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議事録(PDF:81KB)
1.開
事務局
会
ただいまから「第15回滋賀県琵琶湖レジャー利用適正化審議会」を開催
いたします。
さて、本日ご出席いただいております委員の数は9名でございます。これは、委員総数1
9名の半数を超えておりますので、条例施行規則に定める当審議会の成立要件を満たしてお
りますことをご報告いたします。
(資料の確認)
2.議
事
(1)琵琶湖のレジャー利用の適正化の推進に向けた
今後の措置のあり方について(答申骨子案)
会長 皆さん、お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。
前回お話しいたしましたように、事務局から「11月中に条例の改正の答申案をまとめてほ
しい」ということですが、きょうもそれぞれの立場から忌憚のないご意見をお願いしたい
と思います。よろしくご協力のほどをお願いいたします。
最初の議事は「(1)琵琶湖のレジャー利用の適正化の推進に向けた今後の措置のあり
方について」でございます。本日は「琵琶湖のレジャー利用の適正化」について、前回の
論点を事務局で整理してもらって、それを「答申の骨子案」という形でたたき台を作成し
ていただいております。これを踏まえて議論を進めてまいりたいと思います。
皆さんからいただいたご意見や事実をそのまま記載しているという点も多いので、骨子
としてはいいとしても、案らしいものを皆さんでつくり上げていただきたいと思います。
では、まず説明をお願いいたします。
(事務局より答申骨子案説明)
会長 ありがとうございました。
きょう、お配りしている中に委員からの資料がございますので、それを先にご説明願い
たいと思います。
委員
その資料は、審議会の会長と委員の皆さま宛にお出ししている「琵琶湖レジ
ャー利用適正化条例の見直しに関する意見書」というもので、昨日お出ししております。
1
これについて、パワーポイントを使って説明させていただきます。
( slide・No.1「新聞記事」)
( slide・No.2「審議会の目的の再確認」)いま県から説明があったんですが、この審
議会の目的の再確認をしておく必要があると思うんです。
前回、特に問題になりましたのは「2ストロークエンジンのバイクあるいはボートを規
制する期日の延長」で、これについては、ここにありますように、審議会では「条例の見
直しに関する条例付帯決議」をしているわけですけど、「これまでに得られた科学的知見、
琵琶湖におけるレジャー利用に伴う環境への負荷をさらに低減するための新たな方策を踏
まえて、見直しをする」ということになっているわけです。
さらに2番の「審議会の位置づけ」として「①環境への負荷の低減に関する施策」「②
航行規制水域の指定」「③環境への負荷の低減に関する事項」等、レジャー活動に伴って、
環境への負荷の低減に関する事項を議論することになっています。
さらに3番では「知事からは『レジャー利用の適正化の推進に向けた今後の措置のあり
方』を諮問されている」ということです。そういうことがベースにあると思います。
( slide・No.3「審議会の目的の再確認」)ところが、前回出されましたのは、一部の
業界の経済的な理由などのために環境への負荷の増加に伴う規制緩和事項で、そういった
ことはこの場で審議することではないのではないかということです。
( slide・No.4「レジャー利用に伴う環境への負荷をさらに低減するための新たな方策
の提言」)レジャー利用に伴う環境への負荷をさらに低減するための新たな方策として考
えられることは、これまでもこういった問題を指摘してきておるわけですが、琵琶湖にい
る悪質な業者、良識のない利用者に対して実効性のある条例とするための規制強化という
ことです。
まず、先ほども出てました「1」航行規制水域内における条例違反行為の罰則化」です。
航行規制に関する違反が現在、絶えないわけですけれども、先ほどの説明のとおり、警告
してからも不服従で、停船命令を出してもそれに従わなかった場合に罰金を科すというこ
とですが、これまで1件もこうした事例がない。ですから、実効性がないということで、
発見即罰金という道路なみの方式が必要ではないかということです。
「2)航行規制水域の指定」では、「すべての湖岸域をプレジャーボート航行規制水域
とする」ということ。これは、前回にも話が出ましたように「ここを規制すれば、また違
ったところに流れていく」ということで、新たな問題を起こしていることから、琵琶湖に
2
おいては「湖岸から350m以上離れたところでやる」という指定の仕方が必要ではないかと
いうことです。
( slide・No.5「レジャー利用に伴う環境への負荷をさらに低減するための新たな方策
の提言」)「3)出艇場所の限定と利用者管理」。これについては、いまも出されてまし
たけれども、プレジャーボートが野放し状態にあるので、プレジャーボートの登録制度を
創設して、出艇場所を2008年より正しく管理されたマリーナもしくは出艇場所に限り、マ
リーナには利用者の管理責任を持ってもらうということ。
「4)水上バイクの段階的な禁止」。利用目的や機関特性から、将来的には全面禁止に
すべきであると考えます。当面の対策としては、水上バイクについては他のプレジャーボ
ートと区別する必要があるだろう。環境アセスメントを行って、その結果が一定の基準に
達しない場合は、プレジャーボート登録制度によって琵琶湖での使用を対象外にして禁止
していくことも必要になってくるかと思います。
( slide・No.6「業界団体からの2サイクルエンジン規制緩和についての要望について
の意見」)「業界団体からの2サイクルエンジン規制緩和要望についての意見」ですが、1
990年代前半から海外では2サイクルエンジンを問題視しておりまして、これについては、
海外ではすでに販売されてきているんですが、遅くとも1999年、タホ湖で規制された段階
では、その事実を把握しておられたはずです。1999年「2サイクルエンジン水上バイクの
報告書」によりますと、タホ湖では水上バイクの即禁止、アメリカ国立公園事務所では3
年後に禁止。旧運輸省と業界は、そういった状況を滋賀県に報告してなかった。これは、
水質汚濁の問題ですけれども、そういう流れがすでに1990年代からあったということです。
( slide・No.7「業界団体からの2サイクルエンジン規制緩和についての要望について
の意見」)2003年に施行された琵琶湖ルールは、5年の準備する期間があったわけですけ
れども、2001年9月に琵琶湖でベンゼン汚染が発覚していて、それからすでに7年もたっ
ているんですね。そういうことも考えると十分な時間があったわけで、今後の改善に必要
な費用負担を考えますと、初期対応を誤った結果ですので、対策を怠ったメーカーおよび
国土交通省は、地元のマリーナ、販売業者、利用者に対して補償すべきではないかと思い
ます。
さらに猶予期間を延長することによって、そのツケを琵琶湖や住民が負うことはあり得
ないということです。
( slide・No.8「地元業界団体の提供資料について」)地元業界団体の提供資料は、基
3
本的には仮定の話で、見直し要件である科学的・論理的な根拠になっていないと思います。
それから「規制を緩和しないとゆるやかなマリーナに流れたりして、湖面利用の適正化や
琵琶湖の環境保全に大きな問題となる」ということで、これは、いまも報告がありました
ように、法と条例案が放置されることを前提に考えていることから、要望書を出す前に目
の前の客の違法行為を放置しているゆるやかなマリーナを優良販売店などといっている業
界の体質の改善が求められるのではないかと思います。
( slide・No.9「業界団体の提供資料について」)ここで業界の排ガス自主規制のデー
タですけれども、EPA規制基準では未達成。しかも、その年に販売した分のみの平均と
いう取り方がされています。こういう問題があるということですね。
( slide・No.10 「業界団体の提供資料について」)これは騒音測定について。業界の
いう環境対策型のみで騒音測定をされているというデータで、「4サイクル環境対策型は
静かである」というのであれば、なおさら2サイクルは禁止すべきじゃないかということ
です。
( slide・No.11 「管理型ゲレンデ先進例
二色の浜」)これは最近のテレビから二色
の浜のことをとらえています。ちょっとごらんいただきたいと思います。
〔ビデオ上映〕
この事故で大阪府立工業高校2年生が海中に沈み、およそ2時間後に遺体で見つかりま
した。実はこうしたレジャースポーツの事故のうち、水上バイクによる事故は14年連続ワ
ースト1なんですね。なぜ水上バイクの事故が多いんでしょうか。
水上バイクは、アクセルを握るとジェット水流が噴出して進み、これが時速100kmにもな
るんです。実はブレーキがない。しかも、免許は、特殊小型船舶免許というもので、学科
と実技と試験で、わずか2日でとることができるんですね。しかも、この試験自体も、200
3年以前はモーターボートなどと同じ小型船舶免許があれば運転可能。昔、車の免許にバイ
クがついていたのと同じ理屈で、ついこの間まで運転が可能だったんです。
しかし、2003年の法改正で、酒酔い運転、疾走や急旋回は禁止。さらに以前は、免許を
持っている人間が乗っていれば、無免許の人が運転しても大丈夫だったんですが、これも
禁止されたんですね。ただ、禁止されたといいましても、トラブルや事故が起こらないか
ぎり、取り締まられることはほとんどないという状態だったんです。また無免許の同乗者
の運転に関しても、去年の法改正を知らない人が多くて、無免許運転の事故も多かったと
いうんですね。
4
琵琶湖自然環境ネットワークでは「水上には道路交通法のような法律がなく、いまは無
法地帯。スピード制限もない。国レベルで法整備をすることが必要です」と大変怒ってい
らっしゃいます。
「もっと遠くで運転するとか。もうちょっと広い範囲で遊泳区域をとるとか。私も法律
が改正される前に自分で運転させてもらったことがあるんですが、あれは同じ領域で遊泳
者と共存することは絶対に不可能な乗り物ですよ。だから、根本的にはきちんと遊べる領
域を分けることでしょうね」
「主要な水泳場では遊泳区域を設けて、水上バイクが入らないように決めているんですけ
ど、水上バイクを乗っている連中は遊泳区域に近づいて来る。自分たちのいい格好を見て
ほしいわけですよ。あるいは引っかけようとかね。だから、区域のぎりぎりまで寄ってく
ることがあるわけですね」
「そんなものが飛んでくるとは思ってないわけですから。子どもが見てたら、トラック
が来るのと似たような感じでしょう」
「これまた取締り機関が海上保安なのか警察なのか水上警察なのか、まして水上警察が
海の上で交通勤務をやって、『はい、免許証』というわけにいかないでしょう。だから、
結局は法律をつくっても誰が取り締まるのか。取り締まりの主体者がいないんですよ。巡
視船を出すわけにいかないしね」
(ビデオ上映
委員
終了)
いまもテレビにありましたように、法の問題などさまざまな課題があるんで
すが、いずれにしても真剣に解決していかなければならない現状が続いているということ
