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副腎髄質アドレナリン細胞のゴルジ装置に及ぼす松果
体除去・対照手術の影響 : 計量的電子顕微鏡的研究
梶原, 哲, 高橋, 元, 加地, 隆
弘前医学. 48(4), 1997, p.197-207
1997-05
http://hdl.handle.net/10129/1884
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Text version
publisher
http://repository.ul.hirosaki-u.ac.jp/dspace/
弘
前
医
学
4
8:1
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副腎髄質ア ドレナ リン細胞のゴルジ装置に及ぼす
桧果体除去 ・対照手術の影響
梶
原
哲
計量的電子顕微鏡的研究
高
橋
元
加
地
隆
抄昏 松 果体 除去が副腎髄 質 ア ドレナ リン細胞 の ゴル ジ装置 に及 ぼす影響 を計量 的電子顕微鏡 的 に検 索 した.正
常対照 (
NO)秤,手術対照 (
SX)秤 ,松 果体 除去 (
PX)群 の計 5
8匹の雄性 ラ ッ トを2
4
時間明暗 (
1
2:1
2
)周期,
2
2±2
o
C)下 に飼育 し,術後 1
4日の5
3日齢 に 日内 8時点 で用 いた.髄質 の通常 の電顕標本 を作製 し, ア ドレ
恒温 (
ナ リン細胞全体 を倍率 3,
0
0
0
倍 で,その ゴル ジ装置 を1
0,
0
0
0
倍 で写真撮影 し計測 に用 いた.ゴル ジ装置 の体積 密度
P<0.
0
3
)と PX群 (
P<0.
0
2
5)で高値 で あった.平滑小胞 の数密度 は暗期 に
は 1日全体 で NO群 よ りも SX群 (
おいて PX群 で SX群 よ りも高値 (
P<0.
0
5
) を,逆 に被覆 小胞 の数密度 は暗期 にお いて SX群 で NO群 (
P<
0.
0
2)
,PX群 (
P<0.
02
)よ りも高値 を示 した. この ようにア ドレナ リン細胞 の ゴル ジ装置 は小胞 の種類 に よ り異
な る影響 を松 果体 か ら受 ける らしい.
弘前医学 4
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NEALECTOMY ANDSHAM SURGERY ON GOLGI
APPARATUSI
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NECELLS:
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CROSCOPI
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9
7
弘前大学 医学部解 剖学第 二講座 (
主任
撹)
平成 8年 1
1
月2
8日受付
平成 8年 1
2月2
0日受理
加地
隆教
Se
c
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8(
4
)
梶原,他
され, その分泌 は何 らかの信号 によ り調節 さ
祐
看
れ るらしい11)
.一方,ゴル ジ層板周囲に見 られ
近年,副腎髄質 クロム親性細胞 は, ア ミノ
るゴル ジ小胞 には,大 き く分 けると表面が平
酸の誘導体 で小分子 のカテコールア ミン (
エ
滑 に見 える平滑小胞 と表面 に寵状 の覆 いを持
ピネフ リン, ノルエ ピネフ リン等) とア ミノ
った被覆小胞 とがあるが, ゴル ジ層板小嚢膜
酸 の連鎖 よりなる比較的大型 の分子であるペ
面か ら出芽 (
buddi
n
g)によって小胞が形成 さ
プチ ド (
エ ンケ ファリン等) とい う 2種類 の
れ る際 には,被覆小寓がちぎれて被覆小胞 と
ホルモ ンを分泌す る APUD (
Ami
nePr
e
c
ur
-
な り,ついで被覆が表面か らとれて平滑小胞
s
orUpt
akeandDe
c
a
r
boxyl
a
t
i
on)細胞群 1)
に移行す るとも言われ 12
)
, また被覆小胞 は選
あるいはパ ラニ ュー ロン2)の一員 である との
択的な物質輸送 に関わっている とも推測 され
認識がなされている. しか しなが ら, この よ
ている.下垂体前葉 13)や肝臓 ランゲルハ ンス
うな細胞 においてア ミンとペ プチ ドの産生 ・
島 14)等 幾 つ か の 内 分 泌 細 胞 に お い て は,
分泌 の調節機序が どの ような相互的関係 にあ
ACTH や イ ンシュ リン等 のペ プチ ドホル モ
るか につ いて は必 ず しも明 らか とは言 えな
ンが ゴル ジ装置近傍 における被覆小胞 内に存
い .
