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モロッコ概況 - 中東協力センター

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モロッコ概況 - 中東協力センター
モロッコ概況
平成27年7月
外務省中東第一課
基本データ
1.面積
44.6万k㎡(日本の約1.2倍。西サハラを除く)
2.人口
3,384万人(2014年 国勢調査)
3.首都
ラバト(Rabat)
4.人種
アラブ人(約65%),ベルベル人(約30%)
5.言語
アラビア語(公用語),ベルベル語(公用語),フランス語
6.宗教
イスラム教スンニ派がほとんど
7.政体
立憲君主制
8.元首
モハメッド6世国王
9.議会
二院制(1996年の憲法改正に伴い二院制移行)
10.与党
公正と発展党(PJD),独立国民連合(RNI),人民運動党(MP),進歩社会主義同盟(PPS)
11.政府
(1)首相
アブドゥリラ・ベンキラン
(2)外相
サラフッディン・メズアール
12.GDP
1043.7億米ドル(2013年 世銀)
13.一人当たりGDP 3,109米ドル(2013年 世銀)
14.通貨
モロッコ・ディルハム(DH)
15.為替レート 1ドル=8.39DH(2013年平均)
1.内政
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1.内政
(1)モハメッド6世国王は,前国王の政策を基本的に継承。政局は比較的安定。2005年5月,国王は「人
間開発に係る国家イニシアティブ(INDH)」を発表し,地域・社会格差の是正と貧困削減に積極的に取り組
んでいる。
(2)モロッコ型民主主義の定着を図るため1996年に二院制を導入。2007年9月衆議院選挙を実施,同年
10月,エル・ファシ内閣発足。2011年に入り,民主化を要求するデモが国内各地で発生し,同年7月,民
主化の強化に向けた憲法改正に係る国民投票が実施され承認。この憲法改正をうけて同年11月に衆議院
選挙が実施され,穏健イスラム派と言われている公正と発展党(PJD)が第一党となり,イスティクラル党(国
民主義),人民運動党(社会自由主義),進歩社会主義同盟(社会主義)との連立を組む。同選挙に際し,我
が国は選挙セミナーを開催するなどして貢献。翌2012年1月,ベンキラン新内閣が発足。
(3)財政赤字,雇用問題,教育問題等の課題が山積する中,2013年7月,イスティクラル党が政権から離
脱。同年10月,イスティクラル党に代わりに独立国民連合(RNI)を加えた第2次ベンキラン内閣が発足。
(4)2015年10月,憲法改正後初となる参議院選挙(職能別代表及び地方議会の互選)が行われる
予定。
2.経済
(1)農水産品の輸出超過国(魚介類,柑橘類,野菜等)。
(2)工業の中心セクターは,繊維・皮革業及び食品加工業。加えて近年,各種部品製造分野において外国
からの投資が増加している。2008年1月には,ルノー・日産アライアンスがタンジール(北部)に新工場建設
を決定。
(3)資源の主力は燐鉱石。現時点で確認されている石油埋蔵量は極めて微量。
(4)エネルギー依存国であり,2020年には電力の42%を再生可能エネルギー(太陽光,風力,水力を1
4%ずつ)で賄うことを目標とし,エネルギー開発を目指す。
(5)貿易は輸入超過。FTA締結には積極的(対EU,対米国FTA等発効)。
(6)観光分野では「アジュール計画」を発表し,2016年の観光客数1千万人達成を目標。
(7)主要経済データ
ア.主要産業: 農業(麦類,柑橘類,オリーブ),水産業(タコ,イカ,鰯),鉱業(燐鉱石),工業(衣類,自動
車用ワイヤーハーネス),観光業
イ.経済成長率: 4.4%(2013年 世銀)
ウ.インフレ率: 1.9%(2013年 モロッコ中銀)
エ.失業率: 9.3%(2013年 モロッコ中銀)
オ.総貿易額・主要貿易品目 (2013年:モロッコ為替局)
(ア)輸出: 220億ドル 燐鉱石,衣類,電子部品等
(イ)輸入: 452億ドル エネルギー,農業機械類,消費財
カ.主要貿易相手国:
仏,スペイン,米,中等
キ.外貨準備高: 179億ドル (2013年末:モロッコ中銀)
3.外交
(1)親欧米路線を基調としつつ,アラブ諸国とも協調。アラブ諸国の中では穏健派に属し,柔軟かつ現実的
な外交政策をとっている。
(2)モロッコの最大の懸案は,旧スペイン領サハラの帰属を巡るモロッコとポリサリオ戦線と間の「西サハラ
問題」。国連の事務総長特使の仲介の下,当事者間の交渉が行われてきているが,事態は膠着。
