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世界のストレージ関連市場を調査
>> HOME 富士経済 GROUP 第10091号 PRESS RELEASE 株式会社 富士キメラ総研 2010年9月29日 〒103-0001 東京都中央区日本橋小伝馬町 2-5 F・Kビル TEL.03-3664-5839 FAX.03-3661-1414 URL:http://www.group.fuji-keizai.co.jp/ URL:http://www.fcr.co.jp/ 広報部 03-3664-5697 世界のストレージ関連市場を調査 2015年の市場予測 エンタープライズ向けストレージデバイス NANDフラッシュメモリ SSD(Solid State Drive) 763 エクサバイト(09年比1,658.7%) 76 エクサバイト(09年比1,266.7%) 1兆2,281億円(09年比 581.8%) マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 田中 一志 03-3664-5839)は、クラウドコンピューティングへの期待・関心が高まり、今後のPC端末などの変化が注 目されるストレージ関連の市場を調査した。その結果を報告書「2010 ストレージ関連市場総調査」にまとめ た。 この報告書では、クラウドコンピューティング/コンテンツ配信の動向、アプリケーション機器市場、記録/再生 ドライブ・関連デバイス市場、メディア市場、関連部品材料市場の調査に焦点をあて、世界のストレージ関連市場 の現状を把握し、将来を展望した。 <調査結果の概要> 1.ストレージデバイス供給量(容量ベース) 分 野 エンタープライズ(データセンタなど) クライアント(端末)向けHDD クライアント(端末)向けNANDフラッシュメモリ クライアント(端末)向け光ディスクメディア 合 計 (上記は磁気テープ装置を除く市場) 2009年 46 EB 140 EB 6 EB 87 EB 279 EB 2015年予測 763 EB 817 EB 74 EB 122 EB 1,776 EB 伸長率 1,658.7% 583.6% 1,233.3% 140.2% 636.6% ※ EB(エクサバイト)は10の18乗バイト ※ P(ペタ) :10の15乗、T(テラ) :10の12乗、G(ギガ) :10の9乗 今回の調査で対象としたHDD、NANDフラッシュメモリ、光ディスクメディアを合計した2009年の世界 におけるストレージデバイス供給容量は前年比10.7%増の279エクサバイト(EB)となった。 全体的に増加したものの、光ディスクメディアのブランクディスクだけはマイナスとなった。CD−R、CD− RW、 DVD−RAM、 DVD−R、 DVD−RWなどのブランク光ディスクは生産数量ベースでも減少している。 民生分野でのHDD普及拡大による光ディスクへのアーカイブ保存用途が減少している点と光ディスクにおける CD、DVD系ブランクディスクからBDへの需要シフトが主な要因となっている。一方、大きく拡大した分野は エンタープライズ向けHDDとクライアント向けNANDフラッシュメモリであった。 PC、デジタル家電、モバイル機器などのクライアント側から、データセンタ、企業内ITシステムのサーバ、 ディスクアレイ装置などのエンタープライズストレージにデータを保存するウエイトが高まってきている。 エンタ ープライズ側へのストレージ供給比率(容量ベース)は2010年の18.5%から2015年には43.0%に上 昇する見通しである。クライアント分野ではHDDが増加しており、2015年には供給容量が817 EBに達 する見込みである。PC向けでは内蔵容量の拡大傾向は以前と比べやや緩やかになるものの、コンテンツサービス 拡大やDVC、DSCの普及、ブログやSNSへの動画像投稿拡大に伴うユーザーオリジナルコンテンツの増加に より、個人が取り扱うデジタル情報量は増加の一途を辿っており、個人で所有するPCなどのストレージ容量が不 足しているため、増設用として外付けHDDの需要が拡大している。 