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2004 3 7-, ー機械
◆平成 ]6年 3月 10日 発イ 32■ 1lt3)│(“ ](毎 月 ]回 ]0「¬発イ T)◆ 11」 イヽ[3b()'1)◆ r湘 ち│イ IL,りf):, 1113Ⅲ ‖ト イ リ物│‖け J Turbomachinery 特 集 : タ ー ボ機 械 の 故 障 診 断 技 術 I I I I I I I 2004年 3月 号 第32巻 目 第 3号 次 《 特集 :タ ーボ機械の故障診断技術》 展望 ・解説〕 〔 最近 の設備診断技術 と予知保全 ……………………………………………………………・ ………………豊田利 夫 ・ ・ …………・ …………………………………………… 圧縮機の リモー トモニ タリング …・ 梅津朋文 ・伊平尚志 ・ ………・ …・ ・ ・ ………………………・ …………………………………………… 軸流 ファンの監視保全 ・ 宮本祥文 …………・ …………………………………………・ 蒸気 ター ビンの寿命診断 とリスクベ ース保全 …・ ・ 藤山一成 ー ・ ガス タ ビンの劣化 損傷診断 と予知保全 ……・ ………・ ………………………………………………… 野村真澄 状態監視装置の活用 による水車発電機の効果的な管理方法 …………………………………………・ 米澤出穂 立軸ポ ンプの故障診断技術 ………………………………………………………………………………・ 青山匡志 製品紹介〕 〔 マ ンホールポンプ用 Wcb監 視 システム …………………………………………………………………・ ・ 富永英子 1(129) lo(138) 15(143) 19(147) 29(157) 35(163) 40(168) 45(173) 論文〕 〔 直列 に配置 されたマイクロチ ューブラ水車特性 …・ 塚本直史 ・稲垣守人 ・渡部忠彦 ・大和昌一 ヽ西 道 弘 48(176) 連載講座 〕 〔 軸流圧縮機の失速 サ ー ジ概論 (第2回 )第 1章 序 論 (その 2:高 負荷 ファンの ・ 例)・ ……・ 山口信行 55(183) その他〕 〔 協会 ニ ュース ……………………………………………………………………………………………………………・ 60 講演会 ・セ ミナー予定 ………………………………………………………………………………………………… 61 国際会議案内 …………………………………………………………………………………・ ・ ・ …………………… …・ 61 表紙説明 ………………………………………………………………………………………・・ ………………………・ 62 Turbomachinery vO1 32,No3 2004 CONTENTS Special lssuc : COndition Diagnosis Techno10gies for TurbOmachinery くRcvlcwS> New Trend in Condition Diagnosis Tcchnology and COndition Bascd Maintenance・ ¨¨・ ・ ¨―・ ・ ¨¨.TOshio TOYOTA l (129) ……………… ……… …… TOmofumi UMETSu and HisashiIHIRA 10(138) Remotc MOnitoring Systcm fOr ComprcssOrs… …… …… …… …… …… ・ ・ … …… …… …… …… Hirofumi MIYAMOT0 15(143) Life Assessmcnt and Risk― Based Maintcnance for Steam Turbines¨ ¨¨・ … ………………………・ ……Kazunari FUJIYAMA 19(147) DcgradaJon,DctcrioraJon Diagnosis and Condition Bascd Maintenance for Gas Turbinc・ ……・ ・ ¨MasumiNOMURA 29(157) nc Effectivc Managemcnt Mcthod for Hydraulた Turblne and Gcncrator by USng CMMS(Computtzed Mo面 tonng …… …………… …………………………… ……… …… …… ………………¨¨…… …・ and Managcmcnt Systcm)・ Izuho YONEZAWA 35(163) ・ … …… …… …… …… …… …… …… …… …… ・ Failure DiabOnosuc Techn。 logy of Vcmcal Pump・ ・ ヽ …・ Masashi AOYAMA 40(168) Condi6on Bascd Mttntcnance for Axial Flow Fan・ くTcchnicaI Paper> Characteristics of a Micro Tubular Turbine for the Scnal Arrangcment ¨・ Tadashi TSUKAMOTO,MO五 hito INAGAKI,Tadahiko WATANABE,Shoichi YAMATO and Michihiro NISH1 48(176) ターボ機械協会は、平成 9 年 4 月 2 3 日付で特許法第3 0 条第 1 項の規定に基づ く学術団体に指定されました 。 編集 タ ー ボ機械協 会 嘔 D TurbOmachincrySocictyofJapan 〒 113‐ 0021 東 京都文京 区本駒込 6‐ 3‐ 26803-3944‐ 8002 発行 日 本 工 業 出版帥 最近の設備診断技術 と予知保全 … (1)J″ 《 特集 :ターボ機械の故障診断技術》 展望 ・解説〕 〔 最近 の設備診断技術 と予知保全 豊 田利 夫 * New Trend in Condition Diagnosis Technology and Condition Based Maintenance Toshio TOYOTA [要旨] 21世 紀 には環境問題 や地球温暖 化問題 の熾烈 化 にともない資源回収型省 エ ネル ギ産業構 造 ヘ の転換 が必 然的 な要求 となってい る。 また 日本 論 されてい る方式であ るが、設備診断技術 の原因 系 へ の適用成果 として評価 で きる考 え方である。 にお いては鉄道橋梁等 の公共 イ ン フラ設備 が建 最後 に これ らの 関連技術 を全 て包 含 したプラ ン ト資産管 理 シス テ ムPAMと 、 そ の 中核技術 であ る回転機械 の性能 ・効率 。エ ネル ギ ー診 断 設か ら保全 の 時代 に突入 す る と言 われてお り、 技術 につ き述 べ る。 IT時 代 の 到 来 と と もに、 実 用 中 の 予 知 保 全 CBM(Condition Bascd Maintenallce)も 遠 隔保全 1.予 管 理技 術 (Remote Maincnance Management)関 連技術 と最適化 ソ リュー シヨンを包含 したプラ ン ト 1-1 予 資 産管理 システムPAM(Plant Asset Management) へ と進 化 しつつ あ る。 普 及 とその 問題 点 防 保 全 PMの 防保全 PMの 問題点 1960年代 当初、米 国 にお いては航空機 の 大型 化 と整備量 の厖大化 によ り、信頼性お よび安全 性確保 に苦慮 していた。 の もつ理 論 的欠陥 と、それを克服す るため に誕生 また鉄鋼業、石油化学業、電力業界 にお い て も生 産設備 の大型化 、複雑化 、高速化 に伴 い 、 した 予 知 保 全 CBM(《 b血 面 予 防保全作業量 と保全 コス トが我慢 の 限界 に到 本 報 では、 予 防保全 PMIPEvcntiveMaintenance) Based Mttm猟 ポ )、 および最近の動向 につ き概説する。 また、 日本 でい う改良保全 の欧米版 と思われ る劣化原因除去型保全 であるプロアクテイブ保 全 PRM(Proactive Maintenance)を紹 介す る 。 プ ロ ア ク テ イブ保 全 PRMは 現 在 欧 米 で盛 ん に議 * 0日 本診断工学研究所 mail:toyo―cdosiren ocn nejp E― 原稿受付 日 平 成 15年10月29日 達 していた。 また 、上 記 の設備 の大型化 、複雑化 、高速化 にともない、突発故障に よる生産損失 は膨大なも の となつていたが、莫大 な予 防保全 コス トにも係 わ らず突発故障 は増加 の一途 をたどっていた。 予 防保全 PMは 本 当 に設備 の信頼性 向 上 に有 効 なのであろ うか。定期 オ ーバ ホ ールが逆 に故 障 を増 加 させ る原 因 になって い るの で はない ターボ機械第32巻 第 3号 1 θ 最 近 の設備診断技術 と予知保全… (2) Jθ 火力発電所の定期修理後の故障 0 0 あるが、現実 の機械部 品は本当 にバス タブ曲線 の ような劣化特性 をしてい るのであろうか ? 0 5 ∞ 。 5 ︵ ぐ︶肛歯量ね これは、永年 のあいだ世界中の保全管理者が 等 しく持 ち続けた疑間であ つた。 予防保全PMに おいては、設備 の劣化特性 を Tub曲 線 に置 ぃ てい るが 、現 Fig.2に示すBath― ノ〆 ≠ が、 バダダ 、 血 ∝ dC W I鰤 日 91淋d° 鮮 … 『 鶴よ 実 の機械設備 もこのような時間依存型劣化特性 を示す のであ ろ うか。 このような現場保全管理者の疑間を解明す るた め 、専 門家 に よる プ ロ ジ ェ ク トチ ー ム MSG Bath‐Tub曲 線 故 障率 (Maintenancc S崚 輌 Group)が 編成 され、まず航 空機 の機械部品の劣化特性の調査 をお こなった。 この調査結果 はFig.3に示す ように、当時の 保全管理者にとって驚 くべ きもので、実 に89% 以上 の航空機用機械設備 の劣化 が 時間依存 型 Related DeteHoration)で な く、従来の時間 (Age― 使用年数 Fig,2 基準予防保全 TBM(Time Based Maintenance)で は効果がないことが半J明 した。 Bath― Tub curve of inachines in industry か。 この よ うな現場管 理者 の根 強 い疑間 に答 え るため に米国 の 火力発電所 で調査 された記録 が これによると、実 に82%以 上の機械設備 に対 して予防保全 PMは 有害無益 とい うことになる。 Fig.1である。 Fig.3か ら Fig.1よ り、驚 くべ きことに58%以 上の故障 が定期修理作業後 の 1週 間 に集 中 してい るでは ① 4%以 下 の機械部品の劣化特性が古典的 Tub曲 線 に従 う。 なBath― ない か lま た い つたん安定化 した とお もわれ る 機械 が大修繕後 1ケ 月程度 で また故障 しは じめ 持 ② 劣 化曲線 に摩耗領域 (aging region)を つ 6%で ある (曲線 A、 B)直 線増加型 の 曲線 Cも 摩耗型 と見 なせば、 11%の 部品が る (理由 はい まだ もって不明 で あるが)の は保 全 の現場管理者 は感覚的 によ く理解で きる と思 う6著 者 が現役時代 の経験 で も、定期保全 の終 年齢依存型劣化特性 となる。 ③ 逆 に89%の 部 品劣化特性 は年齢 に依存 一 しない。有効使用期間内では故障率 は 定 了後 1週 間 は保 全管理者 は外 出禁止 で異 常発 生 に備 えた ものであ つた。 つ ま り故 障 は偶発型 で あ ることがわか る (曲線 D、 E、F)。 これでは故 障 を予防す るため の定期予 防保 全 が逆 に故障 を増加 させ る原 因 にな つてい るおそ れがあるではない か。 周知 の よ うに、予防保全 の基 本哲学 は Fig.2 の設備劣化 を示 すバス タブ 曲線 である。予 防保 全 PMが 有効 であるため には、故 障率が時 間 と 共 に増加す る時 間依存型劣化特性 である必要 が ヽ ④ 82%の 機械部品が初期不良特性 を持 つこ とに注 目したい (曲線 E、 F)こ の劣化特性 を持 つ機械 に対 しては定期保全がかえって 故障 を増加 させ るとい うことになる。 ⑤ 82%の 機械部品 (曲線E、F)に対 しては、 設備診断技術 による製造品質診断 もしくは 2 2 0 0 4 年3 月 │ 最近 の設備診断技術 と予知保 全 … (3)r_31 「 ・‐ 1 4 故障率 降器 68%の 機械設備の最適保全政策 は保全 しないこと ! 時間 (年) Fig 4 0ptimum maintenance policy is no maintena /o(1) machines of 68° 米国における機械劣化特性の調査 ︵ N︶掛 雲 Fig 3 日 鱚 Deterioradon characterisics of machine elements in 誠rcraft derivatives(lX" 1968 Fig.5 工事診断が重要であるかを示 してい る。 ⑥ 最 も多 くの68%の 機械部 品が初期時点 Tub曲 線 と同様 な特性 を しめすが、 でBath― 決 して年齢依存劣化領域 を持 たない (曲線 F)こ とがわかる。つ ま り68%の 機械設備 に対 しては予防保全は無益 (故障 を減少 さ せ ない)あ るばか りでな く有害 (故障 を増 ゃす)で ある ことになる。 結論 として、82%以 上の機械部品の劣化 は年 齢 に依存せ ず、古典的な定時予防保全 PMは 無 益 であ ることがわかる。 す なわち、古典的 PM理 論 による と、Fig.4 に示す よ うに、82%の 機械設備 (曲線 E、 F) “ にたい して 最適保全政策 は定期予防保全 をし "と なる。 ない こと すなわち 「 実 に82%以 上 の機械部 品に対 して 従来の予防保全PMは 理論的 に有害無益 である」 ことが判明 した。 すなわち 1973 1885 調査年度 1993 Deterioration characteristics of machines Studied in USA(lX" は若干の例外 をのぞいて航空機 のよ うな複 雑 な機械設備 においては効果がない。 ② 予 防保全 の方法 が効 果的 でない 。 (予防 保全方法 に無駄が多い) ことが指摘 された。 この ように調査 結果 があ ま りにも衝 撃的で 、 従来 の学説 を否定す る内容 であったので、多 く の保全管理者 か ら、再調査 の要望 がだ された。 従 って米国のNASAを 中心 とした保全関連組織 体 がその後、1978年、 1985年、1993年の 3回 に渡 り同様 の調査 をおこなった。結果 はFig.5 に示す ように1968年の第 1回 調査結果 を補強す る もので、 いずれ も古典的な予防保全 PMが 効 果 を発揮する機械設備 の割合 は10%内 外 である 事 が判明 した。 1968年のMSGグ ルー プの調査 では偶発故障 型が前述の通 り89%を 占め当時の保全管理者 を ① 定 期 オーバ ホール (Scheduled Overhaul) 驚愕せ しめたのであるが、第 2回 目の 1978年の ターボ機械第 32巻 第 3号 3 ] r" 最 近 の設備診断技術 と予知保全 … (4) 0 0 0 9 0 7 。 6 0 4 。 3 。 2 。 1 。 1964 Fig 6 2.新 しい保全 方式 の 誕 生 と進 展 このような予防保全PMの 限界 に関する調査 結果が、現用の新 しい保全管理手法 を生み出し たといえる。すなわち ′ 全員参加 ① 日 本の組み立て産業において 「 のPM」 すなわちTPM ② 欧 米 と日本 で開発 された設備診断技術 CDTと 予 知 保 全 CBM ③ 米 国で開発 された信頼性中心保全RCM ④ 日 本 の改良保全 の進化 と思 われるプロア クテイブ保全 ⑤ 予 知保全 CBMの 進化 したプラ ン ト資産 管理 PAM などである。 と くに町Mは 、最近欧米 で も、極 めて有益 な Ⅷ 。 5 ︵ ぺ︶ ぐ 雨 嘔 縮 最新の1993年の調査 では、故障率が経時的 に上昇傾向を持つ摩耗型劣化特性 を持つ機械設 備の割合は 1桁 に減少 して7%と なった。 0 8 調査ではさらに92%の 高率 を示 し、保全管理者 をして 「 機械設備の劣化特性 はBath_Tub Curve に従わない」 という確信 を持たせるに至った。 1970 1980 年度 1990 History of maintenance policy in arcraft derivaives・ 2-1 設 ' 備 診 断技 術 CDTの 開発 と予知保 全方式 の導入 前節 で述べ た よ うに、生産設備 の大型化 、複 雑化 、高速化 に ともない突発故障 による損 害 が 膨大 な もの となって きた。 また予 防保全 に要す る保全 コス トも鉄鋼業や 石油化学、 お よび航空機 な どの運輸産業 にお い ては全 売 上 高 の 10%∼ 20%に 達 し、経営 上財 務 上の最大 の障害 となつてい た。 そ の ため 、設備 診 断技術 CDTを 信頼性 保全 RCMの 手法 を用 い て効 率 的 に運用 す る予 知保 全方式が採用 され、大 きな成 果 を収 めて きた。 Fig.6は米 国民 間航 空 機 の保全方式 の採用状 況 を示 す 。 1964年 当時 は 、定期予 防保 全 が 約 60%、 予知保全方式が約 40%で あ つた。 保 全 戦略 とみ な され、 日本 人指 導 (Japanese i血dative WM)に よる生産保全 (TOtal Productive その後、設備監視技術 や診断技術 の信頼性や M譴ntnance)、もしくはオペ レー タによる自主保 経 済 性 の 改 良 と と もに、RCMと リス ク管 理 ー RIMに よる予知保全方式 の効率化 によ り、 1990 全 を重視 した保全方式 と言う意味で、オペ レ タ 遂行保全方式 OPM(OperabrPelfomeduintenance) と呼 ばれるようになった。 年代 では予知保全の採用率 が90%を 越 えるよう 特 に米国 と日本 では、予知保全 cBMと 信頼 性 中心保全 RCMが 設備管理 の効率向上 に果た Fig.7は航空機 の保全 コス ト削減 にお け る予 知保全 CBMの 効果 を示す。図 よ り明 らかなよ うに1997年当時、保全 コス トはその他 の経費 を になった。 した役割 は大 きい。 本節 では設備診断技術 CDTに ついては次報 で ふ くめて最大の コス ト要因であった。 詳述す るので、予知保全 CBMと 信頼性 中心保 全RCMの そ の後 の導入状況、お よびプ ロアク テイブ保全 PRMに つ き概説 しよう。 予知保全 CBMと 信頼性 中心保全RCMの 採用 により、その他の経費 (燃料 十人件費)の 激増 にも係 わ らず、保全 コス トは一定 に押 さえられ てい る。 4 2004年 3月 ″ 最近の設備診断技術 と予知保全…(5)′ 航空機の保全 コス トの推移 主 \ の︶ ι К Π創 興 ︵ 幾 つ か の 欧米企 業 で 、 この プ ロ アクテ イブ保 2000 1500 飾 1000 500 ntenance)を 全 PRM(Proactive M」 導 入 し劇的な 1 保 全 コス トの削減が可能なことを報告 している。 その基本的考 え方は日本 で発 生 した総合生産 0 Fig 7 いう 保 全 TPM(Totd Productive Maintenance)で Malntenance costreductiOn by CBM introduction in ) 」rcraft industry“ 「 原因系 に遡 れ !」 とい うことで あ って、TPM の考え方 にll■ れた我 々 日本人には当然 の事 であ るが 、「 設備診断技術 を用 いて原因系 のパ ラメ ー タを科学的 に監視診断 し劣化 や摩耗 など故障 ( P R M : P r o a c ‖v e M a i n t e n a n c e ) の 現今 設備管理 にお い て、 コス ト節減 の傾 向 原因を事前 に除去せ よ !」 とい うことである。 欧米の文献 によると 「 予知保全CBMは 故障の 徴候 を監視 し除去するが、プロアクテイブ保全 は機械摩耗や故障 の根本原因 (r00t causes)に 点 焦′ を絞 ったメンテナ ンスソ リュー ションに向 いてい PRMは 故障の原因 を監視 し除去する」とす る。 海外文献ではプロアクテイブ保全 を故障事前 2-2 プ ロア クテイブ保全 る。ヂ ュポン (DuPont)社 によると、 メンテ ナ ン 活動 (failure proactivc)、 従来 の予防保全 を故障 スはプラン トにお い て制御可能 な最大 の経費部 反応型 (failure reactive)と 表現 している。 in aメ 丁able lにプ ロアクテイブ保全 と他 の保全方 ant) Fl(轟激n“nance is he largest expcnditure であ り、多 くの企業でそれは年間の企業利益 を 式 との相違 を医学診断 と対比 して示す。 プロアクテイブ保全は従来 の保全戦略 では達 超過 してい る。 このような保全 コス トを削減す るために設備その ものを劣化 させ ないこ とが重 要 であるとの考 え方で、劣化や故障 を防止す る ための事前保全活動 を総称 してプロアクテイブ 保 全 (PrOactive Maintnance:PRM)と い う。 こ れは端的 に言 つて劣化 防止型保全 である。 これに対 して、故障や劣化 を見付 けて対応する 保全 をリアクテイブ保全 (Reacuvc Mttntellance: RAM)と い う。本法 は反応型保全 と翻訳 す るの が適切 と思 われる。 Tab!e l 保全方式 予知保 全 PDM (Produclve Mantenance) に設備診断技術 を適用 して劣化や故障の原因 を 検出 して除去す る方式」 であ り、我が国にはこ の概念 は古 くか ら存在 した もの とお もう。 プ ロ ア クテ イ ブ保 全 で は修 正 ア ク シ ョン ターゲ ッ トを故障 の徴候 (corrective action)の Proactive inaintenance and other rndntenance policies(3, 主要技術 の 0 0 t C a u s eの )系 監視 と修正 故障 根本原因 ( f a i l urκ ( 例 : 油汚染監視 と修正 ) 動断 振診 プ ロ ア クテ イブ保 全 PRM nance) (Proactive Man“ 成出来なか つた劇的な保全 コス トの削減 を可能 にする保全方式 として全世界 の保全管理者 の注 目を浴びてい るが、著者 に言 わせ ると、TMで いう 「 原因系 原因系 に遡れ」 の理念にそ つて 「 温度、油中金属摩耗粉、 アライメン トなどの監視 医学 との対応 コレス トロールと血圧 を監視 しダイエ ッ トす ること 心電図や超音波診断装置 によ り心臓欠陥 を診断 予防保 全 PM (Preventive Malntenance) 定期的 オーバ ーホールお よび部品交換 臓器移植 またはバ イパス設置 事後保 全 BM (Breakdown Maintenance) 大 きな生産損失 と保全予算 が必要 心臓発作が起 こってか ら病院 に5区 け込む ターボ機械第 32巻 第 3号 5 fθ イ 最 近 の設備診断技術 と予知保全 … (6) く故 障 の 根 本 原 因 ( f a i l u r e s y m p t o m sな) で 取 り除 くことにお く。し (failure root causes)を たがって、その基本 フイロソフイは機械寿命延 長のための保全活動 にあ り、従来法 の ように ① 故 障 していないのに安全のために修理する ー ② 故 障 をル チ ンまたは正常 の出来事 とし て受け入 れる ③ 定 期保全 の名の もとに重要故障修理 を先 除す る。 取 りす る ことをリト 故障の根本原因は、多 くの場合その故障形態 により隠蔽 され、 またその形態 自体 が原因 とさ れることがる。例 えば軸受 の突発故障 は多 くの 場合 は潤滑不良で片づ けられるが、根本原因は 潤滑油 の汚染 (フイルタ不良 を含 む)も しくは軸 受 の取 り付 け不良 にある。 ー ー 米国最大 の 自動車部品 メ カ であるTRW の報告 による と軸受損傷 の根本原因の第 1は 潤 滑油汚染 であ り、その90%は 設計寿命以前に故 障 してい る。 プ ロ アクテイブ保全 の基本精神 は 日本か ら学 んだ とされる。欧米 の文献 では新 日本製鉄名古 屋 の油圧系統汚染管 理 プ ロ グラムによ リポ ンプ の取 り替 え頻度 を 1/5に 削減 した例 、 また川 崎製鉄 の油圧系統 の汚染管理 プ ロ グラム によ り 信 じがたいことで あるが97%の 故障 を削減 した 例 な どが 引用 される。 