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インド中銀ラジャン総裁の 退任表明について

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インド中銀ラジャン総裁の 退任表明について
ご参考資料
インド中銀ラジャン総裁の
退任表明について
ポイント① ラジャン総裁、退任を表明
6月18日、インド準備銀行(中央銀行)のラジャン総
裁は、今年9月4日の任期満了に伴ない、退任することを
表明しました。
ラジャン氏は、IMF(国際通貨基金)のチーフエコノミス
トなどを経て、2013年9月に同中銀の総裁に就任しました。
就任後は、インフレ抑制や通貨価値の安定への成果などが
高く評価され、モディ政権の成長路線を支えてきました。市
場からの信認も厚く、任期満了後も続投すると見られてい
たことから、今回の退任表明は驚きを持って受け止められま
した。
ポイント② 与党からの批判も退任の背景
今回の退任の背景には、与党の一部から批判が出てい
たことがあります。ラジャン総裁は、同中銀の政策の透明性
を高めるための金融政策決定方法の見直しや、不良債権
処理の促進といった金融システムの健全化などの改革を進
めており、これらを巡って政府と方向性に食い違いが生じて
いました。また、モディ首相率いる政権与党BJP(インド人
民党)内の一部有力メンバーから、金利を高水準で維持
しているとの批判が高まっていました。
加えて、BJPを支持する業界団体や宗教団体の意向が
強く働いた可能性も取り沙汰されています。
図1:インド株式市場の推移
ラジャン総裁がインド金融市場の信認を高める重要な担
い手であったことから、短期的には金融市場でネガティブな
影響が高まる可能性があります。しかし、ラジャン総裁が取
り組んできた改革の方向性が維持される限りは、影響は限
定的とも見られており、今後の後任人事が注目されます。
期間:2013年12月31日~2016年6月20日、日次
31,000
29,000
27,000
25,000
23,000
21,000
19,000
17,000
13/12
7月12日
消費者物価指数(6月)
7月12日
鉱工業生産指数(5月)
8月9日
金融政策発表
14/12
15/6
15/12 (年/月)
図2:インド5年国債利回りの推移
(%)
期間:2013年12月31日~2016年6月20日、日次
10.0
9.5
9.0
8.5
8.0
7.5
7.0
13/12
14/6
14/12
15/6
15/12 (年/月)
ブルームバーグジェネリック5年国債利回り
図3:為替レートの推移
期間:2013年12月31日~2016年6月20日、日次
(インドルピー/米ドル)
(円/インドルピー)
2.0
50
1.8
55
ルピー高
1.6
60
ルピー安
1.4
65
対円(左軸)
1.2
13/12
重要
イベント
14/6
S&P/BSE SENSEXインド指数
ポイント③ インドルピーは小幅下落
今回の退任表明を受けて、週明けの6月20日14時頃の
東京外国為替市場では、対米ドルで17日比0.4%程度、
対円で同0.1%のインドルピー安となりました。また、東京時
間14時頃のインド5年国債利回りは同0.02%上昇(価
格は下落)、インド株式市場は同0.3%上昇しました。
2016年6月20日
対米ドル(右軸、逆目盛)
14/6
14/12
15/6
15/12
70
(年/月)
6月20日のデータは東京時間14時頃。
(出所)ブルームバーグデータより野村アセットマネジメント作成
当資料は、投資環境に関する参考情報の提供を⽬的として野村アセットマネジメントが作成したご参考資料です。投資勧誘を⽬的とした
資料ではありません。当資料は市場全般の推奨や証券市場等の動向の上昇または下落を⽰唆するものではありません。当資料は信頼で
きると考えられる情報に基づいて作成しておりますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に⽰された意⾒等は、
当資料作成⽇現在の当社の⾒解であり、事前の連絡なしに変更される事があります。なお、当資料中のいかなる内容も将来の投資収益
を⽰唆ないし保証するものではありません。投資に関する決定は、お客様ご⾃⾝でご判断なさるようお願いいたします。投資信託のお申込
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