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1章 一般共通事項

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1章 一般共通事項
1章
1章
一 般共 通 事項
一般共通事項
1節 一 般 事 項
1. 1. 1
適 用 範
囲
(a) 本標準仕様書(以下,
「標準仕様書」という。
)は,土木工事に適用する。
(b) 標準仕様書に規定する事項は,別の定めがある場合を除き,請負者の責任において
履行するものとする。
(c) 標準仕様書の2章以降の各章は,1章と併せて適用する。
(d) 標準仕様書の2章以降の各章において,一般事項が1節に規定されている場合は,
2節以降の規定と併せて適用する。
(e) すべての設計図書は,相互に補完するものとする。ただし,設計図書間に相違があ
る場合の優先順位は,次の(1)から(5)の順番のとおりとし,これにより難い場合は,
1.1.8 による。
(1) 質問回答書((2)から(5)に対するもの)
(2) 現場説明書
(3) 特記仕様書
(4) 図面
(5) 標準仕様書
1. 1. 2
用 語 の 定 義
標準仕様書において用いる用語の意義は,次のとおりとする。
(1) 「監督職員」とは,契約書に規定する監督職員,監督員又は監督官をいう。
(2) 「請負者等」とは,当該工事請負契約の請負者又は契約書の規定により定められ
た現場代理人をいう。
(3) 「監督職員の承諾」とは,請負者等が監督職員に対し書面で申し出た事項につい
て監督職員が書面をもって了解することをいう。
(4) 「監督職員の指示」とは,監督職員が請負者等に対し工事の施工上必要な事項を
書面によって示すことをいう。
(5) 「監督職員と協議」とは,協議事項について,監督職員と請負者等とが結論を得
るために合議し,その結果を書面に残すことをいう。
(6) 「監督職員の検査」とは,施工の各段階で請負者等が確認した施工状況や材料の
試験結果等について,請負者等より提出された資料に基づき,監督職員が設計図書
との適否を確認することをいう。
(7) 「監督職員の立会い」とは,工事の施工上必要な指示,承諾,協議,検査及び調
整を行うため,監督職員がその場に臨むことをいう。
(8) 「基本要求品質」とは,工事目的物の引渡しに際し,施工の各段階における完成
状態が有している品質をいう。
(9) 「品質計画」とは,設計図書で要求された品質を満たすために,請負者等が,工
- 1 -
1章
一 般共 通 事項
事において使用予定の材料,仕上げの程度,性能,精度等の目標,品質管理及び体
制について具体化することをいう。
(10) 「品質管理」とは,品質計画における目標を施工段階で実現するために行う管理
の項目,方法等をいう。
(11) 「特記」とは,1.1.1(e)の(1)から(4)に指定された事項をいう。
(12) 「書面」とは,発行年月日が記載され,署名又は捺印された文書をいう。
(13) 「工事関係図書」とは,実施工程表,施工計画書,施工図等,工事写真並びにそ
の他これらに類する施工,試験等の報告及び記録に関する図書をいう。
(14)「施工図等」とは,施工図,現寸図,工作図,製作図及びその他これらに類する
もので,契約書に規定する工事の施工のための詳細図等をいう。
(15) 「JIS」とは,工業標準化法(昭和24年法律第185号)に基づく日本工業規格
をいう。
(16) 「JAS」とは,農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(昭和25
年法律第175号)に基づく日本農林規格をいう。
(17) 「規格証明書」とは,設計図書に定められた規格,基準等に適合することの証明
となるもので,当該規格,基準等の制度によって定められた者が発行した資料をい
う。
(18) 「一工程の施工」とは,施工の工程において,同一の材料を用い,同一の施工方
法により作業が行われる場合で,監督職員の承諾を受けたものをいう。
(19) 「工事検査」とは,契約書に規定する工事の完成の確認,部分払の請求に係る出
来形部分等の確認及び部分引渡しの指定部分に係る工事の完成の確認をするために
発注者又は検査職員が行う検査をいう。
(20) 「技術検査」とは,工事の施工体制,施工状況,出来形,品質及び出来ばえにつ
いて,発注者が定めた者が行う技術的な検査をいう。
(21) 「概成工期」とは,建築物等の使用を想定して総合試運転調整を行う上で,関連
工事を含めた各工事が支障のない状態にまで完了しているべき期限をいう。
1. 1. 3
官公署その他
への届出手続等
(a) 工事の着手,施工,完成に当たり,関係官公署その他の関係機関への必要な届出手
続等を遅滞なく行う。
(b) (a) に規定する届出手続等を行うに当たっては,届出内容について,あらかじめ監
督職員に報告する。
(c) 関係法令等に基づく官公署その他関係機関の検査においては,その検査に必要な資
機材及び労務等を提供する。
1. 1. 4
工事実績情報
の
登
録
工事実績情報を登録することが特記された場合は,登録内容について,あらかじめ監
督職員の確認を受けたのちに,次に示す期間内に登録の手続きを行うとともに,登録さ
れることを証明する資料を,監督職員に提出する。ただし,期間には,土曜日,日曜日,
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1章
一 般共 通 事項
国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)に規定する国民の祝(以下「祝日」
という。」等は含まない。
(1) 工事受注時
契約締結後10日以内
(2) 登録内容の変更時
変更契約締結後10日以内
(3) 工事完了時
工事完成後10日以内
なお,変更時と完成時の間が10日に満たない場合は,変更時の提出を省略できるもの
とする。
1. 1. 5
書面の書式等
(a) 書面を提出する場合の書式(提出部数を含む。
)は,別に定めがある場合を除き,
監督職員の指示による。
(b) 建設業法(昭和24年法律第100号)に基づく施工体制台帳を作成した場合は,施工
管理体制に関する事項について,監督職員に提出する。
1. 1. 6
設 計 図 書 等
の 取 扱 い
(a) 設計図書及び設計図書において適用される必要な図書を整備する。
(b) 設計図書及び工事関係図書を,工事の施工のために使用する以外の目的で第三者に
使用させてはならない。また,その内容を漏えいしない。ただし,これらの工事関係
図書が市販されている場合又はあらかじめ監督職員の承諾を受けた場合は,この限り
でない。
1. 1. 7
別 契 約
関 連 工
の
事
1. 1. 8
疑義に対する
協
議
等
別契約の施工上密接に関連する工事については,監督職員の調整に協力し,当該工事
関係者とともに,工事全体の円滑な施工に努める。
(a) 設計図書に定められた内容に疑義が生じた場合又は現場の納まり,取合い等の関係
で,設計図書によることが困難若しくは不都合な場合は,監督職員と協議する。
(b) (a) の協議を行った結果,設計図書の訂正又は変更を行う場合の措置は,契約書の
規定による。
(c) (a) の協議を行った結果,設計図書の訂正又は変更に至らない事項は,1.2.4(a)に
よる。
1. 1. 9
工事の一時中止
に 係 る 事 項
次の(1)から(4)のいずれかに該当し,工事の一時中止が必要となった場合は,直ちに
その状況を監督職員に報告する。
(1) 埋蔵文化財調査の遅延又は埋蔵文化財が新たに発見された場合。
(2) 別契約の関連工事の進捗が遅れた場合。
(3) 工事の着手後,周辺環境問題等が発生した場合。
(4) 第三者又は工事関係者の安全を確保する場合。
- 3 -
1章
1. 1.10
工期の変更に
係る資料の提出
一 般共 通 事項
(a) 契約書の規定に基づく工期の短縮を発注者より求められた場合は,協議の対象とな
る事項について,可能な短縮日数の算出根拠,変更工程表その他の協議に必要な資料
を,監督職員に提出する。
(b) 契約書の規定に基づく工期の変更についての協議を発注者と行うに当たっては,協
議の対象となる事項について,必要とする変更日数の算出根拠,変更工程表その他の
協議に必要な資料を,あらかじめ監督職員に提出する。
1. 1.11
特 許 権
等
工事の施工上の必要から材料,施工方法等の考案を行い,これに関する特許権等を出
願しようとする場合は,あらかじめ発注者と協議する。
1. 1.12
文化財その他
の 埋 蔵 物
工事の施工に当たり,文化財その他の埋蔵物を発見した場合は,直ちにその状況を監
督職員に報告する。その後の措置については,監督職員の指示に従う。また,当該埋蔵
物の発見者としての権利は,法律の定めるところにより,発注者が保有する。
1. 1.13
関 係 法 令 等
の
遵
守
工事の施工に当たり,適用を受ける関係法令等を遵守し,工事の円滑な進行を図る。
2節
1. 2. 1
実 施 工 程 表
工事関係図書
(a) 工事の着手に先立ち,実施工程表を作成し,監督職員の承諾を受ける。
(b) 契約書の規定に基づく条件変更等により,実施工程表を変更する必要が生じた場合
は,施工等に支障がないよう実施工程表を遅滞なく変更し,当該部分の施工に先立ち,
監督職員の承諾を受ける。
(c) (b) によるほか,実施工程表の内容を変更する必要が生じた場合は,監督職員に報
告するとともに,施工等に支障がないよう適切な措置を講ずる。
(d) 監督職員の指示を受けた場合は,実施工程表の補足として,週間又は月間工程表,
工種別工程表等を作成し,監督職員に提出する。
(e) 概成工期が特記された場合は,実施工程表にこれを明記する。
1. 2. 2
施 工 計 画 書
(a) 工事の着手に先立ち,工事の総合的な計画をまとめた総合施工計画書を作成し,監
督職員に提出する。
(b) 品質計画,一工程の施工の確認を行う段階及び施工の具体的な計画を定めた工種別
の施工計画書を,当該工事の施工に先立ち作成し,監督職員に提出する。ただし,あ
らかじめ監督職員の承諾を受けた場合は,この限りでない。
(c) (b)の施工計画書のうち,品質計画に係る部分については,監督職員の承諾を受け
る。
(d) 施工計画書の内容を変更する必要が生じた場合は,監督職員に報告するとともに,
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1章
一 般共 通 事項
施工等に支障がないよう適切な措置を講ずる。
1. 2. 3
施 工 図
等
(a) 施工図等を当該工事の施工に先立ち作成し,監督職員の承諾を受ける。ただし,あ
らかじめ監督職員の承諾を受けた場合は,この限りでない。
(b) 施工図等の作成に際し,別契約の施工上密接に関連する工事との納まり等について
十分検討する。
(c) 施工図等の内容を変更する必要が生じた場合は,監督職員に報告するとともに,施
工等に支障がないよう適切な措置を講ずる。
1. 2. 4
工 事 の 記 録
(a) 監督職員の指示した事項及び監督職員と協議した結果について,記録を整備する。
(b) 工事の全般的な経過を記載した書面を作成する。
(c) 工事の施工に際し,試験を行った場合は,直ちに記録を作成する。
(d) 次の(1)から(4)のいずれかに該当する場合は,施工の記録,工事写真,見本等を整
備する。
(1) 工事の施工によって隠ぺいされるなど,後日の目視による検査が不可能又は容易
でない部分の施工を行う場合。
(2) 一工程の施工を完了した場合。
(3) 施工の適切なことを証明する必要があるとして,監督職員の指示を受けた場合。
(4) 設計図書に定められた施工の確認を行った場合。
(e) (a)から(d)の記録について,監督職員より請求されたときは,提出又は提示する。
3節
1. 3. 1
施 工 管
理
工事現場管理
(a) 設計図書に適合する工事目的物を完成させるために,施工管理体制を確立し,品質,
工程,安全等の施工管理を行う。
(b) 工事の施工に携わる下請負人に,工事関係図書及び監督職員の指示を受けた内容を
周知徹底する。
(c) 施工管理は,別に定める土木工事施工管理要領に従い実施し,記録を監督職員に提
出する。
1. 3. 2
施工管理技術者
(a) 施工管理技術者は,設計図面に定められた者又はこれらと同等以上の能力のある者
とする。
(b) 施工管理技術者は,資格又は能力を証明する資料を,監督職員に提出する。
(c) 施工管理技術者は,当該工事の施工,製作等に係る指導及び品質管理を行う。
1. 3. 3
電気保安技術者
(a) 電気保安技術者は,当該工事における電気工作物の工事を行うに当たり必要な電気
主任技術者又は監督職員の承諾を受けた者とし,適用は特記による。
- 5 -
1章
一 般共 通 事項
(b) 電気保安技術者の資格又は知識及び経験を証明する資料を,監督職員に提出する。
(c) 電気保安技術者は,監督職員の指示に従い電気工作物の保安業務を行う。
1. 3. 4
工事用電力設備
の保 安 責 任 者
(a) 工事用電力設備の保安責任者として,法令に基づく有資格者を定め,監督職員に報
告する。
(b) 保安責任者は,適切な保安業務を行う。
1. 3. 5
施 工 の 条 件
(a) 施工時間
(1) 行政機関の休日に工事の施工を行わない。ただし,設計図書に定めのある場合又
はあらかじめ監督職員の承諾を受けた場合は,この限りでない。
(2) 設計図書に施工時間が定められている場合で,その時間を変更する必要がある場
合は,あらかじめ監督職員の承諾を受ける。
(3) 設計図書に施工時間等が定められていない場合で,夜間に工事の施工を行う場合
は,あらかじめ理由を付した書面を監督職員に提出する。
(b) (a) 以外の施工条件は,特記による。
1. 3. 6
品 質 管
理
(a) 1.2.2(b)による品質計画に基づき,適切な時期に,指導,確認,試験等必要な管理
を行う。
(b) 必要に応じて,監督職員の検査を受ける。
(c) 試験又は検査の結果,疑義が生じた場合は,監督職員と協議する。
1. 3. 7
施 工 中
安 全 確
の
保
(a) 建築基準法(昭和25年法律第201号)
,労働安全衛生法(昭和44年法律第57号)
,そ
の他関係法令等に定めるところによるほか,
「建設工事公衆災害防止対策要綱(平成5
年1月12日建設省経建発第1号)
」に従うとともに,
「建設工事安全施工技術指針(平成
7年5月25日建設省営監発第13号)を参考に,常に工事の安全に留意して現場管理を行
い施工に伴う災害及び事故の防止に努める。
(b) 同一場所で別契約の関連工事が行われる場合で,監督職員により労働安全衛生法に
基づく指名を受けたときは,同法に基づく必要な措置を講ずる。
(c) 気象予報又は警報等について,常に注意を払い,災害の予防に努める。
(d) 工事の施工に当たっては,工事箇所並びにその周辺にある地上及び地下の既設構造
物,既設配管等に対して,支障を来さないような施工方法等を定める。ただし,これ
により難い場合は,監督職員と協議する。
(e) 火気の使用や溶接作業等を行う場合は,火気の取扱いに十分注意するとともに,適
切な消火設備,防炎シート等を設けるなど,火災の防止措置を講ずる。
(f) 工事の施工に当たっての近隣等との折衝は,次による。また,その経過について記
録し,遅滞なく監督職員に報告する。
(1) 地域住民等と工事の施工上必要な折衝を行うものとし,あらかじめその概要を監
督職員に報告する。
- 6 -
1章
一 般共 通 事項
(2) 工事に関して,第三者から説明の要求又は苦情があった場合は,直ちに誠意をも
って対応する。
1. 3. 8
発生材の処理等
(a) 発生材の抑制,再利用,再資源化及び再生資源の積極的活用に努める。
なお,設計図書に定められた以外に,発生材の再利用,再資源化及び再生資源の活
用を行う場合は,監督職員と協議する。
(b) 発生材の処理は次による。
(1) 発生材のうち,発注者に引渡しを要するもの並びに特別管理産業廃棄物の有無及
び処理方法は,特記による。なお,引渡しを要するものと指定されたものは,監督
職員の指示を受けた場所に整理のうえ,調書を作成して監督職員に提出する。
(2) 発生材のうち,現場において再利用を図るもの及び再資源化を図るものは,特記
による。なお,再資源化を図るものと指定されたものは,分別を行い,所定の再資
源化施設等に搬入したのち,調書を作成して監督職員に提出する。
(3) (1)及び(2)以外のものはすべて構外に搬出し,建設工事に係る資材の再資源化等
に関する法律(平成12年法律第104号。以下「建設リサイクル法」という。)
,資源
の有効な利用の促進に関する法律(平成3年法律第48号。以下「資源有効利用促進
法」という。
)
,廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号。以下
「廃棄物処理法」という。
)その他関係法令等によるほか,
「建設副産物適正処理推
進要綱(平成5年1月12日建設省経建発第3号)
」に従い適切に処理し,監督職員に報
告する。
1. 3. 9
交通安全管理
工事材料及び土砂等の搬送計画並びに通行経路の選定その他車両の通行に関する事項
について,関係機関と十分打合せのうえ,交通安全管理を行う。
1. 3. 10
災 害 時
安 全 確
の
保
1. 3.11
施 工 中 の
環 境 保 全 等
災害及び事故が発生した場合は,人命の安全確保を優先するとともに,二次災害の防
止に努め,その経緯を監督職員に報告する。
(a) 建築基準法,建設リサイクル法,環境基本法(平成5年法律第91号),騒音規制法(昭
和43年法律第98号)
,振動規制法(昭和51年法律第64号)
,大気汚染防止法(昭和43年
法律第97号)
,水質汚濁防止法(昭和45年法律第138号)
,廃棄物処理法,土壌汚染対
策法(平成14年法律第53号)
,資源有効利用促進法その他関係法令等の定めるところ
によるほか,
「建設副産物適正処理推進要綱」に従い,工事の施工の各段階において,
騒音,振動,粉塵,臭気,大気汚染,水質汚濁等の影響が生じないよう,周辺環境の
保全に努める。
(b) 仕上塗材,塗料,シーリング材,接着剤その他の化学製品の取扱いに当たっては,
当該製品の製造所が作成した化学物質等安全データシート(MSDS)を常備し,記載内
容の周知徹底を図り,作業者の健康,安全の確保及び環境保全に努める。
- 7 -
1章
一 般共 通 事項
(c) 建設事業及び建設業のイメージアップのために,作業環境の改善,作業現場の美化
等に努める。
1. 3.12
養
生
既存施設部分,工事目的物の施工済み部分等について,汚染又は損傷しないよう適切
な養生を行う。
1. 3.13
後 片 付
け
工事の完成に際しては,建築物等の内外の後片付け及び清掃を行う。
4節
1. 4. 1
環境への配慮
材
料
(a) 国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律(平成12年法律第100号。
「グリ
ーン購入法」という。
)により、環境負荷を低減できる材料を選定するように努める。
(b) 使用する材料の選定にあたっては,揮発性有機化合物の放散による健康への影響に
配慮する。
(c) 工事に使用する各種材料については,アスベスト含有建材を使用しない。
1. 4. 2
材料の品質等
(a) 工事に使用する材料は,設計図書に定める品質及び性能を有する新品とする。ただ
し,仮設に使用する材料は,新品でなくてもよい。
(b) 使用する材料が,
設計図書に定める品質及び性能を有することの証明となる資料を,
監督職員に提出する。ただし,設計図書においてJIS又はJASによると指定され
た材料でJIS又はJASのマーク表示のあるものを使用する場合及びあらかじめ監
督職員の承諾を受けた場合は,資料の提出を省略することができる。
(c) 調合を要する材料については,調合に先立ち,調合表等を監督職員に提出する。
(d) 材料の色,柄等については,監督職員の指示を受ける。
(e) 設計図書に定められた材料の見本を提出又は提示し,材質,仕上げの程度,色合等
について,あらかじめ監督職員の承諾を受ける。
(f) 設計図書に定められた規格等が改正された場合は,1.1.8 による。
1. 4. 3
材 料 の 搬 入
材料の搬入ごとに,監督職員に報告する。ただし,あらかじめ監督職員の承諾を受け
た場合は,この限りでない。
1. 4. 4
材料の検査等
(a) 現場に搬入した材料は,種別ごとに監督職員の検査を受ける。ただし,あらかじめ
監督職員の承諾を受けた場合は,この限りでない。
(b) (a) による検査の結果,合格した材料と同じ種別の材料は,以後,原則として抽出
検査とする。ただし,監督職員の指示を受けた場合は,この限りでない。
(c) 設計図書に定めるJIS又はJASのマーク表示のある材料並びに規格,基準等の
規格証明書が添付された材料は,
設計図書に定める品質及び性能を有するものとして,
取り扱うことができる。
- 8 -
1章
一 般共 通 事項
(d) 現場に搬入した材料等のうち,変質等により工事に使用することが適当でないと監
督職員の指示を受けたものは,直ちに工事現場外に搬出する。
1. 4. 5
材 料 の 検 査
に 伴 う 試 験
(a) 材料の品質及び性能を試験により証明する場合は,設計図書に定められた試験方法
による。ただし,定めがない場合は,監督職員の承諾を受けた試験方法による。
(b) 試験に先立ち試験計画書を作成し,監督職員に提出する。
(c) 試験は,試験機関又は工事現場等適切な場所で行う。
なお,その場所の決定に当たっては,監督職員の承諾を受ける。
(d) 試験は,原則として,監督職員の立会いを受けて行う。ただし,あらかじめ監督職
員の承諾を受けた場合は,この限りでない。
(e) 試験の結果は,1.2.4(c)により,監督職員の承諾を受ける。
1. 4. 6
材 料 の 保 管
搬入した材料は,工事に使用するまで,変質等がないよう保管する。
5節
1. 5. 1
施
工
施
工
(a) 施工は,設計図書及び施工計画書並びに監督職員の承諾を受けた実施工程表及び施
工図等に従って行う。
(b) コンクリート打込み等で設備等が隠ぺいとなる部分を施工する場合は,別契約の関
連工事の施工の検査が完了するまで,当該部分の施工を行わない。ただし,監督職員
の承諾を受けた場合は,この限りでない。
1. 5. 2
技
能
士
技能士は次により,適用する技能検定の職種及び作業の種別は,特記による。
(1) 技能士とは,職業能力開発促進法(昭和44年法律第64号)による一級技能士又は
単一等級の資格を有する者とし,資格を証明する資料を,監督職員に提出する。
(2) 技能士は,適用する工事作業中,1名以上の者が自ら作業をするとともに,他の
技能者に対して,施工品質の向上を図るための作業指導を行う。
1. 5. 3
技 能 資 格 者
(a) 技能資格者は,設計図書に定められた資格を有する者又はこれらと同等以上の能力
のある者とする。
(b) 技能資格者は,資格又は能力を証明する資料を,監督職員に提出する。
1. 5. 4
一工程の施工の
確認及び報告
一工程の施工を完了したとき又は工程の途中において監督職員の指示を受けた場合
は,その施工が設計図書に適合することを確認し,適時,監督職員に報告する。
なお,確認及び報告は,監督職員の承諾を受けた者が行う。
- 9 -
1章
1. 5. 5
施工の検査等
一 般共 通 事項
(a) 設計図書に定められた場合,1.5.4により報告した場合及び監督職員より指示され
た工程に達した場合は,監督職員の検査を受ける。
(b) (a)による検査の結果,合格した工程と同じ材料及び工法により施工した部分は,
以後,原則として,抽出検査とする。ただし,監督職員の指示を受けた場合は,こ
の限りでない。
(c) 見本施工の実施が特記された場合は,仕上り程度等の判断のできる見本施工を行い,
監督職員の承諾を受ける。
1. 5. 6
施工の検査等
に 伴 う 試 験
1. 5. 7
施工の立会い等
(a) 施工の検査等に伴う試験は,1.4.5 に準じて行う。
(a) 設計図書に定められた場合及び監督職員の指示を受けた場合の施工は,監督職員の
立会いを受ける。この際,適切な時期に監督職員に対して立会いの請求を行うものと
し,立会いの日時について監督職員の指示を受ける。
(b) 監督職員の立会いに必要な資機材及び労務等を提供する。
1. 5. 8
工 法 の 提 案
設計図書に定められた工法以外で,所要の品質及び性能の確保が可能な工法並びに環
境の保全に有効な工法の提案がある場合は,監督職員と協議する。
1. 5. 9
化 学 物 質
の 濃 度 測 定
(a) 建築物の室内空気中に含まれる化学物質の濃度測定の実施は,特記による。
(b) 測定対象化学物質,測定方法,測定対象室及び測定箇所数は,特記による。
(c) 測定を実施した場合は,測定結果を取りまとめ,監督職員に提出する。
- 10 -
1章
6節
1. 6. 1
工 事 検
査
一 般共 通 事項
工事検査及び技術検査
(a) 契約書に規定する工事を完成したときの通知は,次の(1)から(3)に示す要件のすべ
てを満たす場合に,発注者に提出することができる。
(1) 設計図書に示すすべての工事が完了していること。
(2) 監督職員の指示を受けた事項がすべて完了していること。
(3) 設計図書に定められた工事関係図書及び記録の整備がすべて完了していること。
(b) 契約書に規定する部分払を請求する場合は,当該請求に係る出来形部分等の算出方
法について監督職員の指示を受けるものとし,当該請求部分に係る工事について,(a)
の(2)及び(3)の要件を満たすものとする。
(c) 契約書に規定する指定部分に係る工事完成の通知を発注者に提出する場合は,指定
部分に係る工事について,(a) の(1)から(3)の要件を満たすものとする。
(d) (a)から(c)の通知又は請求に基づく検査は,発注者から通知された検査日に検査を
受ける。
(e) 工事検査に必要な資機材及び労務等を提供する。
1. 6. 2
技 術 検
査
(a) 技術検査は,次の時期に行う。
(1) 1.6.1 の(a)から(c)に示す工事検査時。
(2) 工事施工途中における技術検査(「中間技術検査」)の実施回数及び実施する段階
が特記された場合。
なお,検査日は,請負者等の意見を聞いて,発注者が定める。
(3) 施工途中における事故等により,発注者が特に必要と認めた場合。
なお,検査日は,発注者が定める。
(b) 技術検査は,通知された検査日に検査を受ける。
(c) 技術検査に必要な資機材及び労務等を提供する。
- 11 -
1章
一 般共 通 事項
7節 完 成 図 等
1. 7. 1
完 成 時
提 出 図
の
書
(a) 工事完成時の提出図書は次により,適用は特記による。
(1) 完成図
(2) 保全に関する資料
(b) (a) の図書に目録を添付し,監督職員に提出する。
1. 7. 2
完
成
図
(a) 完成図は,工事目的物の完成時の状態を表現したものとし,種類(案内図,配置図,
平面図,立面図,断面図,施工図及び施工計画書等)及び記入内容は,特記による。
(b) 完成図(施工図及び施工計画書を除く。
)の様式等は,次による。
(1) 完成図の作成方法及び原図のサイズは,特記による。特記がなければ,原図はC
ADで作成し,トレーシングペーパーに出力するものとする。
なお,寸法,縮尺等は,設計図書に準ずる。
(2) 提出は,原図及びその複写図(2部)とする。
(3) CADデータの提出は,特記による。
(c) 施工図は,監督職員の承諾を受けたもの及びその原図を提出する。ただし,原図が
提出できない場合は,原図に代わる図としてよい。
(d) 施工計画書は,監督職員の承諾を受けたものを提出する。
1. 7. 3
保全に関する
資
料
(a) 保全に関する資料は次のとおりとし,特記がなければ,提出部数は2部とする。
(1) 建築物等の利用に関する説明書
(2) 機器取扱い説明書
(3) 機器性能試験成績書
(4) 官公署届出書類
(5) 主要な材料・機器一覧表等
(b) 作成あたっては,監督職員と記載事項に関する協議を行い,作成後は,監督職員に
内容の説明を行う。
- 12 -
1章
8節
1. 8. 1
工 事 測
量
一 般共 通 事項
工事測量及び仮設物
(a) 契約後速やかに必要な測量を実施し,仮BMの設置及び中心線,縦断,横断,用地
境界及び支障物件等が設計図書と相違ないかを確認する。なお,仮BMを設置するた
めの基準となる選定は,監督職員の指示を受けなければならない。また,請負者は,
測量結果を監督職員に提出しなけらばならない。
(b) 工事に必要な丁張,その他工事施工の基準となる仮設標識を設置し,監督職員が指
示したものは検査を受ける。
(c) 測量標は,位置及び高さの変動のないよう適切に保護する。
(d) 敷地境界くい,仮BMその他重要な工事測量標は,原則として移動しないが,やむ
を得ず移設する場合は,監督職員の承諾を受けて移設する。
(e) 工事測量は,請負者の責任と費用負担において行う。
1. 8. 2
監督職員事務所
監督職員事務所の設置及び規模は特記による。設置する場合は,監督上必要な設備及
び備品を備え,光熱水等の料金を負担する。
1. 8. 3
請負者事務所
そ
の
他
請負者事務所,従業員休憩所及び便所等は,関係法令に従い設置する。
1. 8. 4
材料置場その他
材料置場及び下小屋等は,適切な構造とする。
1. 8. 5
危険物貯蔵庫
塗料及び油脂等の引火性材料の貯蔵所は,関係法令に従いなるべく建築物,下小屋及
びその他の材料置場等から隔離した場所に設け,屋根,内外壁及び天井を防火構造とす
るか,又は不燃材料で覆い,各扉には錠を付け,
「火気厳禁」等の表示を行い,消火器
を置く。
- 13 -
2章
2章
1節
2. 1. 1
適
用
材
料
材
料
一般事項
(a) この章は,土木工事に使用する材料について規定する。
(b) 材料は,特記に品質規格を明示したものを除き,本仕様書の規定に適合するもの,
又はこれと同等以上の品質を有するものとする。
2. 1. 2
材料証明書等
の
提
出
(a) 工事に使用する材料の品質・規格証明書又は試験成績表等は,本仕様書並びに特記
に従い,使用に先立ち監督職員に提出する。
(b) 海外の建設資材を用いる場合は,海外建設資材品質審査・証明事業実施機関が発行
する海外建設資材品質審査証明書(以下,
「海外建設資材品質審査証明書」という。)
を監督職員に提出する。ただし,監督職員が承諾した材料及び設計図書に明示されて
いない仮設材料は除く。
2節
2. 2. 1
盛土・埋戻土
土
盛土・埋戻しに使用する土は,特記による。ただし,土質変化等によりその工事目的
に適合しない場合は,監督職員と協議する。
3節
2. 3. 1
材 料 一
般
石材及び骨材
石材及び骨材は,用途に適する強度と耐久性を有し,有害な風化及び亀裂などの欠陥
のないものとする。
2. 3. 2
積 石 ・ 敷 石
(a) 割石は, JIS A5003(石材)の規格に適合した一等品で35割石(控長 350㎜以上)
とする。その他の場合は,特記による。
(b) 雑割石の形状は,おおむねくさび形とし,扁平なもの及び細長いものがあってはな
らない。前面はおおむね四辺形であって二稜辺の平均長さが控長の 2/3程度のものと
し,控長は 350㎜以上とする。その他の場合は,特記による。
(c) 雑石は,天然石及び破砕石で,極端に扁平なもの,及び細長でないものとし,控長
は 350㎜以上とする。その他の場合は特記による。
(d) 小舗石の形状は,おおむね正四角形とし,扁平なもの細長いものであってはならな
い。なお,小舗石の材質,寸法等は,特記による。
(e) 板石は,天然石又は破砕石で産地に応じた特性を持ち,表面が粗雑であってはなら
ない。なお,板石の種類,材質,寸法等は,特記による。
− 14−
2章
2. 3. 3
玉
石
材
料
玉石は,天然に産した丸みを持つ石で,大きさは150∼250㎜程度のものをいい,形状
