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①「心身の発育・発達や健康に関して必要な内容」
第3章 「学習指導略案」 「教材・教具」 「ワークシート」 2 中学部編 「心身の発育・発達や健康に関して必要な内容」 中学部 Aグループ 1 題材名「髪の毛を洗ってみよう」 2 題材について 保健体育「性に関する指導」 学習指導略案 本グループは1年生5名(男子5名) 、2年生(男子6名・女子1名)、3年生(男子3名・女子2 名)の計17名で構成されているグループである。生徒の実態については、日常生活や学習の場面に おいて、個々に合った手厚い支援を必要としている生徒がほとんどである。 認知・コミュニケーション面では、発語や発声のある生徒もいるが、教師の言葉かけを聞いてカー ドやサイン等の非言語的な手段で、自分の意志や感情を表現する生徒が多い。 身体面では、肢体不自由のある生徒が3名おり、短距離であれば手引き歩行が可能であるが、一日 の大半を車椅子で生活しており、多くの場面で身体的な支援を必要とする。健康面においては、生徒 全員が良好であるが、うち1名は、医療的なケアを必要としている。 前回7月13日、14日に行われた性に関する指導の授業では、社会の一員として他者と共生して いくことにつなげることを目指して、生徒同士で協力して「水族館作り」に取り組んだ。 今回はワークシート配布と共に行った保護者アンケートに複数上がってきた、性指導の「自分の身 体と身辺を清潔にする。」という観点から、入浴指導の中の洗髪に焦点をあてることにした。本グルー プの生徒達は入浴においても手厚い支援を要する者も多く。アンケートの中でも身辺自立に関して複 数課題があげられ、家庭での入浴においても自発的な動きを増やしたいという保護者の願いが伺える。 学校においても、2、3年生の泊を伴う行事が一巡したところであるが、入浴指導の中で自発的な動 きを増やしていくことは、課題を同じくしている。今回の学習を通して、行事の一連の事前指導では 十分に行えない入浴指導において、少しでも能動的な動きが引き出せればと思う。 また、本グループの生徒達はボディイメージが弱いことも洗髪を難しくしている要因の一つだと考 えられる。頭部模型を使うことで洗髪の様子を自分でも見られるようにして、イメージを持ちやすく した上で、霧吹きで湿らせ、自分の頭髪を実際に拭く練習を行う。また頭部模型にシャンプーをつけ、 泡立てて洗髪する体験を通して、少しでも洗髪に興味を持つ契機として、次年度の宿泊行事につなげ られればと願う。 3 題材の目標 ・模型頭部で泡立てて髪を洗うことができる。 ・自分の濡れた頭髪をタオルで拭くことができる。 4 本時の指導 (1)目標 ・シャンプーをつけた頭部模型で指をゴシゴシ動かしてシャンプーを泡立たたせることができた り、泡を触りながら手指を動かしたりする。 ・濡れた髪の毛をタオルで拭いたりたり、ドライヤーで乾かしたりたりする。 78 (2)展開 時配 5分 学習活動 指導上の留意点 〇始まりの挨拶を ・T1に注目するように促す。 〇本時の学習内容について話を聞 ・家庭や宿泊行事での入浴を例に出し、 く。 教材・教具 簡潔に学習内容を伝える。 30 「髪の毛を洗おう」 ・三つのグループに分かれて行う。 ブルーシート 分 ・頭部模型にシャンプーをつけて ・自発的な動きの少ない生徒には、教師 頭部模型 洗髪する。 ・手や腕等についた泡をタオルで拭 き取る。 が、手を添えて能動的な動きを引き出 シャンプー すよう支援したり、一緒に手指を動か してできた泡の触感を確かめながら 手指を動かせるように支援したりす る。 ・各回タイマーを使って4分位で終える ようにする。 ・指を動かせたこと、泡立たせられたこ と、手や腕の泡を拭けたことなど賞賛 してから次の生徒に交代する。 20 「自分の髪の毛を拭こう」 分 ・頭髪に霧吹きでかけてもらう。 ・湿らせた頭髪をタオルで拭く。 霧吹き ・鏡を見ながら拭けるように、教師は後 タオル(各自持参) ろから支援する。 ドライヤー ・生徒の実態に応じて、ドライヤー 鏡 を使う。(自分持ったドライヤーの風 を自分の頭に向けたり、教師が持った ドライヤーの方に頭を向けたりす る。) ・各回タイマーを使って2分位で終える ようにする。 5分 〇まとめの話を聞く。 ・次年度の宿泊行事に触れながら、本時 の活動について簡潔に振り返る。 〇終わりの挨拶をする。 ・T1に注目するように促す。 (3)評価 ・シャンプーをつけた頭部模型で指をゴシゴシ動かしてシャンプーを泡立たたせることができたり、 泡を触りながら手指を動かすことができたか。 ・濡れた髪の毛をタオルで拭いたりたり、ドライヤーで乾かしたりできたか。 79 〇家庭との連携 ワークシートの家庭欄を通して、洗髪等について以下のような保護者の意識の変化がうかがえる。 (抜粋) ・家庭ではどうしても全てこちらでやってしまっています。少し手をそえて自分でやるように練習して みようと思います。 ・髪の次は体の洗い方をお願いします。 (中略)学校と並行して練習したいと思います。 ・小さい頃からやってあげるのが習慣で、洗うのも拭くのも乾かすのも自分ではやらないので、私たち の意識を変えることも必要であると改めて思いました。 ・頭を洗う際にはしっかり目をつむってしまっているが、タオルで拭いたり、ドライヤーをあてたりす ることは目を開けて確認しながら進められそうなのでチャレンジしてみたいと思います。 ・家では、シャワーやドライヤーをあてると、嫌がって逃げてしまうが、水圧や風圧を弱めにして根気 よくゆっくりやっていきたいと思います。 〇まとめ (良かった点) ・「清潔」の意識付けになった。 ・洗髪の体験ができてよかった。 ・教員全員が生徒の様子を見やすい場の設定になっていた。 ・授業を通して家庭での様子が伺えた。(家庭でやっていないこと) ・模型がリアルで生徒が興味をもって取り組めた。 ・家庭で取り組むきっかけになった。 ・家庭に促し、継続して行えるようにしていきたい。 ・活動に関連性があってよかった。 ・他グループで行っても様子がわかり良いのでは。 <改善点> ・事前に家庭での様子を聞くとよかった。(アンケート等) ・模型と自分の身体を結びつけることは難しい。 ・洗髪をする前とした後の変化を比べられるとよかった。 ・一貫性をもたせるためにすすぎまでやっていてもよかった。 ・評価の基準が難しい。ねらいをしっかり設定する必要がある。 80 ○教材・教具 ①学習項目:心身の発育・発達や健康に関して必要な内容 ②ねらい:洗髪の様子を自分で見てボディイメージを持ちやすくする。 中学部 A グループ 保健体育 ③生徒の実態: 家庭での洗髪において手厚い支援を要する者が多く、自発的な動きが少ない。 ④教材の名称: シャンプー練習人形 ⑤指導上の留意点、配慮点 ・頭部模型にシャンプーをつけて洗髪の体験をする。 ・実際に美容師の練習に使われている模型で、本物の頭髪に近い髪質であり少しの指の動きでも泡 立てることができ、興味を持って洗髪体験をする。 ・泡立つ様子を自分の目で見ることができ、洗髪のイメージを持ちやすくする。 81 ①学習項目:心身の発育・発達や健康に関して必要な内容 ②ねらい:・霧吹きで髪を湿らせて実際に髪を乾かす練習をする。 ・鏡を見て濡れている部分を確認したり、ボディイメージをもちやすくしたりする。 中学部 A グループ 保健体育 ③生徒の実態:鏡には注目することができるが、ドライヤーを頭部に向けて持つことが難しい生徒 もおり、教師が手を添えて行っている生徒が多い。 ④教材の名称: ビューティーサロン柏グッズ(霧吹き、鏡、ドライヤー) ⑤指導上の留意点、配慮点 ・霧吹きで髪を湿らせ、鏡を見ながらドライヤーで髪を乾かす。 ・鏡を見ることで濡れている部分やドライヤーの使い方を自分の目で確認する。 ・タオルで拭くことが難しい生徒もドライヤーを使うことで髪を乾かすイメージをもてる。 82 ○ワークシート 性に関する指導 ( 「髪の毛を洗ってみよう」グループ 年 組 ワークシート 名前 ) 【授業のねらい】 性に関する指導内容「自分の身体と身辺を清潔にする」からこの授業では、「洗髪」について取り組むこと にしました。 頭部模型にシャンプーをつけて泡立てる体験をしたり、友達が体験している様子を見て、洗髪や頭髪を拭 くというボディイメージを持ちやすくしたりすること、また、実際に髪を霧吹きで湿らせ、タオルで拭いたり、ド ライヤーで乾かしたりすることで、少しでも洗髪に興味を持ち、入浴において自発的な動きを増やすことを ねらいとしました。 【授業内容】 ○頭部模型にシャンプーをつけて洗髪の体験をする。 ○自分の頭髪を霧吹きで湿らせ、タオルで拭いたり、ドライヤーで乾かしたりする。 