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「県南地域活性化シンポジウム」報告書
「県南地域活性化シンポジウム」報告書 ・日 時 平成24年4月17日(火)午後2時から4時まで ・場 所 八代ロイヤルホテル ・内 容 ①基調講演 蒲島郁夫 ②各地域の戦略 熊本県知事「県南地域の活性化について」 福島和敏八代市長、田中信孝人吉市長、宮本勝彬水俣市長 ③パネルディスカッション 「県南地域の浮揚について」 ・コーディネーター 桑原隆広熊本県立大学教授 ・パネリスト 蒲島郁夫県知事、福島和敏八代市長、田中信孝人吉市長、宮本勝彬水俣市長 安田公寛天草市長、川端祐樹上天草市長 ・主 催 八代市・人吉市・水俣市 ・後 援 熊本県 ・参加者等 約250人(国会議員、県議会議員、市議会議員、経済界、市民、行政関係等) 開 会 ○来賓紹介等(司会) 予定の時間となりましたので、ただ今から、 「県南地域活性化シンポジウム」を開会させ ていただきます。 本日は、ご来賓の皆様をはじめ、県内各地から多くの皆様に、ご参加いただいておりま す。本来であれば、ご来賓の皆様をお一人ずつ、ご紹介させていただくとろころでござい ますが、時間の都合上、恐縮ではございますが、手元の来賓名簿をもちまして、ご紹介に かえさせていただきたいと存じます。また、祝詞もいただいており、誠にありがとうござ いました。会場受付に掲示しておりますので、ご覧ください。 ○趣旨説明(司会) 本日のシンポジウムの趣旨でございますが、県南地域におきましては、今後、どのよう に地域振興、地域活性化を図っていくかが喫緊の課題となっており、さらには、県全体の 均衡ある発展のためにも、県南地域の浮揚が不可欠でございます。県南地域が連携を強化 し、各地域の特色を活かしながら、また、相互に補完し合いながら、一体となって地域振 興を図っていくうえでの、今後の方向性を考えるために、開催するものでございます。 1 基調講演 蒲島郁夫熊本県知事「県南地域の活性化について」 今日は、大変ご多忙の中、多くの方々がこの会場に来てくださり、誠にありがとうご ざいます。 私は、実は、二期目を昨日から始めました。今日は、二日目であります。この様な重 要な時期に、そして、私が、選挙期間中、ずっと言ってきましたのは、県南の振興であ ります。その、県南の振興について、このような形でシンポジウムを開催していただい た、三市連携の催しに対して、心から敬意を表したいと思っています。 20分という、大変、短い時間で、県南の振興を述べなければなりませんので、パワ ーポイントを利用しながら、お話していきたいと思います。 (県南地域の活性化 1 知事選の結果が意味するもの) この県南の振興活性化を考えるにあたって、先ず、3月25日の知事選の結果の意味 は何であったのか考えることから始めたいと思っています。お陰様で91%という高い 得票率をいただきました。これも皆様のご支援のお陰であると心から感謝しています。 私は、投票行動の研究家でありますけれども、それだけの高い指示を得た理由は何であ ろうか私なりに考えてみました。それは、一期目の業績評価が、今回の投票結果に大き く結びついているのではないかなと考えています。投票結果は、新人の場合は、現職の 場合と違って、新人の場合は、何をするのかというとこが重要なのですけれども、現職 の場合は、何をしたのかということは、とても重要なことと思っています。そういった 意味で、一期目の様々な決断と、夢を中心とした政策、それが評価されたのではないか なと思っています。 (県南地域の活性化 2 4つの姿勢) しかし、現職であろうとはいっても、二期目に何をするのかということ明確に示さな いといけないと思って、今回の選挙を戦いました。私は、ここに書いてあるように、4 つの姿勢、県民の幸福量を目的とした「決断の政治」、それから、時間的緊迫性をもった 「スピードの政治」、そして、目標を明確にした「目標の政治」、そして4番目が、信頼 感のある「信頼の政治」を政治姿勢として挙げております。 (県南地域の活性化 3 4つの約束) この政治姿勢の基に、4つの目標をここに掲げて、今回の選挙を戦いました。一つは、 「活力を創る」こと。これは、新幹線の全線開業と、熊本の政令市の効果を県内全域に 広げたい、波及させたい、これが第一の活力を創ることであります。 第二の「アジアとつながる」というのは、アジアの活力を熊本に呼び込むこと。アジ アの活力を呼び込むためには、どうしてもアジアとつながらなければいけない。そのよ うな形で、目標の2番目に掲げております。 目標の三番目は、長寿安心、 「安心を実現する」、そして長寿を楽しむ社会を創りたい。 そして、四番目の目標が、やや長期的になりますけども、我々が、今この時代に、 「百 年の礎を築く」ために何をしなければいけないか。このことを考えながら、この政策を 創っていかなければいけないと選挙で訴えてきました。この選挙期間中、何度も、この ことについては皆さんにお話ししましたので、ここで詳しくは繰り返しません。 (県南地域の活性化 4 財源の確保) ただ、財源が大事であります。財源はどこから来るのか。この財源のない目標という のは、本当に意味のないものであり、絵に描いた餅であります。財源は、今、考えてお りますのは、一期目に4年間で1,000億円を返しました。この1,000億円を返 しましたけれども、その返し方を少しスローダウンして、そこから200億円を捻出し たい。その200億円プラス国からの補助金と交付金を300億円足して500億円で、 この目標を達成したいと思っております。 (県南地域の活性化「活力を創る」) その、大事な活力を創るというものの中に、県南地域の振興があります。私は、この 県南の振興というのは、ずっと選挙期間中も言ってまいりましたけれども、政令市が出 来て、「その次にあるのは、県南の振興である。」このように考えています。何よりも、 今回、私の選挙戦での中心課題は、県南の振興をいかにして行うのか、そして、県南は、 今、逆境にあると言われております。しかし、逆境にあるからこそ、県南に夢があるの ではないか、それだけの“伸びしろ”があるのではないか、そのような考え方で、県南 の振興策を、今、県庁全域で考えているところであります。 (県南地域の活性化「活力を創る」 1 新幹線開業と政令市効果の全県波及) その第一が、新幹線の全線開業をどう活かすか、そして、その次の政令市の効果をど のように活かすか、これが、県南振興では中心部分になります。先程、多くの市長がお られましたので、 「新幹線の効果はいかがでしょうか?」と聞いたところ、それぞれの市 で「観光客が増えている。」、例えば、天草でも増えているという話でした。だから、新 幹線の効果は出ておりますけれども、その効果を活かすためには、それぞれの市町村が 頑張って、その効果を引き受ける。その効果を引き寄せる。それがとても大事ではない かと思っています。 そして、政令市の効果も大事な部分であります。熊本市が発展すれば、その効果をい かに各市町村に波及させるか、この熊本市の役割というのは、そういう意味では、バレ ーボールのセッター役ではないかなと思っています。バレーボールのセッター役はボー ルをそれぞれのアタッカーにトスをします。そして、それぞれのアタッカーがアタック するわけですけれども、私は、そのような形で、市町村が、この熊本市のボールを受け 取り、そしてアタックするという役割を示すことによって、熊本県が同時に発展してい くと、そのように思っています。 (県南地域の活性化「活力を創る」 2 フードバレー構想) それから二番目の県南の特殊性の中で、我々が今考えておりますのは、フードバレー 構想であります。フードバレー構想というのは、この県南の農業地帯であるこの地域の 特殊性を活かして、食にまつわる研究施設と、それから企業群の集積を進めたいと、こ のように思っています。これは、八代市が、丁度、さまざまな交通の要衝にあります。 それを活かし、そして八代市には多くの企業があります。その企業は、食品企業ももち ろんあるわけです、それから、いくつかの食品工場もありますので、それを中心とした フードバレー構想を二期目では展開していきたいと。そして、県南全体がその食を中心 とする、そのような形の発展を遂げていきたいなと、そのように思っております。 (県南地域の活性化「活力を創る」 3 エネルギーの地産地消) 三番目の県政の県南に関する目標は、エネルギーの地産池消であります。これはどう いうことかと言いますと、この県南地方では多くのハウス栽培が行われています。この ハウス栽培のエネルギー源というのは、今、重油を使っておりますけれども、それでは なくて、県南に豊富にある、木質のバイオマスを使い、それを使って、加温することに よって、ストーリー性のある農業が出来る。そして、コストが安くなるし安定化します。 私は、多くの農家の人と話す時、一番、彼らが心配しているのはエネルギー源の調達と、 エネルギーの値段の変動であります。これから火力発電所が大きな役割を果たしていく と思いますので、重油が高くなることは間違いありません。そういう意味では、この県 南にたくさんある、木質バイオマスを使って、それをエネルギー源としたハウス園芸を 行うことが出来ないだろうか。とりわけこの県南、八代平野で、出来ないだろうか、こ のようなことを、今、県南の活性化の三番目の柱として考えております。 (県南地域の活性化「活力を創る」 4 観光の活性化) そして、何よりも、新幹線の全線開業を、十分、効果的にするためには、多くの観光 施設がある、あるいは観光スポットがあるこの県南は、その恩恵を最も受けやすいと私 は思っています。ここに、八代妙見祭から、リストしておりますけれども、これについ て1つ1つ、コメントすることは避けたいと思います。 ただ、クルーズ船の誘致については、心からおめでとうと申し上げたいと思っていま す。これは、八代市、特に、商工会議所を含め、全員で頑張ってクルーズ船の誘致を成 功させました。