デジタルコンテンツ配信やクラウドコンピューティングサービス、 その他ポータルサイト系サービスの拡大によ >> HOME ってサーバ/ストレージシステムなどのエンタープライズストレージへの情報集約が進んでおり、2009年の総 容量(ドライブ出荷ベース)を46 EBと試算した。今後も各種サービスの充実が進められ、エンタープライズ ストレージ容量増加の勢いはますます強まっていくと予測され、2015年には2009年比約17倍の763 EBに達すると予測される。 ● エンタープライズストレージ拡大の背景 デジタルコンテンツの拡大や、クラウドコンピューティング(SaaS、PaaS など)の普及によって、各種デジタ ルファイルやデータはサーバやデータセンタに集約、 管理されるケースが増加している。 iTunes Store や App Store、 YouTube などのコンテンツはサービス事業者が保有するサーバ/データセンタに保存される。また、企業内のIT システムにおいても、ITハードウエアに対する投資節減を主な目的として、クライアントPCに分散したストレ ージからシステム側のストレージに集約する動きが活発化している。 エンタープライズストレージはデータ保存の目的や使用頻度によって複層化され保存されている。従来は Tier 1から Tier3までの概念でデータストレージが行われてきた。Tier2、Tier3に保存した大量のデータからアク セス頻度が高いデータを Tier1の高速回転HDDにキャッシュすることで、システム全体にわたって高速化を図 る考え方である。動画共有サービスやSNS、クラウドコンピューティングの普及拡大で、近年は更に高速システ ムのニーズが高まっており、ランダムアクセススピードやIOPS(Input Output Per Second)能力がHDDよ りも優れるSSDを Tier0として活用する事で高速システムを実現させる動きが強まってきている。 2.ドライブ市場 ドライブ市場合計 HDD市場 SSD市場 2009年 7兆9,991億円 3兆 805億円 2,111億円 2015年予測 8兆4,306億円 4兆1,949億円 1兆2,281億円 伸長率 105.4% 136.2% 581.8% 調査対象ドライブ13品目の合計市場は、2008年が9兆364億円であったのに対し、2009年は、20 08年末からの景気後退の影響を受け、前年比11.5%減の7兆9,991億円と大きく縮小した。2010年は 回復基調にあり、前年比2.9%増の8兆2,335億円と見込まれる。 PC用光ディスクドライブでは、CD系とDVD系との価格差がなくなったことでCD系は消滅の道を辿り、一 定の需要を残すDVD−ROM以外は記録型DVDに集約しつつ、一部でBD化していくとみられる。 AV用光ディスクドライブでは、CDプレイヤー、DVDプレイヤーの市場縮小が続いている。BD需要は、現 在は日本及び米国市場を中心に拡大しているが、 今後は欧州と中国を中心とするアジア地域でもDVDプレイヤー からの需要シフトを見込め、BD製品は数量ベースでは長期的に成長すると推測される。ただし、金額ベースでは 海外メーカーの参入による低価格製品の投入により、 価格競争が激化し2012年からはマイナスに転じるとみら れる。 SSDは、数量ベースではネットブックPC向け、金額ベースではエンタープライズ向けが市場を牽引し、20 09年の市場は前年の1.9倍と大きく成長した。 HDDはこれまで、大容量のストレージとして順調に成長してきたが、2009年はPC市場の成長の鈍化のた めほぼ横ばいとなった。2010年は、デスクトップPC、ノートPC、エンタープライズを含むPC向け市場は、 HDD市場全体の57.2%を占めると見込まれる。外付けHDDや、リムーバブルメディアとしての需要が増加 しており(エンタープライズ向けの外付け装置であるディスクアレイ向けは含まない) 、HDD市場全体に占める 比率は、2007年の6.3%から2009年には10.2%と上昇し、2015年には14.2%に達すると予測 される。 3.NANDフラッシュメモリ市場(エンタープライズ向けを含む) 2009年 6 EB 2015年 76 EB(伸長率1,266.7%) SSDとスマートフォンが牽引し市場全体では高成長を続けると予測される。SSDは iPad などのタブレット PC向けで市場が拡大すると予測され、タブレットPCの成長次第で更に需要が拡大する可能性がある。