【授業の様子】 【ご家庭より】ご意見等をお聞かせください。 ○月○日(金)までに担任まで返却してください。 83 中学部 B グループ 性に関する指導 1 題材名「体の成長について知ろう」 2 題材について 学習指導略案 本グループは、中学部全体を縦割りにしたグループで、1年生9名(男子8名、女子1名)、2年生 6名(男子6名)、3年生7名(男子4名、女子3名)の計22名で構成されている。コミュニケーシ ョン面は、日常繰り返し行う活動等の場面での簡単な言葉での指示については、ほぼ全員理解するこ とができる。また、教師との関わりが多くなりがちだが、言葉かけや活動に取り掛かるきっかけを作 る等の支援で友達と一緒に協力して取り組むことができる生徒も多いグループである。 本題材は2時間の計画で、2時間を通して、生徒には、体の成長についての関心や自分や友達を大 切にする気持ちをもってほしい。そして、家庭には、ワークシートのやり取りを通して、子どもの成 長を振り返り、成長したことを前向きに捉え、今後のさらなる成長への期待をもち、家庭で性に関す ることについて話題とするきっかけとなってほしいと考える。 3 題材の目標 ・体の成長に関心をもつ。 ・男女の体の違いやプライベートゾーンに関する社会生活ルールについて知る。 4 本時の指導 (1) 目標 ・自分や友達の幼児期の頃の姿や名前の由来に関心をもつ。 ・幼児期の体より、現在の体の方が大きい(成長している)ことに気付く。 (2) 展開(1/2) 時配 学習活動 指導上の留意点 1分 1 始まりの挨拶をする。 ・挨拶する生徒を指名する。(T1) 6分 2 本時の学習内容を聞く。 ・ワークシートや生徒1~2名の幼児 ・事前に取り組んだワークシート 教材・教具等 期の写真を見せながら話をする を見る。 20 分 3 自分や友達の幼児期の姿(大き TV さ)を見たり、名前の由来を知 ったりする。 パソコン ・部屋を暗転する。 ・自分や友達の幼児期の写真と ・生徒一名ずつの写真を投影し、名前 現在の写真を見る。 の由来を読み上げる。(T3,T4,T6) ・自分や友達の名前の由来を聞 ・全員が願いをもって生まれてきた存 く。 在であることを伝える。 ・幼児期(2歳児)の体の大き ・幼児期の体の大きさの平面全身図で さを知る。 25 分 4 再現を見せる。 生徒写真(幼児期) 生徒写真(現在) CD デッキ CD「にじいろ」他(オ ルゴールバージョン) 2歳児の体格の 平面全身図 自分や友達の幼児期と現在の 体の大きさと比べる。 ・教師の手本を見る。 「体パズル」 ・ 「体パズル」を組み立てる。 模造紙 84 ①模造紙の上に仰向けになる。 ・頭の位置を知らせる。(T1~T6) 油性ペン ②体の輪郭をなぞる。 パネル ③輪郭内にパーツを配置する。 ・各パーツの名称を生徒と一緒に確認 養生テープ(透明) ④テープでつなぎ合わせる。 しながら活動する。(T1~T6) ⑤正しく配置できたか確認を ・モデルとなった生徒にパズルの横に する。 仰向けになるよう促し、各パーツと実 際の体の部位を指さしながら照らし 合わせていく。 ⑥パネルの右側にはる。 ・パネルの左右を色分けしておく。 ⑦幼児期の体の大きさの平面 ・幼児期の平面全身図を「体パズル」 全身図と比べる。 の左側に並べたり、上に重ねたりする よう促す。 5分 6 本時のまとめの話を聞く。 2分 7 次時の授業の内容を知る。 1分 8 終わりの挨拶をする。 ・本時の教材等見せながら振り返る。 ・挨拶をする生徒を指名する(T1) (3) 評価 ・自分や友達の幼児期の姿や名前の由来に関心をもつことができたか。 ・幼児期の体より、現在の体の方が大きい(成長している)ことに気付くことができたか。 85 中学部 B グループ 性に関する指導 1 題材名「体の成長について知ろう」 2 題材について 学習指導略案 本グループは、中学部全体を縦割りにしたグループで、1年生9名(男子8名、女子1名)、2年生 6名(男子6名)、3年生7名(男子4名、女子3名)の計22名で構成されている。コミュニケーシ ョン面は、日常繰り返し行う活動等の場面での簡単な言葉での指示については、ほぼ全員理解するこ とができる。また、教師との関わりが多くなりがちだが、言葉かけや活動に取り掛かるきっかけを作 る等の支援で友達と一緒に協力して取り組むことができる生徒も多いグループである。 