...

PDF形式, 275.39KB

by user

on
Category: Documents
10

views

Report

Comments

Transcript

PDF形式, 275.39KB
監 査 種 別
出資団体監査
監 査 対 象
名古屋市住宅供給公社
(事務所所在地:西区浄心一丁目 1 番 6 号)
(当該団体の事業に関係する所管局の事務を含む)
監 査 期 間
平成24年 7月31日から
平成25年 1月24日まで
監 査 結 果
(名古屋市住宅供給公社分)
第1 監査結果の概要
住宅都市局所管の出資団体である名古屋市住宅供給公社(以下「供給公社」と
いう。
)について、地方自治法第 199 条第 7 項の規定に基づき、出納その他の事務
の監査を実施した。
供給公社の資本金は 5,000 万円であり、全額本市の出資である。
平成 23 年度において、本市は供給公社に対して、特定優良賃貸住宅供給促進事
業における家賃減額に係る補助金として 2,887 万円を交付している。
また、供給公社は、市営住宅のうち公営住宅については公営住宅法(昭和 26
年法律第 193 号)による管理代行制度に基づき、その他の市営住宅及び定住促進
住宅については地方自治法による指定管理者制度に基づき、それぞれ管理を行っ
ており、本市は供給公社に対して、平成 23 年度において管理代行に係る委託料
85 億 4,144 万円及び指定管理料 8 億 8,990 万円を支出している。
今回の監査は、
供給公社の事業運営は出資目的に沿って適正に行われているか、
経理処理は適切か、財務諸表は基礎となる諸帳簿に基づいて適正に作成されてい
るかなどについて、主として平成 23 年度(平成 23 年 4 月 1 日~平成 24 年 3 月
31 日)の事務について調査した。
監査の結果、経理事務等において、一部に注意・検討を要する事例が見受けら
れた。今後の事業執行に当たっては、これらの点に留意されたい。
(注) 文中では万円未満の端数を切り捨て、
表中では千円未満の端数を切り捨て、
比率は実数により計算し計数ごとに小数点以下第 2 位を四捨五入した。した
がって、内訳の計と合計が一致しない場合がある。
第2 事業の概要
供給公社は、住宅を必要とする勤労者に対し、住宅の積立分譲等の方法により
居住環境の良好な集団住宅及びその用に供する宅地を供給し、もって住民の生活
の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的として、地方住宅供給公社法(昭
和 40 年法律第 124 号)に基づき、その前身である財団法人名古屋市住宅公社(昭
和 23 年 6 月の設立当初は財団法人名古屋市住宅建設社として発足)
を組織変更し
て、昭和 40 年 11 月に本市の全額出資により基本財産 5,000 万円をもって設立さ
れた。
平成 11 年 4 月からは財団法人名古屋市住宅管理公社
(昭和 47 年 2 月設立)
を統合し現在に至っている。
主な事業内容は、①積立分譲住宅、一般分譲住宅の建設及び譲渡、②賃貸住宅
等の建設及び管理、③住宅用地の造成、管理及び譲渡、④住宅建設と一体的に行
う店舗、事務所等の施設の建設、賃貸、管理及び譲渡、⑤住宅用地の造成とあわ
せて行う学校、病院、店舗等の用に供する宅地の造成、賃貸、管理及び譲渡、⑥
住宅居住者の利便施設の建設、賃貸、その他の管理及び譲渡、⑦公営住宅法に基
づく公営住宅又は共同施設の管理の代行、⑧以上の業務に附帯する業務及びその
他の受託業務である。
これらの事業を運営するため、理事会及び監事が置かれており、職員数は 188
人(嘱託員 105 人を含む。
)となっている。機構及び職員配置状況は、第 1 表の
とおりである。
第 1 表 機構図
(平成 24 年 3 月 31 日現在)
理事会
理 事 長(1 人)
総務部
総 務 課
(17 人)
副理事長(1 人)
管理部
管 理 課
(28 人)
専務理事(1 人)
収 納 課
(16 人)
常務理事(2 人)
東部事務所
(20 人)
理
西部事務所
(19 人)
南部事務所
(21 人)
北部事務所
(18 人)
事(3 人)
監事(1 人)
新栄団地管理事務所( 3 人)
事業部
保 全 課
(29 人)
事 業 課
(17 人)
1 事 業 状 況
(1) 市営住宅等管理事業
本市から市営住宅及び定住促進住宅(以下「市営住宅等」という。
)について、
計画修繕、経常修繕、施設保全、共同施設整備、家賃の収納事務、滞納家賃の
納付指導、入居募集手続等を受託している。市営住宅等の管理戸数の推移は第
2 表のとおりである。