はおおむね卵形とし,表面が粗雑なもの,極端に扁平なもの及び細長いものであっては
ならない。
2. 3. 4
景石(自然石)
(a) 修景に用いる景石(自然石)は,材種及び産地に応じた特性を持ち,不適当な色合
い,割れ及び欠け等の欠点のないものとする。なお種類,産地,大きさ等は,特記に
よる。
(b) 景石(自然石)は,現場搬入前に,写真又は見本品を提出するか,現地において監
督職員の立会いのうえ決定する。
(c) 現場搬入後施工する前に,数量,品質及び質量証明を監督職員に提出する。
2. 3. 5
化 粧 砂
利
2. 3. 6
その他の砂利・
砂 ・ 砕 石 類
化粧砂利は粒のそろったもので,異種材及びきょう雑物を含まないものとする。
(a) 砂利,砕石は,良質で適当な粒度を持ち,極端に扁平なもの,細長い石片及び有機
不純物等の有害量を含んではならない。
(b) 砂は,良質で適当な粒度を持ち,ごみ,泥及び有機不純物等の有害量を含んではな
らない。
2. 3. 7
コンクリート用
骨
材
(a) 骨材の粒度
無筋・鉄筋コンクリート及びコンクリート舗装の細骨材,粗骨材の粒度の範囲は,
2.3.1表 の規格に適合したものとする。
2.3.1表
無筋・鉄筋コンクリート及びコンクリート舗装の骨材の粒度の標準
ふるいの呼び寸法
(目の開き)
60
(63 ㎜)
50
(53 ㎜)
通 40
(37.5㎜)
過 30
(31.5㎜)
質 25
(26.5㎜)
量 20
(19 ㎜)
百 15
(16 ㎜)
分 10
(9.5 ㎜)
率
5
(4.75㎜)
2.5 (2.36㎜)
%
1.2 (1.18㎜)
0.6 (600μm)
0.3 (300μm)
0.15(150μm)
細骨材
100
90∼100
80∼100
50∼ 90
25∼ 65
10∼ 35
2∼ 10
粗
40∼ 5
骨 材
25∼ 5
20∼ 5
100
95∼100
─
─
35∼ 70
─
10∼ 30
0∼ 5
─
100
95∼100
─
30∼ 70
─
0∼ 10
0∼ 5
100
95∼100
─
20∼ 55
0∼ 10
0∼ 5
注)砕砂又は高炉スラグ細骨材を単独に用いる場合は,この規定を適用せず,
それぞれのJISの規定による。
− 15−
2章
材
料
(b) 骨材の規格・品質
無筋・鉄筋コンクリート及びコンクリート舗装の細骨材,粗骨材は,以下の規格に
適合したものとする。
JIS A5005
(コンクリート用砕石及び砕砂)
JIS A5011-1(コンクリート用スラグ骨材−第1部:高炉スラグ骨材)
JIS A5011-2(コンクリート用スラグ骨材−第2部:フェロニッケルスラグ骨材)
JIS A5011-3(コンクリート用スラグ骨材−第3部:銅スラグ骨材)
JIS A5011-4(コンクリート用スラグ骨材−第4部:電気炉酸化スラグ骨材)
JIS A5308
(レディーミクストコンクリートの附属書1(規定)[レディーミク
ストコンクリート用骨材])
(c) コンクリート用骨材の有害物含有量の限度は,2.3.2表 による。
2.3.2表
種
粘
骨材の有害物含有量の限度(%)
類
土
塊
無筋・鉄筋コンクリート
細骨材
1.0
1)
コンクリート舗装
粗骨材
細骨材
1)
1)
0.25
1.0
やわらかい石片
洗い試験で失わ
れるもの
石炭,亜炭等で
比重 1.9の液体
に浮くもの
0.25
5.0
表面がすりへり作
用を受ける場合
3.0
その他の場合
5.0
コンクリートの外
観が重要な場合
0.5
4)
1.0
4)
その他の場合
粗骨材
2)
1.0
3)
0.5
4)
1.0
4)
3.0
0.5
2)
1.0
3)
0.5
4)
注 1. 試料は JIS A1103(骨材の微粒分量試験方法)の規定による骨材の洗い試験を行
った後にふるいに残存したものから採取する。
2. 砕砂及び高炉スラグの細骨材の場合で,洗い試験で失われるものが石粉であり,
粘土,シルト等を含まないときは,最大値を各々5%及び7%としてよい。
ただし,舗装用は,5%を限度とする。
3. 砕石の場合で,洗い試験で失われるものが砕石粉であるときは,最大値を 1.5%
としてもよい。また,高炉スラグ粗骨材の場合は,最大を5%としてよい。
4. 高炉スラグ粗骨材及び細骨材については適用しない。
5. 粘土塊の試験は, JIS A1137(骨材中に含まれる粘土塊量の試験方法)に,やわ
らかい石片の試験は, JIS A1126(ひっかき硬さによる粗骨材中の軟石量試験方
法)
,又はJIS A1121(ロサンゼルス試験機による粗骨材のすりへり試験)に,洗
い試験は, JIS A1103(骨材の微粒分量試験方法)に,比重1.95の液体に浮くも
のの試験は, JIS A5308(レディーミクストコンクリートの附属書1(規定)[レ
ディーミクストコンクリート用骨材]
)の規定による。
− 16−
2章
材
料
(d) 有機不純物
(1) 細骨材に含まれる有機不純物は, JIS A1105(細骨材の有機不純物試験方法)の
規定によって試験し,砂の上部における溶液の色合いは,標準色よりも薄くなけれ
ばならない。
(2) 砂の上部における溶液の色合いが標準色より濃い場合でも,その砂で作ったモル
タル供試体の圧縮強度がその砂を水酸化ナトリウムの3%溶液で洗い,さらに水で
十分に洗って用いたモルタル供試体の圧縮強度の90%以上であれば,その砂は使用
できる。
なお,モルタル圧縮強度による砂の試験は JIS A5308(レディーミクストコンク
リートの附属書1(規定)[レディーミクストコンクリート用骨材])の規定による。
(e) 耐久性
(1) 硫酸ナトリウムによる安定性は, JIS A1122(硫酸ナトリウムによる骨材の安定
性試験方法)の規定により確認し,操作を5回繰り返したときの細骨材及び粗骨材
の損失質量の限度は,細骨材で10%,粗骨材で12%とする。
(2) 損失質量が前項に示した限度を超えた細骨材及び粗骨材を用いるときは,これを
用いた同程度のコンクリートが,予期される気象作用に対して満足な耐凍害性を示
した実例がある場合には,これを用いてよい。
また,これを用いた実例がない場合は,これを用いて作ったコンクリートの凍結
融解試験結果の資料を提出し,監督職員の承諾を受ける。
(3) 建物の内部,表面をタイル等で保護した構造物,その他凍結融解作用をほとんど
受けない構造物に用いる骨材は前項(1),(2)を考慮しなくてよい。
(f) すりへり減量の限度
すりへり試験を行った場合のすりへり減量の限度は,コンクリート舗装の場合は35
%とし,その他の場合は40%とする。なお,試験は JIS A1121(ロサンゼルス試験機
による粗骨材のすりへり試験方法)の規定による。
2. 3. 8
基 礎 材 料 等
(a) 構造物の基礎及び裏込め等に用いる砕石は,クラッシャラン(JIS A5001 の C-40)
又は再生クラッシャラン(R C - 4 0)を標準とし,その他の場合は特記による。
(b) 構造物の基礎及び裏込め等に用いる砂は,適当な粒度を持ち,十分な締固めが得ら
れるものとする。
(c) 舗装路盤の下に設けるしゃ断層,フィルター層,凍上抑制層の材料は,下記材料を
標準とする。
(1) しゃ断層に用いる砂は,0.075mmふるいの通過量が10%以下とする。
(2) 透水性舗装のフィルター層に用いる砂は,0.075㎜ ふるいの通過量が6%以下と
する。
(3) 凍上抑制層材は,砂,火山灰,砂利,砕石等凍上を起しにくいものとし,種類等
は特記による。
− 17−
2章
材
料
(d) 地下排水施設のフィルター材は,十分な透水性を保つもので種類等は特記による。
2. 3. 9
路 盤 用 材 料
(a) 舗装の下層路盤材は,クラッシャラン(JIS A5001の C-40)
,再生クラッシャラン
(R C - 4 0)又はクラッシャラン鉄鋼スラグ(JIS A5015の C S - 4 0)を標準とする。
その他の場合は特記による。
(1) クラッシャラン(C)及びクラッシャラン鉄鋼スラグ(CS)の粒度は,2.3.3表 を
標準とする。また,再生クラッシャラン(RC)の粒度は,クラッシャランに準じる。
2.3.3表
クラッシャラン及びクラッシャラン鉄鋼スラグの粒度の標準
呼び名
クラッシャラン
ふるいの
呼び寸法
(目の開き)
C-40
(40∼0)
C-30
(30∼0)
通
過
質
量
百
分
率
%
100
95∼100
─
─
50∼ 80
─
15∼ 40
5∼ 25
100
95∼100
─
55∼ 85
─
15∼ 45
5∼ 30
50
40
30
25
20
13
5
2.5
(53 ㎜)
(37.5㎜)
(31.5㎜)
(26.5㎜)
(19 ㎜)
(13.2㎜)
(4.75㎜)
(2.36㎜)
クラッシャラン鉄鋼スラグ
C-20
(20∼0)
CS-40
(40∼0)
CS-30
(30∼0)
CS-20
(20∼0)
100
95∼100
60∼ 90
20∼ 50
10∼ 35
100
95∼100
─
─
50∼ 80
─
15∼ 40
5∼ 25
100
95∼100
─
55∼ 85
─
15∼ 45
5∼ 30
100
95∼100
60∼ 90
20∼ 50
10∼ 35
注)再生骨材の粒度は,モルタル粉などを含んだ解砕されたままの見かけの骨材
粒度を使用する。
(2) クラッシャラン及び再生クラッシャランは,2.3.4表 に示す品質規格に適合した
もので粘土塊,有機物,ごみその他を有害量含まないものとする。
2.3.4表
クラッシャラン及び再生クラッシャランの品質規格
試
験
方
法
塑性指数
(PI)
JIS A1205(土の液性限界・塑
性限界試験方法)
修正CBR
「アスファルト舗装要綱((社)
日本道路協会)」
すりへり減量
クラッシャラン
再生クラッシャラン
6以下
6以下
20%以上
20%以上
JIS A1121(ロサンゼルス試験
機による粗骨材のすりへり試
験方法)
50%以上
(3) クラッシャラン鉄鋼スラグは,硫黄分による黄濁水が流出せず,かつ細長いある
いは扁平なもの,ごみ,泥,有機物などを有害量含まないものとする。クラッシャ
ラン鉄鋼スラグ(CS)は,修正CBR値を30%以上とする。
− 18−
2章
材
料
(b) 舗装の上層路盤材は,粒度調整砕石(JIS A5001 のM-40),再生粒度調整砕石(RM40)
,水硬性粒度調整鉄鋼スラグ(JIS A5015 のHMS-25)又は粒度調整鉄鋼スラグ
(JIS A5015 のM S - 2 5)を標準とする。その他の場合は特記による。
(1) 粒度調整砕石(M),水硬性粒度調整鉄鋼スラグ(HMS)及び粒度調整鉄鋼スラグ
(MS)の粒度は,2.3.5表 を標準とする。また,再生粒度調整砕石(RM)の粒度は,
粒度調整砕石に準じる。
2.3.5表
粒度調整砕石,水硬性粒度調整鉄鋼スラグ
及びの粒度調整鉄鋼スラグの粒度の標準
粒度調整砕石
ふるいの
呼び寸法
(目の開き)
通
過
質
量
百
分
率
%
呼び名
50
(53 ㎜)
40
(37.5㎜)
30
(31.5㎜)
25
(26.5㎜)
20
(19 ㎜)
13
(13.2㎜)
5
(4.75㎜)
2.5 (2.36㎜)
0.4 (425μm)
0.075( 75μm)
M-40
(40∼0)
M-30
(30∼0)
M-25
(25∼0)
水硬性粒度調
整鉄鋼スラグ
HMS-25(25∼0)
粒度調整鉄鋼
スラグ
MS-25(25∼0)
100
95∼100
─
─
60∼ 90
─
30∼ 65
20∼ 50
10∼ 30
2∼ 10
100
95∼100
─
60∼ 90
─
30∼ 65
20∼ 50
10∼ 30
2∼ 10
100
95∼100
─
55∼ 85
30∼ 65
20∼ 50
10∼ 30
2∼ 10
100
95∼100
─
60∼ 80
35∼ 60
25∼ 45
10∼ 25
3∼ 10
100
95∼100
─
55∼ 85
30∼ 65
20∼ 50
10∼ 30
2∼ 10
注)再生骨材の粒度は,モルタル粉などを含んだ解砕されたままの見かけの骨材
粒度を使用する。
(2) 粒度調整砕石及び再生粒度調整砕石は,2.3.6表 に示す品質規格に適合したもの
で粘土塊,有機物,ごみその他を有害量含まないものとする。なお,再生粒度調整
砕石中のアスファルトコンクリート再生骨材の配合率は,30%以下とする。
2.3.6表
粒度調整砕石及び再生粒度調整砕石の品質規格
試
験
方
法
塑性指数
(PI)
JIS A1205(土の液性限界・
修正CBR
「アスファルト舗装要綱
粒度調整砕石
6以下
再生粒度調整砕石
6以下
塑性限界試験方法)
80%以上
80%以上
((社)日本道路協会)」
JIS A1121(ロサンゼルス試
すりへり減量
験機による粗骨材のすりへ
50%以上
り試験方法)
− 19−
2章
材
料
(3) 水硬性粒度調整鉄鋼スラグ及び粒度調整鉄鋼スラグは,2.3.7表 に示す品質規格に
適合したもので,硫黄分による黄濁水が流出せず,かつ細長いあるいは扁平なもの,
ごみ,泥,有機物などを有害量含まないものとする。
2.3.7表
水硬性粒度調整鉄鋼スラグ及び粒度調整鉄鋼スラグの品質規格
試
単位容積質量
一軸圧縮強さ
修正CBR
2. 3.10
アスファルト
舗装用骨材及び
フ
ィ
ラ
ー
験
方
法
水硬性粒度調整スラグ
JIS A1104(骨材の単位
容積質量及び実績率試
験方法)
JIS A5015(道路用鉄鋼
スラグ附属書3[鉄鋼スラグ
の一軸圧縮試験方法])
「アスファルト舗装要綱
((社)日本道路協会)」
粒度調整鉄鋼スラグ
1.5㎏/ç
1.5㎏/ç
1.2N/㎜2
─
80%以上
80%以上
呈色判定試験
呈色なし
呈色なし
水浸膨張比
1.5以下
1.5以下
エージング
期
間
6ヶ月以上
6ヶ月以上
(a) アスファルト舗装用骨材として使用する砕石は, JIS A5001(道路用砕石)の規格
に適合したものとする。その種別は,2.3.8表による。また,再生クラッシャランは
クラッシャランに,再生粒度調整砕石は粒度調整砕石に準じる。
2.3.8表
種
別
規
砕石の種別
格
等
呼
び
名
S-80,S-60,S-40,S-30,
S-20,S-13,S-5
単粒度砕石
砕
クラッシャラン
JIS A5001(道路用砕石)
C-40 ,C-30 ,C-20
石
再
生
材
− 20−
粒度調整砕石
M-40 ,M-30 ,M-25
再生クラッシャラン
RC-40,RC-30,RC-20
JIS A5001(道路用砕石)に準ずる
再生粒度調整砕石
RM-40,RM-30,RM-20
2章
材
料
(b) 骨材として使用する砕石は,2.3.9表の品質規格に適合したものとし,有害物含有
量の限度は,2.3.10表の規格に適合したものとする。
2.3.9表
用
表
砕石の品質規格
途
重
2.45以上
(%)
3.0 以下
すりへり減量(%)
30 以下
耐
12 以下
吸
乾
水
久
比
表層・基層
量
性
(%)
注 1. 試験方法は, JIS A1209(土の収縮定数試験方法),JIS A1210(突固めに
よる土の締固め試験方法)
, JIS A1121 (ロサンゼルス試験機による粗骨
材のすりへり試験方法)
,JIS A5001(道路用砕石)の規定による。
2. すりへり減量の粒度範囲は,13∼5㎜で行う。
3. 耐久性の試験方法は, JIS A1122(硫酸ナトリウムによる骨材の安定性試
験方法)の規定によって,操作を5回繰り返したときの損失質量の限度を
示す。
2.3.10表
砕石の有害物含有量の限度
有害物
粘土,粘土塊
軟らかい石片
細長い又は扁平な石片
含有量(全試料に対する百分率%)
0.25以下
5.0 以下
10.0 以下
試験方法は「舗装試験法便覧 ((社)日本道路協会)」を参照する。
(c) アスファルト舗装用骨材として使用する鉄鋼スラグは,硫黄分による黄濁水が流出
せず,かつ細長いあるいは扁平なもの,ごみ,泥,有機物などを有害量含まないもの
とする。その種類と用途は,2.3.11表によるものとする。
2.3.11表
名
鉄鋼スラグの種類と主な用途
称
呼び名
用
途
粒度調整鉄鋼スラグ
MS
上層路盤
水硬性粒度調整鉄鋼スラグ
HMS
上層路盤
クラッシャラン鉄鋼スラグ
CS
下層路盤
単粒度製鋼スラグ
SS
加熱アスファルト混合物用
クラッシャラン製鋼スラグ
CSS
瀝青安定処理(加熱混合)用
− 21−
2章
材
料
(d) 鉄鋼スラグの規格は,2.3.12表の規格に,適合したものとする。また,製鋼スラ
グの規格は,2.3.13表の規格に,適合したものとする。
2.3.12表
呼び名 修正 C B R
%
鉄鋼スラグの規格
一軸圧縮
強さ MPa
単位容積質量
㎏/ç
呈
色 水浸膨張比 エージング
判定試験
%
期
間
MS
80以上
─
1.5㎏/ç以上
呈色なし
1.5%以下
6ヶ月以上
HMS
80以上
1.2MPa以上
1.5㎏/ç以上
呈色なし
1.5%以下
6ヶ月以上
CS
30以上
─
呈色なし
1.5%以下
6ヶ月以上
─
2.3.13表
製鋼スラグの規格
呼び名
表乾比重
吸 水 率
%
すりへり減量
%
水浸膨張比
%
エージング
期
間
CSS
─
─
50%以下
2.0%以下
3ヶ月以上
2.45以上
3.0%以下
30%以上
2.0%以下
3ヶ月以上
SS
注 1. 試験方法は,
「舗装試験方法便覧」を参照する。
2. 呈色判定試験は,高炉スラグを用いた鉄鋼スラグにのみ適用する。
3. エージングとは,高炉スラグの黄濁水の発生防止や,製鋼スラグの中に残った
膨張性反応物質(遊離石灰)を反応させるため,鉄鋼スラグを屋外に野積みし,
安定化させる処理をいう。エージング期間の規定は,製鋼スラグを用いた鉄鋼
スラグにのみ適用する。
4. 水浸膨張比の規定は,製鋼スラグを用いた鉄鋼スラグにのみ適用する。
(e) アスファルト舗装用細骨材
(1) 細骨材は,天然砂,人工砂,砕砂又は砕石ダストを用い,混合物に適した粒度で,
ごみ,泥及び有機不純物等を有害量含まないものとする。
(2) 砕石ダスト(スクリーニングス)は, JIS A5001(道路用砕石)の規格に適合し
たものとする。
(3) 砕石ダスト(スクリーニングス)の粒度は,2.3.14表を標準とする。
2.3.14表
スクリーニングスの粒度の標準
呼び名
ふるいの
呼び寸法(目の開き)
F―2.5 (2.5∼0)
5
− 22−
スクリーニング
(4.75㎜)
100
2.5 (2.36㎜)
85∼100
通過質量百分率
0.6 (600μm)
25∼ 55
(%)
0.3 (300μm)
15∼ 40
0.15(150μm)
7∼ 28
0.075( 75μm)
0∼ 20
2章
材
料
(f) アスファルト舗装用フィラー
(1) アスファルト舗装用フィラーは,石灰岩や火成岩の岩石を粉砕した石粉,消石灰,
セメント,フライアッシュ及び回収ダスト等を用いる。
(2) 石粉又はフライアッシュは,水分 1.0%以下で微粒子の団粒がないものとし,
2.3.15表の粒度範囲を標準とする。
2.3.15表
石粉又はフライアッシュ及び回収ダストの粒度の標準
ふるいの呼び寸法
(目の開き)
0.6
通過質量百分率(%)
(600μm)
100
0.15 (150μm)
90∼100
0.075( 75μm)
70∼100
(3) 消石灰は, JIS R9001(工業用石灰)の規格に適合したものとする。
(4) セメントは,普通ポルトランドセメントとし, JIS R5210(ポルトランドセメン
ト)の規格に適合したものとする。
(5) 火成岩類を粉砕した石粉をフィラーとして使用する場合は,2.3.16表の品質規格
に適合したものとする。
2.3.16表
火成岩類の石粉の品質規格
項
目
規格値
塑性指数(PI)
4以下
フロー試験(%)
50以下
吸水膨張(%)
3以下
はく離試験
合格
(6) 回収ダストをフィラーの一部として使用する場合は,2.3.17表の品質規格に適
合したものとする。
2.3.17表
回収ダストをフィラーの一部として使用する場合の品質規格
項
目
規格値
塑性指数(PI)
4以下
フロー試験(%)
50以下
− 23−
2章
材
料
4節 安 定 材
2. 4. 1
材 料 一
般
路盤の安定処理を目的に添加する安定材は,以下による。また,軟弱地盤の改良を目
的に添加する安定材は,セメント又は石灰とし,種類は特記による。
2. 4. 2
瀝 青 材
料
瀝青安定処理路盤に使用する瀝青材料は,2.11.2 舗装用石油アスファルト及び
2.11.3 アスファルト乳剤の規定による。
2. 4. 3
セ メ ン
ト
2. 4. 4
石
灰
セメント安定処理路盤に使用するセメントは,2.8.2 セメントの規定による。
石灰安定処理路盤に使用する石灰は, JIS R9001(工業用石灰)又はこれらを主成分
とする石灰系安定材を標準とする。
5節
2. 5. 1
材 料 一
般
木
材
(a) 木材の種類,形状寸法等は,特記による。
(b) 木材は,使用目的に適合する材質のもので,有害な腐れ,割れ等の欠陥のないもの
とする。
(c) 寸法の表示は,製材においては仕上がり寸法とし,素材については特に指定する場
合を除き,末口寸法とする。
(d) 特に指定のない限り,樹皮の付いたものを使用してはならない。
6節
2. 6. 1
材 料 一
般
鉄及び鋼材等
(a) 鉄及び鋼材等は,特記に示された形状,寸法,品質を有しているもので,さび,腐
れ等変質のないものとする。
(b) 鉄及び鋼材等は,じんあいや油類等で汚損しないようにするとともに,防錆処理を
行う。
2. 6. 2
構造用圧延鋼材
構造用圧延鋼材は,次の規格に適合したものとし,種類,形状寸法等は特記による。
JIS G3101(一般構造用圧延鋼材)
JIS G3106(溶接構造用圧延鋼材)
JIS G3114(溶接構造用耐候性熱間圧延鋼材)
2. 6. 3
鉄 筋 コ ン ク
リート用棒鋼
− 24−
鉄筋は, JIS G3112(鉄筋コンクリート用棒鋼)の規格に適合したものとし,種類,
形状寸法等は特記による。
2章
2. 6. 4
軽 量 形
鋼
材
料
軽量形鋼は, JIS G3350(一般構造用軽量形鋼)の規格に適合したものとし,種類,
形状寸法等は特記による。
2. 6. 5
ボ
ル
ト
(a) ボルトナット及び座金は,次の規格に適合したものとし,仕上げの程度は中,ボル
トは6g,ナットは6Hとする。
JIS B1180(六角ボルト)
JIS B1181(六角ナット)
JIS B1186(摩擦接合用高力六角ボルト・六角ナット・平座金のセット)
JIS B1256(平座金)
(b) アンカーボルトは, JIS B1178(基礎ボルト)に適合したものとし,種類,形状寸
法等は特記による。
2. 6. 6
鋼
管
鋼管は,次の規格に適合したものとし,種類,形状寸法等は特記による。
JIS G3444(一般構造用炭素鋼鋼管)
JIS G3452(配管用炭素鋼管)
JIS G3457(配管用アーク溶接炭素鋼鋼管)
JIS G3466(一般構造用角形鋼管)
2. 6. 7
鍛鋼品・鋳鋼品
及 び 鋳 鉄 品
鍛鋼品,鋳鋼品及び鋳鉄品は,次の規格に適合したものとし,種類,形状寸法等は特
記による。
JIS G3201(炭素鋼鍛鋼品)
JIS G5101(炭素鋼鋳鋼品)
JIS G5102(溶接構造用鋳鋼品)
JIS G5111(構造用高張力炭素鋼及び低合金鋼鋳鋼品)
JIS G5501(ねずみ鋳鉄品)
JIS G5502(球状黒鉛鋳鉄品)
JIS G4051(機械構造用炭素鋼鋼材)
2. 6. 8
溶 接 材
料
溶接材料は,次の規格に適合したものとし,溶接工法に適した材料を使用する。
JIS Z3211(軟鋼用被覆アーク溶接棒)
JIS Z3212(高張力鋼用被覆アーク溶接棒)
JIS Z3214(耐候性鋼用被覆アーク溶接棒)
JIS Z3312(軟鋼及び高張力鋼用マグ溶接ソリッドワイヤ)
JIS Z3313(軟鋼,高張力鋼及び低温用鋼用アーク溶接フラックス入りワイヤ)
2. 6. 9
金
網
金網は,次の規格に適合したものとし,種類,形状寸法等は特記による。ただし,コ
ンクリート舗装版に使用する溶接金網は,鉄線径6㎜,網目 150㎜を標準とする。
− 25−
2章
材
料
JIS G3551(溶接金網及び鉄筋格子)
JIS G3552(ひし形金網)
2. 6.10
鋼製ぐい及び
鋼
矢
板
鋼製ぐい及び鋼矢板は,次の規格に適合したものとし,種類,形状寸法等は,特記に
よる。
JIS A5523(溶接用熱間圧延鋼矢板)
JIS A5525(鋼管ぐい)
JIS A5526(H形鋼ぐい)
JIS A5528(熱間圧延鋼矢板)
JIS A5530(鋼管矢板)
2. 6.11
鋼 製 支 保 工
鋼製支保工は,次の規格に適合したものとし,種類,形状寸法等は特記による。
JIS G3101(一般構造用圧延鋼材)
JIS B1180(六角ボルト)
JIS B1181(六角ナット)
JIS B1186(摩擦接合用高力六角ボルト・六角ナット・平座金のセット)
2. 6.12
鉄線じゃかご
鉄線じゃかごは,次の規格に適合したものとし,種類,形状寸法等は特記による。
JIS A5513(じゃかご)
2. 6.13
コ ル ゲ ー ト
パ
イ
プ
コルゲートパイプは,次の規格に適合したものとし,種類,形状寸法等は特記による。
2. 6.14
ガードレール・
ガードパイプ
(a) ガードレール(路側用・分離帯用・歩道用)の各材料は,次の規格に適合したもの
JIS G3471(コルゲートパイプ及びコルゲートセクション)
とし,種類,形状寸法等は特記による。
(1) ビーム(袖ビームを含む)及びブラケット
JIS G3101(一般構造用圧延鋼材)
(2) 支柱
JIS G3444(一般構造用炭素鋼鋼管)
(3) ボルト及びナット
JIS B1180(六角ボルト)
JIS B1181(六角ナット)
(b) ガードパイプ(歩道用)の各材料は,次の規格に適合したものとし,種類,形状寸
法等は,特記による。
(1) パイプ及び支柱
JIS G3444(一般構造用炭素鋼鋼管)
− 26−
2章
材
料
(2) ブラケット
JIS G3101(一般構造用圧延鋼材)
(3) 継手
JIS G3101(一般構造用圧延鋼材)
JIS G3444(一般構造用炭素鋼鋼管)
(4) ボルト及びナット
JIS B1180(六角ボルト)
JIS B1181(六角ナット)
(c) アルミ製又はステンレス製のガードレール・ガードパイプ等の種類,
形状寸法等は,
特記による。
2. 6.15
鉄 線 及 び
ワイヤロープ
鉄線及びワイヤロープは,次の規格に適合したものとし,種類,形状寸法等は特記に
よる。
JIS G3532(鉄線)
JIS G3525(ワイヤロープ)
7節
2. 7. 1
材 料 一
般
囲障等
(a) 囲障等に使用する材料は,特記された形状寸法,品質を有しているもので,錆,腐
れ等変質のないものとする。
(b) 鉄及び鋼材は,じんあいや油類等で汚損しないようにするとともに,防錆処理を行
う。
2. 7. 2
ネットフェンス
(a) 構成部材は,JIS A6518(ネットフェンス構成部材)の規格に適合したものとし,
種類,形状寸法等は特記による。
(b) 金網は,ひし形金網を標準とし,その他の場合は特記による。
2. 7. 3
パ イ プ
柵
2. 7. 4
防 球 ネ ッ ト
パイプ柵に使用する材料は,2.6.14 ガードレール・ガードパイプの規定による。
(a) 支柱は, JIS G3444(一般構造用炭素鋼鋼管)又は JIS G3452(配管用炭素鋼管)
の規格に適合したものとし,種類,形状寸法等及び製造所は特記による。
支柱にコンクリート製ポールを使用する場合には,特記による。
(b) ネットの種類,規格,寸法等は,特記による。
− 27−
2章
8節
2. 8. 1
材 料 一
般
材
料
セメント及び混和材料
セメント及び混和材料は,気象等の影響を受けていない良好な品質を有し,かつごみ
その他の不純物を含まないものとする。
2. 8. 2
セ メ ン
ト
セメントは,2.8.1表の規格に適合したものとし,種類は特記による。
2.8.1表
名
称
JIS規格番号
ポルトランド
JIS R5210
セメント
セメントの種類
区
分
適
要
( a ) 普 通 ポル ト ラ ン ド
低アルカリ形については附属書
( b ) 早 強 ポル ト ラ ン ド
による
(c)中庸熱ポルトランド
(d)超早強ポルトランド
高炉スラグの分量(質量%)
高炉セメント
JIS R5211
(a)A種高炉
5を超え30以下
(b)B種高炉
30を超え60以下
(c)C種高炉
60を超え70以下
シリカ質混合材の分量(質量%)
シリカセメント
JIS R5212
(a)A種シリカ
5を超え10以下
(b)B種シリカ
10を超え20以下
(c)C種シリカ
20を超え30以下
フライアッシュの分量(質量%)
フライアッシュ
セメント
2. 8. 3
混 和 材
料
JIS R5213
(a)A種フライアッシュ
5を超え10以下
(b)B種フライアッシュ
10を超え20以下
(c)C種フライアッシュ
20を超え30以下
混和剤は, JIS A6204(コンクリート用化学混和剤)の規格に適合したものとし,種
類はAE剤又はAE減水剤,高性能AE減水剤とし,その他の場合は特記による。
2. 8. 4
コンクリート
用
水
コンクリートに使用する水は,原則としてJIS A5308(レディーミクストコンクリー
トの附属書3(規定)[レディーミクストコンクリートの練混ぜに用いる水]
)の規格に
適合したもととしとし,油,酸,塩類,有機不純物,懸濁物等コンクリート及び鋼材の
品質に悪影響を及ぼす物質の有害量を含んではならない。
9節
2. 9. 1
レディーミクス
トコンクリート
(a) 構造物に使用するコンクリートは,原則として JIS A5308(レディーミクストコン
クリート)の規格に適合したものとし,その他のコンクリートを使用する場合は特記
による。
− 28−
レディーミクストコンクリート
2章
材
料
(b) レディーミクストコンクリートを用いる場合は,次の条件を満たすものとする。
(1) 工場は,JISマーク表示許可工場で,かつ,コンクリート製造に係る指導及び
品質管理を行う施工管理技術者が置かれ,良好な品質管理が行われていること。な
お,JISマーク表示許可工場が工事現場近くにない場合は,監督職員と協議する。
(2) 施工管理技術者は,コンクリートの製造,施工,試験等にかかわる指導及び品質
管理を行う能力を有し,証明する資料等を監督職員に提出し,承諾を受けた者であ
ること。
(3) 工場の選定に際しては,現場までの運搬時間,荷卸し時間,コンクリートの製造
能力,運搬車数,工場の製造設備,品質管理状態等を考慮しなければならない。
(4) 施工に先立ち,あらかじめ配合試験を行い 2.9.1表の示方配合表を作成し監督職
員の承諾を受ける。
2.9.1表
粗骨材の スランプ
最大寸法
(㎜)
(㎝)
2. 9. 2
設計基準強度
水セメ
ント比
W/C
空気量
(%)
(%)
示方配合表
単位量 (㎏/m3)
細骨材率
s/a
水
(%)
W
セ メ ン ト 混和材 細骨材 粗骨材 混和剤
C
F
S
G
A
コンクリートの設計基準強度,スランプ及び粗骨材最大寸法等は,特記による。特記
のない場合は,2.9.2表 による。
2.9.2表
設計基準強度
呼び
σck
強度
N/㎜2
―
無筋
コンク
リート
18
最大骨
材寸法
(㎜)
25〈20〉
スランプ
18
8
24
24
24
24
曲げ
4.5
曲げ
4.5
造
物
の
種
類
セメント
の種類
均しコンクリート
重力式擁壁等
8
25〈20〉
鉄 筋
コンク
リート
構
(㎝)
40〈20〉
18
設計基準強度及びスランプ等
25〈20〉
8
通常の構造物 管きょ,側溝,基礎コンクリート,
高炉B
胴込コンクリート,裏込コンクリート,
集水桝,広場,歩道,駐輪場等
片持ち梁式擁壁,控え壁式擁壁,
通常の構造物
暗きょ,共同溝,コンクリート法枠等
特に強度を必 スラブ橋等
要とするもの
40〈20〉 2.5㎝又は コンクリート 車道,駐車場等
沈下度30秒 舗装
普通ポル
トランド
高炉B
注 1.