現在本法 が適用 されてい るのは主 として油圧 系統 や潤滑系統 で あ つて、 プ ロ アクテイブ保全 PRMへ の第 1ス テ ツプは、潤滑油、作動 油、 ギ ア ー油、ト ラ ンス ミッシ ョン液 な どの汚染管 理 プ ロ グラムの整備 である。 PRMの ため の基本的汚染管理 プ ロ グラムは次 の 3ス テ ップに よ り導 入 され る。 ① 機 械油 系統 の 目標清 浄 レベ ルTCL (target cleanhness設定 le'el)の ベ ルTCLを 実現するためのフ ② 目 標清浄 レ ィルタ設備 と汚染除去設備の選定 6 2 0 0 4 年3 月 ③ 清 浄 レベルの定期監視 汚染監視があってはじめて汚染制御が可能なの であって、その意味で 「 油の汚染監視は汚染制御 のコーナース トーン(Cσttmhant MonitoFing:TR といわれる。 ComerstoncofContammantControD」 3。 予知保全 システ ム CBMか らプラン (1) ト資産管理 システ ム PAMへ 日本でも、設備診断技術 による予知保全 ソフ トウエ アが各社か ら市販 されてい る。海外 で は、最適資産管理の考え方から、 これを進化さ せたソフ トウエアをプラン ト資産管理 システム して市 場 化 し PAM(Plant Asset Management)と て い る。 3-l PAMの 機能 プラ ン ト資産管理 システムPAMと は、従来 の設備監視診断 ソフ トに品質操業監視診断 ソフ トと予 知保全 戦 略 ソ フ トを附加 し、上位 の ステムとの連携 を容易 に した EAM/CMMSシ ソリユー シ ヨンッフ トである (Fi9.8参照)す なわち PAM=設 備劣化監視診断 ソフ ト十操業品質監 視診断 ソフ ト とい える。 従来の設備診断 ソフ トは振動や音響信号 など 機械 的状態変数 が主体 で あ った。PAM実 現 の ためには設備診断技術 を更 に一般化 して ① 振 動、音響、応力 などの機械信号 の監視 診断解析 ② 電 流、電力な ど電気信号 の監視診断解析 ③ 潤 滑油/作 動油中の金属摩耗粉 の監視診 断解析 ④ 潤 滑油/作 動油 の油質劣化や汚染監視診 断 ⑤ 赤 外線温度画像 による監視診断解析 ⑥ 非 破壊検査技術による構造物の監視診断 解析 最近 の設備診断技術 と予知保全… (7)f35 資産管理 ・保全管理 de Asset (Enterp“ 企業資源計画 システム (Enterprise Resource プラ ン ト資産 管理 システム (Plant Asset Management Planning System(ERP)) Management PAM System) (EAM/CMMS)) プラン ト情報監視 システム (操業品質、制御系、設備、デバイス、潤滑系統、油圧系統、作動油系統の情報) ン イ ・ 過度現象 モニタ 1.軸 振動 2.潤 滑情報 3.プ ロセス情報 サンプリング情報 1 . 潤 滑油汚染度 2 . 作 動油汚染度 3 . 冷 却水汚染度 Main function of plant asset management PAM (3) ⑦ CCD画 像やボアスコープによる遠隔腐食 '診 断機能 などの機能 を備えなければならない。 また、品質や操業状態の監視診断機能 として ① 品 質変数 (寸法精度、材料精度など)の オンライン監視診断解析 ② 電 力や効率 など機器効率変数のオンライ ン監視診断解析 ③ 制 御装置の主要制御変数や制御定数のオ ンライン監視診断解析 などの機能が追加されねばならない。 次 に予知保全戦略 ソフトの機能 として ① 予 知保全 レベル (常時監視か、定期点検 かなど) ② 最 適な診断方法 ③ 最 適な診断周 ④ ア ラームレベルの最適設定 ⑤ 点 検診断ルー ト設定 その他がある。 ラン ト資産 管理 シス テ ム PAMの 一 一 中核 性 能 エ ネ ル ギ監視診断 プラン ト資産管理PAMと は設備劣化の監視 診断を主機能 とした予知保全に設備の主要機能 4.プ 視 監 ・ Fig 8 オ ・ 3.製 品性能 制御系情報 1.流 量情報 2.温 度情報 3.バ ルブ情報 ラ 動 度 流 ン 振 温 電 品質情報 1.製 品寸法 2.製 品精度 E,│ Po,Qo 監視 パ ラメ ー タ 監視 目的 入カパ ラメータ E、I、EI、 P i 、Q i (1)電 動機異常検出 (2)ポンプ異常検出 ←)負荷異常検出 出カパ ラメータ PO、Q。、 n、POQ0 効率パ ラメー タ PoOo/EI (1)ポンプ性能検出 (2)負 荷異常検出 (1)ポンプ性能検出 損失パ ラメー タ EI― PoQo Pi、Qi― Po― Qo (1)負 荷異常検 出 (2)ポンプ異常検出 パ ラメ ー タ分類 Fig 9 Main effect paralneters ofrotating inachines(8) である性能 。エ ネ ルギ ーの監視診 断技術 を付加 した ものである。 ここではPAMの 新機能 である 性能 ・エ ネルギの監視診断技術 を例示 しよう。 lP 4-1 タ ーボ機械の性能 ・効率監視診断 ターボ機械 などの状態診断用パ ラメータには ー ① 振 動、音響 などの2次 効果パ ラメ タ ② 入 力電力や出力圧力などのなど設備の主機 能を表現するパラメーター (主効果 という) がある。 性能 ・効率の監視診断には、日g.9に 示す主 ターボ機械第 32巻 第 3号 7 6 最 近 の設備診断技術 と予知保全 … (8) rθ メンテナンス Fig.1 0 Life cycle cost of centrifugal pumps in underwater ' systems■ 吐 出温度 セ ンサ 流量 ( m 3 / m i n ) 吐出圧カ Fig.1 2 Pump characteristics for eficiency calculation 欧米各国や国内各社 のシス テムでは、入 り側 圧力Pi、出側圧力Po、流量 Qを 計測 し、 よく知 吸込み温度センサ Fig ll Performance and Energy monitoring for pumping system“ ) られた方法で運転動作点や最効率か らのズ レを 計算す るが、計算精度 はこのほ うが高 い といわ れてい る。 効果 パ ラメー タが使用 され る。 つ ま リポ ンプな どの入力電力や出力圧力 P、 流量 Qな どを波形 を解析 す ることによ り設備 の性能劣化 や最効率 ー 本 シス テ ム によれは、付属 の ソフ トウエ ア に よ りFig.12に示す よ うにポ ンプ性 能劣化 によ るポ ンプ動作点 の最高効率点 か らの変移 か観測 で きる。 イ ンペ ラ ーの腐食 、 シールの磨耗 、付 運転点 か らの偏差 が オ ンラインで監 視 で きる。 Fig.10に上水道用 ポ ンプの ライフサ イクル コ 着物 によ り部分 ブ ロ ックな ど性能劣化 の原 因 は ス トの例 を示す。 驚 くべ き ことに全 ライフサ イ クル コス トの95%を エ ネルギ ー コス トが占めて 種 々考 え られるが、出力圧力波形 の解析 によ り 性能劣化原 因の 同定 も可能である。 いる。 ー 性能効率診断 によれば、約 10%の エ ネル ギ の節約が可能 といわれてい るか ら、 このデ ー タ を信 じる限 り全 メ ンテナ ンス コス トの約 200% の節減が可能 とい うことになる。 Fig.11はポ ンプの効率診断 システムの実例 で ある。入力電力 とポンプ入 り側圧力、温度、出 側圧力、温度 を計測す ることによリポ ンプの動 作 点 や効 率 をオ ンラ イ ンで監視 で きる。 この シ ステムは英国のAEM(Advanced Energy Montomg) c)に より開発 社 のエ ネルギーセ ンタ (Ellergy Centl・ された もので、計測 に手間のかか る流量 Qの 監 視 が不要である特徴 をもっている (同社 の特許)。 8 2004年 3月 この よ うに回転機械 の性能効率監視診断 シス テ ムは従来型 の設備監視 シス テ ム と接 合 して設 備 劣化監視 と性能劣化監視 を同時 に行 うPAM Sotwareが 欧米諸 国 か らタト販 されてい る。 最 も著名 な製品は米 国ベ ン トリー社 の性能診 “ 断 ソフ トウエ ア PERFORNIIANCE SOFIWARE" で この名称 その ものが同社 の商標 となっている。 “ 同社 のデー タベ ースソフ ト DttMa71eger2000" “ お よび回転機械監視診断 ソフ ト Systeln l"と 接合 す ることによ り、 ほ とん ど全 ての産業用 回転機 械 の性能診 断が可 能 で ある。 最近 の設備診断技術 と予知保全… (9)Jθ7 一 本報が読者諸氏 の業務改善 の 助 になれば幸 いである。 5.お わ りに 本報の要点は、 ① 保 全戦略の最新動向 としての事前活動型 <参 考文献 > 保 全 (PrOactive M江nt6nance:PRM) ② 予 知保全 (CBM)の進化 したプラン ト資 産管 理 (Plant AssetManagemcnt:PAM)の (1)American Chemical Society,Technology Vision 2020 Report,Dec.1996. (2)Machnery lnmion Management Open Systems Alliance (MIMOSA), Technical Speciflcaions,Ap五 紹介 で あ る。 前 者 は、従 来 の予 防保全 (PM)シ ス テ ム が設 備 劣 化 に対 応 して 保 全 す る反 応 型 保 全 (3)Whatis prOacive m江 EntekIRDtt home― ル ww entekird.com page httpブ (4)Ken Beller:Understtding Plant Attt Management Systems, Rockwell AutomatiOnttHome Page a n c c ) から劣 化 の原 因 を除去 し ( R e a c t i v e M a nn“ "事 “ て 劣化 させ ない よ うにす る 前活動型保全 を意味す る。 これは 日本 に改 良保全 の進化 した 12000. ntenance? http:〃 www.rOCkWellautomation,c6m (5)Pump Test 3000,Probe,SPRING 1997,ISSUE No.5,THE NEWSLETTER OF ADVANCED ENERGY MONITORING もの との言 える。 SYSTEMS LTD. 後 者 のPAMシ ス テ ムは 、 ここ数年米 国 で流 行 して い るシステ ムで従来 の予知保 全 (cBM) hIN「 ENANCE BY PERFOR (6)RAY BEEBE:PREDICTIVE Ⅳ ― MANCE MONITORING OF PLANT.,Monash UniVersity, システ ムの主機能 が設備劣化 を監視診断す るの (7)EPRI RIISI REPORT:Applicmon ofEPRI RI― Australia ISI GddelttЮ s to CE Plant,TR107531 に対 して、企業 に とって さらに重要 な設備 の性 “ 能効率 を監視診 断 し 設備 に対 す る投資 回収率 0)豊 (Retum on Asset:ROA)"を 最大 にす ることを 目的 としてい る。 (9)豊 田利 夫 :最 近 の 設備 診 断技 術 (CDT)と 予 知 保 全 ( C B M ) , 日 本 鉄 鋼 協 会 計 測 制 御 シス テ ム部 会 シ ンポ ジ 田利 夫 : 回 転 機 械 診 断 の 進 め 方 , 日本 プ ラ ン トメ ン テ ナ ンス 協 会 . ウム , 鉄 鋼 業 にお け る信 頼性 と設備 診 断技 術 , p p . 1 7 - 2 1 タ ー ボ機 械 協会 関連 図書 ●ターボ機械 (入門編) タ ーボ機械協会編 B5判 218頁 定 価 :3,400円 (税別) ●ポンプのキャビテー ション損傷の予測 と評価 ターボ機械協会編 B5判 204頁 定 価 :3,CIK10円 (税別) ー 。 。 ー ●タ ボ機械協会創立25周 年記念出版 タ ボ機械 の過去 現在 未来 ターボ機械協会編 B5版 142頁 定 価 :1,542円 (税別) お問合せ :日本工業出版徽 〒113「 8 610 東京都文京区本駒込6-3,26 TEL:03‐ 3944-1181 FAX:03-3944-6826 E― mail: infoOnikkO― pb.co.jp ターボ機械第 32巻 第 3号 9 rθ θ 圧 縮機 の リモー トモニ タリング… (1) 特集 :ターボ機械の故障診断技術》 《 展望 ・解説〕 〔 圧縮機 の リモ ー トモニ タ リング 梅津朋文 * 伊平 尚志 *2 Remote Monitoring System for Compressors Tomofumi UMETSU and HisashiIHIRA 1. は じめ に 一般的な工場 における圧縮機 の使用エ ネルギ 量 は工 場全体 の約 15%を 占め ると言 われてい る。圧縮機 が トラブル等 により停止す ると、工 場 の操業 に大 きな影響 を及 ぼす こととなるため、 圧縮機 は工場 におい て重要 な設備 の一つである と言 える。そのため、圧縮機 の維持 ・保全 は大 目的 であるため 、監視対象 は圧 縮機 のみ な ら ず、各設備 ・機器 (圧縮機 ・冷凍機 。ボイラ ー ・ポ ンプ ・発電機等)を 統合 した分散型制御 システム (DCS)を ユ ーザ側で構築 してい る例 が多 い。 これは各機器 に備 わっている制御盤、 制御装置お よびセンサ等 からDCSへ 専用配線 に て接続 し、各機器 の情報 を一箇所 で集中監視す 変重要 であ り、常にその運転状況 を監視す る必 要があ るものの、監視員 を常時配置す ることで きないことか ら、近年、 リモ ー トモニ タリング る方法 である。 これによ り、各機器の運転状態 が把握 できると共に、 日報 ・月報等 の作成、ト (遠方監視)技術 に注 目が集 まってい る。本稿 で は、圧縮機 の リモー トモニ タリングにおける現 状 ならびに今後 の展望 と課題 について示す。 た。 また、 システムによっては、 このDCSか ら 各機器へ の 自動運転/停 止 (台数制御等)お よ 来 の リモ ー トモ ニ タ リン グ シ ス テム 従来 の リモー トモ ニ タリングシス テムは、工 体 となってシステム を構築 してお り、 自動車工 場や空気分離工場な ど(比 較的大規模 なプラン 2.従 レン ドグラフ表示 による傾向管理等 を行 ってき び制御操作 を行 ってい る場合 もある。 これ ら は、 一部 メー カと協力 しなが ら、ユ ーザ側が主 ト設備 を所有する業界 で導入 されてい る。 場 で使用するユ ーティリテイ全般 (水 。空気 ・ 電力 ・ガス ・蒸気 ・燃料等)を 管理す ることが 3.近 *1 石 3-1 全 川島播磨重工業い 回 転機械事業部 E― mail i tomofumi [email protected] Jp *2 石 川島播磨重工業的 回 転機械事業部 原稿受付 日 平 成 15年H月 25日 10 2X104年 3月 年 の リモ ー トモ ニ タ リン グ シ ス テム 般 の 通信技術 発展、汎用PC(パ ー ソナルコンピ ュー タ)の 性能向上によ り、近年 では構内LAN 圧縮機 の リモー トモニ タリング… (2)fθ9 遠方監視センター 工場 帯電話 I PDA(情 報端末)鶴 サービスセンター Fig.1 0utline ofremote mOnitoring system for compressor に接 続 されたPCを 使 った リモ ー トモ ニ タリング シス テ ムの構築 が可能 となった。 更 に、今 まで はユ ーザ側が主体 となって監視 システ ム を構築 して きたが、近年で は設備 ・機 ー 器 メー カや各計測機器 メ カが主体 とな り、 リ モ ー トモ ニ タリ ングシステムの技術提供 が盛 ん になって い る。 これは、省 エ ネルギ を目的 と し た 各設備 ・機 器 の運転方法 や予 防保 全 に関 し、 ー 容易 にシステムを導 入 した い とい うユ ザ倶1の ー 意向 と、そのユ ーザ倶1のニ ーズ を捉 えたメ カ 側 の サ ー ビス事業拡大 による ものである。 ー ー 尚、 自家発 電 や コ ジ エ ネ レ シ ヨン設備 ー ・ (ガス タ ビン)と いつた大型設備 機器 につい ては、設備導入 の前提 として、予め リモ ー トモ ニ タリ ングシス テ ムの構築 が含 まれてい るケ ー スが 多 い 。 縮機 の リモ ー トモ ニ タ リング 圧縮機 に関 しては、各 メー カにて小型 ス クリ 3-2 圧 ュ圧縮機 を中心 とした汎用圧縮機 を対象 に商 品 化 が進 んで い る。 これは圧縮機制御盤 に取 り込 んで い る各種 デ ー タお よび運 転状態 を電話回線 ー またはイ ン ター ネ ッ トを経 由 して メ カ側 に取 ー り込 み、 ユ ーザ側 に対 し情報 を表示 し、サ ビ スを提供す るシス テムである。 システムの概要 をFig.1に示す と共 に、主な特徴 を以下に示す。 (1)遠 隔監視 セ ンター 各 メー カにて遠隔監視セ ンター を設置 し、24 時間体制 で圧縮機 の運転状況を監視、必要 に応 じて遠方操作 を実施す る。 (2)運 転状態 のフイー ドバ ック 遠隔監視 センターで入手 した各圧縮機 の運転 ー 状態 を日報 また は月報 といった形 にして、ユ ザ側ヘ フイー ドバ ックす る。 (3)異 常時の緊急通報 圧縮機 に異常が発生 した場合 は、遠隔監視 セ ンターか らユ ーザ側へ通報す ると共 に、 メーカ のサ ー ビス部門へ も状況 を通報 して、早期対策 ならびに復旧 を図る。 “)省 エ ネ診断 と提案 ー 取 り込 んだ圧縮機 の運転デ タを元 に、圧縮 機 の性能劣化、圧縮機 の容量調整方法や複数台 ー ある圧縮機 の運用方法 を評価 して、ユ ザ側 に 対 して省 エ ネ案 を提示す る。 4. リ モ ー トメ ンテ ナ ン ス 従来、圧縮機 メンテナンスは運転時間をより ターボ機械第 32巻 第 3号 11 Iイ θ圧 縮機 の リモー トモニ タリング… (3) 時間管理型のメンテナンス 0日 常計測により運転状態を監視 、 部品交換 0メーカの実績に基づいた周期でのオーパーホール ・ ユ‐ザ側の要望 。 安定した性能 ・ トラブルを未然に防ぐ 。 メンテナンス周期の延長 リモートモニタリングの導入 傾向管理型のメンテナンス 0運 転データをオンタイムで監視 部品交換 0設 置環境に左右されない周期でのオーパーホール ・ Fig.2 Movement of mantenance management ンス管理項 目について説明す る。管理項 目は大 きく分けて 4項 目に分類 される。 縮機 の性能管理 圧縮機 の性能 は工場側 の電力費用 に大 きく影 4-1 圧 響 し、更 には二酸化炭素 (C02)削減 に寄与す る。 圧縮機が一定 の吐出圧力 で運転 されてい る場 合 は、圧縮機 か ら吐出されるガス流量 とその電 力量 との比 (一般 に原単位 と称す)で圧縮機性 一 能 を評価する ことがで きる。 この原単位 を つ の指標 としてメンテナ ンス を行 い、環境下に見 合 ったオーバ ーホール周期 を決定す る。 この評価方法 では、各圧縮機 に対 して同 じ計 測精度 を持 つ流量計 を設置す る必要がある。 ナ ンスが主体 であった。現在 では、圧縮機 制御 盤 に取 り込 んで い るデ ー タをもとに、 日報 。月 各圧縮機 に吐 出流量計 を設置す ることが難 し い場合、多段 圧縮機では各段 の単段性能 を計測 して圧縮機 の性能 を評価する ことで きるが、各 段 の出入 口に圧力 ・温度 センサ類 を追加す る必 報 。トレ ン ド等 による運 転状態監視 が可能 とな 傾 り、 リモ ー トメ ンテ ナ ンスシステムによる 「 要があるため、多大 な初期投資が発生する。 また、採取 ・解析 したデー タを元に、工場 ラ 向管理型」 メ ンテナ ンス に様変 わ りしてい る と イ ン全体 における複数圧縮機 の性能 を評価す る 言 える。 場合、各 圧縮 機 の運転状態 (負荷 /無 負荷運 転)、特 に遠心 式圧縮機 の場合 は吸入温度 ・吸 入弁開度 の補正等 も考慮す る必要がある。 4-2 冷 却器 (クーラ)の 性能管理 どころに した、 い わゆる 「時間管理型」 メ ンテ かねて よ り、圧縮機 を常 に所定の性能で運転 す る方法や、不慮 の事故 による トラブル を未然 に防 ぐ方法、あ るい はメ ンテナ ンス周期 の延長 ー 方法 な どに対す る強 い 要望 が ユ ザ側 にあ つた が、 これは従来 の リモ ー トモ ニ タリングシス テ ム によるユ‐ザ狽1の技術 だ けでは達成す る こと が難 し く、各圧縮機 メ ー カが蓄積 した独 自のノ ウハ ウを必要 とす る。 よって、従来 の時間管理型 での メンテナ ンス か ら、 リモ ー トモ ニ タリングシステムで入手 し た運 転状態 をもとに、 メー カ側 か らユ ーザ側 へ 適切 な圧縮 機 の メンテナ ンス時期 をフィー ドバ ックす る傾 向管 理型 メ ンテナ ンスヘ の 移行 が 、 リモ ー トメ ンテナ ンス技術 開発 の最重要課題 と い える (Fig.2)。 以下 に汎用圧縮機 にお けるリモ ー トメ ンテナ 1 2 2 0 0 4 年3 月 冷却器 (クーラ)の性能 は、前述 の圧縮機性能 に大 きく関係す る。 クー ラの性能 は、冷却器 の ガス流量、 ガス入口/出 口温度、冷却媒体 (冷 却水 またはガス)流量 お よび冷却媒体 の入口/ 出口温度 を計測 し、総括伝熱係数 または温度効 率 を算出す ることで評価 で きる。 これ も圧縮機 の性能管理 と同様、 センサ類 を多数設置す る必 要があ り、また、解析 デー タに圧縮機運転状態 (負荷/無 負荷運転)を 考慮す る必要がある。 4-3 消 耗品管理 IS014001における環境改善活動 では、工場 で 使用す るエ ネルギの低減 に着 目される傾 向があ るが、廃棄物削減 を目的 とした消耗品の管理 も 圧縮機 の リモー トモニ タリング… (4)rイJ Fig.3 Monitoring items for centHfugal compressor 重要 な要素 である。 ル タ ンク内の油面高 さを計測す ることで、 潤滑 時 間管理 に よる従来 の メ ンテナ ンス手法 を、 採取 したデ ー タを傾 向的 に捉 え、消耗部品 を限 油量 の減少 を常時管理す る。 界 まで使用す ることで消耗 品交換費用 を削減 で きる と共 に、 日常計測作業 を無人化す ること も 通常 、圧縮機 の制御盤 には運転 に最低限必要 な情報 を既 に取 り込 んでい る。 これ らのデー タを リモー トモニ タリングによ り管理す ることで、あ 可能 である。 主 な消耗 品に対す る管理方法 につい て以 下 に 示す。 4-4 予 防保全 る程度の予防保全 は可能である。 また、予防保全 については、前述 の圧縮機 の性能管理、冷却器 の (1)吸 入 フイル タエ レメ ン ト 吸入 フイル タの エ レメ ン トを通過す るガス流 性能管理お よび消耗品管理 に大 きく関係する。 予防保全 は、 そ の危険 に至 るまでの兆候 を的 量 、大気圧力 とエ レメン ト2次 側圧 力 (圧縮機 確 に捉 え、不慮 の事故 を未然 に防 ぐことが 目的 である。 この点 につい ては、監視項 目や管理基 準 をメー カ側が持 つ技術 ・ノウハ ウを元 に運用 の吸入圧力)と の差圧 を計測 して、管理指 標 と す る。 ただ し、解析す る際 は、圧縮機 の運転状 態 (負荷/無 負荷 運転)を 考慮す る必要 がある。 (2)オ イル フィル タエ レメ ン ト オイルフィル タエ レメン トを通過す るオイル 一 量 を計測す る ことが望 ま しいが、 ほぼ 定 であ る と仮定 し、 エ レメン ト前後 の圧 力差 を常時計 測 して管理す る。 (3)オ イル タ ンク′ 由面 オイル タン クに油面 セ ンサ を取 り付 け、 オイ す るこ ととなる (Fig.3)。 4-5 ま とめ Table lは、多段 遠心式圧縮機 に対す る計測 項 目を上述 の庄 縮機 性 能管 理 、冷却 器性 能管 理、消耗 品管理 な らびに予 防保 全 に分類 した一 例 で ある。 多 くのセ ンサ を設 置 し、その計測値 を監 視す ることで、 リモ ー トメ ンテナ ンス技術 を最大 限 に活用 で きる。 