かと思います。
( slide・No.13 「県の調査で得られた科学的な知見(事実)」)これは科学的知見の
一つだと思うんですが、平成13年7月の調査でVOCがすべて不検出だったのが、ことし
の8月16日の調査結果では、基準値以下ですけれども、すべてを検出しているということ。
ベンゼンは環境基準値の60%までいっている。
こういう状態で、基準値以下といえども琵琶湖全域でこうした汚染が進行しているとい
うことは言えると思います。
会長 どうもありがとうございました。
それでは、次説明していただきます。
委員
1ページ目。前回に出したものと似ているかと思います。すべてのレジャー
5
船舶は国に登録がなされております。いままでにもよく出ております迷惑船舶をどのよう
にして管理していき、従来型の2サイクルをできるだけ早く環境対応型にしていくかとい
う中での我々の努力について、このように書かせていただきました。
その中で、コントロールファクターを設けまして、コントロールステーションをつくる
ということです。先ほど来、県から出ております「マリーナ等」という位置づけをコント
ロールステーションに設けようということでございます。持ち込み艇、当該艇のチェック
ができることが大きな要素でして、そこは当然、有料でさせていただく。
そして、期間延長の許可をいただけるなら、それも有料でする。その料金は当然、琵琶
湖の環境に対して出させていただく。そういう形を考えております。
現在、大変問題になっております「不良ユーザーの締め出し」のためにも、このコント
ロールステーションを利用していただくことを理解していただくために、このように書か
せていただいたということです。
最後のページにあります「利用者の管理」は、利用者を把握して、利用者の動向自体も
把握する。そして、利用者を教育する。また県や国土交通省、免許や法令のことに関して、
情報伝達等がちゃんとできる。
「環境負荷対応」は、2サイクルエンジン艇の把握ができて、何よりも整備状況の把握
ができるということ。そして当然、有害なエンジンの改造等につきましては、ここでチェ
ックをして、そういうものを排除することができるということ。給油施設では、一番問題
になります砂浜での給油は、ちゃんとした場所で給油ができるようにする。艇揚降施設で
は、海岸へ車を乗り入れて、トレーラーでやるという状況からちゃんとした揚降施設のあ
る場所でやるということになります。
「生活環境保全」の分野に関しては、まず利用時間です。マリーナの通常のオープンの
時間から閉める時間を考えていただければ、9時から夕方の5∼6時という時間帯ですか
ら、利用時間帯もかなり制限できて、まともなものになるはずです。また各マリーナ等で
は十分な駐車場を持っていて、駐車場の問題でご迷惑をかけることもない。またトイレや
ごみ収集設備も当然、このコントロールステーションには備えてあるということです。
「安全管理」については、国にいろんな検査があります。その検査をちゃんとやってい
るかということ。それから、免許と資格ですね。先ほど出ていました水上オートバイ用の
海技免許。そして水上オートバイの場合ですと、滋賀県の警察の講習をちゃんと受けてい
るかというチェックも当然入ります。出入港管理は、皆さん、あまり問題視されてないよ
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うですが、安全管理等で必要なことです。船舶が琵琶湖へ出てちゃんと帰着するという管
理ができるかどうか。それから、救助態勢が整っているかどうか。
このような施設を持っているところをコントロールステーションとして認定して、そこ
に出入りする船については2サイクルエンジンの使用許可の猶予期間をいただけないか。
これを、2ページ目に書かせていただいていますように「マリーナの存続と環境保全の両
立」という形で考えております。コントロールファクターの中でやらせていただくことに
よって、いままでの大きな一つの要素である「生活環境等への被害」については、大きな
意味で減っていくんじゃないかということで、このように提出させていただきました。
会長 どうもありがとうございました。
それでは、これまでのご報告に対して、どうぞご意見をおっしゃってください。
委員
委員がコントロールステーションという形で内部自主的な管理をしながら、
マナーの悪い利用者をどうにか是正していこうと努力をしていこうと考えていらっしゃる
ことは大変評価できることだと思いますが、委員に質問があります。
このコントロールステーションをマリーナが担う場合に、具体的にどういう指導なり、
是正、呼びかけができるのか。例えば、2年前にヨットの事故がありましたね。あのとき
も、飲酒をしてヨットで出ました。そのときにマリーナの責任を問われましたけれども、
マリーナは一切そういう事故に対しては法的に責任を問えない状況にあると思うんですが、
それをこのコントロールステーションはどう法的にコントロールが可能なのか、教えてい
ただきたい。それはテクニカルな問題です。
それから、県に質問です。具体的に教えていただきたいんです。2ページ目の上のほう
「当事者の理解を得て、琵琶湖と共生するレジャースタイルを確立するためには、禁止す
るだけでなく誘導することも必要であり」という部分は理解できますが、「地域の人々と
交流のできるような活力ある地域づくりという方向性も志向すべき」とあるのは、作文と
しては大変美しいんですが、自治会レベルとかでこういう地域は具体的にあるんでしょう
か、
具体的には、私どももずいぶん地元で伺っておりますけれども、20∼30年前には静かだ
ったところがバイクが入ってきたことによって、自治会はかなり自己負担を強いられてい
る。ごみもそうですし、レジャーもそうです。協議会をつくって自己対応をしています。、
自治会の人たちはすべてボランティアでやっているわけです。そういう大変な労働の負担
も含めた形で、地元にかなり圧迫をしている。それをこういう美しい表現でよろしいんで
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しょうかということです。
そこのところを具体的にどこがどうやっているのか、教えていただきたいんです。
この二つはテクニカルな小さい問題なんですが、三つ目は、私が前々から申し上げてい
ることで、琵琶湖を滋賀県はどう維持管理し、次の世代に渡そうしとしているのかという、
この条例の精神を改めて問わせていただきたいわけです。
近代社会や資本主義社会において、私の権利というのは基本的に許されております。そ
ういう意味では6ページの下から5行目「自然環境保全の観点からの航行規制」に「プレ
ジャーボートの航行規制については、私権を制限する重い規制であり」と書いてあります
が、ここにわざわざ書く必要があるかどうか疑問を持っているんです。全体が「私の権利
を認めましょう」というトーンなんですね。ここのところを本質的に考えないと、そもそ
もこの条例が何のためにあったのか、あるいは私たちが審議会で何をしているのか、滋賀
県行政は何をしようとしているのかが不明になると思います。
私は、2年ほど前の委員会で「そもそも2サイクルエンジンの世界に対して、県が税金
を使って補助金をつけるのは、私の財産に対して、その財産価値を上げることになります
ね。2サイクルを4サイクルにすることは財産価値を上げる。それに対して県民の税金を
使う。その補助金はいかがなものでしょうか」という意見を言わせていただきました。
つまり、ここに矛盾があるんですね。私権を制限すると一方で言いながら、私の財産に
県で補助金を出そうとした。しかし、結果的には助成金が少なく、転換ができず、3例し
か申し込みがなかった。じゃ、次はどうするかというと「マリーナで面倒を見てもらいま
しょう」と。これがこの提案ですね。面倒を見てもらったお返しに「例外的にマリーナだ
けは制限期間を延長しましょう」ということなんですが、このように細部で、行政のテク
ニカルなところで対応しようということで、はたしてよろしいんでしょうか。それが三つ
目の意見、質問でございます。
つまり、本来の条例の精神はどこに行ったのか。守るべきものは守り、細部で手を差し
延べるということで、はたしていいんでしょうか。私の意見は最初から変わっておりませ
んで、アメリカのタホ湖あるいは本栖湖でやっているような形で、最終的には琵琶湖から
大変危険な水上バイクで事故を起こしたときに保険はどうなるんでしょう。自賠責はある
んでしょうか。もしかしたら、若者はそれで自分の一生をつぶしてしまうかもしれない。
被害者も加害者も大変な事故に遭い、しかも、環境に対しても悪いというものを、このま
ま琵琶湖全域で認めていいんでしょうか。それが三つ目の質問でございます。
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会長 どうもありがとうございました。
委員
先ほど質問がありましたヨットの件ですね。琵琶湖の北湖でありましたヨッ
トの転覆事故にかかわることは説明しますとかなり長くなりますし、なおかつ非常に専門
的になる分野でありますので、基本的なことだけ申し上げます。
簡単に申し上げれば、問題が全然違います。どのように管理しても、例えば、運転免許
を持っている人がどこかへ出て、全く違うところで、その条件を自分で理解しないで事故
を起こしてしまったということは、管理側ではなかなかできない問題で、これは全然違う
問題です。
我々がコントロールファクターの中で何をやろうとしているかという分野だけ答えさせ
ていただきます。
そこで皆さんにも我々にもやりやすい分野として、迷惑をかけた艇とか、いま現在、よ
くテレビに出ている艇は水上オートバイや船外機であったりする場合が多いのです。そう
いう迷惑をかけた艇をすぐに排除することは一般的には非常に難しいわけです。文句を言
いにいくとか、実際に監視をされている方々がその中に割り込んで「お前たち、どこかへ
行け」というのはなかなか難しいです。
こうした分野をこのコントロールファクターの中では揚げ降ろしのところで止めてしま
えるわけです。そして、この延長の申請も認めないということもあるわけです。その人た
ちにはその権利すら与えない。このコントロールステーションから琵琶湖へ降ろすという
作業は一切できなくなる。だから、この人たちを完全に排除することが可能になるわけで
す。
一旦、国家試験を通って、航行規制水域の外、つまり遠くへ出られた方が事故を起こさ
れて、「あなたたち、何をちゃんとできるんだ」と言われても、我々では実際問題何もで
きません。これはできる問題じゃないんです。我々ができるのは、この出入りの段階での
いろんなチェックを働かすということです。それが一番だと思っていただいて結構です。
委員
そうすると、ある意味で「物の管理」であり、「行為の管理」ではないとい
う理解でよろしいですか。つまり、水上オートバイの行為者の行為を管理するのではなく、
水上バイクという物を管理する。その時点においてマリーナがコントロールステーション
になるということですね。
委員
読んでいただいたらわかると思いますが、物の管理だけではなく、行為をす
るまでの教育・指導をここで一緒にやろうということです。
9
委員 教育・指導と言いますと?
