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多義性とカテゴリー構造 - 神戸大学大学院人文学研究科・神戸大学文学部

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多義性とカテゴリー構造 - 神戸大学大学院人文学研究科・神戸大学文学部
育
22
2
3
国
広
哲
弥
凡社.
国広哲弥
(2 ∞5H アスペクト認知と語義
内道子編
日本語の様態副詞と結果副詞を中心として
f副詞的表現をめぐって一対照研究
国広哲弥
(2 ∞6aH 日本語の多義動詞一理想、の国語辞典
国広哲弥
(2 ∞6bH ソシュール構造主義は成立しない
2
0
.
年報.I
L
e
e
.D
a
v
i
d(2 ∞1)
J 武
多
義
性
と
カ
テ
ゴ
リ
ー
構
造
j ひつじ書房.
II .I大修館書店.
J r 日本エドワード・サピア協会研究
日
本
エ
ド
ワ
ー
ド
・
サ
ピ
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協
会
C
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n
i
v
e
r
s
i
t
y
P
r
e
s
s
.
茂
木
健
一
郎
(2004)
宮
崎
清
孝
・
上
野
直
樹
r脳
の
中
の
小
さ
な
神
キ
(1985)
柴
回
武
編
(2002)
柴
田
武
編
(2 ∞3
H こ
と
ば
の
意
味
梅
津
八
三
(1970)
j 柏
書
房
松
本
曜
r視
点 j (
認
知
科
学
選
書
1
)
東
京
大
学
出
版
会
rこ
と
ば
の
意
味
辞
書
に
奮
い
て
な
い
こ
と
j (
平
九
社
ラ
イ
ブ
ラ
リ
ー
)
平
凡
相
.
2ー
辞
書
に
書
い
て
な
い
こ
と
I盲
ろ
う
児
の
言
語
行
動
の
形
成
J (
平
凡
ね
ラ
イ
ブ
ラ
リ
ー
)
平
凡
社
.
J r言
語
の
科
学
J 2.
東
京
言
語
研
究
所
.
1
辞
書
言語には、複数の意味をもっ語が非常に多く存在する。例えば「目」がそ
林
巨
樹
監
修
(
1
松
村
明
編
985)
r現
代
国
語
例
解
辞
典
(2 ∞6
H 大
辞
林
J 第 1 版
.
小
学
館
うであり、その意味のうちいくつかを例文で示すと、以下のとおりである。
j 第3版
.
三
省
堂
.
C
I
)a
.
例
文
出
典
佐
野
真
一
はじめに
(1996)
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す
る
巨
人
一
宮
本
常
一
・
渋
沢
敬
三
{
彼
/
フ
ク
ロ
ウ
}
は
目
が
大
き
い
b
. 彼
女
は
目
が
い
い
j 文
義
春
秋
.
C( 人
間
・
動
物
の
視
覚
器
»
)
C( 視
力
»
)
C
. 彼
は
彼
女
か
ら
目
を
離
し
た
C( 視
線
»
)
d
. さ
い
こ
ろ
の
目
/
台
風
の
目
C( 形
な
ど
が
目
に
似
て
い
る
も
の
»
)
こ
の
よ
う
な
「
多
義
語
」
の
存
在
は
、
言
語
の
暖
昧
性
を
生
む
原
因
と
し
て
否
定
的
に
見
ら
れ
る
向
き
も
あ
る
。
し
か
し
、
l つ
の
語
が
複
数
の
意
味
を
も
つ
こ
と
は
言
語
に
お
い
て
ご
く
自
然
に
見
ら
れ
る
こ
と
で
あ
り
、
ま
た
、
無
秩
序
に
I つ
の
語
に
複
数
の
意
味
が
あ
る
わ
け
で
は
な
い
。
む
し
ろ
、
ど
の
よ
う
な
形
で
多
義
語
が
成
立
し
て
い
る
か
を
調
べ
る
こ
と
は
、
意
味
の
性
質
を
理
解
す
る
た
め
に
重
要
な
こ
と
で
あ
る
と
言
え
る
。
多
義
語
の
意
味
を
考
察
し
て
い
く
と
、
い
く
つ
か
の
重
要
な
疑
問
に
ぶ
つ
か
る
。
ま
ず
、
ど
の
よ
う
な
場
合
に
別
個
の
意
味
を
認
め
る
べ
き
な
の
で
あ
ろ
う
か
。
(
I
「
目 J が CIa)
且盆
の
「
日
」
と
は
異
な
る
意
味
で
あ
る
こ
と
は
理
解
し
や
す
い
と
思
わ
れ
る
b-d)
の
24 一一松本線
多義性とカテゴリー構造
Zラ
が、(l a) の「人の目」と「フクロウの目 J は同じ意味の「目 j であろうか、
る (Geeraerts (l 993) など)。しかし、適切な使い方をすれば、これらのテス
異なる意味の「目 j であろうか。また、どのようにすればそれを確かめるこ
トはきわめて有効である(松本(準備中))。
とができるだろうか。また、同じ「目」という語が(l a-d) の意味を併せも
つのはどうしてだろうか。多くの言語において、
(la) の意味をもっ名詞が
個別義の認定テストは、大きく分けて、個別義の分雛可能性を調べる分離
テストと、統合可能性を調べる統合テストに分けられる l。
(lb-d) のような意味を併せもっており、意味派生のパタンの存在を物語っ
ている。そのような派生のパタンとはどのようなものなのであろうか。さら
2
.
1 分離テスト
に、多義語の複数の意味は、 1 つの語の意味として 1 つのまとまりをもって
分
離
テ
ス
ト
の
代
表
的
な
も
の
は
、
同
じ
語
を
異
な
る
意
味
で
用
い
た
場
合
に
真
偽
が
いるはずである。複数の意味が 1 つのカテゴリーを構成しているのなら、そ
独
立
し
て
い
る
こ
と
を
利
用
す
る
も
の
で
あ
る
。
そ
の
中
で
も
よ
く
使
わ
れ
る
も
の
は
、
れはどのような構造をもっているのだろうか。
一
方
を
肯
定
し
て
他
方
を
否
定
す
る
こ
と
が
で
き
る
か
ど
う
か
で
あ
る
本章では、このような多義性の問題について、認知意味論と呼ばれる意味
129)
。
例
え
ば
、
dog
論の立場から検討していく。認知意味論とは、意味の問題を、人の外界認識
よ
う
に
、
同
ー
の
個
体
に
つ
い
て
、
を反映したカテゴリー化の問題として考えるアプローチである(松本 (2003)
が
で
き
る
。
を参照)。多義性の問題は、様々な事象の中で、何と何を同じと見なしてい
多
義
と
認
め
ら
れ
る
。
(Quine
に
は
〈
犬
〉
の
意
味
と
(
雄
犬
〉
の
意
味
が
あ
る
た
め
、
dog
(3)
で
あ
る
こ
と
を
肯
定
し
、
ま
た
否
定
す
る
こ
と
の
「
起
き
る
」
ゃ
「
学
校
」
に
つ
い
て
も
こ
れ
が
可
能
で
、
こ
れ
ら
は
るのか、何と何を似ていると見なしているのか、また、何と何を関連してい
ると見なしているのかという、人の外界認識の問題と密接に関わっている。
(
2) L
a
d
yi
sad
o
gb
u
ts
h
ei
sn
o
tad
o
g(
b
u
tab
i
t
c
h
)
.
