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イスラム諸国における化粧品市場調査結果(インドネシア共和国) 概要

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イスラム諸国における化粧品市場調査結果(インドネシア共和国) 概要
イスラム諸国における化粧品市場調査結果(インドネシア共和国)概 要
1 趣 旨
県内化粧品事業者の商品開発及び販路拡大の一助となる情報を得るため、インドネシア共和国における化粧品
市場調査を実施しました。
2
調査対象
インドネシア共和国在住のイスラム教徒で20歳以上60歳未満の女性
3
調査内容
(ア) インドネシア共和国国内での化粧品市場調査(25項目)
(イ) 訪日経験のある人への化粧品市場調査(6項目)
4
調査数
有効回答数
5
277サンプル
調査方法
インターネットによるアンケート調査 (委託先:
6
)
アンケート実施期間
平成27年7月24日~平成27年7月28日
結果概要
1
回答者の属性
(1) アンケート回答者は、インドネシア在住者を対象とし、20 代、30 代、40 代がほぼ 3 割ずつ、50 代が 8%弱
となっている。回答者の 35%が自営業、40%程度が会社員であり、インドネシアの平均月収が 650 万イン
ドネシアルピア(IDR)程度のところ、回答者で最も多い所得層は平均よりやや低い 400 万~600 万 IDR 未
満であったが、全国平均の 3 倍近い 2 千万~3 千万 IDR の層の回答者が次に多かった。
※1IDR≒0.01 円(2016 年 1 月時点)
2 化粧品・トイレタリー製品の使用・購入状況
(1) 化粧品・トイレタリー製品は、
(化粧)石けん、シャンプー、洗顔料、香水、口紅の順に多く使用・購入し
ており、それぞれ 60%を超えている。続いて、おしろい・パウダー、化粧水、入浴剤等も半数以上が使用・
購入している。
(2) 各製品の価格帯としては、香水・オーデコロンを除いた商品では、15 万 IDR 以下の製品が大半を占めてい
る。
化粧品・トイレタリー製品の月間購入額は平均して 8,000-9,000IDR 程度である。
全体の約 8 割が、5,000IDR
以上の製品を購入している。
(3) 化粧品の購入場所は、ハイパーマーケットが 55.2%、次いで化粧品専門店が 37.2%、スーパーマーケットが
32.1%、百貨店が 24.9%となっている。購入場所ごとの購入価格は、雑貨屋が最も高く 8,400IDR であった
が、百貨店、ハイパーマーケットでも 8,000IDR 前後となっている。またエステサロン・スパ、雑貨屋、百
貨店及び化粧品専門店では、他の購入場所に比べて価格帯の高い製品(1 万 IDR 以上)を購入する人の割合
が半数以上を占めている。
(4) 化粧品の情報源は、テレビ CM からが 90.6%、雑誌 36.1%、友人・知人等の評判・口コミが 31.4%、美容
専門家の SNS が 27.1%、メーカーのホームページが 26.4%となっている。
1/3
(5) メイクアップの参考にしている有名人・セレブリティは、上位 5 位までをインドネシア人が占め、1 位の
Dian Sastro(モデル出身の女優、33 歳)が 45.8%、2 位は Sandra Dewi(女優、32 歳)が 35.7%、3 位は Zaskia
Adya Macca(女優、27 歳、ムスリム)22.0%となっている。ハリウッド系の有名人・セレブリティの 1 位は
Angelina Jolie で、全体では 6 位、13.0%となっている。
3 礼拝時のメイク
(1) 礼拝時には化粧を落とす回答者が 90%を超え、マニキュアを落とすという回答者も 80%近くに上る。一方、
化粧落としは「水のみ」の回答が半数近くに上っている。
4 ハラール認証
図 1:化粧品購入時重視する視点(複数回答,n=277)
(1) 化粧品の購入時に重視する視点は、アジア
0
10
20
30
40
50
60
70 (%)
らしく「日焼け止め効果」が 60%を超えて
日焼け止め効果
61.4
1 位となっている。
「使い心地」も 60%を超
使い心地
60.6
え、
「ハラールロゴの有無」も 50%を超え
ハラールロゴの有無
54.2
肌への優しさ
54.2
ている。
(図 1)なお、世代別にみると、30
価格
43.0
代は、化粧品に対する要求水準(日焼け止
香りの良さ
36.5
め効果、使い心地、肌への優しさ、価格な
メーカー・ブランド
35.4
美白効果
30.3
ど)が他の世代より高い傾向がみられる。
その商品を使ったことがあるかどうか…
28.5
一方で、50 代は化粧品に対する要求はあま
友人・家族等の評判・口コミ
24.9
り高くないが、ハラールロゴの有無につい
成分表示
23.1
ては、重視する人の割合が 80%近くと突出
色のバリエーションの豊かさ
18.1
広告
12.3
