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建築設備技術者のための節電シンポジウム(東京) 開催日 平成23年5月26日(木) 会 東京電機大学 場 11号館17階カシオホール 社団法人 空気調和・衛生工学会 プログラム 13:30~13:40 主旨説明/坂本 13:40~14:00 住宅における節電対策/前 14:00~14:20 業務用建築における節電対策の定性評価/井上 14:20~14:50 節電対策時の室内環境と留意事項/加藤 14:50~15:40 業務用建築における節電対策の定量評価/丹羽 15:40~15:50 ~休憩~ 15:50~17:00 パネルディスカッション司会/渡辺健一郎(芝浦工業大学) パネラー/上田 太宰 雄三(本学会会長,東京大学)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 真之(東京大学)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 7 隆(東京理科大学)・・・・・・・・・・・・ 36 信介(東京大学生産技術研究所)・・・・・・・・・ 55 憲治(三菱重工業),倉田 英治(日建設計総合研究所)・・・・・・・・ 昌典(高砂熱学工業),助飛羅 龍太(山武),高瀬知章(三菱地所設計) 力(三機工業), 89 主旨説明 東京大学 坂 本 雄 三 1 建築設備技術者のための節電シンポジウム 平成23年5月26日(木) 主催:空気調和・衛生工学会 2 本学会の震災対応体制 東日本大地震調査支援本部 本部長 坂本雄三(会長) 広報・情報発信部会 部会長 加藤 信介(副会長) 調査部会 【目的】 学会員が自分達で できることを行い、 社会に貢献する。 部会長 笠原 勲(安全・防災委員会委 員長) 復興支援部会 部会長 田辺 新一(早稲田大学) 節電支援部会 部会長 井上 隆(東京理科大学) 3 本シンポジウムの趣旨 *学会員による、学会員のためのシンポジウム *節電に関して、設備(空調・衛生)技術者は何ができるか? 本シポジウムのプログラム 13:30~13:40 主旨説明/坂本 雄三(本学会会長,東京大学) 13:40~14:00 住宅における節電対策/前 真之(東京大学) 14:00~14:20 業務用建築における節電対策の定性評価/井上 隆(東京理科大学) 14:20~14:50 節電対策時の室内環境と留意事項/加藤 信介(東京大学生産技術 研究所) 14:50~15:40 業務用建築における節電対策の定量評価/丹羽 英治(日建設計) 15:40~15:50 15:50~17:00 ~休憩~ パネルディスカッション 司会/渡辺健一郎(芝浦工業大学) パネラー/上田 憲治(三菱重工業),倉田 昌典(高砂熱学工業),助 飛羅 力(三機工業),太宰 龍太(山武),原田 仁(三菱地所設計) 4 夏期最大ピーク日の電力需要(東電管内) 出典:資源エネルギー庁 5 夏期最大ピーク日の電力需要の機器別内訳 家庭用の機器別内訳 業務用の機器別内訳 6 住宅における節電対策 東京大学 前 真 之 7 住宅の夏期における節電対策 昼の日射は直上から 井田様 櫻井様 梶井様 東京大学 前 ②日射の遮へい ①家電・照明等の節電 日射は室温を上げる大きな要因です。 東・西の窓は特に注意して遮へいします。 屋外側での遮へいが効果的です。 屋根の遮熱強化も検討します。 不必要な電力を削減することは 単なる節電だけではなく、 内部発熱を低減させるので 室内温度の低下や 冷房の削減に有効です。 朝は東 夕は西から ④エアコンの効率的利用 ③通風の利用 無理をして熱中症にならないよう 注意が必要です。 ドライ運転や除湿機は 省エネにならないので注意。 屋外の方が室内より低温であれば 通風により室内を冷やせます。 空気の流入・流出のために 2面の開口が必要です。 1 8 ①家電・照明等の節電 夏期に全電力需要が最も増えるのは昼間から夕方にかけてであり、一般の住宅においては在宅 率が低い時間帯であるため、節電対策は限られますが、きめ細かく対応することが重要です。 また、家電を省エネ型にすることや照明・TVなどのこまめな節電は、単なる電力削減のみならず、 室内の発熱が減ることになるので、室温上昇が抑制され、冷房の必要性やそのエネルギーも減らす ことになります。 ○家電・照明等の節電による直接効果(発熱抑制による冷房負荷減少の影響は未考慮) •家事など:洗濯・炊事などを朝や晩に行うと43万kWのピークシフト •テレビ・ビデオ機器など:コンセントを抜いて待機電力を削減すると38万kWの節電 •冷蔵庫:設定温度を弱める、ものを詰め込み過ぎない、などで37万kWの節電 •照明:照明をこまめに消すと、15~36万kWの節電 (夏期における家庭の節電対策と消費電力抑制効果について、日本エネルギー経済研究所2011/4/11) 冷蔵庫 0.14 0.03 2005(最高気温33.7℃) 0.14 0.02 エアコン その他 0.31 0.2 0.68 首都圏 2004(最高気温36.2℃) テレビ 0 0.1 0.25 0.22 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 夏季14~15時の世帯当たり電力消費量[kWh/h] 0.64 0.7 0.8 夏季系統ピーク時の電力消費量(最大6日平均、200世帯の実測結果) 注) 夏季系統電力需要の上位6日平均のピーク時間帯電力消費量を示す 出典)鶴崎他,実測調査に基づく夏季系統ピーク時の家庭用電力需要構造の分析,2007年1月,第23回エネルギーシステム・経済・環境コンファレンス講演論文集 9 2 家電はたくさんの熱を発している 10 テレビ周り 熱い画面は顔面を加熱する テレビは画面一杯に発熱 TV補機やDVDプレーヤー・ルーターも発熱 11 高性能ゲーム機は大量の発熱 パソコンには注意 終了時は「シャットダウン」 ACアダプターから外しても スリープでは熱を発している 消費電力は全て熱になる ACアダプターも発熱する 12 冷蔵庫 • 冷蔵庫は常に動き続けるので、消費電力大 – 背面・側面の放熱部が塞がれないよう、周りとの距離を取 る事が重要 – 古い機種は、高効率型への交換 13 LED照明 左 白熱灯 右 LED 白熱灯はLEDに比べて高温 LEDの消費電力は6W 白熱灯の消費電力は60W 14 ②日射の遮へい • 屋根の遮熱化 – 夏期は太陽高度が高く、日中は直上から屋根に強い日射が照りつけます。 • 特に最上階では、屋根→天井への熱流入が大きくなります。 • 天井などの表面温度が高いと放射熱のために、より暑く感じやすくなります。 – 屋根裏の断熱強化が最も効果的です。 • 日射反射塗料も効果があり、施工が容易です。 • 窓の日射遮へい – 盛夏の時期には太陽高度が高いため、南面よりも東・西面での遮へいが重要になります。 – 屋内側よりも屋外側で対処した方が、遮へい効果が大きくなります。 • 外ブラインドや雨戸・簾などの工夫が有効です。ただし、風に飛ばされないように注意します。 • 内ブラインドとする場合には、明色の方が遮へい効果が高くなります • 日射遮へい型ガラスへの交換・日射遮へいフィルムの貼りつけも有効です。 – 太陽高度が低くなってくる時期には、南面の遮へいも重要です。 • 最近は庇の短い家が多くなっているので、注意が必要です。 外付け ブラインド 38.5 内付けブラインド (明色) 37.0 35.5 34.0 32.5 29.8ºC 40.1ºC 34.7ºC 内付けブラインド (中間色) 遮熱塗料の屋根面への施工 簾による日射遮へい 31.0 29.5 外での遮へい(左)、明色ブラインド(右)による室内側温度の低下 出展:東京理科大学 井上研究室 15 8 高反射塗料の実測実験 高田馬場に建つ4階建て RC造の集合住宅 塗装 非塗装 4F 16 高反射率塗料の有無による比較 屋上面での日射反射 2 W/m 1000 日射量 塗装面反射日射量 非塗装面反射日射量 800 600 400 200 0 -200 10/5 10/6 10/7 日射反射率は天気に依らず、塗装面で約70%、非塗装面で約10% 17 高反射率塗料の有無による比較 屋上表面温度 ℃ 塗装表面温度 非塗装表面温度 45 40 35 30 25 23℃ 20 15 10 5 0 -5 10/5 10/6 高反射塗装面は、面非塗装面に比べて温度が低い 18 10/7 実測概要 熱流量測定 熱流計の位置 ①日射反射、長波放射 ②屋上表面温度 ③天井面での熱流出入 壁面:4 天井面:2 床:1 ④天井表面温度 ⑤室温 部屋からの熱の流出入を測定するため、全方向の熱流を測定 19 高反射率塗料の有無による比較 天井面の熱流出入 天井面での熱流量 800 流入 400 W0 流出 -400 -800 非塗装 -1200 塗装 400 W0 -400 流出 -800 -1200 10/5 10/6 熱流は、非塗装では夕方から夜に熱流入 塗装では常時流出というパターン 20 高反射率塗料の有無による比較 天井表面温度 外気温 塗装居室天井面温度 非塗装居室天井面温度 ℃ 29 6時間ほどの遅れを伴うピーク 27 25 前日の影響 23 21 19 安定した表面温度 17 15 10/5 10/6 塗装居室では安定した天井表面温度が観測された 21 10/7 高反射率塗料の有無による比較 室温、天井表面温度 外気温 塗装室温 非塗装室温 ℃ 29 27 25 23 3℃ 21 2℃ 19 17 15 10/5 10/6 晴天時には二室の温度差が大きく、曇天時には小さくなる 22 10/7 日射遮蔽の例 ゴーヤ すだれ 23 24 ③通風の利用 • 室温が外気温より高い時間帯には通風が有効です。 – 室内にいながら屋外の温度がわかる温度計をつけると便利です。 – 風上側に道路や駐車場があるなど空気温度が上がりやすい場合・周辺の建物が立て込ん でいる場合には、通風の効果が上がらないことがあります。 • 夜は外気温度がかなり下がるので通風が有効です。 – 夜の間に通風を積極的に行って、室内をできるだけ冷やします。 • 風が入る風上側の窓だけでなく、風が出ていく風下側の窓も開けることが大事です。 – 風上側の窓だけでは、空気は十分に入れ替わらないので注意。 – 特に風下側の高窓は空気の排出に有効です。 18 25 2面通風の重要性 4階建の階段室型RC集合住宅の3階中央2住戸を測定 窓の開け方による温熱環境の比較をした 対象住戸 敷地周辺 26 実測概要 西側に対象住戸を挟むようにして階段室 東1開口部にはベランダ 東2開口部は他と比べ1/3程度の面積 住戸Aは東西面の開口部、住戸Bは西面のみの開口部を開放 開 開 開 住戸A(両面開口) 開 住戸B(片面開口) 開 閉 開 閉 27 通風量の評価方法 片面開口は両面開口と比較して通過風量は1/10~1/5程度 単位屋上風速(1m/s)あたりの開口面通過風量(m3/s) 1.50 1.20 流 0.90 入 量 0.60 [m3/s] 0.30 0.00 N NE E SE S SW W NW N NE E SE S SW 0.00 -0.30 -0.60 流 -0.90 出 量 [m3/s]-1.20 -1.50 西1 西2 東1 西1 東2 両面開口 片面開口 28 西2 W NW WNW 20 NW W 15 NNW WSW 10 SW N 5 SSW NNE 0 通風性状の評価方法 推定される住戸の気流性状 屋上風向 北北東 S NE SSE 通風の取り方による温熱環境の比較を行った 9/11の通風利用時間における屋上の卓越風が北北東 29 ENE SE E ESE (%) N 風配図 9/11 9:00~20:00 通風量の取り方と室内温熱環境 9/11温度測定 推定通風量は両面開口と片面開口を比べると5倍以上の差 通風開始時の室温低下の程度に差 片面開口では東側の室温は西側の室温よりも常に高い 窓開放 窓開放 東側室温 33 東側室温 160 33 160 29 29 120 120 推 定 温 25西側室温 通 度 80 風 (℃) 量 21 (回/h) 西側室温 温 25 度 (℃) 外気温 21 推 定 通 80 風 量 (回/h) 外気温 40 40 17 13 6:00 17 0 9:00 12:00 西1推定通風量 東1推定通風量 13 6:00 15:00 18:00 西2推定通風量 東2推定通風量 0 9:00 12:00 西1推定通風量 両面開口 15:00 西2推定通風量 片面開口 30 18:00 ④エアコンの効率的利用 • 夏期昼間のピークカットには、エアコンの対策は効果が大きく重要です。 – 設定温度を1℃上げる – フィルターをこまめに掃除する 東電管内計で64万kWの節電効果 東電管内計で22~44万kWの節電効果 (日本エネルギー経済研究所2011/4/11) • 室温に注意し、熱中症になるのを避けるのが重要です。 – 特に高齢者は温熱感が鈍くなっており、気づかないうちに熱中症に掛かりやすくいので、十分 注意します。水も十分に摂取するのを忘れないように。 – 室内が高温の場合には、無理をせずにエアコンをつける、より涼しい場所に移動するかなど、 工夫をします。 • エアコン冷房を行う場合の注意 – ドライは消費電力が大きいので、弱冷房の方がおすすめです。 • 扇風機と併用すると、設定温度は高めにしても涼感が得られます。 – 空気清浄機機能などは消費電力が増えるのでOFFにします。 – 屋外機への直接日射を防ぎ、周りの空気の流れの障害を除くと、効率が上がります。 • その他の注意点 – 除湿機は消費電力は意外と大きいので、使用は避けます。 – 水の蒸発を用いた涼風機は空気が乾燥している場合には効果がありますが、室内に湿気が こもりやすいので注意が必要です。 – 夏期には内装・家具等からの汚染物質の拡散量が増加するため、換気は必要です。換気装 置はむやみに切らないようにします。 24 31 エアコン冷房の使い方 設定温度を下げすぎない (扇風機併用が有効) 除湿は使わない 冷却除湿→再加熱と運転する ことがあるので増エネの危険 風量・風向等は「自動」が基本 風量を絞り過ぎると 効率が低下し増エネになる 空気清浄機能などはOFF 意外に電気を消費 32 集合住宅の対策 • 住戸(専有部)だけでなく、共用部の対策も重要です。 – 最近の物件では、共用部のエネルギー消費が増加しています。 • 特に、高層や超高層などで、通路が囲まれている中廊下型・ホール型(集中型)では、 照明・空調の消費エネルギーが大きくなる傾向があります。 – 照明計画 • 照明は共用部で最も多くエネルギーを使っています。 – 安全を確保できる範囲で、照明の点灯箇所を減らします。 • 高効率型蛍光灯やLEDなどへの交換が有効です。 – 白熱灯・ハロゲンランプを交換すれば、消費電力を数分の1に減らせます。 – 古い蛍光灯(FLR型)を交換する場合、2割程度の削減になります。 – 冷房 • 共用部を空調している場合は、利用を控え必要最低限にします。 – エレベーター • 可能な範囲で階段を利用しましょう。 • 給水関係 – 集合住宅により、給水方式は大きく異なります。 – 高置水槽を持たない方式では、停電になると直ちに水が出なくなります。 • 飲料水やトイレを流す水をいつも確保するように注意しましょう。 – 高置水槽がある方式には、停電中も高置水槽内の水が利用できます。 • ただし、高置水槽の容量は小さいため、水の利用はできるだけ控えます。 26 33 複数の給水方式 増圧直結方式 停電時に即断水! ポンプ直送方式 停電時には ほとんど水が使えない 34 高置水槽方式 停電時にも 少し水が使える! 圧力ポンプ方式 停電時には ほとんど水が使えない 共用部の照明・空調 中廊下型やタワー型は、 共用部に照明が必須の場合が多い。 