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(第 3 次) 一部改定(案)

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(第 3 次) 一部改定(案)
東京都教育ビジョン(第 3 次)
一部改定(案)骨子
本案は、東京都教育ビジョン(第 3 次)の一部を改定する改定部分に係
る骨子である。
平成 28 年 2 月
東京都教育委員会
東京都教育ビジョン(第 3 次)一部改定(案)骨子
目次
取組の方向1 個々の子供に応じたきめ細かい教育の充実
1
基礎・基本の定着と学ぶ意欲の向上
2
理数教育の推進
…………… 1
取組の方向2 世界で活躍できる人材の育成 …………………………… 3
3
使える英語力の育成
4
豊かな国際感覚の醸成
5
日本人としての自覚と誇りの涵養
かん
取組の方向3 社会的自立を促す教育の推進 …………………………… 5
6
人権教育の推進
7
道徳心や社会性を身に付ける教育の推進
8
社会的・職業的自立を図る教育の推進
9
不登校・中途退学対策
10
子供たち一人一人に応じた手厚い支援体制の構築
取組の方向4 子供たちの健全な心を育む取組 ………………………… 8
11
いじめ、暴力行為、自殺等防止対策の強化
12
SNS等の適正な使い方の啓発強化
取組の方向5 体を鍛え健康に生活する力を培う
13
体力向上を図る取組の推進
14
健康づくりの推進
…………………… 10
取組の方向6 オリンピック・パラリンピック教育の推進 …………… 11
15
オリンピック・パラリンピック教育の推進
取組の方向7 教員の資質・能力を高める ……………………………… 12
16
優秀な教員志望者の養成と確保
17
現職教員の資質・能力の向上
18
優秀な管理職等の確保と育成
取組の方向8 質の高い教育環境を整える
19
都立高校改革の推進
20
特別支援教育の推進
21
学校運営力の向上
22
学校の教育環境整備
取組の方向9 家庭の教育力向上を図る
23
家庭教育を担う保護者への支援体制の充実
24
学校と家庭が一体となった教育活動の充実
…………………………… 14
……………………………… 16
取組の方向 10 地域・社会の教育力向上を図る
25
地域等の外部人材を活用した教育の推進
26
学校・家庭・地域が連携した教育活動の充実
……………………
17
取組の方向1
個々の子供に応じたきめ細かい教育の充実
現状と課題
○ 学力上位県と比較して下位層の割合が多いなど、児童・生徒一人一人の習熟度には依然として
差がある。また、授業の復習をしている割合が上位県よりも低いなど、家庭における学習への取
組にも差がある。
○ 我が国の生徒は、国際平均と比較して、数学や理科の勉強が好きと考える割合や、将来自分が
望む仕事に就くために数学や理科で良い成績をとる必要があると考える割合が低く、数学や理科
に対する興味・関心や学習意欲が低い。
主要な施策
1
基礎・基本の定着と学ぶ意欲の向上
【施策の必要性】
● 児童・生徒一人一人に基礎的・基本的な知識等を確実に習得させる必要がある。
● 主体的・協働的に学ぶアクティブ・ラーニングなど、新たな時代を見据えた教育へと改善して
いく必要がある。
【施策の内容】
● 習熟度別指導ガイドラインに基づき、小学校算数、中学校数学及び英語において効果的な習熟
度別指導、少人数・習熟度別指導を一層推進し、児童・生徒の確かな学力を育成する。
● 「放課後子供教室」
、
「地域未来塾」
、
「校内寺子屋」といった授業以外の場における学習支援の
充実を図る。
● 「東京ベーシック・ドリル」の電子化や、「ICTパイロット校」におけるタブレットPCの
活用など、ICT機器を活用した教材や指導方法・学習方法等を研究し、効果的に導入する。
● アクティブ・ラーニングに関わる指導内容・方法の研究・開発を進め、積極的に取り入れる。
2
理数教育の推進
【施策の必要性】
● 理数に興味を持つ児童・生徒の裾野を拡大するとともに、理数教育の一層の充実を図り、科学
技術立国日本を支える人材を育成する必要がある。
【施策の内容】
● 小学校に専門的な指導力を有する「理科教育推進教員」を配置し、教員への助言を行うなど、
理数教育に関する指導力向上を図る。