委員
実際どのようなことが悪いのか、どのような行為がいけないのか、どこから
どこがいけないのか、わかりにくいんですね。実際に現地へ行かれたらわかると思います。
志賀町のどこからどこが、どういいのか悪いのかというのは、一般の方々にはなかなかわ
からないんですよ。それをお教えしないことには、例えば、水泳場の近辺にしても、水泳
場のブイが打ってあって、どこまでが危ないのか、どこからは特に危ないのか、こういう
ことがわからない。それを我々がコントロールファクターの中でちゃんと指導することに
よって大きく違いが出てきます。その人たちと一緒にいて、行為を監視するなんてことは
できません。
委員
その場合にさまざまなコストがかかるわけですが、人件費の高い時代に、そ
ういうのはマリーナとして無料でやれるんでしょうか。それとも人をつけるという意味で
有料になっていくんでしょうか。そのへんも、テクニカルな問題ですが、教えてほしい。
委員
基本的に小型船協会のマリーナは現在でもやっております。現在も小型船協
会に加入のマリーナは、そのようなことをやっております。
ただ、新たにコントロールステーションとして県が認めようとされるところには、これ
から講習会を開くなり、いろんな形でやらなきゃならないとは思います。
滋賀県小型船協会の中では、そのような講習会も現実に何回も開いております。陸上で
の講習会も開いておりますし、また大津港でいろんなことをやったりしてしております。
これは別に料金を取っているわけではありません。
委員
このコントロールステーションというのは、いま初めてお聞きしたんで、よ
くわからないところもあるんですが、いま委員のおっしゃっているのは、そのコントロー
ルステーションを利用される方は良好なユーザーだと思うのです。
いま問題になっているのは、さっきも言いましたけれども、悪質な利用者が琵琶湖にた
くさんいて、規制やルールを守らないでやっているわけですね。そういう方がこのコント
ロールステーションに全部来て、そこできちっとした教育なり指導を受けられることにな
れば、いまおっしゃることは可能になりますけれども、むしろここを利用される方はそも
そもルールとか規制はきちっと守っておられる方じゃないかと思うのです。
委員
要は、網かけの一つの手段なわけですね。いま2サイクルの使用期間の延長
という一つの網かけをして、それは「これから琵琶湖で乗りたいならちゃんとして乗らな
いと、そのままでは乗れないですよ」という網かけなんですよ。
10
「現状の中でも優良なオーナーじゃないんですか」と言われますが、我々は、優良なオ
ーナーになってもらって、乗ってもらっているんです。これがどこかで不良なことをされ
ていると、我々のところへ連絡がくることになる。
委員 だから、問題はそういう方をどうするかということなんです。
委員 優良じゃない人をどうするか。
委員はその人たちを排除すると言っているんです。いなくなってもらってもかまわない。
「でも、優良なほうに変わるんであれば、我々マリーナが見ていきましょう」ということ
ですね。
委員
これは、僕もさっきの意見と一緒だと思うんですけど、きちっとマリーナで
出艇管理ができれば問題ないと思うんですよ。ところが、現状はどこからでも出入りして
いる。「ルールを守りましょう」とやっているんですけど、規制水域であろうとなかろう
と勝手に走り回っている。そういう現状をいかに止めるかということになると難しい。
委員
だから、その状況を止めるために、いまちょうどここで条例が施行されるじ
ゃないですか。施行されて、2サイクルエンジンが使えなくなるという現状がある。「2
サイクルエンジンが使えなくなったら、登録しないと使えないんですよ。登録するために
マリーナを利用しましょう」ということになる。
マリーナを利用せざるを得ないから、マリーナを利用すれば、不良な輩はマリーナで教
育されて立ち直るか、マリーナを利用できずに去っていくか、どっちかしかないじゃない
ですか、と言われているんでしょう?