その点で、認知意味論のアプローチは多義性に関して興味深い考察を可能に
(3)a
. 太
郎
は
起
き
て
(
=
目
覚
め
て
)
い
た
け
ど
、
(
横
に
な
っ
て
い
て
)
起
き
て
(
=
すると思われる。
身
を
起
こ
し
て
)
は
い
な
か
っ
た
。
b
. 学
校
(
=
校
舎
)
が
な
く
て
も
学
校
(
=
学
校
活
動
)
は
あ
る
。
2
個別義の認定と階層性
まず、基本的なこととして考えたいのは、どのようにしてひとつひとつの
意味(個別義)を区別するかである。異なる辞書を比較すると、同じ語に関す
(
こ
の
よ
う
な
文
は
紛
ら
わ
し
い
文
で
あ
る
た
め
、
普
通
に
発
話
さ
れ
る
こ
と
は
少
な
い
で
あ
ろ
う
が
、
論
理
的
な
テ
ス
ト
と
し
て
解
釈
が
可
能
で
あ
る
点
が
重
要
で
あ
る
。
)
別
個
の
意
味
を
認
め
ら
れ
な
け
れ
ば
、
矛
盾
が
生
じ
、
容
認
不
可
能
と
な
る
。
例
え
る意味の分け方が一致していないことが多いのが分かる。意味を細かく分け
ば
、
前
述
の
「
目
j に
つ
い
て
は
)
の
よ
う
な
文
を
作
り
、
「
こ
れ
は
フ
ク
ロ
ウ
の
目
だ
か
ているものもあれば、大きくまとめているものもある。意味論的な分析にお
ら
目
だ
が
、
「
人
間
の
目
いても同じような差異が見られることがある。
は
で
き
な
い
。
フ
ク
ロ
ウ
の
「
日
」
も
人
間
の
「
目
」
も
、
意
味
が
同
じ
だ
か
ら
で
あ
る
。
J と
い
う
時
の
目
で
は
な
い
」
と
い
う
意
味
を
も
た
せ
る
こ
と
それでは、どのように個別義を認定すべきであろうか。以下では有効と思
われる言語テストを検討し、その結果を考察する。これらのテストの適用に
は難しい点があり、認知意味論者の中にはその使用に関して否定的な者もい
(4) (フクロウの日を指して)
・これは目だが(フクロウは人間ではないから)目ではない。
1
9
6
0
:
(2) の
26 一一松本曜
2.2
多
義
性
と
カ
テ
ゴ
リ
ー
術
統合テスト
ま
と
め
る
こ
と
が
で
き
る
と
言
え
る
。
し
か
し
、
合
格
し
な
か
っ
た
場
合
は
、
そ
の
の
用
例
が
次に、 2 つの意味が統合可能かどうかをテストするものとして、同時使
i畳一一四
27
2 つ
1 つ
の
意
味
に
ま
と
め
ら
れ
な
い
、
と
は
す
ぐ
に
は
結
論
で
き
な
い
。
合
格
し
用、省略、照応のテストがある。ここでは、同時使用と照応について解説す
な
か
っ
た
こ
と
に
他
の
理
由
が
な
い
か
ど
う
か
を
確
か
め
な
け
れ
ば
な
ら
な
い
。
例
え
る。まず、同時使用は、 I つの語に 2 つの異なる意味を同時に担わせること
ば
、
「
ボ
ー
ル
を
打
つ
ができないことを利用したものである。例えば、「打つ J は、「次郎の顎j を
合
格
し
な
い
。
こ
れ
は
等
位
接
続
す
る
た
め
に
必
要
な
文
脈
的
制
約
を
満
た
し
て
い
な
い
目的語とする場合は、〈手あるいは手に持つ道具で[目的結他の物体に]物理
こ
と
に
よ
る
(
ボ
ー
ル
と
ホ
ー
ム
ラ
ン
の
異
質
性
に
よ
る
)
。
等
位
接
続
で
は
な
い
的なダメージを与える〉という意味で使われ、「次の対策 J を目的語とする
の
よ
う
な
文
な
ら
可
能
で
、
こ
の
J と
「
ホ
ー
ム
ラ
ン
を
打
つ
」
は
(7a)
で
は
同
時
使
用
テ
ス
ト
に
(7b)
2つ
の
用
例
が
統
合
可
能
で
あ
る
こ
と
を
示
し
て
い
る
。
場合は、([目的語作戦などを]講じる〉という意味で使われる。この 2 つの目
(7)a. ・野球のボールとホームランを打った。
的語を (5a) のように等位接続した場合、「打つ j は 2 つの意味を同時にもつ
b
.
ことになり、容認できなくなる。同時使用は等位接続以外でも利用できる。
ホ
ー
ム
ラ
ン
ど
こ
ろ
か
そ
も
そ
も
野
球
の
ボ
ー
ル
を
打
っ
た
こ
と
が
な
い
。
(5b) がその例である。
2
.
3
(5)a.
