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About ME310.
スタンフォード大学 デザインイノベーションプログラム
ME310
Real Companies.
Real Project.
Real Design.
STANFORD UNIVERSITY
ME310 プロジェクト概要
コンセプト
プロセス
ME310 について
コミュニティ
コースについて
2010 年∼ 2011 年 UPM プロジェクト
京都工芸繊維大学 プロジェクト事例
2009 年∼ 2010 年 KEMPPI プロジェクト
NOKIA プロジェクト
Daikin Industries, Ltd. プロジェクト
その他 プロジェクト事例
Abbott Diabetes Care プロジェクト
BMW プロジェクト
ME310
CONCEPT,
GROBAL COMMUNITY,
SCHEDULE,
DESIGN METHOD,
コンセプト
Real Companies. Real Projects. Real Designs.
ME310 はスタンフォード大学によって主催される国際間デザイン実践プログラムです。世界中の学生と企業が
参加しており、国際間で結成される多国籍・多分野チームによってプロジェクトが進行されます。
一般的な学生のエンジニアリングプロジェクトと違い、学生が機能やユーザビリティ、企業からの要求や社会的
意義をフルに思考しながら価値のある製品提案を目指します。一年を通じてプロトタイプ制作やテストを繰り返
し、明確なコンセプトに裏付けられた製品を創りだします。
Stanford Design Innovation Process
課題設定
リフレーミング
ユーザーテスト
フィードバック
調査
ニーズの発見
プロトタイピング
アイデア創出
デザイン思考を用いた開発プロセス
学生はこのプログラムを通してデザインイノベーションプロセスを学びま
す。調査とニーズの発見、アイデア創出、プロトタイピング、ユーザーテスト、
課題のリフレーミングを繰り返し行い、質の高いアウトプットを目指します。
ME310 は、このプロセスに異文化・異分野の刺激が加わることで、参加学
生と企業にとって全く新しい考え方や経験を創りだすプログラムです。
グローバルコミュニティ
国際間産学連携プロジェクト
ME310 は世界中の大学と企業が参加する国際プロジェクトです。
2010 年度は世界 8 大学が参加しました。
2010 年度 ME310 参加大学
Stanford University
Nasional Avtonoma de Mexico
アメリカ
メキシコ
Aalto University
Pontificia Universidad Javeriana
フィンランド
コロンビア
京都工芸繊維大学
University of St.Gallen
日本
ドイツ
Hasso Plattner Institut
Ecole des Ponts Paris Tech
ドイツ
フランス
ME310 2010 年度 参加チームマップ
異分野・異文化の視点
各プロジェクトはスタンフォード大学を中心とした国際的大学間コ
ラボレーションにより運営されます。メンバーの多様性は多くの技
術的視点と文化的視点をもたらします。プロジェクトを通して学生
同士が異分野・異文化と関わり、様々な視点からのアプローチを体
験します。企業においても同様に異分野・異文化からの視点を取り
入れるチャンスといえるでしょう。
ME310 チーム構造
Teaching Team
Student Team
Student Team
Teaching Team
Project Team
Stanford
Academic Partner
学生 + ティーチングチーム
各大学には参加学生を強力ににバックアップするティーチングチー
ムが存在します。ティーチングチームは各大学の教授及び過去に
ME310 に参加した学生により構成されます。参加学生は講義と
ティーチングチームのバックアップによってデザイン思考の方法論
を理解し実践してゆきます。参加学生は週に 1 度ティーチングチー
ムに対してショートプレゼンテーションを行いフィードバックを得
ます。
プロジェクト日程
多くのチェックポイントから成り立つカリキュラム
プロジェクトには多くのチェックポイントが設定されています。報告書の提出とプレゼンテーションを始めとする
多数のチェックポイントにより着実にプロジェクトが進行するようにカリキュラムが設定されています。
11 月
12 月
1月
2月
Paper Bike
Persona
Critical Function Prototype
Presentation
Paper Bot
Funky Prototype
Critical Experience Prototype
Documentation
Dark Horse Prototype
Turning Point Presentation
User testing & insights
Brochure
ペーパーバイクチャレンジ:
ME310 のプロセスを体験す
るミニプロジェクト
ペルソナ設定:
ユーザーのペルソナを立てる
CFP/CEP:
プロトタイプによるユーザー
テストを行い、フィードバッ
クを分析する
報告書 :
報告書を提出する
プレゼンテーション:
