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第3章 デバイス作製手法
第3章 第3章 デバ イ ス作 製 手 法 前 章 で はMMI-BLDの DBRを デ バ イス作 製 手 法 動 作 原 理 とそ の 解 析 手 法Fつ い て 述 べ た 。本 研 究 の 目 的 は そ れ に 加 え る ことに よ っ て さらに 機 能 向 上 を 図 るも の で あ り、や や 作 製 プ ロ セ ス が 複 雑 に な っ て い る 。 この 章 で は 、ま ずDBR-MMI-BLDの 構 造 に つ い て 第1節 で 説 明 した 後 に 、そ の 作 製 手 法 に つ い て 述 べ る。こ の デ バ イ ス はMQW活 性 層 上 の クラ ッド層 再 成 長 を境 に 、大 き くプ ロセ ス を2っ る ことが で き る。第2節 quantum 製 に つ い て 、ま た 第3節 DBR-MMI-BLDを で はOffset welleに よ るActive/Passive集 に分 け 積 方 法 と回 折 格 子 の 作 で は リッジ レ ー ザ ー の 作 製 プ ロセ ス に つ い て 述 べ る。 作 製 す るた め の フ ォ トマ ス クデ ザ イ ン に つ い て はAppendixAに ま とめ た 。こ こ に フ ォ トマ ス クの 作 製 プ ロセ ス に つ い て も 示 して あ る。 3.1.DBRを 第2章 用 いたデバ イスの構造 で は 一 般 的 なMMI-BLDに よる全 光 フリップ ・ フロップ の動 作 原 理Fつ ここで は 、反 射 鏡 として 分 布 ブ ラッグ 反 射 鏡(DBR)を DBRと い て 説 明 した 。 用 い た デ バ イス の 構 造 に つ い て 説 明 す る。 は 、導 波 路 に周 期 的 な屈 折 率 差 を設 け ることに より、一 部 の 波 長 を選 択 的 に反 射 す ることが で きる構 造 であ る。ここで はPassive導 波 路 の コア に 周 期 的 な溝 を掘 ることに よって 実 現 してい る。 Fig.3-1: Device structure of DBR-MMI-BLD. 37 武田 浩司 DBRを 修士論文 用 い たMMI-BLDの 中 央 に2入 力2出 構 造 をFig.3-1に 力 のMMIが あ る。利 得 を 持 つActive領 枚 の 基 板 上 に 集 積 し 、MMIとSA部 な る 。DBRの 域 と利 得 を持 た な いPassive領 に の み 活 性 層 が あ る構 造 とな っ て い る。Active領 い 灰 色 で 表 示 され て い る。MMIへ がDBRと 示 す 。全 体 は リッジ 導 波 路 で 形 成 され て お り、 の4本 域 を1 域 は図 中濃 の ア クセ ス 導 波 路 下 に は 周 期 的 な 溝 が 掘 っ て あ り、これ 反 射 波 長(ブ ラッグ 波 長)は (3.1) とな る[26]-[28]。 ここでneffは 導 波 路 の 等 価 屈 折 率 で あ り、Lは 溝 の 周 期 で あ る。今 回 は240nm 周 期 の 溝 をDBR部 に 掘 るこ とに よっ て 、1550nm付 ま た 、DBRレ 近 の 波 長 を 選 択 的 に 反 射 して い る 。 ー ザ ー は へ き 開 端 面 か らの 反 射 が あ る と安 定 しな くな る 。そ こで 、今 回 は へ き開 端 面 の 部 分 を7°傾 け る ことに よ りデ バ イ ス 端 面 か らの 反 射 を 抑 え て い る。Fig.3-1に め 電 極 パ ター ン を 表 示 して い な い が 、実 際 に はMMI、2つ のSA、4つ のDBRそ は 煩 雑 に な るた れ ぞ れ に電 極 が あ り、プ ロー バ で 電 流 を 注 入 した り逆 バ イ ア ス を か け た りで きる よ うに な っ て い る(Appendix Aマ スク デ ザ イン を 参 照)。 