● 小学生が理数に関わる研究成果を展示・発表する「小学生科学展」、科学に高い興味・関心を
持つ中学生が専門家から指導を受ける「東京ジュニア科学塾」
、理科・数学等の能力を競い合う
「中学生科学コンテスト」を実施し、小・中学生の理数に対する学習意欲を高め、資質・能力の
伸長を図る。
● 都立高校において、大学や研究機関と連携した最先端の実験・講義などを通して理数に秀でた
生徒を育成する「理数イノベーション校」
、生徒が理数に関する研究を行うなど理数に興味を持
つ生徒の裾野拡大に取り組む「理数研究校」を指定し、理数教育の充実を図る。また、都立中高
一貫教育校において、6年間を見通した系統的な理数教育の充実を図る「理数アカデミー校」を
指定する。
1
主要な施策
●
進学指導重点校において、医学部等への進学を希望する生徒同士が「チーム」を結成し、
せ っさた くま
切磋琢磨して進路実現を目指す、3年間一貫した育成プログラムを実施する。
2
取組の方向2 世界で活躍できる人材の育成
現状と課題
○
国は第2期教育振興基本計画において中学生、高校生の英語力の到達状況の目標を定めている
が、都においてはその目標に達していない。
○ 日本から海外への留学者数はピーク時と比較して大きく減少しており、都立高校生においても
「留学に興味がない」
、
「能力に自信がない」といった理由から留学をしたいと思わない生徒が多
数を占めるなど、いわゆる「内向き志向」の傾向がある。
主要な施策
3
使える英語力の育成
【施策の必要性】
● グローバル社会において、相手の意図や考えを的確に理解し、自らの考えや意見を論理的に説
明したり、反論・説得したりすることができる力と、世界で通用する英語力を備えた人材を育成
する必要がある。
【施策の内容】
● 小学校における英語教科化及びその先行実施に向け、英語教育を推進する教員の育成や小学校
教員の英語免許取得の支援等を行う。
● 中学校の英語授業における効果的な少人数・習熟度別指導をより一層推進する。
● 高校においては、グローバル人材の育成を推進する先導的学校である「東京グローバル 10」及
び「英語教育推進校(仮称)」において、マンツーマンのオンライン英会話や4技能外部検定の
活用など、実践的な教育を推進する。
● 海外生活や異文化を疑似体験させ、英語の楽しさや必要性を体感させることで学習意欲の向上
を図る「英語村(仮称)
」の開設を準備する。
● 語学力や豊かな国際感覚等を備え、国際的に活躍できる人材を育成していくため、都立小中高
一貫教育校の設置準備を推進する。
4
豊かな国際感覚の醸成
【施策の必要性】
ひら
● 異なる文化との共存や国際協力を図り、様々な国や地域の人々と共に未来を切り拓いていこう
とする態度・能力を備えた人材を育成する必要がある。
【施策の内容】
● 世界に通用する人材を育成するとともに、在京外国人の教育ニーズに応えるため、帰国生徒や
外国人生徒を受け入れる新国際高校(仮称)の設置を検討する。
● 都立中高一貫教育校1校において、国際交流、英語教育などに重点を置いた特色のある教育の
更なる充実を図るとともに、帰国生徒や外国人生徒の受入れなどを行う。
● 都立高校において姉妹校交流を拡大する。また、海外からの留学生の受入れを拡大する。
3
主要な施策
5
かん
日本人としての自覚と誇りの涵養
【施策の必要性】
● 国際社会の一員であることを自覚し、自他の相違を理解し、多様な伝統・文化に敬意を払う
態度を身に付けた人材を育成する必要がある。
【施策の内容】
● 全ての学校で、地域の伝統・文化に関し専門的な知識・技能を有する外部人材を活用するなど、
郷土への愛着を深める取組を推進する。
● JET青年や地域の外国人等との交流、外国人への地域の伝統・文化の紹介などを通じ、日本
の伝統・文化への理解を深め、進んで発信する態度を育成する。
● 都立高校において、在学中に少なくとも一度は落語や歌舞伎等の日本の伝統芸能を体験し、理
解を深める取組の充実を図る。
4
取組の方向3
社会的自立を促す教育の推進
現状と課題
○ 自分たちが子供の頃と比べて、今の子供たちが社会のルールやマナーを守っていないと見てい
る大人が多い。
○ 公立小・中学校の不登校者数は平成25年度から増加に転じており、また、都立高校における
中途退学者数は減少傾向にあるものの、依然として看過できない状況にある。
