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18 - 素形材センター
鋳 造 株式会社藤田製作所 鋳造後処理作業の改善 グラインダー作業の軽減、効率化 1.開発の目的 グラインダ作業の押湯切断部や厚い堰などに対し て、手持ちグラインダでは力不足との判断の元、手首 鋳造工場の後処理作業(グラインダー作業)の省力 の力や腕力にあまり頼らないワーク押付型を考える。 化、効率 アップ、安全性の改善等を従来にない機械で 直径 455、厚さ 50 mm の砥石を使うことにするが、卓 対応させるべく開発した。 上型両頭グラインダではワークの大きさから操作性が 2.開発の内容 悪く、研削時に必要な微細な動作ができない。砥石ヘッ ド部分を自由な高さに動かし、押付けるワーク側でそ 開発目標をバリ取り工程の重作業軽減・グラインダ の微細な動作が可能なものを考える。 作業の能率向上・安全作業の推進とし、数値目標とし このような発想から、グラインダマシン『スーパー ては、グラインダ作業者の移動量半減、手作業による ゴリ NSV 100』 (写真 1)を独自で開発した。研削箇所 ワークの角度・位置替え頻度半減と敢えてザックリと の高さに合わせて砥石を上下させて位置を決め、作業 した目標にした。 姿勢が一番良い場所で作業することができる。ワーク 従来、完全ではないがグラインダ作業上問題がない は前後左右にスライドする作業台の治具受部に治具を レベルの安定で、凹部のある作業台の上にワークを置 載せた上に載せる。この治具受部は手で軽く回転でき き、作業者がグラインダを持って自分が作業しやすい る上に、軽い力で首振り状に動く。不規則なバリ形状 位置に移動し、その作業面毎にワークの位置・角度を によりワークと砥石の間隔を微妙に広くしたり狭くし 手もしくはホイストで変えながら行っていた。 たりしたい場合があるので、ワークを受けている作業 ワークの重量は自動造形品で 10 ∼ 100 kg で、40 ∼ 台(ワーキングテーブル)内部に微細な動作ができる 60 kg 前後の単重が最も多い。 機構を持たせた。これにより当初の目標をかなえた機 反転や位置替えをするには中途半端な重量で重作 器が完成した。 業となり作業者にとっては精神的にも、体力的にも大 3.開発の成果 きな負担となっていた。また、安全面でもワークの落 下などのひやり、はっと報告があり問題視していた。 従来の手持ちグラインダーでの作業を大幅に削減 バリ取り工程の大半がこの反転・位置替え作業であ できワークによっては、手持ちグラインダーの使用を り、正味グラインダ作業時間はその 1/3 ∼ 1/4 程度で しなくてよいものもでてきた。また、作業者の重作業 あった。 を大幅に軽減させることにより処理量を大幅に上げ ることができるとともに、安全性の向上がおおいに図 られた。 4.特記事項 使用にあたっては、より効果を引き出す上で、ワー クにしっくり合った吊り具や、ワークの取り付け治具 は大変重要であり、また、この機器は実用新案を出願 手続き中である。 (文責:齊藤全弘) 株式会社藤田製作所 写真1 グラインダマシン『スーパーゴリ NSV100』 18 〒 793 - 0046 愛媛県西条市港 1 - 2 TEL. 0897 - 56 - 5373 FAX. 0897 - 56 - 9240 http://www.fujitam.co.jp/ わ が 社 の 素 形 材 技 術 最 前 線