〈 〉は,砕石の場合を示す。
2. コンクリート舗装用の設計基準強度は,曲げ強度とする。
3. この表によりがたい場合は,監督職員と協議する。
− 29−
2章
2. 9. 3
モ ル タ
ル
材
料
(a) 使用するセメントは,2.8.2セメント の規定による。
(b) 使用する水は,2.8.4コンクリート用水 の規定による。
(c) 使用する砂は,良質で塩分,ごみ,泥及び有機物等を有害量含まないものとし,粒
度は,2.9.3表 を標準とする。
(d) 練り混ぜ後1時間以上経過したものは使用してはならない。
2.9.3表
種
10節
2.10. 1
材 料 一
般
砂の粒度
類
最大粒径
敷きモルタル
下塗り
5㎜
張付モルタル
一般
ユニットタイル
2.5㎜
1.2㎜
目地モルタル
化粧目地
0.6㎜
セメントコンクリート製品
(a) セメントコンクリート製品は,有害なひび割れ,欠け及び反り等のないものとする。
(b) コンクリート中の塩化物含有量の限度は,塩化物イオン(Cl−)の総量で 0.3㎏/m3
以下とする。
2.10. 2
セメントコン
クリート製品
(JIS規格品)
セメントコンクリート製品は,次の規格に適合したものとし,種類,形状寸法等は特
記による。
JIS A5361(プレキャストコンクリート製品−種類,製品の呼び方及び表示の通則)
JIS A5364(プレキャストコンクリート製品−材料及び製造方法の通則)
JIS A5365(プレキャストコンクリート製品−検査方法通則)
JIS A5371(プレキャスト無筋コンクリート製品)
JIS A5372(プレキャスト鉄筋コンクリート製品)
JIS A5373(プレキャストプレストレストコンクリート製品)
JIS A5406(建築用コンクリートブロック)
JIS A5506(下水道用マンホールふた)
2.10. 3
セメントコン
クリート製品
(JIS規格品以外)
− 30−
JIS規格品以外のセメントコンクリート製品を使用する場合は,特記に示す規格による。
2章
材
11節
2.11. 1
材 料 一
般
料
瀝青材料
舗装に使用する瀝青材料は,舗装の種類,施工方法,交通量及び気象条件等を考慮す
る。
2.11. 2
舗 装 用 石 油
アスファルト
舗装用石油アスファルトは,2.11.1表の規格に適合したものとし,種類は一般地域で
は60∼80,積雪寒冷地域は 80∼100を標準とする。その他の場合は,特記による。
2.11.1表
舗装用石油アスファルトの規格(JIS K2207)
種
類
項 目
針入度(25℃)
1/10㎜
軟 化 点
℃
伸
度(15℃)
㎝
トルエン可溶分質量
%
引 火 点
℃
薄膜加熱質量変化率
%
薄膜加熱針入度残留率 %
蒸発後の針入度比
%
密
度(15℃)
g/㎝3
ストレートアスファルト
60∼80
80∼100
60を超え80以下
80を超え100以下
44.0∼52.0
42.0 ∼50.0
100以上
99.0以上
260以上
0.6以下
55以上
50以上
110以下
1.000以上
注 1. 各種類とも 120℃,150℃,180℃のそれぞれにおける動粘度
を試験表に付記する。
2. 試験方法は,JIS K2207 (石油アスファルト)の規定による。
− 31−
2章
2.11. 3
アスファルト
乳
剤
材
料
アスファルト乳剤の規格及び用途は,2.11.2表の規格に適合したものとする。
なお,排水性舗装は,ゴム入りアスファルト乳剤とし,2.11.3表の規格に適合したも
とする。
2.11.2表
アスファルト乳剤の規格(JIS K2208)
種類及び記号
項
目
カチオン乳剤
PK−1
エングラー度(25℃)
PK−2 PK−3
3∼15
PK−4 MK−1
1∼6
ふるい残留分(1.18㎜)質量%
付
着
度
2/3以上
―
密粒度骨材混合性
質量%
セメント混合性
質量%
−
−
―
―
―
−
5以下
−
―
質量%
蒸 針入度(25℃)1/10㎜
発
残
留 トルエン可溶分 質量%
物
貯蔵安定度(24hr)
60以上
1.0以下
−
57以上
60を超え
200以下
98以上
60を超え
300以下
97以上
質量%
1以下
―
途
50以上
100を超え 150を超え 100を超え 60を超え
200以下
300以下
300以下
150以下
凍結安定度(−5℃)
温暖期浸
透用及び
表面処理
用
粗粒子,
塊がない
こと
寒冷期浸
透用及び
表面処理
用
注)種類記号の説明
− 32−
―
陽(+)
蒸発残留分
用
2∼30
均等であ
ること
粒子の電荷
な
MN−1
3∼40
均等であ
ること
―
土まじり骨材混合性
MK−2 MK−3
0.3以下
粗粒度骨材混合性
主
ノニオン乳剤
―
1以下
―
−
プ ラ イ ム タックコ 粗粒度骨 密 粒 度 骨 土まじり セメント
コ ー ト 用 ート用
材混合用 材混合用 骨材混合 ・乳剤
及びセメ
用
安定処理剤
ント安定
処理層養
生用
P:浸透用
M:混合用
K:カチオン系
N:ノニオン系
2章
材
2.11.3表
記
項
料
ゴム入りアスファルト乳剤の規格
号
目
PKR−T1
PKR−T2
エングラー度(25℃)
ふるい残留分(1.18㎜)質量%
付着度
粒子電荷
蒸発残留分
質量%
針入度(25℃)
1/10㎜
針 度( 7℃)
㎝
蒸 針 度( 5℃)
㎝
発 軟化点
℃
残 タフネス(25℃)
N・m
留 タフネス(15℃)
N・m
度 テナシティ(25℃)
N・m
テナシティ(15℃)
N・m
灰分
質量%
貯蔵安定度(24時間) 質量%
凍結安定度(-5℃)
1∼10
0.3以下
2/3以上
陽(+)
50以上
60を超え100以下
100を超え150以下
100以上
−
−
100以上
48.0以上
42.0以上
3以上
−
−
4以上
1.5以上
−
−
2以上
1.0以下
1以下
−
粗粒子,塊がない
こと
注 1. PKR−T1は春∼秋期にPKR−T2は冬期に使用する。
2.11. 4
そ の 他
瀝 青 材
の
料
その他の瀝青材料は,以下の規格に適合したものとする。
JIS A6005(アスファルトルーフィングフェルト)
JIS K2439(クレオソート油・加工タール・タールピッチ)
− 33−
2章
12節
2.12. 1
アスファルト
混
合
物
材
料
アスファルト混合物
(a) アスファルト混合物の種類,粒度範囲及びマーシャル安定度試験基準値は,2.12.1
表,2.12.2表の規格に適合したものとする。なお,使用する混合物の種類は,特記に
よる。
2.12.1表
混合物の種類
区
分
最大粒径(㎜)
混合物の種類と粒度範囲の標準
粗粒度ア 密粒度ア 細粒度ア 密粒度ア 細粒度ア 密粒度ギ 細粒度ギ 開粒度ア 透水性ア 排水性ア
スファル スファル スファル スファル スファル ャップア ャップア スファル スファル スファル
ト混合物 ト混合物 ト混合物 ト混合物 ト混合物 スファル スファル ト混合物 ト混合物 ト混合物
ト混合物 ト混合物
(20)
(13)
(13)
(13F)
(13F)
(13F)
(13F)
(13)
(13)
(13)
基層
表層
表層
表層
表層
表層
表層
―
―
―
20
13
13
13
ふるいの呼び
寸法(目の開き)
25 (26.5㎜)
20 (19
13
13
13
13
13
13
通過質量百分率
%
100
㎜)
95∼100
100
100
100
100
100
100
100
100
100
13 (13.2㎜)
70∼ 90
95∼100
95∼100
95∼100
95∼100
95∼100
95∼100
95∼100
95∼100
90∼100
5 (4.75㎜)
35∼ 55
55∼ 70
65∼ 80
52∼ 72
75∼ 90
45∼ 65
60∼ 80
23∼ 45
11∼ 35
11∼ 35
2.5 (2.36㎜)
20∼ 35
35∼ 50
50∼ 65
40∼ 60
65∼ 80
30∼ 45
45∼ 65
15∼ 30
10∼ 20
10∼ 20
0.6 (600μm)
11∼ 23
18∼ 30
25∼ 40
25∼ 45
40∼ 65
25∼ 40
40∼ 60
8∼ 20
―
―
0.3 (300μm)
5∼ 16
10∼ 21
12∼ 27
16∼ 33
20∼ 45
20∼ 40
20∼ 45
4∼ 15
―
―
0.15 (150μm)
4∼ 12
6∼ 16
8∼ 20
8∼ 21
15∼ 30
10∼ 25
10∼ 25
4∼ 10
―
―
0.075 (75μm)
2∼
4∼
4∼ 10
6∼ 11
8∼ 15
8∼ 12
8∼ 13
標準
アスファルト量
地
域
別
7
4.5∼6%
一般及び
寒冷地域
8
5∼7%
一般地域
5.5∼
7.5%
7.5∼
9.5%
寒冷地域
2.12.2表
混合物の種類
7.5∼
9.5%
6∼8%
2∼
7
3.5∼
5.5%
―
3∼
7
4∼6%
―
3∼
7
4∼6%
―
マーシャル安定度試験基準値
粗粒度ア 密粒度ア 細粒度ア 密粒度ア 細粒度ア 密粒度ギ 細粒度ギ 開粒度ア 透水性ア 排水性ア
スファル スファル スファル スファル スファル ャップア ャップア スファル スファル スファル
ト混合物 ト混合物 ト混合物 ト混合物 ト混合物 スファル スファル ト混合物 ト混合物 ト混合物
ト混合物 ト混合物
(20)
(13)
(13)
(13F)
(13F)
(13F)
(13F)
(13)
(13)
(13)
突固め回数
両面各々
安定度(kN)
4.90以上
フロー値
(1/100㎝)
20∼40
50
3.43以上 4.90以上 3.92以上 3.43以上 3.43以上 3.43以上
20∼80
20∼40
20∼40
20∼40
20∼40
20∼40
空隙率(%)
3∼ 7
3∼ 6
3∼ 6
3∼ 5
2∼ 5
3∼ 5
3∼ 5
―
16以上
20以上
飽和度(%)
65∼85
70∼85
70∼85
75∼85
75∼90
75∼85
―
―
―
―
(b) アスファルト混合物に用いるアスファルトは,2.11.2 舗装用石油アスファルト に
よる。なお,排水性アスファルト混合物に用いるアスファルトは,別途考慮する。
− 34−
2章
2.12. 2
再生アスファ
ル ト 混 合 物
材
料
(a) アスファルトコンクリート再生骨材は,ごみ,泥及び有機物等を有害量含まないも
のとする。
(b) アスファルトコンクリート再生骨材は,2.12.3表の規格に適合したものとする。
2.12.3表
アスファルトコンクリート再生骨材の品質
旧アスファルト 旧アスファルト
含有量 (%)
針入度(25℃)1/10㎜
アスファルトコンク
リート再生骨材
3.8以上
洗い試験で失わ
れる量 (%)
20以上
5以下
注 1. 各項目は,13∼0㎜の粒度区分のものに適用する。
2. アスファルトコンクリート再生骨材中に含まれる旧アスファルト含有量及び
75μmふるいによる水洗いで失われる量は,再生骨材の乾燥試料質量に対する
百分率で表したものである。
3. 洗い試験で失われる量は,試料のアスファルトコンクリート再生骨材の水洗
い前の75μmふるいにとどまるものと水洗い後の75μmふるいにとどまるものを,
乾燥もしくは60℃以下の乾燥炉で乾燥し,その質量差を求めたものである
(旧アスファルトは再生骨材の質量に含まれるが,75μmふるい通過分に含ま
れる旧アスファルトは微量なので,洗い試験で失われる量の一部として扱う)。
(c) 再生用添加剤は,労働安全衛生法施行令に規定されている特定化学物質を含まない
もので,2.12.4表の規格に適合したものとする。
2.12.4表
再生用添加剤の品質(プラント再生の場合)
項
目
標準的性状
動
粘
度(60℃) cSt
(㎜2/s)
引
火
点
80∼1,000
(80∼1,000)
℃
230以上
薄膜加熱後の粘度比(60℃)
2 以下
薄膜加熱質量変化率 %
密
組
成
分
± 3 以下
度 (15℃) g/㎝3
報
告
析
報
告
注) 比重及び組成分析結果を付記するものとする。
(d) 再生アスファルト混合物の組成及び用途,品質等は,2.12.1アスファルト混合物
の規定に準じる。
− 35−
2章
13節
2.13. 1
材 料 一
般
材
料
広場・歩道舗装材料
(a) 路盤材料は,2.3.9 路盤用材料 の規定による。
(b) セメントコンクリートは,2.9.1 レディーミクストコンクリート の規定による。
(c) モルタルは,2.9.3 モルタル の規定による。
(d) アスファルト混合物は,2.12.1 アスファルト混合物 の規定による。
2.13. 2
インターロッキング
ブ ロ ッ ク
(a) インターロッキングブロックは,2.13.1表の規格に適合したものとする。
2.13.1表
種
インターロッキングブロックの品質
類
曲 げ 強 度
寸法許容差
普通インターロッキングブロック
4.9N/㎜2
{50㎏f/㎝2}以上
±3㎜
透水性インターロッキングブロック
2.9N/㎜2
{30㎏f/㎝2}以上
植生用インターロッキングブロック
3.9N/㎜2
{40㎏f/㎝2}以上
透水係数
―
1×10-2㎝/sec
―
(b) インターロッキングブロックの種類,形状寸法等は,特記による。
(c) ブロック厚は,広場・歩道用60㎜を標準とする。
(d) サンドクッションに用いる砂は,最大粒径が5㎜以下で,かつ,シルト分が少ない
小石等を含まないものとする。
(e) 目地砂は,最大粒径が 2.5㎜以下のものとする。
2.13. 3
コンクリート
平
板
等
(a) コンクリート平板は,特記による。
(b) 敷砂,目地砂は,2.13.2 インターロッキングブロック の規定による。
(c) 視覚障害者誘導用ブロックは,特記による。
2.13. 4
れ ん が
等
(a) 普通れんがは, JIS R1250(普通れんが)の3種の規格に適合したものとする。
(b) 木れんがは舗装用木れんがとし,死節又は腐れのない良質のまつ,からまつ,ひの
き及びけやき等とし,種類,形状寸法,防腐処理は,特記による。
(c) 敷砂,目地砂は,2.13.2 インターロッキングブロック の規定による。
2.13. 5
舗 装 タ イ ル
(a) 舗装タイルは, JIS A5209(陶磁器質タイル)の規格に適合した磁器質タイル又は
せっ器質タイルとし,種類は,特記による。
(b) 役物の使用及び形状等は,特記による。
2.13. 6
舗 装 用 石 材
− 36−
舗装用石材は, 2.3.2 積石・敷石 の規定による。
2章
材
14節
2.14. 1
材 料 一
般
料
運動場材料
運動場に使用する舗装材料は,運動場の用途,規模,使用頻度等を考慮する。
ただし,地域の特性その他の事情により下記以外の材料を使用する場合は,監督職員
と協議する。
2.14. 2
ス ク リ ー
ニ ン グ ス 類
(a) 石灰スクリーニングス・緑色スクリーニングスの粒径は,おおむね 2.5㎜以下の細
かい部分を使用し,粒度範囲は,2.14.1表の規格に適合したものとし,種類は特記に
よる。
2.14.1表
ふるいの呼び寸法
(目の開き)
呼び名
石灰スクリーニングス
緑色スクリーニングス
運動場用スクリーニングスの粒度範囲の標準
通過質量百分率(%)
5
(4.75㎜)
2.5
(2.36㎜)
0.6
(600μm)
0.3
(300μm)
0.15
(150μm)
0.075
(75μm)
100
85∼100
25∼55
15∼40
7∼28
0∼20
F-2.5
(b) 火山砂利(軽石)は,火山れきを粉砕したもので最大粒径40㎜以下とし,雑物を含
まないものとする。
(c) 火山砂利スクリーニングスは,火山れきを粉砕し,粒径(0∼5㎜)に調整したも
のとし,ごみ,泥及び有機物等の混入しないものとする。
2.14. 3
運 動 場 用 土
運動場用土は次の材料とし,種類は特記による。
(a) 荒木田土は,荒川河川沿に産する砂質ローム土で木根,草根等の雑物が混入してな
いものとする。
(b) 真砂土は,花崗岩質の風化土で,粗大粒,雑物の混入しない比較的粘着性のあるも
のとする。
(c) 黒土は,黒色又は黒褐色で,適度な粘性と弾力があり,透水性も良好なものとする。
(d) 赤土は,洪積世に火山灰が堆積した砂質ロームで,木根,草根等の雑物が混入して
いないものとする。
(e) アンツーカは,特殊粘土を高温で焼き上げ,薬品処理をしてから粒度を調えた人工
土とする。
2.14. 4
化
粧
砂
化粧砂の粒度範囲は,2.14.2表とし,ごみ及び泥等を含まないもので,有機不純物は,
JIS A1105 (細骨材の有機不純物試験方法)の規格に適合したものとする。
− 37−
2章
材
2.14.2表
化粧砂の粒度範囲
ふるいの呼び寸法
(目の開き)
呼び名
化粧砂(洗砂)
2.14. 5
苦
汁
料
通過質量百分率(%)
10
(9.5㎜)
5
(4.75㎜)
2.5
(2.36㎜)
1.2
(1.18㎜)
0.6
(600μm)
0.3
(300μm)
0.15
(150μm)
100
90∼100
80∼100
50∼90
25∼65
10∼35
2∼10
苦汁は,主成分が塩化カルシウム又は塩化マグネシウムのものとし,種類は特記によ
る。
2.14. 6
芝
等
(a) 運動施設用の芝は,2.15.3 芝 の規定による。
(b) 目土は,粘性土含量の少ない,砂,砂壌土を使用する。
(c) 土壌改良材は,2.15.5 土壌改良材 の規定による。
(d) 肥料は,2.15.8 肥料 の規定による。
2.14. 7
全天候系舗装の
表
層
材
全天候舗装の表層材の種類は,2.14.3表とし,使用する材料,表面仕上げ,製造所等
は特記による。
2.14.3表
塗布式工法
全天候系舗装の表層材の種類
アスファルト乳剤系
アクリル樹脂系
エチレン酢ビ系
クロロプレン系
敷均し転圧工法
アスファルト弾性混合物系
ゴムチップウレタン系
流し込み工法
ポリウレタン樹脂系
複合弾性工法
敷張り工法
組立て工法
2.14. 8
附 属 品 及 び
付 帯 施 設
合成ゴム敷物系
ゴムチップシート系
人工芝織物系
人工芝砂入り系
高分子成形品
(a) 運動場に設置する附属品及び付帯施設は,その使用に際して十分な強度や安全性を
持つものとする。
(b) 公認陸上競技場の附属品及び付帯施設は,
(財)日本陸上競技連盟検定品とする。
(c) その他の附属品,付帯施設等の規格及び製造所等は,特記による。また,競技に使
用するものは,それぞれの競技団体の定める規格を優先する。
− 38−
2章
15節
2.15. 1
植
栽
土
材
料
植栽材料
(a) 植栽土として使用する土は,植物の生育に適した発生土を原則とする。
(b) 植栽土の品質基準及び試験方法は,日本農学会法による。
(c) 発生土が植栽土として不適合と判断される場合は,監督職員と協議する。
(d) 芝の養生に使用する目土は,他の種子及び病害虫の混入していない植栽土とする。
(e) 人工地盤上の植栽等に使用する建物緑化用の植栽土等の種類,規格等は,特記によ
る。
2.15. 2
樹
木
(a) 樹木は,枝葉が密生し発育良好で,病虫害がなく四方向とも樹姿の良いものとし,
植栽に耐えるようにあらかじめ移植又は根回しをした細根の多い栽培品とし,樹種,
規格,寸法,株立等は特記による。
(b) 樹木の高さ,葉張り,幹回り等は次による。
(1) 高さ,葉張り及び幹回りの寸法は,整姿したものによる。
(2) 高さは,根元(接地部)から樹冠頂までの寸法とする。
(3) 葉張りは,前後左右の平均値とする。
(4) 幹回りは,根元から高さ 1.2mの樹幹周長とし,幹が2本以上あるものは,総和
の70%以上の寸法とする。ただし,当該箇所に枝がある場合は,その上部の寸法を
とり,枝の部分は含まない。
(5) 刈り込みものは,枝葉が密生し,四方向とも均質のものとする。
(6) 2本以上の株立を用いる場合の樹高は,1本は所定の樹高に達していること,他
は所定の樹高の70%以上に達しているものとする。
(c) 樹木は,鉢土をつけ,縄又はこもで堅固に根巻きする。ただし,落葉した樹木は,
根元直径の6倍程度の根株をつけ,その部分を乾燥防止のため,こもなどで覆って搬
入することができる。なお,苗木の場合は,必要に応じて,鉢土をつける。
(d) 建物の屋上や屋内等の人工地盤上に植栽する樹木は,各々の環境条件に適用させる
よう栽培したものとし,樹種,寸法等は,特記による。
2.15. 3
芝
(a) 芝は,生育が良く緊密な根茎を有し,茎葉の萎縮,徒長,むれ,病害虫等のないも
のとする。また,切取り後,すみやかに運搬するものとし,乾燥,むれ,傷み,土崩
れ等のない良質なものとする。
(b) 芝の種類は,特記による。また,芝の形状は,張芝,播芝,種子吹付及び筋芝等の
施工方法に適したものとする。
(c) 筋芝及び耳芝の芝縁の幅は, 140㎜以上とする。
(d) 芝ぐし(割竹)は,頭部を節止めにした長さ 150㎜以上のものとする。
(e) 種子は,採取後2年以内のもので,きょう雑物を含まない発芽率80%以上のものと
する。
− 39−
2章
2.15. 4
地 被 植
物
材
料
地被植物は,原則として栽培品とし,葉,根部とも生育良好で病虫害及び損傷等のな
いものとし,地被植物の種類,規格等は特記による。
2.15. 5
土 壌 改 良 材
土壌改良材の種類,品質等は,特記による。特記がなければ,有害なものが混入して
いないバーク堆肥又は発酵下水汚泥コンポストとし,植栽基盤の面積1m3当たりの使
用量は,バーク堆肥の場合は50ç,発酵下水汚泥コンポストの場合は10çとする。
2.15. 6
種子吹付材等
(a) 種子吹付材,種子帯の種類,品質及び配合は,特記による。
(b) 種子は,採取後2年以内のもので,きょう雑物を含まない発芽率80%以上のものと
する。
(c) 肥料は,窒素,りん酸及びカリの3成分を有するものとし,土壌の肥沃度を考慮し
配合する。
(d) 養生剤は,種子,ファイバーが吹付面に十分に密着するものを使用し,植物の生育
に有害な成分を含まないものとする。
2.15. 7
風 除 支 柱 材
(a) 支柱材として使用する丸太は,曲がり,腐れのない防腐処理加工されたものとし,
支柱の形状寸法等は,特記による。
(b) 竹は,腐食及び病虫害のない良質なものとする。
(c) 景観を考慮し,特殊な支柱材を使用する場合の材料及び形状寸法は,特記による。
(d) 人工地盤上の植栽に設ける風除支柱材は,建物の下地や仕上げに支障のないものと
し,種類,品名及び製造所等は,特記による。
2.15. 8
肥
料
2.15. 9
マルチング材
− 40−
肥料は,遅効性肥料を原則とする。種類,使用量等は,特記による。
マルチング材の種類,使用量等は,特記による。
2章
材
16節
2.16. 1
目
地
材
料
その他の材料
(a) 注入目地材
(1) コンクリート構造物用注入目地材は,コンクリート版の膨張,収縮に順応し,コ
ンクリートとよく付着し,ひび割れが入らないものとし,種類は,特記による。
(2) 水に溶けず水密性のものとする。
(3) 高熱時に軟化・流出しにくく,低温時に耐衝撃性があり,土砂等異物の侵入を妨
げ,かつ耐久性のあるものとする。
(4) 加熱施工式注入目地材は,加熱したときに分離しないものとし,2.16.1表の規格
に適合したものとする。
2.16.1表
加熱施工式注入目地材の品質の標準
試 験 項 目
低弾性タイプ
高弾性タイプ
針入度(円すい針)㎜
6以下
9以下
―
初期貫入量0.5∼1.5㎜
復元率60%以上
弾性(球針)
流
れ
㎜
5以下
3以下
引 張 量
㎜
3以上
10以上
注 1.高弾性タイプは,寒冷地又は交通量が多い場合に用いる。
2. 試験方法は,
「セメントコンクリート舗装要綱((社)日本道路協会)」に
よる。
(5) 常温施工式注入目地材に使用するプライマー,バックアップ材及びボンドブレー
カ等は,シーリング材製造所の仕様による。
(b) 目地板
(1) コンクリート構造物用目地板は,コンクリートの膨張,収縮によく順応し,耐久
的なもので,コンクリート打設時に大きく変化しないものとし,種類,寸法等は,
特記による。
(2) 舗装用目地板は,杉板2等厚9㎜とする。その他の場合は,特記による
2.16. 2
塗
料
(a) さび止め塗料は,油性系さび止め塗料とする。その他の場合は,特記による。
(b) 中塗り,上塗り塗料は,合成樹脂調合ペイントとする。その他の場合は,特記によ
る。
(c) 塗料は, JIS規格に適合したものとする。また,希釈剤は,塗料と同一製造所の製
品を使用するものとする。
(d) 塗料は,原則として工場調合したものを使用し,製造後12か月(ジンクリッチペイ
ントの亜鉛粉末は6か月)を超えたものは,使用してはならない。
(e) 塗料の製造所名,使用製品名一覧等を,監督職員に提出する。
− 41−
2章
2.16. 3
区
画
線
材
料
区画線は, JIS K5665(路面標示用塗料)の規格に適合したものとし,種類は2.16.2
表3種1号(溶融)を標準とする。その他の場合は,特記による。
2.16.2表
種類
規格番号
路面標示用塗料
規格名称
施工期の条件
1種
2種
常温
JIS K5665
路面標示用塗料
3種
2.16. 4
壁 タ イ
ル
ガラスビーズ
適
要
液状
加熱
溶融
1号
粉体状
(a) 壁タイルは, JIS A5209(陶磁器質タイル)の規格に適合したものとし,形状寸法
等は,特記による。
(b) 役物の使用及び形状は,特記による。
(c) 下地モルタル,張付けモルタルは,2.9.3 モルタル の規定による。
2.16. 5
名
板
等
(a) 名板等の材質,形状寸法等は,特記による。
(b) 加工品については,製作前に施工図を作成し,監督職員の承諾を受ける。
2.16. 6
接
着
剤
接着剤は,接着,埋込み,打継ぎ,充填及びライニング注入等の使用目的に適する性
質のものとする。
2.16. 7
合成樹脂製品
合成樹脂製品は,次の規格に適合したもの等とし,種類,形状寸法等は,特記による。
JIS
JIS
JIS
JIS
JIS
JIS
JIS
A6008(合成高分子系ルーフィングシート)
C8430(硬質塩化ビニル電線管)
K6739(排水用硬質塩化ビニル管継手)
K6741(硬質塩化ビニル管)
K6742(水道用硬質塩化ビニル管)
K6743(水道用硬質塩化ビニル管継手)
K6745(プラスチック−硬質ポリ塩化ビニルシート−タイプ,寸法及び特性
−第1部:厚さ1㎜以上の板)
JIS K6761(一般用ポリエチレン管)
JIS K6762(水道用ポリエチレン二層管)
