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︸ 一 4li 1i 一 一 一一一 λb一 一 E一 宮崎医科大学研究支援システム LAN (PALM)の運用状況 後藤正三,吉原博幸*,田下 i 関,高崎浩一一期 宮崎医科大学医学情報室 y第二外科 l :はじめに 宮崎医科大学では、 198ヲ年7月より総合医療情報システム( PHOENIX)のもとにオーダリングを し医療の電算化に取り組んでいるが、研究支援という面では、検査データの参照程度で、十分 なサーピスを行っているとは言い難い現状である。オーダリングシステムが、患者をキーとし システムであるとすれば、研究支援は様々な検察項目をキーとした横方向の検索システムで あるといえる。さらに、前者は迅速性を要求され、合計データも絡む定型業務的な性格を有するの して、後者は多様な検索に耐え、検索年代も出来る限り幅広くとる必要がある。このように、 を伺ーのシステムに同居させるのにはどうしても無理が生じ、双方のパフォーマンスを低下さ せる危険がある。そこでわれわれは、研究支援を呂的としたパソコンネットワーク ( A p p l eM a c i r ト t o s h ,AppleSh紅 e ,TOPS,EtherNet 使用)を構築し(図 1 )、良好な結果を得つつあるので報告する。 研究・教事5・護審務管理 2 . ソフトウェア/ハードウェア F 甘燦病院 、 あ を呂的とした LANで るので、そ 1 )多彩な検索要求に迅速に応じられること 2)ノてソコン i J {スタンドア口一ン で 3)システム構築に要する費用が安いこと 4)システム管理が答易なことなどの条件を たすことが必要である。以上の条件を考 して、我々 のソフト/ハードの組 み合わせを選んだ。 図 l システムの概要 2 . 1 ソフトウェア 2 . 1 . 1 ネットワーククライアント用ソフトウェア: AppleShare 及 びTOPSの併用。 AppleShareで 末から見えるのはサーバーのみなので(垂藍連係)、それを補う形でTOPSを併用する。 TOPSはサ ーバーレスの LANとも言えるもので、お互いがサーバーになることが出来る(図 2、水平連係)。 のパソコンから研究棟に置いてある自分のパソコンのファイルを操作したりすること 0 、日本語版が 1992年春にリリース予定)では、各 である。ただし、次世代の MacintoshOS(System7. h a r i n g 機能)、水平方向の連係が ワークステーションがサーバーとしての機能を持つようになり( s OSレベルでサポートされる予定である。 2 . 1 . 2 ネットワークプロトコール: 幹線部分に E t h e r l ' 知( E t h e r T a l k )、支線部分には LocalTalkを選ん Netとしたいところであったが、 M a c i n t o s hOSがネットワーク だ。予算的に余裕があれば全てを Ether 対応ソフト(LocalTalk)を内蔵しており、支線部分でLocalTalkを活用すれば余分な投資が不要となる ためこの組み合わせを選んだ。 1991年 9月現在、設置されたノード数が約 60で、接続済みのパソコ ン( AppleMacintosh)は 50を越えている。 -143- E t h e r N e tbackbone ~ 2 A p p l e S h a r eとTOPS 2 . 2ハードウェア 2 . 2 . 1 ネットワーク機材 図 3 PALMのz o n e 構成と s e r v e r 配置図 2 . 2 . 1 . 1 ファイルサーノてー クライアント側から単純なファイルサーバーとして利用するほか、岱ROMファイルサーバーとし ての役割もあり、比較的高速性が要求されるのでM a c i n t o s h -I Iを2台使用することにした。図 3に示す ように、通信の混雑を避けるため、同一のゾーンに 2台置くことを避け、 A n e s t hz o n eとR e s e a r c hl 3 F n e s t hz o n eに設置したM a c i n t o s hEは、内蔵の40MBハードディスクと、外 z o n eに分散して配置した。 A 部接続の 600MBハードディスク(300MBずつにパーティションをかけてある)を管理し、 PHOENIXから抽出したデータを公開するために使用している。 2 . 2 . 1 . 2 l レーター プロトコールの異なる E出e r T a l kケーブルと L o c a l T a l kケープルとの接続に使用した。図 3に示すように、 Hospl-2FとHosp3Fの2つのL o c a l T a l kz o n eとE t h e r T a l kzoneσfiz o n e )の接続には専用のハードウェアル ーター ( E t h e r R o u t eTCP )を用いた。 