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イチョウイモ主要粘性糖タンパク質の糖鎖構造の解析
【報 告】 イチョウイモ主要粘性糖タンパク質の糖鎖構造の解析 津久井 学 著者らは、植物性粘質物の構造や機能性などその性状解明の一環として、わが国の 代表的粘性食品の1つであるヤマイモより粘質物を調製し、その性状について検討し てきた。同粘質物はマンナンと糖タンパク質の2成分から構成され、存在比は約2:8 であり、粘度比は約4:6と糖タンパク質が主要成分であり、同成分は加工処理によっ て不溶化するため、粘度低下が起こることを明らかにした1)。さらに、ヤマイモ粘質 物を構成する糖タンパク質には主要な32kDa(A)とマイナーな32kDa(B)があり、 このうち、主要な32kDa(A)は糖鎖末端に付与するシアル酸を介して、数∼十数分 子会合することで、高分子化し粘性を発現していた2)。このように、粘度低下の要因 となる主要糖タンパク質の粘性発現機構は明らかになったものの、糖鎖構造について の知見はない。 そこで、本研究では、ヤマイモ粘質物より主要な32kDa(A)糖タンパク質を分画 し、主にその糖鎖構造について検討を加えた。 試料および実験方法 1. 試料 試料には、ヤマイモ(栽培種)のうち、関東で栽培が盛んな平成17年度に収穫され たイチョウイモの生鮮品を用いた。 2. 粘質物の調製 イチョウイモを剥皮、摩砕したもの(5g)に水(35ml)を加え、粘質物を撹拌・ 抽 出( 室 温、1時 間 ) し、 遠 心 分 離(TOMY社 製:SRX-201、24,000×G、20分、 4℃)にてデンプンや細胞壁等の不溶性成分を除去後、得られた上澄み液より透析 (SPECTRUM社製:Por3、室温、一晩)にて粘性に影響の少ない遊離糖やアミノ酸な どの低分子夾雑物を除去し、50mlに定容して粘質物とした。 3. ゲル濾過クロマトグラフィーによる糖タンパク質の分画 得られた粘質物7mlに、分離能を向上させる目的で、2.0M塩化ナトリウム溶液(1% アジ化ナトリウム含有)5mlを加え、イオン強度を上げることで粘性を一時的に低下さ せた後、水を加え50mlに定容したものを、Toyopearl HW-75(東ソー社製)を充填した カラム(ミリポア社製、φ4.4cmI.D.×100cm)にて、ゲル濾過(溶出:毎分1.5ml、分 取容量:10ml×150本)を行い、MW約50万付近に溶出する糖タンパク質画分を分画し た。なお、糖およびタンパク質の検出には、各々フェノール・硫酸法3)4)、LOWRY改 良法5)にて測定した。 4. SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE) ゲル濾過にて得られた試料を、再び透析にて脱塩後、タンパク質濃度が2mg/mlに なるようロータリー・エバポレーター(IWAKI社製、REN-1000)にて濃縮した。こ −7− の試料に対し、処理液(グリセロール200μl、10% SDS溶液100μl、水10μl、0.5M Tris-HCl緩衝液(pH6.8、20μl))を0.5倍量加え、加熱(100℃、5分間)後、急冷し たものをSDS-PAGE用試料とした。同試料をLAEMMLIらの方法6) に従い行った。 なお、2-メルカプトエタノール(Me)は添加せず、S-S結合非還元下で行い、ゲル は12%均一、濃縮ゲル20mA、分離ゲル40mAで泳動した。泳動後のゲルについて、 タンパク質はクマシーブリリアントブルー(CBB)にて、糖鎖は過ヨウ素酸-シッフ (PAS)にて検出し、得られたバンドの組成比について、画像解析ソフトNIH Image にて解析した。 5. 糖鎖の解析 1)糖鎖の調製 SDS-PAGE後、CBBにて32kDa(A)の単量体である28および32kDaの両バンド を検出後、メスにて切り出した。同バンドは平衡液(SDS-PAGE用C液を水にて4 倍希釈)に浸漬(室温、30分)し液置換した後、マックスイールド(ATTO社製: AE-6580、75V 、4℃、4時間)を行い、ゲルより同成分を溶出、濃縮、脱塩した。 