している。その結果を反映し、ハラール認
原産国
12.3
証の化粧品とトイレタリー製品を使って
パッケージデザイン
7.6
いる回答者は 80%を超えている他、今後も
店頭や売り場のイメージ
6.5
内容量
6.1
ハラール認証化粧品・トイレタリー製品が
販売員の対応
5.4
増加することへの期待が高まっている。特
に、使用者の多い、(化粧)石けん、洗顔
料、シャンプー、香水、口紅等において、
ハラール認証化粧品のニーズが高い。
(2) 全世代を通じて 80%以上が、ハラール認証マークのある化粧品・トイレタリー製品のみを使うと回答して
いるが、年齢が上がるほど、その割合は上昇し、50 代では 95%となっている。
5 パッケージ
(1) パッケージは、ピンク、白、赤、緑等の色調のもので、デザインは、クールでシンプル、モダンなものが好
まれている。ただし、パッケージは世代ごとに好みが分かれ、20 代はピンクや緑、30 代はピンク、40 代は
赤、50 代は白が好まれている。
6 日本ブランド
(1) 日本ブランドの使用経験は 96%と高く、主に(化粧)石けんや洗顔料、シャンプー等の日本製品が使用さ
れている。世代別にみると、20 代、30 代は、
(化粧)石けんなどの日本ブランドを購入した経験を有する人
の 49%、52%と割合が高い傾向がみられる。
他方、50 代は全体の日本製品の使用率は低いものの、洗顔料(36%)、
香水(23%)、化粧水(27%)、一般クリーム(23%)、乳液(32%)、ファンデーション(23%)といった比較的高価な
商品の利用経験がある人が多い傾向がみられた。
(2) 日本ブランドの使用理由は、「広告が良かったから」(35.8%)、「成分や原材料の品質がよさそうだから」
(33.2%)が 30%を超えた他、
「試用してみて気に入ったから」
、
「手ごろな値段だったから」もそれに次いでい
る。他方、日本ブランドを使用しない理由としては、「成分や原材料に不安があるから」「価格が高いから」
「手に入りにくいから・売っていないから」がそれぞれ(33.3%)を占めている。
(3) 日本ブランドの化粧品・トイレタリー製品のイメージは、「信頼できる」が(61.4%)と最も高く、
「清潔感が
ある」(39.0%)、「効果がある」(29.6%)、「親しみやすい」(28.2%)と続いている。
(4) 現在使用しているブランドは Citra(ユニリーバ社、ボディーローションや石けん)
、Wardah(ハラール化粧
品のトップシェアローカルブランド)がそれぞれ 44%程度、Pond’s(ユニリーバ社)、Pantene(P&G 社)
といった多国籍企業のブランドが各々38.3%、36.1%、Sari Ayu(インドネシアハーブを活かしたメイクアッ
プ用品、スキンケア等)といった現地ブランドが 32.1%となっている。日本製品は、カネボウが 7.9%、資
生堂が 6.9%、コーセーが 3.6%にとどまっている。
2/3
7 訪日経験者のみのアンケート回答
図 2:日本ブランドを使用・購入した理由(複数回答 n=60)
(1 )回答者のうち訪日経験者は 60 人(24.2%)と全
体の 4 分の 1 近くを占めている。そのうち
44.8%が 30 代の女性、次いで 20 代 28.4%、
40 代が 25.4%となっている。訪日経験者の世
帯月収は、6 百万 IDR 以上が 75.7%と 4 分の
3 を占め、中間者層から高所得者層が来日し
ていることが分かる。
(2) 来日時はほぼ全員が化粧品トイレタリー製
品を持参しており、口紅、香水、洗顔料、フ
ァンデーションを中心に持参している。化粧
品・トイレタリー製品を持参した理由のうち、
ほぼすべての製品で、「普段使い慣れている
ものだから」「日本にハラール認証された化
粧品がないと思ったから」が挙げられた。
(3) 訪日時に日本ブランドを使用した、購入した
回答者はそれぞれ 89.6%に上っている。購入
した製品は、(化粧)石けん、香水、シャン
プー、化粧水、日焼け止め、日焼け止め化粧
品、口紅等が上位となっている。
(4) 日本ブランドを使用・購入した理由は、全て
の製品で「使用・購入したことがあるから」
が最も多くなっているが、染毛料のみ「手ご
ろな値段だったから」の割合が高い。(図 2)
一方、日本ブランドを使用・購入しない理由の 85.7%が「ハラール認証マークがないから」
、71.4%が「表示
が日本語のみで読めなかったから」と回答している。この結果は、ハラール認証マークがあり、表示が日本
語以外の言語であれば、回答者が購入する可能性が高まると解することができる。
(5)日本にあったらよかったと思うアメニティについては、
(化粧)石けん(46.3%)、入浴剤等浴用化粧品(40.3%)、
シャンプー(37.3%)が高い割合を占め、次いで日焼け、日焼け止め化粧品(26.9%)、香水(25.4%)、洗顔料
(22.4%)が挙げられた。
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