在す ることが認 め られてい る.髄質 ア ドレナ
一方,松果体 の機能 の多様性が徐々 に明 ら
リン細胞 においては, カテコールア ミン合成
か にされ, 自律神経系 に対 して も種々の影響
酵素 (ドーパ ミンβ一
水酸化酵素)やペ プチ ド
を与 えることが知 られている.交感神経 ・副
ホルモンあるいはその前駆体や クロモグラニ
腎髄 質 系 の一部 をなす副 腎髄 質 に対 す る松
ンが粗面小胞体 か らゴル ジ装置 を経由 して分
果 体 の 影 響 に 関 し て は, PETRESCU と
泌頼粒 -移行 す る と考 え られ て い る15-16) も
SI
MI
ONESCU3)に よる松 果体 除去及 び松 果体
のの,被覆小胞 との関連 の詳細 については不
抽 出物質 による組織学的変化 に関す る先駆的
明である.
研究 に始 ま り,松果体除去 による3
H-チロジ
本研究では,副腎髄質 ア ドレナ リン細胞 の
ンの副腎髄質細胞 への取 り込 みの増加 4)や ド
ゴル ジ装置 に対す る松果体除去及 び頭蓋 内対
ーパ ミンβ水酸化酵素活性 の変化 5)の戟告
照手術 の影響 を,特 に これ まで各種条件下で
に続 いて,KACHIら6-10) は松果体が副腎髄質
の量的変動がほ とん ど検索 されていない平滑
クロム親性細胞及びその節前神経終末 に及ぼ
小胞 と被覆小胞 の 2種類 のゴルジ小胞 に着 目
す影響 を計量組織学的 ・電子顕微鏡的 に月内
して, 日内時間 とも関連 して計量的に検討 し
時間 とも関連 して詳細 に系統的 に検討 して き
た成績 を報告す る.
たが, これ まで クロム親性細胞 のゴル ジ装置
に対 す る影響 に関 しては詳 しい検討 はなされ
ていない.
ゴル ジ装置 は合成 された種々のタンパ ク質
材 料 と方 法
2
5日齢 の雄 性 白色 Hol
t
z
man系 ラ ッ ト5
8
匹 を購入 し,窓のない2
4
時間明暗周期 (
明暗
や脂質 を受 け取 り, それ らを目的地である細
1
2:1
2
)室温 2
2±2
o
Cに調節 した飼育室で固
胞膜, ライ ソゾーム,及 び分泌額粒 に分配す
形飼料 (
Pur
i
naRa
tCho
w) と水 を自由に摂
る役割 を担 っている と考 えられている. ゴル
取 させて飼育 した. これ らを 3つの実験群す
ジ装置 を経 由す るタンパ ク質の細胞外への経
なわち正常無処置対照群,手術対照群,松果
路 としては構成性分泌経路 と調節性分泌経路
体除去群 に分 け, 1ケー ジに 4匹ずつ入れて
があ り, それぞれ異 なった内容 を輸送 し,前
飼育 した.手術処置 は1
4日間環境 に適応 させ
者 は分泌が持続的であるのに対 し後者 はホル
た後 に行 い,松果体除去 は Qua
yの方法 17) に
モ ンや神経伝達物質 な どの分泌 に関与す ると
従 った.対照手術 は松果体除去 と副腎除去 に
平成 9年 5月
弘前 医学 4
8
巻 4号
副腎髄質 ア ドレナ リン細胞 の ゴル ジ装置 に及 ぼす松果体除去 ・対照手術 の影響
0
0I
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0
1
9
9
0
o
図 1 副腎髄質 ア ドレナ リン細胞 ゴル ジ装置 の模式図.
平滑小胞数 の測定部位 を 4つの四角形 で示 してある.
対 す る 2重対照手術,つ ま り髄膜及 び後腹膜
1
0,
000倍で撮影 した.得 られた1
0個前後 のア
を小 さ く切開す るが,松果体 と副腎 自体 には
ドレナ リン細胞 のゴル ジ野の電顕写真 は, さ
侵襲 を加 えない もの とした. これ は今回の研
らに最終倍率27,
600
倍 に拡大 し印画紙上 に焼
究の他,松果体 と副腎両方除去の影響の検討
き付 けた. これ らを用いて定性的定量的検索
も同時 に行 ったためである.術後14日目に明
を行 った.