○ 産業・就業構造の変化、防災の必要性の高まり、選挙権年齢の引下げなど、対応すべき新たな
教育課題が生じている。
主要な施策
6
人権教育の推進
【施策の必要性】
● 国が策定した「人権教育・啓発に関する基本計画」を踏まえるとともに、
「東京都人権施策推
進指針」等に基づき、人権尊重の理念を広く社会に定着させ、同和問題をはじめ様々な人権課題
に関わる偏見や差別をなくすため、人権教育を推進する必要がある。
【施策の内容】
● 全公立学校において、人権教育の一層の充実を図る。
● 社会教育関係職員・関係団体指導者等を対象に、人権学習の普及啓発等を実施する。
7
道徳心や社会性を身に付ける教育の推進
【施策の必要性】
● 社会性や規範意識など、将来、社会において生きていく上で求められる道徳的価値や、人間と
しての在り方・生き方に関する自覚を深める道徳教育を充実する必要がある。
【施策の内容】
● 国が小学校(平成 30 年度以降)
、中学校(平成 31 年度以降)で道徳を教科化することに先駆
け、先行した取組を推進する。
● 高校においては、道徳教育とキャリア教育の内容を一体化した新教科「人間と社会」を実施し、
かん
演習や体験活動を通して道徳性を涵養し、判断基準(価値観)を高める。
● 道徳授業地区公開講座の充実など、保護者や地域等と一体となった道徳授業の取組を推進す
る。
8
社会的・職業的自立を図る教育の推進
【施策の必要性】
● 発達段階に応じた系統的なキャリア教育を推進するとともに、社会保障制度や金融・経済など、
実社会で必要となる基礎知識を確実に身に付ける教育を充実する必要がある。
【施策の内容】
● 小・中学校において、金融経済、税財政教育等、多様な教育課題に対応した教育を推進する。
高校においては、公職選挙法改正を踏まえた政治的教養を育む主権者教育の充実など、自立的社
会人としての素養を身に付けるための取組を推進する。
5
主要な施策
●
高校において、インターンシップの推進や企業・NPO等による体験型学習プログラムの全普
通科高校への導入等を通じ、地域や社会の教育力を活用したキャリア教育を展開し、社会人とし
ての自覚や働く意欲を持ち、職業生活の中で自己実現を図ることができる人材を育成する。
● 都立工業高校において、地域企業の求める人材の育成につながるデュアルシステム科の拡充
や、ものづくりに熱意のある生徒の自己実現を支援するエンカレッジスクールの追加指定を行う
などの改善を図る。
● 共働き世帯の増加や超高齢化社会の到来により必要となっている保育人材や介護人材の育成
など、喫緊の課題に対応した専門教育を展開する家庭・福祉高校を整備する。
● 全校において、防災ブックや防災ノート(
「東京防災」
)を活用した教育を実施するなど、学校
と家庭が一体となった防災教育を推進する。都立高校においては、引き続き地域と連携した実践
的な防災教育を推進し、一泊二日の宿泊防災訓練を全校で実施するほか、都立高校防災活動支援
隊の活動の充実、救命講習等の受講促進を行い、地域社会で「防災リーダー」や「防災ボランテ
ィア」として活躍できる人材を育成する。
9
不登校・中途退学対策
【施策の必要性】
● 不登校の児童・生徒や中途退学者は、学習の機会を失い、社会から孤立しがちになるとともに、
将来の進路選択が困難になるなど、深刻な課題を抱える場合が多い。そのため、将来の社会的・
職業的な自立を目指すとともに、学校や社会とのつながりを持ち続けられるよう、教育委員会や
学校の取組の充実を図るとともに、様々な関係機関と連携して対策を講じる必要がある。
【施策の内容】
● 児童・生徒の抱える様々な課題に対応するため、スクールカウンセラーを活用して、学校の教
育相談体制を充実する。
● 都教育委員会に、スクールソーシャルワーカー等で構成される「自立支援チーム」を設置し、
都立高校や関係機関と連携して、生徒への進路支援や不登校への対応に取り組むとともに、中途
退学者等の就労や再就学に向けた支援を実施する。
● 区市町村における関係機関との連携体制の構築を推進するため、スクールソーシャルワーカー
等を活用した支援チームの設置などの取組を支援する。
● 福祉、医療、労働等の関係機関による多角的な支援に向け、教育委員会、学校と関係機関が連
携して支援するための体制づくりを推進する。
● 学校で、支援チームや関係機関との連絡・調整を図るともに、校内で不登校・中途退学対策を
