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八重の篤志看護婦としての活躍を物語る帽子

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八重の篤志看護婦としての活躍を物語る帽子
新島遺品庫より
─ collection 2 ─
八重の篤志看護婦としての活躍を物語る帽子
番組では、日本赤十字社(以下、日赤とする)の
篤志看護婦として日清・日露戦争に従軍したことに
もふれた。彼女の後半生での代表的な活動である。
そして、この帽子がその象徴である。
しかし、不思議に思う人もいるかもしれない。こ
の帽子は一般的に知られる篤志看護婦姿の八重が被
る帽子とは異なるように見える。事実、別の帽子で
ある。
では、この帽子は何か。同志社社史資料センター
が管理する資料の中に「新島旧邸文庫」がある。こ
の「文庫」はかつて新島や八重が新島旧邸で所蔵し
ていた書籍類である。その中に『日本赤十字社篤志
は知られた存在であるが、いったい全国でどれほど
2013年には大河ドラマ「八重の桜」が放送さ
れる。その主人公である新島八重は同志社では少し
篤志看護婦人会に関連があると考えられる。
と同じスケッチがある。つまり、この帽子は日赤の
看護婦人会』という雑誌があり、裏表紙にこの帽子
の人が知っていたであろうか。
日に撮影された。その裏面には「大
授与式挙行之際撮影」とある。ただし、八重はこの
日本赤十字社京都支部篤志看護婦会第4回修業証書
月
さらに、センターには八重がこの帽子を被って写
る写真が4枚ある。全て集合写真で、最古の写真は
トリア」であろう。この番組では、その内容の賛否
時篤志看護婦人会京都支部から看護学補習科修業証
1902年
は別として、会津での籠城戦、新島襄や同志社の生
書を受け取っているので、この写真も篤志看護婦人
八重の生涯を積極的に初めて取り上げたのは
2009年にNHKにて放送された「歴史秘話ヒス
徒らとの交流、新島襄永眠後の活動など、八重のさ
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まざまな顔が紹介された。
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新島遺品庫より
会に関係している。そして、ほかの3枚
も篤志看護婦人会京都支部総会の記念写
真である。確認する限り、八重の帽子は
必ず篤志看護婦人会と関わっている。
では、八重と篤志看護婦人会の接点は
どこなのか。八重と日赤の関係が資料で
日である。日赤の正社
最初に確認される日は正社員となった
1890年4月
(同志社社史資料センター)
えてくれる彼女の遺品である。
八重の篤志看護婦としての矜持を今も伝
う二つの役割を担った。この帽子はこの
看護行為とその地位向上に貢献するとい
に貢献することである。つまり八重は、
事の重要性を世に伝え、その地位の向上
また、社会的地位が低い看護婦という仕
若き看護婦を率いて看護活動に専念し、
た。この婦人会の目的は、監督官として
員は志願して篤志看護婦人会に所属でき
に与えられる職名である。同時に、正社
員は、一定の金額を日赤に寄附した人物
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