期,暗期 の開始か らそれぞれ 1, 4, 6, 9
倍率1
2,
000倍 の各写真上でゴルジ装置 と胞
時間後 の計 8時点でラッ トをケージか ら取 り
体 の面積 を算点法 にて測定 し,胞体 に対す る
出 した後,で きるだけ速やか に断頭 した.た
ゴル ジ装置の体積密度 を算定 した. これ らを
だちに左側 副 腎 を摘 出 して髄 質 を露 出 した
個体毎 に平均 して各個体 の値 とし,明期,暗
後,0.
05M の リン酸緩衝液 に溶解 した2.
5%
期及 び 1日全体 で実験群間の比較 ・検討 を行
グルタルアルデ ヒ ドで 1時間前固定 し,同 じ
緩衝液 で洗浄後 1%オ ス ミウム酸 で1.
5時間
ude
nt
った.統計学的検定 には分散分析 と St
600
倍の
Fi
s
he
rの t検定 とを用いた.また27,
後固定 し,エ タノールで脱水 してエポン81
2に
写真上でゴル ジ装置周囲 に見 られ る平滑小胞
包埋 した.副腎髄質の数個 のブロックか ら 1
と被覆小胞 の直径及びその数 を測定 した.刺
個 を無作為 に選 び, 白∼淡黄 白色 の干渉色 の
定部位 は,各細胞 のゴル ジ野 に見 られ る垂直
切片 を300-グ リッ ドメ ッシュに載せ,酢酸 ウ
断 ゴル ジ層板 の中で最 も大 きな もの を選 び,
ランとクエ ン酸鉛で二重染色 を行 った後,電
その断面の シス側 と トランス側 の中間部 で 1
子顕微鏡
(
HI
TACHIHU1
2
A,加速電圧 75
箇所 ず つ と両端 で 1箇所 ず つの計 4箇所 と
kV)で観察 した.37匹のラ ッ トに関 しては各
し,各部位 で一辺が 1
8mm (
原寸で は約 650
ブロックか らの切片か ら無作為 に選 んだ 1枚
nm)の大 きさの正方形の内部 に含 まれ る平滑
の切片 において観察 され るすべてのア ドレナ
小胞 と被覆小胞 をそれぞれ計測 した.正方形
リン細胞 を,細胞全体が視野 にはいるように
は, 中間部 ではそれぞれ最外側 の小嚢の接線
倍率 3,
000倍で写真撮影 し,得 られた10
個前後
を一辺 とす るようにシス側 あるいは トランス
の細胞 を最終倍率1
2,
000倍 になるように印画
側で, また両端 で は層板 の走 向方向 と垂直で
紙 に焼 き付 けた. これ らを含 む58匹のラッ ト
かつ層板 に接す る一辺 をもつ ように配置 した
においては同様 に選 んだ切片上 で,核 の断面
(
図 1).正方形内の核 や ミトコン ドリアの面
を含 むすべてのゴル ジ装置近辺の視野 を倍率
積 は 3mm 間隔に格子状 に点 を設 けた透明板
2
0
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.48(
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)
梶原,他
を用い,算点法 によって測定 し,核 とミトコ
なる構造である トランスゴル ジネ ッ トワー ク
ン ドリアをのぞいた面積 を測定対象面積 とし
各個体の写真の うち無作為 に選 んだ 1枚 に
(
t
r
ams
Gol
gine
t
wor
k)
,及 びそれ らの周囲の
小胞 (
図 2C,D)か らなっていた.層板構造
6∼ 8個か ら構成 され る大 き く発達 したゴル
ついて測定範囲に見 られ る平滑小胞 の直径 を
ジ装置 もあれば,層板構造が 1- 2個か らな
すべて測定 し,
個体毎 に平均 した値 を用いて,
る小 さな層板 か らなるゴル ジ装置が細胞質中
明期,暗期 のそれぞれで実験群間の統計学的
に数個散在 している場合 もあるが, いずれに
た.
ude
nt
Fi
s
he
rの t検 定
検 討 を分散分 析 と St
おいて も一つの層板 はお よそ 4- 6個 の后平
で行 った.被覆小胞 に関 しては認 め られる頻
小嚢 か らな ってい る こ とが多 い よ うで あ っ
度が平滑小胞 に比較 して きわめて少 なかった
た.大 き く発達 した もので は,核 を底辺 とす
ため,各個体 の無作為 に選 んだ 2枚 につ きゴ
るような半 円状 に層板が配列 していた り,核
ル ジ野 に見 られ る被覆小胞 のすべてを測定 し
付近で層板が円形の配列 をしている様子 も見
て同様 に検討 を行 った.