本題材は2時間の計画で、本時は第2時間目の授業である。第1時間目は、家庭から事前に預かっ た幼児期の写真や名前の由来の調査を基に、幼児期の自分や友達の姿や様子を知ったり、等身大の「体 パズル」作りを行ったりして、幼児期と現在の自分の体の大きさを比べ、自分や友達が大きくなって いる(成長している)ことを学んだ。本時は、第1時間目に製作した「体パズル」に体の各部位をつ けていく学習を通して、男女の体の違いやプライベートゾーンという言葉を知り、プライベートゾー ンに関する社会生活のルールについて学ぶ。 2時間を通して、生徒には、体の成長についての関心や自分や友達を大切にする気持ちをもってほ しい。そして、家庭には、ワークシートのやり取りを通して、子どもの成長を振り返り、成長したこ とを前向きに捉え、今後のさらなる成長への期待をもち、家庭で性に関することについて話題とする きっかけとなってほしいと考え本題材を設定した。 3 題材の目標 ・体の成長に関心をもつ。 ・男女の体の違いやプライベートゾーンに関する社会生活ルールについて知る。 4 本時の指導 (1) 目標 ・男女の体の違いについて知る。 ・プライベートゾーンという言葉やプライベートゾーンに関する社会生活ルールについて知る。 (2) 展開(2/2) 時配 学習活動 1分 1 始まりの挨拶をする。 4分 2 5分 ・挨拶する生徒を指名する。 教材・教具等 前時のワークシート 前時の振り返りと本時の学習 ・前時や本時の教材等を見せながら 「体パズル」 内容についての話を聞く。 体の部位パーツ 説明を行う。 3 TVで「おとこのこ おんなの ・原本の内容を一部抜粋したものを こ」を見る。 20 分 指導上の留意点 TVで見せる。 4 前時にとった「体パズル」に体 ・男子グループは男性、女子グルー の部位をつける。 プは女性の体を作るよう伝える。 ・教師の手本を見る。 ・各部位を選び、体パズルにはっ ていく。 ・できあがった「体パズル」を発 表する。 TV パソコン 体の部位パーツ …髪・眉毛・目・ 耳・口・胸・性器 ・「体パズル」はパネルに付けた状 態にし、横に見本を提示する。 ・ 活 動 の 様 子 を 伝 え る 。 (T2,T3,T5,T6) 86 パネル 10 分 5 男女の体の違いを知る。 ・男女の体の各部位を見比べ、 「同 ・男女各1枚ずつのパネルを選び、 枠 見比べられるようにする。 じ」か「違う」かの質問に答える。 ・見比べる男女の各体の部位を一つ ずつ枠で囲む。 ・最後に男女の体の違う部分を再度 枠で囲む。 15 分 6 プライベートゾーンやプライ ・関連する物を提示しながら、夏休 浮き輪 ベートゾーンに関係する社会 ビーチボール みが間近であることを伝える。 生活ルールについて学習する。 水着のパーツ ・男女の「体パズル」の上に水着 ・水着のパーツをはる生徒を指名す のパーツをはる。 る。(T1) ・水着で隠れている場所が「プラ ・水着を「はる」 、 「はがす」の動作 イベートゾーン」であることを を何度か行いプライベートゾー 知る。 ンに注目できるようにする。 ・服装カードを選択し、適切な生 ・服装カードと同内容のペープサー 活場面カードの上にはる。 生活場面カード トを用意し、各生活場面に照らし 服装カード 合わせ、カードを選択する際の手 ペープサート 掛かりとなるようにする。 4分 7 本時の振り返りを行う。 ・本時で用いた教材等を提示する。 1分 8 終わりのあいさつをする。 ・挨拶をする生徒を指名する。 (3) 評価 ・男女の体の違いについて知ることができたか。 ・プライベートゾーンという言葉やプライベートゾーンに関する社会生活ルールについて知るこ とができたか。 87 ○家庭との連携 生徒の幼い頃の写真の提供や、名前の由来の記入などについてどの保護者も協力的であった。等身大 の「体パズル」を使ったことは生徒にとってわかりやすかったという評価であった。 「プライベートゾー ン」について家庭でも教えたい気持ちはあるが実際にはなかなか難しく、今回言葉と一緒にその意味を 学習することができたことはよかったという意見であった。ただ、内容については、十分な理解は難し いと思うので、今後も定期的に指導を続けてほしいという要望があった。