このクルーズ船に乗って、2,400人の方々が中国からいらっしゃい ます。先日、このクルーズ船の責任者の方々が県庁にいらっしゃいました。 「これを、是 非、成功させたい」「このクルーズ船が、毎回、来るような形で、成功させたい。」とお っしゃっておりました。このクルーズ船の2,400人の中、1,000人が旅行関係 者であると聞いております。その方々の目的というのは、熊本はどのような観光地であ るのか、あるいは八代はどのような港なのか、そして八代から出て行く、様々な観光地 にどのようなものがあるのか。ここにも書いておりますけれども、それを活かす、クル ーズ船の成功が、将来的には、県南全体の振興に結びついていくのではないかと、私は 考えております。そこで、是非、このクルーズ船を成功させたい。私も「クルーズ船関 係には、是非、参加してください」と、責任者の方々から頼まれておりますので、出来 る限り出席出来るよう調整したと思っています。とりわけ、この八代市の皆さん、そし て県南の皆さん、このクルーズ船が大成功するために、みんなで応援していきたいなと 思っています。聞いてみますと、この花火の他に、五家荘、五木村、人吉の方面に行く ルートが出来ているとも聞いています。また、花火を見て、その後、日奈久で温泉に入 るルート等、様々なルートが、今、考えられております。その波及効果を最大限に活か して欲しいと思っております。 (県南地域の活性化「活力を創る」 5 「第五次水俣・芦北地域振興計画」) それから五番目、第5次水俣芦北地域振興計画を県南全体の振興に活かして欲しいと、 このように思っています。これは水俣芦北だけの問題ではなくて、この計画に沿って、 県南が協力すれば、必ずこの計画の効果が県南全域に広がっていくものだと思っていま す。この他に、五木村の振興計画もあります。この五木村の振興計画は、国と県と五木 村が共同で五木村の振興にあたるわけですけれども、これも県南全域の振興に結びつく ような形で、振興計画が遂行されることを心から願っています。これを逃さないように する。そのためには、県としても一所懸命やりますので、是非、これを活かしきって欲 しいなと思っています。 (天草・宇土半島地域の活性化 わせた旅の提供) 1 「A列車で行こう」と「天草宝島ライン」を組み合 今日は、天草市、それから天草関係の方々も、たくさん来ておられますけれども、天 草も県南の中に含めながら、この振興計画を練っております。先程も言いましたように、 新幹線の影響が天草にもあると市長からお聞きしました。その中のA列車で行こう、天 草宝島ラインを利用した旅の提供。 (天草・宇土半島地域の活性化 2 天草海道博の開催) この様な形でこの振興計画それから天草海道博の開催。 (天草・宇土半島地域の活性化 3「環八代海文化圏」という大きな連携) そして、天草とこの県南、これを結ぶ環八代海文化圏に、大きな、そのような連携の 中での構想がこれから進められていくものだと思っています。 (天草・宇土半島地域の活性化 4 オリーブの島構想) 本日、九電工の橋田社長さんの大きなコメントが新聞紙上に載っておりましたけれど も、今、7千本のオリーブを、将来は10万本まで増やしていきたい。そして、天草は オリーブを中心とする観光の島にしたいという構想が出ております。その様な構想と、 歩調を合わせながら、天草の活性化、天草宇土半島の活性化に結び付けていきたいと思 っています。 (まとめ 1 県南地域への期待) これまで、具体的に県で考えている構想について、大変、速足で述べてきました。ま とめとして、5つのことを最後に皆さんにお話し、この私の講演を終わりたいと思って います。 1つは、県南の振興に対する高い期待があると言うことであります。これは、もし、 熊本市の政令市が実現しなかったとすれば、この県南振興がこれほど盛り上がったでし ょうか。私は、熊本市の政令市が実現したからこそ、次は県南だと、そのような流れが 出てきたのではないかなと思っています。私が子どもの時、八代市は、熊本市は競争相 手ではないような、その様な勢いがありました。私が18歳の時に鹿本町の農協の職員 になり、皆に、どこの温泉に行きたいかと聞いたら、みんなが言ったのは日奈久温泉で あります。そのような、県南のかつての勢いを、是非、取り戻して欲しい。その期待が とても高まっており、その用意が、今、熊本県にはあるということであります。 (まとめ 2 県の今後の動き) 今、県では、2つのことを考えています。それは、熊本県のこれまで熊本市に注いで きたエネルギーを、是非、県南にもっていきたい、その様な動きをしています。 では、実際にここまで話してきたような県南対策が二期目でどのように動いているか ということをお話ししたいと思います。今、県では、新4カ年戦略を策定しています。 前回の4カ年戦略は、実は、12月に議会に出したのです。それでは遅すぎるというこ とで、私は、職員に「6月に出そう。」と、「6月に出すことによって、半年、早めてこ の計画を進めよう。」と。6月議会に予算と共に出されます。その意味では、とても速い スピードで県政が進んでいるということを理解して欲しいと思います。そして、その速 いスピードで進んでいる県政と共に、各市町村、一緒に進んでいきたいと思っています。 (まとめ 3 キーワードは“広域連携”(協調と競争)) そして、それが成功するかどうかというのは、キーワードとしては、広域連携にある と思います。これから、合併というのは難しくなったと私は考えています。これから進 むとすれば広域連携であります。広域連携は競争もあるけども協調もある。それぞれの 地域が競争しながら協調する、良い形で相乗効果を生み出すことであります。例えばフ ードバレー構想でも、相乗効果を得ることが出来ますし、観光も新幹線の全線開業もみ んな相乗効果を生み出すものと思っています。その意味で、熊本市の政令市の効果を最 大限活かすためには県南が広域連携することがとても大事だと思っています。 (まとめ 4 皿を割ろう) 4番目に、皿を割ろうと書きました。私は県庁の職員に、 「余りにも慎重になって皿を 割らないような、そのような仕事はやめよう。」と、「皿をたくさん、割っても良いから 皿を割ろう。」と。 「リスクをとっても良いから先に仕事をすすめよう。」と、それがみん なで皿を割ろう、というスローガンであります。 「出来ません」という言い方は、蒲島県 政では、今からは、あってはいけないものだと思っています。皆さんも一緒に皿を割ろ うという気持ちでこの県南の振興に全力を懸けて欲しいと思っています。 (まとめ 5 運を信じよう“楽観性”) 最後でありますけれども、私は政治には運が大事だと思っています。私は幸い運があ る方でありますので、蒲島県政には運があると信じています。だから皆さんも一緒に、 この県南振興をやることによって、きっとこれから良くなるという、そういう楽観性を 持って、この4年間、県庁と一緒に、それから私と一緒に県南振興にまい進したいと思 っています。頑張りましょう。 2 各地域の戦略 2-1 田中信孝人吉市長「人吉市の戦略について」~市民みんなが健康で笑顔で暮らせるまちの実現に向けて~ 皆様、こんにちは。ただ今、ご紹介を賜りました、人吉市長の田中信孝でございます。 先ず、人吉市の戦略について、お話しさせていただきます前に、現状分析を少し、い たしたいと思います。 人吉市の4月1日現在の人口は、約3万5千人でございます。高齢化率が約30%、 つまり、1万500人程度が65歳以上ということになるわけでございます。これが団 塊の世代がいよいよ、今年から65歳となり、高齢者に突入してまいりますので、この 勢いは、更に、加速していくという現実がございます。 人口減少について、5年間で約2,000人、減少致しております。平成17年の国 勢調査、平成22年の国勢調査を見てみると、年間約400人のスピードで人口が減少 しているという現実でございます。 財政問題でございますが、財政力指数とか、公債費比率は県内の14市の市の中でも、 “まあまあ”の数値を得ているわけでございますが、経常収支比率が98.7%と。県 内で最も高い数字でございます。これは人間の体に例えると、動脈硬化をきたしている ということが言えようかと思います。この原因の一つとしては、様々な負担金の高騰と いうものが挙げられると思います。 公平、公明、公正な市政運営を実現していく。出来るだけ、更に、透明性を高め、市 民の皆さまの信頼を得るような市政運営を行っていかなければならないと考えていると ころでございます。 この現状を踏まえまして、ビジョン到達のためのどのような戦略を持っているかとい うことでございます。 「市民みんなが健康で笑顔で暮らせるまち」これが人吉市の掲げて いるビジョンでございます。このビジョンを達成するために6つの戦略を得たいという ところでございます。 「産業・経済」分野、 「教育・文化」分野、 「自然環境・安全」そし て、 「健康・福祉」、 「都市基盤・建設」、 「地域・自治」と6つの提言をさせていただいて おります。 先ず、農業の振興でございます。 「農業と観光で稼ぐ・儲かる経済都市ひとよし」これ を、是非、実現したい。しかし、農業の厳しい現実というのは皆さんご承知のとおりで ございますけれども、ただ、手をこまねいて何もしないでは、現状から脱落していく。 そこで、新しいブランドとして、今、キクラゲの生産、唐辛子の生産、医食同源ひとよ し米の全国ブランド化の計画を、実施をしているところでございます。これは、高齢化 していく農家の皆さん方に、年金プラスアルファーの所得を得ていただく、こういう戦 略が地域活性化の大きなキーワードではなかろうか思っております。 おもてなしの心による観光と交流でございますけれども、人吉市も知事がおっしゃっ たように運があります。それは、青井阿蘇神社を平成20年に国宝にご指定いただきま した。そして、翌年はSL人吉号が運行されております。平成19年までは、人吉市の 観光交流人口数は約80万人でございましたが、年々上昇して参りまして、平成23年 度に122万人を突破いたしました。