安全性を損なわない範囲で 適度に照明機器の間引きを行うなどの 節電処置が不可欠 35 業務用建築における節電対策の定性評価 東京理科大学 井 上 36 隆 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 節電対策時の室内環境と留意事項 東京大学生産技術研究所 加 藤 信 介 55 空気調和・衛生工学会シンポジウム 節電対策時の 室内環境と留意事項 加藤 信介 東京大学生産技術研究所 56 空気調和・衛生工学会シンポジウム 前提1:空調の目的は業務生産性の向上 業務生産性の要となる室内環境 Energy INPUT 建築設備 システム 室内 環境 OUTPUT 業務 生産性 人の感受性は多様。温冷感に過敏な人も 鈍麻な人もいる。過敏な人には温熱環境 の悪化が直ちに業務生産性の悪化につな がる。 2011/05/26 2 57 空気調和・衛生工学会シンポジウム 前提2:空調エネルギー削減の順序 最初に負荷削減 次に自然エネルギーの活用 最後に空調機器使用の合理化 負荷削減は、空調エネルギー削減のみならず室内環 境の向上につながる 室内の温熱性状は、負荷源から空調の熱投入箇所に 向かって連続的に変化する 負荷が小さければ空調用熱投入も小さく、室内の温 熱性状の分布も緩和される 兎にも角にも空調用熱負荷の削減 2011/05/26 3 58 空気調和・衛生工学会シンポジウム 緊急避難的対策と長期的対策 空気調和は室内環境を目標とする環境を達成・ 維持するために行う 空気調和は室内環境制御のためエネルギーを使 用する 空気調和に使用するエネルギーを削減するには、 ①緊急避難的には目標とする環境を健康(衛 生)が確保される条件で緩和する、②長期的に は、目標とする環境水準は健康(衛生)と快適 (作業効率を最大化)を確保しつつ、負荷の低 減、自然エネルギーの有効利用、空調設備の効 率化を行う 2011/05/26 4 59 空気調和・衛生工学会シンポジウム 環境目標の緩和の根拠 120Wで発熱し、主に皮膚表面からその周辺環 境に放熱することにより、深部体温37℃、平 均皮膚温度33.6℃に維持しようとする人体発熱 体の放熱環境(室内空調環境)を制御 放熱環境には空間分布(発熱源から吸熱源への 熱輸送性状に対応ーー>良好な人体発熱体の放 熱環境(室内空調環境)部分を利用 発熱体は、周辺環境に対し着衣により断熱調整 されているーー>着衣による制御が可 人の温熱環境に対する行動調節、生理調節が期 待できるーー>放熱環境の制御目標の緩和 2011/05/26 5 60 空気調和・衛生工学会シンポジウム 累積頻度による評価 空調制御目標の達成は、空間的にも時間的にも 一般に100%達成できるわけではない 人体発熱体の放熱環境の空間的時間的変動の 95%が達成される放熱環境が、制御により実 現された環境(設計外気温度であるTAC温度 の類推) 環境を制御して環境目標を達成するというので あれば、室内居住域の温熱環境の時間的、空間 的変動の95%が環境目標に留まっていなけれ ばならない 設備技術者のみがこの課題を解決できる 2011/05/26 6 61 空気調和・衛生工学会シンポジウム 室内の温熱空気環境目標 目標には 松竹梅などの異なる水準が可能(着衣調節、行動調節、生 理調節など他の調節方法への依存度に対応) 妥当性は、制御に使用する資源、特にエネルギーで評価 人体発熱体の放熱環境である総合的な室内温熱環境に対して設定され るが、社会的には感度大の空気温度に設定 梅の水準は、多分、人の着衣調整、行動調節を最大限に期待し、空調 制御に必要なエネルギー量を最小化 達成される環境の時間的、空間的変動を考慮すると、評価する累積頻 度の違いにより水準は変化(99%達成、95%達成、91%達成など) 現在の高度な空調制御技術、内部負荷勝ちで負荷変動の予測、制御の 容易さを考慮するとき、一般業務用ビルであれば95%が妥当か? 2011/05/26 7 62 空気調和・衛生工学会シンポジウム 空気調和専門技術者への期待 緊急避難的に、室内温熱環境の環境目 標水準の緩和に対応するのであれば、 せめて空間的にも時間的にも変動する 室内居住域の温熱環境目標が95%以上 の累積頻度で達成されることを保証 これは、室内の温熱環境形成や空調設 備に深い専門知識を持つ、空気調和技 術者にしかできないこと 2011/05/26 8 63 空気調和・衛生工学会シンポジウム 室内の環境の生成と 環境測定による確認 64 空気調和・衛生工学会シンポジウム 室内環境生成のイメージ 1 室内環境のレベルは、室内に投入される量と流出す る量のバランスで定まる 投入、流入 流出の抵抗が小さければ室内レベルは低下し、大き ければ上昇する 流入が増せば上昇し、減れば低下する 除去、流出 室内環境のレベル 投入、流出、 室内レベルを把握 2011/05/26 10 65 空気調和・衛生工学会シンポジウム 室内環境生成のイメージ 投入、流入 2 室内環境は、投入、流入される場所から除去、流出す る場所に至る輸送の過程で不均一な分布が生じる 投入、流出の量が変われば除去、流出の量も変わり時 間的に変動する すなわち空間分布と時間変動が生じる 環境レベルの 分布と変動 除去、流出 2011/05/26 室内の分布性状を把握 66 11 空気調和・衛生工学会シンポジウム 制御目標達成を確認するための測定 1) 室内環境は成り行きではない 室内環境は、制御目標を達成するよう制御されている 2) 制御目標の達成 空調設備機器などにより調整される室内環境が制御目標を満たすか確認 3) 室内全体、季間を通した性状 環境制御の個別の物理量に関し、室内への投入量、除去量を季間で把握 4) 室内での分布性状、時間変動を 環境制御の個別の物理量に関し、室内の分布性状、時間変動を把握 2011/05/26 ⇒学会には標準的な測定法がある 67 12 空気調和・衛生工学会シンポジウム 学会の標準的室内環境計測項目 (1) コミッショニングツールを見据えた設定 (2)室内環境の要求条件が実現されているかを検証 できる計測項目の設定 (室内環境の要求条件) 1) 施主の要求条件(温湿度、清浄度など) 2) 法規・基準等に基づく設計条件(ビル管法など) 3)一般的な評価ツールの目標条件 (Casbee(日)、Leed(米)など) 2011/05/26 13 68 空気調和・衛生工学会シンポジウム 測定グレード レベル 3:空間の分布を捉えシミュレーションなどで解 析できる測定法 レベル 2:空間の平均値を捕らえ、最大負荷時と平均時 の値を解析できる測定法 レベル 1:空間の代表性のある点の値(例えば室内の熱 量バランスを捉える排気口での値)を捉え、計測時の値 を解析できる測定法(最も標準的なレベル、現行の試運 転調整程度の測定に対応) 2011/05/26 14 69 空気調和・衛生工学会シンポジウム 低い測定レベルこそ経験が必要 標準とされるレベル 1は空間の代表性 のある点のでの測定のみ測定法 この測定のみから、室内温熱環境の時 間的空間的分布を考慮して、空調によ る環境制御が累積頻度95%で達成され ることを判断するのプロの技術者 温熱環境の時間変動、空間分布に関す る深い知識と経験が不可欠 2011/05/26 15 70 空気調和・衛生工学会シンポジウム 測定目的によるグレード 測定項目 主 副 空調 ⑤熱負荷要素 ⑦屋外環境 ⑥空調換気特性 ④音・振動環境 ②室内空気環境 ○ ③光環境 ①室内温熱環境 ◎ 空調システム 外部条件 ○ ○ ○ 測定グレードの要素 ①快適性に基づくレベル 換気 効率 レベル1 :標準的 レベル2,3:要求グレード高 ◎ ②健康度、安全性、騒音等の問題 対処に基づくレベル ◎ ◎ ◎ ○ 断熱 気密 性能 レベル1 :最低限 レベル2,3:問題が生じた場合 のより詳細な測定 2011/05/26 16 71 空気調和・衛生工学会シンポジウム 学会計測マニュアル全体構成 室内環境計測マニュアル 測定SPECシート 総覧表 (引渡し前/引渡し後) (引渡し前/引渡し後) 計測項目 ①温熱環境 ②空気環境 測定グレード(測定目的) ・快適性に基づくレベル ・健康度、安全性、騒音等の 問題対処に基づくレベル ③光環境 設定された測定グレー ドに応じて測定方法が 決定される ④音・振動環境 ⑤熱負荷要素 ⑥空調換気特性 ⑦屋外環境 測定方法 ・単独評価 ・要求性能 ・複合評価 ・実施時間 ・日変化評価 ・実施場所 ・年間評価 ・測定機器 ・経年評価 ・測定精度 ・実施方法 (執務空間、作業空間、生産空) ・関連基準 ・空間分布 (分布、平均値、代表点) ・測定期間、間隔 (ゆらぎ、日/季節変動、経年変) 評価方法 ・局所評価 ・ゾーン評価 ・シミュレー ・留意点 ションとの相 ・設計仕様 互解析 17 2011/05/26 72 空気調和・衛生工学会シンポジウム 学会室内温熱環境の計測項目 1 2 3 4 5 ROOM_DB ROOM_RH ROOM_AS ROOM_RT ROOM_TS 室内空気温度 室内空気湿度 室内気流速 室内放射温度 室内温冷感 2011/05/26 18 73 空気調和・衛生工学会シンポジウム 学会室内空気環境の計測項目 1 室内CO2ガス濃度 2 室内COガス濃度 3 室内TVOC濃度 4 室内ホルムアルデヒド濃度 5 浮遊粉塵量 6 換気量 7 室内NO2ガス濃度 8 室内SO2ガス濃度 9 室内オゾン濃度 10 換気効率 RM_CAco2 RM_CAco RM_CAtvoc RM_CAhcho RM_MApm RM_GAva RM_CAno2 RM_CAso2 RM_CAo3 RM_eVNT 2011/05/26 19 74 空気調和・衛生工学会シンポジウム マニュアルの一例 ― 室内空気温度(引き渡し前)冒頭部分― 引き渡し前 測定項目 測定グレード レベル 3 方法 測定目的 RM_DB 室内空気温度 レベル 2 空間の分布を捉えシミュレーションなどで 解析できる測定法 空間の平均値を捉え、最大負荷時と平均 時の値を解析できる測定法 空間分布による評価 空間の平均値による評価 レベル 1 空間の代表性のある点の値を捉え、計測 時の値を解析できる測定法(最も標準的 なレベル、現行の試運転調整程度の測定 に対応) 代表点で評価 要求性能 実施時間 実施場所 1 2 1 設計条件の実現性の確認 室内温熱環境状態の把握 随時 1 2 1 (ただし、可能であれば夏期条件(室内 外温度差及び湿度差が設計値の50% より小さくならない時間帯。晴れまたは 晴れ時々曇りの日時)及び冬期条件(室 内外温度差が設計値の50%より小さく ならない時間帯。曇りまたは晴れ時々 曇りの日時)にて行うのが望ましい) 1 (ADPIによる評価例)※ ①2つ以上の垂直断面上 (断面の間隔:0.1~4 m) ②垂直方向0.1、0.6、1.1、1.7 m ③水平方向:一つの水平面に5点 以上 ④代表点:測定領域内の中心で床上 1.1m 2 設計条件の実現性の確認 室内温熱環境状態の把握 1 設計条件の実現性の確認 随時 1 随時 1 居室の中央部 だし、必ずしも中央部にこだわらず に、吹出口や還気口の位置を考慮し た上で、その居室を代表すると考えら れる場所を選定する。 2 1空調域で1点 (ただし、可能であれば夏期条件(室内 外温度差及び湿度差が設計値の50% より小さくならない時間帯。晴れまたは 晴れ時々曇りの日時)及び冬期条件(室 内外温度差が設計値の50%より小さく ならない時間帯。曇りまたは晴れ時々 曇りの日時)にて行うのが望ましい) 1 (ASHRAE 55による評価例) ①インテリアゾーン→部屋またはゾー ンの中心 ②ペリメータゾーン→壁から0.6 m内 側 ③座位→ 床上 0.1、0.6、1.1 m 立位→ 床上0.1、1.1、1.7 m 2 た 2011/05/26 20 75 空気調和・衛生工学会シンポジウム クールビズ実施による28℃設定の一 般業務ビルのオフィスの展望と課題 早稲田大学研究室提供 田辺新一・西原直枝 76 空気調和・衛生工学会シンポジウム 設定温度緩和による省エネルギー 地球温暖化対策の為、CO2排出量の削減を目 的とし、夏季オフィスにおいては空調エネル ギーを軽減すべく冷房28℃設定および服装の 軽装化を主としたCOOLBIZが、2005年から 政府主導で推進 環境負荷の軽減というメリットがあることが 期待される一方で、冷房28℃設定は執務者の 作業効率を低下させる可能性があることが懸 念されている 温熱環境が知的生産性に与える影響について、 研究紹介を行い、COOLBIZの取り組みにつ いて知的生産性の視点から考察 2011/05/26 22 77 空気調和・衛生工学会シンポジウム 平均応答件数(件/時) コールセンターにおける日平均室内温度と平均応答件数 10.0 9.5 9.0 8.5 8.0 7.5 7.0 6.5 6.0 5.5 5.0 64 250 1667 2709 1483 735 1602 2562 82 2015 22.5 23.0 23.5 24.0 24.5 25.0 25.5 26.0 26.5 27.0 27.5 28.0 日平均室内温度 ( ℃ ) 2011/05/26 23 78 空気調和・衛生工学会シンポジウム 室温設定緩和オフィスの実測 目的:COOL BIZ実施オフィスにおいて、長期間にわたり知的生産性評価を考慮した実測調査 方法:環境物理量測定および執務者アンケート、空調設備・室内熱負荷調査 12500 12500 ◆執務者数 東側オフィス:48人 西側オフィス:68人 オフィス全体:116人 東側オフィス:41W/m2 西側オフィス:48W/m2 28500 オフィス全体:45W/m2 22500 ◆内部発熱量 団 扇 ・扇子 51名 個 人 用扇風機 13名 共 用 扇風機 25名 除湿器 0名 特 に なし 10名 0 10 20 max 78 30 40 50 60 70 選択人数 着衣以外の温熱環境適応行動 執務者 + パソコン 執務者 + パソコン + 卓上ファン 大型扇風機 OA機器 / 冷蔵庫 西側オフィス N 東側オフィス 実測対象オフィスの平面図および発熱体の分布 2011/05/26 24 79 空気調和・衛生工学会シンポジウム 室内空気温度およびSET*の平面分布 ◆室内空気温度、測定データから算出したSET* (各36点)を元にバイリニア補間を行った 8/8の12時における室内空気温度平面分布 8/8の12時におけるSET*分布 ◆室内空気温度は窓際で低く、廊下側で高いという分布が見られた ◆室内空気温度は東側オフィスに比べ西側オフィスの方が高かった ◆SET*は東側オフィスと西側オフィスで違いは見られなかった ◆西側オフィスでは気流速度が東側オフィスに比べ高かったことが原因であると考えられる 2011/05/26 25 80 空気調和・衛生工学会シンポジウム 空気調和設備概要及び運転方法 余剰排気ファン 12500 12500 EA / 300*250 実測対象オフィス 排気 SA / 350 φ SA / 350 φ SA / 350 φ SA / 350 φ RA / 1200*250 23F 余剰排気(40%) 23F 還気(60%) 23F 給気(100%) 給気 還気 屋上(全熱交換器)より 新鮮空気 (40%) (30%+CO2濃度) (100%) VAV VAV(40%) (30%+CO2濃度) 28500 22500 空調機 (AHU) 22F 余剰排気(40%) 22F 還気(60%) (空気の流れ) CO2計 (60%) 22F 給気(100%) 温度計 冷温水管 冷温水2方弁 21F 余剰排気(40%) 西側オフィス N 21F 還気(60%) 東側オフィス 21F 給気(100%) 実測対象オフィスダクト平面図 外気 還気 給気 排気 実測対象オフィス空調系統図 ◆空調機は4方向にゾーニングされ、各ゾーン3階層分に1つの空調機が割り当てられている ◆給気は空調機を出た直後に3階層に分配され、その後各階で4系統に分配される ◆COOL BIZ実施期間における冷房設定温度は28 ℃であった ◆空調機は3階層分の還気の混合空気温度を元に冷温水2方弁の開度を比例制御していた 2011/05/26 26 81 空気調和・衛生工学会シンポジウム 給気吹出し口温度の推移 ◆東側・西側オフィスそれぞれにおいて4点ずつの測定データの平均を算出 34.0 給気吹出し口温度[℃] 32.0 30.0 28.0 26.0 24.0 22.0 20.0 給気(東) 給気(西) 18.0 0:00 図 3:00 6:00 9:00 12:00 15:00 18:00 21:00 0:00 8/8の給気吹出し口温度の推移 ◆給気吹出し口温度は、西側オフィスではほぼ一定の温度で推移していた ◆東側オフィスでは14時以降に8~10℃の幅でハンチングしていた ◆東側オフィスの空調負荷が西側オフィスに比べ小さかったと考えられる ◆設定温度を緩和し、空調負荷が小さくなった場合、給気温度の制御が難しく、 給気吹出し口温度のハンチング幅が大きくなったと考えられる ◆冷房設定温度を緩和させる際には空調システムや運転方法についても検討 2011/05/26 が必要であると考えられる 27 82 空気調和・衛生工学会シンポジウム 温熱不満足者率 不満足 -1 -0 +0 +1 ◆不満足者の定義 明らかに どちらかというと どちらかというと 不満 満足 不満 明らかに 満足 ◆各期間とも温熱環境に対する不満足者率が高かった ◆7月期、8月期は出勤時における室内空気温度が高かったため、温熱不満足者率が高くなっていた 温熱不満足者率 7 月期 8 月期 9 月期 出勤時 退勤時 出勤時 退勤時 出勤時 退勤時 有効回答数 171 件 170 件 142 件 141 件 59 件 59 件 不満足者率 77 % 79 % 83 % 77 % 37 % 64 % 2011/05/26 28 83 室内環境質と疲労度 60 個人訴え率[%] 1 n=367 50 40 4 30 ←室内空気温度 2 r=0.70 89 26 18 77 との関係 24 41 64 20 14 10 ◆空気温度、SET* が高い時、疲労度が 高い関係があった 7 0 25.0 26.0 27.0 28.0 29.0 30.0 31.0 室内空気温度[℃] 40 n=367 35 r=0.73 個人訴え率[%] 30 87 15 46 11 18 65 38 25 20 ←SET* 6 との関係 64 17 ◆温熱満足度が低い とき、疲労度が高い 関係があった 14 10 5 0 25.0 個人訴え率 [%] 空気調和・衛生工学会シンポジウム 40 35 30 25 20 15 10 5 0 26.0 27.0 28.0 SET*[℃] 29.0 30.0 31.0 n=370 79 26 ←温熱満足度 r=-0.97 34 39 との関係 83 D 64 22 -1.5 -1-1 -0.5 2011/05/26 -0 0+0 温熱満足度 5 2 8 7 0.5 1 +1 ◆疲労感は、室内空 気温度や体感温度な どの物理量による影 響よりも、個人ごと の温熱環境に対する 満足度と強い相関が 認められた。 1.5 29 84 空気調和・衛生工学会シンポジウム 室内環境質と主観作業能力 主観作業能力 [-] 100 59 80 33 82 33 70 22 18 ←室内空気温度 2 60 20 との関係 1 40 r=-0.21 n=336 0 25.0 26.0 27.0 28.0 29.0 室内空気温度[℃] 30.0 31.0 主観作業能力[-] 100 80 11 42 53 14 17 36 81 58 17 ←SET* 6 60 との関係 40 20 n=336 r=-0.46 0 24.0 25.0 26.0 27.0 28.0 29.0 30.0 31.0 SET* 主観作業能力 [-] 100 80 ◆主観作業能力は、室内 空気温度と有意な相関は 見られなかったが、体感 温度SET*が高いとき、執 務者の主観作業能力が低 いという傾向が見られた。 n=337 r=0.97 27 21 60 22 40 ←温熱満足度 5 32 37 74 7 ◆温熱満足度が低いとき、 執務者の主観作業能力が 高いという相関が見られ た。温熱満足度が低いと き、執務者はその環境下 での作業能力を低く評価 したことが示された。 との関係 55 75 20 0 2011/05/26 -1.5 -1 -1 -0.5 -00+0 温熱満足度 0.5 1 +1 1.5 30 85 空気調和・衛生工学会シンポジウム 空調設備の異常運転 空調設備の低効率運転 温熱環境への不満 知覚空気質の悪化 2011/05/26 31 86 空気調和・衛生工学会シンポジウム 空調設備の最適制御 着衣の軽装化 各種採涼アイテムの導入 2011/05/26 32 87 空気調和・衛生工学会シンポジウム まとめ 空調は生産性の維持、向上の目的があり、 制御目標の緩和はその影響の評価が必要 温熱環境と生産性、疲労には大きな相関 室内には温熱環境の時間的変動、空間的分 布が生じ、累積頻度分布性状を考慮した対 応が必要 温熱環境の測定、確認が求められる 2011/05/26 33 88 業務用建築における節電対策の定量評価 日建設計総合研究所 丹 羽 英 治 89 業務用建築における節電対策の定量評価 建築設備技術者のための節電シンポジウム(東京) 2011.5.26 業務用建築における節電対策の定量評価 丹羽 英治 (日建設計総合研究所) 90 業務用建築における節電対策の定量評価 目 次 1.各種業務用建築におけるマクロ評価 2.規模別・システム別 節電対策の詳細評価 3.まとめ 2 91 業務用建築における節電対策の定量評価 1.各種業務用建築におけるマクロ評価 【目的】 節電対策効果の概略推定、削減ポテンシャルの推定 ・エネルギーシミュレーションプログラム”FACES”を利用 ・建物全体のエネルギー消費量をマクロに評価 ・対象建築物:事務所、店舗等 ・気象条件:拡張アメダス標準年気象データ(東京) 3 92 業務用建築における節電対策の定量評価 1.各種業務用建築におけるマクロ評価 エネルギーシミュレーションプログラム”FACES”の概要 ①所在地 ②建物用途 ③延床面積、④階数 を設定 FACES入力画面 熱源自動選定 熱源・二次側機器の自動選定 詳細条件の設定も可能 実在機種の指定も可能 建物モデル自動作成 (壁の面積や室の使用時間など) 冷暖房負荷計算 年間シミュレーション ※ 年間エネルギー消費量 を計算(時刻別) ※ 計算結果の補正も可能 エネルギー消費量 ⑤熱源システムの種類を選択 機器のCOP値など 詳細条件の設定も可能 プログラム部分 ※ 公的プログラム(HASP/ACLD/ACSS)を改良して使用 (社)建築設備技術者協会 必須入力項目 4 93 業務用建築における節電対策の定量評価 1.各種業務用建築におけるマクロ評価 (1)事務所ビル(大規模) 建築概要 901 m2/階 所在地: 主用途: 延床面積: 階数: 想定空調システム: 東京 事務所ビル 11,700㎡ (基準階床面積 約900㎡) 地上13階 空気熱源ヒートポンプチラー、空調機+FCU方式 事務室 コア 11×@3.2=35.2m 13×@4.0=52m 事務室 建物の断熱仕様等 ・屋根:RC130mm+断熱50mm ・外壁:RC150mm+断熱25mm ・窓ガラス:単板ガラス(透明)6mm 8×@3.2=25.6m 平面図 断面図 検討ケース 分類 No. 基準 内部発熱 0 21 22 31 32 41 11 12 13 99 設定温度 緩和 外気導入 運転時間 複合 ケース 基準ケース 照明50%節減 OA機器25%節減 室温緩和(2℃) 冷水温度緩和(2℃) 外気量適正化 予冷3時間 予冷6時間 連続空調 複合ケース 照明発熱 機器発熱 室温設定 冷水温度 導入外気量 予冷時間 空調運転 備考 W/㎡ W/㎡ ℃ ℃ m3/m2h 20 15 26 7 4.0 1h 8:00~20:00 10 15 26 7 4.0 1h 8:00~20:00 共用部も対象 20 11 26 7 4.0 1h 8:00~20:00 空調エリアのみ対象 20 15 28 7 4.0 1h 8:00~20:00 20 15 26 9 4.0 1h 8:00~20:00 20 15 26 7 2.0 1h 8:00~20:00 0.2人/㎡×20m3/h→0.1人/㎡×20m3/h 20 15 26 7 4.0 3h 6:00~20:00 20 15 26 7 4.0 6h 3:00~20:00 20 15 26 7 4.0 連続空調 0:00~24:00 10 8 28 9 2.0 連続空調 0:00~24:00 全ての対策を適用したケース 5 94 業務用建築における節電対策の定量評価 1.各種業務用建築におけるマクロ評価 (1)事務所ビル(大規模) 試算結果 最大電力消費量(kW) 照明 243 126 243 243 243 243 243 243 243 126 コンセント 122 122 90 122 122 122 122 122 122 90 その他 122 122 122 122 122 122 122 122 122 122 全体 813 682 776 787 802 789 797 787 780 566 最大電力消費量低減率(%) ケース 基準ケース 照明50%節減 OA機器25%節減 室温緩和(2℃) 冷水温度緩和(2℃) 外気量適正化 予冷3時間 予冷6時間 連続空調 複合ケース 空調・換気 - 4% 2% 8% 3% 7% 5% 8% 10% 30% 照明 - 48% - - - - - - - 48% コンセント - - 26% - - - - - - 26% その他 - - - - - - - - - - 電力デマンド発生日 1,000 基準ケース 800 全体 -30% 600 400 複合ケース 200 16% 5% 3% 3% 3% 2% 3% 4% 30% 0 0~1 1~2 2~3 3~4 4~5 5~6 6~7 7~8 8~9 9~10 10~11 11~12 12~13 13~14 14~15 15~16 16~17 17~18 18~19 19~20 20~21 21~22 22~23 23~24 空調・換気 327 313 321 300 315 303 311 300 293 228 電力消費量[kW] ケース 基準ケース 照明50%節減 OA機器25%節減 室温緩和(2℃) 冷水温度緩和(2℃) 外気量適正化 予冷3時間 予冷6時間 連続空調 複合ケース 基準ケースと複合ケースの比較 7/18(火) 6 95 業務用建築における節電対策の定量評価 1.各種業務用建築におけるマクロ評価 (1)事務所ビル(大規模) 各ケースの電力消費量 1,000 電力消費量[kW] 基準ケース 800 照明50%節減 600 OA機器25%節減 室温緩和 400 外気量適正化 200 0 7/16(日) 7/17(月) 7/18(火) 7/19(水) 7/20(木) 7/21(金) 7/22(土) 7/18(火) 7/19(水) 7/20(木) 7/21(金) 7/22(土) 電力消費量[kW] 1,000 基準ケース 予冷3時間 予冷6時間 連続空調 複合ケース 800 600 400 200 0 7/16(日) 7/17(月) 7 96 業務用建築における節電対策の定量評価 1.各種業務用建築におけるマクロ評価 (1)事務所ビル(大規模) 各ケースの順次対策効果の推定 0.0 延床面積あたりの最大電力消費量(W/㎡) 40.0 60.0 20.0 80.0 W/㎡ 100.0 基準 照明50%節減 OA機器25%節減 室温緩和 冷水温度緩和 外気量適正化 予冷3時間 予冷6時間 約30%低減 連続空調 空調・換気 照明 コンセント その他 各対策の効果率を相乗して推定した 相互効果作用は考慮されていない 空調・換気30%低減 8 97 業務用建築における節電対策の定量評価 1.各種業務用建築におけるマクロ評価 (2)事務所ビル(小規模) 建築概要 所在地: 主用途: 延床面積: 階数: 想定空調システム: 東京 事務所ビル 2880㎡ (基準階床面積 約480㎡) 地上6階 個別分散空調方式 建物の断熱仕様等 ・屋根:RC130mm+断熱50mm ・外壁:RC150mm+断熱25mm ・窓ガラス:単板ガラス(透明)6mm 481 m2/階 事務室 4×@3.2=12.8m 6×@4.0=24m コア 6.0m 8×@3.2=25.6m 階高 :4.0m 天井高:2.6m 平面図 断面図 検討ケース 分類 No. 対策ケース 基準 内部発熱 0 21 22 31 41 11 12 13 99 基準ケース 照明50%節減 OA機器25%節減 室温緩和(2℃) 外気量適正化 予冷3時間 予冷6時間 連続空調 複合ケース 設定室温 外気導入 運転時間 複合 照明発熱 機器発熱 室温設定 導入外気量 予冷時間 空調運転 W/㎡ W/㎡ ℃ m3/m2h 20 15 26 4.0 1h 8:00~20:00 10 15 26 4.0 1h 8:00~20:00 20 11 26 4.0 1h 8:00~20:00 20 15 28 4.0 1h 8:00~20:00 20 15 26 2.0 1h 8:00~20:00 20 15 26 4.0 3h 6:00~20:00 20 15 26 4.0 6h 3:00~20:00 20 15 26 4.0 連続空調 0:00~24:00 10 8 28 2.0 連続空調 0:00~24:00 備考 共用部も対象 空調エリアのみ対象 0.2人/㎡×20m3/h→0.1人/㎡×20m3/h 全ての対策を適用したケース 9 98 業務用建築における節電対策の定量評価 1.各種業務用建築におけるマクロ評価 (2)事務所ビル(小規模) 試算結果 最大電力消費量(kW) 照明 60 31 60 60 60 60 60 60 31 コンセント 30 30 22 30 30 30 30 30 22 その他 30 30 30 30 30 30 30 30 30 全体 175 142 166 166 167 173 171 170 118 最大電力消費量低減率(%) ケース名 基準 照明50%節減 OA機器25%節減 室温緩和(2℃) 外気量適正化 予冷3時間 予冷6時間 連続空調 複合ケース 空調・換気 - 7% 3% 15% 15% 3% 7% 9% 38% 照明 - 48% - - - - - - 48% コンセント - - 25% - - - - - 25% その他 - - - - - - - - - 200 180 160 140 基準ケース 電力デマンド発生日 -33% 120 100 複合ケース 80 60 全体 40 19% 5% 5% 5% 1% 2% 3% 33% 20 0 0~1 1~2 2~3 3~4 4~5 5~6 6~7 7~8 8~9 9~10 10~11 11~12 12~13 13~14 14~15 15~16 16~17 17~18 18~19 19~20 20~21 21~22 22~23 23~24 空調・換気 55 51 54 47 47 53 51 50 34 電力消費量[kW] ケース名 基準 照明50%節減 OA機器25%節減 室温緩和(2℃) 外気量適正化 予冷3時間 予冷6時間 連続空調 複合ケース 基準ケースと複合ケースの比較 7/18(火) 10 99 業務用建築における節電対策の定量評価 1.