一 方、通信 におけるデ ターボ機械第 32巻 第 3号 13 │ 142 圧 縮機 の リモ ー トモニ タリング… (5) Tab!el Example of monitoHng items for ccntnfugal compressor 計測項 目 回数 ・ 時間 圧力 計測 目的 圧縮機性能評価 冷却器性能評価 消耗品管理 現在時刻 運転時間 と回数 (積算) 負荷運転時間 と回数 (積算) ○ 大気圧力 各段吸入 ・吐出空気圧力 アフター クー ラ出口空気圧力 水圧力 冷却水給水圧力 と各 クー ラ出口冷去口 オイルフイルタ入口 ・出口潤滑油圧力 ○ ○ ○ 温度 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 主電動機回転数 吸入制御弁 の弁開度 (または開度信号) ― 夕量 や採 取周期 と蓄積量 によって、必要 以上 の経費 が発生す るので注意が必要である。 リモ ー トメンテナ ンス については各 デー タまた は解析結果 の管 理基準 を明確 にす る必要 がある が、設置環境条件 、運転状 況が全 て 同 じではな い ため 、定 めた管理基準 を どの状況下 にお い て も適用す ることは難 しい 。 この管理基準 は各圧 縮機 メー カ独 自の技術 とノウハ ウが必要であ る。 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ オ イル タンク油面 レベ ル 各段軸振動 主電動機入力電力 または電流 ○ ○ 潤滑油供給量 流量 ・そ の他 ○ ○ オイルタンク内負圧 大気温度 各段吸入 。吐出空気温度 アフタークー ラ出口空気温度 オイルクー ラ入口 ・出口潤滑油温度 水温度 給水温度 と各 クー ラ出口冷去口 圧縮機流量 (吐出 または吸入) 予防保全 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ た設備機器 に対 してメー カ側 が どの程度責任 を とれるかが、メー カ側 のサ ー ビス事業成立へ の 重要な ファクターであると言 える。 6.お わ りに リモ ー トモ■ タリングは、圧縮機 メー カ各社 よ り様 々な形態で商品化 されてお り、 二部 には リモ ー トメンテナ ンス要素 も取 り込 まれてい る が、メー カか ら提供す る機能 に対 して、ユ ーザ 5。 今 後 の 課 題 リモ ー トメンテナ ンスは、サ ー ビスを提供す るメー カ側 と、初期導入 に必要な経費 と運営費 側 での費用対効果 に大 きく関係する。 また、工 場全体 を統合する場合は、異なるメー カ間の各 設備 ・機器 をどの ように統合 し、 どのメンテナ が発生す るユ ーザ側 との間で相互 にギブア ン ド テイクが成 り立たなければな らない。 ユ ーザ側が費用 を払 う以上、ユ ーザ側 はメー ンス要素 まで組 み込むかを検討 しなければなら ない。今後 も、メーカ側 はユ ーザ側の視点にた って、 リモー トモニ タリングお よびリモー トメ カ側 にメ ンテナ ンス対象品 に対 して何 らかの保 証をす ることを期待す る。 しか し、既 に納入 し ンテナ ンス技術 を開発、推進 していかなければ 14 2004年 3月 ならない。 軸流 ファンの監視保全 … (1)f“ 《 特集 :ターボ機械の故障診断技術》 展望 ・解説〕 〔 軸流 フ ァ ンの監視保全 COnditiOn Based Maintenance for Axial Flow Fan 宮本祥文 Hirofumi MIYAMOTO 1. は じめ に 軸流 フ ァンは火力発電用、ト ンネル換気用及 び種 々一般産業 の送風機 ・排風機 として運用 さ れてい る。 これ らの設備 を安定 して稼動 させる ためには設備 の維持管理が必要である。通常 は 点検、年点検 を行い、設備 の振動 ・騒音 ・温 月′ 度 ・電力量 な どの運用状態 を点検す ることで 、 設備 の状態 を把握 し、その結果 に応 じて保全整 備、定期整備 を実施す ることになる。 しか し、 設備 の維持管理業務 に対す る省力化 のエーズは コス ト削減 の観点 か らも年 々高 ま って きて い る。 また′ 点検 が困難な環境 下 では、維持管理が で きず設備 の安定運用 に差 し支える ことか ら、 監視項 目を遠隔で監視 で きる監視保全 を備 えた 監視 システムが望 まれてい る。 ここでは軸流 フ ァンに対 しての監視保全 について述べ る。 2.軸 流 フ ァ ンの 監 視 項 目 軸流 フ ァンの監視項 目を丁able lに示す。 各監視項 目を計測 し、総合的に評価す ること で現在 の機器 の状態判定 を行 う監視保全 のため の監視 システムは全 ての工業設備 に設置す る こ とは有効 である。 その 中で も トンネル換気用 の トンネル換気 フ *い 日立 インダス トリイズ 原稿受付 日 平 成 15年H月 21日 Table l 事象 ファン本体 流体性能 * Monitorlng items of axial■ow fan 監視項 目 ●軸受温度、軸受油圧 o軸 受振動 ●冷却水温度、水量 o回 転速度 o風 量、風速 動翼 可動部 ●制御 目標値、実制御量 ●制御7由 圧 電動機 ●電流、電圧 ●軸受温度、巻線温度 ●回転速度 給油装置 ●給油油圧、給油温度 oγ由タンクレベ ,レ ァン(以下、 ジェッ トファンとす る)は トンネル 天丼 に設置 されてお り、点検及 び整備 を実施す るための工事 に交通規制 を伴 うため点検 が煩雑 で あ る。 そのため月点検、年点検 が実施 されず 保全整備 の実施が遅 れた場合、騒音増加 による 環境への影響、振動増加 による換気 ファン破損、 換気不足 によ リ トンネル内の安全 が確保 されな い とい う不具合 につ ながる ことか ら、ジェット ファンヘの監視保全の活用 は特 に有効 である。 Fo.1に ジェッ トファンの構造 を示す。 3.ジ ェ ッ トフ ァ ンの 損 傷 項 目 設備 の監視 を行 う場合、損傷部位 を想定 し、 必要な物理量 を検出す ることが重要 となつて く ターボ機械第 32巻 第 3号 15 I″ 軸 流 ファンの監視保全 … (2) ター ン サ ーが必 要 になる。 表内 の騒音浪1定に は騒音 計、腐食 の測定 に超音波肉厚計 な どを必要 とす Fig.2 0utline of monitOHng system る。 ジェットファンにおける異常振動、騒音増 大、腐食 などの故障現象 とその原因 をTable 2 ジェッ トファン損傷 FTAと して表す。 ジェ ッ トフ ァ ンにお い て点検 を実施す る場 合、交通規制の問題があ り、点検 コス トの低減 るが、その他 のほとんどが振動測定 により状態 を知 ることがで きる。 シス テム 自体 の コス トを ー 抑 えるために監視 システムのセンサ には振動 セ ンサ ーのみを取付 けるものが多 い またジェッ トファンの監視保全 を行 う部位 と してはケーシング、電動機、 ター ンバ ックルで あ るが 、電動機 の軸受状態 を的確 に把握する こ とは保守 にかかる費用 を適正にする基礎 となる。 そ こで電動機 の軸受 に振動 センサ ー を取付 け 軸受 の監視 と診断が行 われてい る。 や最適 な保全 の観点か ら頻繁 に点検 を実施す る ことはで きない。 このためジェッ トファンの運 用状態 が遠隔にて机上で確認で きる監視保全が 必要 になって くる。 視 シス テ ム 監視 システムの機能 は、設備 の運転状態 の把 4.監 監視保全 により、序 々 に進行 して くる劣化 を 把握す ることで、設備 に対 して最適な保全 プラ 握 はもとよりその運転状況 か ら周波数解析 を継 続的 に行 い初期故障の察知、異常傾向 と異常個 ー 所 の発見 を行 い、蓄積 された運転デ タよ り最 ンを策定 できるようになる。 状態監視 を行 う上では物理量 を計測す るセ ン 適 な経済運用 のプラン (精密点検 の周期決定) を策定で きる ことにある。 また運転履歴 を確認 Table 2 Faulttree analysis for malfuncJon ofjet fan 故障現象 振動 ボル ト、ナ ッ トの緩 み 振動 ター ンバ ックルの緩 み 振動 吸音材 劣化、吸湿、飛散 騒音 パ ンチ ングプ レー ト ダス ト付着、 日詰 り 騒音 塗装 異常振動 吊 り金具 腐食 環境 塗料 の種類、施工方法 の不良 塩害、ト ンネル内の温度、湿度、 排 ガス成分等 の腐食性因子 ター ンバ ックル緩 みによるケースの不均衡振 亀裂 ケー シ ング 動疲労亀裂 異音発生 運転不能 162004年 3月 測定す る物理量 ダス ト付着 によるア ンバ ラ ンス 翼面 の損傷、変形 羽根車 騒音増大 原因 区分 羽根車 電動機 振動 振動 車両 との衝突 振動 ケ ー シ ング との接触 振動 軸受異常 絶縁破壊 振動 抵抗 電動機 電圧不均衡 電圧 振動 羽根車 軸受焼損 ケー シングとの接触 振動 軸流 ファンの監視保全 … (3)rづ 測定 レ ベル アラーム設定値 1 9 101112 1 2 3 4 5 6 7月 Fig.3 Trend monitoring of vibration level として評価 しア ンバ ラ ンス、機器 のガ タな どの Fig 2 oudine of monitOnng system Table 3 Diagnosis by bearing vibration monito五ng 事象 機械的劣化 軸受 その他 監視項 目 ●アンバ ランス振動 ●ミスアライメ ン ト o 羽 根車 のガ タつ き ●軸受内外輪異常 ●軸受偏摩耗 ●軸受 リテーナ異常 ●軸受転動体異常 ●電気的異常 ●その他 の振動 す ることで故障発生時 の迅速かつ適切な文 サ応 を とることがで きる。 4-1 監 視 システム概要 Fig.2に監視 システムの概要 を示す。 ジェッ トファンの運用状態 を検知す るため振 動 セ ンサ ー を取付け、 その振動信号 を受取 るた 機構上 の異常及 び電動機 の異常検 出がで きる。 振 動 デ ー タの 10kHzまで を中域 周波数 として 評価 し異物巻込み、 軸受末期異常 な どの異常検 出 を行 い 、 10kHzか ら40kHzま でを高域周 波数 として軸受 の潤滑不 良 や軸 受 の初期 劣化異常 の 検 出 を行 う。 更 に振動波形 の特性 (波形率 、波 高率、衝撃 指数、歪度、尖度)を 解析 し異常 の有無 、劣化 程度 の監視 を行 う。 尚、測定値 に対 してアラー ム値 、ト リップ値 の しきい値 を定 め パ ソ コン上 で 警告 され るた め 、 ユ ーザは必要 な文寸応 をとる ことがで きる。 4-2 状 態 の管理 これ まで取 り込 んだ振動 デ ー タはパ ソ コン内 に蓄積 し、振動履歴 として保管 されて い る。分 解 点検 の計画時 には、劣化 の進行 したジ ェ ッ ト ファンの選定、 もし くは次 回には振動 が増加す る と予想 される号機 につい て整備計画 を立案す めに振動処理装置 を接続 し解析す る。 振動 センサ ーは主に軸受に関す る振動検出を れば よい。 目的 として軸受近傍 に取付 けてある。軸受 に使 用 されるグリースの劣化 や軸受 のボールや内外 設備 の状態 を示す振動 デ ー タを定期 的 に測定 し、 それ ら測 定 レベ ルの経時変化 の傾 向 で設備 輪 の経年摩耗 によって引 き起 こされる軸受振動 を計浪1してい る。 の異常 を検 出す る。 軸受振動 による評価項 目をTabЮ 3に示す。 これ らの振動デー タをパ ソコンに蓄積、管理 し設備 の劣化状態 を定量的に把握 し、異常チ ェ ックを行 うとともに、その傾向管理 を行 う。 振動 デー タと しては、lkHzまでを低域周波数 (1)傾 向管理 測 定 レベ ルが アラーム設定値 を超 えた場合 は 警報 を出力す る。 (Fig.3参照) (2)傾 向予知 傾 向管理 グラフ上 でアラー ム設定値 に到達す る時期 を、 2次 式や指数式等 の近似式 を用 い て 予知す る。 (日g.4参 照) ターボ機械第32巻 第 3号 17 │ f46 軸 流 ファンの監視保全… (4) し難い、長周期 の規則的 な波形変化 をとらえる。 (6)エ ンベロープ処理 波形 の頂点 を結 んでい く信号処理 であ り、軸 8 9 10 11 12 Fig 4 1 2 3 4 5 6 7月 Forecast for alarln by trend analysis として使用す る。 5.お (3)周 波数解析 回転機械 が異常 にな つた場合、 そ の原因毎 に 機械構造 と回転速度 に関係 した特定 の周波数 の 振動 が発生す ることか ら、そ の振動周波数 成分 を検 出 し異常原因 を推定す る。 0)ス 受 に損傷がある場合 な どに発 生す る衝撃振動 の 周期 を周波数解析 により検出す るときの前処理 ペ ク トラムの傾向管 理 振動波形 の周波 数解析 結果 (スペ ク トラ ム) を時系列的 に並 べ 、周波数成分 の変化 か ら特定 部位 の異常 を推定す る。 (5)波 形観察 波形 を観 察 す ることで、周波数解析 では検 出 わ りに ー 監視 システムは定期的 にそのデ タを確認す ることで、設備 の不具合の兆候 を事前 に把握す ー ることがで き、不具合発生時にはアラ ム を発 して くれる。現状 は、電動機 を主 とした振動監 視 であるが、ジェッ トフ アンの全体が把握 で き る総合的 な監視 システムヘ の展開 も望 まれる。 今後 はこのような監視 システムを各種 の設備 ー に広 く利用す ることで、光ネ ッ トワ クなどを 用 いた幅広 い情報 の共有が行 え、種 々の蓄積 さ れたデー タを活用す ることが可能 となつて くる。 ターボ機械協会会員各位 ー 情 報 配 信 の た め の 電 子 メ ル ア ドレ ス 登 録 の お願 い ー ー ー ターボ機械協会では、現在皆様への情報配信 を会誌等で行 っていますが、今後は電子メ ルとホ ムペ ジでも行 ってvヽ ー ご し 上げます 。 きます。つ きましては、会員の皆様に電子 メ ルア ドレスの登録をお願 した く 連絡申 ー ー ー 今後 は、毎月の会誌に加え、ホ ムペ ジおよび電子 メ ルが、協会 と皆様 をつなぐ重要な連絡媒体 となります。 是非 ともご協力 をお願い申し上げます。 登録方法】 【 「 情報配信希望」 とだけ書いたメールをお送 り下さい。 [email protected] に、件名に ip宛 tuFbO― い い 内容は何 も書かな で くださ 。署名などもつけないようにお願い致 します ―ご注意 ― ー ー せ (1)登 録す るメールア ドレスか らメ ルを送つて ください。他 (他人)の メ ルア ドレスか らの登録 はで きま ん。 ー い は随時行 う いた ルをご さ 。登録、削除 とだけ 送信下 で 書 メ 「 登録削除」 (2)登 録 の株消 を希望 される場合 は、上記方法 ことがで きます。 一 ー なお、登録 いただいたア ドレスデ タが、会員 を含め外部 に漏れることは 切 ございません。 平成 14年 10月23日 ターボ機械協会 182004年 3月 蒸気 ター ビンの寿命診断 とリスクベース保全… (1)コイ7 《 特集 :ターボ機械の故障診断技術》 蒸 リ 気 ス 展望 ・解説〕 〔 ター ビンの寿命診断 と クベ ース保全 Based Maintenance for Steam Turbines Life Assessment and Risk… Kazunari FUJIYAMA 1. は じめ に 蒸気 ター ビンは、火力 ・原子力発電 の原動機 として電力供給 に重 要な役割 を果 た している。 め 、保全対象 の優先順位付 けや保全 間隔延長 な どの判断 に適用 す る方法 である。 一方、定量的 手 法 は 、 リス クを故 障確 率 と影響 度 (損害金 わが国の火力発電プラ ン トにおいては、長期 間 使用 された蒸気 ター ビンが多 くを占め、かつ運 額)の 積 として数値 で表 わ し、最適 な保全 計画 用形態の多様化 が進 んでいることか ら、余寿命 診断に基づ く予防保全的保守管理 により安定運 (ltと ころ が、電力事業の自 用が図 られてきた 由化 に向けて、経済的な保守管理 の実施 が強 く 求 め られるようにな り、 リス クとい う指標 を導 入 して、経営的観点 か ら最適 な保守管理計画 を 策定す るリス クベ ー スメンテナ ンス (RBM: を立案す る方法 である。 蒸気 ター ビンは高温 ・高圧 ・高速 回転条件 で 使用 され、多 くの部 品が高精度 で緻密 に組立 て られているため、ある部品 の故障が他 の部分 に波 及す る可能性が強い。故障 の波及 シナリオを表現 一 する方法 としては、 システム安全工 学 の 手法 で あるイベ ン トツリー (事象 の木)が 適 してい る。 イベ ン トツリー を構成す る事象 に対 して故障 の生 起確 率 とその影響度 を付与 し、 リスクを評価する Risk― Based Maintenancc)導 入 の動 きが活発化 し ② てい る 。 には、定性的、半定量的お よび定 RBM手 法(° 量的手法があ り、一般 にはリス クを段階別 に評 価 す る リス ク ラ ンキ ン グ マ トリク ス (Risk 方法 は、確率論的 リスク評価 (PRA:h力 赫lislc RiまAssessment)法に属 し、 リス クの時系列的定 ° 量評価 に用 い ることがで きる し * 帥 東芝 電 力 ・社会 システム社 E― m t t l : k a z u n a r i . f u JpityOaSmhκ iba.co jp 原稿受付 日 平 成 15年H月 13日 て述べ る。 また、定量的 リス ク評価法 の応用展 開 として、プラ ン トの設計 ・運用 ・保全 などに 故障確率 を定量的に求める方法 として、故障 ranking m江 五x)法 が半定量的手法 としてよ く用 デー タの統計解析 に基づ く数理統計手法 と、故 い られている。定性的 ・半定量的手法 は、専門 障 の生起す るメカニズム をモデル化 し、事象 の 生起確率 を予測す る故障物理的手法 がある・ L 家 が 、 経 験 知 識 を 故 障 の 起 こ りや す さ ー エ (Liにlhood)とその影響度(Consequence of hlure) 本稿 では、フイ ル ドデ タの数理統計 と故障 につい てクラス に分類 し、 リス クのランクを決 物理 にもとづ く故障確率 の評価手法 として、累 積ハザ ー ド関数法 と確率論的寿命評価法 につい ターボ機械第 32巻 第 3号 19 ー … Iイ θ 蒸 気 ター ビンの寿命診断 とリスクベ ス保全 (2) ー ター ビンには、蒸気流 に混入す る剥離 スケ ル ー によるノズルや動翼 のエロー ジ ヨン、クリ プ による変形 ・割 れ、熱疲労 ・低サ イクル疲労 に よる割 れ、振動 による高 サ イクル疲労 ・摩耗、 酸化 および材料 の軟化 (強度低 下)・ 脆化 など の劣化 ・損傷 がある。低圧 ター ビンには、水滴 によるノズルや動翼 のエロー ジヨン、振動 によ 対す る統合 リス クマ ネジメン トシステムの概念 にも触 れる。 る高サイクル疲労、腐食 お よび腐食疲労、応力 腐食割 れ (SCC)な どがある。 これらの事象 を ・ 検査履歴 ・補修履歴 ・運用履歴 診断履歴 など のフイール ドデー タに基づいて分析 し、 リス ク ― 管理 の基本的な流 れである 「リス ク特定 リス ° ク分析 ― リス ク評価 ― リス ク対策」 に沿 った RBMを イ 予う。 ス ク ベ ー ス保 全 の 概 要 Fig.1に、本稿 で述べ る蒸気 ター ビン リスク ベ ース保全 の基本的な実施手順 を示す⑤。本手 ー 順 ではまず、蒸気 タ ビンの保全対象部品 を特 定 し、その故障の連鎖 を部品のライフサイクル にわたるイベ ン トツリー として表 わす。次 に、 2.リ イベ ン トツ リー を構成す る各故障事象 につい て、種 々の プラ ン トの故障履歴 デー タか ら故障 確率 としての不信頼度 を運転時間お よび起動回 数 の関数 として求 める。 さらに、検査結果 か ら ・ 事後確率 にすべ きものは補正 し、補修 回復 し 4.イ ベ ン トツ リー イベ ン トツリーは、発端 となる故障事象 か ら 始 めて、その影響が次 々と他 の部品 にも波及 し (7ゝ てい く過程 をツリー状 に表現 した ものであ る イベ ン トツリーに載せ る各事象 は、そのまま放 置す ればター ビンを停止 させ て補修 など何 らか の対策が必要 となる項 目とし、その波及 により ター ビンが運転 で きな くなる状態 にまで展開す る。 また、同一原 因で生 じる事象 につい ては、 ツリー中の並列 した枝 として表現す る。 た ものは リセッ トして補修後 の条件 を用 いて再 ° 計算す る 。 この ように して求めた不信頼度関 数 と故障 を復旧す るために必要な費用 を掛け合 わせ 、 ライフサイクル ・イベ ン トツリー に沿 っ Fig.3に、高圧 ター ビンにお ける、部品展開 “ )。ノズル とイベ ン トツリーの組合せ例 を示す に生 じた損傷 は、動翼や ロー タに影響 を及 ぼ し、 ロー タの損傷 は、 ノズル、動翼、軸受 に影 て足 し合 わせてリスク関数 を求める。 メンテナ ンスのシナ リオに応 じて これ らの関数 を求 め、 コス トとリスクの評価から最適なメンテナ ンス 響 を与える。 これ らの損傷 は放置すれば部品の 破損 を引 き起 こ し、運転不能状態 に至る。 計画 を立案す る。 5.数 析 (5Xη 3.蒸 気 タ ー ビ ンの 劣 化 ・損 傷 事 象 Fig.2に蒸気 ター ビンの代表的 な劣化 ・損傷 ー 事象 を示す。高温部 の高圧 タ ビンおよび中圧 月 2 0 2 C l l 1 43年 理 統 計 手 法 に よ る故 障 確 率 の 解 “X9漁 0 故障確率 の解析 を行 うに当 って、まずイベ ン トツリー を構成す る各事象 について、実際 の保 ー ・ 守管理記録か らフイール ド故障デ タを抽出 蒸気 タービンの寿命診断とリスクベース保全…(3)149 Movlng Brades ・ Erosion ・ Cracking ・ Llt up Nozz′es ・ E『oslon ・ DenectiOn ・ Rubblng,Scuttng ROrOrs ・ Cracklng ・ Bowing ・ Vlbralon ・ Rubbing,Wear 011』 物 mヲ pressu re : D膜 ]i「 槻 舅 臓 [ド Steam prpes ・ Scale erosion ・ Deformation ・ Cracttng Fig.2 Degradation,dalnagc and f」 lure modcs of stcam turbine cOmponents Excess scale erosion Fig.3 Plant life cycle event trees ターボ機械第 32巻 第 3号 21 r" 蒸 気 ター ビンの寿命診断 とリスクベ ース保全 … (4) 100,000 0peration hours t h 1,000,000 ¨ ¨ ¨ ¨ y 1 10,000 。 一。 一△ 一 ‐ ‖櫛鰯 PPPP,P お うE ぅ0 ^ X〓X . 工 cp● ce OLN“‘ o>一 お ﹁E 8 09 × ^ ■ 5 8 cコ マ ●N聖 9 一 1000 _ ♀_ 口 Fl器 : : 器言 : ハ ′ ′″ 4´ lo 100 Number of starts IV 1 000 6)Starts_based plot (a)Hours_based plot Fig.4 Cumulaive hazard functions 一 およ 分類 し、同一機種 の 同 事象 を運転時間 ′ び起動停止回数 Ⅳに対 して時系列的 に並 べ る。 ー 故障 してい ないユニ ッ トは、未故障 デ タとし てデー タ総 数 に加える。 故障確率 は、ある時刻 ′までに故障 してい る )を用 い る。 機器 の害1合、す なわち不信頼度 F(″ F(′ )は、故障現象 が起動停止回数 Ⅳに依存する 場合 には、 /Vの関数F(Ⅳ)として表 わす こともで きる。 )を求める方法 として、累積ハザー 不信頼度 F(′ ー )は、 ド関数法 を用 い る。 累積 ハ ザ ド関数″(′ の の ある時点 まで正常 な機器 うち、次 単位時間 に故障す る機器 の割合 を累計 した ものである。 〃(′ )の関係 は次式 で与 えられる。 )と不信頼度 F(′ F(′ )〕 )=1-CXp{― 〃(′ ・・・ ( 1 ) ー )を求 めるには、次 実際の離散 デ タか らス ′ 式 のように、時刻れにおいて故障 した 1台 をそ の時点 まで の生 き残 り台数 れ+1-J(κ :機器総 数、 ′:累積故障機器数)で割 ったものをすべ て )の推定値 とする。 