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(第1章-3)(PDF文書)

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(第1章-3)(PDF文書)
3.快適な生活空間の確保
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3-1 歴史的街並み・文化財の保存整備
(1)歴史的街並み・伝統文化の現況
○歴史的街並み
城下町長府は、高杉晋作らが倒幕の旗揚げをした功山寺や武家屋敷・土塀
が並び、城下町の風情を今に伝えるかのように、そのたたずまいを残してい
ます。
宮本武蔵と佐々木小次郎が闘った巌流島や源氏と平家が雌雄を決した関門
海峡などでは、歴史の深みを感じることができます。
○市民等に親しまれている伝統文化
平家哀史を今に伝える「先帝祭」や文禄・慶長年間から伝わる「亀山能」
などの伝統芸能、経済産業大臣が指定した伝統的工芸品の「赤間硯」、国宝
の「住吉神社本殿」などの歴史的建造物や「土井ケ浜遺跡」などの史跡が伝
統文化として親しまれています。
城下町長府の土塀
先帝祭(赤間神宮)
赤間関硯(蘭花研)
(2)目指すべき方向性
市民らに親しまれている歴史的街並みや伝統文化を後世に伝えるべく保全
し、魅力あるまちづくりに活用していきます。
(3)主要な施策
1)郷土に伝わる文化財の保存整備
貴重な文化財と遺跡を保存するとともに、その活用を図るため、文化財の
公開や史跡の整備等を推進します。また、貴重な歴史的環境の保全を図るた
め、市民の理解と協力を得られるよう努めます。
未周知の文化財の実態調査を行うとともに、文化財愛護思想の普及を図り
ます。
2)観光資源としての活用
本市の歴史・文化を内外に対し、積極的にPRし、歴史的街並みや伝統文
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化を観光資源として活用します。
3-2 景観の保全と創出
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(1)優れた都市景観、農村・漁村景観の現況
○景観条例
旧下関市では、海や緑が織りなす豊かな自然や歴史的・文化的遺産等の地
域資源に恵まれており、これらを活かしながら市民と行政が一体となり都市
景観形成に取り組むため、平成7年3月に「下関市都市景観形成基本計画」
を策定し、平成8年3月に「下関市都市景観条例」を制定しました。また、
本市と北九州市は、平成13年10月、関門景観をより一層魅力あるものとする
ため、同一の題名、同一の条文による「関門景観条例」を制定しました。
○山口県で育てられてきた景観
魅力ある地域の景観形成を目的として、県が策定した「山口県景観ビジョ
ン 1 」では、山口県で育てられてきた景観として、本市では、次のものが挙
げられています。
○国見の景観・・・・・・・・・・・・・ロープウェイからの俯瞰景2
○ホタルの舞う景観・・・・・・・木屋川のホタル舟
○文化的景観・・・・・・・・・・・・・角島の放牧、粟野川の川漁
○大規模構造物の景観・・・・・・関門橋、角島大橋
○宿場町・門前町の景観・・・・・長府城下町
○近代化の景観・・・・・・・・・・・・旧下関英国領事館
○五感で感じる自然の景観・・・川棚のクスの森
粟野川のアオノリ採り
(豊北)
火の山ロープウェイからの俯瞰景
1 山口県景観ビジョン:景観法の制定を受け、県民が継続して健康で文化的な生活を営む上で大切な、潤いと安らぎの
ある良好な景観を守り、育て、活用していく美しいまちづくりを住民と行政が協働して進めていくため、広域的な基本
方針として、平成17年に策定された。
2 俯瞰景:高い所から見下ろし眺める景色のこと。ここでは、船舶が行きかう関門海峡を眼下に臨む火の山ロープウェイ
からの景観を指す。
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○原風景が残る農村・漁村景観
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本市の郊外には、里地・里山がまだ残っており、原風景的な農村景観を見
ることができます。また、周防灘から日本海側には、小さな漁港がいくつか
あり、昔ながらの漁村風景が残っています。
里山風景
長府漁港
○市民が残してほしい景観
市民アンケートによると、特に残してほしいと思っている景観として、城
下町長府や唐戸市場周辺、旧秋田商会ビル、長府庭園、考古博物館、川棚温
泉などが挙げられています。
(2)目指すべき方向性
「下関市都市景観条例」に基づく施策を引き続き展開し、魅力あるまちづ
くりを推進します。また、残された農村・漁村の風景についても、その地域
の自然環境を生かした地域づくりを通じて良好な景観の形成に努めます。
(3)主要な施策
1)自然公園等の景観の保全
優れた美しい自然の風景地を保護していくとともに、瀬戸内海国立公園、
北長門海岸国定公園、豊田県立自然公園については、国や県と協力し、良好
な自然環境、景観の保全に努めます。
2)農村・漁村景観の形成の促進
棚田や鎮守の森、農村集落、昔ながらの漁村といった優れた農村・漁村景
観の形成に努めます。そのため、保全すべき対象を調査・選定し、地域住民
の参画のもとでその保全・活用の方法を検討し、景観形成の促進に努めます。
景観保全対象には、市民に親しまれる名称を付け、案内板などを設置する
など、景観保全への啓発に努めます。
3)景観計画の推進