委員 そうです。
委員
それは、きちっとした、いわゆる不正な行為をした人が厳しく罰せられると
いう担保がなければ、だめです。
委員 だから、両方整理しないと無理ですよ。
委員
そうでしょう。こっちがなければ、これをいくらやっても抜け道になってい
く。ここのところが問題だと思うんです。
委員 これがきちっとできれば、すごいです。
委員
もちろん。だから、ここを通じないと琵琶湖ではプレジャーボートの利用が
できないということになれば当然、皆さん、ここへ黙ってても来ると思うんですよ。しか
しながら、いまはそういうルールなり規定があるにもかかわらず、走り回っているし、守
らない。だから、そこをどう取り締まるかということになると、これだけではちょっと難
11
しい。
委員 それは、残念ながら我々の協会だけで言える問題じゃないわけです。それは、
県や市町などの方々と一緒になってやらないことには、残念ながら我々が「じゃ、そうし
ます」なんて言える立場じゃないです。
ただ、我々は「そのときの受け皿は、こうやって持っていますよ。だから、その受け皿
はお使いいただければ結構ですよ」という形で提案をさせていただいているわけです。
会長
そういうものが出てきたら、もう一つの問題というか、航行規制に違反して
いる者に対する対応をどう厳しくやっていくかという問題になると思う。
だから、いまおっしゃったマリーナとは性質がちょっと違うんじゃないか。それをいろ
いろ難しいことを言っていましたが、直罰できるか、できないかということになる。
委員
この間から申し上げましたマリーナという場所だけじゃなしにゲレンデも本
来はコントロールステーションになり得るわけです。だから、そういうものができること
によって大きく変わっていくということだと思うんです。
事務局
まだ嘉田先生のご質問にお答えしておりませんので、まずその点につい
てお答えさせてもらいます。
最初に2ページの三つ目の〇のところ「地域の人々と交流のできるような活力ある地域
づくり」という言い方なんですが、「この部分について具体的な想定はあるのか」という
ことにつきましては、具体的には持っておりません。この部分については、審議会での委
員さんの発言を引用させていただいたところでございます。
数ある発言の中で、なぜこれをとらまえたかということなんですが、その下に点線で囲
みました「琵琶湖レジャー利用適正化基本計画の基本方針(抜粋)」を掲載しております。
この中の2行目に『「琵琶湖と共生するレジャースタイルの確立」という目標』というの
が書かれておりまして、この基本計画は、この審議会でご承認をいただいた基本計画です
けれども、目標として「琵琶湖と共生するレジャースタイルの確立」というのが挙げられ
ております。
その数行下を見ていただきますと「しかしながら、琵琶湖の利用は本来自由なものであ
り、また多くの人が琵琶湖の雄大な自然環境に触れ、日々の活力を得ることは非常に重要
なことであります」といえます。また一番下に「一定のルールの中で利用者が増加するこ
とは、琵琶湖の環境にとっても決してマイナス面のみではなく、プラスの側面が大きいと」
というくだりが出てまいります。要するに、レジャーを排除することがレジャー条例の基
12
本的なスタンスではないのではないか。レジャーと琵琶湖との共生が基本的な立場であろ
うと、私どもは思っております。そういったことから、それを具体的に言い表された発言
をここで引用させていただいたというのが、この書き方の発端でございます。
それから、もう一つ、委員からご指摘いただきました「どうも県の対応が助成金を出す。
ただ、それの効果がないから、次はマリーナに預けて、そこで便宜を図ってもらうという
のは、やや技巧的ではないか」というご質問でございました。私の説明がそのように聞こ
えたら申しわけなかったのですが、もうちょっと今回の特例措置につきましての考え方を
追加させていただきたいと思います。
県としましては、条例で猶予期間を平成20年3月までといたしました以上、平成20年4
月以降は従来型2サイクルエンジンのボートは走るなというのが基本的な立場というふう
にご理解いただきたいと思います。転換が進まないから猶予期間をすべからく延長すると
いうことは、短絡的な話かなと思います。転換が進まないからといって、水上オートバイ
を牽引車に載せて浜に直接乗り入れてこられるような方は、環境対策型に転換しないので
あれば、もう琵琶湖に来てくれるなというのが我々の考え方でございます。
前回いただいた委員からのご意見の中で、特に平成20年4月以降、各マリーナにおかれ
まして、レジャー条例を遵守するということを基本に、要は「マリーナから従来型の2サ
イクルエンジンを排除することを実行されると、こういうデメリットがありますよ」とい
う問題提起を受けたというふうに思っております。
私どもとしましても、トータルとして琵琶湖の環境のために何がベターなのかというこ
とを考えて、今回の答申案骨子に書かせていただいたというところです。環境対策型エン
ジンへの転換をどうすれば早く進めることができるのかというのを一番のポイントとして
考えさせてもらいました。あわせてマリーナに特例措置を講ずることによりまして、でき
るだけマリーナに船を集める。そこに囲い込むことによって間接的に持ち込み艇を排除で
きるのではないかという発想に立ちまして、ひいては航行規制水域をより静かにすること
ができるというふうに考えたわけでございます。
マリーナにどういう条件を課すかというのは、まだまだ詰めるべき課題だと思っており
ますが、もちろん特例措置などなしに平成20年3月からすべて転換できるのがベストだと
は思っておりますが、現時点でよりベターな方策であろうということで書かせていただい
たところです。
委員
きょう、お話を聞かせていただきまして、県が出された資料の4ページの
13
「これまでの取り組み」の三つ目の〇の下のほうに「警察との協同により集中取り締まり
を実施」と書かれておりますけど、実際に警察のどういった部門と協同しておられるのか
と思うわけでございます。
私たちの志賀町におきましては、ある一人のレジャー監視員さんは非常に熱心な方で、
警察もそこまではしないどろうという指導・取り締まりをやられている。言われた側から
すると、けんかになってもおかしくないなと心配するところまで踏み込んだ取り締まりと
いうか、注意をされている指導員さんがおられます。その人たちのことを思いますと、警
察等がもっとやらないといけないと思います。
それと、いま「どの部門が」と言いましたのは、自分の携帯電話のカメラで撮りました
が、9月11日のお昼すぎに白髭神社の前を通りましたら、2サイクルのジェットスキーを
車の後ろに牽引で2台積んできて、その後ろにユニックつきのトラックを置いて、それで
直接湖岸に降ろしている。それも、そこが混雑しておりまして、私は南を向いて走ってい
ましたが、南から北を向いてパトカーが通っていった。その混雑を知っておるのにそのま
ま走り去る。ユニックを止めているので、車は全然動かない。停滞している。
そうすると、ここに書いてある「警察と協同でやっている」というのは、以前に「県も
その部署だけじゃなしに、課・部を乗り越えて全体で対応する気がなかったら、こんな取
り締まりはとても無理だろう」という意見を言わせていただきましたけど、警察と一緒に
やると言っても、実際にどこまで声かけしてやろうとしておられるのか。それが大事では
ないのかと思います。
また委員の資料の中に「ゆるやかなマリーナ」と書かれておりましたが、これはどうい
うマリーナかわかりませんけど、滋賀県で許可が出て、運営をしておられるマリーナばか
りなのか、許可なしでやれるものなのか、これはわかりませんけど、不法でやっておられ
るところがあるなら、県として琵琶湖岸をずっと歩いてもらったら、「ここはきちっと正
規でやっておられる」「ここはやっておられない」ということがわかるだろうと思います。
そういうところを先にやめさせるなりの方策をとらなかったら、この会議をやって「こう
しましょう」「ああしましょう」と言っていてもいけないのじゃないのか。
志賀町の場合、比良川には常日ごろ水が流れておりませんので、比良川の河口の中で不
法占拠をして商売をやっておられる。それを誰が取り締まるのか。我々地方職員が行って
も、けんかになるだけ。それを取り締まる権限は誰にあるのか。そういうところまで踏み
込んでやらないといけないだろうという思いがします。
14
もう1点は、2サイクルエンジンを禁止にする。この話は理解しますけど、2サイクル
エンジンを禁止にして、日本中で使えないようになるとしたら、2サイクルエンジンを4
サイクルエンジンにやりかえられるものなら、金を少々出してもやるでしょうけど、新た
に買い換えないといけないものなら、2サイクルエンジンを引き取る業者はどうするのか
なと思います。これを引き取ってもらうのに処分にお金がかかるなら、私がその立場にな
ったら、水の中に放棄しようと思っても不思議じゃない。そしたらこれがだめなら、その
引き取りはどうするかというところまで考えて、提案しないといけないのじゃないかと思
います。机上でものを考えるのではなく、実際に自分がやっていて「いけない」と言われ
たときに、自分ならどう逃げようかなと考えることが必要です。
いま委員が言われましたように、マリーナで適正にやっておられる方は「どう逃げよう
かな」とは思わないけど、闇で悪いことをしようとしている者は「どう逃げようかな」と
思うのではないか。
事務局
まず「警察のどういう部署と一緒にやっているのか」ということでござ
いますが、警察本部でいうと地域課でございます。水上安全条例などを所管しているセク
ションでして、我々はそこと常に情報交換をして、取り締まりを一緒にやっているところ
です。毎日毎日、警察と一緒になって取り締まっているかというと、そこまではできてお
りません。今年度ですと年4回、一緒になって取り締まりを実施しました。
例えば、8月7日に近江舞子で取り締まりをしているんですが、このときは県の職員が2
0人近く出ております。警察官が10人ぐらい、一緒になって取り締まりを実施したというこ
とです。水上警察も監視船を出してくれました。そういうふうに、できるだけ一緒に取り
組んでいるところです。
それから「部・課を乗り越えて、全体としてやらないといけない」というのは、私も切
実に思っているところでして、我々のやっているプレジャーボート関係の仕事は、河川行
政と密接に結びついていると思っております。だから、片方だけでやっていても、なかな
かうまくいかないのは、おっしゃるとおりかと思います。
今年度の例で申し上げますと、近江舞子の南小松港の水上バイクの対策協議会も今年度
に立ち上げられまして、それの3回目の会合だったと思いますが、そのときは我々と大津
土木事務所が一緒に地元へ行って、いろいろな要請を承っております。それだけに止まら
ずに、できるだけ一緒にしたいと思っております。
それと、2サイクルエンジンの引き取りの話は、私も業界によく通じているわけではあ
15
りませんので、話を聞いただけなんですが、いま2サイクルの中古市場は少ないようです。
だから、委員がおっしゃったように、放棄されるおそれも多分にあるかと思います。そう
いったことを踏まえて、前回の審議会では委員からそういう危惧を申されたと理解してお
ります。
委員
いま「警察の地域課と連携している」と言われたけど、私がたまたま見たと
きに最寄りの警察に「こういうことをやっている」と通報したとしますと、志賀町でした
ら堅田警察ですから、堅田警察に言ったときに対応できるようになっているのかというこ
とですね。
事務局 国道に車を止めてやっていたのですか?
委員
そう言えると思う。それが国道に沿っていても交通の邪魔にならないところ
でやっていて、「こんなことをしたらだめだろうな」と思ってることを通報しても、「い
や、それは」と言われたら、がっかりすると思います。
事務局
現行の法律の中では規制することはできないんじゃないかと思いますね。
委員 ということは、そういうことをやっていてもいいとういうことか。
事務局 ほかの方の権利を侵害しないかぎり、できると思います。
委員
そこが道路じゃなくて、何も関係のないところであって、道路を阻害せずに
岸壁から湖の中に戻すことは?
委員 構わない。
委員 でも、道路から降ろしていたのと違うのですか?
