Comments
Description
Transcript
がん患者の代替療法に対する看護職者の認識
青 森 保 健 大 雑 誌 7(2),177-186,2006 〔 原 著論 文〕 がん患者 の代 替 療法 に対 す る看 護職者 の認識 鳴井 ひ ろ み1)吹 田 夕 起 子1)出 貝 裕 子2)三 浦 博 美1) 本 間 と もみ1) 井 澤 美 樹 子1)中 村 恵子3) Nurses' Hiromi attitudes Narui 1) Tomomi toward Yukiko Honma 1) alternative Suita 1) Mikiko Yuko cancer Degai Izawa 1) 2) Keiko therapies Hiromi Nakamura Miura 1) 3) Abstract This study aims to investigate nurses' attitudes toward alternative cancer therapies. A selfadministered questionnaire designed by the researcher was distributed to 1154 nurses at 223 facilities. 743of them responded, for a response rate or 64.4%. 439 of the 741 nurses (59.2%)reported having been asked for advice on alternative therapies by cancer patients, and 367 (53.1%) reported difficulty in responding to such inquiries. To the question "What is your attitude toward alternative therapies?" , the top response (49.4%) was "It is neither positive nor negative." To the multiple-choice question "Wh at do you think are the benefits of alternative therapies to cancer patients?" , many respondents chose "Patients or their families find satisfaction in having done all they can to fight the disease," "P atients can reduce their anxiety," and "Patients can find hope and encouragement." To the multiplechoice question "What do you think are the adverse influences of alternative therapies on cancer patients?" , many respondent chose "Those therapies pose a great financial burden" , "Those therapies are of dubious effectiveness and safety," and "The patients may fall victim to unscrupulous businesses." These results suggest that nurses regard alternative therapies as effective in the sense that the therapies can give cancer patients satisfaction, anxiety and hope, but that the nurses found it difficult to respond to requests for information on alternative therapies, because their effectiveness and safety have not been scientifically proven. (J. Aomori Univ. Health Welf. 7 (2): 177 —186, 2006) キ ー ワ ー ド:が ん患 者 、 が ん看 護 、 代 替 療 法 Key I.は : cancer words patient,cancer nursing,alternative therapies じめ に 者3,000人 を対 象 に した 調 査 結 果2)で は 、44.6%が 代 替 療 近 年 、 代 替 療 法 は 世 界 各 地 で 普 及 傾 向 を み せ て い る。 法 を利 用 して い た 。ま た 筆 者 らの 研 究 結 果3)に お い て も、 が ん患 者453名 を対 象 に したM.D,ア 68人 中44人(64.7%)の ン タ ー の 調 査1)で は 、83%が (CAM)を ン ダ ー ソ ンが ん セ 何 らか の 補 完 ・代 替 療 法 が ん患 者 が 代 替 療 法 を利 用 して い た。 こ の よ う に 、 が ん患 者 はが ん の 治 癒'進 る効 果 を期 待 した り、 生 き る藁 を も掴 む 思 い で 代 替 療 法 が ん 治 療 の 一 部 と して 利 用 して お り、 日本 に お い て は 、2001年 の 厚 生 労 働 省 の 研 究 班 が 全 国 の が ん 患、 に助 け を求 め て 利 用 して い る こ とが 多 い 。 しか し、看 護 1)青 森県 立保健 大学健康 科学 部看護 学科 Department of Nursing,Faculty of Health Sciences,Aomori University 2)首 都 大学 東京 Tokyo metropolitan University 3)札 幌市 立大学 看護学 部看護 学科 Department of Nursing,Faculty of Nursing,Sapporo 行 を抑 え City University 一177一 of Health and welfare 職 者 は 、が ん 患 者 か らの 代 替 療 法 に 関 す る 相 談 に対 して 、 文 面 に て 説 明 した 。 ま た 、 回 答 後 は 、 同封 した封 筒 で 個 科 学 的 根 拠 に基 づ く有 効 性 や 安 全 性 が確 認 さ れ て い な い 別 に 返 送 して も らい 、 個 人 の 回 答 が 他 に もれ る こ とが な 現 状 で あ る こ とや 代 替 療 法 に 関 す る 知 識 ・情 報 不 足 等 で い よ う に倫 理 的 な 配 慮 を行 っ た 。 ど の よ う に対 応 した ら よ い の か 困 っ て お り、 代 替 療 法 を 取 り入 れ るが ん 患 者 に対 す る看 護 の役 割 、看 護 の 方 向性 3.調 が 明確 に さ れ て い な い の が 現 状 で あ る。 