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3月号 - 苫小牧市
ウトナイ湖野生鳥獣保護センター 発行 館内でオオワシをウォッチング!? 当センターにお越しの際は、玄関ホールから左手に数歩のとこ ろで立ち止まり、見上げてみてください。そこには翼を広げたオオ はくせい ワシの姿があります。もちろん、生きてはおらず剥製です。さらに 進むと、今度は真上に、止まったオジロワシが。2 羽はちょうど、入 口ゲートで来館者を出迎えてくれているようです。 両種とも、ウトナイ湖では主に秋から春にかけて見られる冬 まずは翼を広げたオオワシがお出迎え 鳥。オオワシは翼を広げると 2 メートルもあり、その大きさに驚かれることでしょう。じつは、このワシた ち、事故等で死亡した個体を収容先の道東施設から当センターに 移送し、こうして姿を変え、展示されたのです。 3 月は湖の氷がとけ、魚などの食べものを得やすくなるのか、ワ シ類の数が増える時期です。これから繁殖地へと帰るオオワシを望 遠鏡で見た後で、ぜひ展示のオオワシを間近に再度ご覧いただ き、成鳥の特徴である白色の肩羽や黄色い嘴などを確認してくださ い。 オジロワシは止まり、じっと湖(の航空写真)を眺める 「世界湿地の日」記念イベントを開催しました 2 月 2 日の記念日にちなんだこのイベント。当センターでは 4 回目の開催となります。2 月 7 日は恒例となった「冬の湿地をスノ ーシューで探検しよう!」を行ないました。環境省のアクティブレ ンジャーが挨拶した後、さっそく野外へ出発し、まずはふつうの冬 靴で雪道の歩きづらさを体験。途中でスノーシューに履き替え、ス スノーシュー探検でオオワシを発見! ムーズな足取りで凍った湖へ向かいます。繁殖期を迎え、追いかけっこをする 2 頭のキタキツネやオオ ワシも遠くに観察し、参加者は冬の湿地の自然を満喫しました。 また、2 月の毎週土・日曜日には 30 分間の「冬を楽しむミニツアー」を開催。ボランティアとともに皆さ んをご案内し、前半の回では主に雪上に残るエゾユキウサギやエゾ リスの足跡などを、後半は暖かい天候となり、広がった水面で採食す るオオハクチョウやカモ類などを観察しました。ワシ類の姿も多く、 日によってはオオワシとオジロワシが計 5 羽以上も見られました。 注)今回はセンターの主催イベントとして、安全を確認した上で特別に湖 の氷上を歩きました。通常は立ち入ることはできません。 ミニツアーでハンノキを紹介するボランティア シジュウカラ 【自然観察路情報】 コゲラ アカゲラ 2016 年 2 月 10 日(水)10:00~11:30 観察された生きもの ≪野鳥≫ トビ、オオワシ、コゲラ、アカゲラ、ハシブトガラ、シジュウカラ ゴジュウカラ、ヒヨドリ、キバシリ(以上、姿) ≪植物≫ キタコブシ冬芽 ツルウメモドキ、カラコギカエデ(以上、実やタネ) キタコブシ、ホオノキ(以上、目立つ冬芽)、バッコヤナギ(綿毛状の芽ぶき) ≪ほ乳類≫ キタキツネ、エゾシカ、エゾユキウサギ(以上、足跡) ≪昆虫≫ オビカレハ(卵) 【水鳥カウント調査結果】 観察された水鳥、ワシタカ類 エゾユキウサギ足跡 2016 年 2 月 18 日(木) カラコギカエデの実 15:00~16:00 (±)は「前後」の意味 コブハクチョウ(3)、オオハクチョウ(74)、ヨシガモ(8±)、マガモ(54±) キンクロハジロ(15)、ホオジロガモ(4)、ミコアイサ(4)、カワアイサ(2) カワウ(5)、ダイサギ(1)、オジロワシ(5)、オオワシ(3)、種不明カモ類(18) ミコアイサ このところ気温の変動が激しいですが、暖冬傾向で はあるようです。湖の氷が例年より早くとければ、水鳥 たちの渡りも早まるでしょう。マガンはすでに今季初 確認されており、ガン類の渡りは 3 月半ばにピークを 迎えるかも知れません。 早くも繁殖期を迎えたシジュウカラやハシブトガラ のさえずりが、林で聞かれるようになるでしょう。 この時期のガン類は、早朝に湖から飛び立ち、 日中は周辺の田畑で採食する 繁殖期を迎え、湖岸や氷上を歩くキタキツネが観察 できるかも知れません。 バッコヤナギやエゾノバッコヤナギは、すでに綿毛 状の芽を出しています。