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経済交流促進のための覚書
福岡県オーストラリア経済交流訪問団 平成２２年６月 福岡県商工部国際経済観光課 今年２月、福岡県は麻生知事をトップに、大学の研究者や企業からなる経済 訪問団をオーストラリアのビクトリア州とニューサウスウェールズ州に派遣し ました。 今回のオーストラリア訪問は、本県がクラスター政策により競争力強化に努 めているバイオテクノロジーとクリーンエネルギー分野において、地方自治体 間のネットワークを築き、資源大国であり、先端産業での競争力を高めつつあ るオーストラリアとの間に強いパートナーシップを構築することを目的として います。 今回の訪問では、２つの大きな行事がありました。ひとつはビクトリア州と の経済交流促進のための覚書（MOU）の締結、もうひとつはメルボルン、シドニ ー両都市で開催した福岡セミナー「Gateway to Asia - Fukuoka, Japan」です。 ■ ビクトリア州との MOU 締結 福岡県はかつて日本有数の産炭地だったことから、日本で唯一の石炭利用の 基礎研究を専門に行う大学施設や石炭の効率的利用技術（CCT:クリーン コー ル テクノロジー）に関して高い技術を有する企業などがあり、石炭の世界的 産出地であるビクトリア州との交流が活発に行われています。 また、オーストラリアのバイオ医薬分野の強みであり、世界的にも高い技 術力と研究開発能力を有している免疫学研究は、本県が強力に支援している 「がんペプチドワクチン」の研究分野と共通性が高く、ビクトリア州にはこの 分野の世界的研究施設やクラスターが存 在しています。 このことから、今回の知事訪問の機会 に行政間の連携を図り、上記２分野を中 心とした経済交流を促進、支援するため に MOU を締結することとなりました。 MOU は２月９日、ビクトリア州首相オ フィスにて、麻生知事とビクトリア州 MOU にサインをする麻生知事と ブランビー首相との間で取り交わされま ブランビー首相 した。 ■ 福岡セミナー「Gateway to Asia - Fukuoka, Japan」 メルボルン、シドニーの２都市において、在メルボルン、在シドニー日本総 領事館をはじめ、オーストラリア貿易促進庁、ジェトロシドニー、在福岡オー ストラリア総領事館（総領事が福岡から同行）など、諸機関のご協力により、 メルボルン会場では１１０名、シドニー会場では１３０名の参加者を得て盛大 に開催されました。 福岡セミナー （シドニー） バイオテクノロジー分科会（メルボルン） 先ず、麻生知事が、水素エネルギーや自動車、バイオなど、本県が世界に誇 る先端技術・産業の集積をアピールし、今後のオーストラリアとの連携の可能 性を強調しました。 続いて、ホルデンソン在福岡オーストラリア総領事が、福岡県や九州の投資 環境を紹介。その後、バイオ分野、クリーンエネルギー分野に分かれて分科会 が行われ、それぞれのクラスターをリードする大学教授や企業によるプレゼン テーションが行われました。 今回特筆すべきは、知事の講演をはじめ、企業のプレゼンなど、全てを英語 で行ったことです。 英語でのプレゼンは初めてだという企業もありましたが、ホルデンソン総領 事に原稿やプレゼン資料を全て事前にチェックいただき、さらにプレゼンの事 前演習も行うなど万全の準備を整えて本番に臨みました。 その甲斐があり、参加者からは「福 岡県の熱意、企業の熱意が伝わってき た」「日本事務所をどこに置くか迷っ ていたが、今日のセミナーを見て福岡 を第一候補に考えることにした」など のコメントをいただくことができまし た。 セミナー後にはお茶を飲みながらの ネットワーキングが行われ、会場各所 で交流、意見交換する姿が見られまし セミナー後の意見交換 た。 ■ 海外との経済交流強化を目指して 福岡県は古くからアジアとの交流の窓口として栄え、中国、韓国を中心とし たアジアの発展とともに成長してきました。 近年は、さらにインド・デリー州、タイ・バンコク都、ベトナム・ハノイ市 と友好提携を結ぶなど、成長著しいアジア諸地域と多様な交流に取り組んでい ます。 本県は現在、上海、香港、サンフランシスコ、フランクフルトに海外事務所 及びソウルに交流プロモーターを設置し、県内企業の海外ビジネス支援、海外 企業誘致、観光客誘致などを中心に活動しています。今年度中には新たにバン コク事務所を設置する予定です。 世界各地において、地域間の競争が激化する今日、福岡県の産業が今後も競 争力を維持して発展していくためには、大きな経済成長が期待される各諸国・ 地域と、お互いの強みを活かした協力関係を築くことが重要であると考えてい ます。 本県では、今後とも日本外務省や県内外国公館のご支援のもと、自治体間の ネットワークを充実させることにより、経済、文化、人材など幅広い分野の交 流を進め、より戦略的なパートナーシップの形成を図ってまいります。