そ の た め 、 が ん 1)基 患 者 の 治 療 の選 択 、 さ らに はが ん 患 者 の 治 療 ・療 養 を 支 2)が 援 す る 看 護 実 践 を高 め て い く上 で 、 代 替 療 法 を取 り入 れ 替 療 法 が が ん患 者 へ もた らす 影 響(メ るが ん 患 者 に対 す る 看 護 職 者 の役 割 を導 き出 し、 看 護 の あ り方 を検 討 して い く必 要 が あ る。 査 内容 本 属 性:性 別 、年齢 、経験 年数 、従事 施設等 、 ん患 者 か らの 代 替 療 法 に 関 す る相 談 内 容 、3)代 ト)、4)看 護 職 者 の代 替 療 法 に対 す る 思 い 、 考 え 、5) 代 替 療 法 を 取 り入 れ る が ん 患 者 に対 す る 看 護 職 者 の 役 先 行 研 究3)で は 、 代 替 療 法 を取 り入 れ る が ん患 者 の 実 割 、6)が 態 を 調 査 した結 果 、 が ん患 者 に と っ て の 今 後 の 方 向 性 、 と した。 思いと ‘ 闇'と リ ッ ト ・デ メ リ ッ ‘ 光'と して の ん患 者 の 看 護 に取 り入 れ て い る 代 替 療 法 、7) して の 思 い を併 せ 持 ち な が ら代 替 療 法 を 取 り入 れ て い る こ とが 明 らか とな っ た 。 こ の よ う な思 い で 代 替 療 法 を取 り入 れ て い るが ん 患 者 の 看 護 を検 討 す る に あ た り、 看 護 職 者 の 代 替 療 法 に 対 す る認 識 が 患 者 の 考 4.調 査 期間 調 査 票 の 留 め 置 き 期 間 は 、 平 成14年10月1日 ∼10月28 日であ った。 え方 や 選 択 に 影 響 を与 え る こ とか ら、 実 際 にが ん 患 者 の 看 護 に 携 わ っ て い る 看 護 職 者 は 、 代 替 療 法 を どの よ う に 5.分 析 方法 認 識 し、 が ん患 者 に 対 応 して い る の か 明 らか に す る必 要 デ ー タの 集 計 、解 析 は 統 計 ソ フ トSPSS10.OJを が あ る と考 え る 。 よ っ て 、 本 稿 で は 、 が ん 患 者 の 代 替 療 単 純 集 計 と一 部 ク ロ ス 集 計 を し、χ2検 定 お よ び フ ィ ッ 法 に対 す る看 護 職 者 の 意 識 ・態 度 を 明 ら か にす る こ と を シ ャー の 直 接 検 定 を行 っ た 。 ま た 、 自 由 記 載 分 は、 記 載 目的 とす る。 な お 、代 替 療 法 とは 、 現 代 西 洋 医学 以 外 の さ れ た 内 容 か らカ テ ゴ リー ご と に分 類 した 。 用 い、 あ らゆ る 治 療 法 の 総 称 と定 義 す る 。 Ⅲ.結 果 Ⅱ .研 究 方 法 1.調 1.回 査対象 収率 223施 設1154名 の看 護 職 者 に 調 査 を依 頼 し、743名 か ら 対 象 は 、 病 棟 で が ん 看 護 に携 わ っ て い る 管 理 者 を 除 く 回答 が 得 ら れ た(回 収 率64.4%)。 看 護 職 者 を対 象 と した 。 な お 、緩 和 ケ ア病 棟 承 認 施 設100 ア承 認 施 設 が210名(回 施 設(2002年6月1日 協 議 会 加 盟 施 設 が185名(回 現 在)か ら各 々3名 ン タ ー協 議 会 加 盟 施 設29施 設(2002年1月1日 ら各 々10名 、 一 般 病 院94施 設 か ら各 々6名 、全 国が んセ 現 在)か 、 合 計223施 名(回 収 率59,8%)で 施 設 ご と で は 、緩 和 ケ 収 率70.0%)、 全 国 が ん セ ン ター 収 率63.8%)、 一 般 病 院 が337 、 緩 和 ケ ア承 認 施 設 か らの 回収 率 が 高か った。 設 、1154名 に調 査 を依 頼 した 。 な お 、 対 象 施 設 に つ い て は 、緩 和 ケ ア病 棟 承 認 施 設 は 、タ ー ミナ ル ケ ア,12(4), 2.対 2002掲 載 の 承 認 施 設 一 覧 よ り、 全 国 が ん セ ン タ ー 協 議 会 回 答 の 得 られ た 看 護 職 者743名 の平 均 年 齢 は35.1歳(21 加 盟 施 設 は 、 ホ ー ム ペ ー ジ よ り リス トア ッ プ した 。 一 般 歳 ∼59歳)で 病 院 は 病 院 要 覧1999-2000版(医 看 護 師3名 の 施 設 を 各 都 道 府 県2ヶ 学 書 院)か ら500床 以 上 所 ず つ 抽 出 した 。 緩 和 ケ ア病 棟 象 者 の背 景 、 内訳 は 認 定 看 護 師9名 、看 護 師711名 、准 、 そ の 他 ・無 回答 が20名 で あ っ た 。 看 護 職 と して の 勤 務 経 験 年 数 は 、5年 ∼10年 の も の が 最 も多 く204 承 認 施 設 と全 国 が ん セ ン ター 協 議会 加 盟 施 設 を 「が ん専 名(27.5%)、 門 病 院」 に 区 分 し、「一 般 病 院 」 と調 査 対 象 者 が ほ ぼ 同 数 に な る よ う に考 慮 した 。 で あ っ た 。 ま た 、 が ん看 護 に 携 わ っ て い る年 数 は 、5年 ∼10年 の もの が244名(32 .8%)と 最 も多 か っ た 。 2.調 3.代 替 療 法 に 関 す る患 者 か らの 相 談 ・相 談 内 容 調 査 は 、自記 式 質 問 紙 に よ る郵 送 留 め 置 き法 で 行 っ た 。 1)相 談 され た 経 験 対 象 施 設 の 看 護 管 理 者 宛 に 質 問 紙 を 郵 送 し、 該 当 す る 病 今 ま で の 勤 務 経 験 の な か で 、 が ん患 者 か ら代 替 療 法 に 棟 、 看 護 職 者 に 配 布 して も ら う形 を と っ た 。 な お 、 質 問 関 す る相 談 を 受 け た経 験 が あ る と 回答 した者 は741名 中 、 紙 は 、 独 自 に 開 発 した もの を使 用 した 。 対 象 者 に は 、 調 439名(59.2%)で 査 の 趣 旨 及 び 回 答 は 無 記 名 で 、統 計 的 に処 理 す る こ と を た 。 施 設 別 で 見 る と、相 談 を受 け た経 験 が あ る者 は 、 が 査方 法 一178一 次 い で20年 以 上 の も の が163名(21.9%) 、看 護 職 の 半 数 以 上 が 相 談 を受 け て い ん 専 門 病 院 で は264名(66.8%)、 (50.4%)で 一 般 病 院 は169名 あ り、が ん専 門病 院 の 方 が 、有 意 に相 談 を 受 (65.2%)で あ っ た 。 そ の 理 由 と して挙 げ られ た の は 、多 い順 か ら 「治 療 へ の 影 響 を確 認 す る た め 」 「医 師 の判 断 け た経 験 が あ る看 護 職 者 が 多 か っ た 。(p<0.01) 了 解 を得 る た め 」 「看 護 師(自 分)で 2)相 め 」 「情 報 提 供 」 で あ っ た 。 談 内容 相 談 内 容 で 、最 も多 か っ た の は 、「病 院 で 代 替 療 法 を 受 は判 断で きない た 相 談 時 の 対 応 と し て 「勧 め た 」 と 回 答 し た 者 は29名 け 入 れ て も ら え るか ど うか(実 施 可 能 か ど うか)」で 、333 (6.9%)で 名(78.7%)が 重 す る た め 」 「精 神 的 安 定 ・ 支 え につ な が る 」 等 を挙 げ て 回 答 して い た 。 