ペーパーボット:
ファンキープロトタイプ:
プロジェクトのビジョンをプ
プログラミングを行いロボッ
アイデアの簡易プロトタイプ
レゼンテーションする
トのラピッドプロトタイプを
を制作する
報告書:
制作するワークショップ
プレゼンテーション:
プロジェクトの経過を報告書
ダークホースプロトタイプ:
折り返し地点での報告を行う
にまとめ提出する
プロジェクトのダークホース
となるアイデアのプロトタイ
プを制作する
6 月のファイナルプレゼンテーションについて
6 月にスタンフォード大学にて全参加チームの最終プレゼンテーションとそれに伴う展示会が開催されます。この
プレゼンテーション及び展示会は公開する形式で行われ学内外から 400 名の観覧客が訪れます。この展覧会はプロ
ジェクト参加企業を始めパロアルト近郊のデザインファームや IT 企業のエグゼクティブとの交流の場となります。
3月
4月
5月
6月
Executive Briefing
Functional System Prototype
Documentation
Final Output Plan
Final Brochure
EXPE Presentation
Poster
EXPE Design Fair
Documentation
FSP プロトタイプ:
検討中の機能を実現するプロ
トタイプを制作しテストする
報告書:
最終アウトプットに向けた報
告書を提出する
最終アウトプット決定:
最終アウトプットを確定しプ
ランニングする
最終アウトプットのまとめ:
最終アウトプットを 1 枚の
用紙にまとめる
ポスター制作:
プロジェクトをまとめポス
ターを制作する
エグゼクティブブリーフィン
グ:
参加企業と各校の教授に対し
て最終プレゼンテーションを
行う
EXPE プレゼンテーション:
プロジェクトの成果をプレゼ
ンテーションする
EXPE Design Fair:
プロジェクトの展示会を行う
最終報告書 :
最終報告書を提出する
イノベーションのための環境とサポート
デザイン思考の要・プロトタイピング
初期の概念を表現する簡易なものから最終段階の精巧なもの
までプロトタイピングはデザイン思考的方法論の要となりま
す。学生は自らのビジョンを明確にし設計条件をテストする
ために多くのプロトタイピング手法を実践します。
全ての知的資源を報告書として提出
学生はプロジェクトの全記録として報告書を制作します。制
作したプロトタイプや結果的に失敗したテストなども全て貴
重な知的資源としてクライアントに帰属します。
プロジェクトスペース「LOFT」
学生には各大学で専用のデザインスペース「LOFT」
があたえられます。共同空間が与えられることで学生
たちは心身一体となって作業に取り組むことができま
す。ここでは簡単な試作品を制作する環境とグローバ
ルコミュニケーションに必要なツールを備えていま
す。学生チームは自分達の作業スタイルに合わせて
ワークスペースを設計し快適な作業空間を形作ってい
きます。最終的に確立された LOFT はまさにイノベー
ション文化を象徴していると言えます。
展望を示すプレゼンテーション
将来の展望を共有することでイノベーション活動を推
進していくことは ME310 プロジェクトの最大の課題
の1つです。学生チームは8ヶ月にわたるプロジェク
ト活動の中で、クライアント企業も含めたデザインコ
ミュニティに向けた正式なプレゼンテーションを 3 回
行います。これらのプレゼンテーションを通じて技術
的革新や試作品の成果を提供することで、クライアン
トの要望に対する魅力的な展望を示します。
ME310 x KIT
2010 KIT x AALTO x UPM PROJECT,
2009 KIT x AALTO x KEMPPI PROJECT,
UPM プロジェクト
京都工芸繊維大学・アアルト大学(フィンランド)
2010 年
2010 - 2011
KIT
プロジェクトメンバー
三澤建人
プロダクトデザイン
吉田瑠美
プロダクトデザイン
長尾真実子
プロダクトデザイン
インテリアデザイン
川島晴菜
Aalto
Paul Warrunthorn Kittiwongsunthorn
インターフェースデザイン
木工エンジニア
Heikki Soininen
Tuomas Sahramaa
ビジネス
Julia Pettersson Hakava
建築
京都工芸繊維大学・アアルト大学
京都工芸繊維大学から 5 名のデザイナー、アアルト大学から木工
エンジニアとビジネス、建築を専門とするメンバーがチームを組
んでプロジェクトに参加しました。
新素材を活用するパッケージング
クライアントにフィンランドの木材製材会社 UPM を
迎え、新開発された UPM Grada という合板を用いて
“パッケージング”或いは“ケーシング”をテーマに
提案を行いました。UPM は世界中で高いシェアを得
ている製紙・製材企業であり、特に合板及び印刷出版
用紙ではヨーロッパ第1位のシェアを誇ります。
新開発の合板 ”UPM Grada”
UPM Grada は曲げ加工に特化した合板であり、熱を
加えて曲げ加工を行い常温で冷ますと、その場で曲げ
木として形状が保たれる特性があります。これによっ
て曲げ加工のプロセスを容易に短時間で行うことが可
能になります。また UPM Grada は有害物質を含まず
安全性やエコロジーの観点からも優れた材として開発