JIS K6773(ポリ塩化ビニル止水板)
JSWAS K-1(下水道用硬質塩化ビニル管)
JSWAS K-3(下水道用硬質塩化ビニル卵形管)
JSWAS K-4(下水道用高剛性硬質塩化ビニル卵形管)
JSWAS K-5(下水道用高剛性硬質塩化ビニル管)
JSWAS K-7(下水道用硬質塩化ビニル製ます)
JSWAS K-9(下水道用硬質塩化ビニル製小型マンホール)
AS-58
(排水用リサイクル硬質塩化ビニル管)
AS-59
(硬質塩化ビニルリサイクル三層管)
AS-38
(屋外排水用硬質塩化ビニル管継手)
− 42−
2章
2.16. 8
路
盤
紙
材
料
路盤紙は,ポリエチレンフィルムとし,厚さ0.15mm以上のものとする。その他の場合
は,特記による。
2.16. 9
安定シート・
透 水 シ ー ト
2.16.10
その他の材料
シートは,盛土材料やフィルター材料に適合したもので,種類及び製造所等は,特記
による。
本体仕様書に規定のない材料は,特記による。
− 43−
3章
3章
仮
設
仮
設
1節
3. 1. 1
適
用
工
工
一般事項
この章は,工事用道路工,仮橋・作業構台工,路面覆工,土留工,仮設H鋼くい,仮
設鋼矢板,建込簡易土留,軽量鋼矢板,水替工,地下水位低下工,仮水路工,電力・用
水設備工,足場等設備工,防塵対策工,防護施設工,除雪工その他これらに類する仮設
工の工種に適用する。
3. 1. 2
施 工 一
般
(a) 仮設工は,特記に従い関係法令を遵守し,請負者の責任において施工する。
(b) 特記にある場合を除き,工事完了後,仮設物を完全に撤去し,原形に復旧する。
(c) 仮設工の施工に伴い生じた建設副産物については,1.3.8 発生材の処理等 の規定
により適切に処理する。
(d) 建設副産物の運搬処理を行う場合は,運搬物が飛散しないように行う。
2節
3. 2. 1
工事用道路工
仮設道路等
(a) 工事用道路とは,工事用の資機材や土砂を運搬するために仮に施工された道路をい
う。
(b) 工事用道路は,予定交通量,地形,気候を的確に把握し,周囲の環境に影響のない
ように計画する。
(c) 工事用道路に一般交通がある場合には,交通整理員や案内標識等を設置し,一般交
通の支障とならないようその維持管理に努める。
(d) 工事用道路の施工は,路面の不等沈下,盛土,法面の崩壊等が起こらないように締
固める。
(e) 工事用道路と一般道路の接続部は,交通整理員や案内標識等を設置し事故防止に努
める。
3. 2. 2
仮 橋 ・ 作 業
構
台
工
(a) 仮橋,作業構台は,通行車両に見合う構造とする。
(b) 覆工板と仮橋上部との接合を行うに当たり,隅角部の設置に支障があるときはその
対策を行う。
(c) 仮橋,作業構台には,高欄等を設置し,安全対策を行う。
3. 2. 3
路 面 覆
工
(a) 路面覆工の施工は,覆工板間の段差,隙間,覆工板表面の滑り及び覆工板の跳ね上
がり等が生じないよう行う。
(b) 路面覆工部に資機材の搬入口を設置する場合は,周囲に手摺り等を設けるとともに
関係者以外の立ち入りの防止対策を行う。
−44−
3章
仮
設
工
(c) 路面に勾配がある場合は,
覆工板の受桁に荷重が均等にかかるようにするとともに,
受桁が転倒しない構造とする。
3節
3. 3. 1
施 工 一
般
土留工
(a) 土留工を施工するに当たり,周囲の状況,掘削深さ,土質,地下水位,作用する土
圧,載荷重等を考慮し,十分安全な工法を検討する。
(b) 仮設H鋼ぐい,仮設鋼矢板の打込みに先立ち溝掘りを行い,埋設物の位置を確認す
る。ただし,明らかに埋設物がないことが確認されている場合は,省略することがで
きる。
(c) 埋設物を確認した後,一般の交通を開放する必要がある場合には,路面に段差が生
じないよう仮復旧を行う。
(d) タイロッド・腹起しあるいは切梁・腹起しの取付けにあたって,各部材が一様に働
くように締付けを行う。また,盛替梁の施工は,土留めの変状に注意し,切梁・腹起
し等の撤去を行う。
(e) 埋戻し箇所の残材,廃物,木くず等を除去し,1層の仕上がり厚さが 300㎜以下に
なるよう均一に締固めながら埋戻しを行う。
(f) 構造物の隣接箇所や狭い箇所において埋戻しを行う場合は,小型締固め機械を使用
し均一になるように仕上げる。
(g) 埋戻しを行うに当たり,埋設物周辺の埋戻しは,偏土圧が作用しないように埋戻し
を行う。
(h) 河川構造物付近のように水密性を確保しなければならない箇所の埋戻しは,埋戻し
材に含まれる石が一箇所に集中しないように施工する。
(i) 仮設H鋼ぐい,鋼矢板等の引抜き跡は,沈下等地盤の変状が生じないよう空洞を砂
等で充填する。
(j) 躯体妻部の処理のための簡易土留を施工する場合は,躯体に損傷等の悪影響を与え
ないようにする。
(k) アンカーの施工については,埋設物や周辺家屋等に影響を与えないように行う。
(l) 土留材料の運搬及び保管は,変形を生じないように取り扱いに注意する。
3. 3. 2
仮設H鋼ぐい
(a) 仮設H鋼ぐいの打込みにおいて,打込み方法及び使用機械は,打込み地点の土質条
件,施工条件に応じたものを選定する。
(b) ウォータージェットを用いて仮設H鋼ぐい等を施工する場合には,最後の打止まり
を落錘等で貫入させ落ち着かせる。
(c) 横矢板の施工は,掘削と並行してはめ込み,横矢板と掘削土壁との間に隙間が生じ
ないよう行う。
−45−
3章
3. 3. 3
仮 設 鋼 矢 板
仮
設
工
(a) 仮設鋼矢板の打込みにおいて,打込みの方法及び使用機械は,打込み地点の土質条
件及び施工条件等に応じたものを選定する。
(b) 仮設鋼矢板の打込みは,定規等を設置して,ぶれ,よじれ及び倒れを防止するとと
もに,隣接する矢板が共下がりしないように注意して施工する。
(c) ウォータージェットを用いて仮設鋼矢板を施工する場合には,最後の打止まりを落
錘等で貫入させ落ち着かせる。
3. 3. 4
建 込 み 簡 易
土
留
工
(a) この工法は,
ヒービング及びボイリング等のおそれがないことを確認して施工する。
(b) パネル押込み前の先掘深さは,背面土砂が崩落しない深さで 300㎜程度とする。
(c) 押込みにはプロテクターを使用し左右均等に行い,切梁の水平角度が5度を超えな
いように施工する。
(d) 土留板と背面土に隙間が生じた場合には,周辺地盤に影響を生じないよう砂詰め等
を行う。
(e) 建込み作業は打撃によって行わない。
(f) 引抜きはトラッククレーン等で行う。
3. 3. 5
軽 量 鋼 矢
板建込み土留工
(a) この工法は,
ヒービング及びボイリング等のおそれがないことを確認して施工する。
(b) 掘削と同時にトラッククレーン等により軽量鋼矢板を建込む。
(c) 支保工に木材を使用する場合は,腐れ,曲がり等のない良質なものを使用する。
4節
3. 4. 1
水
替
工
水替工
(a) ポンプ排水を行うに当たり,土質等の確認によって,クイックサンド,ボイリング
が起きないことを検討するとともに,想定される湧水や雨水等の流入水を十分に排水
する能力を有する機械を選定する。
(b) 排水によって,法面や掘削地盤面の崩壊を生じないように管理する。
(c) 排水は,沈砂槽に貯留させてから最寄りの水路,下水道等へ当該管理者の許可を得
て放流する。
3. 4. 2
地下水位低下工
(a) ウェルポイントあるいはディープウェルを行うに当たり,工事着手前に土質の確認
を行い,地下水位,透水係数,湧水量等を確認するとともに,施工中も常時観測等を
行う。
(b) 周辺に井戸がある場合には,状況の把握につとめ被害を与えないようにする。
(c) 排水は,沈砂槽に貯留させてから最寄りの水路,下水道等へ当該管理者の許可を得
て放流する。
−46−
3章
3. 4. 3
仮 水 路
工
仮
設
工
(a) 仮設管を埋設する場合は,通行車両等により破損しないよう設置する。
(b) 仮設管の撤去後,埋戻しを行う場合には,埋戻しに適した土を用いて締固めながら
埋戻しを行う。
(c) 素堀側溝を設ける場合は,雨水や流水によって法面が崩壊しないよう,十分締固め
を行う。
5節 設 備 工
3. 5. 1
電 力 ・ 用 水
設
備
工
(a) 受電設備,配電設備,電動機設備,照明設備及び用水設備は,必要となる電力量及
び用水量等を把握し,工事に支障が生じない設備を設置する。
(b) 工事の安全確保に係わる設備については,停電時等の非常時の対応に配慮したもの
とする。
(c) 騒音が予見される設備を設置する場合は,防音対策を講じる等,周辺環境に配慮す
る。
3. 5. 2
足場等設備工
(a) 足場設備,防護設備及び登り桟橋の設置に際して,自重,積載荷重,風荷重及び水
平荷重を考慮して,転倒あるいは落下が生じない構造とする。
(b) 高所等へ足場を設置する場合には,作業員の墜落及び吊荷の落下等が起こらないよ
う関係法令に基づき,手摺,防護ネット等の防護工を行う。
6節
3. 6. 1
防 塵 対 策 工
その他の仮設工
(a) 工事車両が車輪に泥土,土砂を付着したまま工事区域から外部に出るおそれがある
場合には,タイヤ洗浄装置及びこれに類する装置を設置し,その対策を行う。
(b) 工事車両の走行等によって砂塵の被害を第三者に及ぼさないように,必要に応じて
散水あるいは路面清掃を行う。また,住宅等に近接している場合は,必要に応じて防
塵ネット等の対策を行う。
3. 6. 2
防 護 施 設 工
(a) 工事の施工に当たり,第三者に影響を与えることが予想される場合は,仮囲い,立
入防止柵,歩行者誘導路,案内標識等を設置する。
(b) 岩掘削に発破を使用する場合の防護施設は,関係法令に基づき十分安全な構造,設
備とする。
3. 6. 3
除
雪
工
(a) 現場内の除雪を行う場合は,工事中の構造物等に損傷を与えないように注意して行
う。
(b) 雪捨て場は,監督職員と協議する。
(c) 運搬処理を行う場合は,運搬物が飛散しないようにシート等で覆い運搬する。
−47−
4章
4章
敷 地造成及び土 工
敷地造成及び土工
1節
4. 1. 1
適
用
一般事項
この章は,土木工事に係る,大規模土工,小規模土工,地盤改良工その他これらに類
する工種に適用する。
4. 1. 2
安 全 管
理
(a) 工事の施工に先立ち現地踏査(工事区域周辺を含む。)を行い,現場内外の排水状
態,土砂流出,危険箇所等を把握する。
(b) 工事期間中は,安全巡視を行い,工事区域及びその周辺の監視を行い安全を確保す
る。
4. 1. 3
排 水 処
理
工事箇所の湧水・滞水等は,施工前に適切な排水処理を行うとともに,施工中も滞水
が生じないよう常に良好な排水状態を維持する。
4. 1. 4
土及び岩の分類
土及び岩の分類は,4.1.1表,4.1.2表のとおりとし,現状の土質については特記によ
る。なお,設計図書に示された土質及び岩の分類の境界が現地の状況と一致しない場合
は,監督職員に報告するとともに,確認のために必要な資料を提出する。
4.1.1表
名
称
れき れき質土
質土 れき混じ
り土
砂
砂質
土及 砂質土
び砂 (普通土)
土
粘性土
粘
性
土
−48−
高含水比
粘性土
説
れきの混入があって掘
削時の能率が低下する
もの
バケット等に山盛り形
状になりにくいもの
掘削が容易で,バケッ
ト等に山盛り形状にし
易く空隙の少ないもの
バケット等に付着し易
く空隙の多い状態にな
り易いもの,トラフィ
カビリティが問題とな
り易いもの
バケット等に付着し易
く特にトラフィカビリ
ティが悪いもの
土の分類
明
日本統一土質分類法
による土の簡易分類
との対応
れきの多い砂
れきの多い砂質土
れきの多い粘性土
海岸砂丘の砂
真砂土
砂質土,真砂土
粒度分布のよい砂
条件のよいローム
れき(G)
れき質土(GF)
ローム
粘性土
シルト(M)
粘性土(C)
条件の悪いローム
条件の悪い粘性土
火山灰質粘性土
シルト(M)
粘性土(C)
火山灰質粘性土(V)
有機質土(O)
砂(S)
砂(S)
砂質土(SF)
シルト(M)
4章
敷 地造成及び土 工
4.1.2表
名
称
岩
岩の分類
説
明
摘
要
岩塊,玉石が混入して掘削しにくく,バケット等に空隙の 玉石混じり土
塊
岩塊
でき易いもの
玉
玉石
岩塊,玉石は粒径 7.5㎝以上とし,丸みのあるものを玉石 ごろごろした河床
石
岩塊,起砕された岩
とする
第三紀の岩石で固結の程度が弱いもの
風化がはなはだしくきわめてもろいもの
軟岩Ⅰ
岩 軟
指先で離しうる程度のもので亀裂の間隔は1∼5㎝くらいの
もの及び第三紀の岩石で固結の程度が良好なもの
風化が相当進み多少変色を伴い軽い打撃で容易に割れるも
ま
の,離れ易いもので,亀裂間隔は 5∼10㎝程度のもの
岩
た
地山弾性波速度
700∼
2,800m/sec
凝灰質で堅く固結しているもの
軟岩Ⅱ
風化が目に沿って相当進んでいるもの
亀裂間隔が10∼30㎝程度で軽い打撃により離しうる程度,
は
異質の堅い互層をなすもので層面を楽に離しうるもの
石灰岩,多孔質安山岩のように,特に緻密でなくても相当 地山弾性波速度
石
中硬岩
の堅さを有するもの
風化の程度があまり進んでいないもの
2,000∼
4,000m/sec
硬い岩石で亀裂間隔が30∼50㎝程度の亀裂を有するもの
硬
花崗岩,結晶片岩等で全く変化してないもの
硬岩Ⅰ
岩
亀裂間隔が1m内外で相当密着しているもの
硬い良好な石材を取りうるようなもの
けい岩,角岩等の石英質に富む岩質で最も硬いもの
硬岩Ⅱ
地山弾性波速度
3,000m/sec
以上
風化していない新鮮条件のもの
亀裂が少なく,よく密着しているもの
4. 1. 5
伐 開 除
根
(a) 切土又は盛土の施工に先立ち,伐開,伐木,除根及び除草を行う。発生物の処理は,
特記による。
(b) 監督職員に伐開,除根,除草作業終了の報告をした後でなければ,次の作業に着手
してはならない。
(c) 盛土高が5m以上となる場合の除草及び除根は,次による。
(1) 草丈が50㎝以下の場合は,除草は行わなくてもよい。
(2) 樹木の径が約50㎝以下の切株は,除根しなくてもよい。ただし,それが将来腐食
して盛土,構造物の基礎,地下構造物等に悪影響を及ぼすおそれがある場合は,監
督職員と協議する。
4. 1. 6
土 取 場 及 び
土
捨
場
(a) 土取場及び土捨場は,特記による。
(b) 指定された土取場・土捨場は,施工前に地形を実測し,資料を監督職員に提出する。
ただし実測困難な場合等は,これに代わる資料を提出する。
(c) 土の採取にあたっては,土取場の条件に応じた維持及び修復を行う。また,土の採
取中,土質に著しい変化があった場合は,ただちに監督職員と協議する。
−49−
4章
敷 地造成及び土 工
(d) 土砂運搬を行う場合は,運搬物が飛散しないように行う。
(e) 土捨場においては,雨水の排水処理等を含めて搬入土砂の周囲への流出防止対策を
行う。
4. 1. 7
軟弱地盤の盛土
(a) 沈下のおそれのある場所の盛土方法及び締固めは,地盤改良工法の検討を含め監督
職員と協議する。
(b) 沈下量確認方法は,次の各項目について監督職員と協議する。
(1) 運搬車両による確認
(2) 土取場における跡坪測量による確認
(3) 沈下板等による確認
(4) その他必要な記録
(c) 軟弱地盤及び地下水位の高い地盤上に盛土を行う場合は,速やかに排水施設を設け,
盛土敷の乾燥を図る。
(d) 盛土の一段階の高さは,軟弱地盤層の性状を考慮して定めるものとし,丁張り等の
変動,周囲の地盤の水平変位等を監視しながら盛土を施工し,結果を監督職員に提出
する。各段階の盛土に着手するときは,監督職員の承諾を受ける。
(e) 工事中予期しない地盤の沈下又は滑動等が生じた場合,あるいはそれらを生ずる傾
向があるときは,ただちに工事を中止し,すみやかに監督職員と協議する。ただし,
緊急を要する場合には,応急処置を施すとともに,監督職員に報告するものとする。
4. 1. 8
岩の切取施工
(a) 岩盤掘削は,掘過ぎに注意し,掘削部分以外に悪影響を及ぼさないようにする。特
に火薬を用いる場合に注意する。
(b) 発破作業を行う場合は,監督職員と協議する。
(c) 岩石切取箇所における法の仕上がり面近くでは,過度な発破を避けるものとし,浮
き石等が残らないようにする。
(d) 発破に際しては,安全のため岩石が飛散しないように注意し,特に狭い場所や家屋
に近い場合は,防護施設を設置する等適切な処置を行う。
−50−
4章
敷 地造成及び土 工
2節
4. 2. 1
施 工 一
般
大規模土工
敷地造成,道路土工等の大規模な土工事(切土,盛土)及びこれらに類する土工事の
施工は,この節及び1節による。
4. 2. 2
切 土 一
般
(a) 切土中に土質の著しい変化があった場合又は埋設物を発見した場合は,ただちに監
督職員と協議する。
(b) 切土施工中に自然に崩壊,地滑り等が生じた場合,あるいはそれらを生ずる傾向が
あるときは,ただちに工事を中止し,すみやかに監督職員と協議する。ただし,緊急
を要する場合には,応急処置を施すとともに監督職員に報告する。
(c) 路床面又は切土床面において,予期しない不良地盤が発見された場合あるいは均等
性に疑義がある場合には,監督職員と協議する。
(d) 指定された勾配で,法面の安定を欠くおそれのある場合及び転石等で法面の不陸を
生じるおそれのある場合等は,監督職員と協議する。
4. 2. 3
盛 土 一
般
(a) 盛土地盤に予期しない不良土質を発見した場合は,監督職員と協議する。
(b) 盛土施工中に沈下,滑り,崩落等の有害な現象を発見したときはただちに工事を中
止し,すみやかに監督職員と協議する。ただし,緊急を要する場合には,応急処置を
施すとともに監督職員に報告する。
(c) 盛土作業終了時又は作業を中断する場合は,表面に横断勾配を設けるとともに平坦
に締固め,排水が良好に行われるように維持する。
(d) 1:4より急な勾配を有する地盤上に盛土を行う場合は,斜面を段切りして盛土と
現地盤との密着を図り,滑動を防止するように施工する。
(e) 盛土は,水平な層で敷均し,均等に締固めながら逐次所定の高さまで盛り上げる。
(f) 盛土箇所に管きょ等がある場合は,盛土は両側から行い,偏圧のかからないように
入念に締固める。
(g) 盛土材が高含水比の粘性土(4>qc≧2)の場合又は水による浸食を受けやすい
砂質土の場合は,法面付近には用いないものとする。
4. 2. 4
盛土(道路)
(a) 水中で路体盛土を行う場合には,材料について監督職員の承諾を受ける。
(b) 路体盛土の主材料が岩塊,玉石である場合は,空隙を細かい材料で充填する。やむ
を得ず30㎝程度のものを使用する場合は,路体の最下層に使用する。
(c) 路体盛土部分を運搬路に使用する場合は,常に良好な状態に維持するものとし,路
体盛土に悪影響を及ぼさないようにする。
(d) 路床の盛土材の最大寸法は20㎝とする。
(e) 路床盛土の切土,盛土の横断方向の接続部には,1 : 4 程度の勾配をもって緩和区間
を設けるものとし,縦断方向の接続部には,岩の場合 1 : 5 以上,土砂の場合 1 : 1 0 程
−51−
4章
敷 地造成及び土 工
度のすり付け区間を設けて,路床支持力の不連続を避ける。
4. 2. 5
盛
土
(敷地造成)
(a) 谷部等を盛土する場合は,高まきにならないよう特に初期盛土時に注意する。
(b) 盛土箇所は,常に排水を考慮しながら作業を行い,まき出した土はその日のうちに
締固めまで行い,降雨による現場内の滞水がないようにする。
(c) 盛土材の最大寸法は,原則として100㎜(転石の場合は300㎜)とし,径が37.5㎜以
上のものの混入率は40%以下とする。
(d) 盛土材が高含水比の粘性土の場合には,施工中に随時ばっ気等を行い,含水比の低
下を図る。
4. 2. 6
締固め(道路)
(a) 締固めは各層ごとに入念に行う。一層の仕上がり厚さは, 300㎜を標準とする。な
お,路床部は, 200㎜を標準とする。
(b) 構造物の隣接箇所や狭あいな箇所の締固めは,適切な小型締固め機械を用い入念に
締固める。
(c) 締固め作業の実施に当たり,適切な含水比の状態で施工する。
4. 2. 7
締
固
め
(敷地造成)
(a) 締固め機種,締固め回数,まき出し厚さは,4.2.8試験盛土 によって定めるものと
する。ただし,盛土量が50,000m3以下の場合は,一層のまき出し厚さ30∼50㎝を標準
とし,試験盛土を省略することができる。
(b) 敷地造成の品質管理は,基準密度に対する百分率で管理する方法を標準とし,これ
によりがたい場合は空気間隙率,コーン指数で管理する方法による。
4. 2. 8
試
験
盛
土
(a) 試験盛土に先立ち,次の事項について試験計画書を作成し,監督職員に提出する。
(1) 試験盛土の位置及び時期
(2) 試験盛土の規模
(3) 試験盛土の方法(締固め機種,締固め回数,まき出し厚さ,締固め速度,施工含
水比等)
(4) 管理試験項目(締固め度測定,強度測定,沈下量測定等)及びその頻度
(b) 試験盛土は,監督職員の立会いのもとに行う。
(c) 試験盛土は,工事区域の代表的な土質ごとに行う。数種の土が混合されて盛土され
る場合には,混合された材料について行う。
(d) 試験盛土の位置は,平坦で排水が良好,かつ十分な支持力を有する箇所を選定する。
(e) 試験盛土の基礎地盤は,試験盛土に使用するものと同等の締固め機械により,4回
以上の予備締固めを行う。
(f) 機械の進入退出のための坂路と試験盛土の間には,3m以上の平坦区間を設ける。
(g) 試験盛土の方法は, 4.2.1表によるものとし,試験の測定項目は 4.2.2表によるも
のとする。なお,
「地盤調査法((社)地盤工学会)」に示された方法を参照する。
−52−
4章
敷 地造成及び土 工
4.2.1表
品質管理
の 方 法
品
試験盛土の方法
質
(a)基準密度に対す
る百分率で管理
管
理
工法管理
〔岩塊材料〕
(b)空気間隙率(及び
コーン指数)で管理
盛土の大きさ
幅 4m以上
長さ 10m以上
同上
まき出し厚さ
20∼50cm
3種以上換えて行う
同上
転圧回数
2∼10回まき出し厚さ1種につき4種以上換えて行う
同上
転圧機種
現場の土質に適した1又は2機種
同上
試験及び測定
4.2.2表による
試験結果と (a)まき出し厚さ,転圧 (b)まき出し厚さ,転圧回
まき出し厚さ,
まき出し厚さ 回数及び乾燥密度の関 数及び空気間隙率(及び 転圧回数及び表面
及び転圧回数 係から所定の締固め度 コーン指数)
の関係から,沈 下 量 の 関 係 か
の決定
の得られる組合わせを 所定の締固め度の得られ ら,組合せを決定
決定する。
る組合せを決定する。
する。
4.2.2表
試験及び測定項目と頻度
試 験 及 び 測 定 項 目
規
格
頻
度
締固め基準
土の含水比試験
JIS A1203
試験盛土の代表的試料
作成のため
土粒子の密度試験
JIS A1202
土を採取して実施する
の試験
れきのかさ比重及び吸水量試験
現場測定
─
突固めによる土の締固め試験
JIS A1210
含水比,現場密度測定
JIS A1203
JIS A1214
沈下(表面,内部)測定
原位置強度試験
─
転圧回数ごとに4か所
以上
土のコーン
指数試験等
締固め速度
毎
回
(h) 試験中に降雨のおそれがある場合には,防水シート類により盛土を被覆する。
(i) 試験盛土結果は,
「地盤調査法((社)地盤工学会)」の規定により整理し,報告書を
監督職員に提出する。
4. 2. 9
法 面 仕 上 げ
法面は,所定の勾配に仕上げるとともに,法尻,法肩が出入りしたり,法面が波打つ
ことのないように仕上げる。
4. 2.10
地盤面の整正
(a) 仕上げ面は,雨水等によって洗掘されないよう特に入念に締固める。
(b) 表面排水が法肩より流出しないように仕上げる。
(c) 仕上げ面下には,当該工事に使用した砕石類及び仮設構造物の撤去に伴って発生す
る発生材(木片,砕石,アスコン,コンクリート等)を混入させてはならない。
−53−
4章
敷 地造成及び土 工
(d) 表面仕上げの程度は,重機の著しい作業跡を残さないように仕上げる。
4. 2.11
地下水排水暗渠
土工事に伴う地下水,湧水の排水施設は,以下による。
(a) 床堀は,所定の勾配が保たれるように注意して施工する。
(b) 集水管の上流端は,土砂が流入しないように処置し,流末端を接続処理しないとき
は,常に良好な状態を保ち,土中に埋もれないように処置する。
(c) 集水管の接続部分は,外れないよう強固に固定する。
(d) 埋戻しは,集水管に偏圧がかからないよう入念に施工する。
3節
4. 3. 1
施 工 一
般
小規模土工
排水,擁壁,共同等の小規模な土工事(根切り,埋戻し)及びこれらに類する土工事
の施工は,この節及び1節による。
4. 3. 2
根
切
り
(a) 根切りは,地質の硬軟,地形の状況により適切な法勾配を選定し,必要に応じて土
留工等を施工して所定の深さに仕上げる。
(b) 根切り幅は,工事の施工が可能で,かつ安全な最小幅とする。
(c) 根切り箇所の近くに崩壊又は破損のおそれがある構造物等があるときは,悪影響を
及ぼさないよう施工する。
(d) 根切りは,切取り面が不安定な形とならないように行う。
(e) 予期しない埋設物が出た場合は,ただちに監督職員に報告し,その処置方法につい
て協議する。
4. 3. 3
床
付
け
(基面整正)
(a) 根切り仕上げ面は,極力地山を乱さないように,かつ不陸が生じないように施工す
る。
(b) 根切り仕上げ面に不安定な部分がある場合は,工事目的に適合する材料で置き換え
た後十分締固める。
4. 3. 4
埋
戻
し
(a) 埋戻しには,工事目的に適合する材料を用いる。
(b) 埋戻し箇所の残材,廃物,木くず等は,除去し,滞水等がある場合は排水を行った
後,埋戻しを行う。
(c) 埋戻しは,最適含水比に近い状態で1層の仕上り厚さが30㎝以下になるように均一
に締固める。
(d) 埋戻しは,構造物に悪影響を与えないように各層ごとに十分締固め,ブルドーザ等
により締固めができない狭あいな箇所は,適切な小型締固め機械を用い入念に締固め
る。
−54−
4章
敷 地造成及び土 工
4節
4. 4. 1
施 工 一
般
地盤改良工
(a) 軟弱地盤の改良に用いる工法は,特記による。
(b) この節に記載のない工法の施工方法,品質管理等は,監督職員と協議する。
4. 4. 2
表層混合処理工
(路床安定処理工)
(a) 安定材の種類,使用量は,特記による。
(b) 安定材の散布を行う前に現地盤の不陸整正,仮排水路等の設置を行い,地盤面に滞