分
離
・
統
合
テ
ス
ト
の
結
果
の
相
違
と
意
味
の
階
層
性
き
て
、
分
離
テ
ス
ト
と
統
合
テ
ス
ト
の
結
果
か
ら
言
え
る
こ
と
は
、
分
離
テ
ス
ト
の
方
・太郎は、次郎の頬と次の対策を打った。
が
細
か
く
意
味
を
認
定
す
る
こ
と
で
あ
る
。
例
え
ば
、
b.?? 次の対策は、次郎の頬と同じくらい、打つのが難しい。
(8a)
で
は
、
〈
手
で
捉
え
る
〉
と
(
[
目
的
語
内
容
を
]
理
解
す
る
〉
の
意
味
が
分
離
可
能
で
あ
る
こ
と
を
示
し
て
い
る
が
、
(8b)
このような無理矢理つなげたような表現はくびき語法 (zeugma) と呼ばれる。
で
は
そ
れ
が
統
合
可
能
で
あ
る
こ
と
を
示
し
て
い
る
。
このテストは、同じ動詞が異なる意味で異なる目的語を取るなど、多義性
(8)a
. こ
の
記
事
の
趣
旨
は
何
と
か
っ
か
め
た
。
も
っ
と
も
、
物
じ
ゃ
な
い
か
ら
、
本
が共起要素の相違と結びついていないと使用できない。そのような共起要素
当
に
つ
か
ん
だ
わ
け
じ
ゃ
な
い
。
を 2 つ用いてテストするからである。
b
. こ
の
記
事
の
趣
旨
は
、
沼
の
ウ
ナ
ギ
と
同
じ
く
ら
い
、
つ
か
み
に
く
い
。
照応は、 it、 do so、「それJ r そうする j などの照応表現が、先行する要素
と同じものを受ける場合にのみ可能であることを利用したものである。 (6)
分
離
可
能
な
の
に
、
統
合
も
可
能
で
あ
る
と
は
ど
う
い
う
こ
と
で
あ
ろ
う
か
。
分
離
テ
は newspaper の〈新聞社〉と〈新聞紙面〉、 school の〈学校経営者〉と〈校
ス
ト
は
分
離
の
テ
ス
ト
で
あ
る
か
ら
、
可
能
な
限
り
細
か
く
意
味
を
分
離
す
る
。
一
方
、
舎〉の意味が統合可能であることを示している。
統
合
テ
ス
ト
は
統
合
で
き
る
か
ど
う
か
の
テ
ス
ト
で
あ
る
か
ら
、
分
離
で
き
て
も
そ
れ
が
統
合
可
能
で
あ
れ
ば
(6)a
. Thenewspaperh
a
sd
e
c
i
d
e
dt
or
e
d
u
c
ei
t
ss
i
z
e
.
l つ
の
大
き
な
意
味
グ
ル
ー
プ
に
統
合
す
る
。
つ
ま
り
、
こ
の
2つ
の
タ
イ
プ
の
言
語
テ
ス
ト
の
結
果
の
相
違
は
、
異
な
る
抽
象
度
の
レ
ベ
ル
で
意
味
の
認
定
b
. Thes
c
h
o
o
ls
a
y
si
tw
i
l
lundergoamajorr
e
c
o
n
s
t
r
u
c
t
i
o
n
が
行
わ
れ
る
こ
と
を
示
し
て
い
る
。
つ
ま
り
、
意
味
の
認
定
は
階
層
的
に
行
わ
れ
る
と
い
統
合
テ
ス
ト
に
合
格
す
る
な
ら
、
テ
ス
ト
さ
れ
て
い
る
2 つ
の
用
例
は
う
こ
と
で
あ
る
。
こ
の
点
は
次
節
の
考
察
を
経
た
後
、
1 つ
の
意
味
に
且企
4節
で
取
り
上
げ
る
。
司F
28 一一松本曜
2
9
多義性とカテゴリー構造
3 個別義の派生
概
念
領
域
に
は
、
空
間
、
時
間
、
状
態
、
感
情
、
コ
ミ
ュ
ニ
ケ
ー
シ
ョ
ン
、
人
生
な
ど
次に、個別義の派生について考えよう。個々の個別義は、基本義を除い
様
々
な
も
の
が
含
ま
れ
る
。
て、他の意味(の用法)から意味の拡張によって派生したものである。その拡
こ
の
考
え
方
に
お
い
て
、
類
似
性
は
決
定
的
な
要
素
で
は
な
い
。
例
え
ば
張にはいくつかの種類があることが知られている。よく知られたものはメタ
「
気
分
は
上
々
」
の
よ
う
に
幸
福
感
が
上
の
方
向
で
表
さ
れ
る
こ
と
を
指
摘
し
、
そ
れ
が
ファーとメトニミーである。この 2 つは、人によって異なる定義で使われる
HAPPYI
SUP と
い
う
概
念
メ
タ
フ
ァ
ー
の
反
映
で
あ
る
と
考
え
る
。
し
か
し
、
幸
福
ことがあるので注意が必要で、ある。以下、 )11員に取り上げる 20
感
と
上
の
方
向
に
は
類
似
性
は
な
い
と
言
う
。
基
盤
に
あ
る
の
は
、
人
が
幸
せ
な
と
き
に
Laka
妊は、
は
胸
を
張
り
上
を
向
く
と
い
う
身
体
的
な
経
験
で
あ
り
、
そ
れ
に
基
づ
い
て
、
心
理
的
な
3
.
1 メタファー
状
態
と
空
間
的
方
向
と
の
対
応
関
係
が
成
立
す
る
の
だ
と
い
う
。
語
の
多
義
性
と
の
関
連
で
重
要
と
思
わ
れ
る
概
念
メ
タ
フ
ァ
ー
と
そ
の
具
体
的
表
現
例
メ
タ
フ
ァ
ー
は
伝
統
的
に
は
類
似
性
に
基
づ
く
意
味
拡
張
で
あ
る
と
さ
れ
る
。
例
え
ば
、
「
目
」
が
〈
形
な
ど
が
目
と
似
て
い
る
も
の
〉
の
意
味
を
も
つ
の
は
、
メ
タ
フ
ァ
ー
を
い
く
つ
か
挙
げ
る
。
に
よ
る
拡
張
の
例
で
あ
る
。
類
似
性
に
は
、
形
状
、
位
置
、
機
能
な
ど
様
々
な
特
徴
に
関
(
1
0
)a 時間関係は空間関係 :2 時から開始する
す
る
も
の
が
あ
る
。
b
. 因
果
関
係
は
空
間
関
係
:
危
機
感
か
ら
そ
う
す
る
し
か
し
、
メ
タ
フ
ァ
ー
に
関
与
す
る
の
は
類
似
性
の
み
で
は
な
い
。
例
え
ば
、
「
き
り
ぎ
り
す
」
は
歴
史
的
に
は
、
コ
オ
ロ
ギ
を
指
す
語
か
ら
キ
リ
ギ
リ
ス
を
指
す
語
へ
と
変
化
C
.
コ
ミ
ュ
ニ
ケ
ー
シ
ョ
ン
は
物
体
の
操
作
:
内
容
が
つ
か
み
に
く
い
し
た
。
こ
れ
に
は
コ
オ
ロ
ギ
と
キ
リ
ギ
リ
ス
の
類
似
性
が
関
わ
っ
て
い
る
が
、
こ
の
よ
う
d
.
