 民主主義のもとで、governanceの制度設計が 誤っていると、特定の利益団体の声がより大 きく政治に反映され、民間の赤字、政府の赤 字を助長することになる (Appendix:米国金融 産業の例) その結果生じる危機は、全員が被害者になる だからこそ、governance overhaulが必要 32 必要な改革を進める手段(日本の例) 固定相場制時代、日本の平均実質成長率は10%、 その中心には米国の安定した強い経済、日本の 経済政策は国際収支に従属 1973年の変動相場制移行後1990年まで、平均実 質成長率は4%、政策の自由度は上がり、対米ド ル名目レートの趨勢は円高 バブルは、既得権益を傷つけず景気拡大・輸入 拡大を求めた結果 バブル発生期の低金利が円高によって正当化さ れた面もある 33 Real GDP Growth 34 Source: http://www.stat.go.jp/data/chouki/03.htm, http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/menu.html Yen’s Nominal Exchange Rate against the US Dollar and REER ← Stronger yen → Weaker yen US.Dollar/Yen Spot Rate at 17:00 JST, Monthly Average, Tokyo Market Yen per U.S. Dollar Left scale Real Effective Exchange Rate 2010=100 Right scale Grey bars show recessions Source: http://www.stat‐search.boj.or.jp/index_en.html# 35 Yen’s Real Effective Exchange Rate and Economic Conditions ← Stronger yen → Weaker yen DI/Business Conditions/Large/Manufacturing/Actual [TANKAN/Judgement Survey] % points Left scale DI/Business Conditions/Small Enterprises/Manufacturing/Actual [TANKAN/Judgement Survey] % points Left scale Real Effective Exchange Rate 2010=100 Right scale Grey bars show recessions Source: http://www.stat‐search.boj.or.jp/index_en.html# 36 必要な改革を進める手段(日本の例) 現在、日本は変動相場制を採用しているが、 様々な理由で、大幅な「為替切り下げ政策」を とっていない 金融政策は低金利に、財政政策は主要国中最悪 の財政状態に、それぞれ制約されている 日本にとって、必要な改革を進める手段は? 民主主義のもとで必要な改革を実現させる最も 有効な方法は有権者自らが改革を是認することで あり、それを実現するようなgovernanceが必要 37 必要な改革を進める手段(アジア) 民主主義のもとで、あるいは、特定の既得権益 が存在する政治体制のもとで、どうやって痛み を伴う改革を進めるのか 経済成長率が高い国では、改革の必要性は目立 たないが、改革の必要性が高まったとき、アジ アは、必要な改革を進める手段として何を選ぶ のか 自国だけでできないことは、外国との取り決め で実現できる場合があり、その一つが固定相場 制・共通通貨 → 選択:為替レートの安定 と 他国と違う権利 38 必要な改革を進める手段(アジア) 固定レート制度を選ばないなら、一つの選択肢は、 EPAなどの協定 自国民が選ばない政策を実行するためには、程度 の差はあれ、内政干渉を受け入れざるを得ない どの程度に強力な「経済統合」に参加しないと、 必要な改革が実行できないか 判断する必要がある 国家主権と統合の選択:後者をより多く選ぶとし たら、地域、国、超国家組織のそれぞれのレベルで、 どのようなgovernanceが必要・可能かを吟味する 必要がある 39 Appendix: 米国の金融産業の例 Essential Information と Consumer Education Foundationの調査によると、 • • • 1998-2008の十年間に、米国の投資銀行、商 業銀行、ヘッジファンド、不動産会社、保険 コングロマリットが、政治的影響力を持つ為 に使った金額は、50億ドルを超える 17.25億ドルが政治献金、34億ドルがロビイ ストを雇う為の出費 2007年だけでも、3,000人の公的に登録され たロビイストが金融セクターの為に働いてい た 40 Appendix: 米国の金融産業の例 その結果: 1998年:CitibankがTravelers合併を許可される 1999年:Glass-Steagal 法の廃止 → too big to fail このほかにも、クリントン政権は いくつかの金融商品をオフバランスに 商品先物取引委員会が金融デリバティブを規制す ることを抑止 2000年:議会がCommodity Futures Modernization Actを通過させて、金融デリバ ティブの規制を禁止 41 Appendix: 米国の金融産業の例 2004年:証券取引委員会(SEC)が、投資銀行の voluntary regulation scheme を採択 2006年:SECによる格付け会社の規制を緩和 連邦政府は、mortgage lendingを規制せず 「無免許」で貸出を開始できた為、知識のな い貸し手が次々に参入し、subprime lending の増加に貢献 (predatory lending) 借り手は貸し手を訴訟できない構造 オバマ政権にも、旧Goldmanのスタッフ 42 References European Commission (2000a) ‘The Lisbon European Council - An Agenda of Economic and Social Renewal for Europe, Contribution of the European Commission to the Special European Council in Lisbon, 23-24th March 2000’, http://europa.eu.int/growthandjobs/pdf/lisbon_en.pdf European Commission (2005a) ‘COM(2005) 24, 2.2.2005: Working together for growth and jobs – A new start for the Lisbon strategy’ Essential Information and the Consumer Education Foundation (2009) ‘Sold Out: How Wall Street and Washington Betrayed America’, http://wallstreetwatch.org/soldoutreport.htm High Level Group chaired by Wim Kok (2004) ‘Facing the challenge, The Lisbon strategy for growth and employment’, Interim report by President Von Rompuy on EU Treaty changes http://blogs.ft.com/brusselsblog/files/2011/12/INTERIM-REPORT-FINAL-6-12-.pdf Jetro (2011) ユーロトレンド No.105 欧州債務危機をめぐる動き Kaji, Sahoko (2001) ‘What Can Countries do to Avoid a Financial Crisis?’, The World Economy, vol. 24-2, pp. 567-589 Kaji, Sahoko (2007) ‘The Re-launch of Lisbon: A Wake-up Call to Citizens’, The Asia Pacific Journal of EU Studies ; EUSA Asia-Pacific, V.5/No.1/P.9-29 Lisbon Council Conclusions, http://ue.eu.int/ueDocs/cms_Data/docs/pressData/en/ec/00100-r1.en0.htm Sapir, Andre (2003) ‘An Agenda for a Growing Europe, Making the EU Economic System Deliver, Report of an Independent High-Level Study Group established on the initiative of the President of the European Commission 43