また、ハンノキの花穂が伸び、 花粉が飛び始めるでしょう。雪が少なければ、つぼみ を付けたフッキソウやナニワズが地面に見られます。 綿毛状の芽を出したバッコヤナギ *ウトナイ湖に関するクイズ。 毎回、その月にあわせたテーマで出題しています。 あなたもウトナイ博士になれる?かも。 【 シロカモメ 】 大型のカモメ。成鳥はほぼ白く、飛ぶ姿はまるで 白鷺のようです。日本では繁殖しておらず、冬鳥 Q.知床だけでなく、ウトナイ湖でも その姿を観察できるオオワシ。さて、 昨年 2 月に確認されたのは、最多で 何羽だったでしょう。 として渡来しますが、ウトナイ湖でよく見られるの は、氷がとける 3~4 月ごろ。春を告げる野鳥の一 つでもあります。水際で打ち上がった魚などを食 べます。 (あ)4 羽 (い)14 羽 (う)24 羽 答えは最後のページにあるよ。 当センターでは、国指定ウトナイ湖鳥獣保護区とその周辺(苫小牧市行政区域内) において人為的な原因で保護された傷病鳥獣の救護・リハビリを行っています。その 活動の一端をみなさまに知っていただくコーナーとして、ここでご紹介いたします。 2016年 ハヤブサ 2月 22日 会社敷地内で飛べずにいるところを保護。 2月22日 夕方、センターに搬入。 ハヤブサ 初診では、翼や足などに (ハヤブサ目ハヤブサ科) 骨折などの異常は認めな 狩りをするために障害物 かったが、左眼のまぶた のない広い空間と、営巣 や結膜が著しく腫れてお 場所となる切り立った崖 り、眼球が確認できない などを必要とすることか ほどだった。抗炎症や抗 ら、国内では主に海岸部 菌作用のある目薬や内服 に生息しています。ノス 薬を用いて治療にあたっ リやカラス類の古巣、ビ た。衰弱はしているもの ルなどの建造物を利用 の、食欲はあり、鶏肉な し、営巣した例もありま どを与えて経過観察とし す。主に小~中型の鳥類 た。 を捕食しますが、獲物を 2月26日 左眼の腫れは残るもの 空中でつかみ取ったり蹴 の、良化している。回復 り落とすなどして狩りを を待ち、リハビリを行う 行ないます。 予定。 ウトナイ湖・自然案内入門講座 ~水鳥のことを伝えよう~ ウトナイ湖・春の渡り鳥ウォッチング ~水鳥たちの姿を楽しもう~ 日 時:3 月 13 日(日)10:00~14:00 日 時:3 月 20 日(日)13:00~15:00 対 象:高校生以上 対 象:どなたでも(小学生以下保護者同伴) 定 員:先着 15 名(申込み受付 3/1 から) 定 員:先着 20 名(申込み受付 3/1 から) 持ち物:弁当、飲み物、防寒具、筆記用具 持ち物:飲み物、防寒具、雨具 あれば双眼鏡(貸出し可)など 内 あれば双眼鏡(貸出し可)など 容:「湖に渡来する水鳥のことを来館者 内 容:この時期にウトナイ湖を経由して繁殖 などに紹介する」活動を体験します。終了後は 地へと向かう冬鳥-特にカモ類やハクチョウ類 当センターでボランティア活動を始めることも といった水鳥、オジロワシやオオワシなどを観 できます。 察します。これらの多くは動きがゆったりしてお り観察しやすく、バードウォッチング初心者の方 にもおすすめです。 「苫小牧の自然写真展」 日 時:3 月 2 日(水)~3 月 25 日(金) 展 示:苫小牧市環境生活課 ◆ウトナイ湖◆ 周囲約 9km、面積約 275ha、平均水深約 0.6m の淡水湖です。 鳥類はこれまでに約 270 種が確認され、ガン・カモ・ハクチョウなどの渡り鳥にとって重要な中継地、越冬地と なっています。このためウトナイ湖は、国指定鳥獣保護区特別保護地区、ラムサール条約湿地、 東アジア・オーストラリア地域渡り性水鳥重要生息地ネットワークに指定、登録されています。 ◆ウトナイ湖野生鳥獣保護センター◆ 環境省が「野生鳥獣との共生環境整備事業」により建設し、苫小牧市と共同管理する施設です。 また、苫小牧市が業務の一部を(公財)日本野鳥の会に委託しています。 【利用案内】 〒059-1365 苫小牧市植苗 156-26 TEL.0144-58-2231 / FAX.0144-51-8600 入館無料 / 開館時間:午前 9 時~午後 5 時 / 休館日:毎週月曜日(祝日の場合は翌日)及び年末年始