の故障 について累計 し、〃(′ た 1-′ ″′ ) ( 4 ) = Σ1 / (+κ ・ ・ 。 (2) =1 ′ ここで、不信頼度がワイブル型 の寿命分布 (た だ し、η、 “は定数) /η (3) F(′ )″ } ¨ 。 ) = 1 - C X p {(―′ に従 うならば、″(′ )は次式 によつて近似 される。 3月 22 2CX14年 ″(′ )=(′/η)″ ′ 求 めた″ (れ)と運転時間 れの関係 が式 式(2)で “)によ り近似 で きるか否かを両対数 グラフによ って検討す る。近似度が良好 でない場合 は、異 な った現象 が混在 して い る場合 がある こ とか ー ら、 イベ ン トツリーの再分析 を行 ってデ タの 分害1などの処置 を行 う。 よつて求 めた″の推定値 と Fig.4に、式(2)に 運転時間 ′または起動 回数 Ⅳの 関係 を示す。ほ よる近似が成立 っ とんどの事象 に対 して式(4)に てい ることが分かる。Fig.5は、Fig.4を不信 頼度関数 によつて表 わ した もので、不信頼反 関 よつて計算 している。 数 は式(3)に 障物 理 的 手 法 に よ る 故 障 確 率 の (4) 計算 故障物 理的手法 は、Fig.2に示 したような故 6.故 障事象 に対 して、故障 の原因 となる劣化 や損傷 の物理的 メカニズムを分析 し、 モ デル式 を用 い て故障確率 を計算す る方法 である。蒸気 ター ビ ンにおい ては、 クリー プや疲労 など力漱寸象 とな り、す でに決定論的 な寿命評価手法が実機 に適 用 されている。 Fig.6に、蒸気 ター ビンの決定論的寿命評価 (5X6■ D。ここでは 、故障物理的手 手法 の例 を示す ー 法 として、 クリ プと疲労 の相互作用 を考慮 し 蒸気 ター ビンの寿命診断 とリスクベース保全 … (5)15r ″・ ■,} ^ ド 、 、 L ”一 一 0●〓0﹂C⊃ 一 . 、 ^ ざ L 〓 5 理 ち こc⊃ ′ / ′ ′ 0に ′ / 100,000 200,000 0pemtion hours f ム 500 NumberOfstans N (b)Starts_basea plot (a)Hours_based plot Fig 5 ANAL】 TICAL ASSESSⅣ ′ Unreliability func●ons 【 ENT Damagt parameter 早 濡躍`.。 n中 曜 ・ fractlon φ f:CycI● records こ ●omponent ilfe 与 Maintenance pian Fig.6 Ufe assessment methOd based on the cumulative damage mle た累積損傷則が用 い られる。累積損傷則 は、ク と疲労損傷 Orに つい て次式 をき リー プ損傷 φε 裂発生限界の判定式 としている。 ′ :定 常運転時間 ′ r :定 常運転時 の温度 。応力 に対 す る材料 のクリープ破断時間 φε+ φ ∫ミD 乃 :Jな る運転 パ ター ン (冷起動 、暖起動 、 φσ=′ /み 熱起動 など)の 起動回数 なる運転パ ター ン時 に生 じるひずみ範 札〆 ′ 囲 に対す る材料 の低 サ イクル疲労破損 φ∫= Σ れ, ノ ″′ ただ し、D : φ ハ Q の 組合 せ によって定 まる き 裂発生 限界値 回数 ターボ機械第 32巻 第 3号 23 r52 蒸 気 タービンの寿命診断とリスクベース保全…(6) CrMoV Ibrg ings 1 0 ´ ︵ 3 ●Oe O 電 ´ S︶ ﹂ お 一 一 つ●3E 30 >工鷲 L巨 >工ヽ x unus“ ,AOod,鳴 ed maiend ― ― Re9爬ssion O NMS data sheet 0 。 unusOd,Aged,お ed materlalS ―― R ∞ぃ O o n 16 Fig 7 18 20 22 24 l oOf′ ‖ ler paran■ er,P=ア Larsonl゛ 120■ ),K,h,X4000 Hardness― forgings 01 1 10 100 fbredma"d‖ fb E x p e n m e r ね│ ‖ modined creep rupture data for CrMoV (a)Log― normal plot ︲ の比 をとる ことによ り、平均値 を 1と す る分布 として得 ることがで きる。 Fig.アに蒸気 ター ビンロー タ材 CrMOv鍛 鋼 に ついて、新材、人工劣化材、実機使用材 のク リ X6■ 0∼ 0。 ク ー プ破断寿命のデー タ整理例 を示す゛ リー プ破断寿命 は、縦軸 に (応力 σ/硬 さHV) 0を ー 1ヒ 用 い 、横軸 にラー ソン ・ミラーパ ラメ タP=7(C+10g′″ )、(7:温 度 (K)、C:定 数、 crMOv鍛 鋼 につい て20とす る)を 用 いて表示 ー す ると、種 々の硬 さ レベルの材料 デ タをまと めて統計的 に解析す ることができる。 この最適近似線 に対 して、実験寿命 と平均推 定寿命 の比 をとると、Fig.8に示す ように対数 正規分布 で よ く近似 で きる。 この寿命比 の確率 分布特性 は時間に対す る不信頼度関数 とす るこ とがで きる。材料 の硬 さHVと 評価部位 の温度 7・ 応力σの条件 が分か るとクリー プ破断時間 平均値が分 か り、寿命比 を実時間に変換 した不 信頼度関数 が得 られる。 このようにして、損傷 のメカニズムに応 じた 故障確率 の評価が可能 となる。低サイクル疲労 24 2004年 3月 お一 一 5 o02 ● ■ ‘ o﹁ E 50 有す るもの と考 えられる。材料寿命 の確率分布 は、 クリー プや疲労 の実験 によって得 られる実 寿命 とデー タの最適近似線 による平均推定寿命 S .﹂ 疲労損傷 は、そ 式(6)のクリープ損傷 や式(7)の れぞれ材料寿命 の確率分布 と同等 の分布特性 を o 1 2 Esbmatd‖ fb E x p e n m e n t a lL ‖ 3 (b)Linear plot Fig 8 PrObability distribution of creep rupture life ratio for CrMoV forgings ° につい て も同様 の扱 い が で きる が 、 ク リー よ プ ・疲労重畳の場合は、累積損傷則 の式(5)に って (実験値/推 定値)の 分布特性 を求 めてお く必要がある。 鰤0 フ.リ ス ク ベ ー ス保 全 計 画 リスクは 「 故障確率 ×影響度」 で定義 される が、 ここでは、時間の経過 とともに変化す るリ ス クを表現するために、不信頼度関数 ×損害額 をリス ク (リス クコス ト)と す る。 F:g.9に、イベ ン トツリー とリス ク評価 の例 をノズルエロージ ョンの場合 について示す。各 イベ ン トは波及す る順序 に従 って展開 され、そ れぞれ不信頼度 (式(3》 と損害額が割付 けられ 蒸気 ター ビンの寿命診断 とリスクベ ース保全 … (7)F" Exrass“ α ル Event A】 【 “ パjθ “ aSJθ ″グ′ Event B】 IttP嘔 【 :Medium Unreliability f強 ty Jb:Low Unre‖abi‖ E v e n t C助 】″た″“` / a i l y ″ 【 w U n r e l i a b i l i:tLyoル :ι ′ Event D】 B“c麟 メ″ “′ 【 uLow Unreliability「 Risk fundions 側 ndions ‐―‥¨¨・Fa ― ― Fb ・・・‐Fc ― ‐―F d ‐ロロロ‐Tota:risk ―――― Risk A ― ― Risk B ` ‐・・R i s k C ― ・―R i s k D _二 =ダ Operation pe■ od Fig 9 LILvel● “ nt t― .」 ´ " = Operation penod thewith event tree for nozzle erosion calculation of risk funcdons dla口 mml RIsk‐ cost ana11口 51s ・‐ ・Scenario l 颯6。 + メ凛α Operation,onod Scenarlo 2】Repeated repair unt“ 【 parts irb and replacementto preventve parts 幽 幽 OporaJon,o● od 【Event A-3】 Unre‖aЫ‖ ty Fa:Medium Loss И:Sma‖ ″000 + ご“ ∝ SCe腱‖03】Ea‖ 【 y upgrading to preventitt pans wnhout repai『 Operatioo period Fig 1 0 based maintenance decision inaking for nozzle erosion Life cycle eventtrees and the risk― ターボ機械第32巻 第 3号 25 ry 蒸 気 ター ビンの寿命診断 とリスクベース保全 … (8) Op● 腱l o n h o ぃ Fig l1 0ptimization of maintenance intervals for rotor bowing る。 この両者 を掛け合せ 、イベ ン トツリー内の すべ ての事象 につい て足 し合 わせ ることによ ク対策 コス トが生 じるが、その後 の補修 は不要 となるため、 シナリオ 1の 未対策部品の使 い切 り、 リス ク コス トを運 転時間 (または起 動 回 数)の 関数 として得 ることがで きる。 り時点 におい ては、 シナリオ 3の 方が費用的 に 一 有利 となる。 方、 シナリオ 2は 補修 を繰返す 次 に、 プラン トの全使用期間を想定 し、その 間の各部品のライフサイクルを考 えて、イベ ン トツリー にメ 寸策 を折込んだツリー を作成す る。 ことにより途 中の総費用面 では有利 で あるが、 有限回数補修後交換す る場合 は、累積補修費 と Fig.loに、 ノズルエロージ ョンの場合 につい て、 リス ク対策案 を考慮す るためのライフサイ クルにわたるイベ ン トツリーの作成例 を示す。 ここでは、リ ス ク対策 を施 さず、未対策部品を 予定期間使 い きった上でエロー ジ ョン対策品 に 交換す るシナリオ 1に 対 して、 シナリオ 2と し て、定期的な補修 を2回 実施 した後対策品に交 換す る場合 と、 シナリオ 3と して、第 1回 目の 補修時期 に対策品 に交換す る場合 を、それぞれ リスク コス ト十対 策費用 の経時変化 グラフとし て示 した。その結果、 シナリオ 3は 初期 にリス 26 20C14年3月 交換費 の和 が高 くなる。 Fio.11に、対策 を実施す る保全 間隔 の最適 な 設定方法 を横 軸 に保 全 間隔、縦軸 に コス トを と って示す。対 策 コス トは保全 間隔 が長 くな るほ ど低 くな るが 、 この 図 では、年平均 コス トとし て表 わ してあ る。対策 コス トとリス ク コス トの 和 を保 全 コス トとし、運転 による収益 が運 転時 間 に比例 す る もの と して、 (運転収 益 ―保全 コ ス ト)す なわち利 得 を最大 にす る よ うに保全 間 隔 を設定す る こ とがで きる。 この よ う に して、 保守管理時期 と対策 の 方法 を最適 に計画す るこ とがで きる。 ー … 蒸気 ター ビンの寿命診断 とリスクベ ス保全 (9)J∬ / 1 Select Menu Display Component Breakd― Tabl● ―Event Tree lD Class_2∞ mponenl― αass‐ 1∽mponenl_― Evenl Data Table Evem lD一 日an COde― ocoumtt Dele… ‐Hours_stet ‐Cause _R― gv Actbn‐‐ Event Tree:nfortt10n Table ‐ ‐ ‐Evenl C● ● ―‐Event Desc71ptOn‐ Event Tree lD‐ ‐unrelttlty O"dndent_ ol Falbre― ―NurDberOf SlaistcJ Dalo H a 2 a r d F u n c t i o n s a ab l ui nt ry e “ Functions Display unl Design lnfomalbn Table ‐ ‐ Type_Mttn のと _Un"∞ ● 一MW― Hz―Fuel‐ ・ ‐ ‐ Reheat soan ∼ 麟nSわ● m Temp"lu"‐・ Pressu"‐ ― LSB bngth‐ __Matmaに Fig 1 2 Database and functions ofthe RBM system Unreliability functions F(t)=1-exp{― (t/η )m} Risk prevention cost $Loss: $Risk=Σ F(t)× Fig.1 3 Example forthe display ofthe RBM system 8.RBMシ 漁 ステム“X 6ゆ Fig.12に蒸気 ター ビンのRBMシ ス テムの処 響 構成 図 を示 し、Fig.13に画面例 を示す。本 シス テ ムが内蔵す るデ ー タベ ース は、 日視検査 、寸 法計測、欠陥検 査 な どの結果 か ら得 られる事象 名 と、 プラ ン ト名、部品名、累積 運転時 間、累 ー 積起動 回数、処置結果 を 1行 の デ タセ ツ トと ー して並べ たリレー ショナルデー タベ ス (RDB) で ある。 同一機種 の 同一事象 に対す るデ ー タセ ッ トを選択 して時系列 に並 べ 替 え、事 象 の起 き ー てい ないユ ニ ツ ト分 も総数 に含 めて累積 ハ ザ ド関数法 によ り不信頼度関数 を求 める。 この不 ー ー 信頼度 関数 デ ー タを 2次 デ タベ ス として、 リス ク評価 を行 い 、対策 コス トと比較 して最適 ターボ機械第32巻 第 3号 27 f% 蒸 気 ター ビンの寿命診断 とリスクベース保全 … (10) 援 や設計 にも反映す ることが可能である。総 合 的なリス ク管理 を適用す ることによって一層経 済的で安全 なプラ ン トの運用が可能 になる もの と期待 される。 ││1壺 勝登 Fig.1 4 The concept ofthe tomlrisk managementsystem <参 考文献 > (1)藤 井 ・他 3名 ,設 備診断技術実証試験 そ の 1:設 備 診断技術 の概 要お よび フェイズ 1,火 力原子力発 電 , 49-3,(1998),263 (2)小 林, リスクベースの工学/技 術,材 料科学,37(1986), 171. ω) 酒 井, リス クベ ー クエ学 の基礎 , 日本 金属学会誌 , 66-12, (2002), 1170. “)市 川,機 械 工 学選書 ,信 頼 性工 学 ,(1990),149,裳 華房 . 他 7名 , An lntegrated Approach of Risk な保 守管理時期が表示 される。保守管理記録 を デー タベ ースに追加す ることにより、保守管理 (5)Fttiyatna,K.・ 情報管理 と意思決定が よ り的確かつ合理的に行 (6)勁 jiyama9 他 血 K .7・名 , R s r B a s e d h p e d o n a n d M… えるようになる。 “つ 合 リスクマネジメン トシステA16漁 Fig.14に 、RBMシ ステムを発展 させた総合 リ 9.統 ス クマ ネジメン トシステムの概念 を示す。本 シ ステムは、定量的 リスク評価法 をもとに、 リス クベ ース点検、 リス クベース診断、 リス クベ ー ス運用お よび リス クベ ース設計 な どに展開 し、 それ らを統合 して全体最適化 をはかろうとする ものであ る。不信頼度関数が、設計 。材料 ・運 転状態パ ラメー タなどの制御可能な量 で表 わさ れるよ うにすれば、 リス クを指標 とした最適化 が容易 になる。 また、 リモ ー ト監視 や オ ンライ ン診 断 な どによ り、 プラ ン トの リアル タイムで の運用最適化が可能 となる。 Based Malntenance for Stealn Turbine Components,Proc lnt. Conl Maintenance&Overhaul Management,(2003). Systems for Steam Turbines,Proc.29.MPA Seminar,2, (2003),371 ( 7 ) 藤 山 ・他 5 名 , 蒸 気 ター ビンにお ける フィー ル ドデ ー タの信 頼 性 解 析 に基 づ くリス ク評 価 法 , 材 料 , 5 2 - 1 (2003), 28. (8)三 菱総合研 究所 ,リ ス クマ ネジ メ ン トガ イ ド,(21X30), 20, 日本規格協 会. (9)塩 見 ・関,JUSE― RASlオ フ イシ ヤル ガ イ ドブ ック , (1998),46, 日 科技 連 出版社. 00 Nelson,W.,奥 野忠 一 監訳,寿 命 デ ー タの解析 ,(1988), 373, 日科技連 出版社 . 0り 日 本機械学会編,動 カ プラン ト,構 造物 の余寿命評価 技術 ,(1992),103,技 報堂出版 . 02 Fttiyama,K,・ 他 4名 , PrOc.CREEP7,(2001), 69. 19 藤 山 ・他 6名 ,蒸 気 ター ビンの リス クを考慮 した寿 命 予 測 と保 守 管 理 法 , 日本 金属 学 会誌 ,66-12(2002), 1199 Cり NIMSク リー プデ ー タシー トC r e e p d a t a s h e e t , N o . 9 B , r Materds Science,Japan 1990). ( N a t i o n a H n s t i tf uo に r151 Brear,JM,Middleton,CJ,The applicability of Weld FJlure Prediction Maps to New and Servicc― exposed Repair 10,お わ りに ここで 紹 介 したR B M 手 法 は 、蒸気 ター ビン を対象 とした定量的手法 であ り、 リス クベ ー ス 一適用例 である。 リスクベースエ学 エ学(2XOの は、技術情報を経営的判断情報に変換する方法 として有効であ り、保守管理のみならず運用支 28 2004年 3月 Welds,Proc.Third lnt.HIDA/1ntegrity Con■ ,(20C13),16. 0 藤 山 ・他 5名 ,蒸 気 ター ビンの リス クベ ー スメ ンテナ ンス技術 ,火 力原子力発電,54-5,(2003),471 0 藤 山,蒸 気 ター ビンの寿命評価 とリス クベ ー スメ ンテ ナ ンス ,日 本 機 械 学 会 2002年 度 年 次 大 会 講 演 論 文 集 (Ⅱ), (2002)263-264. ガスター ビンの劣化 ・損傷診断 と予知保全… (1)157 特集 :ターボ機械の故障診断技術》 《 展望 。解説〕 〔 ガスター ビンの劣化 ・損傷診 断 と 予知保 全 野村真澄 * Degradation,Deterioratio■lDiagnosis and Condition Based Maintenance for Gas Turbine Masumi NOMURA 1.は ガス温度 ― :Gシ リーズ (TIT 1 500℃ ) ― :Fシ リーズ (Tに1500℃) 一‐ ー ・ 一o・ :Dシ リ ズ (T「 =1500℃) メタル温度 じめ に 熱効率 の高 さと優 れた起動特性か ら、近年 コ ンバ イ ン ドサイクル発電設備 の設置が増加 して い る。 この発電設備 の主機 であるガス ター ビン は 1,400℃を越 える過酷 な条件下 で運用 され、 また、WSS、 DSSな ど頻繁 に起動 ・停止が行 わ れる傾向にあ る。 この ようなガスター ビンを高 4段 動 翼 4段 動 翼 3段 動 翼 3段動翼 2段 動 翼 * 三 菱重工業い 高 砂研究所 E― mail:[email protected] 原稿受付 日 平 成 15年H月 27日 段動 翼 研究が行 われてい る。 ここでは、状態監視保全 の立場 か ら最近 の技術動向 を紹介す る。 1段 動 翼 容、時期 を決定す る状 態監視保 全 (CMB)へ の期待 がます ます高 くなってお り、数多 くの劣 化 ・損傷診断 に関す る研究、寿命予測に関す る 1段動 翼 信頼度、高稼働率 で運用するためには適切 な保 全管理が必要 で、定期的 に点検 を行 い所定 の判 定基準 に従 って評価す る、 いわゆる時間基準保 一 全 CMB)が 長年行 われてきた。 方、 ここ数 年、設備保全最適化 の観点か ら、設備 の状態を 監視 ・把握及 び解析す る ことによ り保全 の 内 Fig.l Gas temp.and metaltemp 化 ・損傷 事 象 と状 態 監 視 保 全 ー 燃焼器、 タ ビン翼 などの高温部品は高温燃 焼 ガスにさらされるため、熱的、機械 的、化学 2.劣 的 に種 々の負荷 を受 け、 クリTプ 損傷、疲労 、 腐食 、磨耗な どの劣化 が発生す る。例 えば熱的 ー 負荷 については、Fig.1に示す ように遮熱 コ テ ィング (TBC)や 冷却 によリメタル温度 を下 (1ヽしかし、計測系 げ耐環境性を確保 している の長期安定性 ・信頼性および寿命評価技術の手 ターボ機械第 32巻 第 3号 29 ] r" ガ スター ビンの劣化 ・損傷診断 と予知保全… (2) Table l MonitoHng v“ ables 圧縮機 燃料系 燃焼器 ター ビ ン 軸受 出力 監視項 目 部位 圧縮機効率、圧力比 燃料発熱量 失火、内圧変動 攣青じ,7隠 僣浸 争 7デジ 4粂 景 姜1界 燃料流量 吸気温度 ガス温度 軸振動、油量 入力層(n) Fig.3 中 間層(m) 力層(■) 出 Auto― associative neurai netWork 8 5 8 5 ヽ︱ ヽ卜K郎択 8 5 一 ―一 ‐ :lL:J笙 :1=1:L:=0, ―一一――-1‐ 7 5 ︵p︶ 樫 頭 К狡 ヽ 一 ――一― ■・ ・一一_____― 7 5 7 5 1 Fig.2 11 Mantenance dming Fig 4 法上の問題、精度的 な課題 もあ り、高温部品 に つい ては運転 中は異常監視 にとどまってお り、 劣化 ・損傷診 断 は定期検査 にて実施 され る。 Table lに、運転 中の管理 ・監視項 目の一例 を 示す。 状態監視保全 は、劣化進行型の設備 に対 して ー 効果が大 きく、兆候パ ラメ タを定期的 に監視 し、注意 レベ ルに至 ったときに詳細診断 を実施 して、異常が進展 して危険 レベ ルに到達す る時 間 を予測、予知保全 の内容 とタイミングを決定 ② す る (Fig.2)。 号 の妥 当 性 評価 状態監視保全 では、設備 を効率 よ く維持管理 す るためにガス ター ビンの状態 を正確 に観測す 3.信 る技術 が必要 となる。計測系 には種 々のノイズ とセ ンサ精度 に起因する不確 かさが含 まれてお り、不確 かな信号 を用 いて性能評価や故障予知 を実施 して も、得 られた結果 の信頼性 は低 く、 保全 も前広 に行 わなければならない。 この よう 30 2004年 3月 21 31 41 時亥J Example of flltering な課題へ の対処法 として、 ニュー ラルネッ トと デー タ ・リコンシリエ ー シ ヨンを紹介す る。 (1)ニ ュー ラルネッ トワー ク 温度、圧力な どの計測値 に重畳するノイズ に 対 して、Fig.3に示す ような自己連想型 ニュー ラルネッ トワー クを適用 して ノイズ除去 を行 う "。 この ッ トワー ク ことが可能であ る∫ ネ は入力 層 、出力層 ともにn個 、中間層 3層 、総計 5階 層 か ら構成 される。 このネ ッ トワー クでは、最 もノー ド数が少ない第 3層 が入力層 実空間を低 次 の異次元空間へ写像 した もので、 これを再度 実空 間の出力層 に逆写像す る。 この写像 ・逆写 像 の過程 でパ ラメー タ間関係 か ら矛盾す る情報 が除去 される。Fig.4は ガス ター ビンに適用 し た例で、 ネッ トワー クを通す ことによリデー タ のば らつ きが低減 してい る。 (2)デ ー タ ・リコンシ リエ ー シヨン ガスター ビンの代表的なパ ラメー タである発 電機出力、燃料流量、排 ガス温度 のセンサ誤差 ガスター ビンの劣化 ・損傷診断 と予知保全 … (3)″″ 冊禄最歯率 躍田 o 10 Fig.5 20 30 40 吸気温度 (℃) 50 60 0 20 40 60 80 100 経過日数 Heat rate and inlet air temp Fig 6 cOmpressor adiabaic efflciency や複合的な誤差 によ り、熱収支計算 時 に誤差が ー 残 る。 