今 回 の デ ザ イ ン で は 、MMIの に 重 要 とな るDBR間 長 さが 最 大660μm、 の 距 離 は1600μm、 が お よそ2800μmと へ き 開 端 面 問 の 距 離 は デ バ イス に よ っ て ば らつ き が あ る な ってい る。 3.2.第1ス テ ッ プ:Offset Active/Passive集 ま ず 、n型 organic vapor (Multiple ー phase epitaxy)を て0.8%圧 用 い て 、SCH さのQ1.25 光 ピ ー クが1.55μm、 InGaAsPを ま たTEモ エ ッチ ス トップ とな るよ うにInPが10nm は2つ 下 げ て くる 際 に 流 すV族 る時 にSBW(Saturated 38 (Separated confinement 実 際 に はSCHは よ る 、井 戸 層 に は10nm厚 bromine MQW し くは1.25Qと 光 ピ 呼 ぶ)、 さのInGaAsPを 用 いて ー ドに 対 して 利 得 を も つ ように 、歪 み がInP基 板 に対 し 、またMQW上 間 に は ウェッ トエ ッチ ン グ の 際 の 部 に は キ ャップ 層 としてInPを150nm成 の 点 か ら重 要 で あ り、まず このInPが ガ ス をPの heterostructure)、 フ ォ トル ミネ ッセ ン ス(PL)発 あ り(こ れ をQ1.25も 縮 歪 み が か か る ように 調 整 され て い る。SCHとMQWの して あ る。このInP層 Wellに 板 上 に 、有 機 金 属 気 相 成 長 法MOVPE(Metal 板 に 対 し て 無 歪 み のInGaAsPで 障 壁 層 に10nm厚 お り、PL発 ー プ)InP基 well)を 成 長 す る(Fig.3-2(b))。 ク が1.25μm、InP基 MQWは Quantum 積 に ドー プ され た(Sド quantum ま た 他 の デ バ イス とモ ノリシ ック集 積 す る時 長 あ る ことに よ り成 長 終 了 時 温 度 を み に す るこ とが で きる 。さら に 、後 の 段 階 で 回 折 格 子 を 形 成 す water)を 主 とす るエ ッチ ン グ 液 で ウェ ットエ ッチ ン グ を す る が 、これ 第3章 Fig.3-2: Processing procedure of active/passive integration by offset デ バ イス作 製 手 法 quantum well. 39 武田 浩 司 修 士論 文 はInGaAsPと 同 時 にInPも エ ッチ ン グ して しまうた め 、エ ッチ ン グ がMQWま で 達 しな い よ うに 保 護 す る 役 割 もあ る。 今 回 使 用 したMOVPEシ TBA,TBPの4種 ス テ ム の 構 成 図 をFig.3-3に 示 す 。ここで は 簡 単 の た め にTMI,TMG, 類 の ライ ン の み 示 して あ り、そ れ ぞ れ がIn,Ga,As,Pの ス で バ ブ リン グ し、610℃ 原 料 とな る。原 料 を 水 素 ガ に 加 熱 した 反 応 器 へ と入 れ る 。反 応 器 へ 流 す ガ ス 流 量 は 常 に 一 定 に な る よ うに して お き 、Ⅲ 族 ガ ス を 切 っ て 成 長 して い な い 時 な ど は 同 じ流 量 の 水 素 ガ スを ダ ミー として 流 し て い る。これ 以 外 に 、n型 ドー パ ン トとしてH2Sガ ス を 、p型 ドー パ ン トとしてDMZを バ ブ リン グ して 用 い て い る。 