保護者は性に関する指導に対 して期待を持っていることがアンケートを通して読み取ることができた。 ●[保護者より]の記載内容 ・内面の成長より体の成長の方が速い。二次性徴も始まったので性教育を行う必要もあると考えていた。 今後も一緒に学んでいきたい。 ・等身大の体パズルは大きな福笑いのようでわかりやい。自分と結びつけることができる。プライベー トゾーンもわかる。 ・学校でのこのような授業で自然な形で学ぶことができる。 ・どこまで理解できるのかわからないが、学習することは大切だと思う。ここでの学習が、周囲の人達 を大切にする、迷惑をかけないという気持ちにつながってほしい。 ・性的な内容の理解はまだ難しいと思うが、ゆっくりと理解していってほしい。 ・小さい頃の写真を見ようとすると、恥ずかしいのか怒ってしまってしまう。ゆっくり一緒に見ていこ うと思う。 ・とてもよい学習であり、 「プライベートゾーン」の理解は重要だ。社会人になるまでに何度も学習する 必要がある。家庭でも取り組みたい。 ・性教育というと難しく考えてしまうが、小さい頃の写真や名前の由来から学習に入るやり方に感心し た。家庭では難しい学習方法で、友達と一緒に学習することができてよかった。 ・身長も高くなり、声もしゃがれ男性ぽくなった。心はまだ5歳くらいだが、プライベートゾーンは大 人になってきた。思春期の反抗的態度もあるが、親として受け止めたい。子どもに寄り添って生の発 達を見守っていきたい。 ・1年生のときよりも具体的な事柄を学んだ。理解は難しいと思うが、成長を共に喜び見守っていきた い。 ・成長は性以外も0から1ではなく、少しずつ進んでいくものと改めて思った。大きな変化が起こる前 から、年齢に合ったふるまいを日頃から指導していきたい。 体パズルはとても楽しく学べる。体が大きくなったり髭も生えてきたりと大人に近づいているが、心は まだ幼い。ゆっくり成長を見守りたい。 ・体パズルを作ったり、今と小さい頃の写真を見比べたりすることで、自身の成長が理解できるとよい。 有意義な授業である。 ・2年間にわたる性教育に感謝したい。学習を通して、友達や先生と触れ合うこともできてよかった。 今後もこうした授業が続いてほしい。 ・この性教育を通して、性器を人前でさわらないことや、知らない男性についていってはいけないこと を学んでほしい。 ・小さい頃のアルバムは見ることができるように身近に置いている。小さい頃の自分もわかる。体毛が 増えたことは特に気にしてはいない。大事なところを隠す等の恥ずかしさを教えるのはとても難しい。 88 ○まとめ (良かった点) ・22名という比較的人数の多い集団であるため、生徒一人一人が主体的に活動できる機会を増や すことを目指し、一斉で行う活動と合わせて、1グループ、4~6名の4つのグループに別分か れて行う活動を入れたことは良かった。 ・男女の違いについては、前時の授業で組み立てた体パズルに体の部位パーツをつけていく活動を 通して、第1時間目と第2時間目の学習に繋がりができた。パネルに立たせた状態で部位を付け ていくことで、前時に感じた体の大きさについて再度感じ、鏡のようにパネルを立てることで、 自分の体に置き換えて考えることができた。 ・プライベートゾーンを学ぶ学習では、水着で隠れるところが「プライベートゾーン」であること、 プライベートゾーンに関係する日常生活での課題(他者の前で服を脱ぐ等)が見られる生徒が多 く見られるグループであったため、身近な生活場面を4場面挙げ、適切な装いについて考えた。 今後も、日常生活の中で話題にし、般化していけたらと考える。 <改善点> ・本グループは、社会面での実態で中学部全体を3つに分けたグループであり、プライベートゾー ンに関係する社会的なルールの理解が必要である点など、性に関する指導についての教育的ニー ズには共通点が見られたが、やはり、6月に行われた授業の反省同様、認知面での実態に差が見 られ、授業の内容、教材教具の準備の際に、難しく感じることが多かった。 ・特に第2時間目は、目標を「男女の違い」と「プライベートゾーン」の2本柱にしたことで、内 容が多くなり過ぎてしまい、焦点がぼやけてしまった。内容の整理が必要だった。 ・体パズルにつけた全ての部位について「同じ」であるか、 「違う」か確認(色分けして枠で囲んだ) した方がよいと思うがあまり、髪の毛と顔のところで、両方の枠が混在してしまい、生徒に伝わ りづらくなってしまった。 ・教材の部位を作る際は、胸や性器をどのように表現するのかが難しい点だった。二次性徴をこれ から迎える生徒もおり、自分の体の部位と結びつくか等の心配があった。しかし、中学部の生徒 たちに二次性徴を迎えた性器についてこれから迎える成長についても知ってほしいという願いを こめて、教材を作った。 89 ○教材・教具 ① 学習項目:心身の発育・発達や健康に関して必要な内容 ② ねらい: 男女の体の違いについて知る。 中学部 B グループ 保健体育 ③生徒の実態:日常繰り返し行う活動等の場面での簡単な言葉での指示については、ほぼ全員が 理解できる。絵カードや写真カードを見比べ「同じ」 ・ 「違う」がほぼ全員理解でき る。 ④教材の名称:体パズル ⑤ 指導上の留意点、配慮点 ・パズルの体の大きさは等身大にする。 (模造紙の上に仰向けになり型紙をとる。型紙はボール 紙等、生徒がパズルとして扱いやすい素材に貼る) ・パズルはパネル等に立てて掲示し、体の大きさが実感できるようにする。 ・男女の体パズルを並べて提示し、男女の体の違いに気がつけるようにする。 ・部位は、貼ってはがせる両面テープ等使い、貼り直しが可能にする。 90 ① 学習項目:心身の発育・発達や健康に関して必要な内容 ② ねらい:プライベートゾーンに関係する社会生活ルールについて学習する。 中学部 B グループ 保健体育 ③生徒の実態:日常繰り返し行う活動等の場面での簡単な言葉での指示については、ほぼ全員が 理解できる。絵カードに描かれた絵の内容の違いをほぼ全員理解できる。 ④ 教材の名称:生活場面カード おふろ みせ(かいもの) 服装カード 「ドロップス」視覚支援シンボル集(http://droplet.ddo.jp/drops/)より引用 ⑤ 指導上の留意点、配慮点 ・様々な生活場面カードを提示し、適切な服装はどれか選ぶ活動を行い、プライベートゾーンに 関係する社会生活ルールについて考えていくようにする。 ・生徒が服装カードを選択する際の手掛かりとなるように、服装カードのペープサートを用意し 各場面に照らし合わせるようにする。 ・少人数のグループで考えることができるように、生活場面カード、服装カードをセットで複数 枚用意する。 91 ○ワークシート 中学部 「性に関する指導 B グループ」ワークシート ( 1 年 組 名前 ) 学習内容「体の成長について知ろう」 今回の学習では、 「心身の発育・発達や健康に関して必要な内容」として、 「体の成長」や「男女 の体の違い」 、「プライベートゾーンに関する社会生活のルール」などについて学びました。 1日目は、御家庭からお借りした幼児期の写真と現在の写真を見たり、等身大の「体パズル」を作 って、幼児期の体の大きさと比べたりする活動を通して、 「自分の体が大きくなったこと(成長したこ と) 」について学びました。あわせて、それぞれの名前の由来を知り、 「一人一人が願いをもって生ま れてきた大切な存在であること」を感じることができました。 2日目は、1日目に作った「体パズル」に、体の各部位を貼る学習を通して、 「男女の体の違い」を 知り、体の中で水着を着たときに隠れるところを「プライベートゾーン」と呼び、体の大切な部分で あること、様々な生活場面におけるプライベートゾーンに関する社会生活のルールなどについて学ぶ ことができました。 今回学んだことを今後も日常の様々な場面で働きかけ、体の成長へ関心をもつことや、自分や家族、 友達を大切にしようとする気持ちに繋げていきたいと思います。 2 学習の様子 1日目(○月○日) 2日目(○月○日) 写真を添付 写真を添付 【学習の様子】 3 【学習の様子】 より 性教育ってなんでしょうか?男性、女性について知ること?精通、初経について知ること?これら も大事な性教育の 1 つですが、 「心と体の成長を受け止め、その成長はとっても素敵なことだと知るこ と、喜び合うこと」が、性教育の土台ではないでしょうか。子どもたちはいつの間にか、大人へと近 づいていきます。ヒゲがはえてくるのも、月経が始まるのも成長の証です。 (もちろん成長の時期・速 さは人それぞれです。 ) 「教えなきゃ」と難しく考える前に、 「大きくなったね」と気軽な気持ちで、「今日はどんなことを 学んだの?」など、話題にしてみてください。 思春期の子どもを前に戸惑うのはみなさん同じです。