(3)モロッコに本部をおくアラブ・マグレブ連合(AMU)の活動は,西サハラ問題に起因するアルジェリアとの
関係悪化等により1990年代半ばより一時活動が低迷。近年,政治問題を取り扱わずに経済面を中心とし
た統合を模索中。2011年初頭以来の中東・北アフリカ地域の歴史的変革の中,AMUの活動活発化が期
待されたが,目立った動きは見られないまま現在に至る。
-2-
(4)1996年2月,EUとの間で2010年までに自由貿易圏を設立する趣旨のパートナーシップ協定を締結
(2003年3月発効)。また,2004年3月,米との間で自由貿易協定を締結(2006年1月発効)。
4.我が国との関係
1.政治関係
(1)1956年6月19日に我が国はモロッコの独立を承認し,1961年10月1日に在モロッコ大使館を開設,
モロッコは1965年11月5日に在本邦大使館を開設。2016年に外交関係樹立60周年を迎える。
(2)伝統的に良好な関係,経済協力や文化協力を実施。
(3)2005年11月,モハメッド六世国王陛下の国賓訪日。
(4)日・モロッコ合同委員会を開催(第1回:2009年10月,第2回:2011年3月,第3回:2014年3月)。
2.経済関係
(1)貿易額・主要貿易品目(2013年,モロッコ為替局)
対日輸出 262百万ドル 魚介類,電子部品,燐鉱石関連
対日輸入 322百万ドル 乗用車,産業用車両,機械類
(2)日本企業は自動車部品製造分野を中心に進出(約35企業)
3.東日本大震災
2011年3月の東日本大震災に際し,モハメッド6世国王から天皇陛下及び菅総理宛に,ファシ・フィフリ外
相(当時)から松本外務大臣(当時)宛にお見舞いの書簡が送られた他,在京モロッコ大使館のイニシアティ
ブで会津若松市に支援ミッションが派遣され,食料や物資の提供が行われた。
4.文化関係
(1)毎年国費留学生の受入れの他,文化人招聘及び派遣,スポーツ交流等を実施。
(2)モハメッド5世大学には日本語講座が開かれており,日本からの日本語教育専門家を派遣。
(3)要請に基づき,文化無償協力を行っている他,大使館の事業として各種文化事業を実施。
5.在留邦人数
413名(2014年10月現在)
6.在日モロッコ人数 391名(2013年12月現在)
7.要人往来
往訪(2005年以降)
2005年4月 河井外務大臣政務官
2006年8月 金田外務副大臣
2008年 2月 中山外務大臣政務官
2009年11月
12月
2010年 6月
2012年 5月
12月
12月
2013年 5月
5月
武正外務副大臣
山東参議院副議長
舟山農林水産大臣政務官
玄葉外務大臣
浜田外務大臣政務官
石毛JETRO理事長
小坂・日モロッコ友好議連会長
山口財務副大臣
来訪(2005年以降)
2005年 2月 ララ・サルマ国王妃
3月 ララ・アミナ王女
6月 ララ・サルマ国王妃(愛・地球博賓客)
7月 ファタラ・ウアラルー財政・民営化大臣
11月 モハメッド六世国王(国賓)他6閣僚同行
2006年 4月 ラエンセル農業・農村開発・海外漁業大臣
6月 ベナイッサ外務・協力大臣
7月 ブサイド公共部門近代化担当大臣
2008年 5月 エル・ファシ首相(TICADⅣ)
10月 シャミ商工業・新技術大臣
12月 ベンハドラ・エネルギー・鉱山・水利・環境大臣
2010年 3月 アフヌッシュ農業・海洋漁業大臣(我が国招待)
2012年 3月 エル・オトマニ外務・協力大臣(外賓)
10月 バラカ経済・財政大臣
2013年6月 エル・オトマニ外務・協力大臣(TICADV)
6月 アマラ産業・商業・新技術大臣
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2014年 3月
岸外務副大臣
2014年 7月
2014年12月
田中 JICA 理事長
石毛 JETRO 理事長
12月 ブーアイダ外務・協力相付特命大臣,ブーハドゥード商工業・
投資・デジタル経済相付商工業担当大臣(第3回日本アラブ
経済フォーラム,第2回日マグレブ諸国閣僚懇談会)
2014年 8月 ラバハ設備・運輸・ロジスティクス大臣
2014年 9月 ビアディラ参議院議長(参議院招へい)
アハヌッシュ農業・海洋漁業大臣
2014年11月 ララ・ハスナ王女(国王妹)(ESDユネスコ会議)
2015年 7月 ブ゙リフ設備・運輸・ロジスティク大臣付運輸担当特命大臣
(世界海の日イベント)
8.二国間条約・取極
1960年 貿易取極
1985年 漁業協定
(了)
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