られた. 円形 に配列 した層板 の内部 に別の層
両小胞 の数の測定 は上記の測定部位 におい
板が位置 している もの もあった.
て行 い,各写真毎 に 4部位での測定 した数の
外分泌腺等の細胞 の ように明 らかな細胞 内
合計値 と総測定面積 か ら単位面積 あた りの小
極性 のあるもの とは異 な り,副腎髄質 A細胞
胞数 を求 め,次 の式 18) よ り数密度 を求めた.
で は明瞭 な極 性 は見 られ ない場 合 が多か っ
Nv-Na
1
0
3
T T
+
た.
T
2R
-
2
K
層板 を構成す る小嚢の一部や トランスゴル
ジネ ッ トワー クの一部 に被 覆 を持 った 出芽
Nvは数密度すなわち単位体積 (
〟m3) 当た
(
c
oat
e
dbuds
)が認 め られた. また小嚢の一
〟m2) 当た りの
りの小胞数,Naは単位面積 (
端が拡張 し,中に頼粒小胞 の内容物 と同程度
nm)
,2
Rは小胞 の
小胞数, Tは切片の厚 さ (
に高密度 な物質 を含 んでいるもの も時 に見 ら
直径 の平均値, Kは小胞 を認識で きる最小 の
れた. さらに,最 も トランス側 にある層板が
厚 さをそれぞれ示 している.今 回の計算 に際
その一つ隣の小嚢 よ りやや距離 を置 いて存在
0n
m,Kは 0とし,2
R
しては,便宜上 Tは 7
している状態が見 られた り, またその一端が
には各期各実験群 の直径 の平均値 を用 いた.
拡張 して内部 に中等度 の密度 の物質 を含 んで
こうして求 めた値 を個体毎 に平均 して各個体
い るもの も時 にみ られた.
の値 とし, これを用 いて明期,暗期及び 1日
ゴル ジ野 には,平滑小胞 と被覆小胞 の 2種
全体 における実験群間の統計学的検討 を分散
類 の明小胞が混在 していた.大 きさは前者 よ
ude
nt
Fi
s
he
rの t検 定 を用 い て行
分析 と St
りも後者 の方が一般 に大 き く多様性 に富 んで
った.
いた.小胞 内容 の密度 もそれぞれ多様 である
が,被覆小胞 の方が多 くは高密度であった.
結
果
定性所見
2)実験処置の影響
A細胞 のゴル ジ装置 は正常群 に比べ両手術
1)一般所見
群 で大 きな断面 を呈す る場合が多か った. ま
副 腎髄 質 A細 胞 の ゴル ジ装 置 は細 胞 質 の
た松果体除去群ではゴルジ装置の層板が拡大す
様々な部位 で観察 され,多 くは核 の付近 に見
る (
図 2B)ばか りでな く, その周囲 に平滑
核 か ら離れた細胞膜 に
られ るが (
図 2A, B)
小胞が多数存在 し,一方,
手術対照群 で は正常
近 い部位 に も存在 した. ゴル ジ装置 は后平小
秤,松果体除去群 よ りも頻繁 にゴルジ層板周
嚢が幾つか重 なった層板 と,付近 の小管 よ り
.
囲の被覆小胞 の出現が認 め られた (
図 2D)
平成 9年 5月
弘前医学 4
8
巻 4号
副腎髄 質 ア ドレナ リン細胞 の ゴル ジ装置 に及 ぼす松果体 除去 ・対照手術 の影響
二
一
b2-
区1
2
∴
二 雷
I : -∼ _ _
_
写
.一 山
萱
副 腎髄質 ア ドレナ リン細胞 とその ゴル ジ装置 の電顕像 .
