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掲載問題解説
掲載問題解説 -出題例① 整数 A タイプ【2009 年度出題】- 4 種の異なる自然数がある。次のことがわかっているとき、大きいほうから 2 番目の 数はどれか。 ・4 つの数の和は 70 である。 ・一番小さい数で、他の 3 つの数を割るとその余りはそれぞれ 4,5,6 である。 ・一番大きい数は奇数である。 1. 15 2. 16 3. 17 4. 18 5. 19 -解説- 最も使えそうな条件は、やはり 2 つ目の条件でしょう。これについてまず考えます。 一番小さい数で、他の 3 つの数を割るということですので、この一番小さい数をxと します。xで割り切れる数は「xの倍数」ですから、xで割って 4 余る数は「xの倍数+ 4」と表せますね。同様に、5 余る数は「xの倍数+5」、6 余る数は「xの倍数+6」となり ます。 これより、x以外の 3 つの数を次のように①~③として、4 つの数の合計(④としま す)を表すと次のようになります。 最小 x 合計 ① xの倍数+4 ② xの倍数+5 xの倍数+4+5+6 =xの倍数+15 …④ ③ xの倍数+6 よって、1 つ目の条件より、④の「xの倍数+15」が 70 になるわけですから、この 「xの倍数」に当たる数は、70-15=55 とわかります。 これより、xは 55 の約数になりますが、55 の約数は、1,5,11,55 の 4 つですか ら、xはこの中のいずれかです。 しかし、「xで割って 6 余る数」があるわけですから、xは 6 より大きい数となり、11 または 55 ですが、4 つの数の合計が 70 なのに、一番小さい数が 55 になるわけはあり ませんので、x=11 に確定します。 よって、④の「xの倍数+15」の「xの倍数」の部分は「11×5」とわかり、合計は 11 ×5+15=70 ですから、①~③の合計は 11×4+15 となります。 ここで、「11×4」に着目します。①~③の数の中に、「11」は 4 個含まれているわけで すが、どの数も 11 より大きいので、 「11」を少なくとも 1 個は含みます。そうすると、 4 個を、1 個,1 個,2 個に分けることになり、この「2 個」を含む数が当然、最も大きい 数となります。 では、①~③それぞれについて「11」を 1 個含む数と 2 個含む数を確認し、3 つ目の 条件を満たす数を探すと次のようになります。 1 個含む数 2 個含む数 ↓ ↓ ①11 で割って 4 余る数 ⇒ 11×1+4=15 11×2+4=26 ②11 で割って 5 余る数 ⇒ 11×1+5=16 11×2+5=27 ←奇数 ③11 で割って 6 余る数 ⇒ 11×1+6=17 11×2+6=28 よって、一番大きい数は②の 27、あとの 2 数は、①の 15 と③の 17 とわかり、4 つ の数は大きいほうから並べると、27,17、15,11 となります。 これより、大きいほうから 2 番目の数は 17 となり、正解は肢 3 です。 正解 3 -出題例② 整数 B タイプ【2011 年度出題】- あるクラスの生徒全員が輪になって並んでおり、先生がそれぞれの生徒に9本以下の 本数の鉛筆を配った。次のことがわかっているとき、このクラスの生徒の人数は何人か。 ・先生が配った鉛筆の本数は全部で 91 本であった。 ・隣り合って並ぶ 3 人の生徒に配られた鉛筆の本数を合計すると、どの 3 人を取って も同じであった。 ・ある生徒 X には 3 本が配られ、X から時計回りに 4 番目の生徒である Y には 6 本 が配られた。 1. 20 人 2. 21 人 3. 22 人 4. 23 人 5. 24 人 -解説- X と Y の位置関係を図に示し、その近辺の生徒を、図 1 のように、A~D とおきます。 条件より、隣り合って並ぶ 3 人は、いずれも鉛筆の合計が等しいので、次のようにわ かります。 X+A+B = A+B+C A+B+C = B+C+Y B+C+Y = C+Y+D ⇒ ⇒ ⇒ X=C A=Y B=D よって、条件より、X と C には 3 本、A と Y には 6 本が配られ、B と D にも同じ本 数が配られており、この先も同様に考えると、ある生徒とそこから 3 番目の生徒には同 じ本数が配られていることがわかります。 