次 い で 、「代 替 療 法 との 併 用 に よ る病 院 治 療 へ の 影 響 」287名(67.8%)、 「医 師 へ 相 、 そ の 理 由 と して は 、 「患 者 ・家 族 の意 思 を 尊 い た 。 「病 院 で 実 施 して い る の で 実 施 し て よい と伝 え た 」 談 す べ きか ど うか 」237名(56.0%)、 「代 替 療 法 の 効 果 」216 は51名(12.1%)、 名(51.1%)の で あ っ た 。 「そ の 他 」 は65名(15.4%)で 3)相 順 で あ った。 談 に対 す る 患 者 へ の 対 応 「止 め る よ う話 した 」 は2名(0.5%) 、そ の他 の 内 容 と して は 、 「患 者 の 意 思 に任 せ る 」 「医 師 へ 相 談 して も ら が ん患 者 か ら代 替 療 法 に 関 す る相 談 が あ っ た 時 の対 応 う」「代 替 療 法 に つ い て 説 明 した 」等 で あ った 。 施 設 別 で を① 勧 め た 、 ② 止 め る よ う話 した 、 ③ 相 談 内容 を 医 師 に 比 較 して み る と、 専 門病 院 で は医 師 に伝 えた もの の 割 合 伝 え た 、④ 病 院 で 実 施 して い る の で 実 施 して よい と答 え は 一 般 病 院 よ り も少 な く、 逆 に病 院 で 承 認 して い る の で た 、 ⑤ そ の 他 の5つ の 選 択 肢 か ら回 答 を 求 め た と こ ろ 、 一 番 多 か っ た の は 「相 談 内 容 を 医 師 に 伝 え た 」276名 実 施 して よ い と した もの の 割 合 が 多 か っ た 。(P<O.01、 図1) 勧 めた 止 める よう話 した 医師に伝えた 実 施 して良 い その他 一般病 院 が ん専門病 院 図1 代 替療法 に関する相 談 に対す る看護職 者の 対応 4.代 替 療 法 に 関 して 困 っ た こ と 違 い 」17名 、 「病 棟 管 理 ・運 営 へ の 支 障 」8名 も挙 げ ら れ 「が ん 患 者 の 代 替 療 法 に 関 し て 何 か 困 っ た こ と が あ る て い た 。 ま た 、 困 っ た こ との 内 容 を施 設 別 に比 較 し て み か 」の 問 い で は 、「あ る 」 と 回 答 し た 者 は367名(53.1%)、 た と こ ろ 、代 替 療 法 に 関 す る知 識 不 足 に つ い て 一 般 病 院 「な い 」 は324名(46.9%)で で は 困 っ て い る割 合 が 多 く、 代 替 療 法 に 関 す る業 務 が 増 あ っ た 。 施 設 別 に見 る と、 「あ る 」 の 回 答 は 、 が ん 専 門 病 院229名(60.7%)、 院132名(43.1%)で 一般病 、 が ん 専 門病 院 の看 護 職 者 の 方 が 、 加 す る と い っ た 内 容 は が ん専 門病 院 で 困 っ て い る割 合 が 多 か っ た。(p<0.05、 図2) 困 っ た こ と が あ る の 回 答 が 有 意 に 多 か っ た(P<0.01)。 困 っ た こ と(複 数 回 答)で は 、 「代 替 療 法 に 関 す る 知 識 や 情 報 不 足 」を 挙 げ る も の が 一 番 多 く238名(64.9%)で あ っ 5.代 替 療 法 に対 す る 看 護 職 者 の 考 え 自分 自身 が代 替 療法 に つ いて どの よ うに思 って い る た 。 次 い で 、「患 者 と 医 師 と の 考 え の 違 い 」99名(27.0%)、 か 、考 え に 一 番 近 い も の を 選 ん で も ら っ た 回 答 で は 、「肯 「代 替 療 法 に 関 す る 業 務 が 増 加 」70名(19.1%)、 定 的 に 思 っ て い る 」201名(27.1%)、 自 分 の 考 え の 違 い 」60名(16,3%)、 の 考 え の 違 い 」59名(16.1%)な 「患 者 と 「医 療 ス タ ッ フ 間 で どで あ っ た 。 少 数 で は あ っ た が 、そ の 他 の 意 見 と し て 、「患 者 と 家 族 と の 意 見 の 一179一 る 」16名(2.2%)、 367名(49.4%)、 「否 定 的 に 思 っ て い 「肯 定 的 ・否 定 的 ど ち ら で も な い 」 「わ か ら な い 」116名(15.6%)で 、 「肯 定 的 ・否 定 的 ど ち ら で も な い 」 が 最 も 多 か っ た 。 施 設 別 ある ない 一般病院 その 他 が ん専 門 病 院 代 替 療法 に 関 す る知識 不 足 一般病院 が ん専 門 病 院 一般病院 代替 療 法 に 関す る業 務増 加 が ん専 門 病 院 病 院 治 療 中断 の危 険垂 生 が ん専 門 病 院 効 果判 定 が 不 明確 が ん専 門 病 院 医療 者 の 考 え方 の違い が ん専 門 病 院 患 者− 医 師 の 考 え方 の 違 い が ん専 門 病 院 一般病院 一般病院 一般病院 一般病院 一般病院 患 者 − 自分 の考 え方 の 違 い が ん専 門 病 院 0% 20% 40% 80% 60% 100% *P<O.D5 図2 代 替 療 法 に 関 して 困 った こ と の 内容 一般病 院 肯 定的 否 定的 どちらでもない わ からない その他 がん専門病 院 0% 20% 40% 60% 80% 100% P<0.01 図3 看護職 者 自身の代 替療 法 に対 す る考え 方 に比 較 す る と、 が ん専 門病 院 で は 一 般 病 院 に 比 べ 、 肯 定 が 患 者 ・家 族 の 意 思 を尊 重 した い><患 で も否 定 で もな い とす る もの の 割 合 が 多 く、 分 か ら な い た い><何 とす る もの の割 合 が 少 な か っ た 。(p<0.01、 げ られ て い た 。 ま た 、「生 き る希 望 、精 神 的 支 え に な る の 図3) か にす が る気 持 ち が わ か る>な 「肯 定 的 」 と 回答 した 理 由 に は 、 「心 身 的 な 苦 痛 の 緩 和 で あ れ ば よい 」(11.6%)、 につ なが る 」(22.6%)、 る の で あ れ ば よい 」(5。3%)な る」(22.0%)、 「生 き る希 望 、精 神 的 な支 え に な 「患 者 ・家 族 の 意 思 の 尊 重 」(20.4%)、 「西 洋 医 学 だ けが 全 て で は な い 」(16.7%)な どが 挙 げ ら 拠 、 治 療 効 果 が な い 」(68.8%)が い 」(7.5%)、 (7.9%)な どの 理 由 が 挙 「心 身 的 な苦 痛 の 緩 和 に つ な が ど代 替 療 法 の メ リ ッ トの 他 に 、「治 療 効 果 が 不 明 」(8.8%)、 れ て い た 。 