されました。
製品提案:TUPA
2010 - 2011
背景:マタニティパッケージ
現状の分析と問題
フィンランドの保険庁”Kela”は、家庭に子供ができ
Maternity Package にはクッションが付属されてお
ると”Maternity Package”を送るサービスを行って
り、そのパッケージである段ボール箱を0ヶ月から
います。Maternity Package には0歳から3歳程度
4ヶ月程度の赤ちゃん用のベビーベッドとして使うこ
まで使用できる子供の衣服やお世話グッズが詰まって
とができるようになっています。約80%の家庭で実
おり、国民は無料でこの Maternity Package を受け
際にベビーベッドとして使用されている一方、段ボー
取るか、約3万円の現金を受け取るかを選択できます。
ル箱に赤ちゃんを入れて育てるのは如何かという議論
が母親たちの間で実際に起こっておりその議論は
Web 上でも確認されています。またベビーベッドと
しての機能性が脆弱であり、多くの問題点を抱えてい
ます。
提案:パッケージイノベーション
子供の成長に合わせた機能の変化
TUPA はこの Maternity Package の新パッケージの
0ヶ月
提案です。曲げ木を使うことで人と接する家具として
0∼6ヶ月
の暖かさや優しさ、家の中での暖かな存在感を生み出
6ヶ月∼4歳
します。TUPA は子供の成長に合わせて変形し、4つ
4歳∼
の段階で子供の成長をサポートします。
パッケージ
ベビーベッド(スイング機能付き)
テーブル&チェアセット
おもちゃ箱
製品提案:TUPA のライフサイクル
2010 - 2011
0 months
MATERNITY PACKAGE
0 months - 6 months
ROCKING CRIB
既存の段ボール製パッケージに替わり、曲げ木を用い
0ヶ月から6ヶ月の間、ベビーベッドとして使用する
たパッケージに入ってベビーグッズが送られます。小
ことができます。曲げ木の滑らかさや木の暖かさが人
さな家をモチーフにしたスタイリングで、屋根部分に
と接するベッドとして効果的に作用します。また脚部
はテキスタイルを貼って仕上げています。このテキス
はゆるやかな曲線で支えられており、ゆりかごとして
タイルはユーザーがカスタムオーダーすることができ
左右にスイングすることができます。木の温かみを感
ます。テキスタイルと組み合わせた合板を作る技術は
じると共に人体に無害という UPM Grada の特性を生
UPM Grada の特性の一つです。
かしています。
6 months - 4 years
TABLE & CHARE SET
4 years
TOY BOX
6ヶ月から4歳の間、子供用テーブル&チェアセット
4歳から、おもちゃ箱や収納ボックスとして使用する
として使用することができます。椅子の背にある穴を
ことができます。フィンランドでは Memory Box を
使ってアタッチメントを取り付けることができ、赤
持っている家庭が多く TUPA は Memory Box として
ちゃんを守るベビーチェアとして使用することができ
一生活用することができます。既存の段ボール製パッ
ます。また、椅子は向きを変えてスツールやステップ
ケージがすぐに捨てられてしまうことに対し TUPA は
として使用できます。サイズはすべて子供用に合わせ
一生をユーザーと添い遂げるロングライフプロダクト
てありますが、大人の荷重にも耐えられる強度で設計
としてデザインされています。
されています。
KEMPPI プロジェクト
京都工芸繊維大学・アアルト大学(フィンランド)
2009 年
プロジェクトメンバー
日本人 ( デザイナー 3 人・メカニカルエンジニア 1 人・コンサルタント 1 人 ) フィ
ンランド人 ( メカニカルエンジニア 1 人・音響エンジニア 1 人・マーケッター 1 人・)
の 8 人でフィンランドの溶接会社 KEMPPI をクライアントに取り組みました。
中国の造船市場に向けた製品開発
クライアントはケンピというフィンランドの溶接機器を
開発・販売しているメーカーです。ヨーロッパ市場にお
いては強いシェアをほこっており、近年アジア市場、特
に中国への進出を考えていました。中国上海の造船場を
実際に見学に行き、観察からいくつかの問題点をとりあ
げ、マーケットの分析を行いました。そして、その問題
点へのソリューションを展開しました。ここでは最終ア
ウトプットを中心に掲載します。
現地での観察から得た問題点
大きな問題としてひとつ、電流電圧の調整をするために、
わざわざ本体のインバーターまで行かなければならない
ということが挙げられました。中国では作業効率を最も
求められるため、できるだけスムーズに仕事をこなせる
ようにするべきだと考えました。
製品提案:RAS
RAS(Remote Adjustment System)
Ras(Remote Adjustment System)は溶接のための新しいタイプ
のワイヤレスコントロールシステムです。電流、電圧をコントロールで
き、溶接時のワイヤーの送り速度も調節できます。
これはME310プロ
ジェクトにおいて開発された新しいシステムです。
1
4
溶接機の調節ダイアル
チャックを回して軸に
を外す。
固定する。
2
5
鉄のチッププレートを張
ダイヤル回転させて調
り付ける。
節する。 3
6
Ras Hatを取り付ける。