心
は
容
器
:
悲
し
み
に
溢
れ
る
,
喜
び
で
い
っ
ぱ
い
e
.
状
態
は
位
置
:
眠
り
に
入
る
;
危
機
か
ら
抜
け
出
す
.
f
結
連
は
係
関
な
変
化
は
一
般
に
は
メ
タ
フ
ァ
ー
と
は
呼
ば
れ
な
い
。
B
l
う
な
例
を
メ
タ
フ
ァ
ー
か
ら
排
除
す
る
た
め
、
メ
タ
フ
ァ
ー
を
ank
(
2
0
0
3
:296)
は
、
こ
の
よ
2つ
の
異
な
る
概
念
領
域
2
: り
が
な
つ
の
件
事
の
つ
に
ま
た
が
る
類
似
性
に
基
づ
く
も
の
と
し
て
い
る
。
認
知
意
味
論
に
お
け
る
メ
タ
フ
ァ
ー
研
究
に
お
い
て
は
、
こ
の
「
異
な
る
概
念
領
域
に
ま
た
が
る
J
と
い
う
側
面
が
重
視
さ
れ
る
こ
と
が
多
い
。
a
k
L す
義
定
て
い
づ
基
に
性
似
類
、
と
合
場
る
す
義
定
を
ー
ァ
フ
タ
メ
に
う
よ
の
妊
Lakaff
ー
ケ
な
う
よ
の
そ
。
る
じ
生
が
違
相
に
例
る
れ
さ
な
見
と
ー
ァ
フ
タ
メ
、
は
で
と
合
場
る
に
よ
れ
ば
、
メ
タ
フ
ァ
ー
表
現
は
、
概
念
メ
タ
フ
ァ
ー
と
呼
ば
れ
る
概
念
領
域
間
の
写
像
関
係
に
基
づ
い
て
い
る
。
Laka
(
1
9
9
3
:206-207»
妊
に
よ
る
概
念
メ
タ
フ
ァ
ー
の
定
義
は
以
下
の
と
お
り
で
あ
る
に
先
。
る
あ
が
現
表
る
よ
に
係
関
像
写
い
な
か
づ
基
に
性
似
類
、
ず
ま
、
て
し
と
ス
(Lakaff
。
HAPPYI
SUP に
お
い
て
そ
の
よ
う
な
写
像
関
係
に
触
れ
た
。
(3a)
の
「
起
き
る
J の
多
義
性
も
こ
の
例
で
あ
る
。
こ
の
動
調
に
は
、
〈
日
を
覚
ま
す
〉
と
〈
身
を
起
こ
す
〉
の
2 つ
の
意
味
が
あ
り
、
こ
の
2 つ
は
覚
醒
と
姿
勢
変
化
と
の
聞
の
時
間
的
近
接
関
係
に
基
(9) 概念メタファー:ある経験の領域を、それとは非常に奥なる別の経験
づ
い
て
い
る
。
そ
の
意
味
で
、
こ
の
意
味
拡
張
は
次
に
見
る
メ
ト
ニ
ミ
ー
に
基
づ
く
も
の
の領域によって理解すること。より正式には、起点領域から目標領域
で
あ
る
。
そ
の
一
方
、
意
味
の
変
化
の
結
果
を
見
る
と
、
肉
体
的
な
姿
勢
変
化
か
ら
覚
醒
への写像関係。
と
い
う
意
識
の
活
性
に
関
す
る
状
態
変
化
へ
と
、
概
念
領
域
が
移
行
し
て
い
る
。
そ
の
意
味で、
Lakaff
の
定
義
に
よ
れ
ば
概
念
メ
タ
フ
ァ
ー
に
よ
る
拡
張
と
言
え
る
。
Radden
冒V
30
松
本
限
(2000)
多
義
性
と
カ
テ
ゴ
リ
ー
構
造
一
は
、
こ
の
よ
う
な
ケ
ー
ス
を
メ
ト
ニ
ミ
ー
に
基
づ
く
メ
タ
フ
ァ
ー
と
呼
ぶ
。
相
違
の
空
間
的
部
分
全
体
関
係
:
長
髪
が
来
た
(
=
長
髪
の
人
)
2 つ
目
と
し
て
、
同
じ
概
念
領
域
内
で
類
似
牲
に
基
づ
く
拡
張
が
起
こ
る
ケ
ー
:
豚
を
食
べ
る
(
=
豚
の
肉
)
場
所
と
機
関
:
永
田
町
で
起
こ
っ
て
い
る
こ
と
(
=
国
会
)
ス
が
あ
る
。
歴
史
的
に
そ
れ
が
起
こ
っ
た
例
と
し
て
は
、
先
の
「
き
り
ぎ
り
す
j に起
こ
っ
た
変
化
が
あ
る
。
場
所
と
出
来
事
.
広
島
、
長
崎
を
繰
り
返
す
な
(
=
原
爆
投
下
・
被
害
)
場
所
で
活
動
:
学
校
は
休
み
(
=
学
校
活
動
)
B:
3
.
2 メトニミー
時
間
的
関
連
性
時
間
的
近
接
性
(
継
起
性
)
メ
ト
ニ
ミ
ー
は
、
伝
統
的
に
は
近
接
性
あ
る
い
は
関
連
性
に
基
づ
く
意
味
拡
張
と
さ
れ
る
。
冒
頭
の
「
目
:
目
覚
ま
し
時
計
で
起
き
る
(
=
目
を
覚
ま
す
)
時
間
的
共
起
性
・
大
問
題
で
頭
を
抱
え
る
(
=
悩
む
)
J の
意
味
に
お
け
る
、
(
人
間
・
動
物
の
視
覚
器
〉
か
ら
〈
視
力
>
<視
線
〉
へ
の
派
生
な
ど
が
そ
れ
で
あ
る
。
日
付
で
出
来
事
:
9
.