デ ー タ ・リコ ンシ リエ シ ョンとは、 質 て生ず る不整合性 を除去す るため に、計測誤差 を補正 してデ ー タの信頼性 を高める技法 で 、計 ・ 源1パ ラメ ー タは例 えば次式 で補正 され る し ′ =〔 α +(ザ )券 )α α :計 測パ ラメー タ α′:補正後 のパ ラメー タ ε :熱 収支計算誤差 ω :事前 に決定 した熱収支誤差 の割付比 4.劣 化 と損 傷 診 断 4-1 性 能劣化監視 ガスター ビンで評価 される性 能指標 には、熱 効率 で あるGT効 率、及 び圧縮機や ター ビンの 要素効率がある。 (1)GT効 率 GT効 率 は燃料 の熱量 と発電機出力 で得 られ ︵ ヽ︶ 墨 申 繊撻 県 量収支 や熱収支計算 な どにお い て誤差 に起 因 し O o o1 0 02 0 03 0 04 絶対湿度 ( k g / k g ) Fig 7 Pcrcentage change for hunlidity 測パ ラメー タを推定 し算出 される。例えば圧縮 、次式で求 め られる。 機断熱効率ηcoMPは :::!::lill COMP=〔 η ■ :吸気温度 (K) Ъ :圧縮機出口温度 (K) P′:吸 気圧力 (kPa) 乃 :圧縮機出口圧力 (kPa) κ :圧縮機比熱比 Fig.6は 日々の圧縮機 断熱効率 の変化 を例示 る。日g.5は 吸気温度 とGT効 率 の関係 を示 した ものである。 ガスター ビンは圧縮機へ の吸気 の温度 によ り した ものである。 性能が変 わるとい う特徴があ り、 このため熱効 率 など性能指標 は標準運転状態へ換算 され、劣 圧縮機 は、翼表面へ の埃 の付着、 クリアラン ス変化 な どによ り断熱効率が低下す る。 しか 化傾向 を評価 される。 し、上述 の定義式 では吸気湿度 の影響が評価 さ により れていない。Fig.7はK.Mathioudakisら ・ 求め られた圧縮機出口温度 圧力へ の湿度 の影 (9。これ の ら 影響 を踏 まえて要素効 響度 である (2)要 素効率 圧縮機効率、 ター ビン効率 な どの 要素効率 は、熱収支な どのサイクル計算 を実施 して未計 ターボ機械第32巻 第 3号 31 rω ガ ス ター ビンの劣化 ・損傷診断 と予知保全 … (4) 崚・ 5 0 5 ・ ︵p︶ 根 撃 樫 嘔 Кヽ 逃 / ●│ lt l・ :1: 「 「''嫌ヽ L -10 1 , 月1 4 日 :1月 ,2日 Fig 8 "月 :6日 11月 18日 '1月 20日 11月 22日 Fig 9 cOntOur map for practical value Long terln trend of exhaust temp とが可能 となる。 異常 撻鮨倒鰹 率 を求 め ることによ り性能変化 のば らつ きは少 な くな り、劣化判定基準値 を適切 に設定す るこ 4-2 損 発電機 出力 正常 傷検知 (1)統 計的な異常検知 ガス ター ビンでは、高温燃焼 ガス にさらされ る燃焼器 か らター ビン翼 に至 る高温部 品の き裂 0246 や コー テ ィ ング剥離 、 また燃焼振動 な どによる Fig l o 排ガス温度偏差 (℃) Disldbution ofexhausttemp 燃焼器 の損傷、逆火 による燃焼 ノズル損傷 な ど が起 こる可能性 がある6燃 焼器 ではわず か な き ー 裂 が発 生 して もプ ロセスパ ラメ タにす ぐに現 分布 を示 した ものである。 この例 では異常事象 の進展 とともに排 ガス温度偏差が低下 してい る れ る こ とは少 な く、事象 が進 展 して欠 損 に至 ため、温度分布 は徐 々に左 にシフ トす る。管理 値 として例 えば誤 り率 (異常 であるにもかかわ り、例 えば空気流量や燃料流量が計画値 か らず れ、排 ガス温度 、NOx濃 度 、燃焼器 ・ター ビン 冷却蒸気温度 や燃焼振動 に異常 がみ られて検知 される例 が 多 い 。 Fig.8は、燃焼器損傷 に よ り 排 ガス温度 に徐 々 に温度変化が現 れた例 で、縦 Lか 軸 は複数箇所 で計測 した排 ガス温度 の平均4● らず誤 って正常 と判断す る確率)を 設定すれ ば、統計的な判断基準 に基づいて異常 を検知す ることがで きる。 (2)予 測モデルによる異常検知 正常時のガスター ビンのパ ラメー タを用 いて Fig。 9は 燃焼器損傷 による通常状態 か らのず 予測モデ ル を構築 してお き、運転中に得 られた 実測値 と予測値 を比較 して異常 を検知す るもの であ る。予測モデルには熱収支 ・質量収支 に基 れを可視化 した例 で、横軸 は発電機 出力、縦軸 は排 ガス温度偏差 をプ ロ ッ トしてい る。過去 の づ く物理 モデルや多変量解析、 ニ ュー ラルネッ トワー クなど種 々のモデリング手法が用 い られ 運転実績 の頻度 を寒暖色 で示 した正常規範 の上 に、直近 の運転状態 を ×で プ ロッ トす るこ とに よ り通常状態 か らの逸脱 を発見 しやす く表示 し る。 日g.11は燃焼器損傷時 の例 を示 してい る。 正常時の分布は実測値 と予浪1値が等 しい対角線 上 に集 まっているが、損傷時 には実測値 が低温 てい る。 側 にずれている。 らの偏差 (以降、排 ガス温度偏差)を プ ロ ッ ト している。 Fo.10は正常時 と異常時の排ガス温度偏差の 32 2C104年3月 ・ ガス ター ビンの劣化 ・損傷診断 と予知保全:・ (5)16r 翼洗浄による回復 ︵ p︶壇 属ト 翼洗浄 しない場合 興 の汚れ以外 の要因に よる劣化 実測値 (℃) Fig ll Fi9 1 2 Degradat10n rates Expected value and actual value (3)ウ ェーブレッ ト変換 による異常検知 ガス ター ビンに異常 が発生 した場合、その影 (2)タ ー ビン翼 の損傷予測 ター ビン翼 は燃焼器 で燃焼 した高温 ガス にさ らされる部位 で 、主 な損傷 には起 動 ・停止 によ 響 が不連続 な運転 音 となつて現 れ ることがあ る。異常初期 は運転音 の変化 が微弱 であること が多 く信号 レベ ルの変化 をとらえに くい。 ウェ ー ブ レッ ト変換 は高周波 に対 しては時 間分解能 る熱応力 の繰 り返 しによつて生 じる低 サ イクル 疲労 き裂 があ る。Michaelらは、有限要素 法 と ー 熱流動 モデルを組 み合 わせ た物理 モデルベ ス ③ の故 障予測 モデルを提案 して い る 。 ター ビン が高 く、低周波 に対 しては周波数分解能が高 い とい う特徴がある。 この特徴 か ら、断続的に発 翼 で最 もクリテ イカル となる付根部分 の材料 の 降伏応力 を超 える繰 り返 し応力 回数 は、次式 で 生する不連続音 の検出 により早期 に異常検知が ° 可能 である 。 得 られる として い る。 轟 .E/F κ ιF・ VL=:σ 知保 全 劣化や故障 を予 知す るためには、初期段階で vι :低サイクル疲労寿命 σι:根 元部 での塑性応力 異常 の兆候 を検知 し、残存寿命 を正確 に評価す る技術が必要 である。余寿命評価 に関す る技術 れ :周 期的歪み硬化指数 5.予 開発 は種 々の取組みがみ られるが、 ここでは紙 面 の都合か ら2例 を紹介す る。 (1)圧 縮機 の翼洗浄 Fig.12は圧縮機翼洗浄に よる効率 の トレン ド を図示 した ものであ る。効率低下 には種 々の要 因があるため翼洗浄 による効 率回復 は翼 の汚 れ 以外の要因による劣化 の曲線 まで となる。翼洗 浄実施 の判断 は、洗浄 により回復す る効率 によ り得 られる利得 と翼洗浄 に要する コス トの大小 ° 関係 で決定 される。Gregoryら によれば、翼 の 汚 れ率 は二次 の指数平滑化 により、予測可能 で あ り、保全 の時期 を決定す ることがで きる。 c :疲 労延性指数 κ :周 期的強度係数 7 :疲 労延性係数 右辺各変数 は確率密度 関数で表 されるような 不確実性 を有するため、低サイクル疲労寿命 の 不確実性 はモ ンテカル ロシミュレー ションにて ー 得 ることがで きる。 タ ビン翼 の損傷 は、過去 の運転履歴 に基づ き現在 までの寿命消費量 が算 出で きれば、将来の運用 を仮定す ることにより 保全時期 を決定す る ことが可能 となる。 6.お わ りに ガスタービンを主機 とする発電設備が増加す ターボ機械第 32巻第 3号 33 r" ガ スタービンの劣化 損 傷診断と予知保全…(6) る一方、保全の最適化がます ます要求 され、低 コス トで高 い信頼性、高稼働率 を維持す るため にガスター ビンヘ の状態監視保全 の導入 は今後 加速す るもの と思われる。 ター ビン入口温度 の 高温化t新 材料 。新加工法 の開発 などにより運 転条件や材料特性が変わってゆ くことも確 かで あ り、運転 デー タや基礎試験 デー タを蓄積 して 劣化評価、寿命評価技術 をより確度あるものに してゆ く必要がある。 Diagnostics Using Artificial Neural Networks,ASME TURBO EXPO (2000), 2000-GT-0029 (4)S.Can Gulen・ 他 , Real―Time,On― line Performance Monitoring of Two Heavy―duty lndustrial Gas Turbines, Power―Gen(1999). (5)K Mathioudakis・ 他 ,Uncertainty Reduction in Gas Turbine Performance Diagnostics by Accounting for Humidity Effects,ASME TURBO EXPO (2001), 2001‐ GT-0010. ( 6 ) 中 井 ・他 3 名 , ウ ェ ー ブ レ ッ ト変換 を利用 した ガス タ ー ビ ン異 常 診 断 ア ル ゴ リズ ム の 開発 , 第 2 3 回 ガス ター ビ ン定期 講 演 会 ( 1 9 9 5 ) , A - 7 . (7)Gregory J.KacPrzynski・ 他 , A Prognostic Modeling < 参 考文献 > ( 1 ) 福 泉 ・他 4 名 , 大 容量 ガスター ビンの最新技術動向, 三菱重工技報, 4 0 - 4 ( 2 0 0 3 ) , 1 9 4 . ( 2 ) 豊 田、予知保全 ( C B M ) の すす め方, ( 1 9 9 2 ) , 2 1 , 日本プラ ン トメ ンテナ ンス協会. Approach for Predicting Recurring Maintenance for Shipboard Propulsion Systems,New Frontiers lntegrated Diagnosics and Prognostics(2001), 139. O M c h a e l J . R ∝m e r ・他 , A d v m c e d t t a g m“n 面 d Prognosuc Technologies for Gas Turbine Engine Risk Assessment, ASME TURBO EXPO (2000), 2000-GT-0030. Jeu Lu・ 也3名 , An Evaluation of Engine Faults (3)PO,g― イ 夕‐ボ機械 =入「 ヨ 編= ターボ機械協会編 B5版 218頁 定 価 :本 体 3,400円 (税別) 本書 はターボ機械 の入門書であり、大学、高専 での教科書 として利用 されることも 念頭 において作動原理 や構造 の概略 が理解出来 るよ うな内容 とするように企画編集 致 しま した。対象 とする機種 は、ポンプ送風機 を主 として、水車、流体継手、ト ル クコンバ ータおよび風車 につ きま しても概略 を紹介 してお ります。 1.流 体のエネルギー とターボ機械 2.タ ーボ機械の構造要素と内部流れ 3 タ ーボ機械の性能 と運転 4.タ ーボポ ンプ 5.タ ーボ送風機 および圧縮機 6.水 車およびポンプ水車 7.流 体継手とトルクコンパ ータ 8.タ ーボチャージャ 9.風 車 ■演習問題 お問い合せ 日 本 工業出版株式会社 〒 1 1 3 - 8 6 1 0 東京都文京区本駒込 6 - 32‐6 3 944-1181 FAX : 03-3944-6826 TEL : 03‐ E‐ ma‖ :sale@nikko pb co,p 34 2004年 3月 状態監視装置 の活用 による水車発電機 の効果的な管理方法 … (1)f6_3 《 特集 :ターボ機械の故障診断技術》 〔 展望 ・解説〕 状態監視装置 の活用 による 水車発電機 の効果的 な管理方法 米 澤 出穂 * The Effective Management Method for Hydraulic Turbine and Generator by Using CMMS(Computerized Monitoring and Management System) Izuho YONEZAWA 1. は じめ に 当社 では、高品質な電気 を少 しで も安価 に皆 様 へ お届けす るとい う社会要請 のなか、様 々 な 経営 の効率化 を進めてい る。 水力発電事業 にお いて も、効率的な設備運用 と保全 を目指 し、様 々な課題 に取組んでいる所で ある。今回、揚水発電所 の水車発電機 の効率的 な設備運用、事故障害未然防止 を目的 にCMMS (Compute五zcd Maintenance Managcment System) を活用す る ことで 、機器 のわず かな状 態変化 か ら異常兆候 を初期段 階 で捉 え、設備損傷 を最小 限 に抑 えるための異常判別方法 を確 立 した。本 誌 では、 この異常判別手法 と実際 の活用事例 に つい て紹介す る。 り組 みに至 っ た経緯 ー 揚水発電所 は電力系統運用 において需給 ピ ク時や非常時の供給力、系統周波数の維持 とい 2.取 う重要 な役割 を担 っているが、大容量、高落 差、頻繁な起動停止 といつた厳 しい運転条件か ら機器の寿命は短い傾向にある。そのため、機 *関 西電力帥 電 カ システム技術 センター 原稿受付 日 平 成15年10月29日 器 の異常 を早期発見 し、重大事故 につ なが らな いよ う設備 を監視する ことが設備運用面 で重要 である。 従来 の水車発電機 の異常検出方法 は運転員 の 五感 による巡視、お よびCMMsに よつて集 めら れた運 転 デ ー タの分析 を通 して行 われて きた。 しか し、巡視 で得 られたデー タは、異なる運転 状態、異なる出力時 における断片的 な情報 であ るため、過去 デー タとは単純 には比較できない。 一方、CMMSで は軸受温度、油面圧力、振動等 の各部 センサ ーか らのデー タをリアルタイムで ー 得 ることはで きるがt許 容値 を超えたデ タを 警報 と言 う形 で しか出力 してお らず、初期段階 での異常 のソ ヒ候 を見 つ けることはで きない とい う問題点があ った。そ こで、CMMSか らの機器 の状態デー タをデー タベ ース化 し、同一条件下 のデー タと比較す ることにより、異常値 の検 出 精度 を高 め、かつ、運転状態可否判定 を行 う新 たな管理手法で異常の兆候 を捉 えることとした。 様 多 々 良 木 発 電 所 の CMMS仕 奥多 々良木発電所 CMMSの 概要 を目g.1に 示 ー す。 システムは、P10ボ ー ド、デ タ処理用 の 3.奥 ターボ機械第32巻 第 3号 35 ― │ r64 状 態監視装置の活用 による水車発電機 の効果的 な管理方法… (2) ① up"『③ Thrust O LoWer O TwЫ" Oilieve: ()Upper 艶 血山動圏嵐疸 o upper O bw∝ O Lower ne O Tuttnc ⑩ TurЫ Ⅵbration t OHead∞Ver ① Lowerbracに O日 unnerbadK tt Runnersue O ShaltSed padKing ① Runnersea1 0 COdngwater O Stator∞ ‖ o hbtof函 『∞ O b r ‖ ④ O耐et of ttr cool C)SM stator∞ Fig l outline of computerized monitoring and management system ワー クステー シヨン、ゲー トウェイ、およびシ ス テム ・サ ーバ ーにデー タ伝送す るための光 リ ピー ターで構成 される。水車発電機 の各部 に取 期 の異常 を発 見す ることが重 要 である。 付 けられたセ ンサ ーで測定 したデー タは、 コン バ ー ターを通 してPIOボ ー ドに入る。 デニ タは、 ワー クステー シ ヨンで処理 され、システムサ ー しか し、従来の方法 では運転時 の最大値 のみ ー を監視 してお り、 かつ デ タが運 転状態 によっ て大 き く変化す るため、僅 かの変化 を初期 の異 バ ーヘ伝送 される。サ ーバ ーヘ の伝送 ルー トは 2ル ー トあ り、1つ は制御信号 および測定 デー タを送 るための光 LANを 通 るルー ト、 もう一つ はイーサネ ッ トで接続 された直接伝送 ルー トで ある。全 80項 目の運転 デ ー タは、10秒毎 にサ 常 の兆候 として判断す ることは極 めて困難 な も ーバ ーヘ蓄積 され、汎用 コンピュー タにて、多 しい 運 転 デ ー タ管 理 4.新 一般的 に機器 の異常 は初期段階では徐 々に進 行 し、 その 時点 で運転 デ ー タは僅 か に変化す 36 ので あ つた。 ー 新 しい 方法 では過去 の 同 じ運 転状況 のデ タ のみを選別 して使用 し、現在 の運転デー タとの比 較を行うため、回帰分析から外れたものを、容易 に異常なデータと判断することが可能 となる。 T a b l e l は新方法 のデ ー タ採取 の タイ ミング くの分析 を行 っている。 Table l Daぬ る。そ の後異常 は急速 に進行 し、大 きな障害 に 至 るため、運 転 デ ー タの僅 かの変化 によつて初 の考 え方 を示 した もので、上部 ガイ ド軸受温度 と冷却水温 のデ ー タをどの タイ ミングで収集す るか を示 してい る。 F i g . 2 に示す通 り、 ポ ン プ運 転時 の運転 デ ー collection method for temperature of upper guide bearlng and cooling"ater デー タ 運転 モー ド デ ー タ収集 ア ルゴ リズ ム 備考 上部軸受温度最大値 ―冷却水温度 水車 起動後25分か ら最大温度 (運転時間が 2時 間以上 の運転) 冷却水温度 は安定 までに25分 必要 ポ ンプ 起動後 2時 間か らの最大値 2004年 3月 … 状態監視装置 の活用 による水車発電機 の効果的な管理方法 (3)′″ ︵E E 00 ご\ こ coE ooo■ o5 〓●〓∽ 一 ︵〓︶ d E oL Time(h) Fig 2 Typical change ofoperation data(Pump mOde) わかる。特 にポ ンプモ ー ドにおける相関は非常 に高いが、 これはポ ンプモ =ド の場合 は揚程 が ー 決 まれば入力が一定 であるのに対 し、発電 モ ドの場合 は系統状況 によりさまざまに出力が変 ー 化す るか らである。 よって、ポ ンプモ ドの相 ー 関関係 のば らつ きは水車 モ ドよ りも小 さ く、 よ り正確 な異常判定が可能 であると言える。 こ の相関関係 か ら大 きく離 れたデー タとなった場 合 は軸受 で何 か異常があると判定 される。 この ように軸受温度 と冷却水温度 との相関関 係や各軸受温度 のバ ランス を定義づ けされたデ ー タの もとで管理する ことによ り軸受部 のわず Fig 3 かな異常有無 を発見す ることが可能 となる。 Tab燈 2に は、多 くの運転デー タを分析 した結 果得 られた機器 の状態監視 に有効 な相関関係 を 持つ定義付けられたデー タを示 したものである。 Layout of guide bearing set 夕の変化 は運 転開始 2時 間後 には安定 してお り、 この タイ ミングでデ ー タ採取す ることで効果的 5.新 手 法 の 活 用 例 新 デー タ収集方法 および分析方法 は、1998年 な異常判定が出来 る ことを示 した ものである。 Fig.3は 軸受 の配置 と温 度測定素子 の位 置 を 示 してい る。Fig.4は 上部 ガイ ド軸受温度 と冷 却水温度 との相関関係 を示 してい る。従 来 の最 高温度 だけをプロ ッ トした もの と、新 たに丁able lで 定義付 け された タイ ミン グで測定 されたデ ー タとでは、相 関が よ り強 くな つていることが 以来、当社奥 多 々良木発電所 で適用 されてお り、異常 の早期発見 あるいはメンテナ ンス方法 見直 しを可能 とす るなどの大 きな成果 を挙げ て い る。 これ らの成果 の中か ら2つ の事例 を次 に 説明す る。 一つ 目の事例 は軸振 れ とパ ッ ド間温度差 の異 New method 005 CO。 ノ メ 一 一 10 15 20 25 Coo‖ng watertemp(de9) 凌 一 Fig 4 一評 (a)Turbine mode 30 5 0 一〇 0 一〇 一 1 10 15 20 25 30 5 10 15 20 25 C o o ‖n g w a t e r t e m p . l d e g)。 C O O ‖ n g w a t e r t e m p l d e 9 ) 今設︶ 飩聟 曽■・ “ 1 一 メ 一 一メ ・ ●1 1 〇 一 〇 0 一〇 ﹄■o 8こo 今 c 焉8 5 夢 New method 10 15 20 25 ling watertemp.ldeg.) (b)Pump mOde Maximum upper guide bearing temperature vs.Cooling water temperature ターボ機械第32巻 第 3号 37 30 r66 状 態監視装置 の活用 による水車発電機 の効果的な管理方法… (4) Table 2 Effective sets of date to comprehend machine cOndilon 運転モー ド 監視 の目的 軸受最大温度 ―冷去,水温度 水車/ポ ンプ 回転部、固定部 を含む軸受部 ( 主軸、軸受、軸受 ギヤップ、潤滑油、冷去, 水システム、その他) 軸受飽和温度 ―冷却水温度 水車/ポ ンプ 同上 ( オーバ ーシユー ト後安定す る軸受 システムの管理に必要) 軸振れ 一年月 日 ポ ンプ 回転部 (ランナおよび付属品、主軸、その他) 固定部振動 一年月 日 ポ ンプ ラ ンナまわ りの水圧脈動 による上 カバ ーや下部 ブラケ ッ トの異常振 動、下部 ブラケ ッ ト締付 ボル トの弛み、その他 軸芯 一年月 日 ポ ンプ 軸受バ ッ ド間温度差 一年月 日 ポ ンプ ①② ③ ④ 項目 回転部、固定部 の相対位置 各軸受温度 のバランス 主軸 の傾 き 建屋 の季節的変位 Abnorrnal data m^ ▼ 6 Ap7 00 ト 眸01 0 内 A CЮ DeO・00 Feb01 ● 」u●00 Au9CX1 0ct・ 。 疇 一 0 ・ Upper 崎 6 oこ ■ ,cobこ う 0﹂,お 沐こ E oト ︵ 価 Date Fig 5 Shaft displacement vs date 常 の兆候 を新 しい手法 を用 い て分析 した ことで 機器 の異常 を早期 に発 見 し、重大障害 を未然 に 阻止 で きた事例 であ る。Fig.5は軸振 れ 、 Fig. 6は パ ッ ド間温度差 を示す ものであ るが 、 この デ ー タは回転部 と固定部 の相対 関係 や各軸 受 パ ッ ド温度 のバ ラ ンス を確認す るため 、起動後 2 時 間後 に収 集 されたデ ー タである。 Fig.5で は Fig 6 TemperatuFe differendal between bearing pads 廻 りを詳 しく点検 した結果、下 カバ ー ライナ取 付 ボル トの破損 を発見す ることがで き、早期 に ライナ修理 を実施 した。修理以降の運転 デー タ は正常値 に戻 っている。 二つ 目の事例 は、軸受け温度、軸芯位置 の変 化 か ら、軸受け温度上昇 の原因であった建屋基 そ の特徴 として年 間 の トレン ド分析 でデ ー タが 礎変位 の周期性 を見出 し、最適 なギャップ調整 時期 を策定 した ものである。 9 季節的 に変化す る ことが見 られるが、2XIC10年 ー 月以来、水車 の軸振 れデ タが大 き くな ってい 運転開始以来、建屋基礎変位 による軸受け温 度上昇 に悩 まされてお り、温度上昇 の都度 ギャ るこ とが確認 で きる。