当初、第二外科のM a c i n t o s hEをルーターとして併用する予定でいたが、不特定多数のユーザーが o c a l 端末としても使用するので事故のおこる可能性が高く、そのたびに Hospl-2FとHosp-3Fの2つのL T a l kz o n eがサーバーと遮断されるのは問題が多いと判断したからである。他の 3台はソフトウェアル p p l e 社製)を用いた o A n e s t hz o n eとまe s e a r c h1 ・3 FのM a c i n t o s hEでは、ソフトウェアルーター ーター(A p p l e S h a r eF i l e S e r v e rプログラムが同時に走り、ファイルサーバーと jレーターの役目を果たしてい とA M a c i n t o s hSE)は、 f o r e g r o u n dで検索用アプリケーションが走 る。図書館の肘1EDL 酎断食索専用マシン ( a c k g r o u n dでソフトウェアルーターが走っている。 り 、 b 2 . 2 . 1 . 3 ブリッジ L o c a l T a l kで管理できる最大ノード数は 32なので、これを越えるユーザーを扱うためにはブリッジ で z o n eを分けてやる必要がある。研究棟でルーターとして使っている M a c i n t o s hI Iはシリアルボー o c a l T a l kz o n eを2つまで設定できるが、ユーザー数が将来的に 64を越えそ トを 2つ持っているので、 L e t B r i d g e( S h i v a 社 , USA)を使って z o n eを分割し、研究棟では計3 偲の z o n eを設定 うであったので、 N した。 2 . 2 . 1 . 4 リピーター o c a l T a l kぐ Tu ぬかN e t / P h o n e N e t )の信号を増幌/整形する装置 ネットワーク配線の途中に設量し、 L である。昨年の予備実験での経験から、規格通り(4500フィート)の設置関障ではノイズの影響を 受けることがわかっていたので、研究棟では各階に、距離のあるところでは向一階でも複数個設寵 偲となった。 した。その結果総設置数は 8 2 . 2 . 2 端末用コンピュータ A p p l eM a c i n t o s hs e r i e sの他、 IBM 及びその互換機、 PC98シリーズなどが接続可能であるが、実際 相 -144- の操作環境を考えると AppleMacintoshが現在のと ころ最も優れていると考えられる。また、公開 M . a c i n t o s h 用のアプリ されているデータベースがf ケーション σileMakerI I )で作製されていることも あり、実際PALMに接続されているのは全て M a c i n t o s hである。 3 . 運用目的と運用状況 3 . 1 情報流通(電子メー jレ、電子回覧、 0 ファイ l レ転送、ファイ jレの共有) vべ.DC\IOOXコ σ官官'">'¢ 1.0<Dわ叫:o~可的 f'-0)(コ F r<')l !XOt < O0.-N 寸ぜ3 ..-QC¥J...-0.-0--.『 − .-..-.-.-- N :¥K¥IN <'官、JC') (")===~~ 一 一 一 一 一 一 一 \ ー \ 一一一一一一一一− ぬ二二=沿沿in~ 迂去交お出話!> in お五!> i:O 芯!; <00; 滋!; {005(0ゐco ..-oooooc 記 ぽ コ 。ooooc コ000::コ 000:: コO<コe x : コ0 0 0 0 0 d沼 )lj)( ]沼田沼田幻幻)(]沼沼田)(]ロ)lj)( ] )σ 沼 田 川 市 町 O沼) C/X))(])(])(]沼田〉 LAN導入の一般的メリットの項で述べた様に、 函 4 電子メイル利用状況 グループでのデータ管理が容易になる。ここで言うグル ープとは、ネットワーク全体として捕えることもできる が、さらにサブグループ化することも可能なので、たと えば特定の科に使用を限定した共通ファイルを運用する ことも可能である。例えば医療清報システム開発グルー プでは、病名マスターなど各経マスターの作成の際これ らをサーバー上に置いて、作業効率を高めることが出来 た。各科で現在最も多用されているのは文書ファイル転 送の機能である。同一の科で複数の端末とプリンターを 病院と研究棟に離れて設置している場合など、非常に使 である。 1990年より電子メール(Quick-Mail、英語版) を使っている。徐々にではあるが、利用が増加してきて 図5 共同利用 volume 和1DB-l)をマウントした画面。 各研究室から毘療データベースが参照できる。 いる(図的。システム管理者からのお知らせ類はすべて電子メールで行っている。利用が本格化 するのは、少なくとも学内全ての部署に端末が設置されてからであろう。 3 . 2 医学研究支援用データベースの構築と運用 PHOENIXからのデータ提供: 初めに述べたように、会計絡みの PHOENIXシステム上で研究のためのデータを提供するのは、 さまざまな意味で無理がある。したがって PHOENIX上で発生したデータを、検索に適した形式に 変更して PALM 上で供覧している D 検査歴データベース、手術歴データベース、病歴データベース などのデータベースを PALMのサーバー上に移している(図 5 。 ) i l e M a k e r I Iを使用している。このソフトはとても扱いやすく出来 データベースソフトとしては、 F ており、ホストからテキスト形式で抽出したデータを簡単に取り込むことが出来る。セキュリティ ーに関してもユーザー毎にパスワード登録が出来、ネットワークへのログイン時、フォルダーオー i l e Mak 紅白I Iのファイルオープン時と 3段階のチェックが可能であり、運用上十分な プン時、そして F セキュリティーと言える。なお、現在研究支援ネットワークの運用規定を作り、セキュリティーに 関しては配慮を加えているが、昨年度まで行っていたような、科毎のフォルダによる参照制限は廃 止した。その理由は、特に患者単位での情報検索を行う際、科を越えた検索が出来なければ、デー タとしての意味がほとんど無くなってしまうことや、データの重複によるメモリー効率の低下を避 けるためである。 3 . 3 商業データベースの共有(CD-ROML伍 DUNE 等 ) 研究支援ネットワークに参加する研究室が増加の一途を辿り、その運営が成功しつつあるのは、 この学術靖報検案によるところが大きい。別論文(!)で述べているので詳しくはそちらを参照願い -145- たいが、 1 9 9 1年4月から、それまでのオフライン検索から、ネットワーク上のオンライン検索に切 り替えた口筆者も頻繁に利用するが、 24時間いつでも文献データベースを参照できるのは非常に有 り難い。 3 . 4 リモートコンピューテイング(外部との通信) 現在検討の段階であるが、宮崎県の地域医療情報とも絡んで、外部との電子メール、画像通信な どに関して基礎的な実験を繰り返している。 4 . 問題点、と評価 4 . 1 メンテナンス ネットワーク中の端末が増えるにつれてシステム管理者に対する負担が大轄に増加するのではないかと危慎されたが、 ネットワーク管理に関しては、新規ユーザーの登録とアクセス権設定、定期的なホストデータのダウンロード、月一回 のCD-ROMの掛け換えなどが主な業務であり、そう負担にはなっていない。情報処理係で十分対応可能である。 4 . 2 トラブル対応 ホスト集中型のLANとは異なり、パソコン LANでは様々な仕操の端末が開居することになり、予想、を越えた問題が発生 する可能性がある。現在のところ M a c i n t o s hのみの構成であるので、おおかたの問題には対処できるが、将来異機種 混在の状態になったときが問題である。情報技術要員の少ない大学では対応が難しいだろう。現在起こっているトラブ ルは、新規にパソコンを接続したときに、ネットワーク端のターミネーションを怠った時起こるレスポンスの低下が主 なもので、そのほかは、ほとんどがパソコンのソフトウェア設定ミスによるものである。 4 . 3 データベース すでに述べたように、 PALMのデータベースはすべてF i l e M a k e rI Iのファイルとして公開している。 F i l e M a k e rI Iは、一応マルチユーザ一対応の仕様となっているが、実用上シングルユーザーと考えたほうがよい。ただし、 シシグルユーザーの場合のパフォーマンスは非常に良く、管u えば60万件を収銭した病名データベースから数千件の該当 0 秒程度しかかからない(ネットワーク上でのアクセス)。当初、アクセスが集中した場合の レコードを検索するのに 1 パフォーマンスの著しい低下を懸念していたが、現在のところそういったクレームはでていない。日常業務と違って、 明究支援のデータベースに対するアクセスがそれほど頻繁ではないからであろう。 今後、 PALMでは患者データは全てアクティプな状態で公開したいと考えているが、そうなると全てのデータをハー ドディスク上に常駐させる必要が出てくる。パソコン程度の能力.で巨大なデータベースを管理するには自ら眼界がある。 従って、高性能のミニコンあるいはメインフレームをネットワークサーバーとして設建する必要が出てくるだろう。将 来、データベースのサイズはどんどん膨らむ一方であろうから、データベースの CDROM 化や、光磁気ディスクによる 冊 ライブラリー化なども考慮する必要が出てこよう。 5 . おわりに 研究支援をネットワークの本格的な運用に突入して 6ヶ月が過ぎたが、研究支援という目的から 考えると、このようなパソコン LANでも十分機能するのではないかというのが現時点での感想であ る。今後運用経験を重ねた後、再度報告する所存である。 6 .参考文献 !)CDぷ O M版 MEDLI1' 砲の共同利用と運用状況,長友 良維,荒木賢二,吉原博幸,古賀保範,東秀史,長田直人,杜若陽 祐:第凶器医療情報学連合大会論文集, 8 3 7”8 4 0 ,1 9 9 0 2 )CD-ROMd a t a b a s e小径DL 別 E)の共同利用経験と問 題点,吉原博幸,荒木賢二,古賀保範,長田直人:平成2 年震国立大 4 ,1 9 9 1 学附属病院援療靖報処理部門連絡会 議註療情報システムシンポジウムプロシーディン グ(札幌), 8ト8 -146-