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「ふたば」こと 永田 主 な 相 談 事 武信 例 【事例1】 平成 23 年6月下旬に、営業員Zが消費者A宅を訪問してきた。Zが「お布団の点検をし ます。布団を見せてください。」と言うので、Aはいつも使っている布団が置いてある部屋 にZを案内した。部屋に行くと、Zは押入れから布団を出して、用意してきた掃除機を使っ て布団の掃除を始めた。Zは、掃除を終えると「こんな布団で寝ていると健康を害する。布 団の湿気はダニが発生する原因です。今日は、湿気が取れて、ダニが発生しない敷きパット を持って来ました。」と言って、ビニール袋に入ったパットをAに見せた。さらに、Zは 「掛け布団と体の間にも、汗など湿気を取るパットが必要。」と言って、用意して来た湿気 取りパットをビニール袋から取り出し、使い方を説明してきた。Aは、Zが布団の点検と言 うので家に上げただけで、パットを買うことになるとは思っていなかった。Zは、Aがパッ トを買うとも決めていないのに、契約書を書き始めドライパットは 12 万円、汗取りパット は8万円と金額を説明してきた。 Aは、値段を知って高いと驚いた。年金額も少なく、とても支払える金額ではないので、 Zに「支払いが無理だから、買えない。」と何度も言った。しかし、Zは「分割払いもでき る。毎月4万円の5回払いもできる。」と説明してきた。 Aは、「買えない。」と何度も断っていたが、Zが訪問してきてから2時間程経過してい ることや、Zが商品をビニール袋から取り出してしまったこと、ダニや湿気は健康を害する という説明もあり、Zの勢いにも押されて「早く帰ってもらいたい。」という気持ちから、 代金 21 万円を5回の分割で買うことを了承し、分割販売契約申込書に名前などを記入した。 Zが帰った後、Aは、分割とはいえ、年金生活で毎月支払うのは大変だと思い、契約した 翌日にクーリング・オフの通知をふたば宛に送った。 その後、ふたばからAに「商品は送料負担で送り返して欲しい。」という連絡があったの で、Aは消費生活センターに相談をしたところ、クーリング・オフの場合には送料は事業者 負担なので、着払いで送るように教えられた。 【事例2】 平成 23 年2月下旬頃、自宅にいた消費者Bが電話に出ると、男の声で「以前別の業者が 販売した布団を点検しているふたばのXです。お宅に伺って布団の点検をしますから、いつ がよろしいですか。」と言ってきた。Bは、点検の必要がないので「またにしてくださ い。」と答えて断り、電話を切った。 すると、1時間も経たないうちに連続して2回にわたりXから電話があり、しつこく布団 の点検を勧めてくるので、Bは「点検だけならいいか。」という気持ちになり、やむなくこ れを承知した。 しかし約束の日、Xは現れず、3月初旬になって突然B宅にやってきた。Xは、訪問が遅 れたことを謝るとともに、「使っている布団はどこですか。除湿しましょう。」と言った。 Bが布団を持ってきてXに渡すと、Xは掃除機で布団の除湿作業を始め、作業を終えると、 Xは「すのこも買っていますよね。すのこの中に入っている乾燥剤も点検しますから、持っ て来てください。」と言った。Bが押入れのすのこの中にある乾燥剤シートを2枚渡すと、 Xは理由も告げずに「これはもう使えないです。良いものがありますから、これに変えてみ ませんか。」と言いながら、Bにチラシを渡し、「除湿・脱臭・抗菌・防虫など色々な効果 があり、日に干すだけで何度でも繰り返し使えます。」等と色々な説明をして、布団の点検 に来たにもかかわらず、乾燥剤シートを売り込んできた。「高いんでしょう。」と、Xに値 段を聞いてみると、「まけておきます。1セット2枚入りで8万円ちょっとです。すのこは 2個あるので2セットが必要です。」と答えた。Bが「高いねー、そんなに高いんじゃあ払 えないよ。」と言うと、Xは「他の店で値段を調べてもらってもいいですが、うちより高い ですよ。代金は後日集金に伺いますが、1か月や2か月遅れても大丈夫です。」等と説明し ながらしつこく購入を誘ってきた。Xは、用意していた新品の乾燥剤シートが入った袋を取 り出し、Bが買うと答えてもいないのに、勝手に包装を剥して開封し、袋の中から乾燥剤シ ートを取り出した。