各種業務用建築におけるマクロ評価 (2)事務所ビル(小規模) 各ケースの電力消費量 電力消費量[kW] 300 200 100 基準ケース 照明50%節減 OA機器25%節減 室温緩和 外気量適正化 0 7/16(日) 7/17(月) 7/18(火) 7/19(水) 7/20(木) 7/21(金) 7/22(土) 7/17(月) 7/18(火) 7/19(水) 7/20(木) 7/21(金) 7/22(土) 電力消費量[kW] 300 200 100 基準ケース 予冷3時間 予冷6時間 24時間運転 複合ケース 0 7/16(日) 11 100 業務用建築における節電対策の定量評価 1.各種業務用建築におけるマクロ評価 (2)事務所ビル(小規模) 各ケースの順次対策効果の推定 延床面積あたり最大電力消費量(W/㎡) 0 20 40 60 80 W/㎡ 100 基準 照明50%節減 OA機器25%節減 室温緩和 外気量適正化 予冷3時間 予冷6時間 約33%低減 24時間運転 空調・換気 照明 コンセント その他 各対策の効果率を相乗して推定した 相互効果作用は考慮されていない 約38%低減 12 101 業務用建築における節電対策の定量評価 1.各種業務用建築におけるマクロ評価 (3)大規模店舗(ショピングセンター) 建築概要 コア 所在地: 主用途: 延床面積: 階数: 空調面積比率: 想定空調システム: 東京 ショッピングセンター 20,000㎡ (基準階床面積 約4,000㎡) 地上5階 73% (食品売場、一般売場、および最上階に一部飲食店舗、各階に事務室) 空気熱源ヒートポンプチラー、空調機方式 建物の断熱仕様等 ・屋根:RC150mm+断熱50mm ・外壁:RC180mm+断熱25mm ・窓ガラス:単板ガラス(透明)8mm 12.1m コア 65.3m 89.4m 44.7m 12.1m 平面図 5×@4.2=21m G.L. 断面図 検討ケース 分類 No. 基準 内部発熱 0 21 22 31 32 41 11 12 13 99 設定温度 緩和 外気導入 運転時間 複合 ケース 基準ケース 照明50%節減 その他機器50%節減 室温緩和(2℃) 冷水温度緩和(2℃) 外気量適正化 予冷3時間 予冷6時間 連続空調 複合ケース 照明発熱 その他電力 室温設定 冷水温度 導入外気量 予冷時間 空調運転 備考 W/㎡ W/㎡ ℃ ℃ m3/m2h 9:00~20:00 50 30 26 7 15.0 1h 9:00~20:00 共用部も対象 25 30 26 7 15.0 1h - - - - - - - 9:00~20:00 50 30 28 7 15.0 1h 9:00~20:00 50 30 26 9 15.0 1h 9:00~20:00 0.5人/㎡×30m3/h人→0.25人/㎡×30m3 50 30 26 7 7.5 1h 7:00~20:00 50 30 26 7 15.0 3h 4:00~20:00 50 30 26 7 15.0 6h 50 30 26 7 15.0 連続空調 0:00~24:00 25 30 28 9 2.0 連続空調 0:00~24:00 全ての対策を適用したケース ※レストランのみ22:00まで 13 102 業務用建築における節電対策の定量評価 1.各種業務用建築におけるマクロ評価 (3)大規模店舗(ショッピングセンター) 試算結果 最大電力消費量(kW) 照明 1000 500 - 1000 1000 1000 1000 1000 1000 500 コンセント 200 200 - 200 200 200 200 200 200 200 その他 400 400 - 400 400 400 400 400 400 400 全体 2336 1682 - 2263 2307 2208 2260 2224 2200 1510 最大電力消費量低減率(%) ケース 基準ケース 照明50%節減 その他機器50%節減 室温緩和(2℃) 冷水温度緩和(2℃) 外気量適正化 予冷3時間 予冷6時間 連続空調 複合ケース 空調・換気 - 21% - 10% 4% 17% 10% 15% 18% 44% 照明 - 50% - - - - - - - 50% コンセント - - - - - - - - - 0% その他 - - - - - - - - - - 電力デマンド発生日 3,000 2,500 2,000 基準ケース -35% 1,500 複合ケース 1,000 全体 500 28% - 3% 5% 5% 3% 5% 6% 35% 0 0~1 1~2 2~3 3~4 4~5 5~6 6~7 7~8 8~9 9~10 10~11 11~12 12~13 13~14 14~15 15~16 16~17 17~18 18~19 19~20 20~21 21~22 22~23 23~24 空調・換気 736 582 - 663 707 608 660 624 600 410 電力消費量[kW] ケース 基準ケース 照明50%節減 その他機器50%節減 室温緩和(2℃) 冷水温度緩和(2℃) 外気量適正化 予冷3時間 予冷6時間 連続空調 複合ケース 基準ケースと複合ケースの比較 7/17(月) 14 103 業務用建築における節電対策の定量評価 1.各種業務用建築におけるマクロ評価 (3)大規模店舗(SC) 各ケースの電力消費量 基準ケース 照明50% 室温緩和 外気量適正化 3,000 電力消費量[kW] 2,500 2,000 1,500 1,000 500 0 7/16(日) 7/17(月) 3,000 7/18(火) 7/19(水) 基準ケース 予冷3時間 7/20(木) 予冷6時間 7/21(金) 連続空調 7/22(土) 複合ケース 電力消費量[kW] 2,500 2,000 1,500 1,000 500 0 7/16(日) 7/17(月) 7/18(火) 7/19(水) 7/20(木) 7/21(金) 7/22(土) 15 104 業務用建築における節電対策の定量評価 1.各種業務用建築におけるマクロ評価 (3)大規模店舗(ショッピングセンター) 各ケースの順次対策効果の推定 0 基準 延床面積あたりの最大電力消費量(W/㎡) 40 60 20 空調・換気 照明 80 W/㎡ 120 100 コンセント その他 照明50% 室温緩和 冷水温度緩和 外気量適正化 予冷3時間 予冷6時間 約35%低減 連続空調 空調・換気 照明 コンセント その他 各対策の効果率を相乗して推定した 相互効果作用は考慮されていない 約44%低減 16 105 業務用建築における節電対策の定量評価 1.各種業務用建築におけるマクロ評価 (4)中規模店舗(スーパーマーケット) 建築概要 コ 所在地: 主用途: 延床面積: 階数: 空調面積比率: 想定空調システム: 東京 スーパーマーケット 2,000㎡ 地上1階、地下なし 64% (食品売場60%、事務室4%) 個別分散空調方式 建物の断熱仕様等 ・屋根:RC150mm+断熱50mm ・外壁:RC180mm+断熱25mm ・窓ガラス:単板ガラス(透明)8mm コ 食品売場 1,200㎡ ア ア 31.6m 事務所 80㎡ 11.4m 40.4m 63.2m 11.4m 平面図 1×@4.2=4.2m G.L. 立面図 検討ケース 分類 No. 対策ケース 基準 内部発熱 0 21 22 31 41 11 12 13 99 基準ケース 照明50%節減 OA機器25%節減 室温緩和(2℃) 外気量適正化 予冷3時間 予冷6時間 連続空調 複合ケース 設定室温 外気導入 運転時間 複合 照明発熱 機器発熱 室温設定 導入外気量 予冷時間 空調運転 W/㎡ W/㎡ ℃ m3/m2h 8:00~20:00 20 15 26 4.0 1h 8:00~20:00 10 15 26 4.0 1h - - - - - - 8:00~20:00 20 15 28 4.0 1h 8:00~20:00 20 15 26 2.0 1h 6:00~20:00 20 15 26 4.0 3h 3:00~20:00 20 15 26 4.0 6h 20 15 26 4.0 連続空調 0:00~24:00 10 15 28 2.0 連続空調 0:00~24:00 備考 空調エリアのみ対象 0.5人/㎡×30m3/h人→0.25人/㎡×30m3 全ての対策を適用したケース 17 106 業務用建築における節電対策の定量評価 1.各種業務用建築におけるマクロ評価 (4)中規模店舗(スーパーマーケット) 試算結果 最大電力消費量(kW) コンセント 50 50 - 50 50 50 50 50 50 その他 110 110 - 110 110 110 110 110 110 全体 332 292 - 326 316 329 327 324 271 最大電力消費量低減率(%) 空調・換気 ケース名 基準 - 照明50%節減 12% その他機器25%節減 - 室温緩和(2℃) 9% 外気量適正化 22% 予冷3時間 4% 予冷6時間 8% 連続空調 11% 41% 複合ケース 照明 - 32% - - - - - - 32% コンセント - - - - - - - - 0% その他 - - - - - - - - - 400 基準ケース 300 電力デマンド発生日 -18% 複合ケース 200 100 全体 12% - 2% 5% 1% 2% 2% 18% 0 0~1 1~2 2~3 3~4 4~5 5~6 6~7 7~8 8~9 9~10 10~11 11~12 12~13 13~14 14~15 15~16 16~17 17~18 18~19 19~20 20~21 21~22 22~23 23~24 照明 100 68 - 100 100 100 100 100 68 電力消費量[kW] 空調・換気 ケース名 基準 72 照明50%節減 64 その他機器25%節減 - 室温緩和(2℃) 66 外気量適正化 56 予冷3時間 69 予冷6時間 67 連続空調 64 複合ケース 43 基準ケースと複合ケースの比較 8/10(木) 18 107 業務用建築における節電対策の定量評価 1.各種業務用建築におけるマクロ評価 (4)中規模店舗(スーパーマーケット) 各ケースの電力消費量 基準ケース 照明50%節減 室温緩和 外気量適正化 電力消費量[kW] 500 400 300 200 100 0 8/6(日) 8/7(月) 8/8(火) 8/9(水) 基準ケース 予冷3時間 8/10(木) 予冷6時間 8/11(金) 24時間運転 8/12(土) 複合ケース 電力消費量[kW] 500 400 300 200 100 0 8/6(日) 8/7(月) 8/8(火) 8/9(水) 8/10(木) 8/11(金) 8/12(土) 19 108 業務用建築における節電対策の定量評価 1.各種業務用建築におけるマクロ評価 (4)中規模店舗(スーパーマーケット) 各ケースの順次対策効果の推定 延床面積あたり最大電力消費量(W/㎡) 0 20 40 60 80 100 120 140 160 W/㎡ 180 基準 照明50%節減 室温緩和 外気量適正化 予冷3時間 予冷6時間 約18%低減 24時間運転 空調・換気 照明 コンセント その他 各対策の効果率を相乗して推定した 相互効果作用は考慮されていない 約44%低減 20 109 業務用建築における節電対策の定量評価 1.各種業務用建築におけるマクロ評価 (5)小規模店舗(コンビニエンスストア) 建築概要 所在地: 主用途: 延床面積: 階数: 空調面積比率: 想定空調システム: 東京 コンビニエンスストア 150㎡ 地上1階 100% (店舗70%、バックヤードおよび事務室30%) 個別分散空調方式(EHPビルマルチ14kW×3台、EHPパッケージ10kW×1台) 建物の断熱仕様等 ・屋根:RC150mm+断熱50mm ・外壁:RC180mm+断熱25mm ・窓ガラス:単板ガラス(透明)8mm ※店舗部分の南面のみ全面ガラス バック ヤード & 事務室 店舗 12.1m 8.7m 5.2m 17.3m 平面図 1×@4.2=4.2m G.L. 立面図 検討ケース 分類 No. 基準 内部発熱 0 21 22 31 32 41 11 12 13 99 設定温度 緩和 外気導入 運転時間 複合 ケース 基準ケース 照明50%節減 その他機器50%節減 室温緩和(2℃) 冷水温度緩和(2℃) 外気量適正化 予冷3時間 予冷6時間 連続空調 複合ケース 照明発熱 その他電力 室温設定 冷水温度 導入外気量 予冷時間 空調運転 備考 W/㎡ W/㎡ ℃ ℃ m3/m2h 40 130 26 7 15.0 - 0:00~24:00 20 130 26 7 15.0 - 0:00~24:00 共用部も対象 - - - - - - - 40 130 28 7 15.0 - 0:00~24:00 - - - - - - - 40 130 26 7 7.5 - 0:00~24:00 0.5人/㎡×30m3/h人→0.25人/㎡×30m3 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - 20 30 28 9 2.0 - 0:00~24:00 全ての対策を適用したケース 21 110 業務用建築における節電対策の定量評価 1.各種業務用建築におけるマクロ評価 (5)小規模店舗(コンビニエンスストア) 試算結果 最大電力消費量(kW) 照明 6 3 - 6 - 6 - - - 3 コンセント 2 2 - 2 - 2 - - - 2 その他 18 18 - 18 - 18 - - - 18 全体 33 29 - 32 - 31 - - - 28 最大電力消費量低減率(%) ケース 基準ケース 照明50%節減 その他機器50%節減 室温緩和(2℃) 冷水温度緩和(2℃) 外気量適正化 予冷3時間 予冷6時間 連続空調 複合ケース 空調・換気 - 5% - 9% - 18% - - - 27% 照明 - 50% - - - - - - - 50% コンセント - - - - - - - - - 0% その他 - - - - - - - - - - 電力デマンド発生日 40 35 30 基準ケース -15% 25 20 複合ケース 15 全体 10 10% - 2% - 4% - - - 15% 5 0 0~1 1~2 2~3 3~4 4~5 5~6 6~7 7~8 8~9 9~10 10~11 11~12 12~13 13~14 14~15 15~16 16~17 17~18 18~19 19~20 20~21 21~22 22~23 23~24 空調・換気 7 7 - 6 - 6 - - - 5 電力消費量[kW] ケース 基準ケース 照明50%節減 その他機器50%節減 室温緩和(2℃) 冷水温度緩和(2℃) 外気量適正化 予冷3時間 予冷6時間 連続空調 複合ケース 基準ケースと複合ケースの比較 8/10(木) 22 111 業務用建築における節電対策の定量評価 1.各種業務用建築におけるマクロ評価 (5)小規模店舗(コンビニエンスストア) 各ケースの冷房負荷と電力消費量 基準ケース 照明50% 室温緩和 外気量適正化 40 冷房負荷[kW] 35 冷房負荷 30 25 20 15 10 5 0 電力消費量[kW] 8/6(日) 40 35 30 25 20 15 10 5 0 8/7(月) 電力消費量 8/6(日) 8/8(火) 8/9(水) 基準ケース 8/7(月) 8/10(木) 照明50% 8/8(火) 8/9(水) 8/11(金) 室温緩和 8/10(木) 8/11(金) 8/12(土) 外気量適正化 8/12(土) 23 112 業務用建築における節電対策の定量評価 1.各種業務用建築におけるマクロ評価 (5)小規模店舗(コンビニエンスストア) 各ケースの順次対策効果の推定 0 基準 延床面積あたりの最大電力消費量(W/㎡) 100 150 50 空調・換気 照明 コンセント 200 W/㎡ 250 その他 照明50% 室温緩和 約15%低減 外気量適正化 空調・換気 照明 コンセント その他 各対策の効果率を相乗して推定した 相互効果作用は考慮されていない 約30%低減 113 24 業務用建築における節電対策の定量評価 2.