ま た 、 「否 定 的 」 の理 由 と して は 、 「科 学 的根 者 の 希 望 に添 い 「経 済 的 な 負 担 が 大 き 「病 院 治 療 に影 響 が な い の で あ れ ば よ い 」 ど代 替 療 法 の デ メ リ ッ トも理 由 に挙 げ て い た 。 圧 倒 的 に 多 く、 次 い で 、 「経 済 的 な 負 担 が 大 きい 」(25.0%)で あ っ た 。 「肯 定 6.代 替 療 法 を取 り入 れ る こ との メ リ ッ ト 的 ・否 定 的 ど ち らで も な い」 を選 択 した 理 由 と して は 、 代 替 療 法 を取 り入 れ る こ とが もた らす メ リ ッ トを3つ 「患 者 ・家 族 の 意 思 を尊 重 した い 」(36.5%)が 最 も多 く、 まで 選 択 して も ら っ た 結 果 、「病 気 の た め に 自分(家 族)で 者 が信 じ で きる こ と は した い とい う患 者 ・家 族 の 満 足 感 が 得 られ <患 者 ・家 族 が 自 己 決 定 す る こ とだ か ら><患 て い る こ と だ か ら否 定 は で きな い><効 果 に は否 定 的 だ 一180一 る」 が567名(79.6%)で 最 も多 く、次 い で 「精 神 的 安 定 満足 感が得 られ る 精 神的 安定 につな がる 生きる希望 や励 みになる 自然 治癒 力を高 める 闘病 意欲 につながる がん消 失への 期待 がもてる 苦 痛が 緩和される 家族 と苦 しみ を分 かち合える 副 作用 が軽減 する 健康 を維持 する その他 メリッドなし 0 100 200 300 400 500 600 件 図4 7,代 代 替 療 法 を 取 り入 れ る こ と の メ リ ッ ト さ れ る 」306名(43,2%)、 替 療 法 を取 り入 れ る こ と が も た らす デ メ リ ッ ト 「効 果 が な か っ た 場 合 精 神 的 ダ 代 替 療 法 を取 り入 れ る こ とが も た らす デ メ リ ッ トを3 メ ー ジ を 大 き く受 け る 」267名(37.7%)、 「病 院 治 療 の 中 つ ま で 選 択 して も らっ た 結 果 、 「経 済 的 負 担 が 大 き くな 断 、 放 棄 に つ な が る 」117名(16.5%)で 、 「デ メ リ ッ ト る」 が557名(78.7%)で は な い 」 は12名(1.7%)で 最 も多 く、 次 い で 「有 効性 ・安 全 性 が 不 確 実 で あ る」491名(69.%)、 「悪 徳 商 法 に 利 用 あ っ た 。(図5)施 に よる差異 はなか った。 経 済的 負担 が大きくなる 安全性 ・有効性 が 不確 実 悪徳 商法 に利用 され る 効果 がないと精 神的ダ メー ジガ 大きい 病院治 療の 中断 につなが る 副作 用 がある 医療者 との関 係が 気まずくなる 家族 との関 係が 悪くなる その他 デメリットはない 病 院治療 効果 が減 少する 副 作用 が増加 する 0 100 200 300 400 500 600 件 図5 代 替 療 法 を 取 り入 れ る こ との デ メ リ ッ ト 一181一 設 の種 類 8.が ん患 者 が代 替 療 法 を取 り入 れ る に あ た っ て看 護 職 た い か ら>助 言 を求 め る とす る 意 見 が あ り、 さ らに 「患 者 に求 め て い る こ と 者 は医 師 に は相 談 しに くい か ら」「医 師 と の信 頼 関係 が 壊 「患 者 が 代 替 療 法 を取 り入 れ る に あ た っ て 看 護 職 者 に れ る の を 心 配 して い る か ら」 な ど<患 者 −医 療 者 の 関 係 求 め て い る こ と は 何 か 」 を選 択 して も らっ た 結 果 、 最 も 性 か ら看 護 師 に は 聞 きや す い か ら>と い っ た 理 由 が 述 べ 多 く選 択 され た の は 「自分 の 気 持 ち を受 け 止 め て も ら い られ た。 た い 」 で あ り、67.2%の 助 言 の ニ ー ドに 否 定 的 な 回 答 の 理 由 を見 る と、<患 看 護 職 者 が 回 答 して い た 。 次 い 者 で 「代 替 療 法 の 効 果 に つ い て 医療 者 と して の 専 門 的 な 意 が 自分 で 決 め た こ と だ か ら>助 言 は 必 要 と し な い 、<看 見 を求 め て い る」21.6%で 護 師 よ り も患 者 の 方 が よ く知 っ て い る か ら>助 言 は 必 要 あ っ た 。 この 内容 に つ い て は 施 設 間 で差 異 は認 め られ な か っ た 。 な い 、<患 者 は助 言 で は な く、代 替 療 法 を取 り入 れ る気 持 ち を わ か っ て欲 しい と思 っ て い る か ら 〉 とい っ た 意 見 9.が ん患 者 の 代 替 療 法 に つ い て 看 護 職 者 に 助 言 を受 け が多か った。 たいニー ド 「が ん 患 者 は代 替 療 法 に つ い て 看 護 職 者 に 助 言 を受 け 10.代 替 療 法 を取 り入 れ る が ん 患 者 に 対 す る看 護 職 者 の た い と い うニ ー ドを持 っ て い る と思 うか 」 の 設 問 に は 、 役割 「思 う」が168名(24.3%)、 代 替 療 法 を取 り入 れ るが ん 患 者 に対 す る看 護 職 者 の 役 が337名(48.7%)で 「ど ち らか とい え ば そ う思 う」 あ り、 「ど ち らか とい え ば そ う思 わ 割 に つ い て1人3つ ま で 選 択 肢 か ら選 ん で も ら っ た 結 な い 」 「思 わ な い 」 の 否 定 的 な 回 答 は187名(27.0%)で 果 、 多 い 順 に 、 「患 者 さ ん の 思 い を 傾 聴 す る 」632名 あ っ た 。 施 設 の 種 類 に よ る 差 異 は 認 め られ な か っ た 。 (89.0%)、 助 言 の ニ ー ドが あ る と答 え た もの の 理 由 を見 る と、「看 (54.2%)、 「患 者 さ んが 望 む 代 替 療 法 が 続 け られ る よ う支 護 師 に肯 定 、 後 押 し して も ら う こ とで 安 心 し て使 い た い 援 す る」232名(32.7%)、 「医 師 に 患 者 さ ん の 意 向 を 伝 達 す る 」385名 「患 者 さ ん が 代 替 療 法 の 選 択 を か ら」「患 者 は 、代 替 療 法 の 効 果 、副 作 用 、病 院 治 療 と の 意 思 決 定 で きる よ う支 援 す る」200名(28.2%)な 併 用 の 影 響 に つ い て 、 不 安 や 聞 きた い こ とが あ る か ら」 答 され た 。 一 方 、「看 護 独 自 の 介 入 方 法 を積 極 的 に取 り入 と い う よ うに 、 代 替 療 法 を 取 り入 れ る こ とに 伴 う<不 安 れ て い く」(5.4%)、 を解 消 ・軽 減 した い か ら>助 言 を受 け た い とす る 意 見 が (11.1%)、 多 く、 次 い で 「患 者 は 代 替 療 法 を取 り入 れ て い た 同病 者 とい っ た 、 看 護 職 者 の 能 動 的 な 役 割 に つ い て は選 択 す る の 情 報 を得 た い と思 わ れ る か ら」 な ど く もっ と情 報 を得 もの が 少 な か っ た 。