11
(
=2001
年 9 月 11 日のアメリカ同時多発テロ事件)
出来事で時間帯:夜明け(=夜が明ける時間帯)
認
知
意
味
論
に
お
い
て
は
、
多
く
の
学
者
が
こ
の
関
連
性
と
い
う
概
念
を
知
識
の
構
造
C: 因果的関連性
と
の
関
係
で
理
解
す
る
。
先
ほ
ど
の
「
目
」
の
例
で
言
う
な
ら
、
日
に
関
す
る
我
々
の
知
生産者で生産品:ソニーを買う(=ソニー製品)
識
の
中
に
身
体
部
位
と
し
て
の
目
と
そ
の
機
能
な
ど
が
含
ま
れ
て
お
り
、
そ
の
中
で
日
と
作者で作品・激石を読む(=激石の作品)
視
力
が
関
連
性
を
も
っ
て
い
る
。
メ
ト
ニ
ミ
ー
と
は
、
そ
の
よ
う
な
特
定
の
も
の
に
関
す
統率者で被統率者.ヒトラーを攻める(=ヒトラーの軍隊)
る
知
識
の
総
体
の
中
で
、
あ
る
要
素
を
別
の
要
素
と
結
び
つ
け
る
こ
と
だ
と
言
え
る
。
こ
道具で使用者:チェロが来ていない(=チェロ奏者)
の
よ
う
な
知
識
の
総
体
は
、
フ
レ
ー
ム
(
L
a
k
o
f
f(987»
ら、
Radden
3
1
(Fillmore
(982»
あ
る
い
は
認
知
モ
デ
ル
と
呼
ば
れ
、
概
念
領
域
と
も
同
一
視
さ
れ
る
。
こ
の
よ
う
な
立
場
か
andK
6
v
e
c
s
e
s0
9
9
9
:2 1)は、メトニミーを次のように定義する。
音で音源・わんわんが来た(=犬)
原因で結果:このドアは重い(=動かしにくい)
感情でそれを誘発する状況:悲しい(=入が悲しくなる)風景
外的兆候で内面心理: (緊張して)固くなる
(
I
1
) メ
ト
ニ
ミ
ー
:
同
じ
領
域
あ
る
い
は
認
知
モ
デ
ル
の
中
で
、
あ
る
概
念
的
存
在
0: 目的・機能的関連性
(
媒
体
)
に
よ
り
別
の
概
念
的
存
在
(
目
標
)
へ
の
心
的
ア
ク
セ
ス
が
提
供
さ
れ
る
と
身体部位でその機能:目がいい(=視力)
い
う
認
知
的
な
プ
ロ
セ
ス
。
機能で物体:姿見(=姿を見るための鏡)、缶切り
メ
タ
フ
ァ
ー
が
異
な
る
概
念
領
域
聞
の
関
係
で
あ
っ
た
の
に
対
し
、
メ
ト
ニ
ミ
ー
は
同
じ
なお、これは関連性の種類であって、メトニミー表現の分類ではない。 I つ
概
念
領
域
内
の
関
係
と
い
う
こ
と
に
な
る
。
のメトニミー表現には複数の関連性が関わる場合があるからである。例え
メ
ト
ニ
ミ
ー
を
生
み
出
す
関
連
性
に
は
以
下
の
よ
う
な
も
の
が
あ
る
。
ば、「頭を抱える」は時間的共起性のほか因果関係も関与している。内面的
な心理状態の結果として外的な行動が生じるからである。
A
:
空
間
的
関
連
性
空
間
的
近
接
性
:
や
か
ん
が
沸
騰
し
て
い
る
(
=
や
か
ん
の
中
の
水
)
また、注意すべき点として、空間的近接性によるとされる例も、単に空間
的近接性のみの考察では不十分である場合が多い。例えば、やかんに水が
司V
32 一一松本畷
多義伯とカテゴリー構造一-33
入っているからといって、常にやかんの中の水を「やかん j と呼べるわけで
てきた。これは普通に受け入れられていることではあるが、常にそうである
はない。「円やかんをコップに注いだ j などは容認度が低い。やかんと水の
わけではない。メトニミー(及びメトニミーに基づくメタファー)の場合、多
メトニミーが成立するのは主に沸騰などのコンテクストにおいてである。こ
くの派生は(意味ではなく)特定のフレームにおける特定の適用例から起こ
れは、やかんの水が沸騰するときは、やかん自体も音を立てたり、蓋が動い
る。例えば、英語の sit には«委員会などの)構成員をなす> «テストなど
たりするため、やかんと水の聞に緊密な一体性があるからである。このよう
を)受ける〉という意味がある。これらの意味は、委員会や試験では着席す
に、〈沸騰〉という特定のフレームにおける近接性を考察しなければならな
ることが一般的であることに基づくものであり、メトニミーによるものであ
し、。
る。ここで、注意すべきことは、この共起性は、委員会や試験というフレーム
の中でのみ成立することである。つまり、座ること一般ではなく、特定の場
3.3
で座ることに基づいて派生が起こっているのである。したがって、これらの
その他の拡張:一般化と特殊化
意味は、 sit の〈座っている〉の意味自体から派生したのではなく、その特
さて、メタファーでもメトニミーでもない意味の拡張も存在する。籾山
定の使用例から生じたのだと言える。
は、メタファ一、メトニミーの他にシネクドキーを挙げる(籾山・深田
(2003» 。籾山の言うシネクドキーは瀬戸 (986) らの定義にしたがったもの
このような例は数多く見出される。「見る・診る」が、「患者を診る J r 手
で、意味の一般化と特殊化をさす。前者は、下位概念から上位概念への意味
相を見る J r荷物を見る」のように、〈診察する> (見て占う> (悪いことが起
拡張のことであり、 cat が猫を指す意味から猫科の動物一般を指す意味を派
こらないように見守る〉などの意味を得るのは、診療、占い、監視のフレー
生させているのがその例である。後者は上位概念から下位概念への意味拡張
ムにおける視覚的行為とこれらの行為の共起性による。また、「固い j は
であり、 dog が犬を指す意味から雄犬を指す意味を派生させているのがその
「初舞台で固くなってしまった」のように、〈動きがぎくしゃくするほど緊張
例である。なお、これらをシネクドキーと呼ぶのは欧米では一般的なことで
している〉という意味をもっ。これは緊張するとき体が閏くなることからく
はなく、多くの学者にとってシネクドキーとは部分全体関係に基づくメトニ
るものである(籾山 (994) )が、この場合のメトニミーも、特定のフレームに
ミーを指す。
おける特定のもの(立体)の固さと心理状態との関連性による。
このような一般化と特殊化には、ある意味で類似性が関与している。一般
このほか、類似性に基づく拡強が基本的意味のカテゴリーの一部から生じ
化は、類似した他の事物にも指示領域を広げることである。メタファーを類
る場合がある。「頭J には「釘の頭 J のように〈物体の最上部〉を表す意味
似性により定義するなら、一般化はメタファーと共通点があることになる
と、「行列の頭J のように〈物体の最前部〉を表す意味があるが、それぞ
(籾山 (998) )。その一方、一般化・特殊化は同じ概念領域内での意味の派生
れ、人間の頭と動物の頭を基礎にした派生と考えられる(松本 (2000) )。この
である。つまり、メタファー、メトニミーを概念領域から定義するなら、こ
人間の頭と動物の頭は、同じ意味の「頭」の異なる適用例である。
れらはメトニミーと共通点があるということになる。
3.4
4 多義語のモデル
適用例ベースの意味派生
以上の考察を踏まえた上で、多義語の全体的構造がどのように構成されて
さて、以上の議論では、意味の派生が別の意味から生じるように話を進め
~
34
•
松
本
暇
多義性とカテゴリー構造ーーヨラ
い
る
か
に
つ
い
て
考
え
よ
う
。
こ
こ
で
は
、
語
の
多
義
構
造
を
、
そ
こ
に
関
与
し
て
い
る
Lindner はこのような異なる意味聞の共通性を捉える意味をスキーマと呼
拡
張
の
タ
イ
プ
(
メ
タ
フ
ァ
ー
と
メ
ト
ニ
ミ
ー
)
ご
と
に
検
討
し
た
上
で
、
そ
れ
を
ど
の
よ
び、それを階層的に認定して語義のネットワークを構築する。そのネット
う
に
モ
デ
ル
化
で
き
る
か
を
考
察
す
る
。
ワークの一部を Langacker のモデルを使って表すと図 l のようになる。上
位のスキーマは下位のものをスキーマ化(抽象統合)したものである。下位の
4
.