規模別・システム別 節電対策の詳細評価 【目的】 学会の「節電対策メニュー」の詳細な定量評価 ・エネルギーシミュレーションプログラム”FACES”と システムシミュレーションプログラム”LCEMツール”を併用 ・空調用エネルギー消費量を詳細に評価 ・対象建築物:事務所ビル ・気象条件:拡張アメダス標準年気象データ(東京) 25 114 業務用建築における節電対策の定量評価 2.規模別・システム別 節電対策の詳細評価 建物側方策 システム側方策 規模別・システム別 節電対策の想定 衛生・EVを除く 節電対策メニュー(空気調和・衛生工学会) 空 空 空 空 空 空 空 空 空 空 空 空 空 空 空 空 空 空 空 空 照 照 照 条件の緩和 運用の変更 運用の適正化 運用の適正化 運用の適正化 運用の適正化 運用の適正化 運用の適正化 運用の適正化 条件の緩和 範囲の限定 負荷の平準化 運用の適正化 運用の適正化 範囲の限定 条件の緩和 運用の適正化 運用の適正化 運用の適正化 運用の適正化 条件の緩和 運用の適正化 運用の適正化 冷凍機の出口冷水温度を上げる 非電気系熱源をベース運転する 台数制御の変更(運転台数の低減) 冷凍機やパッケージエアコンの最大容量制限を行う 冷却水温度設定の低温化 冷水・冷却水の流量、圧力の適正化 蓄熱容量の運用による増加 蓄熱運転方法の見直し 冷凍機、冷却塔のメンテナンス実施 クールビズによる設定温度の緩和 空調機器の間欠運転・輪番停止、VAV最小風量設定変更 躯体蓄熱、連続空調 厨房用空調機送風温度の適正化 室外機への散水 室内機の運転台数を減らす 温度コントローラーの使用制限 適正なエアフィルターへの交換 エアフィルターの清掃 外気取り入れ量の削減(適正化) 電気室やEV機械室の設定緩和、換気停止 室内照度の緩和 窓際の消灯・間引き・ブラインド管理 照明ランプ、器具の清掃 115 検討対象外 定量化困難 事務所 中規模 大規模 小規模 12000㎡ 50,000㎡ 3000㎡ 中央熱源 中央熱源 中央熱源 中央熱源 個別分散 併用 水蓄熱 電気 ガス EHP 26 業務用建築における節電対策の定量評価 2.規模別・システム別 節電対策の詳細評価 システムシミュレーションプログラム”LCEMツール”の概要 ・空気調和システムのライフサイクルエネルギーマネジメントを目的に開発 ・汎用表計算ソフト利用、オブジェクト化セルズ法 ・国土交通省/大臣官房官庁営繕部のHPより無料公開されている 冷房帰りは15℃ 中央監視指令 中央監視指令 0:停止 1:冷房 2:暖房 蓄熱槽の1槽あたり水槽容量 m3 負荷側冷温水の合計最大水量 ㍑/min 冷凍機冷温水の合計最大水量 ㍑/min 水槽最大水量 ㍑/min 水槽循環回数 1時間ステップにおける計算回数 B-CO-Ctl-00 1 1400.0 4300 1500 4300 0.18 1.0 コントローラーの1台分の項 目を増やした 熱源部分を1行下にずらし た 外気条件 湿球温度℃ 冷却塔 25.1 外気条件 エラー状態 運転状態 0:停止 1:運転 冷却水量 ㍑/min 冷却水出口温度℃ 冷却水入口温度℃ 外気湿球温度℃ 定格冷却水量 ㍑/min CT 0 1 10050 30.15 37.31 25.06 10050 冷却塔制御 冷却水下限温度(制御ありで有効) ℃ 冷却水温度制御(あり=1) 20.0 1 冷却水量比 % 冷却水出口温度(下限なし)℃ 送風機消費電力kW 冷却水出口温度℃ エラーコード(水量,入口温度) エラー判定 100 30.15 30.00 30.15 0 good 冷却塔属性 送風機定格消費電力kW 定格冷却水量 ㍑/min 冷却水出口温度補正係数 a 冷却水出口温度補正係数 b 消費電力補正係数 c 消費電力補正係数 d 30.00 10,050 0.96 0.00 1.00 0.00 冷却水ポンプ エラー状態 運転状態 0:停止 1:運転 運転モード 0:停止 1:冷房 2:暖房 水量 ㍑/min 冷却水往温度 ℃ 冷却水還温度 ℃ 冷凍機負荷率clr (-) ポンプ入口温度 ℃ 冷却水ポンプ制御 流量比(定速,定圧時) % 送水制御 0:定速 1:定圧 2:最小吐出圧 PD-TR 0 1 1 10050 30.25 37.31 1.01 30.15 100 0 曜日判定 No.1 追掛運転開始時刻 h No.1 追掛運転終了時刻 h No.2 追掛運転開始時刻 h No.2 追掛運転終了時刻 h No.3 追掛運転開始時刻 h No.3 追掛運転終了時刻 h No.4 追掛運転開始時刻 h No.4 追掛運転終了時刻 h No.5 追掛運転開始時刻 h No.5 追掛運転終了時刻 h No.6 追掛運転開始時刻 h No.6 追掛運転終了時刻 h ピークカット開始時刻 h ピークカット終了時刻 h No.1 ピークカット有:1、無し:0 No.2 ピークカット有:1、無し:0 No.3 ピークカット有:1、無し:0 No.4 ピークカット有:1、無し:0 No.5 ピークカット有:1、無し:0 No.6 ピークカット有:1、無し:0 始端(槽)温度による追掛運転判定 No.1 追掛on/off No.2 追掛on/off No.3 追掛on/off No.4 追掛on/off No.5 追掛on/off No.6 追掛on/off 運転モード 冷:1 温:2 始端(槽)温度上昇による追掛運転判定温度 始端(槽)温度低下による追掛運転判定温度 水蓄熱用コントローラ_COWST-XX-303-01 1 曜日(日:1、土:7) 999.00 時刻 h 999.00 データ行数 999.00 無休0、土日休み1、日曜休み2 999.00 0:非蓄、1:満蓄、2:予測 999.00 No.1 蓄熱開始時刻 h 999.00 No.1 蓄熱終了時刻 h 999.00 No.2 蓄熱開始時刻 h 999.00 No.2 蓄熱終了時刻 h 999.00 No.3 蓄熱開始時刻 h 999.00 No.3 蓄熱終了時刻 h 999.00 No.4 蓄熱開始時刻 h 999.00 No.4 蓄熱終了時刻 h 13.00 No.5 蓄熱開始時刻 h 16.00 No.5 蓄熱終了時刻 h 1 No.6 蓄熱開始時刻 h 1 No.6 蓄熱終了時刻 h 1 満蓄判定終端(槽)温度 1 蓄熱可否判定(曜日) 1 予測判定結果 1 蓄熱可否判定(終端(槽),非蓄判定) 0 No.1 蓄熱on/off 0 No.2 蓄熱on/off 0 No.3 蓄熱on/off 0 No.4 蓄熱on/off 0 No.5 蓄熱on/off 0 No.6 蓄熱on/off 0 満蓄判定終端(槽)温度 1 満蓄判定終端(槽)温度 9.0 42.0 4 23 171 0 1 22.00 8.00 22.00 8.00 22.00 8.00 999.00 999.00 999.00 999.00 999.00 999.00 7.00 1 0 1 1 1 1 0 0 0 7.0 43.0 冷却水ポンプ属性 設計水量 ㍑/min Vpl 設計揚程 kPa Ppl ポンプによる温度上昇 ℃ 定格周波数Hz Npl 上限周波数Hz Nmax 下限周波数Hz Nmin 動力補正係数 aec 動力補正係数 bec 83 1.00 81 269 270.0 50.0 50.0 268.7 55.5 100.0 30.3 10050 270 2 0.010 0 100 warning TR 0 1 1 1 4,150 7430 5.00 13.10 10,050 30.3 37.3 1.0 エラー状態 運転状態 0:停止 1:運転 運転モード 0:停止 1:冷房 2:暖房 運転順位 定格冷却能力 kW 冷水流量 ㍑/min 冷水出口温度 ℃ 冷水入口温度 ℃ 冷却水流量 ㍑/min 冷却水入口温度 ℃ 冷却水出口温度 ℃ 冷凍機負荷率 - ターボ冷凍機制御 冷水出口温度設定値 ℃ 運転順位(冷凍) 運転順位(加熱) 冷水一次ポンプ エラー状態 運転状態 0:停止 1:運転 運転モード 0:停止 1:冷房 2:暖房 運転順位 水量 ㍑/min 冷水往温度℃ 冷水還温度℃ 定格水量 ㍑/min 最低水量 ㍑/min 熱源機定格能力 kW ポンプ入口温度 ℃ 水量制御方式 0:定速 1:定圧 2:最小吐出圧 5.0 1 0 運転順位 冷凍熱量 kW 部分負荷率 冷水量比 冷却水量比 電力消費率 負荷率影響係数 C1 冷却水温度影響係数 C2 冷却水量比影響係数 C3 冷水温度影響係数 C4 冷水量比影響係数 C5 電力消費量 kW 現状運転下COP 冷却水出口温度 ℃ 1 4199 1.01 1.00 1.00 1.00 1.01 0.96 1.00 1.04 1.00 752 5.58 37.3 0 good エラーコード(負荷率:冷却水入温:冷却水流量:冷水出温:冷水流量) 10,050 270 0.1 50 60 30 1 0 PC-TR 0 1 1 1 7430 5.00 13.10 7430 7430 4150.0 13.00 エラー判定 ターボ冷凍機属性 周波数 Hz 定格冷水温度 ℃ 定格冷凍容量 kW 定格冷水流量 ㍑/min 定格冷却水流量 ㍑/min 主電動機入力 kW 補機電力 kW 定格冷凍機COP 電力消費補正係数 a - 電力消費補正係数 b - 50 6 4,150 7,430 10,050 750 5.0 5.50 1.0 0.0 0 最高ポンプ効率 % 最高効率点流量比 ポンプ効率 % 定格周波数時の揚程 kPa 要求揚程 kPa 要求周波数 Hz 実現周波数 Hz 実現揚程 kPa 消費電力 kW 冷水還温度 ℃ 最高効率点流量 ㍑/min 最高効率点揚程 kPa 配管特性 P=AQ^2+B 係数:A (Pa) 係数:B エラーコード(属性:周波数:流量比) エラー判定 82.9 1.00 80.9 218.9 50.0 50.0 218.9 33.5 13.1 7430 220 0.01 0 100 warning 一次ポンプ属性 定格水量 ㍑/min 定圧制御揚程 kPa ポンプによる温度上昇 ℃ 定格周波数Hz 上限周波数Hz 下限周波数Hz 最低水量 ㍑/min 電力補正係数 a 電力補正係数 b 7,430 220 0.1 50 60 20 3715 1 0 熱源機 No1 運転状態 1 運転モード(冷・:暖) 1 エラー状態 0 循環水量 [㍑/min] 7430 熱源出口水温 [℃] 5.00 熱源入口水温 [℃] 13.00 設計水量 [㍑/min] 7,430 設計流量超過 1:可 0:不可 0 超過上限水量 [㍑/min] 0 超過設定温度差[℃] 0 25.1 冷却塔 エラー状態 運転状態 0:停止 1:運転 冷却水量 ㍑/min 冷却水出口温度℃ 冷却水入口温度℃ 外気湿球温度℃ 定格冷却水量 ㍑/min CT 0 1 10050 30.15 37.31 25.06 10050 冷却塔制御 冷却水下限温度(制御ありで有効) ℃ 冷却水温度制御(あり=1) 20.0 1 冷却水量比 % 冷却水出口温度(下限なし)℃ 送風機消費電力kW 冷却水出口温度℃ エラーコード(水量,入口温度) エラー判定 100 30.15 30.00 30.15 0 good 冷却塔属性 送風機定格消費電力kW 定格冷却水量 ㍑/min 冷却水出口温度補正係数 a 冷却水出口温度補正係数 b 消費電力補正係数 c 消費電力補正係数 d 30.00 10,050 0.96 0.00 1.00 0.00 冷却水ポンプ エラー状態 運転状態 0:停止 1:運転 運転モード 0:停止 1:冷房 2:暖房 水量 ㍑/min 冷却水往温度 ℃ 冷却水還温度 ℃ 冷凍機負荷率clr (-) ポンプ入口温度 ℃ 冷却水ポンプ制御 流量比(定速,定圧時) % 送水制御 0:定速 1:定圧 2:最小吐出圧 PD-TR 0 1 1 10050 30.25 37.31 1.01 30.15 100 0 ターボ冷凍機 エラー状態 運転状態 0:停止 1:運転 運転モード 0:停止 1:冷房 2:暖房 運転順位 定格冷却能力 kW 冷水流量 ㍑/min 冷水出口温度 ℃ 冷水入口温度 ℃ 冷却水流量 ㍑/min 冷却水入口温度 ℃ 冷却水出口温度 ℃ 冷凍機負荷率 - TR 0 1 1 1 4,150 7430 5.00 13.10 10,050 30.3 37.3 1.0 冷水一次ポンプ エラー状態 運転状態 0:停止 1:運転 運転モード 0:停止 1:冷房 2:暖房 運転順位 水量 ㍑/min 冷水往温度℃ 冷水還温度℃ 定格水量 ㍑/min 最低水量 ㍑/min 熱源機定格能力 kW ポンプ入口温度 ℃ PC-TR 0 1 1 1 7430 5.00 13.10 7430 7430 4150.0 13.00 一次ポンプ制御 最高ポンプ効率 % 最高効率点流量比 ポンプ効率 % 定格周波数時の揚程 kPa 必要な揚程 kPa Pd 必要な周波数 Hz 実際の周波数 Hz 実際の揚程 kPa P 消費電力kW Pe 流量比(最小吐出圧時) Vdr 冷却水往温度 ℃ 最高効率点流量 ㍑/min 最高効率点揚程 kPa 配管特性 指数:n P=AQ^n+B 係数:A (kPa) 係数:B エラーコード(属性:周波数:流量比) エラー判定 83 1.00 81 269 270.0 50.0 50.0 268.7 55.5 100.0 30.3 10050 270 2 0.010 0 100 warning 冷却水ポンプ属性 設計水量 ㍑/min Vpl 設計揚程 kPa Ppl ポンプによる温度上昇 ℃ 定格周波数Hz Npl 上限周波数Hz Nmax 下限周波数Hz Nmin 動力補正係数 aec 動力補正係数 bec 10,050 270 0.1 50 60 30 1 0 ターボ冷凍機制御 冷水出口温度設定値 ℃ 運転順位(冷凍) 運転順位(加熱) 運転順位 冷凍熱量 kW 部分負荷率 冷水量比 冷却水量比 電力消費率 負荷率影響係数 C1 冷却水温度影響係数 C2 冷却水量比影響係数 C3 冷水温度影響係数 C4 冷水量比影響係数 C5 電力消費量 kW 現状運転下COP 冷却水出口温度 ℃ エラーコード(負荷率:冷却水入温:冷却水流量:冷水出温:冷水流量) エラー判定 ターボ冷凍機属性 周波数 Hz 定格冷水温度 ℃ 定格冷凍容量 kW 定格冷水流量 ㍑/min 定格冷却水流量 ㍑/min 主電動機入力 kW 補機電力 kW 定格冷凍機COP 電力消費補正係数 a - 電力消費補正係数 b - 水量制御方式 0:定速 1:定圧 2:最小吐出圧 5.0 1 0 1 4199 1.01 1.00 1.00 1.00 1.01 0.96 1.00 1.04 1.00 752 5.58 37.3 0 good 50 6 4,150 7,430 10,050 750 5.0 5.50 1.0 0.0 0 最高ポンプ効率 % 最高効率点流量比 ポンプ効率 % 定格周波数時の揚程 kPa 要求揚程 kPa 要求周波数 Hz 実現周波数 Hz 実現揚程 kPa 消費電力 kW 冷水還温度 ℃ 最高効率点流量 ㍑/min 最高効率点揚程 kPa 配管特性 P=AQ^2+B 係数:A (Pa) 係数:B エラーコード(属性:周波数:流量比) エラー判定 82.9 1.00 80.9 218.9 50.0 50.0 218.9 33.5 13.1 7430 220 0.01 0 100 warning 一次ポンプ属性 定格水量 ㍑/min 定圧制御揚程 kPa ポンプによる温度上昇 ℃ 定格周波数Hz 上限周波数Hz 下限周波数Hz 最低水量 ㍑/min 電力補正係数 a 電力補正係数 b 