BはXの「もう使えない。」という説明を信じ、またXが来てから、既 に2時間近く経過しており、さらにXが勝手に包装を剥して開封し、取り出してしまったの で、Bは「これは買わなければいけない。」という気持ちになってしまい、購入することを 承知してしまった。代金は、消費税込みで 17 万 8,500 円だった。 Xはすぐに契約書を取り出して作成し始め、契約者欄と受領欄への署名と印鑑を求めてき た。手続きを終えると、「これは使えないから処分します。」と言って、点検した乾燥剤シ ートを持って、すぐに帰って行った。 Bは、一人になって冷静に考えると契約は割高に感じ、今後の生活に影響が出る可能性も あるので、消費生活センターに相談し、クーリング・オフすることにした。 【事例3】 平成 23 年3月中旬に、消費者C宅に営業員Wが「お布団をクリーニングして乾燥しま す。」と訪問して来た。Cが突然の訪問に驚いているうちに、Wは掃除機を持って玄関から 部屋に上がってしまった。Wは寝室に行き、いきなり掃除機を使い布団の掃除を始めた。W は掛け布団に一通り掃除機をかけて、「湿気を取るいいものがあるから。」等と色々な説明 をしてきた。そして、Cの目の前で一緒に持って来ていた布団カバーをビニール袋から出し て、掛け布団に被せた。Cは、まだ買うとは言っていなかったが、Wが包装してあったビニ ール袋からカバーを出して掛け布団に被せてしまったのと、湿気取りだという説明を受け、 「体に良い物ならいいかな。」と思った。Wは、書類を出して書き入れ、「ここと、ここに 名前を書いて。」と言うので、Cは何の書類なのかよく分からないまま、言われたとおり指 示された場所に自分の名前を書いた。Cは、後になってこの書類が契約書だったことに気付 いた。 Wは1時間程で帰って行ったが、その日の夕方にWとは別の男性がC宅に来て、「この用 紙を使って代金を振り込んでくれ。」と言って用紙を渡された。 帰宅したCの息子が、振込用紙に書かれていた21万円という金額を見て驚き、名刺に書か れていたWの携帯電話番号に電話を掛け、Cが買ったカバーを返品したいと伝えたところ、 Wは、「販売した商品は既に使用されており、他のお客様に出すことはできないので、後日 話し合ってからにしたい。値段については、Cに納得してもらって契約をした。」と言った。 Cの息子は納得することができず、商品を返品したいことと、後日話をするということで電 話を終えた。 その数日後、Cは息子を通じてクーリング・オフの手続きをした。 【事例4】 平成23年6月中旬頃に、消費者D宅に「そちらに伺いますので、布団を見せてくれません か。」と電話がかかってきた。Dは、5年程前に、羽毛布団を買って使っていたので軽い気 持ちで来訪を承諾した。 電話から1週間程後、ふたばの営業員Yら二人が「先日電話した布団屋です。」と言って 訪問してきた。Yが「布団を見せてください。」と言うので、Dは羽毛布団の掛け布団1枚 を取り出してYに渡し、「ぶ厚いから2枚にしてくれないか。」と言ったところ、Yは「消 費税込みで31万5,000円かかる。」と言った。Dは、あまりの高額さにびっくりしたが、自 分から聞いたことで断るわけにもいかなくなり、これを承知し羽毛布団を茶色の布団袋に入 れてYに渡した。 7月中旬か下旬頃、Yらがリフォームした羽毛布団を持ってやって来た。Dは、リフォー ムに出した時は、羽毛布団は茶色の布団袋に入れて渡したのに、その布団袋が付いていない ことに気付き「布団袋を持ってきてくれ。」と言うと、Yはこれを承知して後日届けること になり、二人は帰った。 8月下旬、Yらが再びやって来た。Yは、「布団袋は処分してしまいましたので、新しい のを持って来ましたからこれを使ってください。」と言って、新しい水色の布団袋をDに渡 した。 その後、Yらは、Dの寝室に上がり込み、持って来ていたビニール袋で梱包された荷物を 勝手に破り、中に入っている品物を取り出してDに広げて見せた。Yが「汗取りパットと竹 炭パットで、非常に良い品物です。」等と言いながら、この汗取りパットと竹炭パットを敷 いてしまった。Yはさらに、「ゆったり眠れて、汗も吸い取ってくれる。竹炭の効果で、布 団の湿気や嫌な臭いがせず、血行も良くなる。」