Fig.6か らは水車軸受 パ ツ ド間の温度差が同 じ時期 か ら著 しく変 わって い ることが確認 で きる。 この運転 デ ー タか ら水 ップ調整 を行 って きた。日g.7は 、下部軸受 の 温度 と冷却水間の 関係 であ り、冷却水温 が低下 している時期 にもかかわらず軸受パ ッ ド(C)およ 車廻 りに何 らかの異 常 がある と判断 し、 ラ ンナ び Dlの温度が高 くなっている。 382004年 3月 状態監視装置の活用 による水車発電機 の効果的な管理方法 … (5)r67 □ 濾 y Cooling water temperature(deg.) Lower guide bearing temperature vs Cooling water temperature(Unit 5) O わ ・ / ・ \ \ … ― ― \ ▲ 0 … ∞ / ム ω Eξ 85 じ8 _ ∞ a ヽ . 60t ● ¨ Ol tt A00 0 01 ′ ″ ″ _,,″ : 0 ∽8 / , \ 001 Date ︵E E 只 ︺ミ じ oヨ t b OE , cO■ J cヨoL E Fi9 9 Ground and secional plan of powerhouse ャップ調整が不要 となったものである。 6.結 論 ー 今回、多 くの運転 デ タを分析す る ことで、 ー 効果的 に水車等 の機器状態監視 を行 えるデ タ 項 目を選定する ことがで きた。 また、大 きな事 故障害が起 こる前 に異常 の兆候 を発見す ること が可能であることから、当解析方法 はきわめて 有効 な ものであ ると結論 づ ける。 なお、運転 デー タ管理 のための重要ポイ ン ト Fig.8 Shaft Center and Defbrmatlon of foundation vs.Date. (Unit 5) このデ ー タか ら冬期 は、建屋変位 の影響 でパ ッ ド(C)およα D)にお け る軸受 ギ ヤツプが小 さ く な つてい るこ とが半J明 した。Fig.8は、軸芯 の 変動 を示 してい るが 、 これ によ り変位 が 年 間 を 通 じて周期性 を持 った変位 を して いるこ とが判 明 した。 Fig.9は コン ク リー ト基礎 が季節 的 に変形 し て い ることを示 して い る。破線 の矢印 は夏期 の コンクリー ト温度上昇 によ リコン クリー トが膨 張 し水車発電機 が動 く方向、実線 の矢印 は冬期 の コンク リー ト温度低下 に よ リコンクリー トが 圧縮 し水車発電機 が動 く方向 を示 して い る。 こ れ らの解析結果 によ り、軸芯 が 中心位置 にある 時期 にギ ヤツプ調整 を行 うことで 、度重 なるギ は下記 のとお りである。 ●同 じ運転状態の下でデー タ管理を行 う ●デー タを収集す る運転状態 は異常 なデー タ と普通のデー タとの違いが明 らかになる よ うに決定する ●運転毎 のデー タを通常状態 のデー タと比較 し機器 の状態 をチ ェックする これ らは多 くの運転 デー タをデー タベー スとし て蓄積 し、デ ー タの相関関係 を見極 め る こと で、 さまざまな運転状況 における機器 の状態 を 把握、解析 す ることが可能 となる。今後 もさら に多 くのデー タを収集 し、本解析手法 を改良 し ていこうと考 えてい る。 ターボ機械第32巻 第 3号 39 ― ¬ 16θ立 軸 ポンプの故障診断技術 … (1) 《 特集 :夕■ボ機械の故障診断技術》 〔 展望 ・解説〕 立軸 ポ ンプの故障診断技術 Failure Diagnostic Technology of Vertical Pump 青山匡志 Masashi AOYAMA 1. は じめ に ポ ンプは、公共用、発電用、産業用等様 々な 分野 にて用 い られている。 どの分野 においても、 性能 の向上に加えて、信頼性向上、運転や保守 の簡素化、低価格化等 の更なる要求がある。 この うち、信頼性 向上のためには、予防保全 が必 要 となる。予防保全 とは、故障す る前 に予 * APIポ ンプ等 においては、振動計 にて軸受箱 X、 Y2方 向の振動監視、ギャ ップセ ンサにて軸振 動 の監視 を行 っているポンプもある。 これらは、 プラ ン トにおける重要度 か ら監視 が行 われてい る。 また、ポ ンプ水車、発電電動機 についても、 軸受け温度、軸振動 の診断 を行 い、重大事故 を ・ X° 防止 し、予防保全 を行 ってい る例 もある 。 防的 に部品交換 を行 うもので、時間基準予防保 全 (Time Based Maintenance)と 状態基準予防 ある。定 保全 (Condidon Based Maintenance)が 期 的 に行 う月点検、年点検 は、時間基準保 全 に、通常 の運転時に行 われる点検 が状態基準保 全 に該当す る。 この情報 の代表的なデー タとし て、振動、騒音、温度等があ る。 また、状 態基 準予防保全方式 の方が時間基準予防保全 に比べ て、故障防止、 コス ト削減両面 より優 れている との報告 もある(1ヽ 既 に、雨水排水 ポ ンプ等公共用 ポ ンプの分野 では、流量計、温度 セ ンサ等 を用 いて遠方 にお いてそれら各種 デー タによリポ ンプの運転状態 軸 ポ ンプの 予 防保 全 立軸 ポ ンプについ ては、床 上部吐出 しエ ルボ 2.立 廻 りか ら得 られる情報 として、振動、音、吐出 し圧力、吐出 し流量、温度等がある。床上部 は、 運転中センサ を設置 してお くことでこれら情報 ° が得 られ、監視 を行 なうことが可能である 。 一方、床下部が長 い場合 は、吐出 しボウル部 等 の軸受 を床 上部か ら監視 して状 態 を把握す る ことが難 しい (床上部 に振動 セ ンサを設置 して も、床下部が長 い汚水 ポ ンプ等では、最下部 の 軸受 の摩耗状況 を床上部では監視 で きない)。 汚水 ポンプに立軸 ポンプを採用す る場合、耐 の把握 をし、無人および自動化 にて予防保全 も ° Xの 行 われてい る 。 また、ボイラ給水 ポ ンプ、化学 プラ ン ト用 摩耗性 や補機類簡素化 の観点 か ら水 中軸受 にセ ラミック軸受 を採用する例が増 えてい る。汚水 * 帥 電業社機械製作所 三 島事業所 E― mall:[email protected] 原稿受付 日 平 成 15年 10月 30日 め、 ボウル部 セラミック軸受 にとっては、非常 に過酷 な条件 となっている。回転体 を支 えるセ 40 2∞ 4年 3月 ポ ンプは、常用運転 で使用 される場合 が多 く、 また始動頻度 も多 く、使用流量範囲 も広 い た 立軸ポ ンプの故障診断技術 … (2)J″ ラミック軸受の内、流体加振力 や羽根車質量 の ア ンバ ランスの影響 を うけるボウル部軸受が も っとも過酷 な使用条件 となる。 保全 については、一般的 にそれ ら使用条件 を 踏 まえて、 日常点検や定期的な分解点検が計画 され、行 なわれてい る。通常は数年 に一度 の定 期検査 時 に、 ポ ンプ全体 の分解点検 を行 ない、 セラミック軸受等 の交換 お よびインペ ラ、ボウ ル部 の摩耗状態確認 を行 うが、数年 お きの分解 点検 では、仮 にポ ンプが健全 である場合 (分解 す るにはまだ早 い場合)で も分解 を行 うことと な り、正常 に運転 している機器 を分解組立再据 付す る ことで、かえって寿命 を短 くする危険性 もある。 また逆 に、セラミック軸受 の摩耗 が予 想以上の場合 は、損耗部品の交換 の遅 れか ら、 トラブルとなる可能性 も危惧 される。 ギャップセンサ Pump with impeller gap inonitoring device 本稿 では、立軸汚水 ポ ンプ等で厳 しい条件 で 使用 されているボウル部 セラミック軸受 を、床 吸込 み ライナ 上部 か らの監視 で状態 を確認す るために開発 し たシステムについ て述べ る。 これは、イ ンペ ラ とそれに対向 した固定側 ライナとのギャップ量 (7)、 を運転 中常時監視 し その結果 を監視用 パ ソ コンヘ 、インターネッ トにより送信、分析す る システムであ る。 このデー タを傾向管理す るこ ャップセンサ とによ り、 セラミラク軸受 の摩耗状況 を床 上か ら状態確認可能 とな り、 また次回のメンテ時期 Fig 2 Detail of gap sensor の推定 が可能 となる。 動監 視 シス テ ム の概 要 一 今回自動監視 システムの 部 であるギャップ 3.自 セ ンサ を設置 したポ ンプの構造 図 をFig.1に、 以下 に述 べ る例 では、ギ ヤップセ ンサ を用 い て、 ポ ンプ床 か ら約 10m下 に位置す るイ ンペ ラ と、そ れ に対 向す る固定側 ライナ との 隙間量 を 運転中、常時採取す る (ポンプ始動 をセ ンサ によ ギ ャップセンサ詳細図 をFig.2に、 自動監視 シ ステム全体 の概要図 をFlg.3に示す。 通常汚水 ポ ンプは、その床下長 さが、10m程 り検 知 し、 その 後停 止 まで の 間 を連 続 して測 定)。 ポ ンプは、吸込 ライナ部 に 2個 (吐出 しお 度あ り、床上での従来技術 である振動監視 では ボウル部 セラミック軸受 の状態 をオ 巴握す ること て い る。運 転 中 は 、常時 そ の 2個 中 1個 にて隙 ー 間量 を監 視 し、 また 2方 向 のデ タを同時 に取 は、不可能であった。 り込 む ことによ り、軸軌跡 の確認 も可能 である。 よび吐出 し直角方向)の ギャップセ ンサ を設置 し ター ボ機械第32巻 第 3号 41 ¬ 「 r" 立 軸 ポンプの故障診断技術 … (3) ギャップセンサー 機側監視 ボックス Fig 3 Automatic impeller gap check sy,tem 0 0 囲一 a 0 0 0 0 0 EE ︵ Z 〓姜く ,︶響 ヽ 、 キ キ ゝ .L.´ ] コ . 1[[圧 い 0 200 4110 600 800 Fig.5 1000 1200 14∞ 運転時間 H 16∞ 18∞ 1mpeller gap change ン ペ ラ ギ ャ ッ プ 自動 監 視 状 況 自動監視装置か ら送信 されたイ ンペ ラギャッ 4.イ Fig 4 The setting of gap sensors Fig.4に 吸込 ライナ部 にギ ヤップ セ ンサ を取 ー り付 け た状 態 を示す。 イ ンペ ラギ ヤツプのデ タは、 ポ ンプ床 上機側 の監 視盤 に集め、機側 に て も状 況 をリアル タイム に確認 可 能 となって い る。本 デ ー タは、監 視盤 に記憶 の後 、Eメ ー ル 機 能 を用 い て監視 用 パ ソ コ ンヘ 送信 して い る (Fig.3参照)。 この時系列 デー タを処理 し、 イ ンペ ラギヤッ プ量 の傾向を管理す ることに より、 イ ンペ ラ近 傍 のセラミック軸受 の摩耗状況が把握 で き、以 降の分解点検時期 を推定することが可能 となる。 プ値 の変化状況例 を目g.5に 示す。 グラフの縦軸 は、1回 の運転時間内で測定 し た最大ギ ヤップ値 と最小ギ ャップ値 の差 を、横 軸 は、総運転時間 を示す。 この最大ギ ヤップ値 と最小 ギャップ値 との差 は、測定方向 における イ ンペ ラ羽根先端部 の最大移動量 を示す。 この ギ ャップ値 の差 は、ボウル部 に配置 されたセラ ミック軸受 および超硬合金製 ス リーブの摩耗 の 進行 に対応す る。 これを監視することで、機械 機能 上の重 要部品であるセラミック軸受 の健全 性 の確認 が、 また軸受 ギャップ値 を傾 向管理す ることで、分解点検時期 の推定 を行 う。Fig.5 までの、ギ ャップ値 は、総運転時間約 1,500h後 42 2004年 3月 立軸 ポンプの故障診断技術 … (4)17″ 軸 軌跡 では、軸受 の 差 の変化 を示す。運転時間60011ま 初期摩耗段階 と考 えられ、若千右上が り傾向 と なっている。それ以後は、若干変動 はある もの の 、 一 定値 の範囲内 に入 つてい ることが分 か る。図中のギ ャップ値 0.21mmの 破線 は、軸受 設計隙間 を示 し、軸受摩耗 がない状態 で も、ギ ャップ値 の変動 はこの範囲内で任意 の値 をと り 得 る。ギ ヤップ値 0.52mmの 一点鎖線 は、当初 隙間 の約 2.5倍に相当す る もので、軸受交換 の 目安 としてい る値 である。 このギヤップデー タ は、1回 の始動停止 を 1デ ー タとし、それ ら5 回分 の移動平均 を取 って 1点 としている。デー タは、運転時間の長短、吸込み水槽水位等 の変 化 により都度変動 してい るが、 これを直線回帰 して黒色実線で示す。 この回帰直線 か ら、運転 時間 に応 じてわずかにギヤップ値差 が上昇 して い ることが分かる。仮 に、本デー タの場合、現 状 の勾配か ら算出す ると軸受取替 え時期 は、約 H年 後 と推定 で きる (今後 も年間総運転時間を 2,000hと仮定)。この傾向の まま、推移するかは 不確定 であるが、常時監視する ことで傾向が分 か り、適切な分解時期 の推定 も可能 となる。 従来 セラミック軸受 は、その機械的硬度、強 度 よ り寿命 は半永久 とい うイ メ ー ジ もあった (実使用 上 は、負荷 の 高 い運用 を した場合 は、 摩耗 が進行 してい る例 もある)。高揚程汚水 ポ ンプの場 合 は、 ボウル部 セラ ミック軸受 には、 もっとも負荷 が高 く摩耗 も進行す る。 しか しな が ら、ポ ンプ各 々の運用 によ り摩耗状態 も様 々 であるので、従来 の時間基準 の保全 中心では、 摩耗 してい ない段階 での分解 とな り、早す ぎる 場合不経済 となることもあ った (逆に予想 され る軸受摩耗 よ り早 い場合 は、分解点検が間に合 12 ■ 1 E E 択 遍 ■ 」 ヽ ′ 08 ヘ ′ l 06 ′ ′ ヽ ヽ 04 02 02 04 06 00 10 ■ 2 吐 出方 向 ( m m ) Fig.6 An axial locus 作 成 した軸軌 跡 出力例 を示 す 。横 軸 に吐 出方 向、縦軸 に吐出直角方向 を とってい る。図中内 側破線 円 は、 Fig.5ギ ャップ値 0.21mm破 線 に、 外側 の 一 点鎖線 円 は 、 Fig.5の O.52mm一 点鎖 線 に対応す るgギ ャップセ ンサの測定対 象 面が イ ンペ ラ先端部 で あるため 、 イ ンペ ラ先端 が セ ンサ部 を通過 して い る時点 でのデ ー タが イ ンペ ラギ ャップ となる。 ここで対象 とす るポ ンプの 一 羽根枚 数 は 4枚 で あ り、軸軌跡点が 4点 で 周 してい ることよ り、 ふれ 回 り速度 は回転速度 と 一 してお 致 り(分数調波振動 は発生 してい ない) 安定 した運転状態 にある といえる。 この よ うな 運転状態 の分析 によ り、 イ ンペ ラギ ャップの傾 向管理 か ら、軸受状態 の把握が可能 となる。 本稿 で述べ たライナ部 でギ ヤップを計測す る (η 方法 は 、 1990年 よ り実機 に適用 されてお り、 採用台数 は、10台以上 ある。通常水 中部 にセ ン サ を設置す る場合、その寿命、信頼性が重要 と なる。 本 セ ンサ部 は、専用 のセ ラ ミックス製 ス リー ブで保護 され、充分 な機械 的強度 を供 え て わず、ト ラブルとなる可能性 もあるので、 どう して も早めに分解 となってい るのが現状 と思 わ お り、ギ ャップセ ンサ の寿命 としては、 lo年以 れる)。 上が確認済 み となってい る。 Fig.6は、直角 2方 向の ギャップセ ンサか ら 今 回立軸 ポ ンプの故障診 断 の 一 方法 (特に立 ターボ機械第 32巻 第 3号 43 ¬ f72 立 軸 ポンプの故障診断技術 … (5) 軸汚水 ポ ンプの重要部品であるボウル部軸受監 視用)と して、ポ ンプに、イ ンペ ラギヤツプを わ りに 今後 ポ ンプに対 しては、更 なる信頼性向上 の 常時監視す る 自動監視装置 を設けて、以下の結 要求があることは間違 いない。 この要求 に応 え るべ く、様 々な観点か らの予防保全技術 を確 立 論 を得 た。 ① イ ンペ ラギ ヤツプを直接監視す ること で、床下部 ボウル部 のセラミック軸受 の状 況がIT技術 により遠方 で もリアルタイムで 5.お す る ことが不可欠 となる。 これに よ り故障防 止、 コス ト削減等 が可能 と考 える。 確認す ることが可能 となる。常時監視す る ことで、異常 の予知が可能 とな り、故障 を <参 考文献 > (1)豊 田,最 近 の ター ボ機械 の異 常診 断技術 と予知保 全 , ター ボ機械 ,25-11(1997),593 未然 に防 ぐことが 出来 る。 ー ② イ ンペラギヤツプデ タの傾向を管理する ことで適切な分解点検時期 を推奨できる。 (2)塚 本 ,ポ ンプ市場 の動 向 とこれか らの技術 的対応 , タ ー ボ機械 ,28-1(2000),22. 本 システムを汚水 ポ ンプ等 に付属す ること で、従来難 しかった床下部 イ ンペ ラ近傍 のセラ ミック軸受 を監視す る ことが可能 となるので、 機器 の品質向上お よび適切な分解点検時期推奨 が可能 となる。 (3)橋 本 ・井上 ・横 井 ・柳 ・富原 ・根岸,新 篠津排水機場 向管理 システム,電 業社機械,15-2(1991),29. 0)小 門 ・西 ・山本 ・谷 口,揚 水発電所 異常診 断 システ ム ー (軸受温度 異常診断), タ ボ機械 ,27-2(1999),96. 。 (5)中 川 本 田,揚 水発電所異常診 断 システム (軸振動異 常診断), タ ー ボ機械 ,27-12(1999),723. (6)Liお hits,A.,Simmons,H.R,A J Smalley,A.J.,More Comprehensive Vibration Limits for Rotating Machinery, Transaction ofthe ASME,OCTOBER 1986,Vol 108,583. (7)杉 谷 ・武 田 :回 転羽根 の非接触 測定 システム,電 業社 機械 ,17-2(1993),15. ターボ機械協会創立25周年記念出版 タ ー ボ機 械 の 過 去 ・現 在 ・未 来 ターボ機械協会編 B5判 142頁 定 価 :1,542円 (税別) ターボ機械協会 では、創立 25周 年 の際、 ターボ機械技術 の新 たな方向 を模索 し、発展 を展望 し、 一 本協会 の21世 紀へ の構想 を打 ち立てるために各種 の記念事業 を行 い ま した。その 環 として、 タ ー ーボ機械技術 に関する従来 の研究成果、お よび会誌 「タ ボ機械Jの 総 目録集 を発行 しました。 一 研究成果公開促進費」 の交付 を 本書 は、出版費 の 部 を平成 10年 度文部省科学研究費補助金 「 た。 しまし うけ発刊 お問合せ :日 本工業出版帥 〒H3-8610 東 京都文京区本駒込 6-3-26 ― mail : info@nikk。 TEL : 03-3944-1181 FAX : 03-3944-6826 E― pb coJp 442004年 3月 マ ンホールポンプ用 W e b 監 視 システム… ( 1 ) r 刀 特集 :ターボ機械の故障診断技術》 《 製品紹介〕 〔 マ ンホール ポ ンプ用 Web監 視 システ ム 富永英子 1. は じめ に 的な維持管理 を行 う手段 としてITカテU用されて きてい る。今回は、マンホールポンプの施設監 視 をパ ソコン (携帯電話)の Webブ ラウザ (IE またはNS)使 って行 うシステムを紹介す る。 2.マ ンホ ー ル ボ ンプ 用 Web監 Web装 置仕様 表 l EMMD― 近年 のIT関連技術 の発達 で、マンホールポン プ施設の通報装 置 。監視装置の分野 で も、効 率 視 シス テ ム につ い て 本 システムは、管理事務所 か ら離 れた場所 に あ るマンホール ポ ンプ施設 の状態監視 を容易 に 行 うもので、 日常使用 してい るパ ソ コンのブ ラ ウザ ソフ トか らwebユ ニ ツ ト(製品名 :EMMD ― Web)に 接続 し、ポンプ施設側 にある自動通報 装置が収集 ・蓄積 してい る各種 デ ー タを取得 ・ 保存す る ことで、そのデー タの表示 や帳票類 の ダウンロー ドを行 える。 (1)シ ステムの特長 時間を選ばずWeb画 面で監視が可能。 ① 場 所、 ② ど こにで もWebユ ニ ツ トの設置が可能。 (注1)を 利用 で き、 ③ 既 設 の 自動 通報装 置 * 設置場所 管理事務所 他 監視端末数 最大 100 (屋内設置) 使用 OS Linux 適用規格 MP99準 拠 TCP//1P ネ ー ジ ャ機 能 、 H T T P サ ー バ ー バ 、 F 「P サ 機 能 (Apache)、TELNETサ ー バ 能 、 電 子 メ ー ル機 機 能 は1) 簡 易 SNMPマ ー 各種 デ タ表示 (故障通報、施設監視、運 その他機能 転履歴、故障履歴、運転 日報、運転月報) 帳票 ダウンロー ド 電源供給 外形寸法 220(W)× 質量 リ1.8kg イ 85∼ 240V AC50∼ 60Hz/1A(MAX) 230(D)× 65(H)mm 1)の (注 通報手段 (有線 。 無 ④ 自 動通報装置 って も監視が可能。 線)が 異な の lCICl施 設 監視が可能。 ⑤ 最大 ・ ⑥ 帳 票類の表示 ダウンロー ドでポンプ運 転 ・故障の分析が容易。 ⑦ 電 子 メールによる故障通報が可能。 (2)EMMD― Web装 置の仕様 ① 装 置仕様 (表 1) ② 画 面仕様 (図2∼ 4) 低価格 でシステム導入が可能。 * 機 荏原製作所 応 用 プロジェク ト部 E― m江1:tominaga eik(て )ebara com 原稿受付 日 平 成 1 5 年H t t H 日 注 1:帥 下水道新技術推進機構 マ ンホールポンプ運転監視 システム標準仕様通信 プロ トコルMP99採 用 の通報 装置 ターボ機械第32巻 第 3号 45 I″ マ ンホールポンプ用 Web監 視 システム… (2) 図 1 ユ ニ ット外観 (注3:ア クセ ス キ な役割) ー は使用者固有 の もので パ ス ワ ー ド的 (a)ロ グイン画面 図 3 画 面夕1(そ の 1) 画面表示部 全体 メニ ュ ー 施 設 別 メニ ュ ー 施設別画面表示時最初 に表示 される。 (e)運転月報画面 帳報ダウンロー ド パスワー ド入力 図 2 画 面構成 462004年 3月 マンホー ルポンプ用Web監 視 システム… (3)r% ¨ ¨ ¨ ” ¨ ¨ (C)運 転履歴画面 施設監視画面 一 ¨ ¨ ¨ ¨ ¨ ¨ 一 ¨ ¨ ¨ (e)運 転月報画面 (d)運 転 日報画面 図 3 画 面例 (その 2) 携帯電話 メ ー ルに て通報 電子 (プロバイダ契約が必要) 餞 Web装 置 W e b ブ ラウザに て閲覧 拗 Qttζ 暇二罫:鵬 尋・ 二 華 三 千11 「三 手il 「 ■に 合計機 場数 =最 大100機 場 (注4:EⅣ ⅣD、 EMNID21、 EMMD 31「 とは側荏原製作所の登録商標 である) 図 4 シ ステム構成例 3.お わ りに EMMD― Web装 置 の設置 によ り、 イ ンターネ ッ トでマ ンホールポ ンプ施設 の監視が容易 に行 す増大す る中で、低価格 で総 合的 な管理 を行 な える この装置 は 、維持管理 の省力化 、費用 削減 に多 い に貢献 で きれば幸 いで ある。 なえる。市町村合併が進 み、管理領域が ます ま ターボ機械第 32巻 第 3号 47 f% 直 列 に配置 されたマ イクロチユ ーブラ水車特性 … (1) 論文〕 〔 ー 直列 に配置 されたマイ クロチュ ブラ水車特性 塚本直史 *1稲 垣守人 *2渡 部忠彦 *3大 和 昌 一 *4西 道 弘 *5 Characteristics of a Micro Tubular Turbine for the Serial Arrangement Tadashi TSUKAMOTO,Morihito INAGAKI,Tadahiko WATANABE,Shoichi YAMATO and Michihiro NISHI 珈 ::席 瀧1淵淵蹴 鸞曇 餞鰈蘊 配mentご 宙 鉗 r"∝ ed h tts paperfromは rn` 鵬採 :1:11:Ъ pom ofme郎 Keywords:Watcr Turbine,Micro Turbine,Tubular TurbhC,Scritt Arrangement 1.ま えが き これまでの水車開発 は、大容量化 を実現す る ための技術 が主流 であったが、最近では魚通過 ど環境 に適 endly Runner)(1)な 可能水車 (Fish F五 応す るための研究が活発 に行 われるようになつ 一 た。 