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1 イムノクロマト技術の現状と将来性

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1 イムノクロマト技術の現状と将来性
12月度ナノテクビジネスマッチングフォーラム(NBCI)
クロマトグラフィー法
ナノ粒子を応用した分析方法
イムノクロマト技術の現状と将来性
• 毛細管現象により抗体がメンブレン上
を移動する際、検体中の抗原と色素標
識抗体及び捕捉抗体の3者により、抗原
株式会社ビーエル
開発本部
難波靖治
抗体反応複合体が形成され、その標識
色素を目視で確認する測定方法。
1
イムノクロマトグラフィー法キットの原理
感染症診断法の現状
PCR法
2
検出感度
《現在最高感度》
103∼104 CFU/mL
• 操作が複雑である
• 特別な機器を用する
• 測定に数時間を要する
イムノクロマト法 •
•
•
検出感度《 PCR法の1/10∼1/100 》
105∼107 CFU/mL
操作が簡便
特別な装置が不要(判定は目視)
測定に3~30分と迅速
3
イムノクロマトグラフィーのデバイス模式図
4
一般的なイムノクロマトグラフィーストリップ
各部の役割 (抗原検出系)
上から見た図
サンプル
パッド
ニトロセルロース
メンブレン
サンプルを滴下する場所
抗体の保持および毛細管
現象による検体の移動
サンプル
パッド
ニトロセルロース
メンブレン
余分な検体を吸収する
(必要検体量に関与する)
吸収パッド
コンジュゲート
パッド
吸収パッド
テストライン
断面図
コンジュゲート
パッド
コントロ−ル
ライン
テストライン
金コロイド標識抗体
抗原特異的抗体(1)
コントロ−ル
ライン
固相化抗体
標識抗体特異的抗体
固相化抗体
抗原特異的抗体(2)
ベースカード
5
ミリポア社資料より改変
ミリポア社資料より改変
6
1
判定ライン・コントロ−ルラインの呈色
(抗原検出系)
検体滴下後の試薬の動き (抗原検出系)
サンプルの滴下
コンジュゲーションパッド
検出試薬の溶解、抗体と抗原の結合
コンジュゲーションパッドからの放出
テストライン
コントロ−ルライン
抗原‐標識抗体結合体を捕捉
標識抗体を捕捉
メンブレン
毛細管現象によるサンプル、サンプル
抗体結合物、抗体の移動
金コロイド粒子が集積すると赤く見える
ミリポア社資料より改変
8
7
ミリポア社資料より改変
プロセス(1)
プロセス(2)
• 抗体の調製
サンプルパッド
コンジュゲートパッド
検出試薬
メンブレン
吸収パッド
• ELISAでの確認
• 金コロイドの調製(粒子径 10~100nm)
捕捉試薬
• メンブレンの決定
バッファーの種類
• 処方の決定
テストストリップ
プラスチック容器
• 緩衝液の決定
• 安定性試験
乾燥・包装
• 治験
最終製品
9
• 薬事申請
10
Pt-Auコロイドの調製法
金コロイドの調製法
超純水
(丸底フラスコ)
超純水
(丸底フラスコ)
塩化白金酸水溶液
沸騰
沸騰
塩化金酸水溶液
塩化金酸水溶液
沸騰
沸騰
クエン酸ナトリウム
水溶液
(塩化金酸の還元)
クエン酸ナトリウム
水溶液
(塩化金酸の還元)
クエン酸ナトリウム
水溶液
4時間還流
(塩化白金酸の還元)
放冷・pH調整
金コロイド懸濁液
Pt-Auコロイド
金コロイド溶液
11
推定粒径:60∼100nm
12
2
Pt-Auコロイドの製造システムの
構築・製造技術の確立
イムノクロマト法の特徴
≪問題点≫
問題点≫
• 金コロイドに白金コロイドを被覆させる方法
↓
• 24時間、検査の依頼に対して対応できる。
• 誰でも測定することが出来る。
– 凝集・沈殿物を生じやすい。
– 長期間の保存で不安定化
PtPt-Auコロイド調製法の改良
Auコロイド調製法の改良
• 迅速に結果を出すことが出来る。
(10∼15分)
• 金コロイドの粒径と被覆条件の検討
• イムノクロマト法に適した粒径への最適化
• 大型の機械などが不要である。
Pt-Auコロイド
13
測定方法の種類
•
RPHA (Reverced Passive Hemaglutination)
