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品目分類:果樹,技術分類:栽培技術 レインガンを活用した
品目分類:果樹,技術分類:栽培技術 レインガンを活用した効率的な降灰除去の技術 情報分類 普及情報 〔要約〕降灰地域の施設栽培では,日照確保のため灰を流す必要があるが,レインガンを活 用すると,散水時間や燃料費が著しく削減でき作業は安全で効率的である。 果樹部栽培研究室 普及対象地域等 鹿児島市,垂水市施設果樹栽培農家 連絡先 0994-32-0179 普及見込面積等 85ha 〔背景・ねらい〕 被覆施設での降灰除去は,動力噴霧器による散水で洗い流しを実施する場合が主流であるが, 施設の天井を歩き被覆資材の灰を洗い流すには,著しい時間と労力が必要である。 レインガンを用いて,被覆資材を広範囲に,かつ労力をかけずに灰を除去する方法を確立す る。 〔成果の内容・特徴〕 1 4 連 棟 ( 480㎡ ) の 施 設 で , 天 井 の 灰 の 除 去 に , 従 来 の 施 設 天 井 を 歩 き 動 力 噴 霧 器 を 使 用 し た 手 散 水 と 比 較 し , レ イ ン ガ ン 散 水 で は 5.6倍 の 散 水 量 が 必 要 で あ る が , 燃 料 使 用 量 は 20 %,散水時間は14%と著しく削減され,天井を歩く必要もない(図1,図2,図3,図4, 表1)。 2 連棟施設で,レインガンからの散水距離が離れた場合,散水量が少ないと灰除去効果が低 くなる。同一照度を得るためには,複数回の散水を繰り返すことが必要であり量も増加する (図5,表1)。 〔成果の活用面・留意点〕 1 4 連 棟 ( 間 口 6 m , 奥 行 き 20m , 480㎡ ) の ハ ウ ス で , E W 社 製 レ イ ン ガ ン ( 口 径 12mm; 61,425円)を両サイドに2台設置し,K社製高圧エンジンポンプ(SSE-500V 50A;157,500円) を用い,溜め池から導水ホース一式(78,750円)で送水して検討 2 種類(口径)やポンプの吐出圧により散水幅が異なるため,設置するほ場条件によりレイ ンガンの本数も異なる。 3 レインガン使用に当たっては,水源,水圧の確保が必要条件となる。水確保や使用水量削 減を目的に,施設からの雨水や散水した水の回収,灰沈殿等ができる「ため池」等の設置が 有効である。 屋 外 と の照 度 比 (% ) 〔具体的なデータ〕 図1 慣行の手散水 図2 レインガンを使っての散水 図3 図4 雨水,散水回収パイプ 60 50 40 30 20 10 0 ため池と送水ポンプ 3m 5m 8m 0 1000 2000 水量(リットル) 3000 図5 レインガンからの距離,散水量と照度(除去効果) (施設は間口6m×20m×4連棟,軒高2.0m,棟高3.8m,レインガンの高さは3.3m) 表1 照度を同一とした場合の散水量等(10アールに換算) 区 散水量(リットル) 燃料(ミリリットル) 散水時間 レインガン 6,250 300 12分 6秒 手 1,111 1,444 85分11秒 散 布 注)1.降灰量は74g/ ㎡の条 件で実施 2.照度は, 手散水時 と同等を( 施設外と比較し約50%透過率(二重被覆))を目安とした。 〔その他〕 研究課題名:活動火山周辺地域防災営農対策事業 降灰被害の防止・軽減に関する試験研究 予 算 区 分:県単(活動火山周辺地域防災営農対策事業) 研 究 期 間:平成24年度(平成22年∼24年度) 発表論文等:平成24年度 農業開発総合センター果樹部試験成績書