(図6) どが 回 「不 利 益 か ら患 者 、家 族 を擁護 す る 」 「代 替 療 法 の 知 識 ・情 報 を提 供 す る 」(11.7%) 思いの傾聴 医師へ の仲介 代替療法 実施 の支援 意思 決 定の支援 健康 管理へ の緒言 情 報提供 患 者 と家 族 の 調 整 不 利 益 か らの 擁 護 副 作用 の管理 看 護 独 自の 介 入 方 法 役 割 はな い その 他 0 100 200 300 400 500 600 件 700 図6 代替療法 を取 り入れ る がん 患者 に対 す る看 護職者 の役 割 11.が ん患 者 の 看 護 に 取 り入 れ て い る も の 225名(32.1%)、 「ア ロ マ セ ラ ピ ー 」192名(27.4%)、 が ん 患 者 の 看 護 に 実 際 に 取 り入 れ て い る も の と して 、 「ユ ー モ ア 」184名(26.3%)、 多 い 順 に 、 「マ ッサ ー ジ 」473名(67.6%)、 (18.3%)と 「音 楽 療 法 」 一182一 「リ ラ ク ゼ ー シ ョ ン」128名 な っ て お り 、そ の 他 は1割 に 満 た な か っ た 。何 一般 病院 取 り入れ て いな い が ん専 門病院 一般 病院 その他 が ん専 門病院 一般 病院 瞑想 法 がん 専 門病院 一般 病院 イ メー ジ 療法 が ん専 門病院 一般 病院 芸 術療法 が ん専 門病院 セ ラ ピ ュテ ィッ クタッチ ア ニマ ル セ ラ ピー 一般 病院 がん 専 門病院 一般 病院 がん 専 門病院 一般病 院 リラ クセ ー シ ョン ユ ー モア ア ロマ セ ラピ ー あり なし がん専 門病院 一般病 院 がん専 門病院 一般病 院 がん専 門病院 一般病 院 音楽療法 がん専 門病院 一般病 院 マ ッサ ー ジ がん専 門病 院 0% 20% 図7 40% 60% 80% 100% *P<0 .01 が ん 患 者 の 看 護 に 取 り入 れ て い る も の 、一 般 か っ た 。 逆 に 否 定 的 な 意 見 の 理 由 と して は 、 ほ とん どが 病 院 の 看 護 職 者 が 有 意 に多 か っ た 。 マ ッサ ー ジ 、音 楽 療 効 果 ・安 全 性 が 不 明 確 で あ る こ とや 高 額 で あ る とい っ た 法 、 ア ロ マ セ ラ ピ ー 、 ア ニ マ ル セ ラ ピー 、 芸 術 療 法 は 、 デ メ リ ッ トに 関 連 し た こ と を述 べ て い た。 も取 り入 れ て い な い と し た の は149名(21.3%)で が ん 専 門 病 院 が 一 般 病 院 に 比 べ 有 意 に 多 か っ た 。(図7) また 、 そ の 他 と して挙 げ られ て い た の は 、 季 節 行 事9名 聴4名 、 竃 法3名 、園 芸 療 法3名 、 リ フ レ ク ソ ロ ジ ー3名 、散 歩 ・ 外 出2名 ・月 毎 の 、積極 的傾 、ラ イ フ レ ビ ュ ー 、 Ⅲ.考 1.代 察 替 療 法 に 関 す る現 状 が ん患 者 か ら代 替 療 法 に 関 す る相 談 を受 け た 経 験 は 一 般 病 院 で約 半 数 、 が ん専 門病 院 で は6割 気 功 、 指 圧 な どで あ っ た 。 強であ った。 ま た 、 が ん専 門 病 院 に 勤 務 す る看 護 職 者 の 患 者 の 相 談 に 対 12.今 後 の 方 向性 す る 特 徴 的 な対 応 と して は 「病 院 で 承 認 して い るの で 実 「今 後 看 護 職 者 は 代 替 療 法 に つ い て学 び、看 護 に取 り入 施 して よい と伝 え た 」 とす る もの が 多 か っ た 。 この こ と れ て い くべ き だ と思 うか 」 の 設 問 で は 、 「思 う」 が172名 は 、 一 般 病 院 に 比 べ て 、 が ん専 門 病 院(ホ (25.1%)、 ケ ア 病 棟 を含 む)で で 、約70%が 「ど ち らか とい え ば そ う思 う」314名(45.8%) 肯 定 的 な 意 見 で あ っ た 。 逆 に否 定 的 な 意 見 は200名(29.2%)で あ っ た 。 こ れ に は 、施 設 の 種 類 に よ ス ピス ・緩 和 は 、 代 替 療 法 を取 り入 れ る が ん患 者 の 数 が 多 い こ とや ホ ス ピス ・緩 和 ケ ア 病 棟 で は 、 特 に 終 末期 が ん患 者 のQOL、 精 神 的 ・ス ピ リチ ュ ア ル な苦 痛 る差 異 は な か っ た 。 肯 定 的 な 意 見 の 理 由 を見 る と 、 患 者 とい う 目に 見 え な い 苦 痛 を対 象 と し、 病 院全 体 で 承 認 さ の癒 し、 希 望 、 安 楽 、 精 神 的 な安 定 、 意 欲 な ど と い っ た れ 、 癒 しや 苦 痛 緩 和 を 目的 と した 代 替 療 法 の取 り組 み が 「代 替 療 法 に よ る よい 影 響 を期 待 す る か ら」取 り入 れ る と な され て い る た め 、 代 替 療 法 に つ い て 気 軽 に相 談 しや す い う もの が 多 く142件 あ っ た 。 次 に、患 者 に質 問 さ れ た 時 い環 境 に あ る の で は な い か と考 え られ る。 に 困 ら な い よ う に情 報 は 必 要 と い っ た 「患 者 に 対 応 で き 患 者 の相 談 に対 す る看 護 職 者 の 対 応 と して は 、「医 師 に る よ う に 情 報 と して は 必 要 だ か ら」 とい っ た 意 見 が 多 伝 え る」 が 最 も多 く6割 強 で あ っ た 。 相 談 さ れ て 「勧 め 一183一 た 」者 は一 般 病 院 、が ん 専 門 病 院 と も1割 弱 で 、「止 め る 療 法 、 ア ニ マ ル セ ラ ピー 、 芸 術 療 法 な ど を実 施 す る に あ よ う話 した 」と した 者 は 、が ん専 門 病 院 の2名 の みで あっ た っ て 環 境 整 備 が 必 要 な もの もあ り、 現 状 で は 一 般 病 院 た 。 イ ギ リ ス の が ん 病 棟 で 働 く看 護 師 を対 象 に した 調 で 取 り入 れ て い くに は 困 難 で あ る こ とが 伺 え る 。 ま た 、 査4)で は 約6割 音 楽 療 法 や 芸 術 療 法 、 ア ニ マ ル セ ラ ピ ー等 の よ う に専 門 の看 護師が代 替療 法 はが んに有効 で ある と し て お り、3割 の看 護 師が が ん 患 者 に 代 替 療 法 を勧 め 的 知 識 ・技 術 を持 っ た 人 が 必 要 な 内 容 もあ り、 看 護 職 者 て い た とす る報 告 もあ る。 しか し、我 々 の 調 査 結 果 で は、 か ら も、 代 替 療 法 の専 門 家 を育 成 す べ き と言 っ た 声 も寄 代 替 療 法 が が ん消 失 へ の 期 待 が 持 て る と した 意 見 は1割 せ られ て お り、専 門 的 な 知 識 ・技 術 を もつ 人 をが ん患者 弱 、 自然 治 癒 力 を高 め る と した 意 見 は4割 弱 で あ り、 イ の 看 護 に ど う活 か す こ とが 効 果 的 な の か検 討 して い くこ ギ リ ス の 報 告 と異 な る 実 態 で あ っ た 。 