このような環境適応技術 の つ として、再 生可能エ ネルギーの回収 を目的 とす るマ イクロ 水車がある。 日本 における容量 100kW未 満 の水 力包蔵量 は、全原子力発電量 に匹敵す る3,740 ②にも上 り、 マ イク ロ水力 は新 たな 億kWh/年 電源 として期待 で きる。2003年 に施行 され た RPS法 では、 このマ イクロ水力地点の開発 を促 進す るため水路式 で1000kW以 下 の容量 までが 対象 エ ネルギー として取 り上げられた。 これに 士 ・フォイ トハ イ ドロい 設 計部 [email protected] E― mail:tsukamoto― 日 本 自然 エ ネルギー帥 東 京電力い 富 士電機 システムズ閉 九 州工業大学 原稿受付 日 平 成15年 9月 17日 *1 富 *2 *3 *4 *5 48 2004年 3月 より、上下水道や水路落差工 な ど多 くのマイク ロ水力 を有す る地点 の開発が活発化す ると考 え られてい る。 一方、スケールメリッ トのないマ イクロ水車 を普及 させ るには、上記 の ような法律 の整備 と 共 に、初期投資費用 の削減 や年間発生電力量 を 高め ることによる経済性 の向上が必要 となる。 このため著者 らは、広 い流量範囲で高効率 な運 ー 転が可能なチ ュ ブラ型水 車 の標準化 によるコ ° ス ト削減 や、 ラ ンナベ ー ン可動 化 による年間 4)に んで きた。 この よ う 取組 発生電力量 の増が ー ー なチ ユ プラ型水車 は、設置 スペ スが少な く 建設費用 が安価であ ることか ら、多様 な地点ヘ ー の適用 が検討 されてい る。 また、チ ユ ブラ型 水車 の適用可能な有効落差 は約20m以 下 と低落 差 であるが、配管途中へ の設置が容易な ことか ら上水道配管 など20m以 上の高落差 地点へ の導 入が計画 されている。 この ような地点へ の適用 方法 として、直列配置方式 が検討 されてい る。 これは、水車入日か ら出口までの中心が直線 上 直列に配置 されたマイクロチューブラ水車特性… (2)177 となるチ ューブラ型水車形状 の特徴 を利用 し、 ①②③④⑤⑥ 複数台 の水車 を直列 に配置 した方式 である。 幾何学的 に同 じ水車 を直列 に配置 した場合、 Pressure taps 各段 の有効落差 は均等 に分配 され、その水 車性 (° 能 も等 しい として取 り扱 われてい る 。 しか し ながら、下段水車 の性能 は、上段側水車の吸出 し管出口流れが流入することから、その影響 を Generator Pu‖ey Belt Runner Gu:de vane Stay vane 受けると考 えられ る。著者 らは(こ の影響 を確 認す るため同一形状 の水車 を2台 直列 に配置 し た実験 を行 い、下段水車効率 は上段水車効率 に ゛ 対 し高 く計測 される ことを明 らかに した 。本 に したので報告す る。 2. 言己手 子 本論文 で使用 した記号 を以下に示す。 Dl:ラ ンナ径 (m) D4:吸 出 し管入 口径 (m) gれ :自 由落下 の加速度 の標準値 2) (=9.80655mお g :測 定位置 における 自由落下 の加速度 (m/s2) ″ :有 効落差 (m) ) κ :水 車回転速度 (min・ κl l = ″ D 4 / ″ 05。 5 /g)° (g″ 0 :水 車流量 (m3s) 01:単 位水車流量 (m3/s) 5 05D42)・ (gaノ g)° 01=0/(″ R :半 径位置 (mm) φ :ラ ンナベ ー ン角度 (度) ∠γ :ガ イ ドベ ー ン角度 (度) [添字] b :ボ ス :上段水 車 の最高効率 : チ ップ : 管壁面 車 の構 造 著者 らが開発 した マ イク ロチ ュTブ ラ水車 は、据付面積 を小 さくす るためFig.1に示す よ うに水車 上部 に発電機 が取 り付 けられている。 3.水 [記号] ) 角1 :単位水車回転速度 (min・ ″ ′ ″ 稿 では上下段水車 の性能測定、吸出 し管内の内 部流 れの計測 および流れ解析 を行 い、水車効率 が高 く計測 される下段水車性能 について明 らか Fig.l Micro―tubular turbine ...(1) 。 ..(2) 駆動装置 は、潤滑油 を必要 とせず、高 トルクの 伝動 が可能なタイミングベ ル トを採用 した。 ま た、流量調整 を行 うためのラ ンナベ ー ンの可動 は、 ラ ンナボス内音6に組み込 まれたリンクを操 作す るための操作 ロ ツ ドが水車中空軸 内 に設け られ、 この操作 ロッ ドを前後 に動 かす ことで行 っている。 この操作力 は水車本体 に取 り付 けら れた電動機 よ り駆動 ベ ル トを介 して操作 ロ ッ ド ヘ伝達 される。Fig.2にラ ンナベ ー ン駆動装置 の概略図 を示す。 験 装 置 お よ び方 法 Fig.3は、直列 に配置 した水車 の性能を測定 した実験 スタン ドを示す。実験 スタン ドはJIsB 8103に準 じた試験が行 える設備 を有 している。 4.実 また、実験 中の水車 の写真 をFig.4に示す。水 車 は、任意 の回転速度 で運転が行 えるよう発電 ターボ機械第32巻第 3号 49 r露 直 列 に配置 されたマイクロチューブラ水車特性 … (3) Fig.4 Photograph ofthe tested turbine Fig.2 0utline ofthe mechanism forthe attuStable runner vane Fig.5 Water dynalloometer 1.8 16 Test stand 機 の代 わ りに日g.5に 示す水動力計 が取 り付 け られて い る。水 車 トル クは、 この水動力計 に取 ー 付 られ た ア ム と ロー ドセ ル に よ り測 定 され る。 このため 、測定 される トルクは、軸 受損 失 とタイ ミ ン グベ ル トの 損 失 を含 んで 測定 され 薔 ゃ ヽゃ F19.3 1.4ミ 12 02 0 8 06 Fig.6 1 0 1 2 1.4 n:1/n,1。 pt 1.6 Turbine characterisic curves for the al se五 arrangement る。 回転速度 お よび水車 流量 は、そ れぞれ電磁 ピッ クァ ップお よび電磁 流量計 で 測定 して い る。 また、有効落差 の測定 は、各段 のケ ー シ ン れ て い る。 グ入 口 と吸出 し管出 口に上記規格 に準 じて設 け 5.実 験 結 果 お よ び解 析 結 果 られた圧力測定孔 での圧力お よび各断面 の平均 5-1 性 軸方向速度水頭 を用 いて行 われる。 なお、 5孔 ピ トー管 に よる吸 出 し管 出日 の 内部流 れ 計 測 Fig.6は、 2台 直列 に配置 した水車 における は、 Fig.1に示 す圧力測定孔 と同 一 断面 で行 わ 50 2004年 3月 能実験結果 上段 と下段 の水車特性 を示す。実験 は、上下段 水車 の 単位 回転速度 が等 しい状態 で行 ってい ー … 直列 に配置 されたマ イクロチユ プラ水車特性 (4)J" opt ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ 吾・ δ\・ δ ●o い l δ\・ . δ 8 ヽ 一 η/η Ql1/Qll。 ロ i0 02 0.6 0.8 10 12 14 」 0.8 16 am/nll。 nlldtlwngЮ ●=125 05 0.6 04 n l 1 / n lロ l。 Fig.7 ComparisOn of turbine characteristic curves Fig.8 08 :.0 12 1.4 nll upstroam//nlldownstream Turbine characteHstiC curves for doWnstream turbine る。 また、ラ ンナベ ー ン角度 お よびガイ ドベ ー ン開度 は、それぞれ100%お よび90%開 度 に設 定 されてい る。 図 よ り、下段水車効率 は、最高 効率点近傍 において上段水車効率 とほぼ等 しく なっている ものの、単位回転速度 が高 くなるに したがい上段水車 との効率差 が大 きくなってい る。また、下段水車 の流量特性 は、上段 または 単段水車 よ り単位回転速度 が高 い領域でその差 が大 きくなっている。下段水車単独 の性能 を確 認す るため、測定系 を変更す ることなく上段水 車 を直管 に変更 した性能実験 を行 った。日g.フ は、上段水車 と下段水車単独 の水車特性 を比較 して示す。 この図 よ り、両者の特性 はほぼ一致 してお り、前述 の性能差 は製作や測定系 による ものでないことが判 る。 また、Fig.3で見 られ るように上段水車 の直 ぐ上流 に設け られた曲 り 管 の影響 は、小 さい ことが半Jる。 したが って、 Fig.6で見 られる特性 の差 は下段水車 の入口流 れの影響 であると考 えられ る。 日g.8は 、上下段水車 の効率差が大 きくなる n1/物1″′=1.25に下段水車 の運転 を一 定 に保 ち、上段水車 の単位 回転速度 を変化 させた場合 の下段水車性能 を示す。図の横軸 は、下段水車 と上段水 車 の単位 回転速度 の比 で示す。 図 よ り、下段水車 の効率 と単位水車流量 は、上段水 車 の運転状態 による影響 を受けて変化す ること Fig.9 Grid view of Micro tubular turbine が半J る。 5-2 数 値解析 と内部流れ測定結果 数値解析 は、ケーシング入口か ら吸出 し管出 口まで実施 した。日g.9に 解析 に用 いた水車本 体 の計算格子 を示す。接点数 は、 お よそ120万 25の 運転 につい て解析 し 点 で 、 n1/均1″′=1・ た。上下流水車 の回転速度 は、同一の条件 で解 析 を行 っている。なお、下段水車 の解析 は、上 段水車 の吸出 し管出口流 れを入口条件 とした。 上段水車 の吸出 し管出口 (下段水車 のケーシ ング入口)の 圧力測定断面 にお ける軸方向速度 l oに示す。図 には、数値解析結果 と 分布 をFig。 ー ピ ト 管 による測定結果 を示す。数値解析 と測 ターボ機械第32巻第 3号 51 下段水車 のケーシング部損失 の差 は、損失解析 結果 か ら 1%程 度 であ り、水車特性 に与える影 響 は小 さい。 これらの ことか ら、上下段水車入 口部 での流速分布 の差が、水車性能 に与 える影 響 は小 さい もの と考 えられ る。 他方、チ ユーブラ型水車 のような高比速度な ¨ 輌 一 0 e e b d i u s t Fig.1 0 水車 では、吸出 し管出口速度水頭 が有効落差 に 占める割合は大 きく、解析 を行 ったn1/nl″ `= 1.25の運転点 において、その速度水頭 は有効落 dran tube Distribution of axial flow velocity at draft tube outlet 差 の約 of the upstream turbine ″ 5%を 占める。 このような水車 では、流 速分布 が壁面静圧 に与 える影響 を無視 で きな く 示 なるもの と考 えられ る。 このため、Fig.10に 8 ・ ¨ O o E 8T S \ > m す解析結果 から、実験 と同様 に壁面静圧 か ら算 出 される全圧 と流量平均 全圧 の比較 を行 った。 この結果、壁面圧力 から求められる吸出 し管出 upstream turbine “ 口圧力 は、流量平均全圧 に対 し約 5%低 く算 出 される ことが判 った。 このことよ り、実験 で測 定 された下段水車 の有効落差 は、水車入口 と出 DoWnstream turbine ” 00 oo 02 04 00 08 Rb) Rb)//(Rt‐ (R‐ 10 口の全圧差 よ り低 くなるもの と考 えられ る。 また、前述 の通 り上下段水車 の特性 は等 しい F i g l l D i s t r i b u t i o n o f a x i a l , o W V e 1 0 c i t y a tとr考 u nえられ n e r i n lることか et ら、単位落差当た りの流量 一 定 における流速分布 は良 く 致 してお り、管中 心部 で逆流域 が存在 してい ることが判 る。 ま た、数値解析 から求 め られた上下段水車 のラン ナ入口部 (ガイ ドベ ー ン出口)の 軸方向速度分 示す。下段水車 の ランナ入口流れ 布 をFig.11に は、上段水車 と同様 な分布 となつており、水車 ー 入口での速度分布 の影響がガイ ドベ ン出口ま で及 んでい ない ことが判 る。 6.結 果 の考 察 を表す単位水 車流量 も両水 車 で 同 じ特性 とな る。 このため、Fig.6、 8で 示す下段水車 の各 測定点 において、上段水車の流量特性線 上にな 中の有効落差 のみを補正 し水車 るよう(1)と (2)式 特性 を算 出 した。補正後 の特性 を下段水車単独 示す。 この で測定 された特性 と比較 しFig.12に 図 よ り、単位水車流量特性 が等 しくなるよう補 正 された下段水車 の効率特性 は、単独 の特性 と 一 良 く 致 していることが半1る。Fig.13は、上記 実験 で測 手法 で補 正 した有効落差 (Hcorcdcd)を 、 )と の比で示す。 この図 定 された有効落差 (Hに 下段水車性能差 に関する考察 日g.11に示す流 れ解析結果 より、上下段水車 ラ ンナ入 国の速度分布 はほぼ等 しくな つてお より、最高効率点近傍 では両方の有効落差 は等 しい ものの、単位回転速度が最高効率点か ら外 れるにしたがい、その差 は広 がってい ることが り、水車性能 に与 える影響が最 も大 きいランナ 特性 の差 は月ヽさい もの と考 えられ る。 また、上 半Jる。 これは、最高効率点か ら外 れるにしたが い ラ ンナ出口での旋回が強 くな り、吸出 し管出 6-1 上 52 2004年 3月 ﹁︱︱︱︱︱︱︱︱ ︱︱︱︱︱︱︱︱ … rθ θ 直 列 に配置されたマ イクロチユーブラ水車特性 (5) ー 直列 に配置 されたマ イクロチュ ブラ水車特性 … (6)181 Downstream ttarblne Q 0 8、ヽ、 . . 。 . 〓0 ヽ〓0 Q Q 3ミ ゃ . ヽ upstream turbine Serial arrangement 011/01,。 pt 0.6 Fig 1 2 08 1.0 0 1 2 nl1/n,│‖ 1・ Corrected characteristic curves for downstleam oo Fig 1 4 O.8 10 1.2 1■ 1.6 nl1/n".pt Turbine characteristic curves for the serial arr 8 L 場0 リ ヽ 38L エ エ の速度分布が大 きく変化 しても、その影響がラ ンナ入 口に までお よびに くい形状 となつてい る。そのため、下段水車 は損失 に置 き換 わるは ず の吸出 し管出国の全圧 の偏 りを回収す ること が可能 とな り、上段水車 より高 い水車効率 にな った もの と考 えられる。 6-2 直 列 に配置 された水車 の特性 0.0 0.5 Fig 1 3 1.On■ /nllopt 1 5 Corrected net head curve 直列 に配置 された 2台 の水 車 は、機能 上 1 20 台 の水車 として考えることができる (以下、直 列水車 と呼 ぶ )。 この場合、直列水車 の入口お よび出回 は、上段水車入 口 と下段水車 出口 と 田部 での偏流 が強 くな るためである。 なお、 n1/均1″′=1.25にお け る補正量 は、本 図 よ り なる。 このため、単位 回転速度が等 しくなるよ 示す う運転 された直列水車 の特性 は、Fig.14に 約 6%で あ り解析結果 か ら求め られた 5%と ほ ぼ一致 してい る。 よ うに上下段水車 の平均効率 とな り、単位 回 転速度 の大 きい領 域で単段水車 の効率 よ り高 くなる。 一方、直列水車 の多 くは、幾何学的 以上の ことか ら、Fig.6、8で 見 られた上下 段水車 の効率差 は、吸出 し管出日の壁面静圧か ら算出 された全圧が、場 の流量平均全圧 よ り低 い ため生 じた もの と考 えられ る。単段水 車 で は、吸出 し管出回流 れは放水庭あるいは管路 に 吐 き出されるか ら、断面内で全圧の偏 りが あっ て も一様化 の過程 で 回収 され難 い。 したが つ に同一 な水車が配置 され、同 じ回転速度 で運 転 される。 この際、各水車の有効落差 は、Fig. 6に 示す 上下段水 車 のそれぞれの単位水車流 量特性 か ら求められる流量が等 しくなる ように 配分 される。 したが って、直列水車 の効率 は、 各水車効率 を有効 落差 で荷重平均 して求め る ことがで きる。 て、全圧差の大部分 は、水車の下流 で発生す る 一 損失 になると解釈 で きるように思われ る。 方、著者 らが開発 したマ イクロチ ューブラ水車 他方、直列水車性能 は単段水車 の性能試験 結果か ら算 出 されることが多 い。 この場合、直 は、水車 を直列 に配置す ることで下段水車入口 列水車 の性能 は、下段水車 の入口流れの影響 を ターボ機械第32巻第 3号 53 … r" 直 列 に配置 されたマ イクロチユーブラ水車特性 (7) 考慮す る必要がある。前述 のように偏流が壁面 静圧 に与 える影響 は、数値解析 により高い精度 で求 め られることが確認 された。 このため、直 列水車性能 を単段水車性能か ら見積 もる場合 に は、数値解析 を用 いた推定方法が有効 である と 考 える。 7.結 論 ー 直列 に配置 したマ イクロチ ュ ブラ水車 の性 能測定、内部流 れの計測お よび数値解析 を実施 して直列配置の特徴 を考察 した結果、以下のこ とが明 らかになつた。 車 を一台 の直列水車 として定義 した場合、 その直列水車 の効率 は、単位回転速度 が大 きな領域 で単段水車効率 より高 くなる。 ④ 直 列水車 の性能 を精度 良 く把握す るに は、下段水車 の入口流れの状態 を考慮 した ー 性能推定が必要 である。本 マ イクロチ ュ ブラ水車 の場合、数値解析 を利用すること で、単段水車性能か らの見積 りが良好 に実 施 で きたな < 参 考文献 > (1) Robert Peltier, Fish― “ friendly hydro turbines move center ー ① 著 者 らが開発 したマ イクロチ ユ ブラ水 車 は、水車入口流 れの速度分布が大 きく変 化 しても、その影響 が ランナ入口までお よ 12003. stage t Power,Ap五 (2)森 下 ・塚本 ・金元 ・大西 ・宇野 ,未 利 用水力資源 に よる地球 にや さしい クリー ンエ ネルギー開発 の促進, タ ーボ機械第31巻第 4号 ,199(2003-4)7. (3)稲 垣 ・渡部,環 境対応型マ イクロ水力発電 システムの びに くい形状 である。 ② こ の ような水車を2台 直列 に配置 した場 合、上段水 車の損失 となるはず の吸出 し管 (4)TsukamOtO,T、 出口における全圧 の偏 りを下段水車 で回収 す ることが可能 となる。 このため、偏 りが 大 きくなる運転領域 では下段水車の効率 は 上段水車 より高 く現 われる。 ③ し たがって、直列に配置 された 2台 の水 54 2∞ 4年 3月 開発,電 気評論,2003-4. et al.,A Method of Application for a Micro Hydraulic Turbine,The 7th Asian lnternational Conference On Fluid Machinery,Fukuoka,Japan,2003-10 (5)笹 浪 ・木 崎 , 2台 直列 配置 型標 準低 落差 プ ロペ ラ水 ー 車、 タ ボ機械第31巻 第 9号 ,513(2003-9)1. Band Micro (6)Inagよ i,M.,et al.,Development of A Broad― Hydraulic Turbine,The Hydraulic Machinery and Systems 21stIAHR Symposium,Lausanne,Switzerland 2002 ¨ サ ージ概論 (第 2回 )第 1章 序 論 (その 2:高 負荷 フアンの例)・ (1)f“ 軸流圧縮機 の失速 ・ 連載講座〕 〔 サ ー ジ概論 (第 2回 ) 軸流圧縮機 の失速 ・ 第 1章 序 論 (その 2:高 負荷 ファンの例) 山 口信 行 (・ "は 失速 ・サ ー ジの現 れ 方 につ い てご く概略 の説明 を行 った。今 回 はやや具体 的 にあ る高負荷 フアンについ て述 べ 、 ファンの失速 に 前回 設計 パ ラメ タ、特 に翼列 の負荷 が密接 に関連 し てい る様子 を示す。 1.5.高 負 荷 低 圧 送 風 機 の 例 高圧 の圧縮機 だ けでな く、低 圧の フアンや送 風機 で も失速/サ ー ジ ングは重大 な現象 である。 ある高負荷 の低速軸流 フアンを例 にとつて説明 (・ → しよう (山口 )。 これは1967年 頃著者 が初め て設計 した もので、ある乗 り物 の給気通風用 フ ァンと して利用 されるものであつた。 このため、 小 型 でかつ低騒音 である ことが要求 された。 フ ァ ン を低騒音化 す るため には 、 一 般 的 に、 低周速化す る必要 がある。 フアンの大略 の広帯 域騒音 レベ ル は 。 ′ ) ・ ・ (SPL)∝601og(“ (1.1) (19(1° で与 えられる (例えば )か らであ る。 こ こで“ はファンの動翼先端周速度 を示す。 ′ このため、 ファンを低騒音化す るためには動 翼周速度 を低 くとらぎるを得ず、狙 った圧力上 昇 と風量 を達成するためには翼 の負荷 は高 くと らぎるを得 ない。 * 明 星大学 理 工学部 機 械工学科 u acjp mJl:yalnagucαのme.meisel― E― 原稿受付 日 平 成 15年 9月 25日 * 表 11 あ る高負荷送風機 (A機 )の 設計要目 386mm 翼車口径 (直径) 2段 段数 静 方異 軸 量勤 語 殆 謂 鼎 ず 翼翼 翼形式 ハ ブ比 0.783 1710rom 回転数 設計\ 量 ×静圧上昇 45mシ min×7∞Pa 2.2× 105 Revnolds数 ● =0487 y : ″l = o . 8 6 2 設計点 流 量係数 1 段理論圧力係数 2 段 理論圧力係数 y ′″2 = 0 . 5 7 6 2 圧力上昇 :″ ∝“′ 風量 :0∝ …。 (1.2) … (1.3) 麟 の 関係 があるか らである。 この観点 か ら、表 1.1に示す要 目 を もつ 送風 機 と して、図 1.6に示す よ うな高 ハ ブ比 の 2段 フ ァ ンを設計 した。 これ をA送 風機 と呼 んでお こ う。表 1.1の係 数 の定義 につい ては第 2章 を 参照 いただ きたい 。規準化 は動翼先端周速度 で 行 って い る 。 この 送風機 は電動機 を中央 にお き、そ れ を中間静翼 で支持 し、その上流側 に 1 段動翼 、下流側 に 2段 動翼 を配置 した形式であ る。入 り口では軸方向 に気流 が流入 し (軸方向 流入型速度 三 角形)、 2段 動翼 か ら軸 方向 に流 出す る形式 (軸方向流出型速度 三角形)を 組 み 合 わせ た もの で あ る。 そ の ほ ぼ 平 均 半 径 0 . 9 ) に お け る翼 列 デ ー タを表 1 . 2 ( 島 = r 7 7 1 /=η ターボ機械第 32巻 第 3号 55 …(2) サ ージ概論 (第 2回 )第 1章 序 論 (その 2:高 負荷 フアンの例 )・ Jン III流圧縮機 の失速 ・ Design Point 枷 枷 ︵ “ ●∽一 ,●0 ∝ ︶ ●L “ oし ﹂ 図 16 A送 FI● 7(耐 /min) 風機 の概略断面図 図 17 A送 風機 の性能 曲線 (山口 (1° ) 表 1.2 A送 風機 の翼列概要 (ほぼ平均半径) 半径1ヒ (R=れ /4) 第 1段 動翼 中間静翼 第 2段 動翼 節弦比 (`/ι) 翼反 り (N=10× Cb) 食違い角 (ξ) 46 6deЯ 翼反 り角 (θ) 食違 い角 (ξ) 節弦比 (′ノι) 翼反 り (Ⅳ =10× Cあ ) 90 2deg -4 2de2 食違い角 (ξ) 090 7.74 633 半径 比 (R=れ /η) 図 1 . 8 翼列 と翼の設定 の関係図 に示す。 この送風機 の性能 を図 1.7に示 す (1の 。 図中 国 点が設計点 で あ る。 ところが点線 で示 される性 能 が測定 され、狙 い を達成 してい ない ことが分 か った。