等と、商品の良いことばかりを説明しなが ら、「これを使ってみたらどうですか。」と、Dに買うように勧めてきた。Dは、買うつも りはないので「いらないから、持ち帰ってくれ。」と断ったが、二人は片付けようとせず、 なおも使うように勧誘してきた。Dは何度も「いらない。」と言ったが、Yから「一応置い ていきますから、ここにサインしてください。」としつこく言われ、納品書への署名を求め られた。結果的に二人に押し切られる形になり、Dは納品書に署名してしまった。Yらは納 品書を封筒に入れて座卓の上に置くと、汗取りパットと竹炭パットを敷いたままの状態にし て、すぐに帰った。 それから1週間程過ぎ、Dは、汗取りパットと竹炭パットを引き取りに来てもらうために、 Yの携帯電話番号に電話を掛けた。Dは、「私が開けたのではなく、あんたが勝手に開けた ものだ。最初からいらないと断っており、今も買う気はないから、早く持って行ってく れ。」等と言ったが、Yは受け入れてくれず、電話を切られてしまった。 やむなくDは、消費生活センターに相談することにした。 【事例5】 平成 23 年1月中旬、消費者E宅に「これから布団の点検と掃除に行きます。」という内 容の電話があった。Eは、会社の名前等は良く聞き取れなかったが、家族が数年前に訪問販 売で買った布団のことだと思い、来訪することを承諾した。 その日の昼頃、営業員Xが訪問して来た。Xは、掃除機でEの布団やベッドの下、周辺を 念入りに掃除した後に、「だいぶ布団が湿気を帯びている。」というようなことを言って、 持って来た汗取りパットをビニール包装から取り出し、Eのベッドに敷いた。続いてXは、 Eが以前訪問販売で買った乾燥剤の入った押入れ用のすのこを見て、「交換しなければ。」 と言い、新しい乾燥剤を袋から取り出し、すのこの引き出しに入っていた乾燥剤と交換した。 この後、Xは契約書を書き始め、Eが契約書を見ると、代金は消費税を入れて 21 万円と なっていた。Eは年金生活なので払えないことをXに伝えると、Xは「分割を使えます よ。」と言って、手元にあった分割販売契約申込書に月々2万 1,000 円の 10 回払いと書き 始めた。Eは一度も「欲しい。」ということは言っていなかったが、Xが包装してあるビニ ール袋から商品を出してマットを敷いたり、乾燥剤を交換してしまったことから断りにくく なり、契約をしてしまった。 その後、1月下旬に、Xから「これから伺います。」と電話があり、Xが訪問して来た。 Xは、家に入るなり「押入れにだいぶ湿気がきている。」と言うと、Eが頼んでもいないの に押入れ上段の壁の両脇に黒っぽい色をしたシートを貼り付けた。この時、Eは何のことか も良く分からずに、納品書をXから受け取った。しかし、納品書には金額が書かれていなか ったので、一体いくらするものなのかも分からず不安だった。五、六日悩んでから、思い切 ってXの携帯電話に電話を掛け、Xに「支払っていけないので買うのを止める。」と伝えた が、「一度家に行きますから。」と返事をされ、契約を止めることができなかった。 3月になって、XがE宅にやって来たが、XはEが解約を伝えていたことは無視して、 「払えるようにしましょう。」と言い、結局、Eは代金 42 万円を毎月4万 2,000 円の 10 回 で払うという支払い回数を変更しただけの契約をしてしまった。 それから半年以上経った 11 月中旬に、Xから「これからお布団の掃除に伺います。」と いう連絡があり、XがE宅を訪問して来た。Xは、掃除機を持って来ていて、ベッドやその 周りに掃除機をかけた後に「掛け布団がだいぶ湿っているのでリフォームしたほうがいい。 リフォームはサービスするから。」と告げるとともに、「湿気のこない、いい布団があるか ら。」と言って、敷き布団と敷きパットをそれぞれ包装してあるビニール袋から取り出して Eのベッドに敷いた。そして、「除湿シートの追加。」と言って、押入れの奥の壁にも除湿 シートを貼り付けた。Eは、これまでにも2回、合計で 63 万円もの商品の契約をして毎月 6万 3,000 円を支払い、生活もままならなくなっていた。そこでXに「とても支払えな い。」と言うと、Xは、「初めの分がもう直ぐ終わるでしょう。