推進する中心的役割を担う教員を指定し、学校の組織的な支援体制を強化する。
● 区市町村と連携して、教育支援センター(適応指導教室)について指導内容の充実等、機能強
化を図る。また、高校においては、チャレンジスクールを拡充するとともに、中途退学の未然防
止を図るため、都立高校間における転学が一層活用されるよう、都立高校補欠募集制度について
改善する。
● 習熟度に応じた学習指導の実施などにより基礎学力の定着を図り、不登校や中途退学の未然防
止を図る。また、都立高校の定時制課程におけるグループエンカウンターの活用など、人間関係
づくりを推進する。
6
主要な施策
10
子供たち一人一人に応じた手厚い支援体制の構築
【施策の必要性】
● 基本的な生活習慣が身に付いていないことなどから起こる小1問題に、適切に対応する必要が
ある。
● 外国企業の誘致や海外からの人材受入れの促進などのため、外国人子弟に対する教育環境を整
備する必要がある。
【施策の内容】
● 中学校における日本語指導が必要な在京外国人生徒数の動向や地域バランス等を踏まえ、都立
高校における在京外国人生徒の適正な募集枠を設定する。
7
取組の方向4 子供たちの健全な心を育む取組
現状と課題
○
東京都公立学校におけるいじめの認知件数は、平成24年度以降2年連続で減少しているが、
いじめが実際に減少したことによるものか、学校のいじめを認知する取組が弱くなったことによ
るものか、多角的な検証が必要である。
○ 本人からの訴えや他の子供からの情報により認知されたいじめは、全体の約4分の1にとどま
る。
○ 悪口や個人情報を書かれるといった、インターネット等を通じたいじめが増加している。
主要な施策
11
いじめ、暴力行為、自殺等防止対策の強化
【施策の必要性】
● 「いじめは、どの学校、どの子供にも起こり得る」と捉え、保護者、地域、関係機関と連携し
ながら、学校全体による組織的な対応を推進してきたが、今後とも、
「学校いじめ対策委員会」
の機能を強化し、全教職員による組織的な取組の徹底を図るとともに、社会全体で子供が大人に
相談しやすい環境を構築する必要がある。
● 子供同士が主体的に話し合い、解決に向けて行動できるようにするための取組を充実させる必
要がある。
【施策の内容】
● 「東京都教育委員会いじめ総合対策」に基づく取組を推進するとともに、取組状況を踏まえ、
その見直しを図る。
● 子供たちが、いじめや暴力行為を見て見ぬふりをせず、主体的に話し合い、解決に向けて行動
できるようにするための指導や仕組みなどの充実を図る。
● スクールカウンセラーの勤務日数の拡充等により相談体制の充実を図るとともに、子供たちへ
の面接やアンケート等の効果的な実施により、学校全体で相談しやすい環境づくりを推進する。
● 「東京版 STOP! いじめ(仮称)
」と題する情報サイト・アプリを開発するなど、子供
から大人までを対象に、いじめ防止に向けて主体的に行動することを促すとともに、相談先にア
クセスしやすい方策の充実を図る。
● 道徳の時間や特別活動をはじめ、あらゆる教育活動を通して、いじめや暴力行為は絶対に許さ
れない行為であることや、集団や社会の一員として法やルールを守って行動しなければならない
ことなどについて指導を徹底する。
● 教職員が保護者や地域等と連携し、子供たちの不安や悩みを把握し、必要な対応を行うことが
できるよう、子供の自殺防止の取組を推進する。
8
主要な施策
12
SNS等の適正な使い方の啓発強化
【施策の必要性】
● 情報社会の進展に伴い、情報モラルを適切に身に付ける必要がある。とりわけ、学習への障害
や陰湿ないじめの温床となるなどの問題が生じているSNSについて、適正な使い方の啓発等を
強化する必要がある。
【施策の内容】
● 子供たちが適正にSNSを利用できるよう、学校、家庭等が一体となって東京都独自の「SN
S東京ルール」に基づく取組を推進する。
9
取組の方向5
体を鍛え健康に生活する力を培う
現状と課題
○ 国の調査によれば、東京都の小学生の体力は改善傾向にあり、全国平均程度まで上昇したもの
の、中学生は依然として全国最低水準にとどまっている。
○ 体育の授業以外で運動・スポーツをしない児童・生徒や、運動やスポーツに苦手意識を持つ児
童・生徒の割合は、学年が進行するにつれて増加している。
○ 食物アレルギー疾患の増加や新たな感染症の発生、集団への不適応や拒食症といった、児童・