良好な景観を保全し、魅力ある景観を形成していくため、景観法に基づく
景観計画を策定し、豊かで潤いのある景観づくりを推進します。
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4)環境に配慮した夜間景観形成
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都市の個性を高め、魅力的なまちづくりのための夜間景観形成を推進する
にあたり、省エネルギー等環境に配慮したライトアップの整備を進めます。
旧下関英国領事館のライトアップ
生 活
大歳神社のライトアップ
より安全で快適な夜間の
都市活動を支えるための照明
●安全
●利便性
●防災
南部町郵便局のライトアップ
景 観
共 生
光による、美しく、個性的な
都市景観の創造
環境・エネルギーに配慮した
調和のとれた照明
●美しさ
●わかりやすさ
●親しみやすさ
●その場らしさ
●省エネルギー
●環境
都市照明の基本的な考え方
《3つの視点の基本的な考え方》
生 活:人々の日常の生活を支える照明であることを基本とし、特に犯
罪や、事故に対する安全確保は重要で、また、人と街に活気を
もたらす効果に ついても考慮する。
景 観:建物や橋など対象物を昼間の景観では気付かなった魅力を光に
よって引き出すだけでなく、その街らしさや歴史を表現し個性
ある景観をつくりだす。
共 生:美しい景観をつくる上でも無駄と思われる光は減らし、必要と
思われる光もそのデザインや配光、効率に配慮し、できるだけ
上空への飛散を抑え環境への配慮と省エネルギーを実現する。
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3-3 公園・緑地等の整備
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(1)都市公園・レクリエーション地の現況
○都市公園の整備、風致地区の指定
本市には、現在366箇所の都市公園1が整備されています。総面積は339.4ha
で、都市計画区域2内の市民一人あたりの面積は12.9m2 であり、全国平均を
上回り、山口県の目標とする13m2 にほぼ匹敵する数値となっています。
また、風致地区3として、壇之浦風致地区、綾羅木海岸風致地区等7箇所
が指定されています。
乃木浜総合公園
○野外レクリエーション地
本市には、多様な海岸線やダムなどの水辺環境を利用した海水浴場・キャ
ンプ場・釣り堀などの施設が多く整備されています。この他、郊外では果樹
栽培を活用した果物狩りなどができる野外レクリエーション地が多く存在し
ています。
菊川自然活用村
リフレッシュパーク豊浦
1 都市公園:都市公園法に基づく、国や地方公共団体が整備、管理する都市施設としての公園。
2 都市計画区域:都市計画を定める区域。人口、土地利用、交通量などを考え合わせて、一体の都市として総合的に整備、
開発、保全する必要がある地域。
3 風致地区:都市における自然の風致(おもむき、あじわい)を維持することを目的として、都市計画区域内に定められた
地区。
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(2)目指すべき方向性
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誰もが親しみやすい公園・緑地を目指して、都市公園の新設・再整備を行
っていきます。
(3)主要な施策
1)親しみやすい都市公園の整備
観光客の誘導、市民のレクリエーション1需要に対応するため、施設の老
朽化が著しい火の山公園を、より拠点性・シンボル性の高い、市を代表する
都市公園として再整備します。
また、市民が親しみやすい公園・緑地となるように、市民の意見を反映し
て街区公園 2 等の新設、老の山公園等の既存施設を再整備します。
2)緑の基本計画の推進
海と緑、歴史と文化が調和した緑豊かなまちづくりを推進するため、「下
関市緑の基本計画」を策定します。さらに、市民と協働して緑のまちづくり
が進められるように、市民参加型の行政組織づくりや助成・支援制度等の充
実を図ります。
3)緑化の推進
都市におけるうるおいのある緑豊かな環境を確保し、豊かさとゆとりを実
感できる生活を実現するため、「緑化推進モデル事業」を立案・推進すると
ともに、市民や事業者の積極的な参加と協力を得て、緑地の保全及び緑化の
推進を図ります。
ヒートアイランド現象などの都市気象の緩和や大気の浄化に効果のある都
市緑化を推進するとともに、都市の快適な生活空間を創出するため、特に建
物の屋上、壁面、ベランダの緑化に対し、緑化費用の一部を補助する「屋上
等緑化推進事業」を推進します。
4)野外レクリエーション施設の整備
観光のシンボルである火の山公園や多武ノ峰公園のユニバーサル
デザイン 3 に考慮した公園整備、 角島の観光資源を活かした公園整
備、豊北峡・土井ケ浜のキャンプ場等アウトドア志向に対応した野
外レクリエーション施設整備、 緑に配慮した下関北運動公園の整備
を推進します。
1 レクリエーション:仕事や勉強などの疲れを癒し、精神的・肉体的に新しい力を盛り返すための休養・娯楽のこと。
2 街区公園:主に街区内に居住する方が利用することを目的に配置され、一箇所あたりの面積0.25ha規模を標準とする、
最も身近な公園のこと。
3 ユニバーサルデザイン:障害の有無、年齢、人種等にかかわらず多様な人々が利用しやすいよう都市や生活環境をデ
ザインする考え方。
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