1
ス
キ
ー
マ
と
拡
張
の
ネ
ッ
ト
ワ
ー
ク
意味では、左側のものから右側のものへと拡張が起こっていることを示して
いる。それぞれの意味はどのような形でも表示できるが、ここではイメージ
2節
の
語
義
認
定
テ
ス
ト
の
結
果
か
ら
導
き
出
さ
れ
た
意
味
の
階
層
性
は
、
近
年
の
認
知
意
味
論
的
な
研
究
で
明
ら
か
に
な
っ
て
き
た
こ
と
と
一
致
す
る
。
多
く
の
学
者
は
、
特
図式を用いる。移動物をグレーの円で、参照物を斜親で塗りつぶした円で示
に
類
似
性
が
関
わ
る
多
義
性
の
場
合
に
、
抽
象
的
な
意
義
と
具
体
的
な
意
義
と
の
両
方
を
す。移動物は移動後の位置で示す 30
認
め
、
意
味
を
階
層
的
に
認
定
す
る
と
い
う
立
場
を
取
る
。
そ
の
例
と
し
て
、
(1 982)
Lindner
の
英
語
の
前
置
詞
・
不
変
化
詞
out
の
分
析
が
あ
り
、
そ
の
分
析
は
後
の
Lan­
g
a
c
k
e
r(1 99 1)のネットワークモデルへと発展する。ここでは
Lindner
析
を
修
正
し
な
が
ら
解
説
す
る
。
ま
ず
、
以
下
の
多H
の
分
3 つ
の
文
を
考
え
て
み
よ
う
。
...--、
物。
(
12
)a
. B
i
l
lwento
u
t
u
t
.
c
. The{
s
y
r
u
p
/
c
r
o
w
d
}s
p
r
e
a
do
で out
り
、
こ
れ
が
2a)
。ー。お空。ト+。
(
1
2
a
)
(
1
2
b
)
図 1
の
基
本
的
な
意
味
(
用
法
)
だ
と
思
わ
れ
る
。
(
1
2b)
2b)
か
ら
派
生
し
た
も
の
と
考
え
ら
れ
、
ま
た
こ
の
2 つ
の
聞
に
は
共
通
点
が
見
出
か
ら
外
へ
移
動
物
が
移
動
す
る
と
い
う
こ
と
で
あ
る
。
(
1
2c)
で
は
事
情
が
や
や
異
な
2a.
b) の
く
あ
る
領
域
〉
に
相
当
し
、
そ
の
内
部
か
い
。
す
べ
て
の
意
味
に
共
通
し
た
1 つ
の
意
味
(
最
上
義
)
が
抽
出
で
き
る
の
な
ら
、
そ
れ
実
際
の
と
こ
ろ
、
多
く
の
場
合
、
最
上
義
は
意
味
が
抽
象
的
・
包
括
的
す
ぎ
て
、
実
際
に
は
使
わ
れ
な
い
用
法
も
含
ん
で
し
ま
う
よ
う
な
形
に
な
る
。
そ
の
よ
う
な
場
合
、
こ
の
よ
ら
外
に
そ
の
シ
ロ
ッ
プ
や
群
衆
の
一
部
が
移
動
す
る
の
で
あ
る
。
こ
の
場
合
、
移
動
物
と
内
側
か
ら
外
へ
と
い
う
移
動
が
見
ら
れ
る
点
で
は
共
通
性
が
あ
る
。
ス
ー
パ
ー
ス
キ
ー
マ
と
呼
ば
れ
る
だ
け
で
意
味
の
記
述
と
し
て
十
分
で
は
な
い
か
と
も
思
わ
れ
る
か
ら
で
あ
る
。
し
か
し
、
る
。
こ
こ
で
は
シ
ロ
ッ
プ
や
群
衆
自
体
が
広
が
る
こ
と
が
表
さ
れ
て
い
る
。
移
動
前
の
シ
参
照
物
(
=
領
域
)
が
同
一
物
で
あ
る
点
で
(
1
こ
の
よ
う
な
形
で
得
ら
れ
る
、
も
っ
と
も
上
位
の
、
す
べ
て
を
包
括
す
る
ス
キ
ー
マ
は
上
記
の
よ
う
な
階
層
的
な
分
析
は
、
剰
余
的
で
あ
る
よ
う
に
考
え
ら
れ
る
か
も
し
れ
な
さ
れ
る
。
そ
れ
は
、
明
確
に
閉
じ
ら
れ
た
空
聞
か
ど
う
か
は
と
も
か
く
、
あ
る
領
域
の
中
ロ
ッ
プ
や
群
衆
が
占
め
る
領
域
が
(
1
out の
語
義
ネ
ッ
ト
ワ
ー
ク
(
一
部
)
で
は
閉
じ
ら
れ
た
空
間
で
は
な
く
、
複
数
の
物
体
か
ら
作
ら
れ
る
領
域
か
ら
移
動
物
が
移
動
す
る
。
(
1
は
(
1
励。
は
、
移
動
物
が
何
か
の
閉
じ
ら
れ
た
空
聞
か
ら
出
る
こ
と
を
表
し
て
お
out
'多+
,,-、
b
. Shep
i
c
k
e
do
u
tap
i
e
c
eo
fc
a
n
d
y
.
