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1. 産業立地論 1.1. イントロダクション 企業の最適立地は? 現実:複数部門 { 本社 研究・開発 工場 販売 企業の空間組織は? 部門よる立地要因の差異 部門間の相互依存 定式化・分析:複雑 1 産業立地論のアプローチ: 小規模単一部門企業の立地に焦点 企業内組織の配慮不要 投入・生産財市場規模に比べて i.e., 市場への影響が微小 輸送費用 生産要素 (価格・供給地所与) 企業 輸送費用 生産物 { 市場 1 ・ ・ ・ 市場 n (価格・位置所与) 2 立地決定の枠組 技術的条件 ・生産(e.g., 要素集約度;規模の経済;要素代替性) ・輸送(e.g., 重量・体積増加/減少型;規模の経済) 立地空間 比較基準 最適立地 ※ 通常の空間経済モデルより一般的 1次元 ネットワーク 2次元 立地条件 ・非可動生産要素価格 ・生産財/要素市場への輸送費 ・他の企業組織への輸送・通信費 ・制度上の要因 3 通常の(空間を捨象した)ミクロ経済学における企業の問題 生産費用 利潤 収益 max Π = p0 Q − Q,{xi } 生産財価格 n ! pi xi i=1 生産要素価格 { s.t. Q = f (x1 , . . . , xn ) :生産関数 産出量 投入量 4 立地問題を導入した場合 量の決定 最適投入・産出量 位置の決定 相互依存 ・企業の立地 ・生産財市場の選択 ・各要素調達地の選択 立地により生産要素/財の(調達)価格異なる (∵輸送費の存在) 立地により異なる投入・産出量 ・投入要素供給地付近→要素調達費小 ・生産財市場付近→生産財調達費小 ・重量減少型産業(家具/石油):要素輸送費大→立地=要素供給地 ・重量増加型産業(自動車・清涼飲料水): 生産財輸送費大→立地=生産財市場 5 量と位置の問題が相互依存する場合:分析が困難 出発点: 「どの様な状況で2つの問題を分離できるか?」 条件1:生産要素の代替不可能 条件2:生産・輸送技術が線形 ウェバー問題 Least cost approach 6 1. 産業立地論:講義スケジュール 1.2. ウェバー問題の基本的枠組 1.3. ネットワーク・ウェバー問題 1.4. 2次元立地空間の下でのウェバー問題 1.5. 生産要素代替と規模の経済の下でのウェバー問題 1.6. 集積の経済の導入 7 1.2. ウェバー問題の基本的枠組 1.2.1. 企業の一般問題 1 , . . . , xm , xm+1 , . . . , xn ) 生産関数: Q = f (x ! "# $ ! "# $ 偏在要素 localized 特定地域にて供給・可動 (e.g., 石炭・鉄) 遍在要素 ubiquitous 全地域にて供給・非可動 (e.g., 土地・労働) 対象とする計画期間に依存 e.g., 短期的には偏在要素として扱えるもの: ・デトロイト/豊田周辺の自動車部品メーカー群 ・東京大田区/東大阪の部品加工メーカー群 ・京都の中央市場 8 偏在要素: I! = {1, . . . , m} 遍在要素: Iu = {m + 1, . . . , n} xi (i ∈ I! ) :供給地Miからのみ調達可能 xi (i ∈ Iu ) :どこども調達可能 D:立地可能地点集合 M1 x2 偏在要素供給地 M2 ・・ ・ 9 Q x1 F xm Mm C 輸送費用:輸送量と距離に依存 生産要素: Ti (xi , F ) :Mi → F 生産財: T0 (Q, F ) :F → C 10 企業の一般問題 ! % 生産要素費用 "# '$ 収益 & & max Π = p0 (Q)Q − pi (xi )xi + pi (xi , F )xi F,Q,{xi } % i∈I! i∈Iu − T0 (Q, F ) + # 輸送費用 F ∈D 相互依存 Ti (xi , F ) i∈I! $! s.t. Q = f (x1 , . . . , xn ) 量:{xi, Q} & 位置:F 11 ' " 1.2.2. ウェバー問題 3つの仮定の導入→量問題と位置問題の分離: A1. 遍在生産要素の価格は要素需要量に依存しない pi (xi , F ) = pi (F ) ∀i ∈ Iu i.e., 企業は生産要素市場規模に比べて非常に小さい 12 A2. レオンチェフ型生産技術 i.e., 生産要素代替不可能+CRS 2生産要素の場合 !"#$! 13 A3. 輸送量に関する規模の経済・不経済がない T0 (Q, F ) = Qt0 (F ) Ti (xi , F ) = xi ti (F ) } CRS t0 (F ) = 地点F→Cへの生産財1単位当たり輸送費 ti (F ) = 地点Mi→Fへの生産要素i 1単位当たり輸送費 ※ 輸送量の経済: 生産量により生産財・要素間の相対輸送費が異なる 量と立地の相互依存 14 一般問題 仮定A1,2,3 Π = p0 (Q)Q − ! " A2 pi (xi )xi + i∈I! " p(xi , F )xi i∈Iu i∈I! Qt0 A3 15 # Ti (xi , F ) } } − T0 (Q, F ) + " # } ! A1 pi (F ) ai Q xi ti (F ) = p0 (Q)Q − ! ! " pi (ai Q)ai Q + i∈I! i∈Iu − Qt0 (F ) + " i∈I! − # i∈I! & pi (F )ai + t0 (F ) + i∈Iu pi (F )ai Q # ai Qti (F ) 立地と独立 !% "# '$ & = p0 (Q) − pi (ai Q)ai Q % " # & i∈Iu ' ai ti (F ) Q $! " 単位生産量当たりの立地依存費用(生産+輸送) 16 一般化ウェバー問題(量の問題に独立) 立地に依存する単位生産量当たり費用 !% "# $ % pi (F )ai + t0 (F ) + min ai ti (F ) F ∈D i∈Iu # $! " # 遍在要素費用 17 i∈I! $! 輸送費用 "