さらに、得られた試料をデザライザー(ATTO社製:AE-6590)にて透析(Viskase 社製:UC36-32-100、4℃、6時間)後、乾固した。 32kDa(A)糖タンパク質より、糖鎖を高橋らの方法7)に従い限定酵素にて切り出 した。すなわち、N 結合型糖鎖は、GlcNAcβ ‐ Asn間を特異的に切断するグリコペ プチダーゼA(生化学工業社製:アーモンド由来 EC3.5.1.52、0.1Mクエン酸リン酸緩 衝液含有)15μlおよびクエン酸/リン酸緩衝液(pH4.5)15μlにて融解し、酵素処 理(37℃、一晩)を行った。また、O結合型糖鎖については、GalNAc ‐ Ser(Thr) 間を特異的に切断するエンド-α- N -アセチルガラクトサミニダーゼ(生化学工業社 製:Alcaligenes sp.F-1906由来 EC.3.2.1.97)を10mMリン酸カリウム緩衝液(pH6.0、 40%グリセロール含有)10μlにて融解し同様に酵素反応させ、糖鎖を切り出した。 なお、本酵素はシアル酸が結合した糖鎖には作用しないことから、糖タンパク質に 0.01M塩酸溶液を加え加熱処理(80℃、1時間)してシアル酸を遊離後、作用させた。 2)糖鎖の解析 SDS-PAGE N 結合型糖鎖の構造解 kDa ࠥ࡞߆ࠄ 㔚᳇⊛ߦṁ 56 ಾࠅߒ ⣕ႮỚ❗ 析は高橋らの方法7) に従 32 28 い2次 元(D)-マ ッ プ 法 32kDa(A) ࡑ࠶ࠢࠬࠗ࡞࠼ にて、O結合型について はHPLCにて行い、一連 32kDa(A)㒢ቯ㉂⚛ߦࠃࠆ ♧㎮ߩಾࠅߒ ♧㎮ の操作法を図1に示した。 N⚿วဳ Ⱟశᮡ⼂ ⣕Ⴎ ♧㎮ (PA)ൻ (FPLC) す な わ ち、 切 り 出 し ࠣࠦࡍࡊ࠴࠳A ♧㎮ 2-ࠕࡒࡁࡇࠫࡦ O⚿วဳ たN お よ びO結 合 型 糖 鎖 ♧㎮ ࠛࡦ࠼-ǩ-N-ࠕ࠴࡞ をそれぞれバイアルに ࠟࠢ࠻ࠨࡒ࠾࠳ 入 れ、 遠 心 エ バ ポ レ ー N⚿วဳ♧㎮ߩ2ᰴరࡑ࠶ࡊ O⚿วဳ♧㎮ߩ⸃ᨆ (ODS߅ࠃ߮AmideࠞࡓߦࠃࠆHPLC) (ODSࠞࡓߦࠃࠆHPLC) タ ー(EYELA社 製: ࿑1♧⾰ࠢࡄࡦ࠲♧ޓ㎮ߩ᭴ㅧ⸃ᨆᴺ CVE-3100) に て 濃 縮 乾 −8− 固し、全自動糖鎖標識化システム(タカラバイオ社製:GlycoTAG)を用いて、 2-アミノピリジンによって蛍光標識(PA)化した。このPA化糖鎖に水1mlを加え 撹拌後、Toyopearl HW-40S(東ソー社製)を充填したカラム(ミリポア社製、 φ1.0cmI.D.×21cm)を用いて、10mM重炭酸アンモニウム溶液にて中圧クロマトグ ラフィー(FPLC:EYELA社製、分光蛍光検出器:島津製作所製 RF-10AXL、Ex 360nm、Em 400nm)によるゲル濾過(溶出:毎分0.4ml、分取容量:1ml×30本) を行い、糖鎖を分画した。 ゲル濾過後、濃縮乾固した試料に、水100μlを加えたものを、それぞれPA化N お よびO結合型糖鎖とし、HPLCによる分析に供した。すなわち、N 結合型糖鎖につ い て は、ODS-80TsQA(A液:10mMリ ン 酸 ナ ト リ ウ ム 緩 衝 液pH3.8、B液:10m Mリン酸ナトリウム緩衝液 0.5%ブタノール含有pH3.8、カラム温度55℃)および Amide-80(A液:3%酢酸-トリメチルアミン緩衝液pH7.3とアセトニトリルとの35: 65(V/V)の混液、B液:3%酢酸-トリメチルアミン緩衝液pH7.3とアセトニトリル との50:50(V/V)の混液、カラム温度40℃)の2つのカラムにてHPLCを行い、そ の溶出時間をグルコース単位に換算し、2次元マップ上に表示し構造を推定した。O 結合型糖鎖についてはODSカラムのみを用いたHPLCに供した。なお、糖鎖標準品 として、グルコースオリゴマー(生化学工業社製:DP 4∼20)を用いた。 ♧߅ࠃ߮࠲ࡦࡄࠢ⾰㊂ (Ǵg) 結果および考察 1)イチョウイモ粘質物を構成する糖タンパク質画分の分子量分布とその組成 粘質物をゲル濾過に供し糖タンパク質を分画した際の分離パターンを図2に、そ の組成を表1に示した。糖タンパク質画分は分子量50∼15万に溶出し、粘性が認め られた。粘質物はイモ100g当たり2g含まれており、この粘質物を100とした場 合、多糖と糖タンパク質画分の構成割合はこれまでの報告8)とは異なり、糖タンパ ク質画分が主体であり、95.0%を占めていた。また、これらの画分の粘度を測定し たところ、糖タンパク質画分の方が約4:6と高い粘性を示した。 ♧࠲ࡦࡄࠢ⾰ 200 1ޓᄙ♧߅ࠃ߮♧࠲ࡦࡄࠢ⾰↹ಽߩ⚵ᚑߣ☼ᐲ 150 100 ࠗ࠴࡚࠙ࠗࡕ MW200ਁ ࡑࡦ࠽ࡦ ⚵ޣᚑ(g㧛100g)ޤ 50 0 500 750 1000 1250 ☼⾰‛ 2.0(100.0) ࡑࡦ࠽ࡦ 0.1(ޓ5.0) ♧࠲ࡦࡄࠢ⾰ 1.9 ( 95.0) ♧ (㧑) ṁ㊂ (ml) 7.4 ࠲ࡦࡄࠢ⾰ (㧑) 92.6 ࿑2࡞ࠥߩ‛⾰☼ࡕ࡚ࠗ࠙࠴ࠗޓỹㆊࡄ࠲ࡦ 㧔Toyopearl HW-75㧕 ☼ޣᐲ(mPa㨯s)ޤ ♧⾰(ࡈࠚࡁ࡞⎫㉄ᴺ) ࡑࡦ࠽ࡦ 3.0 ࠲ࡦࡄࠢ⾰(LOWRYᴺ) ♧࠲ࡦࡄࠢ⾰ 4.9 −9− この結果から、ヤマイモの粘性本体である水溶性粘質物は、多糖および糖タンパク 質より成り、存在比および粘度比ともに糖タンパク質が主体であることを確認した。 2)SDS-PAGEによる分離パターン 粘質物は主に糖タンパク質より構成されることが確認されたが、同糖タンパク質 の主体は、32kDa(A)糖タンパク質分子であり、この32kDa(A)が、糖鎖の末端 や側鎖に付与するシアル酸を介して数∼十数分子会合し、粘性を発現することを既 に報告している1)。 そこで、32kDa(A)を2-Me無添加の非還元下におけるSDS-PAGEによって分 画した。その際、得られた泳動パターンを図3に、その組成値を表2に示した。マ 2ޓSDS-PAGEߦߡᬌߐࠇߚฦࡃࡦ࠼ߩ⚵ᚑ ࠗ࠴࡚࠙ࠗࡕ (%) 56kDa 6.5 32kDa 4.2 28kDa 89.4 Total 100.0 ޣ32kDa(B)ޤ 93.6 ޣ32kDa(A)ޤ イナーな32kDa(B)が分子間ジスルフィド(S-S)結合により連結した2量体の 56kDa、主要な32kDa(A)の単量体である32kDa、および32kDa(A)の単量体が 分子内S-S結合によって見かけ上の分子量が小さくなった28kDaの3つの糖タンパク 質分子が見られた。そこで、画像解析にてこれらバンドの組成比について検討した 結果、32kDaが4.2%、28kDaが89.4%と主要な分子量32kDa(A)の糖タンパク質分 子が糖タンパク質全体の約94%を占めており、同32kDa(A)がヤマイモ粘性糖タ ンパク質の主要構成分子であることを確認し、両バンドを以下の実験に供した。 3)32kDa(A)糖タンパク質糖鎖の構造 SDS-PAGEにより分離した主要な32kDa(A)について、特異的な酵素にてNおよ びO結合型糖鎖を各々切りだし、その化学構造について検討した。クロマトグラム を図4に、N結合型糖鎖については、PA化糖鎖の溶出時間をグルコースユニットに 換算し、2次元マップ上に当てはめたものを図5に、両糖鎖の組成を表3に示した。 また、O結合型糖鎖はODSカラムの方が分離能が良いことから、同クロマトグラム より重合度(DP)を算出した。 N結合型では、植物体に多いキシロースを含む糖鎖(X.110.2)と、高マンノー ス型糖鎖(M4.1)の2種類の糖鎖が検出された。O結合型糖鎖については、6種類 (G4.1、G4.7、G5.6、G6.2、G6.7、G7.6)と約DP4∼8の合計8種類の糖鎖が検出された。 − 10 − ޤࡑࠧࠝࠬࠦ࡞ࠣޣ ޤࡑࠧࠝࠬࠦ࡞ࠣޣ G5 G4 G5 G6 G7 Ⱟశᒝᐲ㧔Ex 320nmޔEm 400nm㧕 G7 G13 G17 G21 G8 G14 G18 G22 G9 G15 G19 G10 G11 G12 G16 G20 ޣN⚿วဳ♧㎮ޤ ޣO⚿วဳ♧㎮ޤ 0 15 30 45 60 Ⱟశᒝᐲ㧔Ex 320nmޔEm 400nm㧕 G6 G8 G9 G10 G11 G16 G12 G13 G15 G17 G14 G18 ޣN⚿วဳ♧㎮ޤ ޣO⚿วဳ♧㎮ޤ 0 15 30 45 ᜬᤨ㑆㧔ಽ㧕 ᜬᤨ㑆㧔ಽ㧕 ODS-80TsQA Amide-80 ࿑4ࡕ࡚ࠗ࠙࠴ࠗޓਥⷐ☼ᕈ♧࠲ࡦࡄࠢ⾰32kDa(A)ࠃࠅಾࠅߒߚ ޓޓN߅ࠃ߮O⚿วဳ♧㎮ߩHPLCࡄ࠲ࡦ N結合型とO結合型糖鎖の構成割合 についてみると、粘質物に多く見い だされることからムチン型ともいわ れるO結合型糖鎖が約90%を占めてお り、そのうち最も主要なものは重合 度約4と鎖長の短いG4.1が糖鎖全体の 約60%を占めていた。なお、他のヤ マイモ主要糖タンパク質の糖鎖構造 やO結合型糖鎖の詳細な化学構造につ いては、今後、重合度の近い構造既 知の糖鎖をHPLCに共打ちするなどし て検討する必要性が示唆された。 12 Amide-80 (Glucose units) G4 60 䇼X110.2(ODS:5.8, Amide:6.2)䇽 10 Man㱍6 GlcNAc㱎2Man㱍3 Man㱎4GlcNAc㱎4GlcNAc Xyl㱎2 8 Fuc㱍3 䇼M4.1(ODS:7.5, Amide:5.1)䇽 Man㱍6 Man㱍3 Man㱍3 Man㱎4GlcNAc㱎4GlcNAc 6 4 4 6 8 10 12 ODS-80TsQA (Glucose units) ࿑5ޓN⚿วဳ♧㎮ߩੑᰴరࡑ࠶ࡊ 3ࡕ࡚ࠗ࠙࠴ࠗޓਥⷐ☼ᕈ♧࠲ࡦࡄࠢ⾰32kDa(A)ࠃࠅ ޓޓಾࠅߒߚN߅ࠃ߮O⚿วဳ♧㎮ߩ⚵ᚑ ♧㎮ ⚵ᚑ㧔㧑㧕 ޣN⚿วဳޤ M 4.1 4.2 X 110.2 5.5 ⚂10㧑 ޣO⚿วဳޤ G 4.1 59.9 G 4.7 22.3 G 5.6 1.8 G 6.2 2.5 G 6.7 2.9 G 7.6 0.9 ⚂90㧑 ̪♧㎮✚㊂ 0.14g㧛ࠗࡕ100g 要 約 イチョウイモ粘質物より、ゲル濾過にて糖タンパク質画分を分画後、さらに、同糖 タンパク質の主要構成成分である32kDa(A)をSDS-PAGEにて分離・精製し、その 糖鎖構造について検討を加えた。 (1)同粘質物はイモ100gあたり2g含まれており、このうち、95%が糖タンパク質で あった。 (2)同糖タンパク質は、主要な32kDa(A)とマイナーな32kDa(B)の2種類から構 成され、このうち、32kDa(A)が93.6%を占めていた。 (3)糖鎖構造を解析した結果、N結合型糖鎖が2種類、O結合型糖鎖が6種類検出され、 このうち、粘質物に多く見られるO結合型糖鎖が約90%を占めていた。なお、最 も主要な糖鎖は重合度4の鎖長の短い糖鎖で、全体の約60%を占めていた。 − 11 − 文献 1)津久井学:日食保蔵誌、29, 4, 229(2003) 2)津久井学・佐藤広顕・永島俊夫・渡部俊弘・髙野克己・小嶋秩夫:食科工誌、48, 8, 578(2001) 3)DUBOIS M., GILLES K.A., HAMILTON J.K., REBERS P.A. and SMITH F.:Anal .Chem ., 28, 350(1956) 4)HODGE J.E. and HOFREITER B.T.:Methods Carbohyd ., 1, 388(1962) 5)LOWRY O.H., ROSEBROUGH N.J., FARR A.L. and RANDALL R.J.:J.Biol.Chem ., 193, 265(1951) 6)LAEMMLI U.K.:Nature , 227, 680(1970) 7)高橋禮子・富谷昇・吉田友昭:化学と生物 実験ライン20 糖タンパク質と糖結 合タンパク質(1992)廣川書店、東京 8)佐藤利夫・水口純・鈴木周一・戸倉正利:日化誌、88, 2, 106(1967) 本研究は、H16∼17年度科学研究費補助金および関東学院大学人間環境研究所より H17年度研究プロジェクト予算の交付を受けて行ったものである。 − 12 −