(1 2a)
園田園圃'
2a.
b) と
異
な
る
が
、
や
は
り
あ
る
領
域
の
う
な
抽
象
的
意
味
の
み
を
意
味
と
し
て
認
め
て
個
々
の
具
体
的
な
意
味
を
認
め
な
い
な
ら
、
意
味
分
析
と
し
て
は
不
十
分
な
も
の
と
な
る
(Tuggy
(2003»
。
r
3
6
松
本
限
多義性とカテゴリー模造…… 37
こ
の
点
は
、
共
に
起
点
の
意
味
を
も
っ
こ
の
fか
ら J rよ
り j を
比
較
す
る
と
分
か
る
。
• •
2 つ
の
格
助
調
は
、
共
に
空
間
的
な
起
点
の
意
味
を
基
本
義
と
し
、
メ
タ
フ
ァ
ー
的
.岡田岡+
な
拡
張
に
よ
っ
て
他
の
意
味
を
派
生
さ
せ
て
い
る
。
以
下
に
例
を
挙
げ
る
。
~閥的領域
(
13
)a
. 神
戸
{
か
ら
/
よ
り
}
出
発
す
る
。
b
. 2時
{
か
ら
/
よ
り
}
開
始
す
る
。
時間的領域
c
. 嫉
妬
心
{
か
ら
/
?
?
よ
り
}
そ
う
し
た
。
d
. 富
士
山
{
‘
か
ら
/
よ
り
}
高
い
。
図 3
因果的領域
r から」の語義ネットワーク
さて、この節で見てきたような類似性基盤の階層関係はどのように表示で
きるだろうか。ここで提案したいのは、図 3 のような表示である。これは、
「から」の階層関係を示している。まず、個別義は実線の四角で表す。一番
図 2
外側の四角は最上義を、その内側の四角はその意味に統合される下位義を表
r から J r より j のスーパースキーマ
す。つまり、上位義と下位義との関係を、 Lindner や Langacker とは異な
どちらの格助調においても、それがもっ意味には図 2 のスキーマが共通して
り、上下の位置関係ではなく、包含関係で表す。それぞれの具体的意味は四
おり、それが異なる概念領域(空間、時間、因果関係、比較)に適用されてい
角内にイメージ図式を用いて表している。最上義のスーパースキーマは配置
ると考えられる。したがって、この 2 つの格助詞は共に図 2 をスーパース
の関係上、右上隅近くに示している。下位義聞の矢印は派生関係を示し、メ
キーマとしてもっと考えられる。しかし、このスキーマを満たすすべての場
タファーの場合はこの図のように三角の先端の矢印で表す。さらに、ここで
合に「から J r より J が使えるわけではない。(1 3) が示すとおり、「から」
は概念領域の移行を伴っているので、太い矢印を用いている。
は、空間的起点、時間的起点、原因には使えるが、比較の対象の意味はもた
なお、スーパースキーマは、すべての語において、すべての意味にまたが
ない。一方「より」は空間的起点、時間的起点、比較の対象の意味はもつ
る形で設定できるわけではない。後に見るようなメトニミーに基づく拡張に
が、原因の用例は限られている。
おいてはスーパースキーマを設定することはできない。また、類似性が関与
する場合でも、すべての意味に共通点が見出せない放射状の構造を作る多義
このように、同じように空間的起点の意味から様々な意味を派生させ、同
語もあり、その場合も全体に及ぶスーパースキーマの設定は不可能である。
じスーパースキーマをもっと思われる諾においても、どのような具体的な意
味を含むかは、それぞれの語の意味として記述されなければならない。つま
4
.
2
り、抽象的・一般的なスキーマを認める一方で、どの下位義が認められるか
も、意味の記述に含めなければならないのである。
フ
レ
ー
ム
と
個
別
義
聞
の
関
係
今
ま
で
見
て
き
た
ネ
ッ
ト
ワ
ー
ク
は
、
類
似
性
に
基
づ
く
ネ
ッ
ト
ワ
ー
ク
で
あ
り
、
メ
ト
ニ
ミ
ー
は
記
述
で
き
な
い
。
メ
ト
ニ
ミ
ー
に
よ
る
意
味
の
ネ
ッ
ト
ワ
ー
ク
の
記
述
に
掴IlL
冒V
38
松
本
隊
多
義
性
と
カ
テ
ゴ
リ
ー
構
造
は
、
メ
ト
ニ
ミ
ー
で
関
係
づ
け
ら
れ
る
意
味
に
共
通
す
フ
レ
ム
(
背
景
的
な
構
造
)
が
3
9
う
拡
張
な
の
で
、
太
線
の
矢
印
を
用
い
て
い
る
。
必
要
と
な
る
(3.2
節
参
照
)
。
こ
の
よ
う
な
フ
レ
ー
ム
構
造
を
明
確
化
す
る
と
に
よ
っ
て
メ
ト
ニ
ミ
ー
に
る
多
義
性
の
構
造
を
捉
え
う
と
す
試
み
が
あ
。
用
語
は
異
な
る
が
、
間
中
(
1
9
0
)
の
コ
ア
ス
キ
ー
マ
に
関
す
る
研
究
、
国
広
(
1
9
4
)
基
づ
く
多
義
性
の
研
究
、
及
び
そ
れ
を
発
展
さ
せ
た
籾
山
(
2
0
:
I<
視
線
〉
阿
明
?
ト
→
|
伽
の
現
象
素
に
1
)
な
ど
が
そ
れ
で
、
あ
る
。
図 5
r目
」
の
語
義
ネ
ッ
ト
ワ
ー
ク
(
一
部
)
こ
の
よ
う
な
フ
レ
ー
ム
は
、
そ
れ
自
体
が
語
意
味
と
し
て
実
現
い
る
場
合
も
あ
れ
ば
、
そ
う
で
な
い
場
合
も
あ
る
。
ぞ
に
つ
て
高
尾
享
幸
氏
の
提
案
よ
さ
て
、
表
示
方
法
(
松
本
(203:
98»
を
修
正
す
る
形
で
用
い
。
ま
ず
、
「
学
校
」
に
関
し
て
3.