これより、B と D に配られた本数を k とすると、図 2 のように、鉛筆の本数は 3→6 →k→3→6→k→…と輪になって並びますから、3 種類の本数(3,6,k)は同じ数だけ ありますので、生徒の人数は 3 の倍数とわかります(ここで肢 2,5 に絞られます) 。 図1 図2 X A k 6 B C Y D 3 6 k 3 6 k 次に、隣り合う 3 人ずつを 1 グループとして考えます。各グループに配られた鉛筆は、 3+6+k(本)なので、グループの数を n とすると、鉛筆の総数は(3+6+k)×n(本) となり、条件より、これが 91 本となります。 91 を素因数分解すると、91=7×13 なので、 (3+6+k)と n が、7 と 13 のいずれ かになりますが、3+6+k>7 ですから、次のようにわかります。 3+6+k=13 ⇒ k=4 グループの数 ⇒ 7 これより、配られた鉛筆の本数は、3→6→4→3→6→4→…となり、生徒の人数は、3 ×7=21(人)とわかり、正解は肢 2 です。 正解 2 -出題例③ 比・割合【2011 年度出題】- ある会場では、たくさんの椅子が並んでおり、そのうちちょうど 1 割の椅子に人が座 っている。ここから、毎分 5 脚の椅子を並べていき、毎分 7 人が椅子に座っていったと ころ、10 分後には全体のちょうど 6 割の椅子に人が座った状態になった。このとき、 残りの椅子すべてに人が座った状態になるまで、あと何分かかるか。 1. 14 分 2, 18 分 3, 22 分 4, 26 分 5, 30 分 -解説- 初めの椅子の数をxとすると、初めに人が座っていたのは、その1割ですから、0.1x と表せます。 その後 10 分間で、並べられた椅子は、5×10=50(脚)、椅子に座った人は、7×10 =70(人)ですから、その時点での椅子の数は、x+50、人が座っているのは、0.1x +70 と表せ、その割合について、次のような方程式が立ちます。 0.1x+70 x+50 = 0.6 両辺に(x+50)をかけて、 0.1x+70 = 0.6(x+50) 両辺に 10 をかけて、 x+700 = 6x+300 -5x = -400 ∴x=80 これより、初めの椅子の数は 80 脚、人が座っている椅子は 8 脚となり、10 分後には それぞれ、80+50=130(脚)、8+70=78(脚)となりますので、この時点で、人が 座っていない椅子は、130-78=52(脚)とわかります。 1 分間に並べられる椅子は 5 脚、座っていく人は 7 人ですから、毎分 2 脚ずつ空席が 減っていくことになりますので、52 席の空席が埋まるのにかかる時間は、52÷2=26 (分)となり、正解は肢 4 です。 正解 4 -出題例④ 速さ【2010 年度出題】- 毎時 60 ㎞で走ると、1L のガソリンで 12 ㎞走り、毎時 100 ㎞で走ると、1L のガソ リンで 10 ㎞走る自動車がある。いま、この自動車で、A 地点から B 地点へ向かうのに、 途中まで毎時 60 ㎞で走り、 そこから毎時 100 ㎞で走ったところ、 全部で 5 時間かかり、 30L のガソリンを使用した。このとき、AB 間の距離はいくらか。 1.340 ㎞ 2.350 ㎞ 3.360 ㎞ 4.370 ㎞ 5.380 ㎞ -解説- 毎時 60 ㎞で走った距離をx㎞、毎時 100 ㎞で走った距離をy㎞とすると、次のよう に方程式が立ちます。 かかった時間について ⇒ x 60 + 使用したガソリンの量について ⇒ y 100 x 12 = 5 y + 10 ①の両辺に 300 をかけて 5x+3y=1500 ②の両辺に 60 をかけて …① = 30 …② …①’ 5x+6y=1800 …②’ ②’- ①’より 3y=300 ∴y=100 y=100 を①’に代入して 5x+300=1500 5x=1200 ∴x=240 これより、A 地点から毎時 60 ㎞で 240 ㎞、毎時 100 ㎞で 100 ㎞走って B 地点に着 いたので、AB 間の距離は 340 ㎞とわかり、正解は肢 1 です。 正解 1