A :正常動物 の副腎髄 質 ア ドレナ リン細胞 .核 付近 にゴ′
レジ装置 (
矢印)が観察 され る.棒印 :
1/Jm ,×9.
0
00
. B :松 果体除去動物 のア ドレナ リン細胞 の ゴル ジ装置 (
矢印). Aの正常動物 の
ゴル ジ装置 に比 べ大 き く見 える.棒 印 :1/
Jm ,×9,
0
0
0
.C :松 果体除去動物 の ア ドレナ リン細胞
の ゴル ジ装 置.層板状 を呈 す る屍平嚢 の付近 に多数 の平 滑小胞 が見 られ る.棒 印 :0.
3/∠m ,×
30,
0
0
0.D :手術対 照動物 ア ドレナ リン細胞 の ゴル ジ装置.被覆 小胞 (
矢印)が多数観察 され る.
3/fm ,x3
0,
00
0
.
棒 印 :0.
2
01
2
02
May,1
9
97
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akiMe
d.J.4
8(
4)
梶原,他
表 1
ゴル ジ装置 の体積 密度
暗期
日内時間
実験群
正常群
体積 密度 1(
%)
体積 密度 2(
0
/
.)
個体数
明期
対照手術群
松果体 除去群
正常群
0.
36±0.
06 0.
4
8±0.
0
6 0.
54±0.
1
0
0.
27±0.
0
5 0.
37±0.
06 0.
41±0.
09
5
5
7
対照手術群 松果体除去群
0.
33±0.
06
8 0.
46±0.
05 0.
5
5±0.
07
a
0.
25±0.
0
4 0.
35±0.
04 0.
4
0±0.
05
7
6
7
体積密度 1,胞体 に対するゴルジ装置の体積密度 :体積密度 2,細胞 に対するゴルジ装置の体積密度.
a,P<0.
0
3
5:b,P<0.
0
3;C,P<0.
0
2
5:d,P<0.
0
3
5:e
,Pく0.
0
2
5;f,P<0.
0
3
5;g,P<0.
0
4
.
表 2
平滑小胞 及 び被覆小胞 の直径
暗期
日内時間
実験群
正常群
手術対照群
明期
松果体 除去群
正常群
手術対照群
松果体 除去群
平滑小胞 事
直径 (
nm)
個体数
(
小胞 数)
59.
9±1.
0 61.
1±1.
7
1
0
9
(
2
62)
(
22
3)
60.
7±0.
8
8
(
223)
7
8.
9±1.
2 7
9.
4±2.
7
9
8
(
67
)
(
6
8)
84.
4±3.
2
8
(
61
)
61.
9±1.
0 61.
3±0.
9
1
0
7
(
29
2)
(
207)
64.
5±2.
3
7
(
21
4)
被覆小胞 '
直径 (
nm)
個体数
(
小胞数)
84.
8±3.
0 84.
6±3.
4
7
8
(
54)
(
6
7)
82.
1±1.
1
9
(
71)
測定値は平均値±標準誤差を示 している.暮
P<0.
0
01(
ANOVA)
.
定量成績
1) ゴル ジ装置の体積密度
表 1に示 した ように,暗期 においては各実
した平滑小胞 の数密度 は,図 3に見 るように
2
01.
9±1
0.
1
個/
暗期 において松果体除去群 (
験群間で有意差 は認 め られなか ったが,明期
〟m3) で手術対照群 (
1
71.
2±9.
8
個/
〃m3) に
1
8
2.
2±
比べて有意の高値 を示 した.正常群 (
で は正常群 に比 し松果体除去群 で有意の高値
個/
〃m3) と手術対照群 の間 に有意差 はみ
8.
6
を示 した. また, 1日全体 の値 は正常群 に対
られなかった.明期で は実験群 間 に有意の差
して手術対照群,松果体除去群 でそれぞれ有
異 は認 め られなか った.一方,被覆小胞 の数
意の高値 を示 した.
密度 は図 4に見 るように,暗期 において平滑
更 に,各群 において明期 と暗期 の間では体
7.
0
5±0.
6
9
個/
小胞 の場合 とは逆 に正 常群 (
積密度値 に有意 の差異 は認 め られなか った.
〃m3) に対 して手術 対 照群 (
9.
7
0±0.