次 に フ ォ トリソグ ラ フ ィー に よ り必 要 な 部 分(MMIとSA)の す る(Fig.3-2(c))。 フ ォ トレ ジ ス トに はS1805を 条 件 をTable3-1に ン グ す る(Fig.3-2(e))。 S1805は 活 性 層 はH2SO4、H2O2とH2Oの 塩 酸)の 混 合 液(体 混 合 液(体 積 比3:1、 積 比1:1:5、5℃)で 室 温)で エ ッチ こ の ように 不 要 な 部 分 の 活 性 層 を 除 去 した 後 、レ ジ ス トを 剥 離 す る。レジ ス ト ア セ トン で 容 易 に 除 去 す る ことが で き る。 ここか らはDBRと グ マ ス クとしてSiO2を な る 回 折 格 子 を 作 製 す る プ ロセ ス に な る。ま ず 、今 回 は 回 折 格 子 の エ ッチ ン 用 い て お り、これ を スパ ッタリン グ に よ り50nm製 マ グ ネ トロン ス パ ッタで あ り、ガ ス 流 量 はAr に 加 熱 し、プ ラズ マ 電 力 は200Wで5分 Fig.3-3: 40 用 い て い る 。今 回 使 用 し て い る フ ォ トレ ジ ス トの 主 な 示 す 。最 表 面 のInPをH3PO4とHCl(濃 エ ッチ ン グ し(Fig .3.2(d))、 み 活 性 層 を 残 す よ うな マ ス クを 形 成 Schematic 15sccm、O25 膜 す る(Fig.3-2(f))。 装 置 は sccm、 全 圧 は0.7 Pa、 基 板 温 度 を250℃ 製 膜 して い る。各 種 薄 膜 の 製 膜 法 に つ い て は[45]に 詳 し view of MOVPE crystal growth system. 第3章 Table Table 3-1: Conditions 3-2: Conditions of photoresists. of ICP dry etching い 。そ の 後 、電 子 線(EB)リ ソグ ラ フィで 回 折 格 子 を 形 成 す るた め 、EBレ ス トは ポ ジ 型 のZEP520A-7を プ リベ ー クを180℃ で180s行 うことに よ りレジ ス ト厚 さは お お よ そ200nmと エ ミッシ ョン 電 流 は200pA、 描 画 装 置 はCRESTEC社 ジ ス トを 塗 布 す る。EBレ 用 い て お り、塗 布 の 条 件 は500rpm/5s→4000rpm/120sで 置 を 用 い て 回 折 格 子 を パ タ ー ン す る(Fig.3-2(g))。 電 圧 は50kV、 デ バ イス作 製 手 法 回 折 格 子 は240nm周 ドー ズ 量 は お よそ0.2μs/dotで な る 。ここ にEB描 ジ あ り、 画装 期 で あ り、電 子 線 の 加 速 あ る。な お 、この 電 子 線 製 の 集 束 ビ ー ム 型 の も の で あ り、フ ィー ル ドサ イ ズ500×500μmを60000 dot で描 画 して い る。現 像 時 間 は 全 体 で か か った 露 光 時 間 に依 存 す るが 、24時 間 程 度 の描 画 時 間 に 対 して は90∼120s程 度 必 要 に な る ことが あ る。現 像 後 ドライ エ ッチ ン グ を す る 場 合 は 、ポ ス トベ ー ク は 必 要 な い(今 回 は ドライ エ ッチ ン グ で パ タ ー ン をSiO2マ ス ク に して ウェ ットエ ッチ ン グ を 行 う場 合 に は100∼140℃ る)。EBを EBリ ス ク に 転 写 す るが 、直 接 レ ジ ス トを マ で2∼3minの ポ ス トベ ー クが 必 要 に な 含 む 各 種 リソグ ラフ ィ技 術 に つ い て は[46]に 詳 し い 。 ソグ ラフ ィを 用 い て 回 折 格 子 パ ター ン を 作 製 した ら、ドライ エ ッチ ン グ を 用 い てSiO2膜 パ ター ン を 転 写 す る(Fig.3-2(h))。 