第 2 表 市営住宅等の管理戸数の推移
区
分
市営住宅
平成 21 年度
平成 22 年度
平成 23 年度
公営住宅
57,357 戸
57,309 戸
57,532 戸
改良住宅等
3,952 戸
3,963 戸
3,963 戸
計
61,309 戸
61,272 戸
61,495 戸
1,832 戸
1,832 戸
1,832 戸
63,141 戸
63,104 戸
63,327 戸
定住促進住宅
合
計
(2) 市営住宅等駐車場管理事業
本市から市営住宅等に係る駐車場について、使用料の収納事務、滞納使用料
の納付指導等を受託している。市営住宅等駐車場の管理台数の推移は第 3 表の
とおりである。
第 3 表 市営住宅等駐車場の管理台数の推移
区
分
市営住宅
平成 21 年度
平成 22 年度
平成 23 年度
公営住宅
32,670 台
32,667 台
32,990 台
改良住宅等
1,694 台
1,699 台
1,699 台
計
34,364 台
34,366 台
34,689 台
1,838 台
1,838 台
1,838 台
36,202 台
36,204 台
36,527 台
定住促進住宅
合
計
(3) 賃貸住宅等事業
賃貸住宅 2,132 戸(一般賃貸住宅 1,121 戸、店舗併用住宅 20 戸、定住促進モ
デル住宅 372 戸、特定優良賃貸住宅 619 戸(借上型 566 戸、公社型 53 戸)
)の
他、専用店舗 97 戸、事務所 3 か所、倉庫・施設 6 区画の管理運営を実施してい
る。賃貸住宅の空き家率の推移は第 4 表のとおりである。
第 4 表 賃貸住宅の空き家率の推移
区
分
平成 21 年度
平成 22 年度
%
一般賃貸住宅
%
%
4.5
3.7
5.1
15.0
30.0
30.0
9.1
14.0
14.8
借上型
18.4
12.7
15.4
公社型
3.8
1.9
1.9
店舗用併用住宅
定住促進モデル住宅
特定優良賃貸住宅
平成 23 年度
(注)1 定住促進モデル住宅:本市への定住を目的として、中堅所得層に適正
な家賃で良質な住宅を供給するもの
2 特定優良賃貸住宅(借上型)
:民間土地所有者が本市と国の補助を受
けて建設した優良な賃貸住宅を公社が一定期間借上げ、
収入が一定基準
内の中堅所得者に、
本市と国が家賃の一部を一定期間補助することによ
り、入居当初の家賃を軽減して入居させるもの
3 特定優良賃貸住宅(公社型)
:供給公社が建設した特定優良賃貸住宅
(4) 分譲住宅事業
市民と市内居住希望者の持ち家需要に応ずるため、
平成 23 年度までに積立分
譲住宅 7,882 戸及び一般分譲住宅 10,888 戸を供給している。
分譲住宅の建設戸
数の推移は第 5 表のとおりである。
第 5 表 分譲住宅の建設戸数の推移
区
分
平成 21 年度
平成 22 年度
平成 23 年度
14 戸
15 戸
25 戸
一般分譲住宅
(5) その他の受託事業
分譲住宅管理組合から受託した住宅等の管理業務などを実施している。
2 決 算 状 況
平成 23 年度及び平成 22 年度の比較貸借対照表及び比較損益計算書は、第 6 表
及び第 7 表のとおりである。
第 6 表 比較貸借対照表
平成 23 年度 平成 24 年 3 月 31 日現在
平成 22 年度 平成 23 年 3 月 31 日現在
科目
流動資産
現金預金
有価証券
未収金
分譲事業資産
その他事業資産
前払金
その他流動資産
貸倒引当金
固定資産
賃貸事業資産
事業用土地資産
その他事業資産
有形固定資産
無形固定資産
その他の固定資産
資産合計
流動負債
短期借入金
次期返済長期借入金
未払金
前受金
預り金
その他の流動負債
固定負債
長期借入金
預り保証金
繰延建設補助金
引当金
その他の固定負債
負債合計
資本金
剰余金
資本剰余金
利益剰余金
資本合計
負債・資本合計
平成 23 年度
千円
7,765,326
5,080,021
1,414,461
508,933
726,876
4,647
10,211
36,554
△ 16,379
23,637,418
20,391,644
―
474,590
914,666
23,680
1,832,835
31,402,745
10,990,646
8,610,000
303,118
1,681,336
82,183
292,464
21,541
16,167,529
12,276,075
1,347,946
197,156
2,220,395
125,955
27,158,175
50,000
4,194,570
―
4,194,570
4,244,570
31,402,745
平成 22 年度