水がないようにする。
(c) 所定の安定材を散布機械又は人力によって均等に散布する。なお散布,混合にあた
っては,防塵対策を行う。
(d) 散布終了後に適切な混合機械を用いて,特記の深さまで均一になるように混合する。
なお,混合中は,混合深さの確認を行う。
(e) 粒状の石灰を用いる場合には,一回の混合が終了した後仮転圧して放置し,生石灰
の消化を待ってから再び混合を行う。粉状の生石灰(0∼5㎜)を使用する場合は,一
回の混合とすることができる。
(f) 混合が終了したら表面を粗均しした後整形し,締固める。軟弱で締固め機械が入れ
ない場合には,湿地ブルドーザ等で軽く転圧を行い,数日間養生した後に整形し,タ
イヤローラ等で締固めを行う。
4. 4. 3
置
換
工
(a) 在来地盤を特記の深さまで掘削し,掘削面以下の層を乱さないように留意しながら
置換材料を一層の仕上がり厚さが 200㎜以下となるように敷均す。
(b) 構造物に有害な沈下及びその他の影響が生じないように十分締固める。
(c) 掘削面下に異状を発見したときは,監督職員と協議する。
4. 4. 4
サンドマット工
(a) サンドマットの施工は,在来地盤面の雑草等の除去及び不陸整正を行い,表面排水
を行った後,砂のまき出しを均一に行い,均等に荷重をかける。なお,サンドマット
の仕上げ厚さは,特記による。
(b) 砂の敷均しにあたっては,排水の効果を上げるため,原地盤の不良土の混入がない
ように注意深く施工する。
(c) 安定シートを敷設する場合は,サンドマット,盛土材の施工前に,地盤に十分付着
させ隙間なく敷設する。
(d) 使用するシート又はネットは,特記による。なお,シート又はネットの接合部は,
強度が小さく破損しやすいので,接合部と砂のまき出し方向が平行になるよう施工す
る。
−55−
4章
4. 4. 5
バーチカル・
ド レ ー ン 工
敷 地造成及び土 工
(a) バーチカルドレーンの施工範囲,打設本数,使用する材料等は,特記による。
(b) バーチカルドレーン内への材料の投入量を計測し,
確実に充填したことを確認する。
(c) サンドドレーンの打設に当たり,ケーシングの引抜き速度は,砂の充填及び圧気等
と関連して十分余裕をもった速度とし,ドレーンを切れ目なく施工する。
(d) 袋詰式サンドドレーン又はペーパードレーンの打設は,切断及び持ち上がりが生
じないよう施工する。
(e) 袋詰式サンドドレーン又はペーパードレーンは,敷砂面より1m程度地表面に出る
よう施工するものとし,これによりドレーンの位置,本数を確認する。
(f) 打設を完了したバーチカルドレーンの頭部は保護し,持続的な排水状態を維持する。
4. 4. 6
締固め改良工
サンドコンパク
ションパイル工
(a) 締固めによる地盤改良の施工範囲及び打設本数,使用する材料は,特記による。
(b) 地盤の状況を把握し,坑内へ特記に記載された粒度分布の材料を適切に充填する。
(c) 施工中の振動,騒音によって,施工現場周辺の地盤や,他の構造物並びに施設等へ
悪影響を及ぼさないように施工する。
−56−
5章
5章
1節
基
礎
工
基礎工
一般事項
5. 1. 1
適
用
この章は,土木構造物の基礎工その他これらに類する工種に適用する。
5. 1. 2
土
工
基礎工の土工事は,4章3節 小規模土工 の規定による。
2節
5. 2. 1
砕 石 基
礎
基礎工
(a) 基礎材に使用する砕石の規格は,特記による。
(b) 砕石は所定の厚さになるように敷均し,十分に締固める。
5. 2. 2
くい基礎一般
(a) くい基礎の種類,形状寸法等は特記による。
(b) 打込み方法及び使用機械等は,打込み地点の土質条件,立地条件及びくいの種類に
応じたものを選定する。
(c) 試験ぐいの施工は,特記による。特記がない場合は,原則として各基礎ごとに最初
の1本を試験ぐいとして施工する。なお,この試験ぐいは,基礎ぐいの一部として使
用できるように位置を考慮する。
(d) 打込みに際し,くい頭部を保護するため面取り,鉢巻及びキャップ等を使用する。
(e) 打込みに際し,くいが入らない場合あるいは全長を打込んでもなお所定の支持力に
足りないときは,監督職員と協議する。
(f) くいの打ち止め貫入量及び支持力については,監督職員の承諾を受ける。
(g) 打込み後に地表面の不陸や空洞及び周辺構造物の損傷を発見したときは,監督職員
に報告するとともに,原形に復旧する。
5. 2. 3
鋼 ぐ い
工
(a) くいの運搬及び保管にあたっては,くい表面,H形鋼ぐいのフランジ縁端部,鋼管
ぐいの継手及び開先部分などに損傷を与えないよう,又はその断面特性を考えて大き
なたわみ及び変形を生じないように取り扱いに注意する。
(b) くいの頭部を所定の高さに切りそろえる場合には,くいの切断面は水平かつ平滑な
状態で上部構造との接合を正しく行う。
(c) 現場継手については,アーク溶接継手とし,現場溶接に際しては溶接工の選定及び
溶接の管理,指導及び検査を行う溶接施工管理技術者を常駐させる。
(1) 溶接工は, JIS Z3801(手溶接技術検定における試験方法及び判定基準)に定め
られた試験の種類のうち,その作業に該当する試験(またはこれと同等以上の検定
試験)に合格したもので,かつ現場溶接の施工経験が6か月以上の者とする。
− 57−
5章
基
礎
工
ただし,半自動溶接を行う場合は, JIS Z3841(半自動溶接技術検定における試
験方法及び判定基準)に定められた試験のうち,その作業に該当する試験(または
これと同等以上の検定試験)に合格した者でなければならない。
(2) 溶接機は,十分な容量を有する直流又は交流アーク溶接機を用いるものとし,二
次側に電流計及び電圧計を備えておき,溶接作業場において容易に電流を調節しう
るものとする。溶接を行う場合の降雨及び降雪等により母材が濡れているとき及び
激しい風が吹いているときは,露天で溶接を行わない。また,気温が5℃以下のと
きは溶接を行わない。ただし気温が−10℃∼5℃の場合で,溶接箇所から 100㎜以
内の距離にある母材がすべて36℃以上に予熱されている場合は,施工することがで
きる。
(3) 溶接部は表面のさび,ごみ,泥等の有害な付着物をワイヤーブラシ等でみがいて
清掃し,乾燥させる。くい頭を打込みの打撃等により損傷した場合は整形する。
(4) 上ぐいの建て込みは,上下軸が一致するように行い,上ぐいの軸方向を異なる二
方向より確認し,一致しなければ溶接を行わない。
(5) 斜ぐいの溶接は,自重により継手が引張りを受ける側から開始する。
(6) H型鋼ぐいの溶接は,下ぐいのフランジの外側に継目板をあて周囲をすみ肉溶接
をした後,上ぐいを建て込み上下ぐい軸の一致を確認のうえ,継目板を上ぐいにす
み肉溶接する。突き合わせ溶接は,両側フランジ内側に対しては片面V形溶接,ウ
ェブに対しては両面K形溶接を行うものとする。ウェブに継目板を使用する場合,
継目板の溶接はフランジと同一の順序とし,
くい断面の突き合わせ溶接はフランジ,
ウェブとも片面V形溶接を行う。
くい頭部に丸鋼を溶接する場合は,(a)∼(c)に従う。
(7) その工事に従事する溶接工の資格証明書の写しを監督職員に提出する。また,溶
接工は資格証明書を常携する。
(8) 溶接完了後,欠陥の有無の確認を行い,その結果を監督職員に提出する。
5. 2. 4
プレキャスト
コンクリート
く
い
工
(a) くいの適用範囲,くいの取扱い及び施工法分類は JIS A7201(遠心力コンクリート
くいの施工標準)の規定による。
(b) くいの打込み,埋込み及び継手は, JIS A7201(遠心力コンクリートくいの施工標
準)の規定による。
(c) 中掘り工法で既製ぐいを施工する場合には,掘削及び沈設中は土質性状の変化やく
いの沈設状況などを観察し,くい先端部及びくい周辺地盤を乱さないように沈設しな
ければならない。
(d) 中掘り工法による施工で先端処理方法が打撃による打止めの場合は,試験ぐい等の
打止め条件に基づいて最終打止め管理を適正に行う。
(e) セメントミルク噴出撹拌方式又はコンクリート打設方式で先端処理を行う場合は,
くい先端が設計図書に示された支持層付近に達した時点で支持層の確認を行う。
− 58−
5章
基
礎
工
(f) セメントミルク噴出撹拌方式の場合は,過度の掘削や長時間の撹拌などによってく
い先端周辺の地盤を乱さないようにする。
(g) コンクリート打設方式の場合は,根固めを造成する生コンクリートを打込むにあた
り,孔底沈殿物(スライム)を除去した後トレミー管等を用いてくい先端部の根固めを
行う。
5. 2. 5
場 所 打 コ ン
クリートくい工
(a) 掘削機の据付け地盤は,作業中掘削機が傾くことがないよう注意し,据付けはくい
中心と機械掘削中心を正しく合わせる。
(b) 掘削機は,施工順序,機械進入路及び隣接構造物等の作業条件を考慮して機械の方
向を定め,水平に正しく据付ける。
(c) 掘削器具は,くい径及び地質に適したものを使用する。
(d) 掘削は,周辺地盤及び支持層を乱さないよう注意し,所定の支持地盤まで確実に掘
削する。
(e) 掘削は,地質に最も適した掘削速度で行う。
(f) 掘削にあたっては,掘削速度と排出土砂及び構内水位の変動を常に監視し,孔壁の
崩壊防止に努める。また,人工泥水を用いるときは,常に孔内の泥水濃度,比重等を
記録し,必要により適切な処理をする。
(g) 支持層は,地質柱状図と掘削深度及び掘削速度を参考にして,掘削深さ,掘削速度,
掘削土砂,地質柱状図及びサンプル等により確認する。孔底の沈澱物は,適切な方法
でこれを取り除く。
(h) 鉄筋かごは,建込み中及び建込み後,湾曲,脱落,座屈等を防止するとともに,く
い中心に正しく合わせ,垂直度を正確に保ち,ケーシングチューブのない工法では,
孔壁を壊さないよう静かに吊込む。
(i) 鉄筋の組立ては,コンクリート打込みの際,動かないようアーク溶接で十分堅固に
組立て,運搬は変形を生じないように行う。
(j) 鉄筋かごの継手は,重ね継手を原則とする。
(k) コンクリート打込みは,原則としてトレミー管を用いて行い,打込み量及び打込み
高を常に計測する。トレミー管先端とコンクリート打上がり高の関係をトレミー管の
配置,コンクリート打込み数量より検討し,トレミー管をコンクリート内に原則とし
て2m以上入れておく。
(l) ケーシングチューブの引抜きは,鉄筋かごの共上がりを起こさないよう注意すると
ともに,原則としてケーシングチューブ先端をコンクリート打上がり面より2m以上
コンクリート内に入れておく。
(m) コンクリート打込みは,連続して行い,レイタンス部分を除いて品質不良のコンク
リート部分を見込んで設計図書に示す打上り面より 0.5m以上余分に打込む。余分に
打込んだ部分は,硬化後取壊し,設計図書に示す高さに仕上げる。
(n) くいの施工に伴ない発生するコンクリートガラ,泥土等は,1.3.8 発生材の処理等
− 59−
5章
の規定により適切に行う。
− 60−
基
礎
工
6章
6章
無 筋及 び 鉄筋 コ ンク リ ート
無筋及び鉄筋コンクリート
1節
6. 1. 1
適
用
一般事項
(a) この章は,無筋及び鉄筋コンクリート構造物に使用するコンクリート工,鉄筋工,
型枠工その他これらに類する工種に適用する。
(b) この章に記載のない事項は,
「コンクリート標準示方書((社)土木学会編)」による。
6. 1. 2
特
殊
コンクリート
マスコンクリート,水密コンクリート,水中コンクリート,海洋コンクリート等の施
工方法,養生方法等は,監督職員と協議する。
2節
6. 2. 1
施 工 一
般
コンクリート工
(a) コンクリートは,原則として JIS A5308(レディーミクストコンクリート)を使用
し,その施工は本節による。ただし,コンクリートの使用量が少なく本節によりがた
い場合は,監督職員と協議する。
(b) 使用するコンクリートの強度,スランプ,骨材の最大寸法等は,2.9.2 設計基準強
度による。
(c) コンクリートに含まれる塩化物量は,塩化物イオン(Cl )の総量で0.3㎏/m3以下と
 ̄
し,その他の場合は特記による。
(d) アルカリ骨材反応抑制対策
構造物に使用するコンクリートについては,アルカリ骨材反応を抑制するため,
次の3つの対策の中のいずれか1つを行う。なお,土木構造物については,ア),イ)
を優先して行う。
ア) コンクリート中のアルカリ総量の抑制
アルカリ量が表示されたポルトランドセメント等を使用し,コンクリート
1m3に含まれるアルカリ総量をNa20換算で 3.0kg以下にする。
イ) 抑制効果のある混合セメント等の使用
JIS R5211(高炉セメント)の規格に適合した高炉セメント(B種又はC種)
又は JIS R5213(フライアッシュセメント)の規格に適合したフライアッシュ
セメント(B種又はC種)若しくは混和材をポルトランドセメントに混入した
結合材で,アルカリ骨材反応抑制効果の確認されたものを使用する。
ウ) 安全と認められる骨材の使用
JIS A1145(骨材のアルカリシリカ反応性試験方法(化学法))又はJIS A1146
(骨材のアルカリシリカ反応性試験方法(モルタルバー法))及びJIS A5308(レ
ディーミクストコンクリートの附属書2(規定)アルカリシリカ反応抑制対策
の方法)の結果で無害と確認された骨材を使用する。
− 61−
6章
無 筋及 び 鉄筋 コ ンク リ ート
(e) 海水又は潮風の影響を著しく受ける海岸付近及び外部から浸透する塩化物の影響を
受ける箇所において,アルカリ骨材反応による損傷が構造物の安全性に重大な影響を
及ぼすと考えられる場合には,塩分の浸透を防止するための塗装等の措置方法につい
て監督職員と協議する。
6. 2. 2
打 込 み 準 備
(a) コンクリートの打込みに先立ち,鉄筋及び型枠等が設計図書に基づき所定の位置に
配置されていることを確認する。
(b) 運搬装置,打込み設備及び型枠内を清掃し,コンクリート中に雑物の混入すること
を防ぐ。また,コンクリートと接して吸水するおそれのある型枠等は,凍結する場合
を除き十分湿らせておく。
(c) 基礎部分の木くず,廃物,滞留水等は,コンクリートの打込み前に排除する。
(d) コンクリートを打込む場合は,前日までに監督職員に報告する。
6. 2. 3
運
搬
車
(a) 運搬車は,練り混ぜたコンクリートを十分均一に保持し,材料の分離を起こさずに,
容易に完全に排出できるトラックアジテータを使用する。
(b) 運搬距離が短く,平坦な運搬路が設けられ,コンクリートの材料分離を防ぐことが
できる場合は,手押し車等を使用することができる。
6. 2. 4
運 搬 装
置
コンクリートポンプを用いる場合は,
「コンクリートポンプの施工指針((社)土木学
会)」の規定による。また,コンクリートプレーサー,ベルトコンベアその他を用いる
場合も材料の分離を防ぐよう配置する。
6. 2. 5
シ ュ ー
ト
シュートを用いる場合には,縦シュートを用いるものとし,漏斗管あるいはこれと同
等以上の管を継ぎ合わせて作り,コンクリートの材料分離が起こりにくいものとする。
なお,これによりがたい場合は,監督職員の承諾を受ける。
6. 2. 6
コンクリート
打
込
み
(a) コンクリートは,すみやかに運搬し,ただちに打込み十分締固める。練り混ぜてか
ら打ち終わるまでの時間は,原則として外気温が25℃を超えるときで 1.5時間,25℃
以下のときで2時間以内とする。
(b) コンクリート打込みは,日平均気温が4℃を超え25℃以下の範囲に予想されるとき
に実施しなければならない。日平均気温がこの範囲にない場合は,6章5節 寒中コ
ンクリート,6章6節 暑中コンクリート の規定による。
(c) 打込み作業中は,鉄筋及び型枠等を乱さないように注意する。
(d) 打込んだコンクリートは,型枠内で横移動させてはならない。
(e) 打込み中は,材料分離が生じないよう注意する。
(f) 一作業区画内のコンクリートは,打込みが完了するまで連続して打込む。
(g) コンクリートは,その表面が一作業区画内でほぼ水平になるよう打込む。一層の打
込み高さは,構造物の形状及び締固め能力等を考慮し,均等で密実なコンクリートが
− 62−
6章
無 筋及 び 鉄筋 コ ンク リ ート
得られるように定める。
(h) コンクリートを2層以上に分けて打込む場合は,下層が固まり始める前に上層を打
込み,一体となるよう施工する。
(i) コンクリートが打込み部以外の型枠や鉄筋に付着し硬化するのを防ぐため,型枠に
投入口を設けるか,縦シュートあるいはポンプ配管,ホッパー等の吐出口を打込み面
近くまで下げて打込む。この場合の吐出口と打込み面までの高さは,原則として 1.5
m以下とする。
(j) コンクリートの打込み中,表面にブリージング水がある場合は,適切な方法で取り
除いてから打込む。
(k) コンクリートの打込み高さが大きい壁及び柱等に打込む場合は,ブリージングの悪
影響を少なくするため,コンクリートの1回の打込み高さや打上り速度を調整する。
6. 2. 7
沈下ひび割れの
防
止
スラブ又は梁のコンクリートが,壁又は柱のコンクリートと連続している場合には,
壁又は柱のコンクリートの収縮及び沈下に伴うひび割れを防止するため,壁又は柱のコ
ンクリートを打込んだ後,収縮及び沈下が落ち着いてからスラブ又は梁のコンクリート
を打込む。張出し部分を持つ構造物の場合も同様に施工する。
6. 2. 8
締
固
め
(a) コンクリートは打込み中及びその直後,鉄筋の周囲あるいは型枠のすみずみに行き
わたるよう,十分に締固めを行う。
(b) 締固めには内部振動機を用いるのを原則とし,作業は鉄筋及び型枠に悪影響を与え
ないように行う。
6. 2. 9
継
目
(a) 特記に定められていない継目を設ける場合には,構造物の強度,耐久性,機能及び
外観を害さないように,位置,方向及び施工方法を定め施工する。
(b) 打継目を設ける場合には,せん断力の小さい位置に設け,打継面を部材の圧縮力の
作用する方向を考慮して施工する。
(c) やむを得ずせん断力の大きい位置に打継目を設ける場合には,打継目に,ほぞまた
は溝を作るか,鋼材を配置して,これを補強する。
(d) 硬化したコンクリートに新しいコンクリートを打継ぐ場合には,その打込み前に型
枠を締め直し,硬化したコンクリートの表面のレイタンス,緩んだ骨材粒,品質の悪
いコンクリート,雑物等を取除き,吸水させる。また,構造物の品質を確保する必要
がある場合には,硬化したコンクリートの打継面はワイヤブラシで表面を削るか,チ
ッピング等によりこれを粗にして十分吸水させ,セメントペースト,モルタルあるい
は湿潤用エポキシ樹脂などを塗った後,新しいコンクリートを打継ぐ。
(e) 床組みにおける打継目は,スラブ又は梁のスパンの中央付近に設ける。また,床組
みと一体となった柱又は壁の打継目は,床組みとの境付近に設ける。ハンチは,床組
みと連続してコンクリートを打込む。張出し部分を持つ構造物の場合も同様にして施
− 63−
6章
無 筋及 び 鉄筋 コ ンク リ ート
工する。
(f) 伸縮継目の位置,材質,厚さ等は,特記による。特に定めのない場合は瀝青系目地
材料とし,厚さ10㎜,施工間隔は10m程度とする。
6. 2.10
表 面 仕 上 げ
(a) せき板に接して露出面となるコンクリートの仕上げにあたっては,平らなモルタル
の表面が得られるように打込み,締固めを行う。
(b) せき板に接しない面の仕上げにあたっては,締固めを終り,均したコンクリートの
上面にしみ出た水がなくなるか,又は上面の水を処理した後でなければ仕上げ作業に
かかってはならない。
(c) モルタル塗り仕上げ,金ごて仕上げ又はタイル張り及び張石等を行う場合は,特記
による。
6. 2.11
養
生
(a) コンクリートは,硬化に必要な温度及び湿度条件を保ち,有害な作用の影響を受け
ないように十分養生する。
(b) コンクリートの露出面は,養生マット,濡らした布等で覆うか又は散水及び湛水を
行い湿潤状態に保つ。湿潤状態に保つ期間は,普通ポルトランドセメントで5日以上,
早強ポルトランドセメントで3日以上,高炉セメントB種で7日以上とする。
3節
6. 3. 1
施 工 一
般
型枠工及び支保工
(a) 型枠及び支保工は,コンクリート部材の位置,形状及び寸法を確保し,構造物の品
質が確保できる性能を有するコンクリートが得られるよう堅固に組立てる。
(b) 型枠は,容易に組立て及び取り外すことができ,せき板又はパネルの継目は,原則
として部材軸に直角又は平行とし,モルタルの漏れない構造とする。
(c) コンクリートが,その自重及び施工中に加わる荷重を受けるのに必要な強度に達す
るまで,型枠及び支保工を取り外してはならない。
6. 3. 2
型
枠
(a) 型枠の締付けは,ボルト又は棒鋼による。締付け材は,型枠を取り外した後,コン
クリート表面に残さない。取り去った穴はモルタル等を充填する。
(b) 型枠の内面にはく離剤を均一に塗布するとともに,はく離剤が鉄筋に付着しないよ
うに施工する。
(c) 地盤面より上に出る部分は,原則としてコンクリートの角に面取りを施工する。そ
の他の場合は,特記による。
6. 3. 3
支
保
工
支保工は,十分な支持力を持つものとする。特に支柱は,沈下しないようにその受け
る荷重を適当な方法で地盤に分散させ,高さが高いときは転倒しないよう,つなぎ及び
筋かいを設ける。
− 64−
6章
無 筋及 び 鉄筋 コ ンク リ ート
4節
6. 4. 1
施 工 一
般
鉄筋工
鉄筋は,材質を害しない方法で詳細加工図に示す寸法に加工し,これを所定の位置に
正確に堅固に組立てる。
6. 4. 2
加
工
(a) 鉄筋は,常温で加工することを原則とする。
(b) 詳細加工図のない鉄筋の曲げは,次による。
(1) 普通丸鋼のフックは,半円形とし,異形鉄筋のフックは,半円形・直角・鋭角の
フックのいずれかとする。
(2) フックの加工形状は,次図による。
鉄筋端部のフックの形状
(3) 鉄筋のフックの曲げ内半径は,6.4.1表の値以上とする。
6.4.1表
種
類
フックの曲げ内半径
曲げ内半径(r)
フック
スターラップ及び帯鉄筋
普通丸鋼 SR235
SR295
2 φ
2.5φ
1φ
2φ
異形棒鋼 SD295A,B
SD345
2.5φ
2.5φ
2φ
2φ
(4) 異形鉄筋をスターラップに用いる場合は,直角フック又は鋭角フックを設ける。
帯鉄筋に用いる場合は,半円形フック又は鋭角フックを設ける。
− 65−
6章
無 筋及 び 鉄筋 コ ンク リ ート
(5) 折曲鉄筋の曲げ内半径は,鉄筋直径の5倍以上とする。また,コンクリート部材
の側面から2φ+20㎜以内の距離にある鉄筋を折曲鉄筋として用いる場合には,そ
の曲げ内半径を鉄筋直径の 7.5倍以上とする。
鉄筋曲げ加工図
(6) ラーメン構造のぐう角部の外側に沿う鉄筋の曲げ内半径は,鉄筋直径の10倍以上
とする。
鉄筋の隅各部図
(7) ハンチ・ラーメンのぐう角部等の内面に沿う鉄筋は,スラブ又は梁の引張りを受
受ける鉄筋を曲げず,ハンチの内側に沿って別の直線の鉄筋を用いる。
鉄筋のハンチ部の図
6. 4. 3
組
立
て
(a) 鉄筋は,組立てる前にこれを清掃し,浮きさびや鉄筋の表面に付いた泥,油,ペン
キ,その他鉄筋とコンクリートの付着を害するおそれのあるものを取り除く。
(b) 鉄筋は,適切な位置にこれを配置し,コンクリートを打込むとき動かないよう十分
堅固に組立てる。必要に応じて組立て用鉄筋を用いる。また,鉄筋の交点の要所は,
直径 0.8㎜以上の焼きなまし鉄線又は適切なクリップで緊結する。
(c) 鉄筋のかぶりを保つため,適切な間隔にスペーサを配置する。スペーサは,原則と
してコンクリート製又はモルタル製で,本体コンクリートと同等以上の品質を有する
ものとし,その他のスペーサを用いる場合は,監督職員の承諾を受ける。
− 66−
6章
6. 4. 4
鉄 筋 の 継 手
無 筋及 び 鉄筋 コ ンク リ ート
(a) 鉄筋の継手位置は,特記による。特記されていない位置に継手を設ける場合は,継
手の位置及び方法について監督職員の承諾を受ける。
(b) 重ね継手は,所定の長さを重ね合わせて直径 0.8㎜以上の焼きなまし鉄線で数箇所
緊結する。
(c) 将来の継ぎ足しのために構造物から露出しておく鉄筋は,損傷,腐食等を受けない
ようにこれを保護する。
(d) 鉄筋の継手位置は,相互にずらして同一位置に集めてはならない。そのための継手
位置を軸方向に相互にずらす距離は,継手の長さに鉄筋直径の25倍を加えた長さ以上
とする。また,引張応力の大きい部分では,鉄筋の継手をできるだけ避ける。
(e) 重ね継手は,鉄筋直径の30倍以上重ね合わせる。ただし,スターラップは鉄筋直径
の60倍以上重ね合わせる。
(f) 継手部と隣接する鉄筋との開き又は継手部相互の開きを,粗骨材の最大寸法以上と
する。
6. 4. 5
ガ ス 圧
接
(a) 適用範囲
鉄筋を酸素,アセチレン炎を用いて加熱し,圧力を加えながら接合するガス圧接に
適用する。
熱間押抜法の施工は,「鉄筋のガス圧接工事標準仕様書((社)日本圧接協会)」によ
る。
(b) 圧接技能者
圧接作業に従事する技能者は,工事に相当した JIS Z3881(鉄筋のガス圧接技術検
定における試験方法及び判定基準)による技量を有する者とし,証明する資料等を監
督職員に提出し,承諾を受ける。
(c) 圧接作業
圧接作業は,次によるほか,有害な欠陥を生じさせないように行う。
(1) 鉄筋の種類が異なる場合及び鉄筋径の差が7㎜を超える場合は,圧接してはなら
ない。ただし,D41とD51の場合は,この限りではない。
(2) 突合わせた圧接面はなるべく平面とし,周辺の隙間は3㎜以下とする。
(d) 天候
降雨,降雪又は強風のときは,圧接作業を中止する。ただし,風よけ,覆い等の設
備をした場合は作業を行うことができる。
(e) 圧接試験
土木工事施工管理要領に示す検査方法により圧接部の試験を行い,合格又は不良圧
接部分の修正を行ったことを確認して次の工程に移る。試験の結果は監督職員に提出
する。なお,不良圧接部の修正を行った場合についてもその記録を整理し,監督職員
に提出する。
− 67−
6章
6. 4. 6
鉄筋のかぶり
無 筋及 び 鉄筋 コ ンク リ ート
鉄筋のかぶりは,特記に示されていない場合,6.4.2表の値以上とする。
6.4.2表
鉄筋コンクリートの最小かぶり(㎝)
環境等の条件
構造物の種類
一般の場合
条件が悪い場合
5(7.5)
7(10)
擁壁及び共同溝等の構造物
水路,側溝,桝及びブロック積
み基礎等の軽構造物
3
注 1.
