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海外安全対策情報(平成25年度第4四半期) 1 社会・治安情勢 (1)国連

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海外安全対策情報(平成25年度第4四半期) 1 社会・治安情勢 (1)国連
海外安全対策情報(平成25年度第4四半期)
1 社会・治安情勢
(1)国連薬物犯罪事務所(UNODC)が発表した2012年グローバル殺人調
査(2011Global Study on Homicide)によると,ブラジルは2010年に殺人被害者
数40,974人で世界二位を記録した。
(2)伯国法務省の最新データによると,2012年伯国における殺人率は人口1
0万人当たり24.3人であるのに対し,パラナ州29.6人及びクリチバ市34.
1人と全国平均以上の殺人が発生している(参考として同年サンパウロ市12.1
人,リオデジャネイロ市18.9人)。
また伯国法務省の統計によれば,パラナ州は銀行関係の強盗事件が発生件数及び
人口比発生率において2年連続(2011,2012年)ワースト1位となってい
る。
2 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
(1)パラナ州公安局の発表によれば,2013年(10月-12月)パラナ州で
は660人が殺害されており,クリチバ市148人,コロンボ市31人,サン・ジ
ョセ・ドス・ピニャイス市30人,フォス・ド・イグアス市29人,マリンガ市2
0人と殺人被害者数は依然として高い数値を示している。
パラナ州の州都であるクリチバ市では,2013年(10月-12月)タトクァ
ラ15人,アルト・ボケイラォン14人,シチオ・セルカド地区11人,シダデ・
インダストゥリアル・クリチバ地区(クリチバ工業地区)11人が殺害されており,
同市の中で最も殺人事件が多い地区であり,十分な注意が必要である。
2013年の年間殺人数はパラナ州2,572人(前年比21.9減),クリチ
バ市530人(同26.4%減)と治安当局の対策により減少傾向にあるが,国内
でも有数の殺人事件発生都市であるため十分注意が必要である。
主な犯罪件数は以下のとおり
2013年(10月~12月)クリチバ市犯罪件数
殺人
148件(前年同期比20.3%増)
強盗
5,922件(同14.9%増)
窃盗
10,784件(同0.1%減)
傷害
2,188件(同16.6%減)
脅迫
3,945件(同23.4%減)
車輌強盗
882件(同8.3%減)
車輌盗難
1,275件(同7.8%減)
交通事故死
49件(同14.2%減)
性犯罪
178件(同16.9%増)
2013年(10月~12月)パラナ州犯罪件数
殺人
660件(前年同期比25.0%減)
強盗
13,662件(同2.8%増)
窃盗
38,644件(同0.4%増)
傷害
18,373件(同3.7%増)
脅迫
28,718件(同5.2%減)
車輌強盗
1,893件(同9.8%減)
車輌盗難
3,710件(同8.4%減)
交通事故死
480件(同39.6%減)
性犯罪
1,345件(同5.6%減)
(2)クリチバ市及び大都市圏では近年,誘拐,ATM爆破強盗,宝くじ売り場や
薬局店,レストラン及び住居を狙った武装強盗,運転中及び停車中を狙った車両強
盗,武装集団による長距離バス及び路線バス強盗が多発している。時間帯,場所を
問わず銃器を使用した犯罪が多発しており,十分な注意が必要である。渡航情報(危
険情報)については,パラナ州大クリチバ圏は「十分注意してください」を継続中。
(3)パラナ州西部に面する隣国との国境地帯(特にパラグアイ)からは頻繁に大
麻等の麻薬類及び銃器類の密輸が行われており,軍警察による押収量は増加する一
方である。2009年及び2010年のパラナ州における武器押収量は全伯一位で
ある。近年,パラナ州は麻薬の搬入ルートのみならず麻薬消費地域となっており,
麻薬絡みの犯罪も増加している。
(4)パラグアイとの国境付近のフォス・ド・イグアス市等において,パラグアイ
へ向かう観光客等に対する強盗事件が発生しており,殺害に至った事件もある。
3 犯罪事例
(1)殺人
ア 2 月 9 日 6 時 30 分頃,クリチバ市パロリン地区で麻薬密売に関わっていた
24 歳の男性が自宅で,20 発以上の銃弾を撃ち込まれ殺害された。同人の手下
であった 16 歳の少年も同敷地内で 10 発以上撃たれて死亡。防犯カメラには、
1台の車が門扉を破壊して敷地内に侵入し,続いて犯人グループが発砲し始め
る映像が記録されていた。隣人によると,近くに駐車してあった車 2 台も同襲