千円
8,360,784
2,508,781
4,444,588
419,209
927,151
2,169
16,697
50,492
△ 8,305
24,207,942
20,669,815
―
764,005
945,503
28,883
1,799,734
32,568,726
16,067,359
13,610,000
297,777
1,868,481
5,926
269,316
15,856
12,287,417
8,379,193
1,372,664
186,649
2,249,256
99,653
28,354,777
50,000
4,163,949
―
4,163,949
4,213,949
32,568,726
比較増△減
千円
△ 595,458
2,571,240
△ 3,030,127
89,724
△ 200,275
2,478
△ 6,486
△ 13,938
△ 8,074
△ 570,524
△ 278,171
―
△ 289,415
△ 30,837
△ 5,203
33,101
△ 1,165,981
△ 5,076,713
△ 5,000,000
5,341
△ 187,145
76,257
23,148
5,685
3,880,112
3,896,882
△ 24,718
10,507
△ 28,861
26,302
△ 1,196,602
―
30,621
―
30,621
30,621
△ 1,165,981
前年度対比
%
92.9
202.5
31.8
121.4
78.4
214.2
61.2
72.4
197.2
97.6
98.7
―
62.1
96.7
82.0
101.8
96.4
68.4
63.3
101.8
90.0
1386.8
108.6
135.9
131.6
146.5
98.2
105.6
98.7
126.4
95.8
100
100.7
―
100.7
100.7
96.4
第 7 表 比較損益計算書
平成 23 年度 平成 23 年 4 月 1 日~平成 24 年 3 月 31 日
平成 22 年度 平成 22 年 4 月 1 日~平成 23 年 3 月 31 日
科目
平成 23 年度
平成 22 年度
千円
千円
千円
%
11,752,898
11,667,861
85,037
100.7
484,410
815,445
△ 331,035
59.4
1,983,626
2,044,326
△ 60,700
97.0
その他事業収益
238,529
332,053
△ 93,524
71.8
受託事業等収益
9,046,332
8,476,036
570,296
106.7
11,656,916
11,455,830
201,086
101.8
487,204
759,294
△ 272,090
64.2
1,961,101
1,966,520
△ 5,419
99.7
215,332
310,506
△ 95,174
69.3
8,993,278
8,419,509
573,769
106.8
一般管理費
72,134
81,680
△ 9,546
88.3
事業利益(損失)
23,847
130,350
△ 106,503
18.3
その他経常利益
29,209
37,740
△ 8,531
77.4
その他経常費用
77,467
87,738
△ 10,271
88.3
△ 24,410
80,352
△ 104,762
―
特別利益
85,587
82,199
3,388
104.1
特別損失
30,557
132,775
△ 102,218
23.0
当期利益(純損失)
30,620
29,777
843
102.8
特定目的積立金取崩
―
―
―
―
30,620
29,777
843
102.8
事業収益
分譲事業収益
賃貸管理事業収益
事業原価
分譲事業原価
賃貸管理事業原価
その他事業原価
受託事業原価
経常利益(損失)
当期純利益(純損失)
比較増△減
前年度対比
第3 指 摘 事 項
1 家賃等の滞納整理事務を適切に行うよう検討すべきもの
供給公社では、公社賃貸住宅の家賃等の滞納について、要綱に基づき滞納整理
事務を行っており、滞納整理が困難な場合は、法的措置を行い、滞納者を退去さ
せることとしているが、退去者のうち、滞納が残っている者については、民間の
債権回収業者に債権回収を委託している。
公社賃貸住宅を退去した滞納者の滞納整理に係る書類を確認したところ、債権
回収業者からは、回収状況についての報告は受けていたものの、回収できなかっ
た退去者については、詳細な報告を受けておらず、納付指導等の状況を把握して
いなかった。