(
)内の数値は,コンクリートを土砂及び基礎砕石に直接打
込む場合に用いる。
2.条件が悪い場合とは次による。
ア 海水に接するか,又は海上にあってしぶきがかかる場合
イ 塩化カルシウム等の凍結防止剤をたびたび使用する場所にある場合
ウ 流水によるすりへりのおそれがある場合
エ その他コンクリートが有害な影響を受けるおそれがある場合
6. 4. 7
配 筋 検
査
主要構造部の配筋は,コンクリート打込みに先立ち,原則として監督職員の検査を受
ける。
5節
6. 5. 1
施 工 一
般
寒中コンクリート
(a) 日平均気温が4℃以下になると予想されるときは,この節により寒中コンクリート
として施工する。
(b) 寒中コンクリートの施工にあたっては,材料,配合,練混ぜ,運搬,打込み,養生,
型枠及び支保工等についてコンクリートが凍結しないように対策を講じ,寒冷下にお
いてもコンクリートの品質が低下しないように施工する。
6. 5. 2
材
料
(a) 凍結している骨材又は氷雪の混入している骨材をそのまま用いてはならない。
(b) 混和剤は,AE剤,AE減水剤又は高性能AE減水剤とする。
(c) 材料を加熱する場合,水又は骨材を加熱することとし,セメントはどんな場合でも
直接これを熱してはならない。骨材の加熱は,温度が均等でかつ過度に乾燥しない方
法とする。
6. 5. 3
配合及び打込み
(a) 加熱した材料をミキサに投入する順序は,セメントが急結を起こさないように設定
する。
(b) 加熱した水と骨材の配合物の温度は,40℃を超えないようにする。
(c) コンクリートの練混ぜ,運搬及び打込みは,熱量の損失を少なくするように行う。
(d) コンクリートの練り上がり温度は,気象条件,運搬時間,施工条件等を考慮のうえ
定める。打込み時のコンクリート温度は,5∼20℃の範囲とし,最低温度は 6.5.1表
の規定による。
− 68−
6章
6.5.1表
無 筋及 び 鉄筋 コ ンク リ ート
寒中コンクリートの施工におけるコンクリート温度
断
面
薄い場合
普通の場合
厚い場合
13
7
5
打込み時のコンクリート最低温度(℃)
(e) 凍結している地盤上にコンクリートを打込んではならない。鉄筋,型枠等に氷雪が
付着しているときは,打込み前に取り除く。
6. 5. 4
養
生
(a) コンクリートの打込みを終了したときは,コンクリート表面の急冷による凍結を防
ぐため,すみやかにシートその他の材料で表面を覆って十分養生する。
(b) 養生中のコンクリート温度は,5℃以上とする。
(c) 養生期間は, 6.5.2表を標準とする。
6.5.2表
寒中コンクリートの養生期間
断面
構造物の露出状態
セメントの種類
養生
温度
(a) 連続してあるいはしばし
ば水で飽和される部分
(b) 普通の露出状態にあり,
(a) に属さない部分
5℃
10℃
5℃
10℃
普通の場合
普通
ポルトランド
早強ポルトランド,
普通ポルトランド+
促進剤
混合セメント
B種
9日
7日
4日
3日
5日
4日
3日
2日
12日
9日
5日
4日
注)W/C=55%の場合を示した。W/Cがこれと異なる場合は,増減する。
6. 5. 5
凍害を受けた
コンクリート
施工管理の不備によって凍害を受けたコンクリートは,取り除き再施工する。
6節
6. 6. 1
施 工 一
般
暑中コンクリート
(a) 日平均気温が25℃以上になると予想される時期は,この節により暑中コンクリート
を準備し,打込み時に気温が30℃以上になることが予想されるときは,暑中コンクリ
ートとして施工を行う。
(b) 暑中コンクリートの施工にあたっては,高温によるコンクリートの品質が低下しな
いように,材料,配合,練混ぜ,運搬,打込み及び養生等について,打込み時及び打
込み直後においてコンクリートの温度が低くなるよう対策を行う。
6. 6. 2
材
料
(a) コンクリート材料の温度は,品質が確保できる範囲まで下げて使用する。
(b) 混和剤は,AE減水剤遅延形Ⅰ種又は高性能AE減水剤遅延形Ⅰ種を標準とする。
− 69−
6章
6. 6. 3
運搬及び打込み
無 筋及 び 鉄筋 コ ンク リ ート
(a) コンクリートの運搬は,運搬中にコンクリートが乾燥したり,熱せられたりしない
ような装置・方法による。
(b) コンクリートを打込む前に基礎砕石,型枠等を十分湿潤にし,型枠,鉄筋等が直接
日光を受けて高温になるおそれがある場合には,散水,覆い等の適切な処置を行う。
(c) 打込み時のコンクリート温度は,35℃以下とする。
(d) 練り混ぜてから打ち終わるまでの時間は, 1.5時間以内とし,打込みは,コールド
ジョイントが生じないように迅速に行う。
6. 6. 4
養
生
(a) コンクリートの打込みを終了したときには,速やかに養生を開始し,コンクリート
の表面を乾燥から保護する。また,特に気温が高く湿度が低い場合には,打込み直後
の急激な乾燥によってひび割れが生じることがあるので,直射日光,風等を防ぐ。
(b) 養生日数は,5日以上とする。
− 70−
7章
車
7章
1節
7. 1. 1
適
用
道
舗
装
車道舗装
一般事項
この章は,車道,駐車場等のアスファルト舗装,セメントコンクリート舗装,インタ
ーロッキングブロック舗装,排水性舗装及び縁石,防護柵,区画線等の道路附属施設そ
の他これらに類する工種に適用する。
7. 1. 2
土
工
事
車道舗装の土工事は,4章2節 大規模土工 の規定による。
なお,道路附属施設の土工事は,4章3節 小規模土工 の規定による。
7. 1. 3
路 床 ・ 路 体
(a) 路床,路体の切土及び盛土の施工は,4章2節 大規模土工 の規定による。ただし,
施工規模,現場条件等から4章2節の規定によりがたい場合は,監督職員と協議する。
(b) 路床CBRの試験は,特記により実施する。試験方法は, JIS A1211(CBR試験
方法)の設計CBRによる。
2節
7. 2. 1
路 床 の 整 備
路盤工
(a) 路盤工の施工に先立って,路床面の有害物を除去する。また,路床面に異状を発見
したときは,監督職員と協議する。
(b) 路床の仕上がり面は,舗装の中央部,端部とも所定の高さを確保するとともに,均
一な支持力を得られるように施工する。
7. 2. 2
路 盤 材
料
(a) 路盤に使用する材料の種類は,特記による。
(b) 各材料は,均一に混合できる設備によって,規格に適合した粒度及び締固めに適し
た含水比が得られるように混合する。
7. 2. 3
敷
均
し
(a) 粒状路盤材(クラッシャラン,再生クラッシャラン)の敷均しにあたっては,材料
の分離に注意しながら,一層の仕上がり厚さが 200㎜以下になるように均一に敷均し
を行う。
(b) 粒度調整路盤材(粒度調整砕石,再生粒度調整砕石)の敷均しにあたっては,材料
の分離に注意しながら,一層の仕上がり厚さが 150㎜以下になるように均一に敷均し
を行う。
7. 2. 4
締
固
め
(a) 路盤材の締固めは,修正CBR試験によって求めた最適含水比付近の含水比で,土
木工事施工管理要領に規定する品質管理基準を満足するように締固めを行う。
(b) マンホールや縁石周辺は,地盤沈下が生じないよう特に入念に締固めを行う。
− 71−
7章
7. 2. 5
仕
上
げ
車
道
舗
装
路盤の仕上げは,設計値を満足する高さ及び寸法に仕上げるとともに,浮き石や材料
分離による不安定な箇所があってはならない。
3節
アスファルト舗装工
7. 3. 1
混合物の種類
アスファルト混合物は,2章12節アスファルト混合物の規定による。
7. 3. 2
配 合 設
アスファルト混合物の粒度及びアスファルト量の決定にあたっては,配合設計を行い
計
監督職員の承諾を受ける。ただし,これまでに製造実績がある配合設計の場合には,実
績又は定期試験による配合設計書を提出し,監督職員が承諾した場合には,配合設計を
省略することができる。
7. 3. 3
現 場 配
合
舗装に先立って,7.3.2 配合設計で決定した混合物について,混合所で試験練りを行
う。試験練りの結果が2.12.1表,2.12.2表に示す基準値を満足しない場合は,骨材粒度
又はアスファルト量の修正を行う。ただし,これまでに製造実績がある混合物の場合に
は,実績又は定期試験による試験練り結果報告書を提出し,監督職員が承諾した場合に
は,試験練りを省略することができる。
7. 3. 4
基 準 密
度
(a) 混合物の基準密度は,現場配合により製造した最初の1∼2日の混合物から,午前
及び午後各々3個のマーシャル供試体を作成し,(b)又は(c)の計算式によって求めた
密度の平均値を基準密度とする。
(b) 密度の計算は次の式による。
密度(g/㎝3)=
A
×W
B−C
A:供試体の乾燥空中質量(g)
B:水中質量測定後の表面乾燥飽和状態空中質量(g)
C:水中質量(g)
W:常温の水の密度(g/㎝3)
(c) 開粒度アスファルト混合物,排水性アスファルト混合物及び透水性アスファルト混
合物の場合の密度の計算は次の式による。
密度(g/㎝3)=
A
D×T
A:供試体の乾燥空中質量(g)
D:供試体の断面積(㎝2)
T:ノギスを用いて計測した供試体の厚さ(㎝)
− 72−
7章
7. 3. 5
アスファルト
混
合
所
車
道
舗
装
アスファルト混合所は,土木工事施工管理要領等に規定する品質管理を実施できる設
備及び技術者を備え,かつ混合材料を良好に保管する設備を有し,周辺に対する環境保
全対策を施した施設とする。
7. 3. 6
混合物の温度
加熱アスファルト混合物の排出時の温度は,監督職員の承諾を受ける。また,その変
動は,承諾を得た温度に対して±25℃の範囲とする。
7. 3. 7
混合物の運搬
(a) 混合物を運搬する場合,清浄で平滑な荷台を有するダンプトラックを使用し,ダン
プトラックの荷台内面には,混合物の付着を防止する油等を薄く塗布する。
(b) 混合物の運搬時の温度低下を防ぐために,運搬中はシート類で覆う。
7. 3. 8
混合物の敷均し
(a) 混合物の敷均しに先立って施すプライムコート(路盤と加熱アスファルト混合物の
間)又はタックコート(加熱アスファルト混合物との間)の施工にあたっては,乳剤
散布面が乾燥していること,浮石,ごみその他の有害物がないことを確認する。
(b) プライムコート又はタックコートの散布時には,周辺の構造物を汚さないようにし
ながら均一に散布する。プライムコート又はタックコートの散布量は,7.3.1表 を標
準とする。
7.3.1表
乳剤散布量
アスファルト乳剤
プライムコート
タックコート
PK3
PK4
散布量
1.2 (ç/m2)
0.4 (ç/m2)
(c) プライムコート散布後は,粗目砂等を散布し,プライムコートがはく離しないよう
保護する。
(d) アスファルト混合物の敷均しは,監督職員が承諾した場合を除き,気温が5℃以下
の時は施工してはならない。また,敷均し中に雨が降り出した時には,作業を中止し,
敷均した箇所はすみやかに締固めを行い,仕上げを完了させる。
(e) 敷均しにあたっては,施工条件にあったアスファルトフィニッシャを選定する。
(f) 混合物の敷均し時の温度は, 110℃以上とし,所定の仕上がり厚さが確保できるよ
う均一に敷均しを行う。
7. 3. 9
混合物の締固め
(a) 混合物は,敷均し後ローラによって所定の締固め度が得られるよう十分締固める。
ローラによる締固めが不可能な箇所は,タンパ等で十分締固めて仕上げる。
(b) 横継目,縦継目及び構造物との接触部は,薄く瀝青材料を塗布し,十分に密着させ
る。
(c) 継目は,十分に締固めて密着させ,平坦に仕上げる。既に舗装した端部が十分締固
められていない場合や,亀裂が多い場合は,その部分を切り取って隣接部を施工する。
− 73−
7章
車
道
舗
装
各層の縦継目の位置は,0.15m以上,横継目の位置は,1m以上ずらすものとする。
7. 3.10
仕
上
げ
(a) 舗装仕上げ面は,排水勾配を考慮して平坦に仕上げる。
(b) 交通開放は,舗装温度が50℃以下になってから行う。
4節
7. 4. 1
施 工 一
般
セメントコンクリート舗装工
セメントコンクリート舗装は,この節によるほか,6章 無筋及び鉄筋コンクリート
の規定による。また,定めのない事項については,
「セメントコンクリート舗装要綱((社)
日本道路協会)」による。
7. 4. 2
設計基準強度
セメントコンクリートの配合基準は,2章9節 レディーミクストコンクリート の規
定による。設計基準強度は,曲げ4.5N/㎜2とする。
7. 4. 3
舗 装 準
備
(a) コンクリート舗装に先立って,路盤面の浮き石その他の有害物を除去する。
(b) 路盤面が乾燥状態にある時は,適切な散水を行うとともに,湿潤状態を保つため路
盤紙又はアスファルト乳剤等で養生する。
(c) 型枠は曲がり,ねじれ等の変形のない堅固な材料を使用して,舗装版の正確な仕上
り厚さを確保し,舗設及び養生中に移動しないように所定の位置に据付ける。
7. 4. 4
舗
設
(a) コンクリートの打込み時に気温が30℃以上となることが予想される時は,6章6節
暑中コンクリートの規定による。
(b) 日平均気温が4℃以下又は舗設後6日以内に0℃以下となることが予想される場合
には,6章5節寒中コンクリートの規定による。
(c) コンクリートの敷均しは,原則としてスプレッダーを使用して材料が分離しないよ
う敷均しを行う。ただし,人力施工とする場合は,型枠に沿ったところから順序よく
所定の高さが確保できるよう敷均しを行う。
(d) 敷均し中に機械の故障や降雨のため舗設を中止せざるを得ない時に設ける目地は,
できるだけダミー目地の設計位置に置くようにする。それができない場合は,目地の
設計位置から3m以上離すようにする。この場合の目地構造は,タイバーを使った突
合わせ目地とする。
(e) コンクリートの締固めは,原則としてフィニッシャを使用して材料が分離しないよ
う注意しながら締固める。ただし,フイニッシャで締固めが不可能な箇所や型枠及び
目地付近は,小型振動機で締固めを行う。
(f) コンクリート舗装版に溶接金網を使用する場合の金網の継手は, 200㎜以上重ね合
わせ,要所をなまし鉄線で結束するものとする。なお,金網の位置により2層に分け
て敷均しを行う場合は,1層目の敷均し後,30分以内に2層目の敷均しを開始する。
(g) 舗装の仕上げ面は,所定の勾配を取り,水たまりが生じないよう平坦に仕上げる。
− 74−
7章
車
道
舗
装
(h) コンクリート舗装の表面は,荒仕上,平坦仕上,粗面仕上の順で行うことを標準と
する。その他の場合は,特記による。
7. 4. 5
目
地
(a) 特記に示されていない舗装目地を施工する場合は,位置及び構造等について監督職
員の承諾を受けて施工する。
(b) 舗装版に目地を施工する場合は,目地付近のコンクリート強度が低下しないよう施
工する。
(c) 目地は,舗装全幅にわたって通すものとし,目地の集まるところは舗装版の高さを
同じ高さに仕上げる。
(d) 目地材は,コンクリート版の膨張,収縮に順応し,耐久性の高い材質のものとする。
7. 4. 6
養
生
(a) 表面仕上げの終わったコンクリート版は,所定の強度になるまで日光の直射,風雨,
乾燥,気温,荷重,衝撃等の有害な影響を受けないよう養生する。
(b) 初期養生は,表面仕上げ終了直後からコンクリート版の表面を荒らさないで養生作
業ができる程度にコンクリートが硬化するまで,有害な影響を受けないよう行う。
(c) 後期養生は,初期養生に引続き,現場養生を行った供試体の曲げ強度が3.5N/㎜2以
上となるまで,スポンジ,麻布,むしろ等でコンクリート表面を隙間なく覆って湿潤
状態を保つよう行う。
(d) 交通解放は,監督職員の承諾を受けて行う。
5節
7. 5. 1
施 工 一
般
インターロッキングブロック舗装工
(a) 路盤の施工は,7章2節路盤工の規定による。なお,マンホールや縁石周辺は,地
盤沈下に配慮し,特に入念に転圧を行う。
(b) クッション層に用いる材料は,砂又は空練りモルタル(セメント1:砂3)とし,
使用区分は特記による。
(c) クッション層の施工に先立ち,路盤の浮き石や不安定箇所を除去する。
(d) クッション材料の敷均しは,仕上がり厚さが一定となるように敷均しを行うものと
し,舗装の勾配は,クッション層で調整しない。
7. 5. 2
ブロック敷設
(a) ブロックの敷設に先立ち割付図を作成し,監督職員の承諾を受ける。ただし,小規
模な工事で監督職員が承諾した場合は,省略することができる。
(b) 割付図は周辺の施設を考慮して作成する。
(c) ブロック間の目地は,3㎜程度とし,過度な開きや詰まりがないようにする。
(d) 割付けによってやむなく端数が生じる場合は,現場加工によって納まりよく仕上げ
る。
(e) ブロック舗装の表面仕上げには,インターロッキングブロック舗装専用のコンパク
− 75−
7章
車
道
舗
装
タを使用し,所定の平坦性が得られるように施工する。
(f) 目地用砂は,ほうき,デッキブラシ等で掃き込み,コンパクタ等により十分充填さ
せる。
6節
7. 6. 1
施 工 一
般
排水性舗装工
(a) 路盤の施工は,7章2節 路盤工 の規定による。
(b) 不透水層となる基層の施工は,7章3節アスファルト舗装工の規定による。
(c) 排水性舗装の施工は,7章3節アスファルト舗装工の規定によるほか,以下の規定
による。
(1) 排水性アスファルト混合物の配合設計は,2章12節アスファルト混合物に規定す
る範囲内とし,透水係数kは10-2㎝/sec以上となるようにする。透水係数がこれ未
満の場合は,監督職員の承諾を受ける。
(2) 排水性アスファルト舗装工に用いる混合物は,粗骨材が多い配合なので,製造時
に加熱し過ぎないようにする。
(3) 基層以下への浸透を避けるため,基層の上面にはシール層としてゴム入りアスフ
ァルト乳剤を0.4∼0.6ç/m2以上散布し,排水性舗装内に滞水しない構造とする。
(4) 混合物の締固めにあたっては,温度管理を十分に行って,過転圧によって粗骨材
が割れることがないように施工する。
7節
7. 7. 1
施 工 一
般
凍上抑制層及びしゃ断層
(a) 凍上抑制層及びしゃ断層に使用する材料は,特記による。
(b) 材料の敷均しにあたっては,地盤面の状態を確認し,異状があれば監督職員と協議
する。
(c) 凍上抑制層は,特記に示す範囲及び深さまで掘削底面を乱さないよう掘削し,一層
の仕上がり厚さが 200㎜以下になるように敷均しを行い,均一に締固める。
(d) しゃ断層の施工は,所定の厚さになるように敷均しを行い,均一に締固める。なお,
しゃ断層の仕上がり厚さは, 150㎜を標準とする。
− 76−
7章
8節
車
道
舗
装
道路附属施設
7. 8. 1
縁石・地先境界 (a) 縁石等のコンクリートブロックは,あらかじめ施工した基礎上に所定の位置及び高
ブ ロ ッ ク 等
さに合うように十分堅固に据付ける。
(b) 据付け及び目地に使用するモルタルの配合は,セメント1:砂3とする。目地幅は,
7㎜を標準とし,モルタルを充填し凹凸のないように仕上げる。
7. 8. 2
ア ス カ ー ブ
(a) アスカーブに使用する材料は,2章12節アスファルト混合物に規定する細粒度アス
ファルト混合物を標準とする。
(b) アスカーブの舗設に先立ち,既設舗装面等が清浄で乾燥していることを確認し,タ
ックコート(0.4ç/m2)を塗布する。
(c) 舗設は,専用機械を使用し,気温が5℃以下のときは施工してはならない。
7. 8. 3
防
護
柵
(a) 支柱の建込みにあたっては,地下埋設物に注意し,建込後沈下しないように施工す
る。
(b) ガードパイプ等は,所定の位置,高さに据付ける。
(c) 基礎にコンクリートブロックを使用する場合は,沈下しないようにするとともに,
支柱建込み後はモルタル(セメント1:砂3)を充填し,固定する。
7. 8. 4
区
画
線
(a) 区画線の幅は,150㎜を標準とし,溶融式の塗布厚さは,1.5㎜とする。
(b) 設置路面は,十分清掃し,均一に接着するように施工する。
(c) 溶融式の場合は,プライマーを路面に均一に塗布し,180℃∼220℃の温度で塗料を
塗布できるよう溶解槽を常に適温に管理する。
(d) 塗布面にガラスビーズを散布する場合は,
風などによって片寄らないよう施工する。
− 77−
8章
8章
広 場 ・歩 道 舗装
広場・歩道舗装
1節
8. 1. 1
適
用
一般事項
この章は,歩行者,車椅子,自転車等の通行する広場,歩道等の舗装及び広場等に設
置する工作物,囲障,ウォールその他これらに類する工種に適用する。
8. 1. 2
土
工
広場・歩道舗装の土工事は,4章2節 大規模土工 の規定による。
なお,広場等附属施設の土工事は,4章3節 小規模土工 の規定による。
8. 1. 3
施
工
図
施工に先立ち,次の事項に関する施工図を作成し,監督職員の承諾を受ける。ただし,
小規模な工事で監督職員が承諾した場合は,省略することができる。
(1) コンクリート平板,タイル,自然石,インターロッキングブロック等の舗装割付
図。
(2) 建物,車道,排水施設等の構造物と舗装の仕上げ高さ,排水勾配等の取合い。
2節
8. 2. 1
施 工 一
般
路盤の施工は,7章2節路盤工の規定による。
3節
8. 3. 1
施 工 一
般
路盤工
アスファルト舗装工
(a) アスファルト混合物の種類は,2章12節 アスファルト混合物の細粒度アスファル
ト混合物(13又は13F)を標準とし,その他の場合は特記による。
(b) 施工は,7章3節アスファルト舗装工の規定による。
4節
8. 4. 1
施 工 一
般
セメントコンクリート舗装工
(a) セメントコンクリートを表層材料とする場合及びタイル舗装等の基層にコンクリー
トを使用する場合の施工は,この節による。
(b) レディミクストコンクリートの強度は,2.9.2 表設計基準強度及びスランプ等の規
定による。
(c) 施工は,7章4節 セメントコンクリート舗装工 の規定による。
8. 4. 2
表 面 仕 上 げ
コンクリート舗装面は,荒仕上げ,平坦仕上げ,粗面仕上げの順序で行うことを標準
とし,平坦かつ緻密堅固で凹凸がないように仕上げる。なお,タイル舗装等の基層面は,
荒仕上げ,平坦仕上げの順序で行うことを標準とする。
− 78−
8章
5節
8. 5. 1
施 工 一
般
広 場 ・歩 道 舗装
コンクリート平板・れんが・タイル舗装工
(a) コンクリート平板,れんが及びタイル舗装の施工図の作成にあたっては,舗装パタ
ーン,縁石その他の構造物との取合い及び基層の伸縮目地等を考慮して割付ける。
(b) 割付けによってやむをえず端数が生じる場合は,現場加工によって納まりよく仕上
げる。
(c) クッション材は,ごみ,泥等を含まない適当な粒度を持つ砂を使用し,均一に敷均
しを行う。
(d) 目地は,施工図のパターン及び所定の目地幅になるよう施工する。
(e) 舗装面は,所定の高さになるよう排水勾配を考慮し,平坦に仕上げる。
8. 5. 2
コンクリート
平
板
舗
装
(a) コンクリート平板舗装の砂目地は,目違いのないように平板を敷均した後,ただち
に砂(細目)を散布し,ほうき等で目地に充填する。
(b) コンクリート平板の張付けは,不陸,不等沈下が生じないよう施工し,端末部及び
曲線部で隙間が生じる場合は,半ブロック又はコンクリート等を用いて納まりよく仕
上げる。
8. 5. 3
れんが舗装工
(a) れんが舗装の化粧目地は,特記による。また,舗装表面にモルタルを付着させては
ならない。
(b) 木れんが舗装の化粧目地は,特記による。アスファルト目地施工完了後,ただちに
砂(細目)を均一に散布し,目地を保護する。また,舗装表面にアスファルトを付着
させてはならない。
(c) 木れんがの据付けは木口を上面とする。ベース面の排水勾配はややきつめにとり,
排水を考慮して木れんが舗装周辺の舗装止めには水抜きを設ける。
8. 5. 4
タイル舗装工
(a) タイル舗装の伸縮目地は,バックアップ材の上にポリサルファイド系シーリング材
を塗込む方法を標準とし,伸縮目地に囲まれた1区画は10m2以下とする。また,タ
イルとベースコンクリートの伸縮目地の位置は,必ず合わせる。
化粧目地は特記による。
(b) 舗装タイルの下地モルタルは,次による。
(1) モルタルの配合は,セメント1:砂3とし,塗厚は20㎜を標準とする。
(2) セメントペーストは,必要に応じて保水剤及び接着用混和剤を使用することがで
きる。
(3) 下地の処理は,清掃及び水湿しの後セメントペーストを十分に流し,ほうき等で
均す。なお,吸水調整剤を使用する場合は,セメントペーストを省略することがで
きる。吸水調整剤の使用は監督職員の承諾を受ける。
(4) モルタルポンプを用いてモルタルを圧送する場合は,監督職員と協議する。
− 79−
8章
広 場 ・歩 道 舗装
(c) 舗装タイル張りは次による。
(1) 張付けモルタルの配合は,セメント1:砂2とし,塗厚は5㎜を標準とする。な
お,大形床タイル用の敷きモルタルの配合はセメント1:砂3とし,塗り厚は30㎜
を標準とする。
(2) 下地モルタルの硬化後,下地を入念に清掃し適度の水湿しを行う。
(3) 張付けモルタルを平坦に塗付け,タイルをなじませるように張付ける。
(4) 化粧目地の形状は,平目地とし,タイル面より適当な深さに沈めて,こてむらな
く仕上げる。
(5) 大形床タイルは,コンクリート面に空練りの敷きモルタルを敷き,セメントペー
ストを散布しながらタイルをたたき込んで張付ける。
8. 5. 5
視 覚 障 害 者
誘導用ブロック
(a) 視覚障害者誘導用ブロックは,コンクリート平板形式のブロックを標準とし,施工
は8.5.2 コンクリート平板舗装による。
(b) コンクリート平板形式以外の場合の材料,規格等は特記による。
6節
8. 6. 1
施 工 一
般
自然石舗装工
(a) 広場・歩道舗装に小舗石,鉄平石,青石,丹波石等の自然石を表層材料とする場合
の施工は,この節による。
(b) 基層にコンクリートを使用する場合の施工は,7章4節セメントコンクリート舗装
工の規定による。
(c) コンクリートの表面仕上げは,荒仕上げ,平坦仕上げの順序で行うことを標準とす
る。
(d) 自然石舗装に使用する材料,規格等は特記による。
8. 6. 2
据
付
け
(a) 敷きモルタルの配合は,セメント1:砂3とし,塗厚は30㎜を標準とする。
(b) 自然石の据付けは,施工図に従い石相互の馴染みを取り,水たまりが生じないよう
排水勾配をつけて平坦に仕上げる。
(c) 舗装端は,石材に加工を加えながら全体を馴染みよく仕上げる。
(d) 化粧目地は,特記による。
7節
8. 7. 1
施 工 一
般
インターロッキングブロック舗装工
インターロッキングブロックの施工は,7章5節インターロッキングブロック舗装工
の規定によるほか,次の規定による。
(a) 透水性インターロッキングブロック舗装の路盤は,原則として砕石とする。
(b) 植生用インターロッキングブロック舗装の植栽土は,2.15.1 植栽土 の規定による。
− 80−
8章
8節
8. 8. 1
施 工 一
般
広 場 ・歩 道 舗装
透水性アスファルト舗装工
透水性舗装の施工は,第7章3節アスファルト舗装工の規定によるほか,次の規定に
よる。
(a) 路盤面のプライムコートは行わない。
(b) 路盤,舗装内に雨水等を滞水させないため,路盤下に厚5㎝のフィルター層を設け
る。
(c) 透水性アスファルト混合物の配合設計は,2章12節 アスファルト混合物 に規定す
る範囲内とし,透水係数kは10-2㎝/sec以上となるようにする。透水係数がこれ未満
の場合は,監督職員の承諾を受ける。
(d) 透水性アスファルト舗装工に用いる混合物は,粗骨材が多い配合なので,製造時に
加熱し過ぎないようにする。
(e) 混合物の締固めにあたっては,温度管理を十分行って,過転圧によって粗骨材が割
れることのないように施工する。
9節
広場等附属施設
8. 9. 1
施 工 一
般
広場等に設置する工作物,囲障,ウォール等の附属施設の施工は,この節による。
8. 9. 2
施
工
図
必要に応じて部材の取合い,納まり,配筋,目地割付け,塗装の塗分け,標識の書体,