委員
道路からの場合はだめですけど、道路からでない場合、いわゆる道交法上、
問題ないところからの揚げ降ろしは、いまは自由使用の範囲です。
委員 そこが問題だから、囲い込まないと難しい。
委員
しかし、いま私が言っている道路の外でも、もし私が警察へ通報したとした
ら、警察は対応するのかな。
多分しないだろうと思う。パトカーが黙って行ってる。だから、地域課だけではなしに、
警察なら警察の交通課も含めて、「こういうものがいたら注意しろ」という話をしないと
いけないと思うんです。それで、県も部・課を超えてというのは、警察も全体にそういう
連絡をしていないと、ある部分だけ通していても、あと全部が「そういうことは知りませ
ん」という話では、やっている意味がない。
事務局
以前、水上オートバイを牽引している牽引車が道交法上どうかという話
16
もお伺いしましたので、一度警察の話も聞いてみたいと思います。
委員
同じことになろうかなと思うんですが、マリーナ云々のことは、もしかして
効果があるのかもしれないけれども、一番問題になっているのは、やっぱり持ち込み艇な
んですよ。先ほどから話が出ているように、砂浜であったり、植栽をしているところであ
ったり、おかまいなしに「権利」と呼ばれ、「そういうものは誰にもとがめられることは
ないだろう」ということです。むしろうっかり注意したらすごまれてしまう。
そういった方たちをどういうふうに取り締まることができるのか。そういった方たちが
爆音を轟かせたり、そのあたりの植栽を踏みにじってしまったり、そういうことを平気で
されるんですよね。
だから、さっきから何回も話が出ていますけれども、お行儀がよくて、ちゃんとマリー
ナに届けられている人は、それほど問題じゃないと思うんです。おそらくこんな大きな琵
琶湖で2サイクルエンジンを20年以上運転されていても、それをつかまえることはなかな
かできないだろうなと思えるわけです。
もう一つ、いま委員の資料を見ておりますと、長浜もゲレンデとして取り上げられてい
るんですが、長浜では大変不法なやり方をしている人たちが多い。そのあたりで魚釣りを
しているおじさんたちが「長浜は全然取り締まらないから、よけいひどい。彦根ではもっ
ともっと取り締まっている。もっと警察に言わないから、長浜はひどいことになる。」と
直接に言われたんです。
いま委員がおっしゃったように、警察が見て見ぬふりをしていることも頭に入れた上で、
どうしたらいいのか。先ほど委員の提案の中に「琵琶湖全体を規制区域としてはどうか。
もちろん350mの外でしか航行してはいけない」と書いておられましたけれども、それぐら
いまでしないとおそらくだめだろうと思います。
私も最初から「この琵琶湖にモーターボートは必要ない」と言っていた者です。最初に
それを言ってインターネットにたくさんの書き込みをいただきました。「現在のレジャー
を知らないにも程がある」という書き込みをいただきました。にもかかわらず、私はやっ
ぱり持論として「琵琶湖のレジャーは、ヨットであったり、手漕ぎであったり、カヌーで
あったり、それがふさわしいのではないか」と、ずっと言い続けておりますが、それがか
なわないなら、やっぱり徹底した規制をちゃんとつくらないと、いつまでたってもイタチ
ごっこではないかなと思います。
“湖北でなんでこんなところから船を降ろしているのかな”というところが確かにあり
17
ます。それを「マリーナができたから大丈夫ですよ」というのは、ちょっとよくないので
はないか。いままでから大丈夫な人しか行かれないところなんですよ。いままでから不法
なことをしている方たちをどう取り締まるかということが一番大事で、もう少し突っ込ま
ないといけないんじゃないかなと思います。
本当に警察の力をどこまで信用できるのか。どのへんまでその方たちとの協働が可能な
のか、とそういうことではないかと思います。
委員 一つだけ訂正させていただきたい部分があります。
長浜をゲレンデとして見つめているんではなしに、現在、長浜にスロープがございます
ね、そこからたくさん出入りしております。そこをちゃんとした管理型にすればいいじゃ
ないかということなんです。
いま、あそこは無管理状態ですね。あれだけ便利なところですから、当然たくさんの人
たちが行くわけです。「それを無管理状態で放っておくのがおかしい」というのが私たち
の考え方です。だから、そこもちゃんと管理型にして、コントロールステーションの役目
を持たせば、そこは便利ですから、たくさんの人たちが行くんです。
ただ、現在、それでも足りなくて、よそへ行きますから、多いところにはあれに近いも
のをもう1ヵ所ぐらいつくってやれば、先ほど委員がおっしゃったように、クレーンでど
うのこうのというのは、大変な作業なわけです。ところが、どこにも嫌われた人たちは、
仕方がないからそういうことをしなければならない。
コントロールステーションがあって、施設が整備されてあり、駐車が簡単にできたら、
たくさんのアンケートをとっていただきましたけど、その中には「絶対に無料でなきゃだ
めだ」という意見よりも「ある程度有料でもかまわない」という意見のほうが多いわけで
すから、こういうものを確立していかないといけない。いつまでたっても「350mは禁止区
域だ」だけでは、形骸化する可能性のほうが大であって、つくるものをつくって、管理す
る形をきっちりとっていくということです。
「彦根のほうが」とおっしゃいますが、実は彦根もほとんど無管理状態ですね。その無
管理状態の中でも彦根と長浜でそういう差ができている。それならもっとちゃんと管理を
すればいいと思うんです。それを有料ですれば、おそらくそこに監視員を置くことも可能
になるでしょうから、そういう方法をお勧めするし、我々はそれに対していろんな協力は
大いにさせていただきます。
コントロールステーションにするために、いろんな要項については全部ご説明等をさせ
18
ていただきますから、そういう形のものをつくっていかないといけません。ただ「琵琶湖
では全面禁止だ」といっても、形骸化する以外にはないので、もう少し現実味のある話と
して、出させていただいています。
委員
私も委員のおっしゃったご意見には全く賛同でして、やはり琵琶湖でなけれ
ばできないレジャーを考える。この中にエコフレンドリーという言葉もありましたけれど
も、レジャーをそういう視点で考えると、特に今回の水上バイク等の問題については、琵
琶湖にふさわしくないと言わざるを得ないと思います。
コントロールステーションができたら解決されるようなお話ですが、私は全く無理だと
思います。先ほど指摘がありましたように、ここに行く方は良識派でありまして、従来か
らの方は規制があろうとなかろうとやるわけですから、そこへ行くはずがないということ
は断言できると思います。「ちゃんとした管理」とおっしゃいますけれども、ちゃんとし
た管理ができないからこういう問題が起こっているんであって、「ちゃんとした管理はど
うしたらいいのか」ということをきちっと示してもらわないといけません。むしろこのほ
うが形骸化された単なる机上の議論になるかと思います。
先ほど「2ストロークエンジン艇が禁止されたら、放棄してしまうんじゃないかという
危惧がある」とありましたが、確かにそういう問題があると思うんです。これを5年、10
年延ばしても、また同じ問題が出てくると思うんですね。だから、これはいまきちっとし
ておかないといけない。先ほども言いましたように、すでに2ストロークエンジンについ
ては問題が多いと指摘されてまして、近江舞子のほうでも頑張っておられて、これまで何
とかなるのかなと思っておられても、どうしてもひどすぎて、やむなく協議会を立ち上げ
られた。これが監視員の帽子と腕章なんですよ。
これを新しく自前でつくって、監視をしている。これをしていても食ってかかってこ
られるので、なかなか対応できないんだけど、放っておくわけにいけないので頑張ってお
られる。
そういう状況でも、さっき出ていましたが、比良川の河口では不法占拠しているのを規
制できない。そのへんをどうするんだということをきちっとしないで、単に「いま2スト
ロークエンジンの買い換えが難しいから延ばしたらいいだろう」というのではいけない。
さっきも指摘しましたように「琵琶湖の環境負荷をいかになくして、もとの琵琶湖を取り
戻していこう」と言っているわけですから、そういう視点で県としても努力してもらわな
いと困ります。
19
11ページで「2サイクル原動機の使用禁止を推進すべきであり、既存艇の猶予期間の延
長は適当でない」と言っているんですが、後に「ただし」とあって、ここの二つは削除し
てもらわないと困る部分です。これではいつまでたっても琵琶湖の環境改善はできないし、
環境負荷を軽減していくことにはならない。
審議会のテーマからすれば、ここのところもきちっとした議論をして、エコレジャーが
発展するような方策を出すべきだと思います。
委員
委員が「いま2ストロークを急に切り換えるのは無理だけど、延ばしたらど
うなるかというと、何も変わらないじゃないか」という言い方をされたんですけれども、
僕はそうじゃないと思うんですよ。
というのは、機械には寿命がありますよね。使わなくても経年変化で傷んでいく場合も
あるし、消耗して使えない場合もあります。ただ、一緒じゃないというのは、いま既存艇
の話をしているんですけれども、「新造船、新規の船に関しては一切だめだ」ということ
でやっていますね。しかも、僕が知っているかぎりでは、滋賀県が2ストロークの規制を
発表してから3年ぐらいなんですけれども、僕が扱った範囲ではほぼ100%が対策型に変わ
っています。