7,430 220 0.1 50 60 20 3715 1 0 熱源機 No2 運転状態 1 運転モード(冷・:暖) 1 エラー状態 0 循環水量 [㍑/min] 7430 熱源出口水温 [℃] 5.00 熱源入口水温 [℃] 13.00 設計水量 [㍑/min] 7,430 設計流量超過 1:可 0:不可 0 超過上限水量 [㍑/min] 0 超過設定温度差[℃] 0 データ入力先 直接:1 AHU:2 2 MV-WST-303-01 33,060 2,551 5.00 13.00 5.00 13.67 1 温度成層型水蓄熱槽 蓄熱冷温切替 冷:1 温:2 残蓄熱量(合計) [MJ] バイパス流量 [㍑/min] 一次側流量 [㍑/min] 二次側流量 [㍑/min] 始端層平均水温 [℃] 一次側入口水温 [℃] 終端層平均水温 [℃] 二次側入口水温 [℃] 制御 冷房設定 暖房設定 13.00 36.00 演算 設定水温 ℃ バイパス流量 蓄熱層側流量 冷凍機入口温度 ℃ 13 2551 30509 13.0 属性 - 一行増やした 直接設定 1,180 USRT 外気条件 湿球温度℃ 三方弁 一次側流量(熱源機水量) [㍑/min] バイパス流量 [㍑/min] 一次側入口水温(熱源出口温度) [℃] 熱源入口温度 [℃] 始端(槽)平均水温 [℃] 終端(槽)平均水温 [℃] 運転モード 1,180 USRT ターボ冷凍機 一次ポンプ制御 最高ポンプ効率 % 最高効率点流量比 ポンプ効率 % 定格周波数時の揚程 kPa 必要な揚程 kPa Pd 必要な周波数 Hz 実際の周波数 Hz 実際の揚程 kPa P 消費電力kW Pe 流量比(最小吐出圧時) Vdr 冷却水往温度 ℃ 最高効率点流量 ㍑/min 最高効率点揚程 kPa 配管特性 指数:n P=AQ^n+B 係数:A (kPa) 係数:B エラーコード(属性:周波数:流量比) エラー判定 一次ヘッダ(水蓄熱用) 冷凍機水量[㍑/min] 33,060 熱源出口温度 [℃] 5.00 熱源入口温度 [℃] 13.00 運転モード 冷:1 温:2 1 蓄熱1、追掛2 1 1 1 1 0 0 終端(槽)温度 [℃] 14.01 始端(槽)温度 [℃] 5.05 判定 0 熱源ヘッダーの間隔を54→ 55行とした - 5,600 5,543 5,487 5,430 5,374 5,317 5,261 5,204 5,147 5,091 5,034 4,978 4,921 4,865 4,808 4,752 4,695 4,638 4,582 4,525 4,469 4,412 4,356 4,299 4,242 4,186 4,129 4,073 4,016 3,960 3,903 3,846 3,790 3,733 3,677 3,620 3,564 3,507 3,451 3,394 3,337 3,281 3,224 3,168 3,111 3,055 2,998 2,941 2,885 2,828 2,772 2,715 2,659 2,602 2,545 2,489 2,432 2,376 2,319 2,263 2,206 2,149 2,093 2,036 1,980 1,923 1,867 1,810 1,754 1,697 1,640 1,584 1,527 1,471 1,414 1,358 1,301 1,244 1,188 1,131 1,075 1,018 962 905 848 792 735 679 622 566 509 453 396 339 283 226 170 113 57 0 第100層水温[℃] 第99層水温[℃] 第98層水温[℃] 第97層水温[℃] 第96層水温[℃] 第95層水温[℃] 第94層水温[℃] 第93層水温[℃] 第92層水温[℃] 第91層水温[℃] 第90層水温[℃] 第89層水温[℃] 第88層水温[℃] 第87層水温[℃] 第86層水温[℃] 第85層水温[℃] 第84層水温[℃] 第83層水温[℃] 第82層水温[℃] 第81層水温[℃] 第80層水温[℃] 第79層水温[℃] 第78層水温[℃] 第77層水温[℃] 第76層水温[℃] 第75層水温[℃] 第74層水温[℃] 第73層水温[℃] 第72層水温[℃] 第71層水温[℃] 第70層水温[℃] 第69層水温[℃] 第68層水温[℃] 第67層水温[℃] 第66層水温[℃] 第65層水温[℃] 第64層水温[℃] 第63層水温[℃] 第62層水温[℃] 第61層水温[℃] 第60層水温[℃] 第59層水温[℃] 第58層水温[℃] 第57層水温[℃] 第56層水温[℃] 第55層水温[℃] 第54層水温[℃] 第53層水温[℃] 第52層水温[℃] 第51層水温[℃] 第50層水温[℃] 第49層水温[℃] 第48層水温[℃] 第47層水温[℃] 第46層水温[℃] 第45層水温[℃] 第44層水温[℃] 第43層水温[℃] 第42層水温[℃] 第41層水温[℃] 第40層水温[℃] 第39層水温[℃] 第38層水温[℃] 第37層水温[℃] 第36層水温[℃] 第35層水温[℃] 第34層水温[℃] 第33層水温[℃] 第32層水温[℃] 第31層水温[℃] 第30層水温[℃] 第29層水温[℃] 第28層水温[℃] 第27層水温[℃] 第26層水温[℃] 第25層水温[℃] 第24層水温[℃] 第23層水温[℃] 第22層水温[℃] 第21層水温[℃] 第20層水温[℃] 第19層水温[℃] 第18層水温[℃] 第17層水温[℃] 第16層水温[℃] 第15層水温[℃] 第14層水温[℃] 第13層水温[℃] 第12層水温[℃] 第11層水温[℃] 第10層水温[℃] 第9層水温[℃] 第8層水温[℃] 第7層水温[℃] 第6層水温[℃] 第5層水温[℃] 第4層水温[℃] 第3層水温[℃] 第2層水温[℃] 第1層水温[℃] 水流判定(0~3) 流入水量[㍑/min] 流入水量(上部) [㍑/min] 流入水温(上部) [℃] 流入口サイズ(上部) [m] 流入口面積(上部) [m2] ILB 影響深さ平均水温 流入水密度 [kg/m3] 槽内水密度 [kg/m3] 流入速度 [m/s] 入口アルキメデス数 完全混合域深さ XLh 影響深さ XLb ILH 完全混合域水温(前時間) 係数a 完全混合域水温 移流量 [層] 移流量端数 [層] ILH(修正) 高温域水温 流入水量(下部) [㍑/min] 流入水温(下部) [℃] 流入口サイズ(下部) [m] 流入口面積(下部) [m2] システム(LCEMツール) 116 WST-STF-303-01 1 313,812.3 2,551 33,060 6,466 5.00 5.00 13.67 12.40 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.01 14.00 13.94 13.72 13.23 12.46 11.41 10.16 8.87 7.71 6.80 6.17 5.77 5.54 5.37 5.18 5.14 5.11 5.09 5.09 5.08 5.07 5.07 5.07 5.07 5.07 5.07 5.07 5.07 5.07 5.07 5.07 5.07 5.07 3 (24,043) 0 12.40 0.3 20.0 1 14.01 999.48 999.27 0.00 0 5.6 5.6 100 11.70 0.076733558 11.76 7.7 0.7 100 11.76 24,043 5.00 0.3 20.0 二次ポンプ台数制御&二次ポンプヘッダ 蓄熱冷温切替 冷:1 温:2 出口水温(下部) [℃] 二次側往水温 [℃]:Tws,s コイル出口合流水温 [℃]:Twr,coil 二次側還水温 [℃]:Twr,s 二次側水量 [㍑/min] :Ls コイル総通過水量 [㍑/min] : Lcl 二次側熱量 [MJ]:Qs 二次ポンプ運転台数 :Nm,sp 二次ポンプ制御手法 二次ポンプ必要揚程 [kPa] 二次ポンプ要求水量 [㍑/min/台] :Lsp,n 二次ポンプ総吐出水量 [㍑/min] :Lsp ポンプ水温上昇 [℃] : Tup,sp 基準吐出水量 [㍑/min/台] :Lsp,ref 1 5.00 5.00 12.40 12.40 6,466 6,466 12,017 2 3 645 3,233 6,466 0.0 6,083 二次ポンプ制御手法 台数制御 0:なし 1:あり 送水制御 1:定流量/定速ポンプ 2:送水圧一定/定速ポンプ 3:送水圧一定/可変速ポンプ 4:最小吐出圧/可変速ポンプ ポンプ必要運転台数 :Nm,sp' 二次ポンプ運転台数 :Nm,sp 二次側水量 [㍑/min] :Ls 二次ポンプバイパス量 [㍑/min] :Lsp,b 二次側往水温 [℃]: Tws,s 二次側還水温 [℃]: Twr,s 二次ポンプ要求水量 [㍑/min/台] :Lsp,n 二次ポンプ必要揚程 [kPa] :Pd 二次ポンプ揚程計算(最小吐出圧用) [kPa 1 3 2 2 6,466 0 5.00 12.40 3,233 645 645 COPS-WST-303XX-01 蓄熱冷温切替 冷:1 温:2 1 コイル総通過水量 [㍑/min] 6466 二次側往水温 [℃] 5.00 コイル出口合流水温 [℃] 12.40 二次側熱量 [MJ] 12,017 二次ポンプ運転台数 2 二次ポンプ制御手法 3 二次ポンプ必要揚程 [kPa] 645 二次ポンプ要求水量 [㍑/min] 3,233 総吐出水量 [㍑/min] 6,466 ポンプ水温上昇 ℃ 0.0 基準吐出水量 [㍑/min] 6,083 SW-WST-303-01 蓄熱冷温切替 冷:1 温:2 1 二次側流量 Lit/min 6466 冷水往温度(始端槽平均水 温)℃ 5.0 冷水還温度(二次側入口水 温)℃ 12.4 二次側熱量 MJ 12017 判定 0 HD2-WST-303-XX10 蓄熱冷温切替 冷:1 温:2 1 二次側水量(エラー回避処理後)㍑/min 6466 冷温水往温 ℃ 5.0 冷温水還温(エラー回避処理後) ℃ 12.4 二次側熱量 MJ 12017 収束判定 0 入力先 : データ入力1 二次側合計水量 ㍑/min 6466 二次側還温度 ℃ 12.40 最大流量 ㍑/min 56000 コイル総通過水量 ㍑/min 6466 冷温水還温度 ℃ 12.4 二次ポンプエラー状態 0 制御属性 二次ポンプ゚設置台数 :Nm 二次側送水圧力設定 kPa :Pset 二次側設計流量 ㍑/min Ls,r 二次側定格揚程(最小吐出圧用) kPa :Ps,r 二次側最小揚程(最小吐出圧用) kPa :Pb 冷温水二次ポンプ エラー状態 二次ポンプ運転台数:Nm,sp 二次ポンプ制御手法 二次ポンプ必要揚程 [kPa]:Pd 二次ポンプ要求水量 [㍑/min/台]:Lsp,n 二次ポンプ総吐出水量 [㍑/min]:Lsp ポンプによる水温上昇 [℃]:Tup,sp 基準吐出水量 [㍑/min/台]:Lsp,ref 10 645 56,000 645 300 PCH2-XX-303-SI-00 0 2 3 645 3,233 6,466 0.2 6,083 二次側送水制御 送水制御 1:定流量/定速ポンプ 2:送水圧一定/定速ポンプ 3:送水圧一定/可変速ポンプ 4:最小吐出圧/可変速ポンプ 基準吐出水量 [㍑/min/台]:Lsp,ref 必要な周波数 [Hz]:Nd' 実際の周波数 [Hz]:Nd ポンプ吐出水量 [㍑/min/台]:Lsp,s ポンプ電力消費量 [kW/台]:Esp,s 二次ポンプ総吐出水量 [㍑/min]:Lsp 二次ポンプ総電力消費量 [kW]:Esp ポンプによる水温上昇 [℃]:Tup,sp エラーコード(周波数) エラー判定 3 6,083 46 46 3,233 56.3 6,466 112.5 0.2 0 good 冷温水二次ポンプ属性 定格周波数・揚程点の水量 [㍑/min/台]:Lsp,r 定格揚程 [kPa]:Psp,r 実揚程(制御4:バイアス揚程を加算) [kPa]:Pb ポンプ効率 [-] e 定格周波数 [Hz]:Nsp,r 上限周波数 [Hz]:Nmax 下限周波数 [Hz]:Nmin ポンプP-Q特性 係数: a P=aQ^2+bQ+c 係数: b (㍑/s - kPa) 係数: c 動力補正係数 aec 動力補正係数 bec 5,600 645 50 0.62 50 50 20 -0.0080 -1.0408 833.0532 1.0 0.0 空調機No1 送水判定 1 送水モード 1 送水量 ㍑/min 6466 コイル入口水温 ℃ 5.0 コイル出口水温 ℃ 12.4 エラー状態 0 二次ポンプ 二次ポンプ運転台数 2 二次ポンプ制御手法 3 二次ポンプ必要揚程 645 二次ポンプ要求水量 3,233 総吐出水量 [㍑/min] 6,466 ポンプ水温上昇 ℃ 0.0 基準吐出水量 6,083 エラー状態 0 0.2 配管 エラー状態 送水判定 0:停止 1:運転 送水モード 0:停止 1:冷房 2:暖房 冷温水往温度(℃) 冷温水還温度(℃) 水量(l/m/台) 総水量(l/m) PIPE-XX-303XX-00 0 1 1 5.0 12.4 6,466 6,466 属性 接続台数 1 熱負荷計算 (FACES等) 境界条件 (二次側負荷) 27 業務用建築における節電対策の定量評価 2.規模別・システム別 節電対策の詳細評価 検討方法(大規模・複合熱源の例) 建物側対策 基準ケース (対策前) 対策なし 対策1 対策なし 対策2 対策3 対策4 クールビズ 外気取入れ 躯体蓄熱・連 室内照度の による設定 量の削減 続空調 緩和 温度の緩和 (適正化) 対策前 対策1~3 対策1~4 複合 複合 建物側対策効果の検討 冷凍機の出口冷水 温度を上げる 非電気系熱源をベー 対策b スとする 建物側対策の検討 対策a システム 対策c 台数制御の変更 側対策 対策d 冷却水温度設定の システム側 対策の検討 低温化 冷水・冷却水の流 対策e 量・圧力の適性化 冷凍機・冷却塔のメ 対策f ンテナンス実施 システム側 対策効果 の検討 対策後 対策a~f複合 全対策複合ケース (対策後) 制御概要 ・冷却塔出口下限温度制御 ・熱源台数制御 ・二次ポンプの定速台数制御 28 117 業務用建築における節電対策の定量評価 2.規模別・システム別 節電対策の詳細評価 (1)大規模 複合熱源 建築概要 冷却水 ポンプ 冷却塔 冷温水2次ポンプ 冷水1次 ポンプ 遠心冷凍機 冷温水2次ポンプ 所在地: 主用途: 延床面積: 階数: 想定空調システム: 建物の断熱仕様等 冷却水 冷水1次 冷却塔 遠心冷凍機 東京 ポンプ ポンプ 事務所ビル 冷却水 直だき吸収 冷温水1次 冷却塔 ポンプ 冷温水機 ポンプ 11,700㎡ (基準階床面積 約900㎡) 60,000㎡ 冷却水 直だき吸収 冷温水1次 冷却塔 地上13階 ポンプ 冷温水機 ポンプ 地上40階 空気熱源ヒートポンプチラー、空調機+FCU方式 遠心冷凍機、直焚き吸収冷温水機 制御概要 ・二次ポンプ定速台数制御 ・屋根:RC130mm+断熱50mm ・冷却塔出口下限温度制御 ・外壁:RC150mm+断熱25mm ・熱源台数制御 ・窓ガラス:単板ガラス(透明)6mm 熱源システム構成 冷温水2次ポンプ 冷温水2次ポンプ ヘッダ ヘッダ 冷温水2次ポンプ 冷温水2次ポンプ 冷温水2次ポンプ 冷温水2次ポンプ 主要機器リスト 機器名 直だき吸収冷温水機 遠心冷凍機 冷却塔(開放型) 冷却塔(開放型) 冷却水ポンプ 冷却水ポンプ 冷温水1次ポンプ 冷水1次ポンプ 冷温水2次ポンプ 容量ほか 冷凍能力:1,125kW(320 RT) ガス消費量:72.6 Nm3/h 冷水水量 3,233 ㍑/min (7-12℃) 加熱能力:777 kW ガス消費量:72.6 Nm3/h 冷水水量 3,233 ㍑/min (56-60℃) 冷却水 :水量 5,333 ㍑/min(32-37℃) 冷凍能力:1,125 kW(320 RT) 冷水水量 3,218㍑/min (7-12℃) 冷却水 :水量 3,803 ㍑/min(32-37℃) 冷却水 :水量 5,333 ㍑/min(32-37℃) 冷却水 :水量 3,803㍑/min(32-37℃) 5,333 ㍑/min×250kPa 3,803 ㍑/min×250kPa 3,233 ㍑/min×120kPa 3,218 ㍑/min×120kPa 1,613 ㍑/min×350kPa 118 動力 10.0 kW (冷凍時) 6.3 kW (加熱時) 台数 参考 2 参考型番 RH-XX4-303E-320 電動機 192 kW 補機 5 kW 2 参考型番 RC-XX3-303I-320 6.6 kW (2.2 kW×3 4.4kW (2.2 kW×2 45.0 kW 26.0 kW 11.0 kW 11.0 kW 15.0 kW 2 2 2 2 2 2 8 省エネ低騒音型(空研HP参考) 省エネ低騒音型(空研HP参考) 吸収式冷温水機 遠心冷凍機 吸収式冷温水機 遠心冷凍機 29 業務用建築における節電対策の定量評価 2.