平成22年は口蹄疫や新燃岳の影響で、80万人 に逆戻りしましたが、平成23年度は、復活したということでございます。これから、 観光交流人口が200万人を突破するような施策を打って行かなくてはならないと思っ ていますが、この、おもてなし事業というのは短期的な観光戦略として、とらまえてい るところでございます。 企業誘致でごいますけれども、この県南の中で、人吉・球磨、これが最も雇用情勢が 悪いということが、端的に数字でも表されているところでございます。雇用なくして定 住なし。所謂、定住を確保していくためには、どうしても雇用を確保していかなければ いけない。人吉市も、今、中核工業用地を整備中でございますけれども、ここにやはり 起点、拠点となるような工場を、是非、誘致したい、これにはやはり県のお力をお借り しなくてはなりませんので、県のコミットが必須条件でございます。 美しき相良700年の歴史文化都市ひとよしでございます。本当に、人吉市は相良7 00年の歴史に育まれた街でございまして、熊本県全部の文化財のうち8割がこの人吉 市、球磨地方にあるところでございます。こういう文化財を掘り起こし、磨き、それを 情報発信していく。しかもそれを人吉・球磨全体で有機的に繋げていくというのが必要 ではなかろうかと思っております。 そして、近代化産業遺産の一つであります肥薩線でございます。世界の3つの鉄道世 界遺産に比べても何ら遜色はない。124.2kmに渡る素晴らしい産業遺産群をなん としても仕上げていきたいと思っております。ユネスコの未来遺産プロジェクトに、本 年の初めに認定をしていただいたのは大きな弾みになると思っております。 やはり、人吉・球磨の山々と清流球磨川。熊本県は、非常に水と山に恵まれていると ころでございますけれども、これをウォーターシュートと一括りで申し上げますと、大 変、魅力ある川ではなかろうかと。ダムによらない治水対策が、いよいよ、現実味を帯 びてきている中で、我々はこの自然と、そして、豊かな水を後世にも受け渡していかな ければならないと考えているところでございます。 先程の現状、いわゆるスタートライン、これに基づいてこれをどう達成するかという ことで6つの分野の戦略を練っているところでございます。しかもこの中には短期、中 期、長期というふうに分けまして、短期・中期・長期を同時進行してゴールを目指す。 つまりビジョンを目指していく、 「市民みんなが健康で笑顔で暮らせるまち」を創ってい きたいというふうに考えているところでございます。 これは、人吉市の1つの戦略でございますけれども、これまで県南地域、それぞれの 自治体を、例えてみますとジグソーパズルのパーツであったと。これはパーツを1つに、 しっかりとみんなが連携・連合しながら、知事がおっしゃいました、フードバレー構想 もその1つでございますけれども、海抜0メーターの天草から海抜1600メーターの 水上村、ここまでが大きく連携をしながら、どこかを拠点都市として創るということで はなく、みんなが同じパートナーシップを発揮しながら発展をしていくと。これを描く ことが非常に大切ではなかろうかと思っているところでございます。以上、ご提案申し 上げまして終わりにさせていただきます。ご静聴ありがとうございました。 2-2 宮本勝彬水俣市長「人が行きかい、ぬくもりと活力ある環境モデル都市みなまた」 皆様、こんにちは。水俣市長の宮本でございます。 早速ですが、 「人が行きかい、ぬくもりと活力ある環境モデル都市みなまた」これは水 俣市第五次総合計画の基本理念でございます。この理念を基に、今、懸命に取り組んで いるところでございます。温もりと活力をもち市民が安心して暮らせるまち、これが、 私が目指すまちでございます。 まず、第一番目に「環境のまちづくりの推進」ということで掲げております。 先程、色々、出ておりますが、ご案内のように、本市の企業誘致の実態でございます が、どこも実際は同じだろうと思っておりますけれども、道路網を始めとするインフラ 整備の遅れでありますとか、あるいは企業の求める魅力が、このまちには少ないのでは ないか、または、企業誘致制度等も設けながら、懸命に努力をしているところでござい ますが、経費の安い海外へ進出するといった状況もありますし、水俣に引っ張っていく には、大変、厳しい状況がございます。では、そういう中で、どうやって水俣に企業誘 致が出来るのか、そういうことを考えますには、やはり他の自治体と違ったインセンテ ィブ、あるいは個性といったものを、先ず、探し出さなければならないのではないか。 所謂、単なるまちづくりではなくて、水俣づくりというのをやっていかなければならな いのではないかと思っております。 そう考えていきますと、やはり、私のまちは水俣病の経験をしたまちでございます。 大変、厳しい状況もございますが、その厳しさを乗り越えていく時に評価をしていただ ける、そんなまちを目指していかなければならない、つまりそういう点からいきますと、 やはり、水俣は、命と環境、環境に特化したまちづくりを展開していく、これが水俣の 個性ではないかなと思っているところでございます。小さなまちに加害者と被害者が同 居するという非常に希な現象もございます。水俣の市民の心が二分された、このことは、 大変、水俣にとって大きな悲劇でもございました。引き裂かれた心を取り戻すべく、 「も やい直し」というのを水俣で行ったところでございます。その1つがここに書いており ます、平成4年に全国に先駆けまして、環境モデル都市宣言をいたしました。そして平 成5年にゴミの高度分別、22分別を住民と協働になって、その心の修復を図っていっ たところでございます。その結果を評価されたと思いますが、平成13年にエコタウン の指定をいただき、産業団地に環境関連の事業が集積することも出来ました。そのよう な色々な取組みを水俣市は展開して参りました。そして、平成20年に環境モデル都市 の認定をいただいたところでございます。これを機にアクションプランを立てまして、 低炭素化へ向けた取組みを展開したところでございます。そして平成23年に環境首都 という称号をいただくことが出来ました。これは日本で唯一のものでございまして、水 俣市にだけしかないというようなものでございます。この称号を名実共に水俣市は最大 限に発揮しなければならない、そのように思っております。 「環境、環境と言っているけ れども、環境で飯が食えるか。」というようなご指摘も色々受けたところでございますが、 奇しくも東日本大震災がございまして、エネルギーの事情が見直されてきております。 再生可能エネルギーへの転換が、今後、急速に展開していくのではないかと思っており ます。本市の目指す方向は間違いではなかったと思っているところでございますが、時 代の到来を見据えて、先手を打っていかなければならない。所謂、環境首都の冠をもっ て、名実ともに打って出る、水俣の魅力を全面に出して、それを企業誘致の切り札とし て、今後、取り組んでいかなければならないと思っておりますし、それが地域の戦略の 基本的な考え方としております。 次に「水俣・芦北地域振興計画の推進」ということで、これは県のお力を得て、今、 内容として、三本の柱をもって取り組んでいるところですが、引続き、ご支援をいただ きながら、頑張っていかなければならないと思っております。 次に、 「環境首都水俣」創造事業でございます。環境に特化したまちづくりを展開いた しました。先程、少し申し上げましたけれども、その取組みが、国、内外に、私は、か なりの評価を得ているのではないかと思っております。しかし、そのことが雇用、ある いは、経済的な豊かさと考えた時に、それにつながっているかというと、現状維持が精 一杯の状況であると言わざるを得ないのではないかなと。要は、豊かさが実感出来る、 目に見える豊さが、今後、必要になってくるのではないか。今年度は、特に、このこと を意識して、取組みを展開していくところでございます。その取組みがここに書いてお ります「環境首都水俣」創造事業でございます。これまでの経験、あるいは蓄積を活か しながら、環境への負荷を少なくして、経済の発展に結び付ける、新しい形の地域づく りを進めるものでございます。ここに三本の柱を掲げて実践をしているところでござい ます。その中で、1つ2つ紹介させていただきますと、ゼロカーボン産業団地創造事業 というのを出しておりますけれども、これは、地元企業の協力を得ながら、間伐材、あ るいは建築廃材、そういった物を燃やし蒸気によって電気を起こす。その電気を産業団 地内で、先ずは、使う。また、それと同時に温熱も利用するというような取り組みでご ざいます。これが上手くいけば、今、計画の段階でございますが、市民にも広げること が出来るのではないかと、期待しているところでございます。いずれにいたしましても 環境意識が高い企業にとりましては、これは、魅力のある取り組みではないかなと、私、 思っているところです。 それから、もう1つ、スマートコミュニティの構築に向けては、スマートメーターを 家庭や企業に設置し、その需要量を測定しながら省エネを図っていくという取り組みで ございます。いずれにいたしましても環境をキーワードとして、経済活性化につなげる 事業を展開していくものでございます。 次に「地域経済の元気づくり」ということで、今年度の取組みといたしまして、新た な「産業支援センターの開設」を行っております。この道に明るい専門的な人を新たに 採用し、融資制度や助成制度の相談業務等にあたっていただくということをしておりま す。それから、平成20年から取り組んでおります、産学官を中心として、レアメタル の南九州における中間処理の拠点化、広域化を図っていこうとしているところです。 昨年から熊本大学、崇城大学、JNCさんと一緒になり進めている、竹のバイオエタ ノールの事業化を更に進めていかなければならない、そのように思っております。 観光では、湯の鶴の、ここに絵が出ておりますけれども、これは鉄道車両で有名な工 業デザイナーの水戸岡鋭治さんにプロデュースしていただきまして、絵にあるような観 光物産館、すばらしく良いものが出来ております。