お子さんの心と体の成長を一緒に見守ってい きましょう。 4 保護者より 92 中学部 Cグループ 保健体育(性に関する指導)学習指導略案 1 題材名 「思春期のからだと心の変化」 ~二次性徴と異性との関わり方について~ 2 題材について 本グループは、中学部生徒全学年を縦割りにした男子12名、女子8名のグループで、3年生9 人、2年生4人、1年生7人の計20人で構成されている。どの学年の生徒も、簡単な言葉の意味 を理解し、言葉によるコミュニケーションをとれる生徒が多い。互いに、異性に対して興味をもち 始めている生徒もいて、性に関する指導について、適切な指導をしていく必要があると感じている。 本題材を通して、思春期の心の成長と合わせて、二次性徴について学ぶことにより、性に関する正 しい知識を身につけ、望ましい対人関係を築き、特に異性に対しては適切な関わりができるように と願っている。 3 題材の目標 ・思春期を迎えた心の成長を意識する。 ・二次性徴について知る。 ・異性に対して適切な関わり方を知る。 4 本時の指導 (1)目標 *自分のからだの成長について、男女の体の違いについて、異性との適切な関わり方 ・思春期を迎えた心の成長を意識する。 ・二次性徴について知る。 ・異性に対して適切な関わり方を知る。 (2)展開(1/2) 時配 学習活動 2分 1 始まりの挨拶をする。 8分 2 本時の学習について知る。 指導上の留意点 教材・教具等 ① 人と人の出会いの大切さについて知 る。 10分 ② ダンスを踊る(ボーイミートガール) ・元気よく、楽しみながら踊るよう {ワークスペース} 10分 ③ 自分のプロフィルカードを書く (プロフィルカードに、好きな人、そ の理由も記入する) 5分 ④ 好きな人(物)→大事なもの→大切な もの→思いやる気持ち(心)を知る 3 に促す。 ・カードに氏名、性別、好きな人(親、 友達、ペットetc)を書くように プロフィルカ 促し、その理由も考え、記入する。 ード ・どうして好きなのか、理由を考え 写真 られるように質問しながら答えを 言葉カード 引き出す。 大切な人(もの)に相手を思いやる気 ・思いやりの気持ちが、人とのコミ 持ちで接することが大事と言うこと CD ュニケーションを円滑にとれるた 93 を伝える。 めの基盤だと言うことに触れる。 ・好きな人、好きな物の流れから、 5分 4 気になる異性についても聴いてみる。 恥ずかしがらず、素直な気持ちを引 き出すようにする。 ・今日学んだこと、感じたことにつ 15 5 ワークシートに記入する。 いて聞き出し、記入するよう促す。 ・明日も身体についての授業がある ことを伝える。 5分 6 終わりの挨拶をする。 (3)評価 ・思春期の心の成長が意識できたか。 ・二次性徴(自分の身体と心の成長と二次性徴における男女の身体の違い)を理解できたか。 ・異性に対して適切に関わろうとすることができたか。 94 中学部 Cグループ 保健体育(性に関する指導)学習指導略案 1 題材名 「思春期のからだと心の変化」 ~二次性徴と異性との関わり方について~ 2 題材について 本グループは、中学部生徒全学年を縦割りにした男子12名、女子8名のグループで、3年生9 人、2年生4人、1年生7人の計20人で構成されている。どの学年の生徒も、簡単な言葉の意味 を理解し、言葉によるコミュニケーションをとれる生徒が多い。互いに、異性に対して興味をもち 始めている生徒もいて、性に関する指導について、適切な指導をしていく必要があると感じている。 本題材を通して、思春期の心の成長と合わせて、二次性徴について学ぶことにより、性に関する正 しい知識を身につけ、望ましい対人関係を築き、特に異性に対しては適切な関わりができるように と願っている。 3 題材の目標 ・思春期を迎えた心の成長を意識する。 ・二次性徴について知る。 ・異性に対して適切な関わり方を知る。 4 本時の指導 (1)目標*自分のからだの成長について、男女の体の違いについて、異性との適切な関わり方 ・思春期を迎えた心の成長を意識する。 ・二次性徴について知る。 ・異性に対して適切な関わり方を知る。 (2)展開(2/2) 時配 学習活動 2分 1 始まりの挨拶をする。 2 本時の学習について知る ① ダンスを踊る(ボーイミートガール) ② 動物の雄と雌に外見上の違いがあるこ 8分 3分 とを知らせる。 