また、供給公社の債権については、財務会計規程において、住所不明などの一
定の事由に該当する場合に不納欠損処理を行うことができるとしているが、退去
者の滞納について、具体的な事由が不明確なまま不納欠損処理を行っている事例
が見受けられた。
供給公社にあっては、公社賃貸住宅を退去した滞納者に対しても、要綱に基づ
き適切に滞納整理事務を行うとともに、不納欠損処理を行う場合は、財務会計規
程に基づき適切に処理するよう、事務の手続きの方法について検討されたい。
2 団地環境維持協力要綱に基づき費用負担した放置自転車の処理について、実績
確認を行う方法について検討すべきもの
供給公社では、要綱に基づき、団地内に長期間放置された自転車を当該団地の
住民が処理する際に、その申請に基づき、粗大ごみ処理手数料納付券を交付して
いるが、実際に粗大ごみとして処理した実績の報告等については、要綱に定めが
ないことから受けていなかった。
供給公社にあっては、粗大ごみ処理手数料納付券が目的どおり使用されたこと
を示す報告を求めるなど、処理の実績を確認する方法について検討されたい。
3 会計事務に関するもの
供給公社では、財務会計規程において、会計を積立金会計、一般会計及び市営
住宅管理等会計に区分することとしており、さらに、一般会計については、事務
処理の便宜上、分譲事業等に係る会計、賃貸管理事業に係る会計及び資金運用に
係る会計(以下「各内部会計」という。
)に区分して経理を行うこととしている。
供給公社の財務諸表、総勘定元帳その他の会計帳簿を確認したところ、以下の
ような事例が見受けられた。
(1) 内部取引の相殺消去を正確に行うよう注意すべきもの
資金運用などの際に各内部会計間で行われる内部取引について、決算整理に
当たって相殺消去すべき処理の一部を見落としていたため、立替金及び未払金
について、貸借対照表の額が実際よりも多く計上されていた。
内部取引の相殺消去については、財務諸表における資産及び負債の二重計上
を避けるための処理であり、財務諸表の作成にあたって正確に行われなければ
ならない。
供給公社にあっては、決算整理に当たって、該当する勘定科目の照合を徹底
するなど、内部取引の相殺消去を正確に行うよう注意されたい。
(2) 決算整理仕訳について必要な手続きを行うよう注意すべきもの
一般会計の決算整理仕訳のうち、資金運用に係る会計の決算整理仕訳につい
て、決裁等の必要な手続きが行われていなかった。
供給公社にあっては、全ての決算整理仕訳について、必要な手続きを行うよ
う注意されたい。
(3) 消費税に係る会計方針をふまえた会計処理を検討すべきもの
供給公社の会計方針では、消費税については税抜き方式によることとしてい
るが、市営住宅管理等会計の財務諸表と総勘定元帳を照合したところ、財務諸
表については税抜きで表示されていたものの、総勘定元帳については税込みで
処理されており、財務諸表は総勘定元帳から別途消費税を控除することにより
作成されていた。
市営住宅の管理等の委託業務については、市への報告を税込み額で行うこと
から、市営住宅管理等会計には一般会計と一部異なる機能が求められていると
考えられるが、会計方針としては税抜き方式とされているため、供給公社にあ
っては、消費税に係る会計方針をふまえて、簡便かつ適切な会計処理が可能と
なる方法を検討されたい。
4 契約事務に関するもの
(1) 随意契約の理由について根拠を明確にするよう注意すべきもの
供給公社では、財務会計規程において、時価に比して著しく有利な価格で契
約を締結することができる見込みのあるときは随意契約によることができるも
のと規定しているが、一部の契約について、他社の見積もりとの比較など、著
しく有利な価格であると認められる具体的な根拠が示されないまま、当該規定
に基づき随意契約を行っている事例が見受けられた。
供給公社にあっては、当該規定に基づき随意契約を行う場合は、その理由を
担保する証拠書類を添付するなど、根拠を明確にするよう注意されたい。
(2) より競争性を発揮するよう契約方法等について検討・注意すべきもの
供給公社では、約 40 か所の公社賃貸住宅の清掃業務の委託にあたり、いくつ
かの住宅をまとめて 14 件の契約を締結し、うち 1 件については入札に付し、他
の契約については、金額が少額であることから、随意契約で業者を決定してい
たが、随意契約で契約が締結されたものについては、供給公社の契約事務取扱
要綱に規定する予定価格が定められていなかった。
また、供給公社によると、各委託契約の対象となる住宅のまとめ方について
の特段の基準等はないとのことであったが、複数の委託契約を受託している業
者もあることなどから、現在管理している住宅数以上にまとめて契約を行うこ