7
4
個/
2)小胞 の直径
平滑小胞,被覆小胞 それぞれの直径 を測定
〃m3)で有意の高値 を示す と同時 に,手術対照
7.
1
2±0.
6
7
個/
群 に対 して 松 果 体 除 去 群 (
した結果 を表 2に示 した.各々の小胞 におい
〃m3)で有意の低値 を示 した.明期で は平滑小
て,各実験群間あるいは日内明期暗期間で有
胞 と同様 に実験群間 に有意の差異 は見 られな
意差 は見 られなかったが, 1日全体 において
かった.
被覆小胞 で は平滑小胞 よ りも有意 の高値 を示
した.
1日全体 の平均数密度値 を実験群 間で比較
してみた ところ,平滑小胞 で は暗期 と同様 に
3)小胞 の数密度
1
6
9.
4±7.
5
個/
〃m3) に比べ松果
手術対照群 (
小胞 の直径 と単位面積 内の小胞数か ら算出
1
9
0.
7±7.
0
個/
〃m3) で有意 な高値
体除去群 (
平成 9年 5月
弘前医学 4
8
巻 4号
副腎髄質 ア ドレナ リン細胞 のゴル ジ装置 に及 ぼす松果体 除去 ・対照手術 の影響
2
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1日全体
正常群
対照手術群
松果体除去群
= .
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測定値 は平均値 ±標準誤差 を示 している.
(
a,b,C
,d,eは t検定 ;f
,g は分散分析)
.
.
0.
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図 4
SX
各実験群 にお ける被覆小胞 の数密度.
平均値 ±標準誤差,棒 の中の数字 は個体数.
NO,正常群 ;SX,手術対照群 ;PX,松果体除去群.
PX
o
o
2
は特 に明期暗期 間の有意 な差異 は認 め られな
か
訂
NO
T
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SX
PX
図 3 各実験群 にお ける平滑小胞 の数密度.
平均値 ±標準誤差,棒の中の数字 は個体数.
NO,正常群 ;SX,手術対照群 :PX,松果体除去群.
った .
考
察
結果 に見 られ るように髄質 A細胞 のゴル ジ
装置の体積密度 は両手術群 で正常群 よ りも高
値 を示 した.文献 的 に副腎皮質 ステロイ ドの
投与 によって髄質 A細胞 におけるゴル ジ装置
の発達が刺激 され増大す ることが知 られてい
を示 し,被覆小胞 で は正常群 (
6.
5
8±0.
4
7
個/
る19)ので,この両手術群 におけるA細胞 のゴ
〟m3) に対 し手術対照群 (
8.
2
0±0.
5
5
個/
〟m3)
ル ジ装置の増大 はス トレス反応性 の ものであ
で有意 な高値 を示 した.
り,少 な くとも部分的には皮質 ステロイ ドの
各実験群 において明期 と暗期 の間での比較
分泌増加 による可能性が考 えられ る. しか し
も行 ったが,手術対照群 における被覆小胞数
なが ら後述 のように,本実験 と同 じ動物 ある
密 度 値 にお い て暗 期 (
値 は前 述)で 明 期
いは同様 の実験条件下でのゴールデンハムス
(
6.
5
5±0.
3
4
個/
〟m3) よ り も有 意 に高 い値
(
P<0.
0
0
2
)が認 め られたが,その他の各群 で
ターの副腎髄質 における他 の形態学的指標 に
おいては,一般 に手術対照群 は正常群 と同様
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であるか, あるいは頭蓋 内対照手術効果 と松
を有 す る との仮 説 的見解 23-2
4
)を支持 す る も
果 体 除 去 効 果 とが 反 対 で あ る場 合 が 多
の とも言 えよう.
,
2
0
)
,ゴル ジ装置体積密度で見 られた手
く6 7,9
一方,
被覆小胞 では平滑小胞 とは異 な り,そ
術対照群 と松果体除去両群 での同様 の効果 は
の数密度 は 1日を通 して,特 に暗期 において,
む しろ特徴的であるように思われ る.