4
節
で
見
た
、
特
定
の
フ
レ
ー
ム
に
お
け
る
適
用
例
ベ
ス
派
生
は
ど
よ
う
に
表
示
で
き
る
あ
ろ
か
。
こ
、
個
別
義
を
す
四
角
そ
の
用
例
集
は
、
「
学
校
が
好
き
だ
」
と
い
う
よ
に
〈
総
合
体
し
て
の
〉
意
味
あ
合
で
あ
る
よ
う
に
考
え
な
ら
、
り
、
そ
の
総
合
体
を
構
成
す
る
要
素
指
く
校
舎
)
<
学
校
経
営
者
)
<
学
校
活
動
〉
な
ど
の
意
味
も
あ
る
。
こ
場
合
は
、
フ
レ
ー
ム
全
体
(
総
)
が
語
と
し
て
実
sit
の
〈
委
員
会
に
所
属
す
る
〉
意
味
派
生
は
次
の
よ
う
に
表
す
こ
と
が
で
き
る
。
派
生
を
示
矢
印
は
語
義
内
側
、
丸
括
弧
し
た
適
用
例
か
ら
派
生
し
て
い
る
。
現
し
て
い
る
。
こ
の
よ
う
な
ケ
ー
ス
は
図
4 の
よ
う
に
表
す
こ
と
が
で
き
る
。
フ
レ
ー
ム
は
角
が
丸
い
点
線
の
枠
で
示
す
。
何
フ
レ
ー
ム
か
{
}
で
示
す
が
、
こ
は
{
総
合
体
と
し
て
の
学
校
]
が
意
味
で
も
あ
る
<
r·"{ 長
語 i
)
で
示
し
て
い
る
。
〈
座
っ
て
い
る
)
(
会
議
で
の
着
席
)
~
図 6
sit
〈
委
員
会
に
所
属
す
る
〉
の
語
義
ネ
ッ
ト
ワ
ー
ク
(
一
部
)
〈
学
校
活
動
〉
〈
学
校
経
営
者
〉
4
.
3
図 4
r学
校
j の
語
義
ネ
ッ
ト
ワ
ー
ク
よ
り
複
雑
な
ケ
ー
ス
多
義
語
は
、
メ
タ
フ
ァ
ー
と
メ
ト
ニ
ミ
ー
の
両
方
が
関
わ
る
な
ど
、
複
雑
な
様
相
を
見
せ
る
こ
と
が
あ
る
。
最
後
に
そ
の
よ
う
な
ケ
ー
ス
と
し
て
、
「
口
」
に
つ
い
て
考
察
し
ょ
こ
こ
で
は
、
総
合
体
と
し
て
の
学
校
と
そ
の
構
成
要
素
、
ま
た
、
構
成
要
素
聞
が
凹
三
角
形
の
先
端
の
矢
印
で
結
ば
れ
、
メ
ト
ニ
ミ
ー
の
関
係
に
あ
る
こ
と
が
示
さ
れ
て
い
る
。
「
目
」
の
場
合
は
、
目
に
関
す
る
フ
レ
ー
ム
の
中
で
、
人
間
動
物
の
視
覚
器
と
し
て
の
つ。
「口」は、類似性に基づいて「財布の口」のように物体部分に使われるほ
か、いくつか他の意味を派生させている。まず、特定のフレームにおける用
目
が
、
視
力
と
目
的
・
機
能
的
関
連
性
に
よ
っ
て
結
び
つ
い
て
い
る
(
さ
ら
に
は
、
視
線
例からメトニミーによる拡張が起こっている。発話行為のフレームにおける
と
空
間
的
近
接
性
に
よ
っ
て
結
び
つ
い
て
い
る
)
。
こ
の
場
合
、
「
日
」
に
は
フ
レ
ー
ム
全
口の役割から、「口が悪い J など、(話し方〉を表す意味が派生しているのが
体
を
表
す
意
味
は
な
い
。
図
それで、ある。特にこの場合は、(動物ではなく)人間の口からの派生である。
5 の
と
お
り
で
あ
る
。
こ
れ
ら
の
拡
張
は
領
域
の
移
行
を
伴
司F
40
松
本
限
多
義
性
と
カ
テ
ゴ
リ
一
機
造
一
4
1
ま
た
、
類
似
性
に
基
づ
く
拡
張
が
特
定
の
フ
レ
ー
ム
の
中
で
起
こ
っ
て
い
る
。
先
に
触
れ
注
た
よ
う
に
、
身
体
部
位
と
し
て
の
口
は
、
食
物
摂
取
の
フ
レ
ー
ム
の
中
で
は
、
プ
ロ
セ
ス
l 個別義の認定に関しては、反義語の違いなど、諾業構造に基づいたテストが用いられ
の
最
初
の
段
階
で
用
い
ら
れ
る
。
こ
の
フ
レ
ー
ム
に
お
け
る
「
口
」
の
役
割
か
ら
、
〈
最
ることがある。このテストの問題点については、 Cruse (1986) 、松本(準備中)を参照
のこと。
初
の
部
分
〉
と
い
う
類
似
性
に
基
づ
い
て
「
登
山
口
」
な
ど
の
く
最
初
に
通
過
す
る
部
2
意味拡張は、歴史的な派生関係を反映している場合が多いと思われるが、意味の再編
分
〉
の
意
味
が
派
生
し
て
い
る
。
さ
ら
に
、
こ
れ
は
時
間
的
な
部
分
に
も
拡
張
さ
れ
、
「秋口
成が起こって、歴史的な派生関係とは異なる派生関係が共時的に成立している場合も
J r宵
の
口
」
の
よ
う
に
、
〈
最
初
の
時
間
帯
〉
を
指
す
の
に
使
わ
れ
る
。
ある。
3
以
上
を
図
示
す
る
と
図
?
の
よ
う
に
な
る
。
ここでは Lindner にしたがって(1 2a) と (12b) を別の意味として示したが、この 2 つは
分離テストに合格しないため、実際には別個の意味と考える必要はない。
4
{食物摂取]
:
〈最初j に
.
'.
.
通過する
〉
分
部
(飲食にお
)
口
る
け
・
・
・
・
.
.
.
.
.
.
.
〈
人
間
・
動
物
が
食
物
摂
取
や
発
声
活
動
の
た
め
に
用
い
る
器
官
で
、
頭
下
部
の
~
~ I
Furtherreading
認
知
意
味
論
に
お
け
る
多
義
性
論
に
つ
い
て
は
く
、
も
の
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続
1岡
部
分
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そ
こ
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仁
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しては、松本 (2010) を参照のこと。
〈巌初の部分〉
:
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本主主では、多義語における中心的意味の問題を扱うことができなかった。この点に関
また、
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(2003)
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(1993)
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関
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図 7
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献
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籾山洋介(1 998) 1換聡(メトニミー)と提験(シネクドキー)ー諸説の整理・検討 J r名古屋大
学日本語・日本文化論集.I 6
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