7月にオープン予定でございますの で、是非、足を運んでいただければなと思っております。先程から申し上げております けれども、市民の皆さん方には、やはり、目に見える形を示すことが必要であり、安心 感を与えることの大切さを、今、改めて感じているところでございます。 次に「環境モデル都市の推進」ということで、先程から何度も申し上げておりますが、 高い評価は得たものの、人口減、あるいは高齢、極めて深刻であるということでござい ます。そこで、今一度、水俣を見つめ直そう、足元をしっかり見ようということで、平 成22年に全国を代表するような専門家の方々をお招きして「環境まちづくり研究会」 というのを立ち上げました。そして、平成23年3月、水俣市を分析していただいて、 その報告をあげていただきました。その報告を受けまして、市民からなる環境モデル都 市推進委員会、そして、市役所内に環境モデル都市推進本部会というのを立ち上げ、こ れを元に5つの円卓会議というのを設置いたしました。これが、所謂、実行部隊でござ います。そして、その事業内容につきまして、意見交換をしたところでございます。所 謂、 「環境首都水俣」創造事業と絡めて、スピード感を持って、出来ることから一つ一つ 取り組んでいこうということでございます。 低炭素化への取り組みとしましては、太陽光発電、太陽熱利用の設備等も補助をいた しまして、着実に伸びてきている。こういったところで、色んな工事も生まれますし、 所謂、一つの経済の活性化につながっているではないかと思っております。 環境につきましても、環境に特化したまちづくりによって、環境に対する学習にも、 たくさん、おいでいただいて、交流人口が増えております。今後、どう宿泊につなげて いくかというのも、水俣に課せられた課題でございます。 農林水産業の振興でございますが、実は、水俣は75%が山林でございます。農業の 衰退についてご意見もいただいているところでございます。絵で出てきておりますが、 先日、 「サラ玉祭り」を実施いたしました。すごい賑わいで、3号線が渋滞する程でござ いました。そのサラ玉と同様に、デコポンやお茶など、所謂、公害を経験したまちとし て、これを逆手にとって、特に健康に配慮した環境首都のブランド品として、これを確 立していかなければならないと思っております。 最後になりますが医療・福祉の充実でございます。水俣病の問題をかかえ、健康上の 不安を持つ市民が多いというのは間違いございません。本市の医療センターでございま すが、水俣・芦北だけでなく、天草の一部、あるいは鹿児島、所謂、県南の中核病院と して、今、がんばってもらっているところでございます。これは、水俣にある大きな企 業と同じくらい経済に関わっているということでございます。医療分野での雇用、ある いは中心街、商店街への振興も含めながら、がんばっていきたいと思っております。 それから、先程、少し話しましたけれども、来年度、 「全国豊かな海づくり大会」を天 皇、皇后両陛下を迎えて、水俣で開催されます。これを新たな契機として、環境首都を 全国的に売っていかなければならないし、さらには、水俣の水産業の活力にもつなげて いかなければならないと思っております。 水俣市は、とことん環境にこだわるまちづくりを展開し、命と環境を基盤に据えたま ちづくりを今後、展開していかなければならないと思っております。環境一点突破、全 面展開というような思いでがんばっていきたい。そして、市民の目に見える結果を出す、 どんなに小さくても1つ1つ実現をしていく、市民を巻き込んで取組む。小さな自治体 としては、市民に参画してもらい一緒になって、まちをつくっていくことが活性化の第 一歩であろうと思います。 併せて、被災地のモデルにもなるように、まちづくりをがんばっていかなければなら ないと思っております。 2-3 福島和敏八代市長 「八代市 今年のテーマは 外に向かって打って出る」 知事の講演を聞いておりましたら、今、まさに県南は逆境の中にある。しかし、その 逆境の中に夢がある。大変、嬉しいことをおっしゃっていただきました。そしてまた、 熊本市の政令指定都市実現の後は、県南に命懸けで頑張るのだ。予想以上の言葉をいた だきました。力いっぱい、私も10分間の持ち時間を務めたいと思います。 今年の1月1日の各新聞に県下の各市町村長の今年の抱負が掲載されておりました。 私も載っておりましたが、ほとんどは、新幹線が全線開通し、地域間競争がますます激 しくなる中、自分の街は、どのように外に打って出るか、これが今年のテーマという共 通した話題でした。私も、そういう強い意志を持って、この平成24年を迎えました。 そして、八代市が掲げましたスローガンは「外に向かって打って出る」です。これを具 体的にどう進めていくか、これが今年の課題なのです。そのために3つの大作戦を作り ました。 先ずは、八代という「地の利を活かした大作戦」二番目が「八代の魅力発信大作戦」 三番目は重点港湾八代港を活かした「八代港の港湾力強化大作戦」を挙げました。 先ずは、この「地の利を活かした大作戦」です。皆様、九州の地図を頭に浮かべてみ てください。北に鳥栖市という街がございます。鳥栖は、福岡から来て、長崎、大分へ の交通の拠点でもございます。では、南九州を見てください。南九州では、何といって も八代が交通の拠点であります。鹿児島へも宮崎へも行ける。この地の利を活かした戦 略を、この八代が考えるのは、当たり前のことです。しかも、新幹線も走りだし、高速 道路も整備が出来た。このような中、どのような、この「地の利を活かした戦略」を考 えていくかということは、今さら、言うまでもございません。 かなり以前、この九州は、北は博多、南は八代が、大変、繁盛したのだそうです。今、 博多は九州における経済の中心都市。しかし、八代は熊本県第二の都市と言われながら、 どんどん寂れて行く方向になっている。何故、どう違うかということを考えなければな らない。やはり、街が活性化する工業団地を積極的にやらなければならない。土地はあ る。しかし、その土地がなかなか活かせない。このことについては、また、後ほど、述 べますが、八代は南九州の拠点であります。この拠点性を活かした街づくりにまい進し たいと思います。 もう1つが、日本三急流、清流球磨川が育んだ肥沃な大地であります。日本でも有数 な農産物が生産されておりますが、実はここに、日本一の信号機というのを掲げました。 青がイ草、黄がバンペイユ、赤がトマト。いずれも日本一でございます。日本一のこの 信号機、これを基盤にして、メロン、生姜こういう物を、どんどん全国に売っていこう。 この肥沃な農地をどうして活かすかということが、私達に課せられた課題ではないかと。 過去の八代の農業を見てみますと、作ることには一所懸命、いい物を一所懸命作ってき た。しかし、その作った物、産品がどういう形で売られて、果して、いくらで売れてい るかということを考えていなかったのではないか。そういうことで、八代市役所に農業 生産流通課というのを作っております。良い物をより高く売っていこうという、この肥 沃な大地を活かした地の利を活かした戦略を挙げております。 次は、八代の魅力発信です。今、言いましたとおり、八代には、大変、有名な農産物 などがあります。これを、どういう形で、全国に魅力を発信していくかということで、 昨年、取り組みましたものが、アンテナショップというものです。先ずは、ここに書い てある順番でいきますと、東京神田に「熊本やつしろ食堂」を作りました。そして、池 袋の近くに八代の農産物を売る「とれたて村」に出店しました。それをまとめて、どう いう形で、全国に売っていくか、ということで市役所内に、縦割り行政の弊害をなくす ために「営業本部」をつくり、今年、4月からスタートしました。営業本部長というの がここにいるわけでございますが、そこの役割は、商工、観光、港湾、農林水産、文化、 スポーツまで入れた営業を展開していきたい。そして、東京、大阪、福岡にも職員を派 遣しまして、色んな情報発信をしていきたいと思っております。 そして、重点港湾八代港であります。お陰さまで、重点港湾八代港営業隊ががんばっ ており、今、対中国戦略まで含めた、戦略が展開されております。この中に、知事にも ご紹介いただきました、全国花火大会の時に7万5千トンの船が八代に入るという快挙 も契約が出来ております。また、国内に大型の旅客船が4隻ありますが、昨年は、全て の船が八代港に入ったということです。今、我々のターゲットは、中国への直行便を、 是非、つくりたいということで、色々と努力をしているところであります。その次、台 湾まで足を伸ばそうということで、当然のことでございますが、この八代港を中心にし たまちづくりを命がけでやっていきたいと思っております。 これが今日の集大成でございますが、この県南浮揚をどのように行うかというと「八 代さえ、よければいいじゃないか」 「県下第二の都市、八代、頼むぜ」ということを言っ ていても、この県南地域はよくならないということです。相乗効果を発揮するために、 この八代と人吉・球磨、八代と水俣・芦北を、どういう形で、連携をとって一緒になっ た戦略を考えていかなければならないと思っております。今日は、人吉市の田中市長、 また水俣市の宮本市長、共々、一緒になってスクラムを組んで「知事、この県南振興を 頼みます」ということを力強く申しあげまして、説明を終わらせていただきます。どう もありがとうございました。 3 パネルディスカッション「県南地域の浮揚について」 ○コーディネーター紹介:熊本県立大学教授 桑原隆広 氏 京都大学法学部ご卒業後、昭和48年に自治省に入省。青森県地方課や静岡県財政課長などの 地方勤務、国土庁半島振興室長、自治省企画課長などの中央省庁を歴任。平成18年から熊本県 立大学総合管理学部教授に就任。県内多くの自治体の各種審議会委員を務められるなど、地方自 治の現場においても、豊富なご経験をもとに幅広くご活躍中。 ○桑原教授 皆さん、こんにちは。ご紹介いただきました、熊本県立大学の桑原です。