正常群 よ りも手術対照群 で増加 し,松果体除
一方, ゴル ジ装置平滑小胞 の数密度 は 1日
去群で は逆 に手術対照群 よ りも低下 した. こ
を通 して, とくに暗期 において手術対照群 よ
の ような対照手術 と松果体除去 との反対効果
りも松果体除去群 で高値 であった. ゴルジ装
は本研究 と同 じ動物 あるいはゴールデ ンハム
置 の体積密度の測定結果 に示 された ようにゴ
スター における髄質細胞 あるいは節前神経終
ル ジ装置の相対的な体積 は 2群 間で変化がな
末 において見 られ るばか りでな く,副腎髄質
かったが,A細胞 の大 きさは 1日を通 して,特
以外 の器 官 ・組 織 や現 象 に も認 め られ て い
に暗期 において松果体除去群 で手術対照群 よ
る23). しか しなが ら一般 に対照手術 による効
りも大 きかった8)ので, ゴル ジ装置 の絶対 的
果 として これ まで報告 された ものには抑制的
体積 は松果体 除去 によ り増大す る と考 えられ
な ものが多か ったのに対 し,今 回観察 された
る. したが って, ゴル ジ装置 にお ける平滑小
A細胞 の ゴル ジ装置 にお け る被 覆 小胞 の数
胞 の総数 も松果体除去 によ り増加 しているも
密度 は,粗面小胞体 の規模 9)やメチオニ ン-エ
の と見 なされ よう. これ らの結果 は, ゴル ジ
ンケファリン様免疫反応性1
0
・
2
5
)と同様 に,対
装置 における平滑小胞数 は松果体除去 によっ
照手術 によ り増加,松果体除去 によ り低下 を
て増加 す ることを示 している. また松果体除
示 した点 において特徴的な ものであ り,注 目
去の影響 は暗期 で著明であったが, この こと
に値 す る.頭蓋 内手術 である対照手術が血 中
は松果体か らのメラ トニ ン分泌が夜間 に起 こ
メラ トニ ンを増加 させ,松果体除去 によって
る21) ことによるもの と考 えられ よう.
この よ うな増加 が抑 え られ る こ とが ウ ミガ
この ように松果体除去 は副腎髄質 A細胞 に
メ26)な どで知 られてお り,更 にメラ トニ ンを
お けるゴル ジ装置の体積増大やその平滑小胞
投与 す る とA細胞 のメチオニ ン-エ ンケ フ ァ
数 の増加 を引 き起 こす と考 えられ るが, この
リン様免疫反応性が増加 す ることが ラ ッ ト10)
ような松果体除去 による副腎髄質 あるいはそ
や ゴール デ ンハ ム ス タ ー
で観 察 され て い
25)
の A細胞 の活性増加 はこれ まで に報告 された
る.従 って, ゴル ジ層板近傍 に存在 す る被覆
H一チ
多 くの成績 と一致 している.すなわち,3
小胞及 びその内容 は不均一である可能性 は十
ロジンの取 り込 み, ドーパ ミンーβ一水酸化酵
分 にある ものの, その少 な くとも一部 は対照
素活性, A細胞や その核小体 の大 きさ, ミ ト
手術 による松果体 か らのメラ トニ ン分泌冗進
コン ドリアの数,血管周囲腔への開口分泌の
によって増加 す るメチオニ ン-エ ンケ フ ァ リ
頻度, A細胞 への節前神経終末 にお けるシナ
ン産生 と関連す ることが示唆 され る. これ と
プス小胞数等 に同様 のあるいは関連す る変化
関連 して,豚 ランゲルハ ンス島 β 細胞 におい
が認 め られてい る4・6,8・20,22・23). この ような成
てゴル ジ装置 よ り生 じた被覆小胞 の表面か ら
績 は副腎髄質 にお ける一般的及 び主要 な機能
被覆が消失す る間 にプロイ ンシュ リンか らC
活性,すなわちエ ピネフ リン等のカテコール
ペ プチ ドが切 り離 されて, イ ンシュ リンへ と
ア ミンの産生 ・放 出,が松果体除去 によ り増
変化 す る ことが最近 明 らか にされ てい る14).
加す ることを示 してお り,更 に,交感神経一副
従 って,髄質 A細胞 において もこの ような被
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腎髄質系が 「闘争 ・
逃走反応 」 (
覆小胞 にお けるプロエ ンケファリンか らエ ン
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)を媒介す ることを併せ考 えれば,
ケファリンへの変化が起 こっている可能性 も
松果体 ホルモ ンが安静 ・休息の方向への作用
充分 にあると考 えられ る.