この こ と は 、 看 護 と も必 要 で あ る と考 え る 。 職 者 は 、 が ん患 者 に と っ て 、 代 替 療 法 は 患 者 の 満 足 感 、 精 神 的 な 安 定 、生 きる 希 望 の 面 で 効 果 が あ る と思 っ て い 2.代 替療 法 に関 する看護職者 自身の考 え る が 、 科 学 的 根 拠 に基 づ く有 効 性 や 安 全 性 が 確 認 され て 代 替 療 法 を取 り入 れ る こ との メ リ ッ トと して 看 護 職 者 い な い 現 状 で あ る た め に、 が ん患 者 に勧 め る ま で に至 っ が 考 え て い る こ と は 、 多 い 順 に 「病 気 の た め に 自分(家 て い な い の で は な い か と考 え ら れ る 。 族)で ま た 、代 替 療 法 に 関 して 「困 っ た こ とが あ る」 と 回答 られ る 」 「精 神 的 安 定 に つ な が る 」 「生 き る希 望 や 励 み に した が ん専 門 病 院 の 看 護 職 者 は 、 一 般 病 院 の 看 護 職 者 に で き る こ と は した とい う患 者 ・家 族 の 満 足 感 が 得 な る」 「自然 治 癒 力 を高 め る(免 疫 力 の 向 上)」 な どで あ 比 べ 有 意 に 多 か っ た 。 この こ と は 、 が ん 専 門 病 院 の 看 護 り、メ リ ッ トは な い と した もの は712名 中1名 職 者 の方 が 、 代 替 療 法 に 関与 す る機 会 が 多 い 分 、 困 っ た た 。 これ らか ら、 看 護 職 者 は代 替 療 法 に つ い て 、 特 に 精 経 験 も多 い と い うの が 現 状 で あ り、 が ん 患 者 が 代 替 療 法 神 的 な 安 定 や 満 足 、 納 得 の い く療 養 生 活 を送 る た め の 手 を取 り入 れ る に あ た っ て は ま だ ま だ 課 題 が 多 い と推 測 さ 段 と して 認 め て い るが 、「が ん消 失 へ の 期 待 が もて る 」「苦 れ る 。 代 替 療 法 に 関 して 困 っ た こ との 内 容 で 突 出 して い 痛 が 緩 和 され る 」 とい っ た 、 が ん そ の もの に対 す る 効 果 る もの は 、 看 護 職 者 自 身 の 「代 替 療 法 に 関 す る知 識 や 情 は あ ま り認 め て い な い と言 え る。 い ず れ に して も、 看 護 報 不 足 」 で あ り、 特 に 一 般 病 院 の 看 護 職 者 に 顕 著 で あ っ 職 者 は 、 が ん 患 者 が 代 替 療 法 を取 り入 れ る こ と に は 、何 た 。 代 替 療 法 の種 類 が 多 種 多 様 で あ っ た こ と も あ り、 看 らか の メ リ ッ トが あ る と考 え て い る こ とが 明 らか とな っ 護 職 者 の 知 識 が 患 者 の 知 識 ・使 用 の 現 状 に追 い つ い て い た 。 逆 に 、 代 替 療 法 を取 り入 れ る こ と の デ メ リ ッ トと し な い こ とや 、 科 学 的 デ ー タが ま だ少 な い こ と と あ い ま っ て 看 護 職 者 が 考 えて い る こ とは 、 多 い 順 に 「経 済 的負 担 て 、 看 護 職 者 自 身 で 判 断 す る こ とが 難 しい こ と の大 き な が 大 き くな る」 「有 効 性 ・安 全 性 が 不 確 実 で あ る 」 「悪 徳 原 因 と考 え られ る 。 代 替 療 法 に関 して 困 っ た こ との 内 容 商 法 に 利 用 さ れ る」「効 果 が な か っ た 場 合 、精 神 的 ダ メ ー で 、が ん専 門 病 院 に 特 徴 的 だ っ た の は 、「代 替 療 法 に 関す ジ を大 き く受 け る」 な どで あ り、 デ メ リ ッ トは な い と し る業 務 が 増 加 す る 」 こ とで あ っ た。 こ れ は 、 丸 山 ワ クチ た もの が708名 中12名 で あ っ た 。 代 替 療 法 で は 、有 効 性 の ン の 施 注 や 健 康 食 品 の 与 薬 な ど、 通 常 の 看 護 業 務 に 代 替 不 確 実 な もの に 高 額 な負 担 を負 う とい う、 患 者 に とっ て 療 法 に 関 す る業 務 が 加 わ っ て い る こ とが 反 映 さ れ て い 不 利 益 な こ とが 大 い に起 こ り う る とい う こ と を看 護 職 者 た。 は 認 識 して い る 。 こ の よ う に 、 看 護 職 者 は 、 代 替 療 法 に 看 護 独 自 の 介 入 法 で あ るマ ッサ ー ジ は 、 半 数 以 上 の 施 つ い て 、 メ リ ッ トもデ メ リ ッ トも あ る と考 え て い る 。 こ 設 で 取 り入 れ られ て い た 。 村 上 の 調 査5)に お い て も最 も の こ とが 、 代 替 療 法 に対 す る 考 え と して 「肯 定 で も否 定 のみ であ っ 実 践 さ れ て い る の は マ ッサ ー ジ と ア ロ マ セ ラ ピ ー で あ で もな い 」 とす る看 護 職 者 が 半 数 を 占 め る とい う結 果 に り、 今 回 の 調 査 と同 様 の 結 果 と な っ た 。 が ん 患 者 の 看 護 つ なが っ た と考 え られ る 。「肯 定 で も否 定 で も な い 」と し に取 り入 れ て い る 内 容 をみ る と、マ ッサ ー ジ 、音 楽 療 法 、 た もの は 、 こ れ ら の デ メ リ ッ トが あ っ て も な お 、 患 者 が ア ロ マ セ ラ ピ ー等 、が ん そ の もの に対 す る効 果 で は な く、 望 む ので あれ ば患者 の選択 を尊 重 す る とい っ た態 度 に 症 状 緩和や 、精神 的安 定の ための介 入が 多 い。 これ らに な っ て い る と考 え られ る 。 実 際 欧 米 で も今 回 の 結 果 と 同 つ い て の 効 果 につ い て は 、 近 年 様 々 な研 究 が な され 、 学 様 に、 看 護 師 は患 者 が 傷 つ い た り、 い か さ ま 師 に騙 さ れ 会 等 で も多 くの 報 告 が な さ れ て きて い る 。 した が っ て 、 て 大 金 を使 う こ と を心 配 して い た り、 代 替 療 法 を優 先 し 次 第 に科 学 的 デ ー タ も集 積 され て くる こ と か ら、 これ か て 病 院 治 療 を放 棄 した り、 開 始 を 遅 らせ て し ま う よ う な ら益 々 安 全 に 効 果 的 に行 な え る こ とが 可 能 とな る と考 え 時 ジ レ ン マ を感 じる6)と 報 告 さ れ て い る 。 この よ う に 、 ら れ る 。 