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アルジェリア概況 - 中東協力センター
アルジェリア概況 平成27年7月 外務省中東第一課 基本データ 1.面積 238万k㎡ 2.人口 3,950万人(2015年国家統計局) 3.首都 アルジェ 4.民族 アラブ人(80%),ベルベル人(19%),その他(1%) 5.言語 アラビア語(国語,公用語),ベルベル語(国語),フランス語(国民の間で広く使用) 6.宗教 イスラム教(スンニ派) 7.政体 共和制 8.元首 ブーテフリカ大統領(1999年4月~,四期目) 9.議会 国民議会(下院)のみの一院制であったが1996年11月の憲法改正により国民評議会 (上院)を設立し,二院制に移行。 10.与党 FLN(民族解放戦線;第1党),RND(民主国民連合)との連立 11.政府 (1)首相 アブデルマレク・セラル(2012年9月~) (2)外相 ラムタン・ラマムラ(2013年9月~) 12.GDP 2,090億ドル(2013年、IMF) 13.一人当たり GNI 5,265ドル(2013年、IMF) 14.通貨 アルジェリア・ディナール(D.A) 15.為替レート 1ドル=約99アルジェリア・ディナール(2015年7月) -1- 1.内政 (1)90年代初頭,議会選挙でイスラム原理主義政党が大勝し,危機感を持った当時の政府と軍が第2 回投票を中止したことから,イスラム過激派によるテロ活動が深刻化(危機の10年)。99年のブーテフリ カ大統領就任以来,投降テロリストへの恩赦を中心とする国民和解政策と,テロリストの掃討作戦を実 施し,治安情勢は大きく改善。 (2)また,ブーテフリカ大統領は国内テロにより悪くなったアルジェリアのイメージを改善するために,とり わけG8等先進諸国との外交を積極的に推進し,アルジェリアに対する先進国のイメージも改善されてき ている。しかし,「イスラム・マグレブ諸国のアル・カーイダ」によるテロ活動が継続しており注意が必要。 (3)2004年4月8日の大統領選挙では,現職のブーテフリカ大統領が他の5候補を退け大勝。2007 年5月の国民議会選挙でも,与党連合が60%を超える議席を獲得。安定した政権運営を維持。2006 年に実施された「平和と国民和解のための憲章」に代表される国民和解政策,テロリストの掃討作戦等 ,内政・治安情勢の安定化や,市場経済の導入による経済改革にも積極的に取り組んでいる。 (4)2008年11月,大統領多選禁止条項廃止を中心とする憲法改正を実施。 (5)2009年4月,大統領選挙でブーテフリカ大統領が90.23%の得票率を得て三選を果たした。 (6)2011年2月,いわゆる「アラブの春」の中,1992年の発令以来維持してきた非常事態解除。 (7)2012年5月,国民議会選挙実施し,大統領与党連合が6割の議席を確保。同年9月にセラル新内 閣が発足。 (8)2013年1月,イナメナスの石油天然ガスプラントがテロリストの襲撃を受け,邦人10名が犠牲とな った。 (9)2014年4月 大統領選挙を実施し,ブーテフリカ大統領が四選を果たした。 2.経済 (1)1962年の独立以降,大型開発計画の策定を通じた重工業の推進により経済成長を遂げたが,19 84年以降の原油価格の下落によって,財政状況及び国営企業の経営が悪化し,社会主義経済から市 場経済への転換が図られた。経済の中心は,原油・天然ガスを始めとする炭化水素部門(原油生産量: 世界第17位,天然ガス生産量:世界第9位(2013年BP統計))で,同資源収入は,輸出総額の98%, 財政収入の82%,GDPで35%を占めている(2011年アルジェリア中央銀行)。 (2)ブーテフリカ大統領は,就任後,民営化や市場開放を進める一方,原油高を背景に大型公共投資 計画(新5ヶ年計画(2014-19年)の予算規模は約2,625億ドル)を実施。2008年からは,国内産 業育成のため,貿易・外資規制を一部で導入。対外経済関係では,2005年にEUと連合協定を締結し ,2017年までに自由貿易圏の構築を目指しているほか,WTO加盟交渉中。 (3)主要経済データ ア.主要産業: 炭化水素(石油・天然ガス)関連産業 イ. 実質経済成長率 2.7% (2013年,IMF) ウ.インフレ率: 2.9% (2014年,IMF) エ.失業率: 10.6%(2014年、IMF) オ.総貿易額・主要貿易品目 (2013年,アルジェア税関) (ア)輸出: 659億ドル 石油・天然ガス関連製品 (イ)輸入: 548億ドル 工業設備(機械機器)、半製品、食料品、消費財 カ.主要貿易相手国 (2013年、アルジェリア財務省) (ア)輸出: スペイン、イタリア、イギリス、フランス (イ)輸入: 中国、フランス、イタリア、スペイン、ドイツ(日本は輸出入とも第15位) キ.外貨準備高: 1940億ドル (2013年,アルジェリア中銀) ク.対外債務残高: 34億ドル(2013年、アルジェリア中央銀行) 3.