平成 9年 5月
弘前医学 4
8
巻 4号
副腎髄質 ア ドレナ リン細胞 のゴル ジ装置 に及 ぼす松果体除去 ・対照手術 の影響
2
0
5
しか しなが ら一方, ゴル ジ装置の絶対体積
髄質 クロム親性細胞 を刺激す るとカテ コール
は松果体除去群 で手術対照群 よ りも大 きい と
ア ミン合成量 は増加す るの に対 し,エ ンケフ
考 えられ るので, ゴル ジ装置 における被覆小
ァリン量 は減少す ることを見出 している.
胞 の総数 にもその数密度 に見 られ るような手
一方,最近,松果体 ホルモ ンの作用機序 に
術対照群 に比べての松果体除去群での減少が
は受容体 を介 す る もの と介 さない ものが あ
見 られ るか どうかは今後検討 され る余地があ
り, 副 腎髄質細胞 に対 して も,副腎皮質等 を
ろう.
含 むホルモ ン性経路や中枢神経系 を含 む神経
本研究で はゴル ジ装置 にお ける 2種類 の小
性経路 を介す る間接的な ものの他 に,直接的
胞 の内容 についての化学的性質 についての直
な血行性 のカルモジュ リンや酸化過程等への
接的検索 はなされていないが, その大 きさ及
影響が知 られて きた20).ともあれ,本研究 の結
び数密度や動態の成績か ら幾 つかの興味深 い
果 はA細胞 のゴル ジ装置 とい う細胞小器官 は
結論が導 き出され る.すなわち,被覆小胞 の
全体 として均一 な調節 を受 けているので はな
平均直径 は平滑小胞 のそれ よ りも大 き く, ま
く,部分 によって,すなわち形成 され る小胞,
たその数密度 は後者 の方が前者 よ りも数十倍
そ して多分 その化学的組成, によって異 なる
高か った. したが って,RoTHMAN ら12)が考
調節 を受 けてい ることの実験 的証拠 で あ り,
えるようにゴル ジ小嚢膜 か らの出芽 によって
松栗林 ホルモ ンによる副 腎髄 質 A 細胞 の調
被覆小胞が形成 され比較的短時間の後 に被覆
節 にお ける細胞 内過程 の複雑 さを も示唆す る
が とれて平滑小胞 に移行す る として も, それ
ものであろう.
だけでは この観察結果 は説明で きず,た とえ
一部 には細胞膜 か ら回収 ・返送 された もの も
含 まれている27) として も,更 にそれ以外 に も
通常の クラス リン様 の被覆 の関与 な しに形成
され る平滑小胞 の存在等の可能性 も示唆 され
よう. また一方, これ らの小胞 には構成性経
路 にあ る もの も一部 含 まれ る11)
可能性 が考
えられ るが,実験処置や 日内時間 によるこれ
ら 2種 の小胞 の数的変動 はこれ らの小胞 の多
くが調節性経路 にあってその動態 を反映 して
いるものであることを示唆 している.更 にこ
れ ら 2種 の小胞 の数密度 は実験処置 に対 し異
なる反応 を示 し,特 に松果体除去 によって増
加 と減少 とい う反対方向の変動 を示 した こと
はきわめて興味深 い.ペ プチ ドホルモンと被
覆小胞 との密接 な関係 を示 す報 告 13-14) を考
慮 に入れ るな らば,成熟分泌頼粒 においては
ア ミンとペ プチ ドは共存す るとして も, それ
らの比率 は何 らかの調節 を受 けて変化 し, そ
の一つの原因 はゴル ジ小嚢か らクラス リン様
被覆保有小胞 を介 して輸送 され るペプチ ド量
の変化 に よる とい う可 能 性 が考 え られ る.
BoHN ら28) は これ と関連 して ラ ッ トの副 腎
謝
辞
稿 を終 えるにあた り,計量 的電子顕微鏡的な研究方
法 に関す る御助 言 を賜 わ った北海道大 学 医学部 解剖
学第三講座 阿部和厚教授 に深謝 いた します.
文
献
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弘前医学 4
8巻 4号
副腎髄質 ア ドレナ リン細胞 の ゴル ジ装置 に及 ぼす松果体除去 ・対照手術 の影響
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