撃に関わり,州都第一コマンド(PCC)の関係者 10 人程度の関与の可能性も指
摘されている。殺害された男性は,他の麻薬密売人の縄張り区域を乗っ取った
ことから脅迫を受けていた。
イ 2 月 16 日(日)17 時頃,クリチバ大都市圏内ピニャイス市内 Irai 通りにお
いて男性(56 歳)が車両強盗に遭遇,男性は抵抗し、撃たれて死亡した。警察
官は目撃者の情報に基づき,犯人が逃走したと見られる隣接のクリチバ市カジ
ュル地区を捜索した結果,逃走に使用された別の盗難車両を発見した。
ウ 2 月 20 日夜,クリチバ市ピニェリーニョ地区で 66 歳の女性が自宅で別の女
性と口論になり,刃物で刺され死亡した。加害者の女性は軍警察が到着するま
での間,近隣の住民に取り押さえられ,暴行を受けた模様。同女性は病院に搬
送されて治療を受けた後,殺人課に移送された。
エ 2 月 21 日 22 時 40 分頃,クリチバ大都市圏アルミランテ・タマンダレ市内の
簡易居酒屋に入ってきた二人の男が発砲し,現場に居合わせた30歳の男性が
腹部を撃たれ,間もなく死亡。他の3人の客も負傷したが,命に別状はなかっ
た。犯人のうち一人(28 歳)は逃走中に脚を撃たれ,逮捕された。
(2)強盗
ア 1 月 23 日午後,サン・ジョゼ・ドス・ピニャイス市のエアコン販売店を強盗
後,追跡していた警察に向けて発砲した弾が,歩行していた 13 歳の少女の側
腹部に命中した。犯人2人組は逮捕され少女は病院に搬送されたが,命に別状
はなかった。
イ 1 月 29 日 6 時 20 分頃,ポンタ・グロッサ市コントルノ地区において女性(40
歳)が車輌強盗に遭遇。同女性は息子が車に残されていると思い込んで抵抗し
た結果,車のドアを掴んだまま数メートル引きずられ怪我をした。4 歳の息子
は共犯者によって既に車から降ろされていたため怪我はなかった。犯人1人は、
既に逮捕され,2人が逃走中である。
ウ 2 月 4 日午後,クリチバ市セントロ地区において高齢者の男性が銀行を出た
後,強盗被害に遭った。強盗犯は3ブロックを走って逃走したが、一般市民に
取り押さえられ,近くを通りかかった軍警察官によって文民警察拘置所に連行
された。
エ 2 月 9 日午後,クリチバ市タルマン地区にある健康保険会社(Unimed 社)の
建物に男 5 人が侵入,警備員を拘束した後、建物内に設置されていた ATM 機を
バーナーでこじ開け,現金を強奪した。犯人グループは逃走する際,従業員の
車を強奪,その車は1ブロック先で乗り捨てられていた。ATM 機には,10 日に
予定されていた従業員の給料支払いに備えて現金が前週の金曜日に補充され
ていた。被害金額は未公表。
オ 2 月 13 日 15 時頃,クリチバ市セミナリオ地区セッチ・デ・セテンブロ通り
に面するブラジル銀行において銀行強盗事件が発生。3 名の強盗犯は同店舗か
ら多額の現金を奪い逃走しようとしたところ,偶然,利用客として来店した軍
警察官1名と店舗入り口付近で鉢合わせになり,店外で銃撃戦となった。この
事件で同警察官が腕及び脚を撃たれる重傷を負い,犯人は車両で逃走した。そ
の後,警察の追跡により約5Km離れた別地区において犯人が発見され,再度
銃撃戦が繰り広げられた。犯人1名が射殺され,1名が負傷して逮捕された。
残り1名は脚を負傷したが逃走した。なお,犯人に奪われた現金は無事回収さ
れた。
カ 2 月 14 日(金)クリチバ市チングイ地区において車両強盗事件が発生した。
被害者は,タクシーで強盗犯を追跡しながら警察に通報。強盗犯の男女二人組
がセントロ地区で逮捕された。男は仮釈放中であった。
キ 2 月 18 日午前 9 時頃、クリチバ市サンタ・キテリア地区 Pretextato Taborda
Ribas 通りにおいて住居侵入強盗事件が発生した。拳銃を所持した少なくとも
3 人の男が侵入,住民をトイレ内に閉じ込めたうえ,電子機器や現金を強奪,
逃走した。
ク 2 月 18 日午前 11 時頃,サン・ジョゼ・ドス・ピニャイス市においてスーパ
ーの ATM 機で現金を引き出した後,車を運転していた男性(38 歳)が強盗に襲
われ,胸部を撃たれ重傷を負った。被害者はそのまま 6kmの距離を運転し,
消防署に駆け込んで救援を求め,クリチバ市内のカジュル病院に搬送された。
ケ 2 月 23 日 7 時 45 分ごろ,クリチバ大都市圏サン・ジョゼ・ドス・ピニャイ
ス市内のスーパーマーケット駐車場に設置されていた ATM 機 2 台が爆破された。
ケガ人の有無,強盗犯の人数及び被害金額は明らかになっていない。
以上
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