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第 46 節 民間流通在庫活用等による物資等供給
風水害・雪害対策編 第 3 章第 46 節 「民間流通在庫活用等による物資等供給」 第 46 節 民間流通在庫活用等による物資等供給 【本所】財政班、農業班、輸送・交通・情報等班、災害対策班 【庁舎】産業班、総務企画班 【関係機関】 ・応援協定企業、日本赤十字社山形県支部、県・市社会福祉協議会、 (社)山形県トラック協会 ・自衛隊 ・県災害対策本部 1 計画の目的 市は、被災者及び災害応急事業従事者に対し、食料物資等を供給する必要が生じた場合は、 県、民間業者及び防災関係機関等との相互連携により流通在庫等を確保し、速やかに供給する。 また、被災者に対し生活必需品を供給する必要が生じた 場合も、県、民間業者及び防災関係機 関等との相互の連携により迅速かつ的確に供給する。 <達成目標> 市民は、避難にあたり、最低限の食料、飲料水、生活必需品等(以下「物資等」という)を 携行するものとする。また、市は、災害時応援協定に基づき、民間流通在庫、民間企業の配送 体制を活用し、下記のとおり速やかに被災者へ供給する。 (1)食料・飲料水 食料・飲料水食料の供給は、概ね次の計画を目安とし、災害の規模に応じて調整する。食 料 は 1 日 2 回以上提供する。 ・避難~12 時間以内:住民、企業(事業所)等による自己確保 ・避難 12 時間後~災害 72 時間後~:おにぎり、パン等の簡単な調達食、災害時 応援協定先 からの食料品供給や自衛隊等による配送食 ・災害 72 時間後~ : 自衛隊、日本赤十字社、ボランティア、住民等による現地炊飯(炊き 出し) (2)生活必需品 タオル、着替え、衛生用品、乳児用粉ミルク、おむつ(小人・成人用)、毛布、仮設トイレ などの供給は需要の把握からおおむね 12 時間以内に、その他一般的な物資の供給は 、概ね 24 時間以内に行うことを目標とする。 2 各段階における業務の内容 避難勧告 食料供給量の把握 風水害発生中 調達食の配給 協定等に基づく食料等の調達 避難所へ寝具、日用品、乳児用品 (広域応援要請) 361 風水害・雪害対策編 第 3 章第 46 節 「民間流通在庫活用等による物資等供給」 発災後 1 日以内 3 炊き出し等による食料の供給 その他生活必需品の供給 各主体の役割 (1)市の役割 ア 被災者への物資等の供給を行う。 イ 職員の配置・巡回により避難者の需要を把握する。 ウ 自力で必要な物資等を確保できない場合は、県に支援を要請する。 エ 避難が長期化した場合、食事の提供から段階的に食材提供による自炊へと移行し、避難 者の自立を促す。 (2)県の役割 物資等の調達、輸送の代行、県及び他市町村職員の応援派遣等により市を支援する。 (3)日本赤十字社山形県支部の交付 日本赤十字社山形県支部長は、 「災害救援物資の交付に関する要綱」に基づく救援物資の要 請があった場合は、鶴岡市地区長の調査に基づく必要量を交付する。 (4)市民の役割 地域住民は、避難にあたり最低限の食料、飲料水及び生活必需品等(以下「物資等」とい う。)を携行するものとする。 4 食料品の供給 (1)市の実施体制 ①食料供給対象者 市は、次のいずれかに該当する者に対して、食料品の給与を行う。 ア 避難所に収容された者及び避難所に避難した者で、食料の持ち合わせがない 者 イ 住家の被害によって炊事のできない者 ウ 旅行者、一般家庭の来訪者、鉄道の旅客等であって、食料の持参又は調達ができない 者 エ 被害を受け一時縁故先等に避難する者で、避難先に到達するまでの間、食料の持ち合 わせがない者 オ 被災現場において、防災業務及び防災活動に従事している者で 、食料の供給を必要と する者 カ その他災害により食料が必要な者 ②調達する主な食料品 ア 米穀、食パン、即席麺類、レトルト食品 イ 乳児用ミルク、牛乳 362 風水害・雪害対策編 第 3 章第 46 節 「民間流通在庫活用等による物資等供給」 ウ 副食品(缶詰、漬物、佃煮)調味料 エ 仕出し弁当、おにぎり(被災地区外から調達) オ あめ、チョコレート等の嗜好品類 カ その他被災地域周辺で容易に調達される生鮮野菜類 ③調達体制 物資の調達については、保管場所、輸送手段、使用期限等を勘案し、発電機、毛布 等必要 最低限の備蓄以外は、予め災害時応援協定を締結した民間企業等から調達するものとする。 民間企業等の持つ流通在庫を活用し、避難所への直接搬送も含めた災害時の迅速な対応に努 める。 ④供給体制 市は、被災住民に食料を供給する場合は、各段階を考慮し供給するとともに、避難所等供 給先には責任者を定めて受け入れの確認及び受給の適正化を図り、公平に配分する。また、 市は、炊き出しを実施する場合は、次により行う。 ア 炊き出しは、原則として避難所内又はその近くの適当な場所を選び、既存の給食施設 若しくは仮設給食施設を設置して自ら又は委託して行う。 イ 炊き出し要員が不足する場合は、地域の自主防災組織、日赤奉仕団、ボランティアに 協力を要請する。また、必要に応じ、知事に対し自衛隊の派遣要請を依頼する。 ⑤広域的調達体制 ア 他市町村への要請 市は、必要な食料の調達ができないときは、応援協定締結都市及びその他の市町村に 次の事項を明示して応援を要請する。 a 食料の応援要請(品目、数量、引渡期日、引渡場所、その他必要な事項) b 炊き出し用具等の応援要請(人員、器具、燃料、数量、場所、期間、その他必要な 事項) イ 県への要請 市は、他市町村等の応援でも十分な食料の調達ができない 場合は、次の事項を明示し て県に応援を要請する。 〈要請項目〉 a 品目別の調達要請量(自己の調達可能量、他市町村への調達要請の有無及び調達見 込量) b 引き渡しを受ける場所及び引き受け責任者 c 連絡課及び連絡責任者 d 荷役作業員の派遣の必要の有無 ⑥食料の衛生管理、栄養指導体制 食料の衛生管理及び栄養指導については、第 3 章第 12 節「防疫保健衛生対策」の「4業 務の内容(3)食品衛生監視及び(4)栄養指導」により実施する。 363 風水害・雪害対策編 第 3 章第 46 節 「民間流通在庫活用等による物資等供給」 (2)県の実施体制 県は、市から要請があった場合又は必要と認めた場合は、次の措置を講ずる。 ア 備蓄物資の放出、供給 イ 食品関係機関からの確保・供給 ウ 迅速な輸送、集積 エ 県の行う応援要請 a 被災地以外の市町村に対しての指示又は調整 b 自衛隊への要請 c 他の都道府県に対しての要請 d 国(山形農政事務所)に対しての要請 (3)災害時要援護者に対する配慮 高齢者、食物アレルギー患者及び腎臓病患者へのたんぱく質制限等に配慮した食事提供 、 並びに粉ミルク及び使い捨てほ乳びん等の提供により、乳幼児や子供に対応する。 5 生活必需品の供給 (1)市の実施体制 ①生活必需品供給対象者 供給対象者は、災害によって住家被害等により日常生活に欠くことのできない生活必需品 を喪失、又は棄損し、しかも資力の有無に関わらず、これらの物資を直ちに入手することが できない状態にある者とする。 ②生活必需品の範囲等 ア 寝具(毛布、布団等) イ 被服(肌着等) ウ 炊事道具(鍋、炊飯器、包丁等) エ 食器(茶碗、皿、はし等) オ 保育用品(ほ乳びん、おむつ等) カ 光熱材料(マッチ、ローソク、液化石油ガス等) キ 日用品(石けん、タオル、ちり紙、歯ブラシ等) ク 生理用品 ケ 暖房器具 ③備蓄体制 生活必需品の調達は流通備蓄により行う。 ④調達体制 ア 災害時食料品等の供給協定先等から調達する。 イ 被災の状況等により、市において十分な量が確保できない場合は、県又は他の市町村 に調達、供給を依頼して調達する。 364 風水害・雪害対策編 第 3 章第 46 節 「民間流通在庫活用等による物資等供給」 ⑤供給・配分 市は、被災住民への生活必需品の供給・配分を次により行う。 ア 生活必需品を供給する場合は、避難所ごとにそれぞれ責任者を定めて受け入れ確認及 び需給の適正を図る。 イ 住民への事前周知等を徹底し、公平な配分を図る。 ウ 災害時要援護者への優先配分を図る。 (2)県の実施体制 県は、市から要請のあった場合又は必要と認めた場合は、次の措置を講ずる。 ア 備蓄生活必需品の放出、供給 イ 関係企業への供給の要請 ウ 迅速な輸送、集積 エ 調達が本県のみで対応が困難な場合は、北海道、東北 8 県相互応援協定又は、全国都道 府県知事災害時広域応援協定に基づいて広域応援要請を行うとともに、必要に応じて、東 北経済産業局に対し斡旋を要請する。 (3)日本赤十字社山形県支部の交付 ア 日本赤十字社山形県支部は、 「災害見舞物資配分基準」に基づき、毛布等の交付を行う。 イ 日本赤十字社山形県支部は、被災市町村の地区長又は分区長が実施する必要量調査に基 づく要請により、必要な物資を交付する。 (4)積雪期の対策 市、県及び国は、供給物資の輸送を円滑に行うため、輸送経路の除雪等に万全を期すとと もに、降雪状況を考慮し屋内集積施設の確保等必要な措置をとる。 365