規模別・システム別 節電対策の詳細評価 (1)大規模 複合熱源 建物側対策 1 室内照度の緩和、窓際消灯、間引き 照明発熱密度 20W/㎡→10W/㎡ 2 クールビズによる設定温度の緩和 室内設定温度 26℃→28℃ 3 外気取り入れ量の削減(適正化) 外気導入量 4 躯体蓄熱、連続空調 運転時間 8:00-20:00→連続運転 4m3/h㎡→2m3/h㎡ システム側対策 a 冷凍機の出口冷水温度を上げる 冷水出口温度 7℃→9℃ b 非電気系熱源をベース運転する 運転優先順位 1電気2ガス→1電気2ガス c 台数制御の変更(運転台数の低減) d 冷却水温度設定の低温化 冷却水下限温度設定 28℃→26℃ e 冷水・冷却水の流量、圧力の適正化 冷水量、冷却水量20%低減 二次側送水圧力設定20%低減 f 冷凍機、冷却塔のメンテナンス実施 メンテナンスによる性能が3%向上すると仮定した 30 119 業務用建築における節電対策の定量評価 2.規模別・システム別 節電対策の詳細評価 (1)大規模 複合熱源 7月18日15時 電力消費量(W/㎡) 建物側対策の効果推定 建物側対策の効果 0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 14.0 16.0 対策前 対策1:照明発熱低減 -3% 対策2:室内温度緩和 -6% -4% 対策3:外気導入量低減 -17% 対策1~3複合ケース -5% 対策4:連続空調 -20% 対策1~4複合ケース 熱源 冷却塔 冷却水ポンプ システム側対策の効果推定 システム側対策の効果 一次ポンプ 二次ポンプ 7月18日15時 電力消費量(W/㎡) 0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 14.0 16.0 基準ケース(対策1~3複合ケース) -2% 対策a:冷水出口温度変更 -24% 対策b:非電気系熱源をベースにする 対策c:台数制御の変更 対策d:冷却水温度設定の低温化 -4% -2% 対策e:冷水・冷却水の流量、圧力適正化 対策f:冷凍機、冷却塔のメンテナンス実施 -32% 対策a~f:複合ケース 熱源 冷却塔 冷却水ポンプ 全対策の複合効果推定 対策前後の比較 一次ポンプ 二次ポンプ 7月18日15時 電力消費量(W/㎡) 0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 14.0 16.0 対策前 全複合ケース -45% 45.3% 熱源 冷却塔 120 冷却水ポンプ 一次ポンプ 二次ポンプ 31 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 システム側対策の効果 対策前後の比較 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 電力消費量[kW] 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 電力消費量[kW] 建物側対策の効果 電力消費量[kW] 業務用建築における節電対策の定量評価 2.規模別・システム別 節電対策の詳細評価 (1)大規模 複合熱源 建物側方 策比較 基準ケー スと全方 策複合 800 基準ケース クールビズ 照明緩和+クールビズ+外気量削減 照明緩和+クールビズ+外気量削減+連続空調 7月18日(火) システム 側方策比 較 800 7月19日(水) 7月18日(火) 7月19日(水) 基準ケース -45% 7月18日(火) 7月19日(水) 121 照明緩和 外気量削減 連続空調 800 600 400 200 0 時刻 基準ケース 非電気系熱源をベース 冷却水温度設定の低温化 冷凍機、冷却塔のメンテナンス実施 時刻 -72% 時刻 7月20日(木) 7月20日(木) -71% 7月20日(木) 7月21日(金) 冷凍機の出口冷水温度を上げる 台数制御の変更 冷水・冷却水の流量、圧力の適正化 システム側の全方策複合 600 400 200 0 7月21日(金) 建物側方策とシステム側方策の全方策複合 600 -69% 400 200 0 32 業務用建築における節電対策の定量評価 2.規模別・システム別 節電対策の詳細評価 (2)中規模 電気式熱源 制御概要 ・二次ポンプ定速台数制御 ・冷却塔出口下限温度制御 ・熱源台数制御 建築概要 所在地: 主用途: 延床面積: 階数: 想定空調システム: 東京 事務所ビル 11,700㎡ (基準階床面積 約900㎡) 地上13階 空気熱源ヒートポンプチラー、空調機+FCU方式 建物の断熱仕様等 ・屋根:RC130mm+断熱50mm ・外壁:RC150mm+断熱25mm ・窓ガラス:単板ガラス(透明)6mm 二次ポンプ×4 空気熱源 ヒートポンプユニット1 空気熱源 ヒートポンプユニット2 水冷チラー 一次ポンプ×3 冷却塔 冷却水ポンプ 主要機器リスト 熱源システム構成 機器名 容量ほか 動力 台数 参考 空気熱源ヒートポンプユニット 冷却能力:315kW 冷水流量:903 ℓ/min(7-12℃) 加熱能力:355kW 温水流量:1018 ℓ/min(45-40℃) 115.2kW(冷却) 119.2kW(加熱) 2 RR-XX2-303S(07)-355 定格COP 冷却時:2.73 加熱時:2.98 チリングユニット(水冷) 冷却能力:530kW 冷水流量:1,520 ℓ/min(7-12℃) 冷却水流量:1,835 ℓ/min(32-37℃) 110.1kW 1 RR(CW)-XX1-303H-600 定格COP:4.81 冷却塔(開放型) 冷却水流量:1,835 ℓ/min(32-37℃) 4.4kW 1 冷却水ポンプ 1,835 ℓ/min×250kPa 11kW 1 冷温水一次ポンプ 903 ℓ/min×120kPa 5.5kW 2 冷水一次ポンプ 1,520 ℓ/min×120kPa 5.5kW 1 冷温水二次ポンプ 832 ℓ/min×280kPa 7.5kW 4 33 122 業務用建築における節電対策の定量評価 2.規模別・システム別 節電対策の詳細評価 (2)中規模 電気式熱源 建物側対策 1 室内照度の緩和、窓際消灯、間引き 照明発熱密度 20W/㎡→10W/㎡ 2 クールビズによる設定温度の緩和 室内設定温度 26℃→28℃ 3 外気取り入れ量の削減(適正化) 外気導入量 4 躯体蓄熱、連続空調 運転時間 8:00-20:00→連続運転 4m3/h㎡→2m3/h㎡ システム側対策 a 冷凍機の出口冷水温度を上げる 冷水出口温度 7℃→9℃ B 冷却水温度設定の低温化 冷却水下限温度設定 28℃→26℃ c 冷水・冷却水の流量、圧力の適正化 冷水量、冷却水量 20%低減 二次側送水圧力設定 20%低減 d 冷凍機、冷却塔のメンテナンス実施 メンテナンスによる性能が3%向上すると仮定した 34 123 業務用建築における節電対策の定量評価 2.規模別・システム別 節電対策の詳細評価 (2)中規模 電気式熱源 最大電力消費量(W/㎡) 建物側対策の効果推定 建物側対策の効果 0.00 5.00 10.00 15.00 20.00 25.00 30.00 対策前 -12% 対策1:照明発熱低減 対策2:室内温度緩和 -20% 対策3:外気導入量低減 -19% -32% 対策1~3複合ケース -15% 対策4:連続空調 -37% 対策1~4複合ケース 熱源 冷却塔 冷却水ポンプ システム側対策の効果推定 システム側対策の効果 0.00 一次ポンプ 二次ポンプ 最大電力消費量(W/㎡) 5.00 10.00 15.00 20.00 25.00 30.00 基準ケース(対策1~3複合ケース) -3% 対策a:冷水出口温度変更 対策b:冷却水温度設定の低温化 0% 対策c:冷水・冷却水の流量、圧力適正化 -3% 対策d:冷凍機、冷却塔のメンテナンス実施 -3% -9% 対策a~d:複合ケース 熱源 冷却塔 冷却水ポンプ 全対策の複合効果推定 対策前後の比較 一次ポンプ 二次ポンプ 最大電力消費量(W/㎡) 0.00 5.00 10.00 15.00 20.00 25.00 30.00 対策前 全複合ケース -42% 42.8% 熱源 冷却塔 124 冷却水ポンプ 一次ポンプ 二次ポンプ 35 0~1 1~2 2~3 3~4 4~5 5~6 6~7 7~8 8~9 9~10 10~11 11~12 12~13 13~14 14~15 15~16 16~17 17~18 18~19 19~20 20~21 21~22 22~23 23~24 0~1 1~2 2~3 3~4 4~5 5~6 6~7 7~8 8~9 9~10 10~11 11~12 12~13 13~14 14~15 15~16 16~17 17~18 18~19 19~20 20~21 21~22 22~23 23~24 0~1 1~2 2~3 3~4 4~5 5~6 6~7 7~8 8~9 9~10 10~11 11~12 12~13 13~14 14~15 15~16 16~17 17~18 18~19 19~20 20~21 21~22 22~23 23~24 0~1 1~2 2~3 3~4 4~5 5~6 6~7 7~8 8~9 9~10 10~11 11~12 12~13 13~14 14~15 15~16 16~17 17~18 18~19 19~20 20~21 21~22 22~23 23~24 0~1 1~2 2~3 3~4 4~5 5~6 6~7 7~8 8~9 9~10 10~11 11~12 12~13 13~14 14~15 15~16 16~17 17~18 18~19 19~20 20~21 21~22 22~23 23~24 0~1 1~2 2~3 3~4 4~5 5~6 6~7 7~8 8~9 9~10 10~11 11~12 12~13 13~14 14~15 15~16 16~17 17~18 18~19 19~20 20~21 21~22 22~23 23~24 0~1 1~2 2~3 3~4 4~5 5~6 6~7 7~8 8~9 9~10 10~11 11~12 12~13 13~14 14~15 15~16 16~17 17~18 18~19 19~20 20~21 21~22 22~23 23~24 0~1 1~2 2~3 3~4 4~5 5~6 6~7 7~8 8~9 9~10 10~11 11~12 12~13 13~14 14~15 15~16 16~17 17~18 18~19 19~20 20~21 21~22 22~23 23~24 建物側対策の効果 システム側対策の効果 対策前後の比較 350 2~3 3~4 4~5 5~6 6~7 7~8 8~9 9~10 10~11 11~12 12~13 13~14 14~15 15~16 16~17 17~18 18~19 19~20 20~21 21~22 22~23 23~24 0~1 1~2 2~3 3~4 4~5 5~6 6~7 7~8 8~9 9~10 10~11 11~12 12~13 13~14 14~15 15~16 16~17 17~18 18~19 19~20 20~21 21~22 22~23 23~24 0~1 1~2 2~3 3~4 4~5 5~6 6~7 7~8 8~9 9~10 10~11 11~12 12~13 13~14 14~15 15~16 16~17 17~18 18~19 19~20 20~21 21~22 22~23 23~24 0~1 1~2 2~3 3~4 4~5 5~6 6~7 7~8 8~9 9~10 10~11 11~12 12~13 13~14 14~15 15~16 16~17 17~18 18~19 19~20 20~21 21~22 22~23 23~24 業務用建築における節電対策の定量評価 2.規模別・システム別 節電対策の詳細評価 (2)中規模 電気式熱源 350 対策前 対策1 基準ケース(対策1~3) 300 250 200 125 対策2 対策a 対策前 対策3 対策b 対策1~3 50% 低減 対策4 対策c 対策d 対策1~4 300 250 200 150 100 50 0 350 対策a~d 300 250 200 150 100 50 0 全複合ケース 42% 低減 38% 低減 50% 低減 150 100 50 0 36 業務用建築における節電対策の定量評価 2.規模別・システム別 節電対策の詳細評価 (3)中規模 蓄熱システム 建築概要 二次側へ 所在地: 主用途: 延床面積: 階数: 想定空調システム: 東京 事務所ビル 11,700㎡ (基準階床面積 約900㎡) 地上13階 空気熱源ヒートポンプチラー、空調機+FCU方式 建物の断熱仕様等 ・屋根:RC130mm+断熱50mm 水冷式チラー+水蓄熱槽 ・外壁:RC150mm+断熱25mm ・窓ガラス:単板ガラス(透明)6mm 二次側より 制御概要 ・二次ポンプ定速台数制御 二次側還ヘッダー ・冷却塔出口下限温度制御 ・満蓄制御、追掛起動制御 二次側往ヘッダー 二次ポンプ 冷温水蓄熱槽 空気熱源 ヒートポンプユニット 水冷チラー 一次ポンプ 熱源システム構成 冷却塔 主要機器リスト 名 冷却水ポンプ 称 空気熱源 ヒートポンプユニット 水冷チラー 機器仕様 冷却能力:265kW、冷水量:760L/min 加熱能力:300kW、温水量:860L/min 消費電力(kW) 70.4(冷却) 87.6(加熱) 台数 1 冷却能力:236kW、冷水量:677L/min 48.2 1 開放型、冷却水量:815L/min 2.2 1 冷却水ポンプ 815L/min×300kpa 7.5 1 冷温水一次ポンプ(空冷HP系) 760L/min×300kpa 7.5 1 冷温水一次ポンプ(水冷チラー系) 677L/min×300kpa 7.5 1 冷温水二次ポンプ 680L/min×350kpa 7.5 4 連結完全混合槽型 840m3 20槽 - 1 冷却塔 冷温水蓄熱槽 37 126 業務用建築における節電対策の定量評価 2.