生徒が抱える心身の健康課題が多様化している。
主要な施策
13
体力向上を図る取組の推進
【施策の必要性】
● 社会環境の変化等に伴う生活の利便性の向上などにより、日常生活における身体活動がますま
す減少することが予想されることから、小学校から高校に至るまでの間に、基礎体力を十分に高
めていく必要がある。
【施策の内容】
● 「アクティブプラン to 2020」−総合的な子供の基礎体力向上方策(第3次推進計画)−に基
づき、全校で体力向上に係る目標や、具体的な取組内容を定めた計画を作成して取り組むなど、
子供たち一人一人の基礎体力の向上を図る。
● 小学校において、健康教育を中心とした体力向上、健康づくりを推進する「アクティブライフ
研究実践校」を指定し、基本的生活習慣の定着・改善に向けた取組や、成果を広く発信すること
を通して都全体の健康教育をより一層推進する。
● 全中学校を「アクティブスクール」と位置付け、自校の体力の実態を踏まえて体力向上の目標
や取組内容を定めた体力向上推進計画を定め、取組をより一層推進する。特に体力向上に先進的
に取り組む中学校を「スーパーアクティブスクール」として指定し、具体的な取組を研究開発す
るとともに、成果を広く他校に発信することを通して中学生の体力向上を図る。
● 高校においては、競技力の高い運動部活動のある学校を、
「スポーツ特別強化校」と指定し、
都立高校運動部活動全体の活性化と競技力の向上を一層推進する。
14
健康づくりの推進
【施策の必要性】
● 子供たちが自分自身の健康に対する関心を高め、生涯にわたって、主体的に健康を保持・増進
しようとする態度を養う必要がある。
【施策の内容】
● 「都立学校における健康づくり推進プラン」に基づき、児童・生徒の健全な心と体の育成を図
るとともに、医師会、学校歯科医師会、学校薬剤師会等との連携による、専門的な科学的知見を
踏まえた健康教育を推進する。
10
取組の方向6
オリンピック・パラリンピック教育の推進
現状と課題
○ 都の調査によれば、児童・生徒の自己肯定感は、学年が上がるにつれて低下傾向にある。また、
国の調査によれば、ボランティア活動に興味があると回答した割合は、諸外国と比べ低い。
○ これからの子供たちには、自己を確立しつつ、他者を受容し、多様な価値観を持つ人々と協力・
協働しながら課題を解決する力などが求められており、東京2020大会は、子供たちの弱点を
克服し、長所を伸ばす絶好の機会である。
主要な施策
15
オリンピック・パラリンピック教育の推進
【施策の必要性】
● 東京2020大会を子供たちの人生にとってまたとない重要な機会と捉え、オリンピック・パ
ラリンピック教育を全校で展開し、子供たち一人一人の心と体に人生の糧となる掛け替えのない
レガシーを残していく必要がある。
【施策の内容】
● 「東京都オリンピック・パラリンピック教育」実施方針に基づき、都内全ての公立学校におい
て、
「オリンピック・パラリンピックの精神」
「スポーツ」
「文化」
「環境」の四つのテーマと「学
ぶ(知る)」
「観る」
「する(体験・交流)」「支える」の四つのアクションとを組み合わせた多彩
な教育を展開する。特に、
「ボランティアマインド」
「障害者理解」
「スポーツ志向」
「日本人とし
ての自覚と誇り」
「豊かな国際感覚」の五つの資質について重点的に育成する。
● 五つの資質を伸ばすため、社会奉仕の精神を養う取組を充実・拡大させた「東京ユースボラン
ティア」
、障害の有無にかかわらず、子供たちの相互理解を図る教育等を充実・拡大する「スマ
イルプロジェクト」
、子供たちがアスリート等と直接交流する「夢・未来プロジェクト」
、東京な
らではの特性を生かし、国際理解や交流を推進する「世界ともだちプロジェクト」の四つのプロ
ジェクトを推進する。
● 東京都が作成する学習教材等を活用し、年間 35 時間程度を目安とし、全ての教育活動の様々
な教育実践に関連付け、学校全体で組織的・計画的に展開する。
● 障害者スポーツの普及啓発を図るため、関係機関と協力し、特別支援学校の体育施設の活用を
促進する。
11
取組の方向7
教員の資質・能力を高める
現状と課題
○ 教員の大量退職、大量採用が続き、経験豊かな教員が現場から去る一方で若手教員が増加して
おり、経験の浅い教員も重要な校務分掌を担わなくてはならない状況である。