本日のパネル ディスカッションのコーディネーターを務めさせていただきますので、どうぞ、よろしく お願いいたします。 去る4月1日に、熊本市がついに政令指定都市に移行しました。このところのニュース あるいは色んな人の話題というのは、ほとんど熊本市に集中しておりました。少し、県南 地域や、あるいは、県北の地域も影が薄くなっているのではないかなということを気にし おりましたけれども、間髪をいれず、この県南の三人の市長に天草の二人の市長を加えら れて、そして蒲島知事にもおいでいただいて県南地域の浮揚について、皆で議論しようで はないかということを企画されまして、これは本当に時宜を得た、いい企画だと思います。 このシンポジウム、パネルディスカッションがこれからの県南地域の浮揚につながるこ とを期待しながら、このパネルディスカッションを進めて行きたいと思います。 先程、各市長から、あるいは知事からも色んな県南地域についてのお話をお聞きしまし た。その中で、県南地域は、厳しい条件にある。知事は「逆境の中にある」ともおっしゃ いました。確かに人口減少の状況を見ますと、県内で一番、人口減少率が大きいところが 球磨村、次に五木村、山都町、上天草市、芦北町というふうに県南の地域が並んでいます。 それから企業立地につきましても、県北の方が、企業立地の件数はずっと高いという状況 にある。そういうことで、大変、厳しい状況だということを皆がおっしゃっていたと思い ます。 私は、時々、県南地域も訪ねさせていただいて、色んなところを見させていただいてお ります。県南地域にも、色々、素晴らしいモノがたくさんあるということを感じています。 具体的な例を1つだけお話ししますと、今、我が国にとって最大の課題の1つは、少子化 です。子どもがなかなか生まれない。どんどん人口が減っていくということなのですが、 厚生労働省は5年に1回ですけれども市町村毎の合計特殊出生率のランキングを出してい ます。1,700を超える市町村の中で、全国で第8位に球磨郡山江村が入っています。 そして、16位にあさぎり町、19位に錦町、全国ベスト20位の中に球磨郡の町村が3 つ入っている。さらに、ここからは県内ですけれども、県内の出生率の高いランキングで も山江村、あさぎり町、錦町についで、相良村、多良木町、人吉市ときて、そこから、天 草市、湯前町、苓北町ときているのです。少子化において、一番高い、山江村は2.03 の出生率、すなわち、人吉、球磨、天草地域というのは、実は、子どもが全国でも、たく さん、生まれている地域なのです。我が国の少子化という問題を解決するには、こうした 地域で、どうして子どもがたくさん生まれているかということを、良く見ていけば解決の ヒントが出てくるのではないか。このように、県南地域も色んないいところがあるから、 そういったものを皆で発掘しながら、これからの浮揚に結びつけていけばいいのではない かと考えています。 そのようなことで、それぞれの市が連携されて、そして県もそれに支援して、これから の県南の振興に力を入れていくということは、大変、素晴らしいことだと思っております。 先程、蒲島知事と三人の市長にお話をいただきましたが、制限時間も非常に限られてお りまして、時間が足りなくてお話出来なかったこともあると思いますので、順番に、再度、 ご発言をお願いしていきたいと思っています。 最初、蒲島知事に基調講演の中で色んな県南地域の振興策をお話いただきましたが、そ の中で、特に、これは、各市長、あるいは他の市町村長も含めて、連携しながら力を入れ ていきたいというのがありましたらお願いしたいと思います。 ○蒲島知事 繰り返しになりますけれども、新幹線の全線開業それから熊本市の政令市、その後の州 都を目指していますけれども、この100年に一度のビッグチャンスを皆で活かしたい。 そのために県は何が出来るかということがとても大事だと思っています。政策的に言いま すと、先程の「フードバレー構想」「エネルギーの地産地消」「観光の活性化」「第5次 水俣・芦北振興計画」そして「五木村の振興」、そういうものをひっくるめた形で県南の 振興全体に活かしていくことが、これから大事ではないかなと思っています。そして何よ りも、先程、八代市の福島市長が言われましたけれども、それぞれの地域のことだけを考 えていてはいけない、つまり地域間の連携が大事だと私は思っています。連携することに よって相乗効果がでる。強い組織、組織が発展するためには多元性と統一性が必要なので す。それぞれの地域は、それぞれの違った形の多元性をもっておりますけれども、同時に、 県南という統一的な観点を基にそれを活かしていくことが出来ないだろうか。連携を深め るため、あるいは、協調を高めるためにどのような形で県は出来るかと、県の役割はそこ にあると思うのです。そこから先の各地域間の競争という面では、それぞれの地域が頑張 っていかなくてはいけない。熊本市あるいは熊本県が県南の各市町村に出来ることは、ト スを上げることです。そのトスをアタックするのはそれぞれの市町村ではないかなと思っ ています。協調と競争、あるいは、多元性と統一性、違った概念ですけれども、この2つ をうまくブレンドしながら、この県南の振興が進むことを願っています。いまチャンスな のです。どうしてかと言うと県庁も、それから熊本市も全て、これから県南の振興が大事 だと、皆、思っているのです。そういう時期だからこそ、力強く、力を発揮して、幸福量 をそれぞれの地域が最大化してほしいなと思います。先程桑原先生からおっしゃいました ように、出生率はこの地方が高い、その意味では幸せというのは所得だけではなくて、品 格であるとか長寿安心であるとか、あるいは夢というのがとても大事だと思っています。 それから経済的豊かさというのが、最も大事ですけれども、所得と、所得マイナス生活費、 その差が大事だという気がするのです。そこに、私はこれからの幸せの源泉があると思い ますので、是非、その方面からも頑張ってほしいなと思っています。 ○桑原教授 連携、協調、競争といったような言葉を知事からいただきました。 先程、三人の市長にそれぞれの市の重点施策についてのお話をいただきましたが、特に、 県南地域の市町村の連携、協調という観点から、各市長に改めて、お考えをお聞きしたい と思います。最初に福島市長、お願いします。 ○福島八代市長 普段は、私たち地方都市におりますと、あの大きな熊本県庁に向かってなかなかものが 言えない。「あまりストレートに投げると嫌われるよ。」ということを言われますが、今 日は、知事が「いいよ」ということですので申し上げますが、八代市の場合は、どうして も、やはり「南九州の交通の拠点として」これは、動かすことが出来ない最重要課題であ る。もう一つは、熊本県には大きな港が2つある。「いや、港は1つしかないよ」と私、 思っているのですが、八代港はマイナス14メーター岸壁、泊地などが、24年度で完成 してしまうのです。そうしましたら、穀物もチップもどんどん入り、バルクの荷物も増え てくる。コンテナが急増する。今、八代から出て行くコンテナは周2便。1回、釜山(プ サン)に行き、釜山で積替えて中国やアメリカに行っているわけです。それを、大躍進を している中国に、直接、船を出せば「時間も短く値段も安くていいよ」と。だから、それ を命がけで頑張っているのです。時間と経費を軽減するために頑張りたい、特に、熊本県 では、先日、上海に事務所をつくられました。是非、この八代の後押しをしていただきた い。その後押し次第では、ものすごく頑張れるということ。 もう1つは、先程言いました工業団地がない。優良農地は、いっぱいあり広大な土地も あります。しかし、工業振興に使える土地がないというのが八代の最大の欠点でございま す。是非、出来れば県南工業団地が、八代に出来ればと思っております。 あと1つは、私もスポーツマンですが、「スポーツによるまちづくり」を一所懸命やろ うとしています。しかし、八代市の今のスポーツ施設は、非常に、充実していない。この 5月には全日本女子柔道の合宿やバドミントンの全国大会もありますが、出来れば、あの 熊本県営運動公園の半分くらいのスケールでいいので、この八代に、是非、造って欲しい。 八代や人吉も水俣も含めて、是非、県南に造って欲しい。今日は、知事が多分、「そうだ な」と、おっしゃるかと思い直球を投げさせていただきました。 ○桑原教授 ありがとうございました。八代港、スポーツ、工業団地のお話でした。 私も二年前、天草で仕事があり、そのすぐ後に八代で会議が入っていて、間に合わなく なりそうになったので「どうしたらいい?」と聞いたら「松島から船に乗って八代へ行け ば、すぐです」と言われ、そのとおりに行ったら間に合いました。初めて海の側から八代 を見ました。八代駅で電車を降りると、少しさびしい感じがするのですが、海から見ると、 なにか堂々たる八代市だという感じがしました。それも八代市の魅力だと思います。今日 は、二人、天草の市長もおいでになっていますので、やはり天草との連携も大事かなと思 いました。 ○田中人吉市長 福島市長が八代のことを申されました。先程は、人吉・球磨、芦北・水俣の連携が入っ ておりました。あれにもう1つ、天草地方が入ると、すばらしい連携が、出来るのと思っ ているところでございます。 この県南地域を見渡してみると、当然のことなのですが、共通項はたくさんあります。 その中で抽出、出来る大きなものは、知事もおっしゃてるフードバレー構想の中の「食料」 なのですね。この食料に焦点を、今後、県南は、当てていく必要があるのではなかろうか と思っております。ひるがえって見てみますと、この熊本県といいますのは、農業県と言 いながらも国立大学、熊本大学に農学部がないのです。そういう研究拠点、バックヤード を、先ず、しっかり確立する必要がある。それは、先程知事もお触れになられました。こ ういうアカデミーが必要である。しかもそのアカデミーには、この日本全国だけではなく て、アジアを視野に入れて、留学生を招聘していく必要がある。