規模別・システム別 節電対策の詳細評価 (3)中規模 蓄熱システム 建物側対策 冷却水温度 冷却水P 空冷一次P水冷一次P二次P 下限 流量比 熱源温度 追いかけ 満蓄 水量(l/min水量(l/min圧力(kPa) ピークカット 始端槽温度 終端槽温度 空冷HP 熱源 冷却塔 水冷チラー電力補正 電力補正 対策前 対策1:照明発熱の低減 対策2:室内温度の緩和 対策3:外気導入量低減(適正化) 28℃ 100% 760 677 350 12℃⇒7℃ 10℃ 11℃ なし 1.03 1.1 対策1~3複合ケース 対策4:連続空調 方策1~4複合ケース 蓄熱システムをより有効に活用する対策 システム側対策 冷却水温度冷却水P 空冷一次P水冷一次P二次P 下限 基準ケース(対策1~3複合ケース) 28℃ 対策a:冷却水温度設定の低温化 26℃ 対策b:冷水・冷却水の流量、圧力適正化 流量比 熱源温度 追いかけ 満蓄 水量(l/min水量(l/min圧力(kPa) 1 760 677 350 80% 608 541.6 315 対策c:蓄熱容量の運用による増加 ピークカット 始端槽温度 終端槽温度空冷HP 12℃⇒7℃ 10℃ 11℃ 11℃⇒6℃ 11℃ 10℃ 対策d:蓄熱運転方法の見直し なし 9:00~21:00 26℃ 80% 608 541.6 315 11℃⇒6℃ 11℃ 10℃ 冷却塔 水冷チラー電力補正 電力補正 9:00~21:00 1.03 1.1 1.0 1.0 1.0 1.0 同上 対策e:冷凍機、冷却塔のメンテナンス実施 対策a~e:複合ケース 熱源 同上 38 127 業務用建築における節電対策の定量評価 2.規模別・システム別 節電対策の詳細評価 (3)中規模 蓄熱システム 最大電力消費量(W/㎡) 建物側対策の効果推定 建物側対策の効果 0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 14.0 対策前 対策1:照明発熱低減 -4% 対策2:室内温度緩和 対策3:外気導入量低減 -4% 対策1~3複合ケース 対策4:連続空調 -4% 対策1~4複合ケース 熱源 冷却塔 冷却水ポンプ システム側対策の効果推定 システム側対策の効果 一次ポンプ 二次ポンプ 最大電力消費量(W/㎡) 0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 14.0 基準ケース(対策1~3複合ケース) -1% -2% 対策a:冷却水温度設定の低温化 対策b:冷水・冷却水の流量、圧力適正化 対策c:蓄熱容量の運用による増加 --54% 対策d:蓄熱運転方法の見直し -2% 対策e:冷凍機、冷却塔のメンテナンス実施 -63% 対策a~e:複合ケース 熱源 全対策の複合効果推定 対策前後の比較 冷却塔 冷却水ポンプ 一次ポンプ 二次ポンプ 最大電力消費量(W/㎡) 0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 14.0 対策前 -61% 61% 全複合ケース 熱源 冷却塔 128 冷却水ポンプ 一次ポンプ 二次ポンプ 39 業務用建築における節電対策の定量評価 2.規模別・システム別 節電対策の詳細評価 (3)中規模 蓄熱システム 建物側対策の効果 160 電力消費量[kW] 140 120 100 80 60 40 20 0 22 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 対策前 対策1:照明発熱低減 対策2:室内温度緩和 対策1~3複合ケース 対策4:連続空調 対策1~4複合ケース 対策3:外気導入量低減 システム側対策の効果 160 -63% 電力消費量[kW] 140 120 100 80 60 40 20 0 22 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 基準ケース(対策1~3複合ケース) 対策a:冷却水温度設定の低温化 対策b:冷水・冷却水の流量、圧力適正化 対策c:蓄熱容量の運用による増加 対策d:蓄熱運転方法の見直し 対策e:冷凍機、冷却塔のメンテナンス実施 対策a~e:複合ケース 全複合ケース 40 129 業務用建築における節電対策の定量評価 2.規模別・システム別 節電対策の詳細評価 (4)小規模 個別分散空調 建物の断熱仕様等 ・屋根:RC130mm+断熱50mm ・外壁:RC150mm+断熱25mm ・窓ガラス:単板ガラス(透明)6mm 4,000 × 6 東京 事務所ビル 2880㎡ (基準階床面積 約480㎡) 地上6階 個別分散空調方式 6,000 所在地: 主用途: 延床面積: 階数: 想定空調システム: 6,400 × 2 建築概要 基準階平面ゾーニング 断面 基準階空調ゾーニング 断面図 主要機器リスト 方式: 室外機: 室内機: 外気処理: 電気マルチパッケージ方式 冷暖房切替型(冷房能力-56kW、暖房能力-63kW)、約40㎡/台 天井カセット型(冷房能力-7.1kW、暖房能力-8.0kW)、1台/階 全熱交換ユニット、約80㎡/台 全熱交換器 ユニット 室外機 EA OA 室内機 事務室 システム構成図 130 41 業務用建築における節電対策の定量評価 2.規模別・システム別 節電対策の詳細評価 (4)小規模 個別分散空調 対策ケース 負荷想定 変更内容 LCEMでの扱い ク 適 室 連 正 外 続 基 メ 機 空 準 ン 散 調 テ 水 ① 対策前 - 「①基準」負荷にて算出 ② 対策1:照度低減 照明負荷を半減(負荷:50%) 負荷を「②照明半減」に変更 ③ 対策2:クールビズ 設定温度を緩和(26→28℃) 負荷を「③冷房28℃」に変更 室内機温度設定を「28℃」に変更 ④ 対策3:外気量の適正化 外気取入量を適正化(50%)する。 外気取入量を基準ケースの50%とする。 ● ○ ⑤ 複合対策(1) 対策1~3適用 ②~④の複合効果 負荷を「②③複合」に変更 室内機温度設定を「28℃」に変更 外気取入量を基準ケースの50%とする。 ● ● ● ○ ⑥ 対策4:連続空調 「連続空調条件」で負荷計算 負荷を「④連続空調」に変更 ⑦ 複合対策(2) 対策1~4適用 ②~④,⑥の複合効果 負荷を「②~④複合」に変更 室内機温度設定を「28℃」に変更 外気取入量を基準ケースの50%とする。 ● ● ● ● ○ ⑧ 対策a:適正メンテナンスの実施 適正メンテナンスにより室外機の効率が改善した ものとする。 メンテナンス前の想定として、 室外機の効率が3%ダウンしているものと想定 ⇒メンテナンスにより定格入力を3%削減 ● ● ● ※複合対策(1)も実施 ⑨ 対策b:室外機散水 ※複合対策(1)も実施 ⑩ 対策c:室内機運転台数抑制 ※複合対策(1)も実施 ⑪ 対策d:コントローラ使用制限 室外機に水を散布することにより、室外機吸込 室外機に「水噴霧モデル」を採用する。 空気温度を外気温度以下とし、効率向上を図 「効果率:X」=0.5とする。 る 室内機運転台数を75%(8→6台)とする。 室内機の1台あたりの処理負荷を「4/3倍」する。 室内機運転台数を8台→6台にする。 機器ごとに異なる設定温度を与える。 ※複合対策(1)も実施 ⑫ 複合対策(3) 複合対策(1)+対策a~c適用 ⑬ 複合対策(4) 複合対策(2)+対策a~c適用 室内機温度設定を「全て:28℃」を 「22℃,24℃,26℃,28℃各:2台」に変更 ⑤,⑧~⑩の複合効果 ● コ ン ト ロ ラ 使 用 制 限 ○ ● ○ ● ○ ● ○ ▲ ● ● ● ○ ● ● ● ○ ● ● ● ▲ ● ● ● ⑥,⑧~⑩の複合効果 室 内 機 一 部 停 止 ー 対策ケース 外 気 量 ル 適 ビ 正 ズ 化 ー No. 照 明 基 負 準 荷 半 減 システム想定 ● ● ○ ○ ● ○ ○ 42 131 業務用建築における節電対策の定量評価 2.規模別・システム別 節電対策の詳細評価 (4)小規模 個別分散空調 最大電力消費量(W/㎡) 建物側対策の効果 建物側対策の効果推定 0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 対策前 -9% -8% 対策1:照明発熱低減(50%) 対策2:室内温度緩和(28℃設定) -4% 対策3:外気取入量低減 -19% 複合対策(1):方策1~3複合ケース -14% 対策4:連続空調 複合対策(1):方策1~4複合ケース -26% 室外機 システム側対策の効果推定 システム側対策の効果 室内機 全熱交換機 最大電力消費量(W/㎡) 0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 複合対策(1):方策1~3複合ケース -3% 対策a:適正なメンテナンスを行った場合 -8% 対策b:室外機散水 -1% 対策c:室内機運転台数抑制(8台→6台) +16% 対策d:コントローラ使用制限なし(24~28℃設定) -11% 複合対策(3):複合対策(1)+対策a~c 室外機 室内機 全熱交換機 最大電力消費量(W/㎡) 全対策の複合効果推定 対策前後の比較 0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 対策前 34.5% 複合対策(4):複合対策(2)+対策a~c 室外機 室内機 -35% 全熱交換機 43 132 対策前後の比較 【建物側対策】 30 20 15 10 5 0 時刻 25 【システム側対策】 30 20 15 10 5 0 時刻 133 25 0~1 2~3 4~5 6~7 8~9 10~11 12~13 14~15 16~17 18~19 20~21 22~23 システム側対策の効果 電力消費量[kWh] 0~1 2~3 4~5 6~7 8~9 10~11 12~13 14~15 16~17 18~19 20~21 22~23 0~1 2~3 4~5 6~7 8~9 10~11 12~13 14~15 16~17 18~19 20~21 22~23 0~1 2~3 4~5 6~7 8~9 10~11 12~13 14~15 16~17 18~19 20~21 22~23 0~1 2~3 4~5 6~7 8~9 10~11 12~13 14~15 16~17 18~19 20~21 22~23 電力消費量[kWh] 0~1 2~3 4~5 6~7 8~9 10~11 12~13 14~15 16~17 18~19 20~21 22~23 0~1 2~3 4~5 6~7 8~9 10~11 12~13 14~15 16~17 18~19 20~21 22~23 0~1 2~3 4~5 6~7 8~9 10~11 12~13 14~15 16~17 18~19 20~21 22~23 0~1 2~3 4~5 6~7 8~9 10~11 12~13 14~15 16~17 18~19 20~21 22~23 電力消費量[kWh] 建物側対策の効果 0~1 2~3 4~5 6~7 8~9 10~11 12~13 14~15 16~17 18~19 20~21 22~23 25 電力消費量[kWh] 30 0~1 2~3 4~5 6~7 8~9 10~11 12~13 14~15 16~17 18~19 20~21 22~23 電力消費量[kWh] 業務用建築における節電対策の定量評価 2.規模別・システム別 節電対策の詳細評価 (4)小規模 個別分散空調 30 25 20 15 10 5 対策前 対策1 対策2 対策3 対策4 0 時刻 30 25 20 15 10 5 複合対策(1) 対策a 対策b 対策c 対策d 0 時刻 【複合効果】 20 15 -35% 10 5 0 時刻 44 業務用建築における節電対策の定量評価 2.規模別・システム別 節電対策の詳細評価 (5)中規模 ガス式熱源 制御概要 ・二次ポンプ定速台数制御 ・冷却塔出口下限温度制御 ・熱源台数制御 建築概要 所在地: 主用途: 延床面積: 階数: 想定空調システム: 東京 事務所ビル 11,700㎡ (基準階床面積 約900㎡) 地上13階 空気熱源ヒートポンプチラー、空調機+FCU方式 ガス焚吸収冷温水機 建物の断熱仕様等 ・屋根:RC130mm+断熱50mm ・外壁:RC150mm+断熱25mm ・窓ガラス:単板ガラス(透明)6mm 冷却塔 吸収 冷温水機 冷却塔 吸収 冷温水機 熱源システム構成 主要機器仕様 冷却塔 冷却塔 1,177kW ガス焚 冷温水機 一次 ポンプ 11kW 180RT 15kW 冷却水 ポンプ ガス焚 冷温水機 一次 ポンプ 11kW 180RT 15kW 一 次 ヘ ダ 二次 ポンプ 二次 ポンプ 二 次 ヘ ッ 1,177kW 冷却水 ポンプ ッ 外 気 条 件 二次 ポンプ 二次側 境界条件 ダ 11kW×3台 45 134 業務用建築における節電対策の定量評価 2.規模別・システム別 節電対策の詳細評価 (5)中規模 ガス式熱源 建物側対策の効果推定 建物側対策の効果 最大電力消費量(kW) 0.00 2.00 4.00 6.00 8.00 10.00 12.00 対策前 対策1:照明発熱低減 対策2:室内温度緩和 対策3:外気導入量低減 -5% 対策1~3複合ケース 対策4:連続空調 -5% 対策1~4複合ケース 熱源 冷却塔 システム側対策の効果 システム側対策の効果推定 システム側方策の効果推定 冷却水ポンプ 一次ポンプ 二次ポンプ 7月18日における最大電力消費量(W/㎡) 0.00 2.00 4.00 6.00 8.00 10.00 12.00 10.0 12.0 基準ケース(対策1~3複合ケース) 対策a:冷水出口温度変更 対策b:冷却水温度設定の低温化 -11% 対策c:冷水・冷却水の流量、圧力適正化 対策d:冷凍機、冷却塔のメンテナンス実施 -11% 対策a~d:複合ケース 熱源 冷却塔 冷却水ポンプ 全対策の複合効果算定 一次ポンプ 二次ポンプ 最大電力消費量(kW) 対策前後の比較 0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 対策前 -21% 全複合ケース 熱源 冷却塔 冷却水ポンプ 135 一次ポンプ 二次ポンプ 46 業務用建築における節電対策の定量評価 3.まとめ 業務用建築における節電対策の要点整理 建物側対策 ①無駄を是正する ②内部発熱(照明、OA機器等)を低減する (生産性を極端に低下させない範囲で) ③余分な導入外気量を削減する(適正化する) ④室内照度と室内温度条件を緩和する (生産性を極端に低下させない範囲で) ⑤空調負荷を平準化する(連続空調化) システム側対策 ①不具合を是正する ②空調機器のメンテナンスを実施する (チューブ洗浄、フィン清掃等) ③余剰水量、余剰設定圧力を見直す ④冷水温度条件、送風温度条件を見直す (室内環境を極端に損なわない範囲で) ⑤負荷を低減し、電力消費量の大きい熱源の停止をはかる ⑥蓄熱槽がある場合、蓄熱容量の増大等により、昼間の熱源運転停止をはかる 47 136 業務用建築における節電対策の定量評価 おわりに 本評価結果は、想定した建物やシステムにおいて、さまざまな条件設定のもとに試算を 行った結果です。従って、建物やシステム、運用条件等が違えば、結果は異なってきます ので、その点、ご了承いただきますようお願いいたします。 謝 辞 本評価の実施にあたり、公共建築所/ライフサイクルエネルギーマネジメント支援・整備 委員会(委員長:奥宮正哉)/電力需給緊急対策検討(臨時)WG(主査:丹羽英治)メン バーの支援を頂きました。この場を借りて、謝意を表します。 【電力需給緊急対策検討(臨時)WG】 主査:丹羽英治(NSRI) 幹事:尹奎英(名古屋市立大学) 委員:井上聡(中部電力)、岡田清嵩(名古屋大学)、小川聡嗣(東邦ガス)、久保隆太郎(NSRI)、小池万里(NSRI)、 小林謙吾(名古屋市)、佐藤孝輔(日建設計)、塩地純夫(ダイキン)、柴田克彦(高砂熱学工業)、高井裕紀(三機工 業)、時田繁(公共建築協会)、中井一夫(トーエネック)、林立也(NSRI)、柳井崇(日本設計)、吉岡紗野(名古屋市立 大学)、渡邊剛(NTTファシリティーズ) ご清聴ありがとうございました。 48 137