○ 教員の採用選考は全国的に採用者数が増加しており、特に大都市圏において応募者の獲得競争
が激化している。また、都においては教育管理職選考の受験者数が減少しており、管理職として
の資質・能力を持った優秀な人材の受験促進・育成が喫緊の課題となっている。
主要な施策
16
優秀な教員志望者の養成と確保
【施策の必要性】
● 採用前から、より実践的な指導力等を身に付ける機会を提供する必要がある。また、選考内容・
方法の改善に継続的に取り組む必要がある。
【施策の内容】
● 全国の教員養成系課程を持つ大学において、教員採用に係る説明会を実施するとともに、各大
学に対し選考状況のフィードバックを行うなどにより、都への受験を促し、優秀な人材の確保を
図る。
● 教員採用選考における英語の実技試験の内容を改善し、
「聞く」
「話す」
「読む」
「書く」の4技
能に優れた人材を確保する。
17
現職教員の資質・能力の向上
【施策の必要性】
● 経験、職層等に応じた教員の育成を図り、学校組織を構成する教員全体の資質・能力を向上さ
せ、教員の成長を学校全体の教育力向上につなげていく必要がある。
【施策の内容】
● 経験に応じた研修である「採用前実践的指導力養成講座」
、
「東京都若手教員育成研修」
、
「10
年経験者研修」等の研修内容を充実し、授業力などの資質・能力の向上を図るとともに、現職教
員を教職大学院に派遣し、各地域、学校における指導的役割を担う教員を育成する。
● 専門性向上研修及び職層研修の、研修内容の一層の充実を図る。
● 教員の海外派遣研修の拡大や青年海外協力隊等への参加促進など、国際的視野を身に付けた教
員を育成する取組を推進する。
12
主要な施策
18
優秀な管理職等の確保と育成
【施策の必要性】
● 管理職としての資質・能力を有する人材を確保・育成していく必要がある。
【施策の内容】
● 小・中学校における校務改善の取組を推進し、学校経営の要である副校長の負担軽減に取り組
むとともに、主幹教諭及び主任教諭等の学校マネジメントに対する取組の促進を図る。
● 退職した教育管理職が長年培ってきた知識や経験等を活用していくため、積極的に再任用す
る。
● 女性教員の教育管理職等への登用を促進する。
● 管理職受験への意欲醸成と受験者確保について、新たな仕組みの構築を検討する。
13
取組の方向8
質の高い教育環境を整える
現状と課題
○
国における高大接続改革及び次期学習指導要領に向けた検討の進展、東京2020大会の開催
決定、東京都教育施策大綱の策定など、都立学校を取り巻く環境は、大きく変化している。
○ 国の障害者施策の動向等を踏まえ、通常の学級に在籍する発達障害の児童・生徒をはじめ、全
ての障害のある児童・生徒の将来の自立と社会参加の実現が求められる。
○ 社会状況が大きく変化する中で、学校が直面する教育課題が複雑化、多様化している。
主要な施策
19
都立高校改革の推進
【施策の必要性】
● 都立高校を取り巻く新たな課題に的確に対応していくため、教育内容や教育環境の更なる充実
を図る必要がある。
【施策の内容】
● 東京 2020 大会の開催とその先を見据え、
「知」
「徳」
「体」の調和がとれ、社会人としての自覚
や働く意欲を持ち、グローバル化が進む社会で活躍できる人間を育成する(次代を担う社会的に
自立した人間の育成)
。
● 生徒の能力を最大限に伸ばす教育実践の場の充実に向けて、生徒や社会のニーズを踏まえなが
ら、既存の学科の改善等に加え、新たな学校の設置に取り組む(生徒一人一人の能力を最大限に
伸ばす学校づくりの推進)
。
● 質の高い教育を実現するため、組織的な学校経営の強化、課題を抱える生徒の自立に向けた支
援の充実など、様々な教育条件や支援体制を着実に整備する(質の高い教育を支えるための環境
整備)
。
20
特別支援教育の推進
【施策の必要性】
● 東京都特別支援教育推進計画及び東京都発達障害教育推進計画の着実な推進により、公立学校
に在籍する発達障害を含めた特別な支援を必要とする幼児・児童・生徒が、将来の自立と社会参
加が実現できるよう、教育環境の充実を図る必要がある。
【施策の内容】
● 障害の重度・重複化や多様化などに適切に対応するため、複数の障害教育部門を併置する学校
の開設や外部専門家と連携した体制の構築など、必要な教育環境を整備する。また、知的障害特