外交 (1)非同盟中立,アラブ連帯等の基本政策を継承しつつも,1979年のシャドリ政権成立以来現実主義 ・全方位外交を基調。1988年以降は「アルジェリア危機」のため,外交面での目立った動きはなかった が,1999年のブーテフリカ大統領の就任以降,ほぼ全てのG8諸国を訪問するなど活発な外交活動を 展開し,国際舞台への復帰を達成。特に,過去10年にわたる国内テロのイメージを改善することに尽力 し,「アルジェリアの危機」から脱出したアルジェリアの新しいイメージ定着を目指す。 (2)アフリカにおいては「NEPAD(アフリカ開発のための新パートナーシップ)」推進の中心的な国として 活躍。2005年にはアラブ連盟議長国を,2004-2005年には国連安保理非常任理事国を務めた。 (3)また,2000年以降,ほぼ全てのG8サミットにアフリカの代表として招かれており,2008年7月に はブーテフリカ現大統領が北海道洞爺湖サミット出席のため来日した。 4.我が国との関係 1.政治関係 我が国は1962年7月4日にアルジェリアの独立を承認し,1964年2月14日に在アルジェリア大使 館を開設。アルジェリアは1958年9月にFLN極東代表部を東京に開設し,1964年6月には在京アル ジェリア大を開設。 2.経済関係 (1)貿易額・主要貿易品目(2014年) 対日輸出 1694億円: 液化ガス、石油製品等 対日輸入 408億円:自動車、建設機器等 (2)進出企業 16社(2015年) (3)2008年11月,第6回日本アルジェリア合同経済委員会をアルジェで開催 (4)近年,我が国企業による大型プロジェクト受注が顕著(2006年:アルジェリア東西高速道路建設プ ロジェクト東工区(予算規模約5400億円),2007年:LPGプラント増設(予算規模約1350億円)等), 2008年:化学肥料プラント建設(予算規模約2400億円),2009年:天然ガスプラント建設(予算規模 約15億ドル)。 3.東日本大震災 2011年3月の東日本大震災に際し,ブーテフリカ大統領から菅総理宛にお見舞いの書簡が送られ た他,メデルチ外務大臣が在アルジェリア日本大使館で弔問記帳を行った。また,アルジェリア政府から ,日本赤十字社を通じた義援金1000万米ドルの寄付があった。 4.援助実績 (1)有償資金協力 148.50億円(2012年度までの累計,交換公文ベース) (2)無償資金協力 13.12億円(2012年度までの累計,交換公文ベース) (3)技術協力実績 69.98億円(2012年度までの累計,JICA経費実績ベース) 5.震災復興 (1)2003年5月の地震発生直後に,我が国は国際緊急援助隊救助チーム61名,同医療チーム22名 ,同専門家チーム7名を派遣。また,緊急無償援助10万ドルを供与。 (2)2004年9月,教育施設の再建等の支援を行うため28.5億円を限度とする円借款を供与。 6.その他(プロジェクト、協議等) (1)2011年高等海運大学校高等教育課程立ち上げ・拡充支援を開始。 (2)2012年-13年アルジェリアにおける若年者雇用創出プログラムに50万ドルを拠出。 (3)2013年6月,日・アルジェリア治安・テロ対策協議を実施(於:アルジェリア)。 (4)2015年6月,日・アルジェリア政策協議を実施(於:東京)。 7.在留邦人数 270名(2013年10月) 8.在日当該国人数 201人(2013年6月) 9.要人往来(2000年以降) 往訪 2000年 2001年 2002年 2004年 2月 高村前外相 1月 町村文部科学大臣 5月 松浪外務大臣政務官 5月 森前総理 4月 河井外務大臣政務官 2006年 7月 櫻田内閣府副大臣 11月 小野寺外務副大臣 2009年 6月 橋本聖子外務副大臣 2010年 8月 松下忠洋経済産業省副大臣 2010年 12月 前原誠司外務大臣 2012年 1月 山根外務副大臣 2013年 1月 城内外務大臣政務官、鈴木 外務副大臣(在アルジェリア 邦人に対するテロ事件) 2014年 3月 岸外務副大臣 2015年 5月 薗浦外務大臣政務官 来訪 2000年 5月 ユースフィ外相 ブーテフリカ大統領(九州・沖縄サミット) 2002年 9月 ヘリル・エネルギー鉱業大臣 2003年 9月 メサヘル外相付アフリカ・マグレブ特命大臣 (TICAD Ⅲ) 2004年 3月 ラフマニ・国土整備・環境大臣 12月 ブーテフリカ大統領 2005年 9月 セマリ・アルジェリア日本友好議連会長 12月 ハイシュール郵便・情報技術・通信大臣 2007年12月 グール公共事業大臣 2008年 5月 ウーヤヒア大統領個人代表(TICAD IV) 7月 ブーテフリカ大統領、メサヘル外相付アフリカ・ マグレブ特命大臣(北海道洞爺湖サミット) 2012年10月 ジュディ財務大臣(IMF世銀総会) 2013年 3月 ユースフィー・エネルギー工業大臣 (日揮合同慰霊式) 6月 ベンサラ国民評議会議長、ユースフィー・エネル ギー工業大臣(TICADV) 12月 ユースフィー・エネルギー鉱業相(第3回日本・ アラブ経済フォーラム) 10.二国間条約・取極 2004年12月 技術協力協定 (了)