他工事との取合い等について施工図を作成し,監督職員の承諾を受ける。
8. 9. 3
金属製工作物
(a) ボルト,ナット又は軸による接合の場合は,ゆるみ,抜け,落ち等のないように止
めねじ,座金,ワリピン等を用いて十分締付ける。
(b) 亜鉛メッキを行った後の溶接箇所,施工中の損傷に対しては,高濃度の亜鉛粉末塗
料の塗布を行う。
(c) 各工作物の据付けにあたっては,地表面からの高さ,水平,ねじれの有無及び据付
け強度等を十分注意して施工する。
(d) 基礎の上面は金ごて仕上げとし,端部は面取りを行う。
(e) 回転部分その他摩擦のおそれのある部分は,据付け後グリス等を十分給油する。
(f) ブランコ及びこれに類似する施設で安全上必要な箇所については,ダブルナット又
は袋ナットを使用する。
(g) 上記以外の施工は製造所等の仕様による。
8. 9. 4
コンクリート
工
作
物
(a) コンクリート工作物の施工は,6章 無筋及び鉄筋コンクリート によるほか,以下
の規定による。
− 81−
8章
広 場 ・歩 道 舗装
(b) コンクリート表面のたたき仕上げは,トンボ又はこれに類する工具により,対象面
に対して直角に切削して仕上げる。この場合,その深さは3∼5㎜程度とする。なお,
化粧目地等のある場合は,所要の幅を残し,注意して仕上げる。
(c) コンクリート表面のはつり仕上げは,のみ,たがね又はこれに類する工具により,
対象面に対して鋭角に切削して仕上げる。この場合,その深さは5∼10㎜程度とする。
なお,化粧目地等のある場合は,所要の幅を残し,注意して仕上げる。
8. 9. 5
木 製 工 作 物
(a) 木材の防腐処理は,各々の樹種及び使用目的に適した方法による。
(b) 構造体として木材を用いる場合には,反り,割れ等の変形収縮を避けるために背割
り等の加工を施す。
8. 9. 6
池
等
(a) 池等の底部コンクリート打込みは,全面に一度に行うようにし,途中で打継ぎしな
いようにする。やむを得ず打継ぎを行う場合は,施工方法について監督職員と協議す
る。
(b) 池等の施工で防水層を施す場合には,次による。
(1) 下地とする地山は,所定の支持力が得られるように締固める。この際,軟弱地盤
や鋭角な突出物は取り除く。大きな凹み部や石を除去した部分などは,特に防水層
と地山の馴染みをよくするように補足材を充填する。
(2) 下地となる地山に湧水のおそれがある場合は,監督職員と協議する。
(c) 池等は工事完成後24時間以上満水状態で放置後,漏水の有無を確認し,監督職員に
報告する。
8. 9. 7
パイプ柵及び
ネットフェンス等
(a) 溶接箇所等で曲がりやねじれが生じないように注意して施工する。
(b) 現場組立パイプ柵は,運搬等による表面の損傷がないよう十分留意し,固定部分は
緩みのないよう注意し,堅固に締付ける。
(c) 基礎はコンクリートブロックに支柱を建込み,モルタル(セメント1:砂3)によ
り充填し,基礎上部はモルタル金ごて仕上げとする。
(d) 上記以外の施工は製造所等の仕様による。
8. 9. 8
石張りウォール
(a) 鉄平石,青石等の石張ウォールは,色調,石の大小,形の組合わせ相互の馴染みに
留意するとともに,目地は深目地(5∼10㎜)とし,いも目地にならないよう施工す
る。
(b) 小端石積みの場合は,石相互の厚さの組合わせ等に十分注意し,深目地に仕上げる。
(c) 目地モルタルが石に付着した場合は,すみやかに拭取る。
(d) 小舗石ウォールは石の大小に注意し,目地の乱れのないように深目地に仕上げる。
− 82−
8章
8. 9. 9
れんがウォール
広 場 ・歩 道 舗装
(a) れんがは付着物を除去し,あらかじめ水中に浸し適当に吸水させてから施工する。
(b) 目地はいも目地にならないよう割付けを行い,表面を清掃し,水洗い及び目地ざら
いをして化粧目地仕上げとし,目地深さは2∼3㎜程度とする。
(c) 1日の積上げ高さは, 1.2m以内とする。
8. 9.10
タイルウォール
(a) タイルウォールの下地モルタルは,次による。
(1) モルタルの配合は,セメント1:砂3とし,塗厚は17㎜を標準とする。ただし,
1回の塗厚は7㎜以下を標準とする。
(2) セメントペーストは,必要に応じて保水剤及び接着用混和剤を使用することがで
きる。
(3) 下地の処理は,清掃及び水湿しの後,セメントペーストを薄くこすり付け,引き
続き下塗りを行う。ただし,下塗りモルタルを接着剤混入モルタルとする場合また
は下塗り前に吸水調整剤を使用する場合は,セメントペーストを省略することがで
きる。吸水調整剤の使用は監督職員と協議する。
(b) 壁タイル張りは,改良積上げ張りとし,施工等は次による。その他の場合は,特記
による。
(1) 張付けモルタルの配合は,セメント1:砂3とし,塗厚は5㎜を標準とする。練
混ぜ後の張付けモルタルは,30分以内に使用する。
(2) 張付けモルタルをタイル裏面全体に平らにのせ,ただちに押さえつけ,タイル周
辺からモルタルがはみ出すまで,たたき込んで張付ける。
(3) 1日の張付け高さは, 1.5m以内とする。
8. 9.11
空洞コンクリート・
(a) 目地は,両面化粧目地仕上げとする。
ブロックウォール
(b) 横目地モルタルは,ブロック上端全面に縦目地モルタルは接合面にそれぞれ隙間な
く塗付け,ブロックの目違いがないように積む。
(c) 横筋そう入部は,横筋用ブロックを使用する。
(d) ブロック壁のT形取合い部及びL形取合い部には,縦筋をそう入し,取合箇所のブ
ロックの側面を欠き取り,モルタルを十分充填する。
(e) 縦筋がそう入される空洞部及び縦目地空洞部には,ブロック2段以下ごとにモルタ
ルを充填する。
(f) 鉄筋は,異形鉄筋とし,ピッチ等は特記による。
(g) 1日の積み上げ高さは, 1.6m以内とする。
− 83−
8.10. 1
施 工 一
般
8章
広 場 ・歩 道 舗装
10節
石積み・景石等
(a) 自然石を修景的に用いる石積み,景石等の施工は,この節による。
(b) 石積み,景石等の施工にあたっては,施工図を作成し監督職員の承諾を受ける。
8.10. 2
玉 石 積
み
石の大小,形の組合わせに十分留意し,目地はいも目地にならないよう馴染みよく仕
上げ,深目地仕上げとする。
8.10. 3
修景割石積み
(a) 設計意図を理解し,石を大小バランスよく組合わせ,積み模様が美しく仕上がるよ
うに施工する。
(b) 毛抜合端,四ツ目又はいも目地にならないように注意し,深目地とする。
8.10. 4
崩 れ 積 み ・
(a) 設計意図を理解し,石を大小バランスよく組合わせて施工する。
面
(b) 石と石が2点以上噛み合うようにする。
積
み
(c) 根石,隅石及び天端石(笠石)は,比較的大きさの揃ったものを用いる。
8.10. 5
景
石
等
(a) 自然石の配置に際しては,材種,形状,色合い,周囲との取合い等を十分考慮する。
(b) 石組は,石の相及び周囲との関係を検討し,施工する。
(c) 石の据付けは,個々の石の大きさ,形,色合い等を四方から観察して仮据えし,石
の位置,向き,深さ等を検討した後,本据えを行う。
(d) 化粧砂利敷きは,地なわ張りを行い,路床の不陸の修正の上排水勾配を付け敷均す。
− 84−
9章
排
9章
1節
9. 1. 1
適
用
水
工
排水工
一般事項
この章は,道路,広場,運動場等の排水施設としての側溝,桝・マンホール,管きょ
その他これらに類する工種に適用する。
9. 1. 2
土
工
排水工の土工事は,4章3節 小規模土工 の規定による。
9. 1. 3
基
礎
工
排水施設の基礎の施工は,5章 基礎工 及び6章 無筋及び鉄筋コンクリート の規定
による。
2節
9. 2. 1
施 工 一
般
側
溝
(a) 側溝にコンクリート製品を使用する場合の敷きモルタルの配合は,セメント1:砂
3とし,モルタルを均一に敷均した後,側溝底面に段差が生じないよう所定の勾配に
据付ける。
(b) 目地幅は7㎜を標準とし,目地モルタルの配合は,セメント1:砂2とする。なお,
モルタルの充填は,付着及び水密性を保ち段差が生じないよう施工する。
(c) 自由勾配側溝の底版コンクリートは,所定の勾配となるよう平滑に仕上げる。
(d) 現場打側溝は,コンクリート打込み後,遅滞なく表面をこて等で凹凸,むら,目地
のねじれ等がないように仕上げる。なお,伸縮目地は,桝との境目及び間隔10m程度
に1箇所設ける。
(e) 側溝蓋の設置は,側溝本体及び路面と段差が生じないよう施工する。
3節
9. 3. 1
施 工 一
般
桝・マンホール
(a) 桝・マンホールにコンクリート製品を使用する場合の敷きモルタルの配合は,セメ
ント1:砂3を標準とし,側塊のずれ,傾き等が生じないように施工する。
(b) 桝・マンホールの内法が 600㎜を越え,かつ,深さ 1.2mを越える場合には,径22
㎜のステンレス製,径22㎜の防錆処理を行った鋼製,又は径19㎜の合成樹脂被覆加工
を行った足掛け金物を取り付ける。ただし,既製のマンホール側塊の足掛け金物は,
マンホール側塊製造所の仕様による。
(c) インバートは,本体を施工後,底部半円形をモルタル(セメント1:砂2)で入念
に仕上げる。
(d) 現場打の桝・マンホールは,所定の形状寸法に仕上げる。
− 85−
9章
排
水
工
(e) 桝・マンホールの蓋の設置は,路面と段差が生じないように施工する。
(f) 側溝,管きょの取付部は,漏水が生じないように施工する。
(g) 樹脂製の桝・マンホールの施工は,製造所の仕様による。
4節
9. 4. 1
施 工 一
般
管きょ
(a) 管きょの基礎は,不等沈下を生じないように入念に施工する。
(b) 管の布設は,中心線,勾配線を正確に保ち,管の移動及び不等沈下が生じないよう
に施工する。
(c) 埋戻し及び盛土は,管きょの移動,変形及び損傷がないよう注意し,偏心及び偏圧
のかからないよう左右均等に層状に十分突固める。
(d) 継手部の施工は,十分な付着及び水密性を保つように接続する。なお,ソケット付
きの管は,上流側にソケットを向けて下流側から布設する。
(e) ゴム輪の差込みに際しては,差込み深さが確認できるように印を付ける。
(f) 管の布設は,管径が小さく人力で十分行えるものを除き,原則として機械を使用す
るものとし,管体に損傷を与えないように注意して行う。
(g) 管の一部を切断して使用する場合は,切断によって使用部分に損傷を生じないよう
に注意して行う。
9. 4. 2
遠心力鉄筋コンクリ
ート管・プレストレ
ストコンクリート管
(a) 管は,基礎工の上に通りよく丁寧に据付ける。管の移動に注意しながら基礎材を十
分敷込み,管の下面に空隙が生じないようにする。
(b) 管の接合部には目地材を充填するものとし,B形管は瀝青系又は合成樹脂系のもの
を,C形管は内側からモルタルを充填する。
(c) ソケット接合は,
ゴム輪をスピゴット端部の所定の位置にねじれないように挿入し,
差込み機等により受け口部の底に端部が接触するまで差し込む。なお,滑材はゴム輪
に有害なものを用いてはならない。
(d) 管の接合に用いるゴム輪は,使用前に傷の有無,老化の状態及び寸法の適否を確認
する。なお,ゴム輪は屋外に野積みしてはならない。
9. 4. 3
硬 質 塩
ビ ニ ル
化
管
(a) 継手方法はゴム輪継手を標準とし,その他の場合は特記による。
(b) 接続面は清掃し,接続時は泥等が付着しないよう注意する。
(c) 桝及びマンホールの接合部には,砂付加工を施した受口付継手を用いる。
− 86−
9章
9. 4. 4
コ ル ゲ ー ト
パ
イ
プ
排
水
工
(a) 基礎の地盤は,砂質土又は砂を原則とし,岩盤又は軟弱地盤の場合は,監督職員と
協議する。
(b) 組立ては,所定の寸法及び順序に従い各ボルトを均等に締付ける。また,埋戻し後
もボルトの緊結状態を点検し,緩んでいるものは締め直す。
(c) 仮設以外は,使用しないものとする。
9. 4. 5
支 管( 硬質 塩化
ビニル管)取付け
(a) 硬質塩化ビニル管へ支管を接合する場合は,以下による。
(1) せん孔は専用ホルソーで行う。近接してせん孔する場合は中心間距離90cm以上と
し,せん孔面は面取り仕上げとする。
(2) 取付けは,接着剤を支管の接合面に塗布し,焼なまし番線(10∼12)で支管を本
管に十分締め付けて接合する。
(b) 鉄筋コンクリート管へ支管を接合する場合は,以下による。
(1) せん孔は,専用ホルソーで行う。
(2) 取付けは,モルタル又は接着剤を用いて,本管と支管の隙間から漏水が生じない
ように充填する。
5節
9. 5. 1
施 工 一
般
透水暗きょ工
(a) 運動場,広場等の透水暗きょ工の施工は,この節による。
(b) 暗きょに用いる材料及び形状寸法は,特記による。
(c) 暗きょ基礎は管が不等沈下をしないよう入念に突固めた後,管及びフィルター材を
施工する。
(d) フィルター材の施工の際には,粘土等が混入しないように注意して行う。
(e) 埋戻しにあたっては,
管及びフィルター材の形状に影響を与えないように注意する。
− 87−
10章
10章
共
共
1節
10. 1. 1
適
用
同
同
溝
溝
一般事項
この章は,プレキャストボックスカルバート(セメントコンクリート製品のボックス
カルバート),現場打ボックスカルバートを用いた共同溝その他これらに類する工種に
適用する。
10. 1. 2
土
工
10. 1. 3
基
礎
工
共同溝の土工事は,4章3節 小規模土工 の規定による。
(a) 基礎の施工は,5章 基礎工 の規定による。
(b) 均しコンクリートの施工は,6章 無筋及び鉄筋コンクリート の規定による。
10. 1. 4
歩
床
工
歩床を設ける場合は,歩床部分に水が滞留しないように勾配を付けて仕上げる。
10. 1. 5
継
手
工
止水板及び目地材は,耐水性,止水性を有するものとし,付着及び水密性を保つよう
に施工する。
− 88−
10章
2節
10. 2. 1
据
付
け
共
同
溝
プレキャストボックスカルバート工
(a) ボックスカルバートの据付けのために,ピース下に定規金物を設置する。
(b) 敷きモルタルの配合は,セメント1:砂3とし,不陸のないように均一に敷均し,
据付け後の安定を図る。
(c) ボックスカルバートの吊卸し,据付け作業に用いる重機は,周辺の足場条件を考慮
し,十分安全な能力を有するものを使用する。
(d) ボックスカルバートに埋め込まれたアンカーに専用吊り金物を取付け,重量が均等
になるように吊卸す。吊り上げ,吊卸しに際しては,本体を損傷しないよう又は横揺
れをしないように静かに取扱う。
(e) 据付けに際しては,
ボックスカルバート本体を基礎面より離したところで一旦止め,
所定の位置に据付ける。
(f) PC鋼材等で締付ける場合は,下記以外の事項は製造所の仕様による。
(1) 使用するPC鋼材は,有害な錆,傷,変形等のないものとする。
(2) 緊張に用いる装置は,キャリブレーションを行って所定の精度を有することを確
認する。
(3) PCグラウトは,ダクト内に完全に充填してPC鋼材を包み,鋼材をさびさせな
いように保護するとともに,本体コンクリートと緊張材を付着させる。
3節
10. 3. 1
施 工 一
般
現場打ボックスカルバート工
現場打ボックスカルバートの施工は,
6章 無筋及び鉄筋コンクリート の規定による。
− 89−
11章
法
11章
1節
11. 1. 1
適
用
面
保
護
法面保護
一般事項
この章は,法面芝付工,種子吹付工,モルタル又はコンクリート吹付工,コンクリー
ト法枠工,コンクリートブロック積(張)工,石積(張)工,コンクリート擁壁工,その他
これらに類する工種に適用する。
2節
11. 2. 1
施 工 一
般
法面芝付工
(a) この節は,勾配が1:3よりも急な法面の芝付けに適用する。その他の場合は13章
5節地被植栽工による。
(b) 法面保護に使用する芝は,2.15.3 芝 によるものとし,工法は特記による。
(c) 現場に搬入した芝は,高く積み重ねたり,長時間日光にさらしたりしない。
(d) 法面は,芝の成長に適した植栽土を所定の勾配になるようかき均して仕上げる。な
お,現状の植栽土が不適当と判断される場合は,監督職員と協議する。
(e) 芝付け後は芝の定着するまで踏まないようにし,高温期,乾燥期には,適当に潅水
して養生する。
11. 2. 2
法 面 芝 張 工
(切土法面)
(a) 法面芝張工は,総芝張りを標準とする。その他の場合は特記による。
(b) 張芝は,仕上がった土羽面に芝を敷き並べ,土羽板で軽くたたいて土羽面と密着さ
せ,2∼3本の芝串で固定し,目土を 0.02m3/m2程度芝の表面に均等に振りかける。
(c) 張芝の縦目地は通さない。
11. 2. 3
筋
芝
工
(盛土法面)
(a) 筋芝は表面を平らに仕上げ,芝片を隙間なく水平に敷き,その上に植栽土を埋戻し,
土羽打ちを行った後,次の層を施工する。
(b) 筋芝の間隔は,法長 0.3m以内とし,天端には耳芝を張る。
− 90−
11章
3節
11. 3. 1
施 工 一
般
法
面
保
護
種子吹付工・種子帯工
(a) 法面保護に使用する種子吹付材,種子帯は,2.15.6 種子吹付材等 による。施工は,
原則として凍結する時期は避ける。
(b) 肥料は,原則として高度化成肥料又は高度化成肥料と土壌改良材(泥炭,樹皮等)
の混合物とし,土壌の肥沃度,種子への影響,施工時期及び施工場所等を考慮のうえ
決定する。
11. 3. 2
種 子 吹 付 工
(a) 吹付け面の浮土その他の雑物は,取り除き,凹凸は整正する。
(b) 吹付け面が乾燥している場合は,吹付けに先立ち散水し,十分に湿らせる。
(c) 材料を攪拌混合した後,均一に吹付ける。
(d) 吹付距離及びノズルの角度は,吹付け面の硬軟に応じて調整し,吹付け面を荒らさ
ないように注意する。
(e) 吹付けに際しては,付近の工作物にかからないよう注意し,必要に応じて板囲い等
により保護する。
(f) 種子吹付け後は,散水等により養生する。また,養生材の吹付けは,種子吹付け面
の浮き水等を考慮して行う。
11. 3. 3
種 子 帯 工
(人工筋芝工)
(a) 種子帯は,幅 0.1mを標準とし,その他の場合は特記による。
(b) 種子帯の施工は,11.2.3 筋芝工 による。
(c) 種子帯は,施工中に切断,曲がりのないように注意して行う。
4節
11. 4. 1
施 工 一
般
モルタル又はコンクリート吹付工
(a) 吹付け材料の種類及び配合,金網,伸縮目地,排水孔等は,特記による。
(b) 吹付け面が岩盤の場合は,浮き石をかき落とし,十分清掃する。吹付け面が吸水性
の岩の場合は,十分吸水させる。吹付け面が土砂の場合は,吹付圧により土砂が飛散
しないよう十分打固める。
(c) 吹付け箇所に湧水がある場合又はそのおそれがある場合は,監督職員と協議する。
(d) 金網は,仕上がり面より所定の間隔を確保し,かつ吹付け等により移動しないよう
法面に十分固定する。また,金網の継手は,10㎝以上重ねる。
(e) 滑止めアンカーピンを用いる場合は,地山に直角に打込み,金網と連結する。アン
カーピンの本数及び仕様は,特記による。
(f) ノズルは,原則としてその先端が吹付け面に対してほぼ直角になるよう保持し,吹
付け厚が均等となるように法面の上部より順次下部へ吹付ける。なお,はね返り材料
の上に吹付けてはならない。
− 91−
11章
法
面
保
護
(g) 1日の作業の終了時及び休憩時には,吹付けの端部が次第に薄くなるように施工し,
これを打継ぐ場合は,この部分をよく清掃し,かつ湿らしてから吹付ける。
(h) 表面及び角の部分の仕上げを行う場合は,吹付け速度を遅くして,丁寧に吹付け,
吹付け面とコンクリート又はモルタルの付着を良くするように仕上げる。
(i) 吹付けに際しては,他の構造物にかからないよう,また,はね返り材料はすみやか
に処理して,不良箇所等ができないように施工する。
(j) 2層以上に分けて吹付ける場合は,層間にはく離が生じないように施工する。
(k) 法肩や端部の吹付けは,雨水,表面水の浸透を防止するため,必要に応じて地山に
巻込む等の処置を行う。
5節
11. 5. 1
施 工 一
般
コンクリート法枠工
(a) 盛土法面に施工する場合は,法面を所定の勾配で十分に締固め,平滑に仕上げる。
(b) 切土法面に施工する場合は,掘過ぎに注意し,所定の勾配になるよう平滑に切取る。
(c) 法枠工基面の緩んだ軽石,岩塊等は除去する。
(d) 基礎の施工は沈下,滑動,不陸等が生じないように施工する。
11. 5. 2
法
枠
工
(a) プレキャスト法枠の設置は,所定の位置に枠を噛み合わせ,滑動しないように固定
し,積上げる。また,枠の支点部分に滑止用アンカーピンを用いる場合は,滑止めア
ンカーピンと枠が連結するよう施工する。
(b) 現場打法枠の施工は,6章 無筋及び鉄筋コンクリート の規定による。また,枠の
支点にアンカーを設けて補強する場合は,アンカーを法面に直角になるように施工す
る。
(c) 吹付け法枠の施工は,本章4節モルタル又はコンクリート吹付工の規定による。
11. 5. 3
中
詰
工
(a) 中詰工の種類は,特記による。
(b) 枠内に土砂を詰める場合は,枠工下部より枠の高さまで順次締固め,洗掘されない
よう仕上げる。
(c) 枠内に土のうを詰める場合は,
枠内から脱落しないようアンカーピン等で固定する。
(d) 枠内に玉石等を詰める場合は,クラッシャラン等で空隙を充填する。
(e) 枠内にコンクリート板等を張る場合は,法面との間に空隙を生じないように施工す
る。
また,枠とコンクリート板との空隙は,モルタル等で充填する。
− 92−
11章
6節
11. 6. 1
施 工 一
般
法
面
保
護
コンクリートブロック積(張)工及び石積(張)工
(a) コンクリートブロック積(張)工,石積(張)工の基礎工の形状寸法は,特記による。
(b) 基礎工の施工は,
5章 基礎工 及び6章 無筋及び鉄筋コンクリート の規定による。
11. 6. 2
土
工
コンクリートブロック積(張)工,石積(張)工の土工事は,4章3節 小規模土工 の規
定による。
11. 6. 3
コンクリートブ
ロック積(張)工
(a) コンクリートブロック積(張)は,施工に先立ちコンクリートブロックに付着したご
み,泥等を清掃する。
(b) コンクリートブロック積は,谷積を標準とする。その他の場合は,特記による。
(c) コンクリートブロック積(張)の施工に先立って,砕石又は割ぐり石を敷均し,十分
締固め空隙が発生しないように施工する。
(d) 端末部及び曲線部等で隙間が生じる場合は,半ブロックを用いるものとし,半ブロ
ックの設置が難しい場合は,コンクリート等を用いて施工する。
(e) コンクリートブロックの目地は,原則としてモルタルを詰めないものとする。
(f) コンクリートブロック積(張)の空積(張)は,胴かい及び尻かいを用いて固定し,胴
込め材及び裏込め材を充填した後,締固めを行う。
(g) コンクリートブロック積(張)の練積(張)は,尻かいで固定し,合端付近に空隙が生
じないよう胴込コンクリートを充填し,十分突固める。なお,コンクリートが硬化す
るまで十分養生するとともに,有害な衝撃及び振動を与えない。
(h) 練積(張)の裏込コンクリート背面には,裏型枠を用いて所定の厚さに仕上げる。裏
型枠はコンクリート打設後抜取り,隙間は埋戻しを行う。なお,これにより難い場合
は,監督職員と協議しなければならない。
(i) 練積(張)における伸縮目地は,高さの変化点及び曲線部の始終点等を選び10m間隔
で基礎を含む設計全断面に設ける。
(j) 練積(張)における水抜き穴は,2m2に1か所の割合を標準として配置し,硬質塩
化ビニル管を2%程度の勾配で表面から裏込め材に届かせる。また,管端に吸い出し
防止材を設ける。
11. 6. 4
石 積(張)工
(a) 石積(張)に使用する材料は,割れ,欠け等のないものとする。
(b) 石積(張)の施工は,11.6.3コンクリートブロック積(張)工 による。
(c) 修景的に用いる石積は,8章10節 石積み・景石等 による。
− 93−
11章
7節
11. 7. 1
施 工 一
般
法
面
保
護
コンクリート擁壁工
コンクリート擁壁工の施工は,この節によるほか,5章基礎工及び6章無筋及び鉄筋
コンクリートの規定による。
11. 7. 2
土
工
11. 7. 3
無 筋 コ ン ク
リート擁壁工
コンクリート擁壁工の土工事は,4章 3節小規模土工 の規定による。
(a) 伸縮目地の間隔は,10m以下とし,ひび割れ誘発目地の間隔は5m以下を標準とす
る。
(b) 水平打継目は,原則として設けない。設ける場合の構造は,段を付け,表裏それぞ
れ 0.1m程度の位置に用心鉄筋(SD295A,D13,ç=1.0m )を 0.5m間隔に垂直
に配置する。
(c) 水抜き穴は,2m2に1か所の割合を標準として配置し,硬質塩化ビニル管を2%
程度の勾配で表面から裏込め材に届かせる。また,管端に吸い出し防止材を設ける。
11. 7. 4
鉄 筋 コ ン ク
リート擁壁工
(a) 伸縮目地の間隔は,20m以下とし,鉄筋を切って設ける。ただし,もたれ式擁壁の
場合は,10m以下とする。
(b) ひび割れ誘発目地の間隔は,10m以下とし,鉄筋を切らないで設ける。
(c) 水抜き穴は,11.7.3 無筋コンクリート擁壁工 による。
11. 7. 5
プレキャスト
擁
壁
工
(a) 製品の据付けに先立ち,施工割付図を作成し,監督職員に提出する。
(b) 据付け前に,接合面の泥,油等の接合に害するものは,取り除いておく。
(c) 据付けは,位置,形状が一致するように部材を設置し,食い違いやねじれが生じな
いようにする。
(d) 伸縮目地の間隔は,20m以下とし,付着及び水密性を保つよう施工する。
− 94−
12章
運
12章
1節
12. 1. 1
適
用
動
場
運動場
一般事項
この章は,屋外運動場のクレイ系舗装,全天候系舗装及び運動場の附属品,付帯施設,
その他これらに類する工種に適用する。
12. 1. 2
土
工
運動場の土工事は,4章 2節大規模土工 による。
なお,附属品,付帯施設の土工事は,4章 3節小規模土工 の規定による。
2節
12. 2. 1
施 工 一
般
クレイ系舗装
(a) クレイ系舗装の施工は,この節による。ただし,地域の特性その他の事情により,
この節の規定によりがたい場合は,監督職員と協議する。
(b) 運動場の計画高,舗装材料等は,特記による。
(c) 施工面下に地下水,浸透水,湧水等の異状又は予期しない不良土質を発見した場合
は,監督職員と協議する。
12. 2. 2
舗 装 基 盤 工
(a) 下層工の施工に先立ち,基盤面の有害物を除去する。また,基盤の締固めは,その
土質に適した締固め機械により,十分に行う。
(b) 測量ぐいにより高さの確認を行いながら,所定の勾配に仕上げる。
12. 2. 3
下
層
工
(a) 下層材は,基盤面を損なわないように注意しながら,均等に敷均す。
(b) 締固めは,下層材の特性を考慮し,所定の高さ及び厚さが得られるように締固める。
(c) 締固め作業は,適切な含水比の状態で施工する。
12. 2. 4
中
層
工
(a) 中層材は,下層面を損なわないよう注意しながら,均等に敷均す。
(b) 混合土を使用する場合は,現場で混合比率の大きい中層材から敷均し,トラクタ等
によって下層面を損なわないよう注意しながら均一に混合する方法とする。なお,事
前に混合プラントで混合する場合は,監督職員と協議する。
(c) 締固めは,中層材の特性を考慮し,所定の高さ及び厚さが得られるように締固める。
(d) 締固め作業は,適切な含水比の状態で施工する。
12. 2. 5
表
層
工
(a) 表面を土仕上げとする場合は,以下の規定による。
(1) 表層材は,中層面を損なわないよう注意しながら,仕上り厚を考慮して均等に敷
均す。
(2) 混合土を使用する場合は,現場で混合比率の大きい表層材から,敷き均し,トラ
クタ等によって中層面を損なわないよう注意しながら均一に混合する方法とする。
− 95−
12章
運
動
場
なお,事前に混合プラントで混合する場合は,監督職員と協議する。
(3) 締固めは,表層材の特性を考慮し,所定の勾配及び厚さが得られるように締固め