とが可能であると推察された。
供給公社にあっては、
要綱に基づき予定価格を定めるよう注意するとともに、
清掃業務の委託契約の対象となる住宅数について基準を設け、可能な限り入札
に付すなど、より競争性が発揮される方法を検討されたい。
(3) その他契約事務で注意すべきもの
ア リース契約に係る契約書について付記すべき対象物の品名等の欄が空欄に
なっているもの
イ 上申書について随意契約の理由が記載されていないもの
ウ 見積書、上申書、請書等について徴取の日付が入っていないもの
エ 見積書について原本を徴取せず、FAXで送られた書類を使用しているも
の
(意 見)
供給公社では、中期経営計画(計画期間:平成 18 年度から平成 22 年度まで)
及び経営戦略計画(計画期間:平成 23 年度から平成 25 年度まで)において、市
営住宅及び公社賃貸住宅の管理運営を通して住宅セーフティネットの役割を果た
すとともに、本市のまちづくりや住宅施策に連携した分譲住宅事業に特化しなが
ら、市の住宅施策を補完・代替する役割を担うものとして、基幹事業を分譲住宅
から賃貸事業・市営住宅管理事業へシフトすることとし、分譲住宅事業の保有土
地の事業化や借入金の返済を始めとする財務内容の改善など、経営改善に取り組
んできたところである。
また、公社賃貸住宅については、昭和 56 年以前の旧耐震基準で建設された住宅
が 3 分の 2 を占め、建設時期の古い住宅が多いことや、生活ニーズの変化などを
ふまえ、平成 23 年 4 月に「公社賃貸住宅ストック活用計画」
(計画期間:平成 23
年度から平成 32 年度まで)を策定し、少子高齢化や環境への配慮に対応するとと
もに、公社が保有するストックを長期的かつ有効に活用するために、耐震改修や
設備等の改善など、計画的な管理を行うこととしている。
供給公社の財務内容を確認したところ、固定資産の大半を占める賃貸事業資産
の取得については、本市及び金融機関からの借入金を主な財源とし、賃料収入に
よって借入金の返済に充てている構造であると考えられるが、今後も安定的な財
務基盤を維持するためには、公社賃貸住宅を有効に活用し、安定した賃料収入を
確保するとともに、借入金を計画的に返済することが必要不可欠であると考えら
れる。
供給公社にあっては、借入金の返済などの資金計画について、本市及び金融機
関とも十分に協議・連携しながら、引き続き財務内容の改善を図り、市民ニーズ
に対応した良質かつ安定的な住宅の提供に努められたい。
また、今回の監査では、経理事務のうち、決算整理仕訳から財務諸表の作成ま
での事務について、会計制度上のチェック機能が十分に発揮されていないのでは
ないかと思われる事例が確認された。供給公社にあっては、個々の事務処理にお
ける必要事項の整理・再確認を行うなど、
経理事務の適正な執行に努められたい。
第 8 表 建設年別住宅戸数
建設年
区 分
一
般
賃
貸
住
宅
昭和 45 年
以前
645 戸
昭和 46 年
~55 年
400 戸
定住促進モデル住宅
―
―
特定優良賃貸住宅(公社型)
―
―
昭和 56 年
~平成 2 年
平成 3 年
以降
85 戸
11 戸
157 戸
215 戸
―
53 戸
(注)取り壊し等により現在保有していない住宅を除く。
(住宅戸数:戸)
600
400
645
200
53
400
157
85
0
昭和45年
以前
一般賃貸住宅
昭和46年
~55年
定住促進モデル住宅
昭和56年
~平成2年
215
11
平成3年
以降
特定優良賃貸住宅(公社型)
第 9 表 借入金の年度末残高の推移
平成 17
年度
平成 18
年度
平成 19
年度
平成 20
年度
平成 21
年度
平成 22
年度
平成 23
年度
名古屋市
196 億円
164 億円
157 億円
163 億円
162 億円
166 億円
165 億円
金融機関等
78 億円
40 億円
67 億円
60 億円
58 億円
56 億円
46 億円
275 億円
204 億円
225 億円
223 億円
220 億円
222 億円
211 億円
合
計
(借入金残高:億円)
300
250
78
200
40
67
60
58
56
46
164
157
163
162
166
165
18年度
19年度
20年度
21年度
22年度
23年度
150
100
196
50
0
17年度
名古屋市
金融機関等
(住宅都市局関係分)
第1 監査結果の概要
今回の監査は、供給公社に対する出資団体監査に併せて、住宅都市局所管の事
務のうち供給公社に対する事務について実施した。
第2 指 摘 事 項
特になし
Fly UP