農業生産、研究に携わっ ていただいて、卒業の暁には、農産物の生産システム、または、ハウスシステム等々の生 産加工技術まで一緒に輸出が出来るような、そういうアカデミックな環境をつくる必要が あると思っております。熊本県の食料自給率はですね、カロリーベースで61%なのです。 これを、是非100%にしていかなければならない。そのための戦略は、私は、先程申し 上げましたように、海抜0メーターから海抜1,600メーターの天草から水上村までの 連携が必要です。それだけ、豊富な水産資源、農林物資源に恵まれているということなの です。農産物だけに焦点を当ててしまうと商品に魅力がない。だから、このような一次産 業に、しっかりと我々はアカデミックな後押し、バックアップをしながら、光を当て、そ して、それをいかに六次産業化するか。その六次産業化する時に加工産業として、企業を 誘致していく。そして、それを日本全国に、アジアに輸出して外貨を獲得する。そういう 戦略が私は重要ではなかろうかと、共通項としては思ったところでございます。以上です。 ○桑原教授 ありがとうございました。農業の研究機関や農業者の育成に、知事も1期目に、随分力 を入れてこられたと思いますが、何かありますか? ○蒲島知事 私も農学部を出たことがありますので、農学部と、それから農業の関係はとてもアメリ カでは重要な面があります。熊本に農学部がないことは、とても悲しいですけれども、東 海大学にありますし、県も多くの農業大学校や試験研究所を持っています。そういうもの を関連させながら、総合的に農業アカデミー構想というものを考えています。農学部と、 一足飛びにはいかないかもしれませんけれども、実質的には、それに代わるような、高度 な改良普及事業、そういうものが出来ないか。あるいは、その農業大学校や経営塾を中心 とした農業の専門家の育成、そういうものを、2期目は、もっと加速度的にやって行きた いと思います。かつて、我々が子どもの時、青年の時もそうですけれども、嫁不足という のは、ほとんど考えなくてもいいくらい、八代の農家のところには、お嫁さんが来たので す。かつてのそのような活力のある八代農家、これを私は再現出来るのではないかと、自 信を持ってやっていただきたいと思います。 ○桑原教授 ありがとうございました。それでは、宮本市長、お願いします。 ○宮本水俣市長 水俣・芦北地域でございますけれども、水俣市では、産業振興そして雇用の確保という ことで、県と1市2町、経済団体が結集をいたしまして、水俣・芦北地域雇用創造協議会 というのを現在たち上げ、それに全力を尽くしながら取り組んでいるところであります。 県と1市2町の専属職員を配置して、取り組んでいるような状況でございます。 私は、今日、色々なお話をお聞きしながら、この連携の大切さを改めて感じたところで すが、県南の地で、そうした組織を、先ず、立ち上げる必要があるのではないか。そして、 各市の人事交流も含め、組織を立ち上げて進めていくことは、大変、重要なことではない かなと考えたところでございます。 非常に小さな取組みで恐縮なのですけれども「幸せ実感4つの約束」の中で、知事は、 地域力を高めることが非常に大切なのだと、よくおっしゃっています。そういった視点か ら地域力を高めるっていうことは、非常に、大切ではないかという思いで、少し紹介させ ていただきたいのです。水俣市では、以前から「村丸ごと生活博物館」という取組みを展 開しておりますが、限界集落と呼ばれる何の変哲もない村に、年間1,000名以上、都 会の方々などが訪れているという状況がございます。現在、市が4地区を指定しています が、これを他の地区へ広げていくというような取組みを展開しているところでございます。 これは、地域住民が、一度、村をしっかり歩いて、自分の足元をしっかり見つめながら、 丁寧に地域の文化や、地域の自然、例えば山菜や、それを食材にしたらどうかということ を調べる。そして、地域住民が、所謂、学芸員となり、他所からおいでになる方に説明や 紹介をしていく。そのことによって、住民そのものが、自信や誇りを持ってきている。小 さな経済効果も起きておりますし、人が集まるから、村がそれによって美しくなるし化粧 をし始める。案外そういった足元に、もっともっと、すばらしいものが、それぞれ埋もれ いているのではないか。もう一回、確かめる、見直す、そして、その次を組み立てていく、 連携を図っていく。そういう取組みも大切なことではないか。よく言われますが「ないも のねだりではなくて、あるもの探し」といった取組みを展開していく。そういったところ を基盤においた連携を図っていくことも必要ではないかと思っています。 ○桑原教授 ありがとうございました。私も水俣市の「村丸ごと生活博物館」訪ねさせていただきま したけれども、私、山の奥に、色んな特徴ある集落があるのを、以前は、知りませんでし た。市長がおっしゃるとおり、地域のお年寄りの皆さんが、その地域に自信を持って、誇 りを持って地域づくりに取り組んでおられる姿を拝見出来ました。多分、同じような取組 みは、八代市にも人吉市にもあると思います。おっしゃったように小さな部分でもしっか り連携を図ることによって、より大きなものになるように思いますので、そういった意味 での連携も必要かなと感じました。 天草からも二人の市長においでいただいておりますので、天草地域のこれからの地域の 活性化の方策、特に県南地域と連携した地域づくりにつきまして、ご意見をご発言いただ きたいと思います。最初に安田市長お願いします。 ○安田天草市長 皆様、こんにちは。今日はこのシンポジウムにお招きいただきまして、大変、ありがた く思っております。県南は八代、人吉、水俣で終わりかと思っておりましたら、天草まで 含めていただきまして、大変、光栄でございます。 先程来、色々、お話が出ておりますとおり、天草もご多分にもれず、出生率は高いとい うお話でしたが、人口減はものすごく進んでいます。人口減の比率で言うならば、過疎化 が最も進行している地域の1つであることは間違いございません。では、過疎化対策をど うするのか、ということを、今日まで、色々と模索をしてまいりました。 企業誘致。なかなか、天草までは進出してきてくれる企業はありません。それは、交通 インフラが整っていないからであります。今なお、県庁から天草市役所まで、90分構想 が未達成の地域であります。これは昭和62年から90分間構想というのが進められてき たのですが、天草はその未達成地域であり、今なお120分以上、かかる所でございます。 そういう所に、なかなか企業は進出して来られない。しかし、何とかこの過疎化対策をや っていかなければ。原因は、1つは雇用の場がないということ。もう1つは、高等教育機 関が高校で終わりだということ、この2つが大きく、この過疎化の要因となっております。 したがって、企業誘致は、がんばってもなかなか難しいという実態を踏まえて、昨年、 総務省の「緑の分権改革」の公募型事業に、天草市から応募し「二地域就労促進事業」と いうのに取り組ませていただいております。 どういうことか説明しますと、企業、丸ごとは無理でも、その企業が持っているノウハ ウ、あるいは人材を「天草にいただけませんか。」ということです。それを以ってすれば、 天草にある資源を活かして、起業、業を起こして、それを以って雇用対策に充てていくと いうことです。昨年は、「雇用対策・産業振興基金」をつくり、その基金も絡めながら、 現在、がんばっているところでございます。 その中の1つに、先程、蒲島知事から紹介がございました「オリーブの島づくり事業」 がございます。あのオリーブの島づくりで、我々が資源としたのは耕作放棄地であります。 「耕作放棄地を資源として活用しながら何か出来るか。」九電工からオリーブを提案して いただきました。それを進めており、現在、2年目ですが、民間、九電工も含めて60の 農家に参加していただき、今、1万2千本です。我々の5カ年計画では、これを6万4千 本まで増やすことですが、将来的には、天草に10万本のオリーブを植えて、そこまでい けば、小豆島を完全に追い抜いて、ブランドは天草、オリーブと言えば天草となってくる のではないか。それを以って、アジア戦略をやっていこうとでございます。 もう一方、海では、マグロの養殖が順調に推移をいたしております。先日も、香港、シ ンガポールで開業されている寿司屋さんを相手に、マグロの売り込みをされたところでご ざいますが、大変、好調に推移をしているということでございます。そういったものにも、 近畿大学のノウハウ、技術といったものを我々は、誘致をさせていただいているといった ところです。基本は第一次産業でございまして、蒲島知事のお話の中にフードバレー構想 がございました。私も大変、心強く思いました。天草は食の宝庫であります。 それを地域づくりに、活かすためには、フランスではSRG政策と申し上げております けれども、景勝地と食を絡め、それを地域づくりに持っていく。そして、地域力を高める。 食を中心に、あるいは景勝地を中心としてコミュニティを作り上げていくということで、 進めさせていただいているところでございます。 ○桑原教授 ありがとうございました。それでは、川端市長お願いします。 ○川端上天草市長 上天草市長の川端です。今日は県南地域の活性化のシンポジウムにお招きいただきまし て、ありがとうございます。天草から八代、人吉へ、多くの人が移ってらっしゃいまして、 戸籍上は4万人という数字もあるようですから、是非、交流を今後とも続けさせていただ きたいと思います。 私ども自治体の最大の課題は、皆さん方、共通の過疎化でございます。過疎化をどう、 やっつけるかと言ったら、一言、経済でありまして、まさしく今日のテーマが、私の自治 体、上天草が抱えている最大のテーマでございます。今日は、大先輩の市長の方々の話を 聞いて、なんか似ているなという感じがいたしました。私達の自治体の経済の立て直しは 2つに、今、絞っておりまして、1つは食です。六次産業化をつうじた食の展開。そして、 もう1つは観光です。