3 20分 成人の人体図(男女)を比較しながら、 体の名称や、少年から成人へと移り変 わる体の変化に気づく。 指導上の留意点 教材・教具等 ・元気よく楽しみながら踊る CD ・特に外見上異なる特徴のある動 写真(動物) 物(鶏、ライオン) ・成人の人体図を見せ、男女の違 いに気づかせる。 ・体つき(胸 性器など) ・次に成長すると体のパーツも変 ・ひげ 胸毛 脇毛 化してくることも伝える。 (人体図に直接ホワイトボードマーカ (例)友だちのひげを確認する。 ーで記入する。) 4 5分 役割について知る。 5 10分 動物の雄雌、人間の男女のそれぞれの ・特に女性は出産という大きな出 来事があることを知らせる。 男性と女性がいて生命(赤ちゃん)が 誕生することを知る。 ・生活の中で、男性は女性をいた わり、守る役割があることを伝 (出産シーン) える。 95 男性、女性の 人体図 10分 6 ワークシートを記入する。 2分 7 終わりの挨拶をする。 ・今日知ったこと考えたことにつ 赤ちゃん人形 いて記入するよう促す。 (3)評価 ・思春期の心の成長が意識できたか。 ・二次性徴(自分の身体と心の成長と二次性徴における男女の身体の違い)を理解できたか。 ・異性に対して適切に関わろうとすることができたか。 96 ○家庭との連携 ・家庭との連携を通して、保護者に生徒が「性に関する指導」に真剣に取り組んでいる姿を伝えること ができ、保護者も、生徒の取り組みの様子を嬉しく感じ、また、生徒の生活や心の問題について、よ りよりいっそう意識付けができたようだった。 ・個別面談を通して、授業を行う前と後では、生活態度や性に関する行動にも変化が見られるようにな ってきた。とのことだった。 ・ワークシートを通して、 「性に関する指導の」内容等を保護者に知らせたことで、個別面談の場など で、保護者から、生徒の性に関する部分での生活スタイルやこだわりなどについても率直に、またス トレートに話ができるようになった。 ○まとめ (良かった点) ・始めに(導入で)男の子・女の子を意識できるような軽快なダンスを取り入れたことで、生徒達が楽 しみながら授業に参加でき、1日目、2日目と意欲も継続できた。 ・自分の好きなもの(人)から、自分と他の人を意識することで自分自身の心(気持ち)に触れ、さら に自分も他の人も大切にしようという気持ちを考えるきっかけになった。 97 ○教材・教具 ① 学習項目:心身の発育・発達や健康に関して必要な内容 ② ねらい:思春期の心の成長を意識し、異性に対して適切に関わることができる。 中学部 C グループ 保健体育 ③ 生徒の実態:ほとんどの生徒が、簡単な言葉の意味を理解し、言葉によるコミュニケー ションがとれる。異性に興味をもち始めている生徒が多い。 ④ 教材の名称:人との出会いの大切さから、相手を思いやる心を学習するシート ⑤ 指導上の留意点、配慮点 ・事前にプロフィールシートを用いて、好きな人(物)やその理由を考えた上で、大事・大切な ものが、思いやる心に繋がるように、生徒から答えを引き出しながら、カードで確認する。 ・動物の雄雌から、人間の男女に繋げ、それぞれの役割や、大切に思い適切に関わる方法を名称 と共に覚えられるようにする。 98 ○ワークシート かんが 考 えてみよう!【プロフィールカード】 ねんがっぴ ミニカット2 年月日 ミニカット2 なまえ 〈名前〉 だんじょ 〈男女 〉 せいねん が っ ぴ 〈生年 月日〉 ねんれい 〈年齢 〉 す ひと 〈好きな人 〉 りゆう 〈理由〉 99 にちめ 【ワークシート】1日目 がつ にち 月 日 なまえ 名前 年中行事 じぶん す ひと かんが 自分の好きな人のことを考えて、 ひと 人にはどんなふうにしたらよいか わかったかな? か わかったことを書いてみよう! 100 にちめ 【ワークシート】2日目 がつ 月 にち 日 なまえ 名前 おとこ おんな 男 と 女 のちがいが、わかったかな? おんな ① ミニカット2 ② ミニカット2 ひと 女 の人について、わかったこと おとこ ひと 男 の人について、わかったこと かんそう ③ 感想 101 性に関する指導 「思春期のからだと心の変化」 ~2日間の授業を終えて~ の様子 プロフィールカード・ワークシート・様子をご覧になった感想をお聞かせください。よろしくお願いし ます。 締め切り ○月○日(月) 102