逆に対策型に乗り換えにくい、転換しにくい理由の一つは、もちろん経済的な理由もあ
るんですけれども、その経済的な理由に拍車をかけているのは、転売できないからですね。
車でも下取りに出して、足らない分を足して新しいものに切り換えようというのが普通だ
と思うんですけれども、転売が効かないことで、まだ使えるにもかかわらず、いまのもの
を捨てて新しいものを負担しなければならない。それもすごい負担増なんですね。
でも、乱暴な言い方をしたら、いま入口は完全にシャットアウトしているといっても過
言ではないと思うんですよ。あとは放っておいても寿命がきたら勝手に従来型2ストロー
クではなくなってしまうと思うんです。一番いいのは、少しでも早く切り換わることなん
ですけれども、切り換えるためにもいまあるものを消耗させていく。
例えば、車でもオートバイでも、中古市場で売られている場合、オーナーが一人の場合
はすごく重宝がられます。それはなぜかというと、大事にしているからですね。物の価値
観は、ほとんどの場合、買ったときの金額が価値の基準になると思うんですけれども、転
売して価格がだんだん下がっていって、最終的には処分してしまうことが惜しくない金額
になれば、別にどうということはないと思うんです。
本来、300万円という価値のあったものが、転売もできない、乗ることもできないという
20
状態に陥ることは、使う側としては辛い部分であると思うんですよ。「琵琶湖はどうなっ
てもいいのか」ということではなくて、私たちもきれいな琵琶湖で水遊びをしたいですし、
環境に負荷をかけないためにも早く切り換えていかないといけないのですけれども、さっ
きから聞いていると、この条例は環境面とマナーの面と両方一緒に議論をしていると思う
んです。
「琵琶湖では環境のことを意識しながら遊ばないといけない」ということ徹底し、理解
してもらうためにも、野放しではなくて、どこからでも降ろせる状態ではなくて、委員が
言われたように、コントロールセンターをつくって、きちっと管理していく。その分、規
制をちょっと先延ばしにすることは、後退かもしれないけれども、そういうところを利用
することで、ルールなどをきちっと教えていけると思うんです。
だから、それは決して後退にはならないし、一番いいのは利用する人たちの中に琵琶湖
の環境を意識する心が少しでも芽生えることだと思うんです。
委員
いま7ページにある環境の話と2サイクルのマナーの話の2本立てで話をし
ているので、すごくややこしいと思うんです。
まずマナーとしては、降ろしてはいけないところから降ろしたり、やってはいけないこ
とをしたりするような人たちを、どこかに誘導するにしても、先ほど委員が「いろんなと
ころから降ろしたりするから、それは無理じゃないか」とおっしゃいましたけれども、ま
ず県として、7ページにある「効果的な進入防止措置を検討すべき」になっているものは
“できるんですか”ということが一つありますね。
例えば、長浜や彦根を管理型の施設に転換することが可能なんですか。検討すれば可能
なのか、それをこれからの課題とするのか、何か行政としての意見が出ないと、委員の話
はずっと平行線のままだと思うんですね。その道筋が見えると「じゃ、ここまでは我慢し
てもそっちのほうがいいかな」とか「どうなのか」という会話にいくような気がするんで
すけど、できないことを前提に話をすると、委員の話もできないという話にしかならない
ので、まず行政として、琵琶湖の周りに関してそういうことまでちゃんと取り組んでいく
つもりがあるのかどうかということですね。
砂浜とかから入ってしまうところを締め出して「ちゃんとしたところ」というふうにし
ないと、いつまでたっても解決しない。それはみんなわかっているし、ずっとみんな同じ
ようなことを言っているわけでしょう。県はそれについて取り組む気があるのかないのか、
まずそれを聞かせていただきたいと思います。
21
事務局
この骨子案につきましては当然、各委員さんのご意見を踏まえているの
とあわせまして、私どもの考え方をできるかぎり含めて、書かせていただいたというふう
にご理解をいただきたいと思います。
そういうことから、7ページの「(3) マリーナ等を通じた働きかけの強化」、いわゆる
囲い込みによりまして、野放図に持ち込まれているボートをできるだけ1ヵ所に集約して
いきたいという方向で考えております。それをやるための一つの手だてでもありますし、
環境対策型エンジンへの転換がなかなか進まないことへの対応という両面を考えて、11ペ
ージにございます環境対策型エンジンへの転換を着実に進めるために、ここでも「マリー
ナ等に保管されるボートについて特例措置を考えてはどうか」という考え方であるという
ふうにご理解いただきたいと思います。
もう一つは「すでにある彦根港、米原港のスロープをどう管理するのか」ということで
すが、現実に具体の検討までは着手していない状態です。ただ、すでに利用されているボ
ートについて、そこをうまく管理して、あわよくば利用料金をとるということは、プレジ
ャーボートを管理するという意味でも大変有効な手だてであると思っております。
ただ、具体的に直ちに「こうしよう」という案は持ち合わせていないというのが現状で
す。
委員
そういうことを片方を閉めて、片方へ移動してやっていきたいということで
すか。
事務局 そうです。そういう考え方はございます。
委員
私も、囲い込みがきちっとできて、マリーナ管理ができるのであれば、委員
の意見に賛同できるんです。しかし、現状を放置したままでこれをやっても解決できない
んじゃないかと思います。そこを県のほうで「指定したマリーナ以外からの出艇はできま
せんよ。もし、そこからした場合は厳罰をかけます」ということになれば、非常に効果的
だと思うんですよ。
ところが、そこをあいまいに「なんとか努力します」ということでは、おそらくほとん
ど変わらないんじゃないでしょうか。
委員 その流れの中で、きょう、大事なことが議論できてないんです。
6ページの「航行規制遵守を徹底」のところで、間接罰だったのを直罰にするかどうか。
ここが、いま皆さんが議論しているところの次の手だろうと思うんですね。
私は、これはきちんと直罰をやらないと、まず現状のままいかざるを得ない、先ほど委
22
員が言われたように。こういうことは、警察官自身もすべての法令を知っているわけでは
なくて多分、目の前で何が起きているのかわからないのだろうと思いますし、警察官なり
県の河川管理者すべての人がかかわってもらわないといけないので、ここははっきりと白
黒がわかるような形での改善をしてほしいと思います。
もう一つ行政にコスト感覚がほとんどないがゆえに、あの手この手を考えてくださって
いるんですが、県は琵琶湖を管理するためにどれだけのコストをかけているのか、それを
一度考えてほしいんです。というのは、これだけ財政がきつくて、来年500億円の収入減に
なるというし、県庁職員の皆さんの給料も下がるわけですね。そういうときに、琵琶湖で
は自由にただで遊ばせていいのか。
これ、日本にはあまり前例がないんですが、いつも言っておりますように、ヨーロッパ・
アメリカでは自然の価値を享受するには何らかの経済的負担をするのが当たり前で、その
負担をしていただいたお金で、例えば、レジャー利用の管理のお金を出すわけです。いま
は県の一般財源の中に入っておりますから、多分レジャー利用のためにかけている人件費
だけでも数千万円を超えるんじゃないでしょうか。あるいは地元の人たちがさまざまな協
議会でやっていますが、いま一番高いのは人件費です。
そういうことも含めて、琵琶湖管理のために、つまり皆さんに遊んでいただくために、
どれだけのコストをかけているのかということを行政としても自覚をしていただいて、あ
の手この手の細かい法令をつくってやるよりは、ある意味きちっと受益者負担原則で、そ
の費用で「みんなでより美しい琵琶湖を取り戻しましょう」という話が一つの方向だろう
と思うんです。そういう意味で利用税をきっちりとどこかで、長期的に考えていただきた
いと思います。
事務局 委員のご意見に対しましてお答えをさせてもらいたいと思います。
嘉田委員から「利用税の長期的な観点からのご検討を」ということですが、滋賀県も湖
面利用税をレジャー条例ができた当時から検討を続けてまいりました。主に私どもの税務
部局が検討したわけですが、税の形ではなかなかとれないというのが結論でした。
なぜかと申しますと、課税客体と言っていますが、要は税金を収める人をどう捕捉する
かということです。これもやっぱり持ち込み艇の問題になります。あれを捕捉できないの
で、税金が完璧にとれない。そうなってまいりますと、税の公平性の観点からとれるとこ
ろととれないところが出るのは、許容できない。それが昨年、税務サイドが出した結論で
ございます。
23
ただ、レジャー利用者から一切金がとれないのかというと、例えば、今回、提案されて
いる管理型ゲレンデ、もしこれが実現することになりましたら、その利用者から利用料金
という形でお金を徴収するのは可能だと思います。ただ、これを県が整備できるかどうか
ということになりますと、いまお金のないときですので、現実に他県でも民間がしておら
れる例もありますので、そういう整備であれば利用料金はとれるのかなと思います。
それと、委員がおっしゃいました「ここしか利用できない状態であれば、マリーナ等に
囲い込むのはよいこと」というご意見でございます。そういう形ができれば、もちろん言
うことはないと思いますが、やっぱりここでも河川の自由使用という原則に阻まれてしま
うことになるのかなと思います。
ただ、今回の答申案骨子に書かせていただいたのは、自然環境保全の観点からの航行規