今 回 はICP(Inductively て い る。ドライエ ッチ ン グ の 条 件 に つ い てTable3-2に coupled plasma)エ に ッチ ン グ 装 置 を 用 い ま とめ る。 41 武 田 浩司 修士論 文 ドライ エ ッチ ン グ に よっ て 回 折 格 子 パ ター ン をSiO2に 転 写 した 後 、EBレ ジ ス トは 剥 離 液1165 お よ び ア ッシ ン グ(酸 素 プ ラ ズ マ に よっ て レ ジ ス トを 酸 化)に よっ て 除 去 す る 。EBレ ジ ス トは 長 時 間 た つ と剥 離 液 の み で は 除 去 で きな くな るた め 、ア ッシ ン グ が 必 要 に な る 。こうしてSiO2マ た 後SCH層 を エ ッチ ン グ しDBRを (Saturated bromine 作 製 す る(Fig.3-2(i))。 グ で き て い るの が 分 か る。ま た 、SBWはInPやInGaAsPを チ ン グ す る 性 質 が あ るの で 、Active/Passive界 SiO2マ エ ッチ ン グ に は 飽 和 臭 素 水SBW water)[47]を 用 い て お り、SBW 1ml、HBr 10ml、H2O 冷 却 して 用 い る。この よ うに して 作 製 した 回 折 格 子 のSEM像 40mlの をFig.3-4に 混 合 液 を5℃ に 示 す 。周 期 的 に エ ッチ ン 他 の エ ッチ ャ ン トと比 べ て 等 方 的 に エ ッ 面 を 滑 らか に す る役 割 も あ る(Fig.3-5参 照)。 ま た 、 スク近 傍 で は 選 択 成 長 と逆 の 効 果 に よ りエ ッチ ャン トの 濃 度 が 高 ま り深 くエ ッチ ン グ され 大 き な 段 差 が で き て しま うた め 、将 来 導 波 路 とな る 部 分 は す べ てSiO2マ スク を 除 去 して お く必 要 が あ る。 Fig.3-4: SEM image Fig.3-5: 42 ス クを 作 製 し of gratings Aims of SBW after SBW etching. etching. 第3章 この ように してDBRを ず 最 上 層 のInP層 形 成 しActive/passive界 デ バ イス作 製 手 法 面 を 滑 らか に した 後 、再 成 長 の 準 備 とな る。ま を 最 初 の エ ッチ ン グ と同 様 の エ ッチ ャン トを 用 い て 除 去 す る(Fig.3-2G(j))。 これ は 、 再 成 長 前 の 最 表 面 は す べ て 同 一 の 組 成 とな っ て い る 必 要 が あ るた め で あ る 。この 組 成 が ず れ て い ると、再 成 長 中 昇 温 時 にPやAs抜 を 行 う。H2SO4で け が 起 こ り、結 果 組 成 が ず れ て しま う。そ の 後 、再 成 長 前 の 洗 浄 洗 浄 後 、純 水 リン ス を 行 い 、さら にBHFへ10分 浸 け た 後 純 水 で5分 が らリン ス す る。そ うして 洗 浄 した 基 板 上 に 、クラッド層InPを150nm、 を エ ッチ ス トップ 層 として 挟 み 、リッジ とな るp-InPを850nm、 タクトを 取 るた め のp+-InGaAsを 成 長 す る(Fig.3-2(k))。 以 上 流 しな さら に3nmのQ1.25InGaAsP そ して 最 上 層 に 電 極 との オ ー ミックコン 再 成 長 は ライ ナ ー チ ュ ー ブ を 交 換 しカ バ ー エ ピ を した 状 態 で 行 うの が 望 ま しい 。直 前 に ライナ ー チ ュ ー ブ の 交 換 が で きな い 場 合 は 、50mbarと い う通 常 成 長 時 の 半 分 の 圧 力 で760℃ に 昇 温 し2時 間 空 焼 きを 行 う。