逆受身赤血球凝集反応
•
RPPA (Reverced Passive Particle Agglutination)
逆受身粒子凝集反応
•
RIA (RadioImmuno Assay)
放射性免疫測定法
•
EIA (Enzyme ImmunoAssay)
酵素免疫測定法
•
FIA (Fluoroscence ImmunoAssay)
蛍光偏光免疫測定法
•
CLIA (ChemiLuminescence ImmunoAssay)
化学発光免疫測定法
•
LIA (Latex Immunoagglutination Assay)
ラテックス免疫比濁法
14
測定物質
• 低分子
ステロイド、ペプチド、芳香族化合物など
• 高分子
① タンパク質
② LPS
③ DNA
④ ウイルス
⑤ 微生物
CRP, ヘモグロビン
微生物の表面(レジオネラ属菌)
PCR後の測定
インフルエンザウイルス
アデノウイルス
O-157
15
抗体測定
16
サンプルの種類
• 血清・血漿
• IgG, IgA, IgM, IgE
• 全血
• 便
• 尿
• その他、体液(咽頭拭い液・鼻汁・唾液など)
• 植物の抽出液
• 食品の抽出液
17
18
3
検査項目
イムノクロマト製品
• 妊娠関連
• 心筋梗塞関連
• 結核菌群同定試薬
→ MPB64放出タンパク
hCG, LH
Myoglobin, CK-MB
Troponin I, T
U-ALB, CRP
コカイン, マリファナ
モルヒネ
Strep. A, Rotavirus, Hbs
HIV抗体, TP抗体
• 腎機能
• 薬物
• 感染症
• インフルエンザウイルス抗原検出試薬
→ NP(核タンパク質)
• アデノウイルス抗原検出試薬
→ カプシドタンパク
• 大腸菌ベロトキシン検出試薬
→ ベロトキシン
• 大腸菌O157
抗原検出試薬
大腸菌O157抗原検出試薬
→ O157抗原
• レジオネラ属菌検出試薬
→ リポポリサッカライド
19
イムノクロマトリーダー
R
-
T
20
測定原理
X 100 (%)
キャピリアシリーズ完全対応
キャピリア® Flu A, B
キャピリア® アデノ
キャピリア® TB
キャピリア® VT
キャピリア® O-157
株式会社タウンズ
静岡県沼津市小諏訪43番
静岡県沼津市小諏訪43
番3
TEL 055055- 925
925-6200
21
22
判定結果
±
−
9
12
0
2
測定値**
3
備考***
X 1600
2
8
14
0
0
14
X 1000
3
5
14
0
0
35
X 400
4
4
14
0
0
69
X 200
5
6
14
0
0
28
X 500
6
Blank
0
0
14
0
Blank
7
3
14
0
0
115
X 100
8
7
14
0
0
20
X 800
9
2
14
0
0
196
X 50
10
1
14
0
0
298
X 20
7
3
3
7
11
*)
目視判定:発色度合の高いものよりナンバーリング
**) 3台の平均値
***)希釈倍率
当日調製品(x1600)
23
ヒト CRP検 量線 0 ∼50ng/mL (Lot040909)
ヒトCRP検量線 (Lot040909)
400.0
400.0
平均値
350.0
350.0
イムノクロマトリーダー 測定値
+
1
イムノクロマトリーダー測定値
検体No. 目視判定*
検量線
300.0
250.0
200.0
150.0
100.0
50.0
0.0
300.0
250.0
200.0
平 均値
150.0
100.0
50.0
0.0
0
200
400
CRP抗原濃度 [ng/mL]
600
0
10
20
30
40
50
60
CRP抗 原濃 度 [ng/mL]
24
4
今後の問題・課題
• 開発途上国でも利用できる試薬
↓
但し低価格(1$以下?)
• 個人差の出やすい試薬
↓
但し読み取り装置もある。
• ELISAとほぼ同感度測定できる試薬
ELISAとほぼ同感度測定できる試薬
↓
感染症では103個/ml以下を測定したい。
25
5
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