制で、いままでになかった「自然環境を保全するために重要な水域での航行規制」を提案
させていただいております。具体的に「この場所で」というのはまだ言えないんですが、
例えば、ヨシ群落の保全地域に網をかけたりしますと、琵琶湖岸でかなりの延長にあるの
かなと思っております。
こういう手だてを一方で講じて、もう一方でできるだけ囲い込みをしたいというのが施
策の大きな方向かなと思います。あわせて我々も直罰でできると取り締まりが楽だなと思
うんですが、考えてもなかなか難しいというのがいまの時点での結論ですので、こういう
表現にさせていただいているところです。
ただ、その中にありましても、やり方をもう少し見直しまして、現実に罰則がかけられ
るような規制にしていきたいと思っております。
委員
利用に関して申しますと、4ページにこれまでの航行規制に関する「現行施
策の評価と課題」がございますが、以前、事務局から提出されました「条例ができて、利
用者の数がこのように推移してきている」というのがありまして、大幅に減っているわけ
ですが、そのへんも結果としては大きなところだろうと思いますので、このところに加え
ていただいたらというのが、私の一つの提案です。
それと、先ほどの議論の中で、私どもも悩ましく思っていますのは、マナーが悪くて地
元の方々に迷惑をかけている人がいるというところでございますが、一方では少しお金を
払ってもいいからルールやマナーを守りながらやっていきたいという人がいるのも事実で
ございまして、どちらかというと、そういった人のほうが多いのが現実でございます。
そういった意味で、悪い人たちを有効に取り締まることは、しっかりいろんな手だてを
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尽くしてやっていただきたいと思いますし、一方で、ある程度施設を整えることによって
マナーがよくなるというか、例えば、きちんと整備されているときちんと駐車するみたい
なところがありますので、そこらへんも加味しながら、そういったことが生じないような
意味での環境整備、施設整備をユーザーの方々からお金をとりながらでもできればいいな
と思います。
委員
いま悪い人を有効に取り締まるというへんが一つのポイントになっているん
ですけれども、そういった点では、県もいろいろ努力していることはわかるんです。しか
し、国としての法整備が遅れているところから、取り締まりたいんだけれども、「自由使
用」とか「何を根拠に」ということになったときに突っ込めない。
そのあたり、ルールやマナーを守って、楽しくレジャーをすることができるためには、
国としての法整備はどうしても必要になってきているんじゃないかと思うんです。いま全
国的にも問題が起こっていますから。そういう面で、全国でもそういった面での努力をし
ていただかないといけません。こういった問題が全国各地でさらに拡大していくという感
じがしますので、できたらお願いします。
委員
14ページの「リリース禁止の徹底と区域拡大」のところで、「監視体制
を強化し云々」とあって、「リリース禁止の適用範囲を琵琶湖および内湖から河川等内陸
部まで拡大すべき」というふうにあるんですけれども、僕としては、その表現がちょっと
難しいんじゃないかな、と思います。要するに「琵琶湖とどこまでなの?」というところ
ですね。河川との区切り。それがないままに「内陸部まで拡大」という表現をすると、「ど
こまで内陸部なの?」という話になりますから、「直結する水域」という表現であればわ
からないでもないですけど、そのへんはちょっと考えていただきたいなという気がします。
誤解を招くという気がします。
それと実質、外来生物法で輸入も譲渡もすべて禁止されている中で、琵琶湖レジャー利
用条例でそれを拡大するというのは、ちょっと違うんじゃないかな。ほかの外来生物法で
防除の対象となって、そういうことをしていくのならわかりますけれども、ここのレジャ
ー利用条例の中でこれをするのは、何かおかしいんじゃないか。それが私の意見です。
もう一つ、15ページの「外来魚の駆除の推進」という言葉なんですけれども、釣り人の
立場から言うと「レジャーで“駆除の推進”はないでしょう」という気がしますね。「防
除に協力」というのならわかりますけれども。そのへんの言葉だけ、ちょっと考えてほし
いなと思います。
25
事務局 ご意見を踏まえまして、考えさせていただきます。
会長
私があまり発言するのはいけませんけど、今回、航行規制区域について、例
えば、ラムサール条約の登録湿地である琵琶湖、そういうことの自然環境保全というんだ
けれども、これに基づく法的な規制を可能にするようなものがあるかどうかということで
す。そういうことでないと、先ほどもございましたが、いままでは騒音規制とか基準とか
でやってきたんだけど、それで説得力が得られるかどうか。
一方の見地からすると、それとは別に注目されるのは、いわゆる湖岸を含むあるベルト
範囲がいまの動植物の生息や生態、あるいは湖岸の住民の方の生活、あるいは環境の負荷
を軽減するようなレジャーをやる、例えば、エンジンを使わないような遊び、そういうも
のに開放できるという点で重要な役割を持っているんじゃないかと思うんですね。
それと前回、委員が出された水質調査からも、当然のことながら湖岸付近での水上オー
トバイによるベンゼンやトルエンの濃度のピークは、環境基準よりは低いんだけど、沖に
比べると全然違うということですね。それと先ほどから出ている水泳などほかのレジャー
をやっている人の安全、身の危険を伴うようなこと、そういう重要性をきちんとわきまえ
た上でどういう規制をするかということになる。
こんなことを言うと、また問題が起こるかもしれないが、騒音だけの規制じゃなしに、
ほかの規制を考えれば、いま言いましたようなことが可能であれば、それともう一つは、
水上オートバイの問題が大きくて、いろいろ迷惑をかける。危険性があるということから、
琵琶湖全域、湖周全体に、これは難しいと思うんだけれども、まず規制をかける。そうす
ると、さっきおっしゃったように、いまは規制されている区域以外のところでやっていて
も、全体が規制されていると意識的に少なくともどこでやっても湖岸から350mのところで
楽しまないといかんというある縛りが出てくるんじゃないか。
だから、騒音だけで縛っているけれども、もしもそこまで拡大することができて、ほか
の施設でもそれが円滑に管理できることを考えれば、範囲が広がるだけで、いまやってい
るものと何ら変わりはないんじゃないか。
いま私が言ったのは、それを決めるときの基準を見直せないかどうか。そこをもう一度、
検討してもらえると、かなりさっきのマリーナの件とも関係してきて、あるコントロール
が効いてくるんじゃないかという気がするのです。
ただ、琵琶湖なりのレジャーという話も出ているんですけれども、私はオートバイに乗
って走ることはしませんけど、レジャーというよりも人間の嗜好の多様化は避けられない
26
ものだし、それに伴っていろんな技術が進歩してきた中で出てくる乗り物などがあって、
それによって人が楽しむものを奪うべきではないと思います。
ただ、根本的にはここの精神である「環境負荷を軽減する遊び方」ではないが、ある程
度お金がかかるのはやむを得ない。なぜかというと、琵琶湖を守るために遊ぶんだから、
それだけの付加価値があるわけで、そういうことが大事だと思うんですね。
そのために、条例が施行されて3年たって、その間に「こうなりました」と書いてある
けど、本当にそういう見地からみた自然環境の改善に効果があったかどうか、その施策そ
れぞれについて、もう一度きちっと見直すことが大事で、いいものは続けていけばいいし、
あまり効果がなかったものは方向転換をやらないことにはいけない。一応やっていること
はやっているけれども、「大体うまいことやっています」ということではいけない。
それと見通しですね。これからいろいろ施策を実施していったときに、それが果たして
どのレベルまで達するか、効果が出てくるかという議論の上で、次の見直し案をきちっと
つくらないとまずいと思います。
だから、さっきも言ったように、レジャーでモーターボートとか水上オートバイを悪者
だと決めつけるのはいけないので、それが実際上、どういう形で行われているのか、それ
がいまの琵琶湖に対してどんな阻害をしているのか、そういうところから評価するわけで、
初めからそれを否定してかかるのはどうかなと思います。
ほかにもいろいろあると思いますね、そういう形のものは。昔のように手漕ぎのボート
だけというわけにもいかんわけでしょうから、極端に言うと、この範囲内は環境に全く負
荷を与えないような遊び方、それより沖はどうだとか、ベルト的にレジャーも範囲を制限
していくことも考えられるんじゃないかなと思うんです。
事務局
いまの会長のお話の中で、特に自然環境への改善にどこまで資したかと
いうことにつきましては、確かにプレジャーボートの航行規制は騒音規制でして、自然環
境を保全するという意味ではそれほど寄与していないと思います。そういうことから、6
ページの「(2) 自然環境保全の観点からの航行規制」は、騒音以外の基準で航行規制水域
を加えようとそういう提案をさせていただきたいと思っております。
現行の航行規制水域については、騒音に対する規制ということから「絶対に走ってはい
けない」という規制の仕方ではないわけでして、発着は許されている。ただし「徐行して
走れ」ということで、そこが取り締まりに際して取り締まりにくいという側面もございま
す。自然環境の保全からの航行規制では、ゆっくり走ろうが速く走ろうが同じことですの