支払いは初めの分の支払い が終わってからなので、負担にならないでしょう。」と言って、分割販売契約申込書を書い た。Eは、「とても支払えないので、断ろう。」と思ったが、除湿シートも貼り付けられて いることから断りにくくなり、Xの言われるがままに契約することとなってしまった。 Xが帰ってからEは、「やっと1回目の支払いが終わるのに、また生活費が足りなくな る。」と思い、とても不安になり、契約の三日程後に思い切ってXの携帯電話に電話を掛け、 「とても支払えないので布団は買えない。」と言ったが、解約することができなかった。 その後、Eは消費生活センターに相談をした。 【事例6】 平成 23 年8月下旬、営業員Wが「点検をする。」というようなことを言って消費者F宅 に訪問してきた。 Fは、初めから何かを売りに来られたときには、断るようにしていたが、Wは、点検だと 言ったので部屋に上げ押入れの中を見てもらった。Wは、押入れの中のすのこの引き出しに 入れてある乾燥剤を「もう古いから取り替えよう。」と言って、Fが了承する間もなく、ビ ニール袋に入った乾燥剤を袋から出し、古いものと取り替えたようだった。 Fは、代金が 10 万 5,000 円もすると聞き「年金だからそんなに払えない。」と言ったが、 Wは「分割もできる、毎月1万、10 回なら払えるでしょう。」と言い、Fが断っても引き 下がらなかった。Fは、Wが乾燥剤を袋から出して交換していることから、これ以上言って もだめだと思い、Wが書き入れた契約書や分割販売契約申込書の氏名欄にWから言われるが ままに名前や住所を書いた。 Wが帰った後、Fは「どう考えても家賃や生活費などで毎月1万円も支払うことは大変 だ。」と思い、契約の二、三日後に封筒に書かれたWの携帯電話番号に電話をし、キャンセ ルを伝えると、Wに「一度伺ってからにしましょう。」と言われた。 9月上旬に再びWがF宅を訪問してきて、「支払いがしやすいように考える。どうすれば 払えるかな。」などとキャンセルの話をするのではなく、支払い方法について聞いてきた。 Fは、クーリング・オフするつもりで支払うつもりはなかったが、あまりにしつこく聞かれ るので「20 回なら。」と言ってしまい、結局、20 回払いで契約をすることになってしまっ た。 【事例7】 平成 23 年 9 月下旬に、ふたば営業員のWがもう一人の営業員と消費者G宅を訪問してき て、「布団の湿気を取ってあげます。」と言った。Gは、一度はこれを断ったが、「無料で すし、機械でやるのできれいになります。」と言うので、無料ならいいと思いやってもらう ことにした。 湿気取り作業が終わると、Wは掛け布団や敷き布団等を外し、袋から取り出した新品のマ ットを敷いた。また、勝手に押入れを開けて、すのこの引き出しの中に入っている乾燥剤を 取り出し、袋から取り出した新しい乾燥剤と交換した。Gが「何をしているの。」と聞くと、 Wは「ドライパットという湿気を取るマットで、いい品物なので置いていく。乾燥剤も古く なっていて交換しなければいけないので交換した。」等と答えるとともに、ドライパットは 12 万円、乾燥剤は2枚入り1セットで8万円で合計は税込みで 21 万円になる。」と言って きた。 これらの品物はGが注文していないにもかかわらず勝手に取り付けられてしまったものだ ったが、Gは断ることができず、月7万円の3回払いで契約してしまった。 Gは、二人が帰った後に生活費を計算してみると、月々7万円の支払いをするとどうして も生活費が足りないのでキャンセルをすることにした。契約した日の翌日にWの携帯電話に 電話をし、「お金を払えないのでキャンセルして下さい。」と言った。Wはキャンセルを了 承してくれたようだったので、安心して電話を切った。 すると、数日後に何の連絡もなくWら二人がG宅に来た。Gは、ドライパッドと乾燥剤を 回収に来たものとばかり思っていたところ、Wはキャンセルの理由について聞いてきた。G は、商品の代金を払うと生活できない等のことを説明したところ、Wは「乾燥剤をキャンセ ルしてドライパットだけにしたらどうか。分割回数を増やせば支払いがうんと楽になる。」 等と、うまい話をしつこく何回もするので、結局、Gは、乾燥剤は返品するがドライパット は分割回数を増やして購入することになってしまった。