また 、後 の 導 波 路 形 成 プ ロ セ ス で の 試 験 用 資 料(ダ ミー サ ン プ ル)と して 用 い る た め 、同 時 にInPを 数 枚 入 れ て お き 、クラ ッド部 分 の み 成 長 した サ ン プ ル を 作 製 して お く。 これ まで の ス テ ップ で 、InP基 板 上 にActive/Passive領 域 と、部 分 的 にDBRが 板 を 作 製 す る ことが で き た 。この ように 、ま ず 基 板 上 にSCHとMQWを を 除 去 した 後 に クラッド層 を 再 成 長 してActive/Passive集 集 積 され た 基 成 長 し 、不 要 部 分 のMQW 積 を 行 う方 法 を 、Ofset quantum wellと 呼 ぶ。 3.3.第2ス テ ッ プ:ウ ェ ッ トエ ッ チ ン グ に よ る リ ッ ジ レー ザ ー の 作 製 こ こ か ら は 、Offset quantum wellに よ っ てActive/Passive集 積 し た 基 板 上 に リッ ジ 導 波 路 を 形 成 し レ ー ザ ー と す る プ ロ セ ス に つ い て 述 べ る(Fig.3-6)。 まず 、フォ トリソグ ラ フィー に よ っ て 基 板 上 に 導 波 路 パ タ ー ン を 形 成 す る(Fig.3-6(b))。 フ ォ トレ ジ ス トはTSMR 8900を ここで は 用 い て い る。また 、再 成 長 後 の 基 板 に は 部 分 的 に ゴ ミが 付 着 して い た りす る ことに よ り平 坦 で は な くな っ て お り、ここか ら全 て の フ ォ トリソグ ラフィー は 「ソフ トコ ン タ クト」と 呼 ば れ る モ ー ドで 行 う(露 光 す る 際 に サ ン プ ル を 窒 素 吹 き 上 げ で マ ス ク に 押 し付 け た りしな い)。 そ の 後 、ウェ ットエ ッチ ン グ に よ り導 波 路 を 形 成 す る。ま ずH2SO4、H2O2、H2Oの 5℃)を 用 い て 最 上 層 のInGaAsを 分 な 選 択 比 が あ るの で 、InPに エ ッチ ン グ す る(Fig.3-6(c))。 混 合 液(体 積 比1:1:5、 この エ ッチ ャ ン トはInPに 対 して 十 達 した 時 点 で 自 動 的 に エ ッチ ン グ は 止 まる が 、ア ンダ ー カ ットが 入 り や す い の で エ ッチ ン グ 時 間 に は 注 意 す る必 要 が あ る。そ の 後 、20%塩 InPを エ ッチ ン グ す る(Fig.3-6(d))。InPの グ も エ ッチ ス トップ として 挿 入 したInGaAsP層 酸 を 用 い て(35℃)ク ラ ッド ウェ ットエ ッチ ン グ に つ い て は[48]に 詳 しい 。この エ ッチ ン で 自 動 的 に 止 ま る。導 波 路 を 形 成 した 後 は 一 度 フォ ト 43 武 田 浩司 修士論文 Fig.3-6: 44 Processing procedure of ridge LD. 第3章 デ バ イス作 製 手 法 Fig.3-7: Needs of In GaAs etching between two (or more) electrodes. レジ ス トを 除 去 し 、電 極 パ ター ン を フ ォ トリソグ ラ フ ィー に よっ て 形 成 す る。この 電 極 パ ター ン を 元 に 、 電 極 が 無 い 部 分 の 最 上 層InGaAsを H2SO4、H2O2、H2Oの エ ッチ ン グ で 除 去 す る 。方 法 は 導 波 路 形 成 の 際 と同 様 で あ り、 混 合 液(体 積 比1:1:5、5℃)を 用 い る。