看 護 に取 り入 れ て い る もの の 内 容 で 施 設 問 で 有 現 在 、 多 くの 代 替 療 法 に 関 す る科 学 的 デ ー タが 不 足 して 意 差 が 見 られ た もの は 、 マ ッサ ー ジ 、 音 楽 療 法 、 ア ロ マ い る こ と や 、 代 替 療 法 の 定 義 が 非 常 に広 範 囲 で 様 々 な種 セ ラ ピ ー、 ア ニ マ ル セ ラ ピ ー 、 芸 術 療 法 で あ っ た 。 音 楽 類 の もの が 含 まれ て しま っ て い る こ と に よ っ て 、看 護 職 一184一 者 が 、 代 替 療 法 に 対 す る 明確 な 意 見 や 態 度 を 明 らか に し ら、 看 護 職 者 に は 、 患 者 と と もに 情 報 を 整 理 し、 医 療 の に くい 状 態 に な っ て い る と考 え ら れ る。 しか し、「看 護 職 専 門 職 者 と して の知 識 ・経 験 を も とに ア ドバ イ ス して い の代 替 的 治 療 に対 す る 認 識 が 患 者 の 考 え 方 や 選 択 に影 響 く こ と が ます ま す 求 め られ る の で は な い か と 考 え られ を 及 ぼす と考 え られ る こ とか ら、 看 護 師 は 、 代 替 的 治 療 る。 に つ い て の 自分 の 信 念 を 明確 に す る 必 要 が あ る 」7)と 言 調 査 結 果 か ら、 看 護 職 者 は代 替 療 法 に つ い て 、 患 者 に わ れ て い る よ うに 、 代 替 療 法 を 取 り入 れ る が ん患 者 が 増 と っ て不 利 益 な こ とが 起 こ り う る こ と は 充 分 認 識 して い 加 して い る 現 状 で 、 が ん患 者 が 看 護 職 者 に 求 め て い る こ た が 、 看 護 職 者 の役 割 の 中で 、 「不 利 益 か ら患 者 ・ 家族 を と を実 践 して い くた め に は 、 や は り、 看 護 職 者 自 身 の 代 擁 護iする 」「代 替 療 法 に よ る 副 作 用 な どの 管 理 をす る」 と 替 療 法 に対 す る信 念 を再 確 認 す る必 要 が あ る と考 え る 。 い っ た項 目の 回 答 数 が 少 なか っ た 。 こ の こ と は 、 看 護 職 者 の 代 替 療 法 に 関 す る知 識 情 報 が 不 足 して い る こ とや 、 3.代 替療 法 に関 する看護 職者 の役 割 患 者 ・家 族 に 不 利 益 が あ る こ とが わ か っ て い て も、 患 者 が ん患 者 が 代 替 療 法 を取 り入 れ る に あ た っ て看 護 職 者 の 意 思 の 尊 重 か ら ど こ まで 介 入 した ら よい の か 判 断 が 難 に求 め て い る こ と に つ い て 、7割 弱 の 看 護 職 者 が 「気 持 しい と思 っ て い る こ と な どが 影 響 して い るの で は な い か ち を受 け 止 め て も らい た い 」 こ とで あ る と考 え て お り、 と考 え られ る 。 こ の よ う に、 看 護 職 者 は 代 替 療 法 に 関 す 「代 替 療 法 の 効 果 に つ い て 医 療 者 と して の 専 門 的 な意 見 る 知 識 ・情 報 不 足 の 現 状 下 で 、 が ん患 者 の 意 思 が 尊 重 さ を求 め て い る」 と した の は2割 程 度 で あ っ た。 こ の こ と れ 、 納 得 した 治 療 を選 択 し、 が ん と と も に 自分 ら し く生 か ら、 ほ と ん どの 看 護 職 者 が 代 替 療 法 を 取 り入 れ る が ん きて い け る よ う、 代 替 療 法 を取 り入 れ る が ん患 者 に対 す 患 者 に対 す る役 割 と して 「患 者 の 思 い を 傾 聴 す る」 こ と る か か わ りに 疑 問 を抱 い た り、葛 藤 を抱 い た り しなが ら、 で あ る と して い た 。患 者 の 思 い を 傾 聴 す る に あ た っ て は 、 看 護 職 者 の 役 割 を 果 た そ う と して い る こ とが 伺 え る。 し 現 在 ま だ ま だ 医 療 者 に 隠 して 実 施 して い るが ん 患 者 もい た が っ て 、 が ん患 者 が 、 が ん と と も に 自分 ら し く生 きて る こ と も考 え る と 、 看 護 職 者 は 、 まず 、代 替 療 法 に つ い い け る よ う 、 納 得 して 最 善 の 選 択 が で き る よ う支 援 して て の会 話 を避 け た りせ ず 、 が ん 患 者 が 相 談 して み よ う と い く一 番 身 近 な存 在 は 、看 護 職 者 な の で あ る こ と を再 認 思 え る よ う な環 境 を 作 る こ とが 重 要 で あ る と考 え る 。 識 す る こ とが 必 要 で あ る と考 え る。 看 護 職 者 は 、 が ん 患 者 か ら医 療 者 と して の 専 門 的 な 意 看 護 職 者 の7割 見 を 求 め られ て い る と は あ ま り考 え て い ない こ と か ら も 者 に対 応 す る こ とが で き る よ う にす る た め に も、代 替 療 分 か る よ う に 、 看 護 職 者 の 役 割 と して 「患 者 が 自分 で 健 法 を看 護 に取 り入 れ て い く方 向 性 の 考 え 方 で あ っ た 。 今 康 管 理 で き る よ う助 言 す る」 「代 替 療 法 の知 識 情 報 を提 後 、 代 替 療 法 を取 り入 れ て い くべ きか との 問 い に対 し、 供 す る 」 等 の項 目の 回 答 が 少 な か っ た 。 一 方 で 、 が ん 患 肯 定 的 な 回 答 を し た 者 の 理 由 を 見 る と、 「実 際 に効 果 が 者 は代 替 療 法 につ い て 看 護 職 者 に助 言 を 受 け た い とい う あ っ た例 が あ る」「代 替 療 法 は ホ リス テ ィ ッ ク な もの で あ ニ ー ドを持 っ て い る ・ど ち らか とい え ば そ う思 う と し た り心 身 両 面 に作 用 しそ の 人 の生 活 を よ り豊 か に す る 可 能 もの が 約7割 で あ っ た 。 そ の 理 由 と して は、 が ん患 者 は 性 が あ る か ら」 な どの く代 替 療 法 に よ る 良 い 影 響 を期 待 代 替 療 法 を取 り入 れ る こ と に伴 う効 果 、 副 作 用 、 病 院 治 す る 〉 内 容 の も の が 最 も多 か っ た 。 村 上5)に よれ ば 、看 療 との 併 用 の 影 響 等 に つ い て<不 安 を解 消 ・軽 減 した い 護 師 の補 完 療 法 実 践 に影 響 す る 因 子 と して “ 補完療 法 に と思 っ て い る とい う内 容 対 す る ポ ジ テ ィ ブ な 経 験 ”“ホ リス テ ィ ッ ク ア プ ロ ー チ に >、<も っ と情 報 を得 た い>等 は 、 代 替 療 法 を取 り入 れ て い る が ん患 で あ っ た 。 