別支援学校の在籍者の増加に適切に対応するため、知的障害特別支援学校の新設や増改築等を計
画的に進め、都立特別支援学校の規模と配置の適正化を図る。
14
主要な施策
●
公立小・中学校の通常の学級に在籍する発達障害の児童・生徒一人一人が抱える学習面・行動
面での困難を、より効果的に改善・克服するため、区市町村との緊密な連携の下、全ての小・中
学校における特別支援教室の設置促進に向けた取組を行う。
● 都立高校において、発達障害の生徒一人一人の障害の状態はもとより、各校の実態に応じた指
導・支援の充実に向け、学校外で特別な指導・支援を行える仕組みの構築や学校設定教科の開発
等に取り組む。
21
学校運営力の向上
【施策の必要性】
● 直面する様々な課題に対し、教職員が組織的に対応するとともに、効率的な学校運営体制を実
現することにより教育の充実を図るため、更なる校務の改善が必要である。
● 子供や学校を取り巻く状況が一層複雑化・多様化していることから、多様な専門性を持ったス
タッフと連携するなど、学校の教育力・組織力を向上させ、一人一人の子供の状況に応じた教育
を実現する必要がある。
● 地域人材の参加を促進し、地域全体で教育活動の質的向上を図る必要がある。
【施策の内容】
● 公立小・中学校において、校務を組織的かつ横断的に調整する経営支援組織設置校の拡大を図
るなど、校務改善の取組を支援していく。また、都立高校において、教員が生徒と向き合う時間
の確保などの課題の解決に向け、学校における調査・報告業務の縮減などについて検討する。
● チームとしての学校の在り方に関する国の動向を踏まえ、多面的な視点から今後の学校運営の
在り方を検討する。
22
学校の教育環境整備
【施策の必要性】
● 学校施設の震災対策、ICT環境整備、校庭芝生化の推進、実験・実習等を行う特別教室の冷
房化など、様々な課題に対応するための環境整備を進めていく必要がある。
【施策の内容】
● 都立学校における非構造部材の耐震化や区市町村立小・中学校等の非構造部材の耐震化支援を
引き続き実施する。
● 都立学校において、児童・生徒が主体的にICT機器を活用できるよう、学級等を単位として
一人1台利用可能なタブレットPCの配備を計画的に進める。
● 都立学校における校庭芝生化事業を継続し、積極的に整備する。また、公立小・中学校の校庭
芝生化や校舎の屋上・壁面緑化についても、工事費や維持管理費の補助を継続し、取組を推進す
る。
● 都立高校の理科系実験室、美術室、工芸室、調理室、被服室及び都立特別支援学校の全特別教
室への冷房設備の整備を計画的に進める。また、区市町村立小・中学校についても、都立高校の
整備対象教室に合わせて、冷房化を促進するため、整備経費の補助を行う。
15
取組の方向9
家庭の教育力向上を図る
現状と課題
○ 子供が悪い行為をした時に叱れる保護者が減っているなど、家庭の教育力低下が懸念される。
○ 道徳教育、防災教育、オリンピック・パラリンピック教育など、家庭や地域と一体となって教
育活動の推進を図っていくべき課題が増加している。
主要な施策
23
家庭教育を担う保護者への支援体制の充実
【施策の必要性】
● 社会全体で、家庭教育を担う保護者への支援体制を構築する必要がある。
【施策の内容】
● 教育分野に関する知識に加え、社会福祉等の専門的な知識や技術を有するスクールソーシャル
ワーカー、教員とともに家庭訪問等を行い、子供の問題行動等に適切に対応する「家庭と子供の
支援員」
、対応が困難なケースへの専門的な助言を行う精神科医や臨床心理士などの「スーパー
バイザー」等を活用した支援を実施する。
24
学校と家庭が一体となった教育活動の充実
【施策の必要性】
● 子供たちの基本的な生活習慣、他人への思いやりなど豊かな心、善悪の判断などの倫理観、社
会的なマナーといった人格形成の基盤となる力を育むため、学校と家庭が相互の教育について理
解を深め合い、一体となった取組を進めていく必要がある。
【施策の内容】
● 全校において、防災ブックや防災ノート(
「東京防災」
)を活用した教育を実施するなど、学校
と家庭が一体となった防災教育を推進する。
(再掲)
● 教職員が、家庭、PTA、地域住民、関係機関等と緊密な連携して、子供たちの生活全般に関
する不安や悩みを把握し、必要な対応を行うことができる支援体制を構築するとともに、子供理