この食と観光という2つの車輪を回しながら、上天草は、経済を立 て直して、活性化して、そして雇用、所得、これを増やしていこう、定住人口を増やそう と、そういう戦略を描いているところでございます。 食については、色々とお話があったのですが、私どもも、加工場を作ったり、開発をし たり、あるいは、東京、大阪、色々な所へ行って販売し、ルートを開拓したり、色々なこ とをやっております。 観光についても、色々、考えたのですけれど、観光というのはイメージ戦略ということ だと思っておりまして、先ず、上天草のイメージを立て直すと、いいイメージを持ってい ただくということで、イメージ戦略というのを重視しております。東京、大阪に地下鉄に ピクチャーボードを貼ったり、あるいは、新しいイメージとして、ジャズコンサートを何 回となく開いたり、あるいは、新しいやり方で「オーベルジュ」というのがありまして、 地域の食材をイタリアンやフレンチの形にしてレストランで出し、そこに泊っていただく 「オーベルジュ」というやり方を行いました。それから「マルシェ」これは市場ですね、 そういうことや「山ガール」など、色々なことを戦略的に仕掛けております。その中から、 バントヒットのようにクリーンヒットではなくても、いくつかヒットを重ねながら、時た ま、2塁打、3塁打を打つことによって、1つの大きな流れが出来ればと思っております。 その中で、私がすべき仕事だと思っているのが、 「オンリーワン」あるいは「ナンバーワ ン」戦略ということを考えなければいけないと思っているのです。秘書と一緒に、バカ話 もしながら、やりとりをしているのですけれども、何が日本にナンバーワン、あるいは、 オンリーワンになるのか、今、考えておりまして、その中の3つをご紹介します。 1つは、水上離発着の遊覧セスナ機です。今、私達のところに導入しようかと、内々で 動いているのです。アメリカのセスナ社と。海上に着水し、海上から離陸する。そして、 天草、雲仙あたりを30分くらい回ってもらい、いい景色を見ていただいく。天草で遊覧 船が飛んでいる、そういう構想が1つ。 それと、もう1つが、海上から山手にかけての40キロくらいをロープウェイでつなご うかという構想も描いておりますが、これは全額で50億くらいかかりますから、少し難 しいかなと思っております。ただ、海上をロープウェイで行くというのは、素晴らしい景 観だと思いますので、今、検討しております。 もう1つが、別荘地の開発なのですけれども、日本の超富裕層、あるいは世界の超富裕 層。1棟あたり、10億から30億ぐらいの別荘を30棟くらい建てて、そこに世界のセ レブを呼ぼうじゃないかという構想も少し考えておりまして、1棟あたり30億だったら 30棟で900億円。固定資産税で1.4%入りますから、毎年12億入るわけです。そ ういう、まあ、本当に冗談みたいなことですけれども。面白おかしく、知事の夢という言 葉を借りれば、当てはまるのではないかと思います。 ○桑原教授 天草の二人の市長から、県南地域との連携も視野に入れながらの地域活性化策について、 お話をいただきました。そうしたお話も踏まえまして、八代、人吉、水俣の三人の市長か ら、天草地域との連携も含めたお話を伺いたいと思っています。 歴史的あるいは文化的に考えますと、県南地域というのは、天草と非常に関わりの深い 地域だったと思いますが、最近は、なかなか、必ずしもそうではない。先程、天草との航 路の話をしましたが、この何年かの間に、八代あるいは水俣と結ぶ船の便も休止になった り廃止になったりというのもありますし、多くの人達は天草架橋を通って、三角・宇土経 由で熊本市に行ってしまうというような人の流れもあるように思いますが、そうした中で、 天草も含めた県南地域の振興をどうお考えになっているか、順番に、ご発言をお願いした いと思います。 ○福島八代市長 八代海を挟んで、上島の東海岸、述べますと、阿村、牟田、姫戸、高戸、龍ヶ岳は、非 常に、八代とは昔から縁が深い。私の高校の同級生もたくさんおりますし、また、その地 域から八代にお嫁に来た人がたくさんいらっしゃいます。当時は、定期船が頻繁に通って おりました。昭和32年、昭和の大合併の時に、この地域の一つが、八代市と合併する寸 前までいったと、聞いておりますが、それほど天草と八代は縁が深い。八代の蛇籠港とい う港町があり、当時は、大変、賑わっておりましたが、昭和40年代、所謂、天草五橋が 完成したと同時に、天草は熊本の経済圏ということに、残念ながらなってしまいました。 先程、桑原先生が、嬉しいことをおっしゃいました。 「天草から八代を見たら目の前だった。」 そのとおりです。特に、阿村や牟田から見たら、目の前に八代はあるのです。 「お~い」と 言ったら「なんだい」と返って来る程です。天草の対面の八代は、新幹線も開通している。 高速道路も開通している。安田市長が、本渡から熊本県庁へ行くのに120分かかるとお っしゃいましたが八代を経由すれば、かなり早い。つまり、八代と天草に橋を架けてはと いう話です。目の前ですから。費用は、20年前は2,000億かかると言われた。それ が、今、場所を変えて橋げたを低くする構造だと800億で出来るという話なのです。し かし、なかなか、熊本県では費用対効果を見直し聞いてくれない。今日はいい機会、こう いう機会はなかなかありませんので、費用対効果の他に、防災の問題等、メリットがたく さんあるのです。是非、知事には、お持ち帰りをいただきまして、ご検討をいただくよう にお願いをしたいと思います。それだけ、天草の活性化に八代が担うところが、たくさん あると言うこと。 「おーい」と言ったら「なんだ」と聞こえるくらい、近いところにあると いうことを、是非、皆さんと一緒に再認識をしたいと思います。 ○桑原教授 はい、蒲島知事にお願いします。 ○蒲島知事 記憶が鮮明なうちに反論しておかないといけませんので。 「橋が出来ないから何も出来ない。800億円で出来るのに、橋を造らないから」とい う話でございますけれども、私も同じことを考えたことがあります。 「何故、鉄道を空港ま で引かないのか」と。肥後大津駅から空港まで鉄道を引くといくらかかるのか聞いたら2 00億円だったのです。200億円を使うより、私が考えたのは、肥後大津駅から空港ま で、無料のタクシー、ただで使えるタクシーを、どんどん、飛行機に合せて出す。その経 費は年間2,000万円なのです。2,000万円で1,000年かけて使うと、ちょう ど200億なのです。鉄道は1,000年すると、何回もレールを換えなければなりませ ん。同じように、この問題もそうだと思いますけれども、無料の海上タクシーを、とりあ えず作っておいて、交流人口を高めて、最終的にその800億なり2,000億の橋を造 るという2段構えで考えた方がいいのではないでしょうか。橋がないから何も出来ないじ ゃなくて、橋が出来るまでの期間、何か考えてみる。私が、そうしたのが空港と肥後大津 駅の無料タクシーであります。皆さんも、是非、ご利用ください。 ○桑原教授 ありがとうございました。それでは田中市長、お願いします。 ○田中人吉市長 皆さんご存知でしょうか。戦国中期までは、この八代も芦北・水俣、そして天草も全部、 相良家の所領であったのでありました。ですから、戦国中期まで戻るということが、一番、 早く県南の振興に役立つのではなかろうかと、先程から、お話を聞いて思っていたところ です。インフラには大変、お金がかかりますが、熊本県は九州縦貫自動車道が縦に走って います。やはり横線を充実して、グランドクロスを作っていかなければならない。それは 阿蘇においても一緒だと思うのです。あの57号線は、非常に混雑していますが、今度は、 それを西に延ばして、天草まで、やはり横軸の高速道路が必要であると、私は、日ごろ考 えているところでございます。 さて、この天草を西として、東の水上村まで、この市町村が結束をしていくためには、 先程は、1つの共通項として食料があると申し上げました。今後の世界戦略というのは、 言わずもがな、水と食料とエネルギーであることは、もう皆さん、ご承知のことだろうと 思っております。ですから、この食料を成長戦略と、とらまえるかどうか。そして、この 食料を、しかも、戦略物資としてとらまえるかどうかということで、大きく政策は転換す るだろうというふうに思っております。これを戦略物資としてとらまえて、所謂、豊かな 海の天草から、そして海抜1600メーターの水上まで、多種多様な農産物で、先ずは、 連携をしていくということが、私は大切ではなかろうかと思っております。それも企業誘 致というか、中央から、この地域にやって来るということではなく、我々こそが、起業を 起こしていく必要もあるのではなかろうかと思います。30数年前でしたか、大分県の大 山町の農業協同組合では、 「売ってハワイへ行こう!」と、立ち上げて、多いに成果を上げ ておられましたけれども、実は、人吉市においても、今後、梅というのは非常に重要な戦 略物資になってくると思います。というのが、中国では、今、梅酒が飛ぶように売れてい るのです。ですから、人吉の球磨焼酎と梅で梅酒を作って、これを、どう戦略物資にする か。それから、人吉・球磨地方の栗というのは全国から、是非、購買をしたいという話が ある。これも人吉・球磨地方の大きな産物であります。そういう、それぞれの市町村の特 色、個性を、いっぺん、ずらっと並べてみて、連携しながら統一ブランドとしてアジア、 日本戦略を練っていくと、いうことが、最も大切なことだと私は考えているところでござ います。ありがとうございました。 ○桑原教授 ありがとうございました。それでは、宮本市長、お願いいたします。 ○宮本水俣市長 今、天草の市長方から話がありましたけれども、何が天草と連携出来るかと考えており ましたら、やはり1つは豊かな海をとおしての連携だと思っております。今も人吉市長か らお話がございましたけれども、連携をしながら新たな製品を作っていく、あるいは加工 場を設置していく、そういった連携が1つはあるかと。 それから、私のところで、熊本大学と共同で開講しております、 「みなまた環境塾」とい うのがございます。