これ を 行 わ な い と、電 極 間 でInGaAs 層 を 通 じて リー ク電 流 が 流 れ て しま うこ とに な る(Fig.3-7)。 次 に 、絶 縁 膜 として ス パ ッタ リン グ でSiO2を300nm製 DBR形 膜 す る(Fig.3-6(e))。 作製 条 件 は前 回 成 の 際 に 用 い た も の と同 様 で あ る。これ は 電 流 を 導 波 路 の 真 上 か らの み 注 入 す る こ とと、導 波 路 か ら染 み 出 して い る 光 が 電 極 で 損 失 を 受 け な い ように す る ス ペ ー サ ー の 役 割 を 兼 ね て い る 。 そ の 上 か ら再 度 フ ォ トリソ グ ラ フ ィー で 導 波 路 の 上 部 の み に 窓 を 開 け る よ うな パ タ ー ン を 形 成 す る (Fig.3-6(f))。 こ の 時 に 、パ ター ン の 位 置 合 わ せ は 導 波 路 幅 に 対 し て 十 分 な ア ラ イメン ト精 度 が 要 求 され る。そ の た め 、開 け る窓 の 幅 は 導 波 路 幅2μmに 対 して や や 広 くして お く(今 回 は4一 にし て あ る が 、さら に 大 き な 幅 で も 可 能)。 さ らに 、露 光 → 現 像 の一 連 の 流 れ で 導 波 路 上 が 完 全 に 開 い て しまう直 前 で 止 め る。ここか らア ッシ ン グ で レ ジ ス ト全 体 を 薄 くす る ことに よ り、精 度 良 く導 波 路 の 真 上 の み 窓 を あ け る ことが で き る(Fig.3-6(g))。 を 合 わ せ て しま うと、幅 の 広 いMMI部(12μm)で この 時 に 、細 い 導 波 路 部 分(2μm)に レ ジ ス トが 厚 く残 っ て しま うとい う現 象 が 見 られ る 。 これ を 回 避 す る た め に 、あ らか じめMMIな て お き(Fig.3-8(b))、 そ の 上 か ら2重 露 光 ・現 像 時 間 ど 幅 の 広 い 部 分 だ け を 幅 の 狭 い マ スクで 長 め に 露 光 し に 導 波 路 全 体 を 露 光 す る(Fig,3-8(c))。 こうす るこ とに よっ て 導 波 路 の 上 の み に 窓 を 開 け るこ とが で きる。 この 手 法 に よ り導 波 路 の 上 の み レ ジ ス ト窓 を 開 け た 状 態 で 、SiO2絶 除 去 す る(Fig、3-6(h))。 こうす る ことに よ り、導 波 路 部 分 の みSiO2絶 縁 膜 を ドライエ ッチ ン グ で 縁 膜 を 取 り除 き 電 極 とコ ン タ クト を 取 るこ とが で きる。 45 武田 浩司 修士論文 Fig.3-8: Contact opening of MMI waveguide. (a) before lithography, (b) first patterning of wide area only, (c) second patterning SiO2に コ ン タク ト用 の 窓 を 開 け た 後 にEB蒸 80nmと300nmで 着 装 置 でTiとAuを あ る。そ の 電 極 上 に 、レ ジ ス トOFPR Tiを エ ッチ ン グ す る。Auに リウム を2g混 of whole waveguide, (d) after ashing 合 し、純 水40 800を 蒸 着 す る。膜 圧 は そ れ ぞ れ 用 い て 電 極 パ ター ン を 形 成 し、Auと 対 して は ヨウ素 ・ヨウ化 カ リウム 溶 液 を 用 い て お り、ヨウ素 を1g、 mlで ヨウ 化 カ 溶 か して 用 い る。この 時 に ヨウ素 が 溶 け に くい の で ガ ラス 棒 で よく 撹 拝 す る必 要 が あ る。