る。
(4) 締め固め作業は,適切な含水比の状態で施工する。
(5) 表層面は,凹凸がなく平坦でかつ粒度に片寄りのない,均等質な状態に仕上げる。
(6) 化粧砂を使用する場合は,表層面を損なわないように運搬のうえ,人力で均等に
散布し,仕上げ転圧を行い,ブラッシングする。なお,化粧砂の散布量は,0.003
m3/m2を標準とする。
(7) 苦汁は,ブラッシング後,均一に散布する。なお,苦汁の散布量は1.0㎏/m 2を
標準とする。
(b) 表面を芝仕上げとする場合は,以下の規定による。
(1) 植栽土(床土)は,中層面を損なわないよう配慮しながら敷均す。
(2) 土壌改良材及び肥料を混合する場合は,植栽土(床土)を敷均し後,特記の土壌
改良材等を所要量敷均し,トラクタ等にて均一に混合する方法とする。なお,事前
に混合プラントで混合する場合は,監督職員と協議する。
(3) 仕上げは,所定の勾配及び厚さが得られるように仕上げる。
(4) 芝は総芝張りを標準とし,横目地を通し,縦目地は通さないよう張付ける。その
他の場合は特記による。
(5) 目土は,均一に散布し,ハンドローラなどで芝根を植栽土(床土)に密着させる。
目土の散布量は,0.02m3/m2を標準とする。
(6) 芝生面は,平坦に仕上げ,目土が流れないように潅水及び養生する。
(c) 播種工法,蒔芝工法による場合は,特記による。
3節
12. 3. 1
施 工 一
般
全天候系舗装
(a) アスファルトコンクリートやセメントコンクリートを基層とし,表層材にアスファ
ルト系,合成樹脂系等を使用した全天候系舗装の施工は,この節による。
(b) 全天候系舗装の表層工の工法は,特記による。
(c) 基盤工の施工は,7章 2節路盤工 の規定による。
(d) この節以外の施工方法等については,製造所等の仕様による。
(e) 材料の保管方法に関しては,製造所の管理方法による。
(f) ラインは,表層材と同質の材料,又は製造所の仕様による。
− 96−
12章
12. 3. 2
基
層
工
運
動
場
(a) 基層工は,7章3節アスファルト舗装工,7章4節セメントコンクリート舗装工及
び8章8節透水性アスファルト舗装工の規定による。
(b) 透水性アスファルト舗装を運動場舗装の基層とする場合は,プライムコート,タッ
クコートは行わない。
(c) レベリングを行う場合に使用する表層材は,製造所の仕様による。
12. 3. 3
表
層
工
(a) 塗布式工法
(1) 基層の養生
アスファルトコンクリート基層は,舗設してから表層を塗布するまでに7日以上
養生を行う。
(2) 作業温度
気温が5℃以下又は基層表面の温度が60℃以上の場合は,塗布作業を行わない。
(3) 塗布作業
塗布材料は,使用する材料の製造所の仕様に従って適度な粘度になるように希釈
材を加えて十分に撹拌する。
塗布は,ゴムレーキあるいは吹付けによって何層かに分けて行う。塗りむら等の
凸部は,塗布層ごとに研磨修正を行う。
(b) 敷均し転圧工法
(1) アスファルト弾性混合物舗装
ア) アスファルト弾性混合物に使用する砕石,砂,石粉及びストレートアスファル
トは,2章 材料 の規定によるものとし,配合については製造所の仕様による。
イ) 混合は,アスファルトプラントを使用する。弾性粒状材や安定材は,常温のま
ま,塊ができないように注意してミキサーに投入する。材料の比重が異なるため,
材料が分離しないように混合時間を設定する。
ウ) 混合物の運搬,敷均し及び転圧は,製造所の仕様による。
(2) ゴムチップウレタン舗装
ア) 下地アスファルト舗装は,透水性アスファルト舗装とし,7日以上養生した後,
表面を良く清掃する。
イ) プライマーは,
ゴムチップウレタンの製造所の仕様に定められたものを使用し,
透水性を損なわないように塗布する。
ウ) 敷均しは,気温が5℃以下では行わない。
エ) 混合物の養生期間は,製作所の仕様による。
(c) 流し込み工法(ポリウレタン舗装)
ア) 下地アスファルト舗装は,14日以上養生した後,表面を良く清掃する。
イ) プライマー,弾性層及び表面処理に使用する材料は,製造所の仕様による。
ウ) クッション層及び表面仕上げの施工方法は,製造所の仕様による。
− 97−
12章
運
動
場
エ) 施工は,気温が5℃以下では行わない。
(d) 複合弾性工法
ア) ゴムチップ層の施工は,(b) (2) ゴムチップウレタン舗装による。
イ) ウレタン層は,(c) 流し込み工法による。
(e) 敷張り工法
(1) 合成ゴム敷物舗装
ア) 材料のロールを所定の位置に仮敷きし,オーバーラップしたジョイント部分を
カットする。
イ) 仮置きしたシートを両端から中心部に向かってロール状に巻き戻し,下地舗装
に接着剤をくし目型のヘラを使って均一に塗布する。
ウ) 施工は,気温が10℃以下及び下地の舗装表面の温度が60℃以上では行わない。
エ) ロール状のシートを広げながら接合面を圧着するように貼付け,こてで入念に
表面を押さえ付ける。
オ) 接着剤が硬化するまで,重しを置いて押さえ込む。
(2) ゴムチップシート舗装
ア) 下地舗装は,透水性アスファルト舗装とする。
イ) シートは,ハンドローラで押さえ込みながら貼付ける。この施工は,気温が5
℃以下では行わない。
ウ) 表面仕上げの施工方法は,製造所の仕様による。
(3) 人工芝織物タイプ
ア) 下地アスファルト舗装にローラーマーク等の不陸がある場合は,樹脂モルタル
やポリマーセメントなどで平坦になるよう修正する。
イ) 人工芝の敷設については,製造所の仕様による。
ウ) 人工芝の下にアンダーパットを施工する場合は,製造所の仕様による。
(4) 人工芝砂入りタイプ
ア) 下地舗装の処理及び人工芝の敷設については,(e) (3) 人工芝織物タイプによ
る。
イ) 人工芝を敷設後,
サンドスプレッダーにより硅砂を所要の厚さに均等に散布し,
充填後ブラッシングする。
ウ)人工芝の下にアンダーパットを施工する場合は,製造所の仕様による。
(f) 組立工法
ア) 高分子成型品の施工は,製造所の仕様による。
イ) 表層に帯電する静電気を逃すために,アースロッドあるいはアースベースを必
要数設置する。
− 98−
12章
4節
12. 4. 1
施 工 一
般
12. 4. 2
排 水 施
設
運
動
場
附属品,付帯施設
附属品,付帯施設の設置は,本仕様書によるほか,製造所の仕様による。
(a) 屋外運動施設の排水施設の施工は,9章 排水工 の規定による。
(b) 表面排水は,所定の勾配になるように施工し,運動場内に滞水その他を生じさせな
いようにする。
12. 4. 3
給 水 施
設
屋外運動施設内の給水施設は,運動場全般に均一散水で,かつ運動や競技に支障の無
いように設置する。
− 99−
13章
環
13章
1節
境
緑
化
環境緑化
一般事項
13. 1. 1
適
用
この章は,樹木,地被植物等の新植,移植工事その他これらに類する工種に適用する。
13. 1. 2
土
工
環境緑化の土工事は,4章 3節小規模土工 による。
13. 1. 3
施 工 一
般
(a) 新植工事及び移植工事に際しては,敷地が樹木の種類及び形状寸法に応じた植栽基
盤としての良好な条件を備えているかどうかについて確認する。
(b) 樹高,樹冠及び植栽地盤の踏固め状況等を考慮して,適切な施工機械を選定する。
(c) 植栽材料の搬入にあたっては,植栽計画に基づき搬入する。
(d) 原則として配植図及び植栽計画を作成し,監督職員に提出する。配植図作成にあた
っては,樹木の表裏,真木添木の区別,高木低木の組合わせや,架線,照明灯等の他
の工作物との位置関係に留意する。なお,配植図の作成は,監督職員の承諾を受けて
省略することができる。
(e) 植栽後は,必要に応じて灌水,凍結防止,雑草の除去等を行い,引き渡し完了まで
十分養生する。
13. 1. 4
枯補償による
植 替 え 等
(a) 工事完了引き渡し後1年以内の適切な時期に1回,樹木及び地被類の植裁の活着状
況について発注者又は施設管理者の検査を受ける。
(b) 検査の結果,植替えを行う場合は,施工前に植替え時期,施工方法等を発注者また
は施設管理者と打ち合わせる。
(c) 植替えにあたっては,仮設,養生を十分に行い,事故の防止に配慮するとともに周
辺の支障とならないように施工する。
(d) 移植の場合で (a)の検査の結果,枯損等が認められた樹木及び地被類は,ただちに
伐採及び除根を行い,良質土で埋め戻し整地する。
− 100−
13章
2節
13. 2. 1
植 穴 試
験
環
境
緑
化
植栽基盤整備
(a) 植付けに先立ち,植栽地の植穴試験を13.2.1表の方法で実施する。なお,植栽地周
辺の状況により,土壌の酸性度,塩分量等の試験が必要と判断される場合は,監督職
員と協議してこれを行う。
13.2.1表
植穴試験
試験項目
試験方法
土壌硬度測定試験
長谷川式土壌硬度計により,植
穴の底面を4か所測定する。
植穴透水試験
長谷川式簡易現場透水試験によ
り測定する。
(b) 試験結果は樹種等を考慮して取りまとめ,監督職員に報告する。なお,試験位置は
完成図に明記する。
13. 2. 2
植栽基盤の整備
(a) 樹木の場合は,地表から0.5∼1.5mの現状土を粗起しした後,耕うんする。地被植
物の場合は,地表から 0.2mの範囲を不良土,がれき等を取り除いた後,耕うんする。
(b) 排水不良,地下水位が高い等,根腐れ等のおそれがあるときは,監督職員と協議す
る。
(c) 粗起し・耕うんにあたっては,地下埋設物等の有無を確認した後,施工する。
3節
13. 3. 1
施 工 一
般
樹木植栽工
(a) 樹木の植栽は,この節による。
(b) 樹木は,現場搬入後すみやかに植込む。搬入日に植込みが不可能な場合は,仮植え
又は十分な保護養生により乾燥等の傷み防止を行う。
(c) 植栽は,高温乾燥期や凍結期を避け,やむを得ず施工する場合は十分な養生を行う。
13. 3. 2
植
付
け
(a) 樹木の小運搬,植込みに際しては,樹幹,樹枝等に損傷を与えないように配慮する。
特に大高木の植込みには,クレーンの吊りバンドにより樹皮等に損傷を与えないよう
に配慮する。
(b) 樹木は,現場においてせん定,整姿等の手入れを行う。
(c) 幹巻きを行う場合は,樹幹の地際から樹高の 1/2以上の高さまで,しゅろ縄2本合
わせで 0.1m程度の間隔を取りながらわらを巻き上げる。ただし,他の幹巻材工法で
行う場合は,監督職員と協議する。
(d) 根巻材料は,根鉢の崩れない範囲で,できるだけ外す。透水性の良好でない場所で
は,特に留意する。
(e) 植込みに際しては,根鉢の高さを勘案して穴底に良質土を中高に敷均したうえ,樹
− 101−
13章
環
境
緑
化
木の向きを適切に定める。
(f) 埋戻しは,根鉢の周囲に植栽土が均等に行き渡るように,水ぎめ又は土ぎめを行
い,表面に水鉢を設ける。
(g) 樹木植付け後,ただちに支柱を取付けることが困難な場合は,必要に応じて仮支柱
を設け樹木を保護する。
13. 3. 3
風 除 支
柱
(a) 風除支柱は,本来の目的を果たすよう強固に設置する。
(b) 樹木と支柱との取付け部分は,杉皮等を巻きしゅろ縄綾掛け結束する。
(c) 丸太相互の取付けは釘止めを行い,八ツ掛形支柱については鉄線割掛けとし,鳥居
形支柱については鉄線綾掛けのうえ,割掛け又はボルト締めとする。
(d) 唐竹相互の結束は,結束部分に鋸目を入れ鉄線割掛けとする。
(e) 布掛形支柱の唐竹の連節は,二節程度重ねる。
(f) その他の支柱は,特記による。
13. 3. 4
施
肥
施肥は必要に応じて行い,植物の根に直接触れないように施し,覆土する。
13. 3. 5
マ ル チ ン グ
マルチング材は,必要な範囲に均一に敷き込む。
13. 3. 6
樹
名
樹名札は,特記による。樹名札の記載事項及び取付け場所は,監督職員の指示による。
札
4節
13. 4. 1
施 工 一
般
13. 4. 2
根
回
し
樹木移植工
樹木の移植工は,この節によるほか,13章3節樹木植栽工による。
(a) 根回しに際しては,樹種及び移植予定時期を十分考慮して行うとともに,一部の太
根は切断せず,適切な幅で形成層まで環状はく皮を行う。
(b) 根回しに際しては,樹種の特性に応じて枝の切りすかし,摘葉等のほか,風除支柱
を取付けて養生する。
13. 4. 3
堀
取
り
(a) 根鉢は,樹木の特性に応じた適正な大きさに掘り出す。太根のある場合は,根鉢よ
りやや長めに切取る。細根の密生している部分は,できるだけ根鉢内に取込むように
する。
(b) 堀取りは,はじめ垂直に掘下げ,側根がなくなってから底部に向かって丸みをつけ
て掘下げ,太根のある場合は,鋸等で丁寧に切り戻す。
− 102−
13章
環
境
緑
化
(c) 根鉢は,わら縄等で堅固に根巻きを行う。鉢崩れのおそれがある場合は,こも等で
養生した後,根巻きをする。また,太根の切り口はわらなどを巻付けて十分養生し,
細根の密生している部分を傷つけないように巻込む。
(d) 樹勢及び樹形を考慮して余剰枝を切取る。
(e) 低木の根鉢の形状は,葉張りを考慮する。
(f) 活着を良くするために蒸散抑制剤又は発根促進剤等を用いる場合は,使用剤及び使
用方法について監督職員と協議する。
(g) 掘取り開始前日に根部に十分な潅水を行う。
13. 4. 4
運
搬
(a) 樹木は,堀取り後すみやかに植付け場所に搬入し,植付ける。
(b) 運搬に際しては,樹幹,樹枝の損傷,鉢崩れ,乾燥等のないよう十分養生する。
5節
13. 5. 1
施 工 一
般
13. 5. 2
平 面 芝 張 工
地被植栽工
植栽地の芝,笹等地被植物の植付けは,この節による。
(a) 現地に搬入した芝は,高く積み重ねたり長時間日光にさらしたりしない。
(b) 勾配が1:3より緩い法面及び平面での芝張りは目地張りとし,特記のない限り70
%張りとする。
(c) 芝の張付けは,横目地を通し縦目地は通さないものとする。目土は,土塊その他の
きょう雑物を除いたものとし,0.02m3/m2程度を均一に散布し,ハンドローラ又は
たたき締めにより芝の根を土壌に密着させる。この場合,目地部分のへこみがないよ
うにする。
(d) 勾配が1:3より急な法面の芝張りは,11章 2節法面芝付工 の規定による。
13. 5. 3
りゅうのひげ
及 び 笹 等
13. 5. 4
種 子 吹 付 工
植付けは千鳥とし,軽く押さえて,潅水する。植付株数は,りゅうのひげは44株/m2
(0.15m間隔),笹等25株/m2(0.2m間隔)を標準とし,その他の場合は特記による。
種子の吹付け等は,11章 3節種子吹付工・種子帯工 の規定による。
− 103−
13. 6. 1
施 工 一
般
13章
環
境
緑
化
6節
人工地盤の植栽
(a) 屋上,ベランダ,吹抜け,ライトコート等建物内外の床面を基盤とする人工地盤に
植栽を行う場合は,この節によるほか,この章の各節による。
(b) 植栽にあたっては,緑化場所の生育条件等を考慮する。
13. 6. 2
植 栽 土 等 の
敷
込
み
(a) 建物緑化用の植栽土等を所定の厚さに敷き均す。肥料及び土壌改良材等を混合する
場合には,均一になるように混合する。
(b) 植栽土の下層部に排水層を設ける場合の材料等は,特記による。
(c) 散水栓等がある場合には,傷つけないように注意して施工する。
13. 6. 3
植
栽
等
(a) 植栽時には,建物の仕上げ,防水層,下地等を傷つけないように注意して行う。
(b) 風除支柱の材料,設置方法については,製造所の仕様による。
(c) 風等によって植栽土が飛散するおそれがある場合には,その防止のためにマルチン
グ材を敷き詰める。ただし,地被植物を植付けた箇所を除く。
− 104−
14章
14章
取 りこ わ し及 び 舗装 補修
取りこわし及び舗装補修
1節
14. 1. 1
適
用
この章は,構造物等の取りこわし及び道路,広場,運動場等の舗装の補修に適用する。
2節
14. 2. 1
施 工 一
般
一般事項
取りこわし工
(a) 工事の施工に伴い生じた発生材については, 1.3.8 発生材の処理等 による。
(b) 発生材の運搬処理を行うにあたっては,運搬物が飛散しないように配慮する。
(c) 取りこわしの範囲は特記による。
(d) 構造物の取りこわしによって周辺構造物等に影響を及ぼすおそれがある場合は,監
督職員と協議する。
(e) 施工は,振動・騒音の少ない機械を使用する。なお,ほこりが飛散しないように配
慮する。
14. 2. 2
構 造 物 取 り
こ わ し 工
(a) 構造物の一部を撤去する場合には,存置する構造物に損傷を与えないように施工す
る。
(b) 石積みの取りこわし,コンクリートブロック撒去及び吹付け法面の取りこわしを行
うにあたっては,地山法面の雨水による浸食や土砂崩れを発生させないように施工す
る。
(c) 側溝,桝等の撤去に際して仮水路を設置する場合は,その機能を維持できるよう施
工する。
14. 2. 3
発生材の分別
アスファルト塊,コンクリート塊は,土砂,木材,鉄くず等が混入しないように分別
する。
− 105−
14章
取 りこ わ し及 び 舗装 補修
3節
14. 3. 1
車 道 等 舗 装
打
換
工
舗装補修
(a) 既設舗装の撤去は,舗装版をコンクリートカッターを用いて切断し,切り口が粗雑
にならないように打換部分を撤去する。
(b) 既設舗装の撤去によって周辺の舗装や構造物等に影響を及ぼすおそれがある場合や
既設舗装撤去後の下層に不良部分が発見された場合は,監督職員と協議する。
(c) 表層舗装打換工の場合は,既設舗装版を撤去後,路盤を整正する。必要に応じ路盤
材を補充し十分締固めを行った後,7章車道舗装,8章広場・歩道舗装の規定により
舗装の施工を行う。なお,補充する量は特記による。
(d) 全面舗装打換工の場合は,既設舗装撤去後,7章車道舗装,8章広場・歩道舗装の
規定により路盤工,舗装工の施工を行う。
14. 3. 2
路上表層再生工
(a) 施工準備
(1) 施工前に縦横断測量を行い,舗設計画図面を作成し,監督職員の承諾を受ける。
なお,縦横断測量の間隔は20m間隔とする。その他の場合は特記による。
(2) 既設舗装の不良部分の撤去,不陸の整正等の処置及び路面上の有害物の除去は施
工前に行う。
(3) 施工面に異状を発見したときは,その対策を監督職員と協議する。
(b) 配合設計
(1) 再生表層混合物は,
「舗装再生便覧((社)日本道路協会)」の規定に基づき配合試
験を行い,2.12.2表マーシャル安定度試験基準値を満たしていることを確認し,施
工前に監督職員の承諾を受ける。
(2) リペーブ方式に使用する新規アスファルト混合物は,7章3節アスファルト舗装
工に規定する配合設計を行い,粒度,アスファルト量を決定する。
(3) 再生用添加材料を使用する場合は,品質証明書を監督職員に事前に提出する。
(c) 現場配合
(1) 再生表層混合物は,最初の1日の舗設状況を観察する一方,その混合物について
マーシャル安定度試験を行い,2.12.2表マーシャル安定度試験基準値に示す基準値
と照合する。基準値を満足しない場合はアスファルト量の修正を行い,監督職員に
報告する。
(2) リペーブ方式に使用する新規アスファルト混合物は,7章3節アスファルト舗装
工の現場配合の規定により実施する。
(d) 基準密度
「舗装再生便覧((社)日本道路協会)」の品質管理に示される方法に従い,アスファ
ルト混合物の基準密度を求め,施工前に監督職員の承諾を受ける。
− 106−
14章
取 りこ わ し及 び 舗装 補修
(e) 施工
(1) 再生用路面ヒータにより再生表層混合物の初転圧温度が 110℃以上となるように
路面を加熱し,路上表層再生機により既設表層混合物を特記に示す深さでかきほぐ
す。ただし,既設アスファルトの品質に影響を及ぼすような加熱を行ってはならな
い。
(2) リミックス方式の場合は,かきほぐした既設表層混合物に新設アスファルト混合
物等を均一に混合して敷均しを行う。
(3) リペーブ方式の場合は,かきほぐした既設表層混合物を敷均した直後に,新設ア
スファルト混合物を特記に示された厚さとなるように敷均しを行う。
(4) 初転圧温度は 110℃以上とし,所定の締固め度が得られるよう十分に締固めを行
う。なお,交通解放は,舗装温度が50℃以下になってから行う。
14. 3. 3
路上再生路盤工
(a) 施工準備
(1) 施工に先立ち,既設舗装の不良部分の処理及び路面上の有害物を除去する。
(2) 施工面に異状を発見した場合は,その対策を監督職員と協議する。
(b) 添加材料
(1) 路上再生セメント安定処理を行う場合に使用するセメントは,普通ポルトランド
セメント又は高炉セメントB種とする。
(2) 路上再生アスファルト乳剤安定処理を行う場合に使用するアスファルト乳剤は,
14.3.1 表の規定による。
14.3.1表
混合用アスファルト乳剤
種類及び記号
ME-C
エングラー度(25℃)
2∼30
ふるい残留分(1.18㎜)
%
0.3以下
セメント混合性
%
1.0以下
蒸発残留分
%
57以下
蒸
発
残
留
分
針入度(25℃)
伸
度(15℃)
三塩化エタン可溶分
貯留安定度(24時間)
60を超え300以下
㎜
800以上
%
90以上
%
1以下
(3) 使用する添加材料の品質証明書を工事に使用する前に監督職員に提出する。
− 107−
14章
取 りこ わ し及 び 舗装 補修
(c) 添加材料の使用量
(1) セメント,アスファルト乳剤,補足材等の使用量は,特記による。
(2) 施工に先立って「舗装試験法便覧((社)日本道路協会)」に示す試験法により一軸
圧縮試験を行い,使用するセメント量について監督職員の承諾を受ける。ただし,
これまでの実績がある場合で,特記に示すセメント量の混合物が基準を満足し,監
督職員が承諾した場合には,一軸圧縮試験を省略することができる。
(3) セメント量の決定の基準とする一軸圧縮基準値は,14.3.2表を標準とする。
14.3.2表
特
性
一軸圧縮試験基準値(養生日数7日)
値
路上再生セメント
安 定 処 理 材 料
路 上 再 生 セ メ ン ト・ ア ス
ファルト乳剤安定処理材料
一軸圧縮強さ
MPa
2.5
1.5∼2.9
一次変位量
1/100㎝
―
5∼30
残留強度率
%
―
65以上
(d) 最大乾燥密度
施工開始日に採取した破砕混合直後の資料を用い,
「舗装再生便覧((社)日本道路協
会)
」に示す方法により路上再生安定処理材料の最大乾燥密度を求め,監督職員の承
諾を受ける。
(e) 破砕混合
(1) 路面の上にセメントや補足材を敷均し,路上破砕混合機によって既設アスファル
ト混合物,既設粒状路盤材等を破砕すると同時に均一に混合しなければならない。
また,路上再生安定処理材料を最適含水比付近に調整するため,破砕混合の際に必
要に応じ水を加える。
路上再生アスファルト乳剤安定処理の場合は,路上破砕混合作業時にアスファル
ト乳剤を添加しながら,均一に混合する。
(2) 施工中に異状を発見した場合には,その対策を監督職員と協議する。
(f) 整形及び締固め
(1) 破砕混合した路上再生路盤材を整形した後,所定の締固め度が得られるように十
分に締固めを行う。
(2) 路上再生路盤の厚さが 200㎜を超える場合は,振動ローラを用いて締固める。
14. 3. 4
オーバーレイ工
(a) 施工前に縦横断測量を行い,舗設計画図を作成し監督職員の承諾を受ける。なお,
縦横断測量の間隔は,20m間隔とする。その他の場合は特記による。
(b) 施工に先立ち,不良部分の処置及び路面上の有害物を除去する。
(c) 施工面に異状を発見した場合には,その対策を監督職員と協議する。
(d) 施工面を整備した後,7章 3節アスファルト舗装工 の規定に従ってオーバーレイ
を行う。
− 108−
14章
14. 3. 5
路 面 切 削 工
取 りこ わ し及 び 舗装 補修
(a) 施工前に縦横断測量を行い,施工計画図を作成し監督職員の承諾を受ける。なお,
縦横断測量の間隔は20m間隔とする。その他の場合は,特記による。
(b) 施工に先立ち,路面の不良部分の処置及び路面上の有害物は除去する。
(c) 切削したアスファルト合材は,1.3.8 発生材の処理等による。
14. 3. 6
応 急 処 理 工
(a) 応急処理に使用する材料は,特記による。
(b) 舗装表面に発生したクラック,舗装目地のはく離補修は,以下の規定による。
(1) 注入目地材によって補修を行う場合は,施工に先立ち古い目地材や石,ごみ等を
取り除く。
(2) 目地板の上に注入目地材を使用している目地は,注入目地部分の材料を取り除く
ものとし,また,1枚の目地板のみで施工している目地は目地板の上部30㎜程度を
削り取り,目地材を注入する。
(3) 補修するクラックや目地が湿っている場合は,充填作業を行わない。
(c) 舗装表面に発生したポットホール,段差の補修は以下の規定による。
(1) ポットホールの補修にあたっては,破損箇所を正方形又は長方形に整形し,清掃
した後プライムコート(1.2ç/m2)を均一に散布する。
(2) 舗設は,常温又は加熱したアスファルト混合物を使用し,既設舗装面と平坦に仕
上げる。
(3) 段差の補修にあたっては,路面を清掃した後,タックコート(0.4ç/m2)を均
一に散布し,所定の勾配で舗設する。
(4) 補修にあたって異状を発見した場合は,監督職員と協議する。
(d) 表面処理工(シールコート工)の施工は,以下の規定による。
(1) シールコートに使用する瀝青材料,骨材の種類及び使用量は特記による。
(2) 施工面が乾燥していることを事前に確認するとともに,浮石,ごみその他有害物
を除去する。
(3) 施工面に異状を発見した場合には,その対策を監督職員と協議する。
(4) 瀝青材料の散布にあたっては,縁石等の構造物を汚さないようにし,過剰量の瀝
青材料は除去する。
(5) 瀝青材料の散布後,ただちに骨材を均一に散布し,骨材散布の不均一な箇所はた
だちに手直しを行なう。
(6) 骨材散布後,タイヤローラで十分転圧し,骨材を瀝青材料に定着させ,瀝青材料
や骨材の過不足を発見した場合には,その都度修正し改めて転圧する。
− 109−
14章
取 りこ わ し及 び 舗装 補修
14. 3. 7
平板舗装補修
(a) 既設平板の取替え又は再使用については,監督職員の指示による。
(b) 再使用することとなる既設平板の撤去は,破損させないように取りはずし,監督職
員の指示する場所に仮置きする。
(c) 平板撤去後,路盤を整正する。必要に応じて補充用路盤材を敷均した後,十分に転
圧する。
(d) 平板の据付けは,8章 5節コンクリート平板・れんが・タイル舗装工 による。
14.
れ 3.
ん 8が 及 び
(a) れんが,タイルの破損,剥離している部分を枚数単位ではがし,モルタルを完全に
タイル舗装補修
取り除き下地コンクリートを完全に露出させ,表面を清浄にしたうえ,下地コンクリ
ート面に合成高分子エマルションセメントペーストを塗布し接着性を高める。
(b) れんが,タイルの据付けは,第8章 5節コンクリート平板・れんが・タイル舗装
工による。
14. 3. 9
クレイ系舗装補修
(a) 舗装表面に部分的に発生したクラック,凹みの補修は,以下の規定による。
(1) 表層面にクラックを生じた場合は,苦汁を混入した化粧砂を3㎜程度均一に敷均
し,転圧とブラッシングを繰り返し不陸なく仕上げる。
(2) 局部的な凹みを生じた場合は,その周囲をレーキ等でかき起こし,なじみよくし
た上で,表層安定剤を混入して化粧砂を均一に敷均し,転圧とブラッシングを繰り
返し,不陸なく仕上げる。
(3) 補修にあたって異状を発見した場合は,監督職員と協議する。
(b) 舗装表面を全面的に補修する場合は,以下の規定による。
(1) 表層部を 50∼100㎜程度トラクタ等でかき起こし,既設の表層材と同等の材料を
補充し,十分混合する。なお,補充する量は,特記による。
(2) 混合後,散水,転圧及び不陸整正を繰り返し,表層面を所定の高さに仕上げる。
(3) 化粧砂及び苦汁の施工は,12.2.5 表層工 の規定による。
− 110−
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