SSD市 場は、2008年にネットブックPC向けで低容量製品の販売が拡大したが、その後ネットブックPC製品は大容 量による差別化競争が始まり、HDD搭載型が増加した。タブレットPCはハード面での差別化ではなく各種「ア 本件に関するお問合せ:広報部 (Tel.03-3664-5697 Fax.03-3664-5842またはmail address:[email protected]) >> HOME プリ」やその配信サービスが差別化ポイントとなっており、端末の大容量化は進みにくいと考えられ、SSDの採 用が続くと予測される。スマートフォンも大容量化競争にはならない可能性が高いが、台数面で世界的に普及拡大 しエンベデッドNAND需要を牽引すると予測される。 企業用ノートPC・デスクトップPC向けはNANDチップの低価格が進む2018年以降に本格的に市場が拡 大すると予測される。SSD価格が128 GBで$40を下回る時点で採用が急速に拡大するとみられる。 iPhone、Android 系スマートフォンの世界的な出荷数量拡大でスマートフォン向けNANDフラッシュメモリの 需要が急速に拡大している。 汎用OSの搭載でユーザーが各種アプリケーションをインストールする事が可能とな るため、今後も「アプリ」増加に伴いNAND容量も増加する見込みである。従来のスタンダード携帯電話でもN ANDブートシステムの採用やワークメモリとしてのNAND活用で徐々にNANDフラッシュメモリの平均搭 載容量は増加しているものの、この分野は将来的にも数GBに留まる可能性が高い。 <調査対象> ドライブ 光ディスク関連(PC) 光ディスク関連(AV) ハードディスクドライブ関連 NANDフラッシュメモリ関連 データテープ関連 メディア 光ディスク関連 ハードディスク関連 NANDフラッシュメモリ関連 データテープ関連 部品材料 光ディスク関連材料 ハードディスク関連 NANDフラッシュメモリ関連 データテープ関連 BDドライブ、記録型DVDドライブ、DVD−ROMドライブ、 Combo ドライブ、CD−ROM/R/RWドライブ BDプレイヤー、BDレコーダー、DVDプレイヤー、DVDレコ ーダー、CDプレイヤー HDD SSD 磁気テープ装置 BD−ROM、BD−R、BD−RE、DVD−Video/DV D−ROM、DVD±R/DVD±RW、DVD−RAM、CD− DA、CD−ROM、CD−R/RW ハードディスクメディア、ハードディスクメディア(アルミディス ク) 、ハードディスクメディア(ガラスディスク) メモリーカード USBメモリ、磁気テープ 光ディスク基板材料、有機色素、光ディスクコーティング材/接着 剤、光ピックアップユニット、半導体レーザ(光ピックアップ用) 、 光ピックアップ用レンズ、光ピックアップ用微小光学部品 ハードディスク基板(サブストレート) 、ハードディスクブランク ス、HDD用磁気ヘッド、サスペンション、ターゲット材 NANDフラッシュメモリ ベースフィルム、磁性材/非磁性材 <調査期間> 2010年6月∼7月 <調査方法> 富士キメラ総研専門調査員による調査対象・関連企業に対してのヒアリング取材及び関連文献、富士キメ ラ総研社内データベースの活用による調査・分析 以上 資料タイトル: 「2010 ストレージ関連市場総調査」 体 裁 :A4判 370頁 価 格 :97,000円(税込み101,850円) 調査・編集 :富士キメラ総研 研究開発本部 第一研究開発部門 TEL:03-3664-5815 FAX:03-3661-5134 発 行 所 :株式会社 富士キメラ総研 〒103-0001 東京都中央区日本橋小伝馬町2−5 F・Kビル TEL03-3664-5839(代) FAX 03-3661-1414 e-mail:[email protected] この情報はホームページでもご覧いただけます。 URL:http://www.group.fuji-keizai.co.jp/ URL:http://www.fcr.co.jp/ 本件に関するお問合せ:広報部 (Tel.03-3664-5697 Fax.03-3664-5842またはmail address:[email protected])