溶接時に面体に装着
し使用する。
System
Wire
feeding
speed dial
Voltage
adjustment dial
DOWN
Sending the signal
RAS Controller
Rotates the dial
Rotates the axis of the dial
Getting the optimal
value
Voltage
adjustment dial
Wire feeding
speed dial
RAS HAT
Welder
PROJECTS
NOKIA PROJECT,
DAIKIN INDUSTRIES, LTD. PROJECT,
ABBOTT DIABETES CARE PROJECT,
BMW PROJECT,
NOKIA プロジェクト
Project Topic: Very Human Technology
Corporate Partner: Nokia
撮る
SNAP
Snap it when you see something worth
commenting or you just want to mark.
描く
Ki'i
The Ki'i concept in multiple colors
(2007)
世界最大の携帯電話生産会社である Nokia の課題
は従来携帯の概念にとらわれない、次世代の「開
かれたインターネットコミュニケーション文化」
Ki’i
Ki’i it to draw your hand written comments
and express your thoughts and feeling.
共有する
Share
の提案を行う、というものでした。Web2.0 によ
Share it with friends, family,or other
る最近の傾向やユーザー調査から「Ki’i」と呼ば
people in the Ki’i community.
れるイラストやコメントを描いた画像共有が出来
る携帯機器を開発するに至ります。Ki'i で撮影した
画像は、編集し、あらかじめ設定したグループ内
での共有、またインターネット上での公開を行う
ことが出来ます。Ki'i の開発によって生まれたアイ
デアは今日の新たなウェブサービスや携帯電話の
アプリケーションなどの市場に登場しています。
Daikin Industries, Ltd. プロジェクト
Project Topic: Personal Air Conditioning
Corporate Partner: Daikin Industries, Ltd.
Aura-780
The Aura-780 Personal Air Conditioning System
(2006)
世界第2位を誇る空調設備生産会社であるダイキ
ンの課題は「小型空調設備の新たな用途を提案す
る」というものでした。
学生チームはユーザー調査や技術的検討から、個
人の快適性に着目したパーソナル空調システム、
「Aura-780」を提案しました。
Abbott Diabetes Care プロジェクト
Project Topic:
User Interface Research and Design for
Future Blood Glucose Meters
Corporate Partner: Abbott Diabetes Care
Future Blood Glucose Meters
Sample interface screenshots
(2006)
Abbott Laboratories 社の糖尿病ケア部門の課題
は次世代にむけた血糖測定器とインターフェース
のデザインを行うというものであった。学生チー
ムはスタンフォードメディカルセンターでユー
ザーや医療従事社、工業技術者の協力をもとに密
接な調査を遂行し、数多くの試作品を制作した。
使いやすさや扱いやすさの向上はもちろんのこと、
動作改善のためのフィードバックを提供すること
で糖尿病の自己管理向上を促進する革新的な血糖
測定器です。
BMW プロジェクト
Project Topic:
Improving the Open Air Experience
Corporate Partner: BMW
OpenRoad
The OpenRoad concept installed in the BMW 3-series
convertible (2005)
オープンカーでスピードを出すと気流によって風
が後ろから吹き付けるため、髪の毛が顔にかかっ
てしまいます。不愉快な逆風を無視するのか、も
しくはオープンカーの魅力を損なう不格好で見苦
しいスクリーンを窓に取り付けるのか。学生チー
ムは運転席と助手席の間に通気口を設けることで
問題を解決する方法を見いだしました。試作品に
よる検証によって、気流のわずかな変化が大幅に
乗客の快適性を向上出来ることを証明しました。
このアイデアは現在特許を取得し、フロントガラ
スに穴を設けることなく実現するため、本格的な
開発事業がなされています。
過去の参加企業
our inovation journey
Designed by Team UPM Japan
Haruna Kawashima
Kento Misawa
Mamiko Nagao
Paul Warrunthorn Kittiwongsunthorn
Rumi Yoshida
Fly UP