風量が少 な く、圧力上昇 もやや低 い ま まで早期 に失速 して いた。設計 に利用 した二次 元翼 列 特 性 上で は これ は確保 され るはず だ つ た。 また Dフ アクタの レベ ルか らも、苦 しい な が らも達成 で きない もの とは思 えなか つた。 や む を得 ず動 翼 の 取 付 け角 度 θを色 々 と変 更 。調整 してみ て、1、 2段 動翼 ともに変更量 ∠θRで+6.9°の 時 に図 1.7の実線 の 曲線 の よ うに 目標点 をクリアす ることがで きた。取付 け角 ∠θR 562004年 3月 とは、図 1.8に示す よ うに、翼 の翼列軸線 か ら の角度 を設計角度 よ り起 こす方向 (流量 を増や す方向)を 正 とす る角度変更量 である。特 に 2 段動翼 に対す る この処置が効果 をもた らした。 設計点 が最初 に達成 で きなか つた理由は今 と なっては特定で きないが、考 えられる原因 は幾 つかある。 まず翼列 の負荷 が非常 に高かった こ とである6表 1.3に本送風機 のほぼ平均半径 の 翼ダ1負荷係数 を設計速度三角形 (単純半径平衡 に基づ く)か ら算出 して示す。拡散係数 (Dフ ァ ク タ ) 、圧 力 上 昇 係 数 の 、そ して循 環 係 数 Q t t σの 3 種 類 である。 これらの係数 につい ・ ・ サ ージ概論 (第 2回 )第 1章 序 論 (その 2:高 負荷 ファンの例)・ 軸流圧縮機 の失速 ・ (3)ノ∬ 表 1.3 A送 風機 の翼負荷概要 (ほぼ平均半径) ″) 半径比 (R=み !ノ 第 1段 動翼 第 2段 動翼 0 フ アク タ 0626 の 0.637 Cιr/tσ 1298 D フ アク タ 0329 CP ‖ ヽヽ ヽヽ Q″ σ 0.549 飲 \ \ \\ (a) I)esigned condition 図 19 A送 (b) Final condition 風機 の平均 半径 断面翼列翼型及 び流 路 の概況 は2 . 2 × 流速 に基づ くR c y n o l d s 数 1 0 5 だった) に おいて達成 で きないこ とがある。 このこと も関 係 してい る可育 ヒ性があ る。 さらに現在 の知識か ら考 えると、アニュ ラス 境界層 の発達 も顕著 だったことが推測 される。 これにより壁面失速現象 も加わっていたのでは ないか、 と思われる。 これが著者 が最初に遭遇 した失速 ・サ ー ジ問 題だ った。 この低圧高負荷 のファンでは失速/ サ ージ ングの現象 はやは りかな り複雑 で、様 々 な要因が関わっていたようである。解決に要 し た取組 みの経緯 と改善効果 の現 れ方 から考 える と、 まず翼列 の作動状態 と負荷が失速 ・サ ージ 現象 に密接 に関係 してい ると考 えられた。 そ こで 、構成要素 で あ る翼列 の特性 と送風 機 ・圧縮機 の特性 との関係 について次章 で概要 を理解 してお くことにしたい。 ては後節 で説明 したい。現在 の知識 で見 るとこ れ らの負荷係数 は非常 に高 い。 さらに図 1.9(a) に設計状態 での両動翼 の平均的な翼型 と流路の 様子 を示す。結果論 ではあるが、非常 に強い減 速 (拡大)流 路 になってお り、 きび しい作動状 態 であることが視覚的 にも感 じられる。図 1.9 (b)に 最終形態 を示す。 さらに表 1.3から見 ると特 に 1段 動翼 の負荷 が著 しく高 い が、改 良 と効果 の経過 か ら見 る と、 よ り低負荷 のはずだ った 2段 動翼 の方がネ ックとなっていた可能性が否定で きない。そう す ると、 2段 動翼 は高 い翼負荷 に加えて、非常 に高い食違 い角 (低い取付 け角)で 設計 されて 1.6.圧 縮 機 屋 の 夢 圧縮機 を開発 し、あるいは設計 し、製作 して、 ユーザに提供す る側 の人間は自らを 「 圧縮機屋」 と称 している。著者 も以前 30年 間にわた り、圧 縮機屋 の一人 として空力開発 に携 わってきた。 圧縮機屋 としての著者 の夢 の一つ は 「 失速あ ー ・ い るいはサ ジ しな 圧縮機 送風機」 であっ た。失速 ・サ ー ジ無 か りせばこの世 は圧縮機屋 にとってどれほど気楽 なものであ ろ うか。 この 気持 ちは圧縮機 や送風機 に少 しで も携 わったこ とのある人ならば、等 しく同感 してもらえるも のであろ う。恐 らくポ ンプの設計 に携 わる方 々 いたため に、設計点 を達成できなかった ものの に も同感 いただける もの と`思う。 よ うである。そ こで食違 い角 を減 らす ことで翼 因みに、世界最初 の軸流圧縮機 と考えられる Pttmsが 1901年に製作 した圧縮機 は3CXX■3ハh、 列 として働 きやす くな り、それによって失速 マ ー ジンが増 え、 この余裕 で必要な設計点 をまか 1.75psig(12kPa)、 19段 とい う諸元 を持 っていた といわれる。効率 は60%と 低 く、失速作動 して なうことがで きた、 とい うことになる。 また非常 に高い負荷 の翼列 の性能 は、比較的 い たのではないか、 と考 えられている。軸流圧 低 いReynolds数 (この場合動翼先端 で相対流入 縮機 は誕生の時か らその最 も重要な技術であ る ターボ機械第32巻 第 3号 57 …(4) サ ージ概論 (第2回 )第 1章 序 論 (その 2:高 負荷 フアンの例)・ 6 軸 流圧縮機 の失速 ・ fθ お り、 この 100年 間の技術的進展 の大 きさが理 解 される。 この間の先人達 の努力 は、ある意味 では、失速点の向上に向けられ ていた、 といつ m m 流送風機 で も16kPaの圧力上昇 を達成 してお り、 また高速圧縮機 では単段 では数十 kPaに達 して C一 Eヽ ︽X〓あヽ、c ︶ 0 ︿ ■一 一 (1つ 減速翼列の難 しさに直面 していたことになる 。 現在 では、産業用 の単段 の動翼可変 ピッチ軸 て も良いだろ う。 圧縮機技術 は 1940年代 に急速 に立ち上が り、 50年代以降 コンス タン トに伸 びて来 てい る。 こ 急速 な進展 は流体力学、熱力学 を始 め 、材料、 振動、構造、制御、計測、製造、等 々様 々の分 野 の技術 のバ ラ ンスの とれた発展があい まって 可能 となったものである。 この 100年 間近 くの圧縮機 の技術的進歩 の様 つ(1° (・ )に 示 してお こ う。本 子 を図 1.10(山 口 N ヽ一 ︲¨ ” ︵ ∞”Nヽぃ 卜︶ ヒ ヽ ^ ・● こ∝一 れを引 っ張 って きたのはジェッ トエ ンジ ン用 の ー 軽量 ガスタ ビンの分野であ った。 この ような 0.1 5 2 Compressor 001 Δ Expenmental 5 ● Gas Turune 2 WW,: o lndust‖ J Use 0 . ∞1 1900 40 50 60 70 00 00 2000 図 は、巨視的 な量か ら算出で きる流量指数 夕と 圧力指数みを、手元 にある幾 つ かの数値 (一軸 の圧縮機、送風機、 ガスター ビン用圧縮機)か (1つ (1° ) 図 1 1 0 軸 流 圧 縮 機技 術 レベ ルの 歴 史 的推 移 ( 山口 ら計算 し、プロ ツ トしてみた ものである。 これ らのパ ラメー タの定義 と概略 の意味 は次 示 してい る。その技術的な内容 としては次式 の ようになる。 式 で示 される。 3600)2(m3/min)¨ 。 (1.4) 流量指数 :夕=2(れノ ・)/κ -1]/て =(■ /288)[R7に (―) 圧力指 数 :力 … (1.5) こ こで 2:吸 込み流量 (m3/m0 κ :圧 縮機 回転数 (rpm) η :吸込み温度 (deg.K) R7:圧 縮機圧力比 κ :気 体比熱比 z :圧 縮機段数 これ らの量は圧縮機 の巨視的 な仕様か ら算出で きる。流量指数 9は3600rpm換算 の流量 を示 し、 圧力指数がま1段 当た りの断熱 ヘ ッ ドの 目安 を 582004年3月 YEAR 2)φ 3(1_ソ ′ 夕∝“ 2vr′ λ∝“′ … (1.6) … (1.7) こ こで 場 :初 段 先 端 周 速 (m/s) φ :圧 縮機 初段 流 量係 数 (初段動 翼 先端周 速基準) y′:圧 縮機 平均段 圧 力係 数 (初段 動 翼先 端 周速 基準) ソ :圧 縮機初段 ハ ブ比 流量指 数 クの 増大 は圧縮機流量 の増加 と圧 縮機 の高速化 (そ して小径化)を 示 し、そ の 内容 と しては動翼周速 の増加、ハ ブ比 の低下、流量係 数 の 向上である ことを示 してい る。 また、圧力 指数 の増加 は圧 縮機段数 の相対的減少 を示 して …(5)r87 サージ概論 (第2回 )第 1章 序 論 (その2:高 負荷 ファンの例)・ 軸流圧縮機の失速 ・ お り、動翼周速 の増加 と圧 力係数 の増加 を内容 と して いる。 1950年前 後 の実験機 での急速 な立 ち上が りは NACAの 遷 音速 圧 縮機 の研 究 に よる もの で あ る。 1960年代 の産業用圧縮機 の立 ち上が りは、 日本 での 高炉用 圧縮 機 が主 た る もので あ った 。 最近 で は ガス タ ー ビン用 圧 縮 機 の 伸 びが大 き い 。 ただ しここでのガス タニ ビンの 中に はジェ ッ トエ ンジ ンは含 まれてい ない。 この最近 の lo 年 間では流 量指数 で 5割 程度 の増加 の傾 向、圧 力指数 ではやや頭打 ち とはい え、 さらに増加 傾 向 にある。 スマ ー トエ ンジン、 スマ ー トコンプレッサ ー、 インテリジェン トコンプ レッサ ー等 の名称 で取 組 み始 め られてい る。 スマ ー ト化 の大 きな狙 い の一つ は当然、非失速化 ・失速回避 である。 この夢 の完全 な達成は、理論的 な可能性は さ てお き、大 きな目標 として追求す るに足 る狙 い であろう。 今回見 たように、当然、空力設計が全体性能 に直接的 に結 びついている。次回から2回 にわ たって空力設計法 と性能評価法のご く概要 をお さらい してお く事 に しよう。 この圧力係数 の 向上が必然的に失速やサ ー ジ 現象 との戦 いであつた。そ の戦 いの 中で 、本書 に概略 を紹介す る様 々 な現象が解明 されて きた のであ り、それはまだ続 い てい ると言って良 い。 <参 考文献 > (1.4)山口,送 風機 の 設計 , 日本機械学会 関西支部第 1回 セ ミナ ー ,(1987-8),pp.75-96 (1.5)Sharland,I.J,Sources of Noise in Axial Flow Falls,Jour. この よ うに達成 で きる圧力比 につい ては進歩 は著 しい。 しか し 「 失速 あるい はサ ー ジ しない 圧縮 機 。送風機」 の夢 の 実現 には まだ程遠 い 。 Sound Vib.,1,302,(1964) (16)山 口 ・他 3名 ,軸 流 フアンの広帯域 騒音 に関す る研 究,三菱重 工技報,Vol.14,No.6,(1977-1). ー (1.7)山口,軸 流送風機 ・圧縮機 の変遷(1ヽ(2), タ ボ機 流 れの観点 か らは原理的 には不可能か も知れ な い が、様 々 な努力が世 界 中 の ター ボ機械研 究者 械 , Vol.8, No.l and 2,(1980-l and 2) ー ボ機械 (1.8)山口,軸 流送風 機 ・圧縮機 へ の夢 ,2002タ ー ー ・ マ ン セ レ ッシュマ ミナ サ ,(2002協 会 第 16回 フ の 間で続 け られてい る。著者の 関係 して きた陸 用 ヘ ビー デ ュー テ ィ機 だけでな く、最近 ではジ ェ ッ トエ ンジ ン等 の航空 エ ンジ ンの分野 で も、 8), pp 59-68. ー ジ概論 (第 1回 ),第 1 (19)山 口,軸 流圧縮機 失速,サ ー の 1),タ ボ 機械 ,Vol.32,No.2,(2004-2) 章序論 (そ ターボ機械第 32巻 第 3号 59 188 町 田 神 区 > 田 厳 は 船 協 学 月東 ︲ 財 会会2 一日成士 夕①平学 催催 日場 催 主共 開会 ーボ機械協会総会講演会 > 講演募集 <第 51回 タ TEL:03-3299-5931 肇 簸鳥星γ 背3日0 睾 療 範留 幕所 藉 今付 ア マて ケ今 じ し F 送 rく ン と 約 ヽ ヽ 5 年 櫛 榊 舗 6 ︲ 誌卜 の 。 誌 な見会 は 一ツJo 当体 本 主意 のてヶり い本 一後 た担具 <r 後 し ント良 o o い ー ターボ櫛 協会ニュ ス _ 第 49回 第 49回 関西地区委 員会 第 5回 ポ ンプ吸込水槽模型試験基準改訂委 員会 乳 尤扮 総務理事委 員会 O CFD WG (4)研 究 紹 介 O Meぉ urement ofthe Flow around the Submerged Vortex d Pum“ O路 :ふ 盟穏 鶴た 1懺 辮lltttl糧 第31期 第 8回 編 集理事委員会 東本桑 以 め含決 よら < 山 想 なも て るか ヽ 60 2CIK14年3月 他協会 ニ ュース トライボ ロ ジ ー会議 12日 ω :::│:iI]lil: │ま ][:轟 ー 問合 せ :日 本 トライボ ロジ 学会 3434-3556 TEL:03-3434-1926 FAX:03‐ E― mail i [email protected] http l www.tribologyjp ターボ機械協会 第 61回セミナー 風 力発 電 :日 本 にお ける風 力発 電 の現状及 び課題 と対策 平成 15年4月 施行 「 電気事業者 による新 エ ネルギ ー等 の利用 に関す る特別措置法Jを 受け、風力発電 の が に増加する 利用 急速 見通 しにあ ります。 しか し、 日本 における風力発電 の利用技術 は確 立途上であ り、 もあることか 日本特有の問題 ら、その導入 にあたっては計 画、設計 、建設、運転保守の各面 において検討 課題 が多 く存在 しているの も現状 です。協会 では、現在 第一線 で活躍 されている研究者、技術者 の方 々か ら現状 と今後 の課題 を分か り易 く解説 し、風力発電の基本 を理解 して頂 く目的 でセ ミナ ー を企 画致 しま し た。会員 のみならず、関係各位 の多数 のご参加 をお願 い致 します。 日 時 :平 成 16年 3月 15日09:00∼ 17:00 会 場 :工 学院大学 新 宿校舎0715教室 参加費 :会 員 35,0∞円、非会員 40,000円、学生 lo,ooO円 内容 ・講師 :風 力発電 の普及状況 と今後 について 東 京大学 荒 川忠一 系統連携技術 につい て 富士電機 システムズ 齋 藤哲夫 日本 の風 と風 力発電 設備 につい て 三菱重工業 勝 呂幸男 風力発電設備 の トラブル事例 と運転状況 について JPOWER 大 名直樹 定 員 :90名 申込先 :タ ーボ機械協会 セ ミナー受付係 TEL:03-3944-8002 FAX:03‐ 3944-6826 E― m江 1:turbo―[email protected] ターボ機 械協会講演会 、 セ ミナ ー年間予定 詳細はターボ機械協会事務局 まで問い合わせ下 さい。 開催 日、会場 行事名 2004年 3月 15日 工 学 院大学 風 力発電 :日本 にお け る風 力発電 の現状及 び課題 と対 策」 第 61回 セ ミナ ー 「 2004年 4月 23日 機 械振興会館 第 62回 セ ミナー 「 水力機械 の高性能化 ・長寿命化技術」 2∞4年 8月 19日 、22日 大 阪大学 国際会議 案内 Date and Venue 通常総会、第51回総会講演会 第 18回フレッシュマ ンセ ミナ ー 不明な点 は事務局 まで問い合 わせて下 さい。 Titlc and Theme 2004-06-21-06-24 3rd lntcmational Confclence on Heat transfer,Fluid Mcchanics and Thcrmodynalnics C a p e T o w n , S o u t h A f r i c a httpブ /www hefatcom ターボ機械第 32巻 第 3号 61 ー ターボ機械協会 講 演会論文集バ ックナンバ 頒布 平成元年 12月 7日 Q 第27回 (鹿児 3年 H月 28日 ④ 鹿児島人材センター 4年 7月 23日(や、24日⑥ 第35回 (山 第36回 成 7年 lo月 26日 鶴岡工業高等専門学校 第37回 (金沢) 第 38回 第39回 (字部) 第 40回 lo年 5月 8日 43回 (名古 成 12年 9月 30日 平成 13年 5月 H日 0 6.OIXl円 第47回 (徳島) 6,OIXl円 成 14年 5月 第49回 (神戸) 第50回 6,OCЮ 円 1 5 年5 月 1 6 日 込 方 法:ス 申 ま 畢 臓 9場 ぷ 著 曇LtTI屋 貢 、 な 理 魚 フ 量 逮 撃::尋 X送 19RF窃 里 曇 近 ギ段 君 濃 1基 讐 葛 」は ζ 932599 通預金 ほ 普 銀行 駒込支店 (振込銀行/み ず ー 出版 ビル内) 本工業 ー 京都文京区本駒込6-3-26(日 申込先 :タ ボ機械協会 講演会論文集バ ツクナ ンバ 受付係 〒 H3-8610東 :turbo― s α の m」 3944-6826、 E― pop01.Odn nejp FAX:03‐ TEL:03-3944-8002、 表紙写 〔 民呻 ン水車 ラ ンナ ー と中間羽根付 きフラ ンシス水車 ラ ンナ 水力発電は歴史が古 く、落差や流量 により、色々な型式の 水 ・ 民薔亀男 ネ格フマ傷栞力発電所 を有 してお り、歴史的 技 │][:33i[]:[[I言 ]i::li;]骨 !「 I[ ー い る ふ ふ 星 雪 璽 男 :な島 │‖ :こ 量 鵞 7:義 ;「 1常 ー ている型式で、従来のフランシスランナ の翼間に、長 さの短 が さ れ 減 荷 軽 ② ?吾 ぜ 糸 『 争̀'I修 T予 筆 簿 准 [企 警 Zビ 憂 lλ 1傷 [: iム 占 L里 晨 :J豊 ;:』 鼈 じ 諸 36hnl <暑 乙 ふ 爾l酷数 t勇 途 は 珈 期 ズル数 6射 バ 22個 ケッ ト数 嚇♂ 郷 を 掩 )哺 鷺 鰺熙ζ ノ (提供 :関 西電力的) 表紙用写真 を募集 しています。 62 2004年 3月 掲載期間 は 1 月 ∼ 1 2 月の 1 年 間です。受付 は常時受付 けております。道切 なものが ありま したら御提供下 さい。年度毎の採択 は1 0 月の定例理事会 で行います。 連絡、問い合わせ先 : T E L 0 3 - 3 9 4 4 - 8 0 0 2 ( 編集理事委員会) 0配 管技術研究協会主催 平 成 16年 度第 1回 講習会 実感 して体得 基 本 と応用 配 管装置 の強度 本講座 は、配管、容器、管支持装置な どの設計 に従事す る人 に、 これ らを設計す るために必要な一通 り の知識 ・技術 をマス ター して もらえるよう企画 した ものです。項 目ご とに基本 に重点 をお きその考 え方 を 説明 し、必 要 な式の意味 を説明 し、例題 を解 くことによ り、実務 において適切 な式 を駆使 し、適格 な設計、 正 しい評価が体得で きるように します。 日 時 :平成 16年 4月 9日 09:00∼ 16:25 会 場 :機 械振興会館 6階 大会議室 定 員 :80名 主 催 :llD配 管技術研究協会 協 賛 :タ ーボ機械協会、他 ー ・ テ マ 講師 :材料強度 の基本 芝プラ ン トシステ ム徽 渡 辺 修 東 管、圧力容器 の強度 の基本 東 洋エ ンジエ アリング的 堀 田 英 樹 支持 ・構造物 の強度 の基本 三 和テ ッキい 粕 田 中 疲労強度 の基本 東 京理科大学 西 島 敏 お問合せ 。お申込み :①配管技術研究協会 TEL : 03-3944-4575 FAX : 03-3944-6826 E― mail i hs@n■ 惑Ю― pb.coJp ・ 会誌送付 先 に変 更 があ つた場 合 、下記の欄 に所 要事項 を ご記入の上 、FAX、 郵送 等 の 書 面 にて ご連絡 だ さ い ます よ う 、 よ ろ し くお願 い 申 会 員種 別 上 げ ます 。な お 、個 人会 員の名義変更 はで き ませ ん 。 個 人会 員 ( O で 囲 ん で下 さ い ) 特別 (法人 )会 員 会 員名 1、 勤 務 先 2、 勤務 先住所 3、 勤 務 先〒 4、 所属 部課 名 5、 勤 務 先 Tel 6、 自宅住所 7 、 自宅 〒 8 、 自宅 T e l 1、 会社 名 2、 連絡 者住所 3、 連絡 者名 4、 連絡者所 属 5、 連絡 者〒 6、 代 表者名 7 、 そ の他 個人会 員用 変更 箇所 ( 0 で□んて下さい) 特 別 会 員用 変 更 箇 所 ( O で 囲んで下さい) T 変更後の宛先 記入者名 記入者連絡 先 TEL 平成 年 月 日 宛先 :タ ーボ機械協会 FAX 03-3944-6826 〒113-0021 東京都文京区本駒込 6-3… 26 ターボ機械第32巻 第 3号 63 192 ター ボ機械協会誌投稿要領 1.会 誌 つこと ー 本協会 は会誌 「タ ボ機械Jへ の会員か らの投稿 を歓迎する。会誌 の記事 は、広 く流体機械工業 お よび工学に役立 こ の とする。会誌は毎月発行する。 を目標 とし、会員間における意志 の疎通、最新知識 の交換お よび相互の啓発 に有効なも べ ー の会誌 で取 り扱われるのは、 タ ボ (含容積形)機 械 に関係 のあ る諸問題 のほか、その周辺領域 の諸問題 のす てを含 む。 2.投 稿規定 (1)使 用言語 は原則 として 日本語 とするが、英語で もよい。 ・ ー (2)投 稿原稿 の分類 お よびペ ジ数 は 3項 の原稿 の分類 定義 による。 (3)論 文 の投稿 は原則 として会員に限る。 一 ただ し、非会員 (外国人 を含 む)が 論文 を投稿する場合 は会員 人以上 の推せんを必要 とする。 論文以外 の記事 (3.原 稿 の分類参照)は 必ず しも会員に限 らず、協会か らの依頼に より会員以外 か らも投稿 を受 ける。 ー ー )で 、1ペ ー ジ増 につい て 5千 円を加算す る。 (4)論 文投稿料 は論文 1編 3万 円 (図表含 め 7ペ ジ以内 1ペ ジ1,554字 ペ ージ分は フロ ッピーデ ィスクで投稿 した論文 で、図表 もそのまま印刷可能 な場合は、1編 2万 円 とする。但 し、超過 前者 と同 じとす る。 は 展望 ・解説、講座 の記事 に対 しては、協会規定 の原稿料 を支払 う。進呈部数以上 の別刷 を必要 とする場合 は、著者 別 に定める別刷料 を支払 うものとす る。 (5)投 稿希望者 は内容分類、題名、著者名、勤務先、連絡先、投稿予定 日お よび会員資格 を記入 の上、協会宛投稿 を申 し 込 む ものとする。原稿表紙、執筆要領な どは申 し込み次第送付す る。 ー (6)論 文 として投稿す る場合 は校 閲用 に2部 、その他 の記事 に対 しては 1部 のコピ を原稿 に添付する こと。 なお、著者 の手元 にはコピー 1部 を必ず保存 してお くこと。 (7)原 稿 の作成 は別に定める執筆要領 による。 また、原稿 には協会 より送付 した原稿表紙 に所定 の記載事項 を記入 した も のを添付す ること。英文 タイ トル、英文著者名 は執筆要領 に従 い活字体 で記入す ること。 (8)原 稿送付先 ー 〒H3-8610 東 京都文京区本駒込 6丁 目3番 26号 タ ボ機械協会 TEL : 03-3944-8002 FAX : 03-3944-6826 3 . 原 稿 の分類 。定義 (1)論 説 (4ペ ー ジ以内) ー (2)展 望 ・解説 (6ペ ジ以内) ー (3)論 文 (原則 7ペ ージ以内、ただ し10ペ ジまでの超過 は許容 し別項 に定める超過料 を徴収す る) 理論 または実験 に関する原著論文 であつて、実際面ヘ の応用価値 を重視 し、主要部分が他の刊行物 に未発表 の ものに限る。 (4)技 術資料 (4ペ ージ以内) (5)講 座 (6ペ ー ジ以 内) (6)分 科会報告 (6ペ ー ジ以内) (7)座 談会記事 (6ペ ージ以 内) ー (8)文 献抄録 ・書評 (1ペ ジ以内) (9)製 品紹介 (2ペ ージ以内) ターボ機械 お よびその関連機器 で、特 に画期的なもの、 ー 新 たに開発、製品化 されたもの、新たに シリ ズ化 さ れたもの、新 たな用途 に使用 された もの などの紹介記 事。著者 は本協会会員 または特別会員 に限る。 00 研 究室紹介 (2ペ ー ジ以内) 0⇒ 随 筆 ・サ ロン (2ペ ージ以内) l121 会 員の声 (1ペ ージ以内) 0 見 学記 (4ペ ージ以内) l141 会 議報告 (4ペ ー ジ以内) 00 そ の他 0りのいずれにも該当 しない記事で も、編集理事委員会で適当と判断されたものは会誌 に掲載す ることがで きる。 上記の項 目(1)∼ 64 20C14年3月