Tiに 対 して はBHFで エ ッチ ン グ す るこ とが で きる が 、これ は 同 時 に 下 地 に あ るSiO2膜 をエ ッチ ング して しまうた め 、エ ッチ ング 時 間 に は 注 意 が 必 要 で ある。や や エ ッチ ング時 間 は 長 め に して お き、SiO2を わ ず か にエ ッチ ングす る状 態 で 止 め 、確 実 にTiを 除 去 す る必 要 が ある。 そ の 後 レジ ストをア セ トンで 剥 離 し、裏 面 を研 磨 し基 板 膜 圧 を約180μmま してAuを で 薄 くす る。裏 面 電 極 と 製 膜 し、測 定 す る大 きさまで デ バ イスをへ き開 す る。最 終 的 に銅 板 上 にSnを イにボ ン デ ィン グす る。へ き開 端 面 のARコ 蒸 着 した ダ ー テ ィン グは 用 い て い ない 。デ バ イスを へ き開 す る時 に は メスを用 い 、双 眼 実 体 顕 微 鏡 の 下 で 表 面 か ら傷 をつ け、そ の 後 裏 返 して 同 じ部 分 を裏 面か らメス で 押 す ことに よって へ き開 す る。へ き開 誤 差 は お お よそ100μm程 デ バ イスの デ ず インをす る際 に は へ き開 用 に100μm以 度 にす ることが で きる。よって 、 上 の 余 裕 を持 たせ てお か な けれ ば ならな い 。 実 際 に 作 製 した デ バ イ ス の 電 極 コ ン タク ト部 のSEM像 を 撮 る時 に はStain グ し、InPに 46 示 す 。な お 、断 面SEM像 etchと 呼 ば れ る 方 法 に よ り、ここで はInGaAsとInGaAsPの み 横 方 向 に エ ッチ ン 対 して 濃 淡 の コン トラス トが つ くように な っ て い る。エ ッチ ャン トとして は 導 波 路 や 活 性 層 エ ッチ ン グ の 時 と同 様 にH2SO4、 て い る。 をFig.3-9に H2O2、 H2Oの 混 合 液(体 積 比1:1:5、5゜C)を 用 い1分 エ ッチ ン グ し 第3章 Fig.3-9: Cross sectional SEM image Fig.3-10: (a) Top view of DBR-MMI-BLD, of fabricated デ バ イス 作 製 手 法 waveguide. (b) SEM image of bonded bar. この ようにして 作 製 したデ バ イスの 顕 微 鏡 写 真 をFig.3-10(a)に 示 す 。分 か りや す くす るた め に や や 上 下 に 引 き伸 ば してあ る。黄 色 く見 える部 分 が 電 極 で あり、MMIと4つ のDBR、2つ のSAに 47 武 田 浩司 修士論文 分 割 して あ る。赤 色 に 見 え る 地 がSiO2絶 バ イス のSEM像 ス を10∼20個 3.4.ま をFig.3-10(b)に 縁 膜 で あ る。ま た 、Cuダ 示 す 。下 地 がCu上 にSnを と め 構 造 に つ い て 説 明 した 後 、デ バ イ ス の 作 製 手 法 に つ い て 述 べ た 。作 製 プ ロセ ス は 、InPク ラッドの 再 成 長 を 境 に2つ よ るActive/passive集 に 分 け られ 、前 半 のOffset Quantum 積 手 法 と、後 半 の リッジ レ ー ザ ー 作 製 プ ロセ ス に 分 け て 説 明 した 。実 際 の デ バ イス の レイ ア ウ トな ど はAppendix 48 蒸 着 した ダ イ で あ り、そ の 上 に デ バ イ 単 位 で ま とめ て ボ ン デ ィン グ して あ る 。この 状 態 で 次 章 か らの 測 定 を 行 う。 本 章 で は 、まずDBR-MMI-BLDの Wellに イ に ボ ン デ ィン グ され た 状 態 の デ Aマ ス クデ ザ イ ン に まとめ て あ る。