27
で、おそらくこれを実施する場合には「航行禁止」という規制の仕方になるだろうと思っ
ております。
委員
おっしゃっている「ごく近辺のベルト」という問題ですけど、前回、小林さ
んが提示された管理型のゲレンデという分野の中で、ジェットをする人たちがどうやって
遊ぶんだ、どういう遊びをするんだということの考え方なんです。管理型ゲレンデでも、
そんなに近辺でやりまくるわけではなくて、揚げ降ろしができる場所があって、ある程度
のところにブイを打って、彼らがレースをできるような場所をつくるので、極端に浜に近
いところにつくるわけではないわけですね。
同時にほかにもいろいろ出ていまして、彼らだって、遊びにきたら食べたいし、場合に
よったらバーベキューもしたい。だから、そういう施設を総合的につくってやることが、
お金を払ってでも行きたい場所であって、しかもそこでいろんな教育や指導をしていくと
いう形をとろうということです。
管理型ゲレンデだから、そのへんがむちゃくちゃになるというような考え方は、全然違
う話ですし、そういうものをある程度点在させていくことによって、ほかで降ろすよりも
よりメリットの高いものになっていく。
ここから先は、まだわからないけれども、県でできないというなら、企業サイドの応援
も必要でしょう。そういう形の中でこういうファクターを幾つかつくっていくことによっ
て、無謀なものは取り締まれるんじゃないか。それから、いろんな浜への出入りは、本来
は出入りできいなように止めていただいたらいいわけで、出入りできる現状にも少し問題
があるんじゃないかと思うんです。
公園の中でも、出入りできないようにしてある公園もありますが、出入りできるように
なっているところ、河川改修のおかげで河川の先まで車ですばらしい道路が通っているよ
うな状況も、どこかで歯止めをきかすことができなければ、そのへんは大きく変わってい
くんじゃないかなと思います。
会長
いまおっしゃったようなゲレンデをきちっと整備しようと思うと、もしも条
例にその航行のことを織り込んだとしますと、平成20年までの3年足らずの猶予期間があ
るんだけれど、20年4月からそういった体制をとっておかないといかんことになるわけで
すね。果たしてその3年足らずの間にマリーナの整備が、例えば、行政とか民間とかがあ
って、見直しが来年に行われたとしても、そこで予算的なもの、いろんなことからしても、
実際の事業行為を考えても、その候補地をあげてやり得るかどうか。
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その辺のことを考えておかないと、軽々に条例に入れて、それが実現しなかったら「何
をしていたんだ」ということになる。見直しをして、20年になって、21年になったら「何
もなかった。前と一緒じゃないか」ということでは困る。
その具体的な「どれぐらいの規模でやり得るか」という実施可能なものを出してこない
とまずいと思うんです。その計画をきちっと、行政と民間の協会とかでやるとすれば、検
討していただかないといけないと思うんです。
委員
地方が管理されている小さな港湾や船溜まりがたくさんあるんですね。現実
はほとんどお使いになってないような場所もたくさんある。そういうものがたくさんある
んですが、そういうものにいま全く手が触れられない中で、県なり地方行政なりがそうい
う気になられれば、おそらく企業側もいろんな形で協力ができる。現実にそんなに大きな
投下資本が要らない状況でできる場所もかなりあるということです。
委員
さっきも出ていたかなと思うんですが、6ページの「航行規制」のところで
すね、こんなに回りくどく書かないといけないんでしょうか。最初の〇はわかります。次
の〇の「一方」から「しかしながら」まで、“一体何を言いたのか”と。すごく回りくど
いので、一つにしていただきたい。「罰則をきちっと適用する」というような書き方にし
てもらわないと困ります。なぜこんなに回りくどく書いているのかなという気がします。
もう少し整理していただいたほうがいいかなと思います。
事務局
できるだけ正確を期そうということで、こういう文章になりました。ご
趣旨を踏まえまして考えさせていただきたいと思います。
委員
道路交通法と同じような考え方で、もちろんここだけで決められることでは
ないと思います、警察も一緒に決めないといけないことだろうとは思うんですが、そこま
で踏み込まないといつまでたってもだめだろうと思いますが、このあたり、もう少しきち
っと、もちろん警察とも相談をされた上で、実行できる方法を書いておいていただきたい
なと思います。
委員
いまの直罰のあたりは重要なところだと思うんですけれども、この中では警
察との連携・協働と、県での連携ですね。特にいま不法占用の取り締まりを条例改正で河
港課がやっていますね。そうすると比良川河口の問題でしたら、不法占用取り締まりとな
り、河川法で取り締まるわけですね。そういうところと連携しながら当たっていかないこ
とには、騒音とか自然環境の問題だけでは取り締まれない。そのへんを組み合わせて効果
をあげていくように、庁内でもさらに検討してほしい。
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これも近江舞子の事例ですけれども、あそこも地元で監視態勢をしておられるので、水
泳シーズンは二重のブロックがかかるわけですね。水上安全条例で遊泳区域にロープを張
りますから、そこは禁止区域で、さすがにそこにはなかなか入ってこない。ところが、遊
泳禁止区域と琵琶湖ルールの350mの間は、規制区域なんですけれども、そこでは競艇場み
たいに走り回っている。そういう実態があると言われているわけです。
そのへんは、いまの水上安全条例だったら禁止区域ができて、そこでは走れない。かな
り厳しい規制がかかるということで、そのへんの組み合わせも一つには考えられるのでは
ないかなと思いますので、直罰は難しいかもわからないけれども、そのへんとの連携によ
る切り込みをやって、早く実効性のある条例にしてほしいなと思います。
事務局
いま委員のおっしゃいました県の組織内の連携は、私も全く同感でござ
いまして、不法占用との関係、不法係留との関係、いずれも連携しないとなかなか片づか
ない問題だと思っておりますので、ぜひ連携は密にしたいと思っています。
それから、直罰については、この骨子案にも書かせていただいているんですが、現時点
での検討では、直罰化はなかなか難しいというのが私どもの考えでございます。だから、
現状の規定の中で、できるだけ効果のあるような取り締まりをしていきたいと思っており
ます。
委員
例えば、イエローカードみたいな状況も必要かもしれませんね。「2回目は
レッドカードだ」という形でやればいい。だから、検査登録番号は当然わかるわけですか
ら「じゃ、この船はイエローカードが1枚だよ。次にやったら、あなたはレッドカードな
んだよ」という方法もあるかもしれません。
委員
いろいろな提案が可能だと思うんですけど、これは、琵琶湖を預かる県の行
政がどこまで筋を曲げずに実行するかという意思の問題もかなりかかっていると思うんで
すね。
細部にはいろいろあると思いますけれども、私はいつも滋賀県の行政を考えるときには、
富栄養化防止条例のときの石鹸工業会の問題、内閣の法制局にも難しいと言われながら、
あのときに行政が一致して琵琶湖をどうにかしたいと思った、あれぐらいの精神があった
ら、直罰の話も含めて、突破できるんです。その突破できる姿勢を県が持っていないから、
県民もますます琵琶湖から離れて、頭では共生と言いながらどんどん琵琶湖に対する愛情
がなくなっていく。それがいまの県政の方向ではないかということです。
これは精神論ではありますけれども、行政は大変な権限を持っていますし、お話を聞く
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と“賢いな”と思います。こんな手があったのか、あんな手があったのかと思うぐらい、
いっぱい考えてくださいますよね。そのいっぱい考えるところで、ぜひとも基本的にどう
したらいいのかということや琵琶湖を守り続ける精神をぜひとも行政のほうで工夫をして
いただきたい。
会長
きょうは、2サイクルエンジン、航行規制区域、リリース禁止の問題等、全
般にわたってそれぞれご意見をいただいて、必ずしもベクトルにまとめるのは難しいかも
しれないが、前回に比べると、かなり具体性のある、実効性のあるようなご意見があった
ので、これは答申の骨子案になっているけれども、むしろこれから見直した後に方向と具
体的な何かを示さないことには、精神論だけ書いておいてもいけないので、「これはやり
ます」というぐらいのことを書く必要があるんじゃないか。
法的に満足しているかどうかとか、あらゆる面から検討しないといけないけれども、検
討した上で可能なかぎり、さっき言ったように、レジャーについて琵琶湖の負荷を低減し
ていくことを、この見直しによって、例えば、次の3年までにどの点が可能か、どのへん
まで可能かということについて、できることを挙げておく必要があると思うんです。
そのつもりで、次までに原案をつくってください。
(2)その他
事務局
次回は11月16日の水曜日でございます。また、17回目審議会は欠席が多
く見込まれるため、日程は再度調整をさせていただきたいと思います。
3.閉
会長
会
それでは、長時間、非常に熱心にご討議をいただきました。どうもありが
とうございました。
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