それを、天草市の方が受講され、エコ関連商品の開発をして天草で販 売されているということもございます。 もう1つは、やはり観光面だと思っております。この観光面につきましては、今、水俣 から、鹿児島県の長島を経由して、天草に渡るという状況でございますので、所謂、新た な観光ルートの開発が出来ないかということも、考えていかなければならないと思ってお りますし、教育旅行のモデルコースとしての水俣の環境学習、それと御所浦の体験学習等 と組み合わせて、新たな観光コースとして出来ないか。そういったところを模索していか なければならない。要は、天草と連携が出来るとすれば、やはり、豊かな海に関連するこ とと、観光であるというふうに思っております。以上です。 ○桑原教授 ありがとうございました。宮本市長から環境学習のお話がありましたが、そういう観点 から見ますと、県南地域も、例えば、人吉・球磨、八代には球磨川が流れていて、その球 磨川は川辺川ダムという巨大ダムの計画が白紙撤回された。あるいは、荒瀬ダムが日本で 初めてダムが撤去されるというような点。やはり、これも、大きな環境学習の場になる可 能性があるのではないかと思います。天草では、太陽光発電等の再生可能エネルギーへの 取組みも進められていると伺っておりますので、そうした色々な観点から、天草も含めた 連携が可能かと思います。安田市長からもう1回、発言の機会があればというお話でした。 天草市長、上天草市長、それぞれ、お願いします。 ○安田天草市長 ありがとうございます。先程、少し申し足りないところでは、この県南地域で連携をし ていこうという時に、やはり人材だろうと、私、思っているのです。最終的には。自治体 同士の人事交流、先程、水俣の市長から「うちの環境塾を天草の方が受けてくれました。」 というお話がございましたけれども、この際、人事交流も、大変、大切だろうというふう に思っているのです。 先程、最高学府は高校までと言いました。その高校生は卒業後、98%ほとんど全部、 外に出ていくのです。その人達が、帰って来るチャンスを、もし、いただけるとするなら ば、天草に、これはバーチャルでもいいと思うのですが、人材を育成する大学を、是非、 サテライト方式でもいいから、持って来ることができないか。あるいは、皆さん方と一緒 に人事交流を図りながら人材の育成が出来ないかと考えているところです。 京都大学経営管理大学院の皆さんが、そういったことを「やろうよ!」と。この地元に あるものを使って起業出来る人材を育成していこうと。これは、 「行政マンも民間の人も一 緒だ。」という話で、今、推し進めております。その学会を、これは世界中で行われている わけですが、今年はスウェーデンでありますけれども、その学会を「来年は天草でやる」 いうことで、京都大学の大学院も“えらい”がんばっていただいています。こういう学問 と言いますか学ぶ場といったものを、提供していく。職員もそれに携わって一所懸命、勉 強していく。その中で、職員の中から「こういう連携がいいのではないか。」というアイデ ィアもいただきながら、今後、県南地域の浮揚のためにがんばっていきたいと思っており ます。 ○桑原教授 ありがとうございました。それでは、川端市長、お願いいたします。 ○川端上天草市長 この前、うちのある小学校の学校長と話をしておりまして、小学生に「あなたの夢は何 ですか?」と聞いたらしいのです。そうしたら、ほとんど夢がないそうですね、今の小学 生。ある子は、 「公務員になりたい。」と言ったと。 「何で?」と聞いたら「安定しているか ら。」ということだそうです。だから、「ああ、こんな時代なのかなあ」というふうに思い まして、やはり、日本人に欠けてきたのが、冒険心なのかなあと思いました。 私ども、自治体経営にとって必要なのは、今、安田市長が言われたとおり、まさしく人 材だと思うのですけれども、最終的に、そういった人材がどれだけいるかによって、自治 体が浮き上がるのか、沈むのか、そういうことに関わってくるのかなあと思ったところで す。そういう人材を、私達も発掘する、あるいは、動機づけて、 「がんばろう。がんばろう。」 ということを伝えていかなければならないし、知事が言われるように、常に夢を語れる、 そういう政治の在り方を、やはり、私ども、していかなければいけないのかなあと思いま した。 特に、日本が現在、こんな感じで、非常に厳しい、閉塞感がありますから、是非、ここ から抜け出して、県南地域がこれから発展していけば、日本国家再生の1つのモデルにな りはしなかというふうに思いまして、今日も大先輩の市長方と話しながら、知事ともお話 させていただいて、大変、有意義な気がいたしたところでございます。是非、皆さん共に 県南地域が発展することを祈りまして、最後のあいさつとさせていただきます。 ○桑原先生 5人の市長から、それぞれの地域の連携に向けてのご発言をお願いしたところでありま す。それぞれ、一緒にやろうというご発言もありましたが、一方で、これは県にお願いし たいとか、県に支援してもらいたいというご意見もたくさんありました。 そこで、市町村と連携をとって、これから県南地域の振興を図っていきたい、とおっし ゃいました蒲島知事に、今度は、逆に、県の方から市町村に求められることをおっしゃっ ていただけたらと思います。 ○蒲島知事 県は、私がマニュフェストで約束したとおり、県南振興をやります。これは、一緒にや ることが、とても大事です。 「県がやるから、自分達は、ただ、それを待っている」という、 その態度がなければ、その態度は、多分、ないと思いますけれども、自分達で勝ち取る。 その気持ちがあって、そして、県も一緒にやろうという。そういう体制が、一番、私はこ れから望ましいと思うのです。県でやれることは、1つ1つの市町村の目的を達成するこ とではなくて、それぞれの目的、どういう形で、われわれが、その手を差し伸べることが 出来るか。あるいは、一緒にやることが出来るか、ということだと思うのです。だから県 は絶対に県南振興をやりたいと思っています。県南振興のために、それぞれの市町村が何 をやりたいかというのを明確にして、県と一緒にやる。そのために、県知事としても、も ちろん、ご相談は乗りますけども、今、振興局も、その気持ちがいっぱいです。もし、振 興局に「自分達は、このようなことをやりたい。」と「県が、是非、こういうことやって欲 しい。」といった時に、 「最初から出来ません。」というような、県の振興局の職員であれば、 是非、私の方に言って欲しいと思います。一番、大事なことは「出来ないと思わない。」と いうことが、とても大事なことなのです。「国のせいにしない」とか、「皿を割ろう」と。 そういう積極姿勢を県庁全体に浸透させておりますので、その流れの中で、 「自分達はこう いうことやりたい。」と。先程、オリーブの話も出ましたけれども、そういう積極的な協力 関係、これを是非、各市町村長にお願いしたい1つ。 2つ目は、例えば、観光客でも、それぞれが奪い合う前に、協調して人々を呼び込むこ と。パイを一緒になって増やすこと。これが、とても大事だと思うのです。だから、県南 の地域にパイをたくさん増やそうと、そのために、熊本市のコンベンションシティもパイ を増やすためには役に立つという形で積極的に評価しました。パイを増やした中に呼び込 んでいくと。それが協調だと思うのです。だから協調の部分でパイを広げる。そして、競 争しながら自分の所に呼びこんでいくと。そこが、私は協調と競争の、大変、おもしろい ところではないかなと思っています。 そうやって県をこれまでと同じより、これまで以上に利用して欲しいし、それから県も 県南の振興のためには、最大限やりたいと思っているのです。でも、全てが、そこで理解 出来るわけではありませんので、自分達の夢を県にぶつけて欲しい。振興局を十分に利用 して欲しい。そのための振興局でなければと思っています。是非、そのような形で、市町 村長の方々へお願いして、私の今回のリクエストを終えたいと思います。 ○桑原先生 5人の市長と蒲島知事に、これからの県南地域の活性化について議論をしていただきま した。蒲島知事も政令市の次は県南だとおっしゃいました。5人の市長に知事を加えた連 携が一層、強化されて、県南地域が一層、発展して浮揚してくことを期待したいと思いま す。そのために、今日、おいでの皆さんの連携を期待したいと思います。 本日のシンポジウムと、それから、パネルディスカッションの取りまとめを共同メッセ ージという形でまとめたいと思います。パネリストを代表して、ご当地の福島八代市長か らお願いしたいと思います。 ○福島八代市長 共同メッセージ ・熊本県において作成された「政令指定都市誕生後の県内各地域の将来像」に掲げられた 「県南地域」の「位置付け」「将来像」「主な取組みの方向性」について、地域としても 県と連携して取り組んでいくという方向性で一致した。 ・また、熊本市の政令指定都市への移行を千載一遇のチャンスと捉えつつ、熊本市周辺部 への一極集中が進むことも予想され、県南地域において、今後、どのように地域振興、 活性化を図っていくか共通の喫緊の課題であり、また、県の均衡ある発展のためには、 県南地域の浮揚が不可欠という認識で一致した。 ・さらに、八代海で繋がる天草地域についても、商業・生活圏であった歴史を踏まえ、6 次産業化等による農林水産業の振興や魅力ある観光拠点のルート整備という観点から、 将来的に広域的な圏域としての地域振興について、連携して取り組むという方向性を確 認した。 ・人口減少や少子高齢化、経済のグローバル化等の社会環境の変化を見据えつつ、東アジ アを視野に入れた戦略による今後の地域活性化を図るためには、経済浮揚に資する事業 や新たな雇用創出に資する事業、交流人口増加に資する事業等が必要不可欠であり、そ の実現のため、先ずは、県南地域としての連携及び県との連携を綿密にするための組織 づくりに取組むこととする。 以上、本日の県南地域活性化シンポジウムの共同メッセージとします。 ○最後は、今後の連携を確認するために、パネリスト全員で、しっかりと手を組み、写真 撮影を行った。