解に関する教職員研修を充実させ、子供の自殺防止の徹底を図る。
(再掲)
● 「東京版 STOP! いじめ(仮称)
」と題する情報サイト・アプリを開発するなど、子供
から大人までを対象に、いじめ防止に向けて主体的に行動することを促すとともに、相談先にア
クセスしやすい方策の充実を図る。
(再掲)
● 社会奉仕の精神を養う取組を充実させた「東京ユースボランティア」
、障害者理解教育の取組
を充実・拡大する「スマイルプロジェクト」
、子供たちがアスリート等と直接交流する「夢・未
来プロジェクト」
、東京ならではの国際交流を推進する「世界ともだちプロジェクト」の四つの
プロジェクトを推進する。
(再掲)
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取組の方向10
地域・社会の教育力向上を図る
現状と課題
○ 他人の関与を歓迎しない傾向の強まりなどによる、地域の教育力低下が懸念される。
○ 近所付き合いが希薄になり、子供たちと「近所の大人」の接点がほとんどない一方、多様な経
験を有する高齢者を中心とした地域の人々は、地域活動や社会貢献活動に参加することを望んで
いる。
主要な施策
25
地域等の外部人材を活用した教育の推進
【施策の必要性】
● 社会全体で学校教育を支援し、質の高い教育が提供できるようにするとともに、子供たち一人
一人と社会との結び付きを強めることが必要である。
【施策の内容】
● 「地域教育推進ネットワーク東京都協議会」の活用や、区市町村の中学校区を基本とした「学
校支援ボランティア推進協議会」設置の促進、「教育庁人材バンク」の活用を通じ、地域の実情
や学校のニーズに応じた、多様な地域等の外部人材の参画による教育支援活動を展開する。
また、都立学校においては、学校運営連絡協議会の活性化により、地域社会や保護者の意見を
適切に学校経営に反映させる。
26
学校・家庭・地域が連携した教育活動の充実
【施策の必要性】
● 社会全体で子供を見守り、健全育成を推進するため、地域において子供が安全に過ごすことが
できる場を確保する必要がある。
● 全ての子供たちが夢と希望を持って成長していける社会の実現を目指し、子供の貧困対策につ
いて、社会全体で取り組む方策を検討する必要がある。
● 地域の資源や人材を活用し、子供たちが異年齢の友達や異世代の人々と関わり、共に遊び、生
活し、体験活動や交流活動を行う場や、子供の学習を支援する場を確保する必要がある。
【施策の内容】
● 小学校区に、「放課後子供教室」の設置を促進するとともに、地域の人材を活用し、活動プロ
グラムの充実を図り、放課後等の体験・学習活動を豊かにする。また、障害のある児童・生徒の
放課後等における交流活動や体験活動を推進する。
● 「放課後子供教室」
、
「地域未来塾」
、
「校内寺子屋」といった授業以外の場における学習支援の
充実を図る。
(再掲)
● 全校において、防災ブックや防災ノート(
「東京防災」
)を活用した教育を実施するなど、学校
と家庭が一体となった防災教育を推進する。
(再掲)
● 道徳授業地区公開講座の充実など、保護者や地域等と一体となった道徳授業の取組を推進す
る。
(再掲)
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主要な施策
● 教職員が保護者や地域等と連携し、子供たちの不安や悩みを把握し、必要な対応を行うことが
できるよう、子供の自殺防止の取組を推進する。
(再掲)
● 子供たちが適正にSNSを利用できるよう、学校、家庭等が一体となって東京都独自の「SN
S東京ルール」に基づく取組を推進する。
(再掲)
● 「東京版 STOP! いじめ(仮称)
」と題する情報サイト・アプリを開発するなど、子供
から大人までを対象に、いじめ防止に向けて主体的に行動することを促すとともに、相談先にア
クセスしやすい方策の充実を図る。
(再掲)
● 社会奉仕の精神を養う取組を充実させた「東京ユースボランティア」
、障害者理解教育の取組
を充実・拡大する「スマイルプロジェクト」
、子供たちがアスリート等と直接交流する「夢・未
来プロジェクト」
、東京ならではの国際交流を推進する「世界ともだちプロジェクト」の四つの
プロジェクトを推進する。
(再掲)
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