これ らの 回答 を見 る と、 看 護 職 者 は 、 代 替 療 対 す る 強 い 信 念 ”な ど に支 え られ 、“同 僚 の 補 完 療 法 に対 法 に対 す る知 識 ・情 報 の 不 足 、 ま た 、 代 替 療 法 に対 す る す る 関心 の 低 さ” “ 看 護獅 自身 の補 完 療 法 に対 す る知 識 ・ 看 護 職 者 と して の信 念 も明 確 化 され て い な い た め 、 普 段 技 術 不 足 ” に よ っ て も影響 さ れ て い る と言 わ れ て お り、 の患 者 との か か わ りの 中 で 、 患 者 は 、 看 護 職 者 に助 言 を 今 回 の 調 査 に お い て も類 似 した 内 容 が 得 られ た 。 受 け た い ニ ー ドは 持 っ て い る と い う感 触 は持 って い る も 近 年 で は 、 看 護 基 礎 教 育 に お い て も コ ン プ リメ ン タ の の 、 看 護 職 者 の役 割 と して 挙 げ る ま で は 自信 が もて な リー セ ラ ピ ー 、 癒 し論 、 東 洋 医 学 、 リ ラ ッ ク ス療 法 な ど い で い る状 態 な の で は な い か と思 わ れ る 。 逆 に<患 者 が の科 目が 設 け られ て い る看 護 系 大 学 もあ り8)、今 後 、 看 自分 で 決 め た こ と><看 護 師 よ り も患 者 の 方 が よ く知 っ 護 職 者 の 代 替 療 法 に 関 す る知 識 が 深 ま り、 さ らに 、 代 替 い っ た 理 由 か ら、 患 者 は看 護 職 者 の 助 言 は 必 療 法 に 関 す る デ ー タ な どが 蓄 積 、 普 及 され て くれ ば 、 不 要 と して い な い とす る 回 答 もあ っ た 。 最 近 の よ う に 様 々 利 益 か らの 擁 護 や 代 替 療 法 の 副 作 用 の 管 理 、 看 護 独 自 の な代 替 療 法 に 関 す る 情 報 が 氾 濫 して い る 状 況 で は 、 患 者 介 入 方 法 の 積 極 的取 り入 れ な ど、 看 護 職 者 が 明確 な ア ド の得 た 情 報 が 不 十 分 で あ っ た り、 情 報 が 多 す ぎて 惑 わ さ バ イ ス が で き る こ と も増 え 、看 護 職 者 の 役 割 が拡 大 して れ る 、 意 思 決 定 で き な い 状 況 も予 想 さ れ る。 この こ とか い くの で は な い か と考 え ら れ る 。 看 護 職 者 が 、代 替 療 法 て い る>と 一185一 に 関 す る 知 識 を 得 、 態 度 を 明確 に で き る こ と は 、患 者 に 5)村 上 理 恵:緩 和 ケ ア にお け る看 護 師 に よ る補 完 医 療 とっ て も、 代 替 療 法 につ い て 、 隠 さず 話 し合 う こ とが で の 実 践 の 検 討 − 日本 と イ ギ リス の 比 較−,日 き る こ とに つ な が り、 患 者 は 自分 の 治 療 に こ れ ま で 以 上 療 学 会,第3回JIM大 に参 加 し、 納 得 の い く治 療 を受 け る こ とが 可 能 に な る と 6 ) Fitch MI,Gray 考 え られ る 。 perspectives on Nursing 22 (1 ) , Ⅳ .お わ り に 7)伊 本 研 究 で は 、 が ん 患 者 の代 替 療 法 に対 す る 看 護職 者 の 意 識 ・態 度 を 明 らか に した 。 本 研 究 の 調 査 結 果 か ら、 看 護 職 者 は 、 が ん 患 者 に とっ て 代 替 療 法 は 患 者 の 満 足 感 、 精 神 的 安 定 、 生 きる 希 望 の 面 で 効 果 が あ る と捉 え て い る が 、 科 学 的 根 拠 に基 づ く有 効 性 や 安 全 性 が 確 認 され て い な い 現 状 で あ る た め に 、看 護職 者 が 代 替 療 法 に対 す る 明 確 な 意 見 や 態 度 を示 しに くい 状 態 に な っ て い る こ とが 示 唆 され た 。 しか し、 看 護 職 者 の7割 は、代替 療法 は ホ リ ス テ ィ ッ ク な もの で あ り、 心 身 両 面 に作 用 し、 そ の 人 の 生 活 を よ り豊 か に す る可 能性 が あ る等 の 理 由 か ら、 今 後 代 替 療 法 を看 護 に取 り入 れ て い く方 向性 の 考 え 方 を示 し てい た。今後 のが ん患者 の看護 にあ たって は、看 護職 者 の代 替 療 法 、 ホ リス テ ィ ッ ク な看 護 実 践 に対 す る 信 念 を 明 確 にす る こ とが 、 患 者 ・家 族 へ の 正 しい 情 報 提 供 、 相 談 相 手 、 そ して 患 者 の 意 思 決 定 の擁 護 者 と して 看 護 職 者 を 成 長 させ る こ とに な る と考 え る 。 謝辞 本 研 究 の た め に調 査 に ご協 力 くだ さ い ま し た 方 々 、 施 設 関 係 者 の 方 々 に深 く感 謝 申 し上 げ ま す 。 (本 研 究 は 、 平 成13・14年 度 文 部 科 学 省 研 究 費 補 助 金 基 盤 研 究(C)(2)代 表 者 鳴 井 ひ ろ み(課 題 番 号13672514)) の 助 成 を 受 け た 研 究 の 一 部 で あ る 。) 引用 文献 1 ) Richardson MA,Sanders T,Palmer JL et al:Complementary/alternative medicine use in a comprehensive cancer center and the implications for oncology.Jclin oncol 18 : 2505-251, 2000. 2)兵 頭 一 之 介:我 が 国にお けるが んの代替 療 法 に関す る 患 者 ア ン ケ ー ト調 査 結 果.日 癌 治 誌37:WS29- 1,2002. 3)鳴 井 ひ ろ み,本 吹 田 夕 起 子,出 間 と も み,三 貝 裕 子,中 れ る が ん 患 者 の 実 態.青 213-222, 浦 博 美,井 村 恵 子:代 澤 美 樹 子, 替 療 法 を 取 り入 森 県 立 保 健 大 学 雑 誌,7(2), 2006. 4 ) Damkier A,Elverdam B,Glasdam S,Jensen AB,Rose C:Nurses' attitudes to the use of alternative medicine in cancer patients,Scandinavian Journal of Caring Sciences,12 ( 2 ) , 119-126, 1998. 一186一 藤 由 里 子,荒 本統合 医 会,2003. RE, Greenberg M:Oncology unconventional 96-99, nurses therapies,Cancer 1999. 川 唱 子,小 平 廣 子:代 り入 れ て い る が ん 患 者 の 期 待,が 替 的 治 療 を取 ん 看 護5(4),326- 334, 2000. 8)荒 川 唱 子:代 替 的 治 療 と 看 護 638, 1999. 看 護 教 育,40(8),634-