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2016年8月号

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2016年8月号
8 月号
平成 28 年
(2016 年)
ご利用の前に
か ん く う じ ま ウ ェ ザ ー レ ポ ー ト
関空島 WEATHER REPORTの内容には、航空気象で利用する用語や、観測で使用する機
器及びその設置場所等の略語がでてきます。これらの解説を巻末に掲載していますので適宜
ご利用ください。
AE
関空島の 7 月の気象
天気概況
7 月上旬は、前半は太平洋高気圧に覆われて晴れの日が多くなりましたが、後半は梅雨前線上
の低気圧が本州付近を東進した影響でまとまった雨となりました。中旬は、梅雨前線が本州付近
に停滞した影響により雨や曇りの日が多くなりました。下旬は、高気圧に覆われて晴れの日が多
くなりましたが、中頃に日本海を低気圧が通過した影響により雨となりました。
なお、近畿地方は 18 日ごろに梅雨明けしたと見られ、平年より 3 日早く、昨年より 6 日早い
梅雨明けとなりました。
(梅雨の時期は、後日、春から夏にかけての実際の天候経過を考慮した検
討が行われ、その結果変更となる場合があります。)
特徴的な日
9 日は、梅雨前線上の低気圧が関西空港付近を通過した影響で強い雨が降り、1 時間降水量の日
最大が 21.5mm、10 分間降水量の日最大が 10.5mm となりました。また、雨やもやにより VIS
が 1000m まで、RVR が 350m まで、CIG が 1200ft まで低下しました。
13 日は、山陰沿岸に停滞した梅雨前線の影響で雨が降り、雨やもやにより、VIS が 2000m ま
で、RVR が 550m まで悪化しました。
17 日は、本州付近に停滞した梅雨前線の影響で雨が降り、雨やもやにより、VIS は 4000m ま
で、RVR は 1200m まで悪化しました。
26 日は、日本海を東進した低気圧により雨が降り、雨やもやにより、VIS は 3000m まで悪化
しました。
‐1‐
第1図
2016 年 7 月の日別気温・降水量
第2図
2016 年 7 月の日別風速
《気温》月平均気温は 27.1℃(7 月の月平均気温の高い方から 4 位更新、平年 26.6℃)となりま
した。日最高気温は 31 日に 33.8℃、日最低気温は 1 日に 22.4℃を観測しました(第 1 図)。
《降水量》月降水量は 87.0mm(7 月の月降水量の少ない方から 4 位更新、平年 150.1mm)でし
た。日降水量の最大は 65.5mm(7 月の 3 位更新)、1 時間降水量の最大は 21.5mm(7 月の 10 位
更新)、10 分間降水量の最大は 10.5mm(通年の 10 位更新、7 月の 7 位更新)で、いずれも 9 日
に観測しました(第 1 図)。
《風》日最大風速が 15kt 以上の日数が 13 日、そのうち 20kt 以上の日数が 2 日ありました。日
最大風速および日最大瞬間風速の最大は、それぞれ南南西 24kt、南南西 31kt で、日最大風速に
ついては 2 日と 3 日に、日最大瞬間風速については 2 日に観測しました(第 2 図)。
〈風配図〉10 分間平均風向風速を風向および風速別に集計し、各方位の頻度を表した図です。
月全体では南西から西南西の風が多くなっており、風速階級別では 10kt 以上で南西の風、20kt
以上で南南西の風が多くなっています(第 3~4 図)。
第 3 図 7 月の風配図
第4図
Calm:0.5%
‐2‐
7 月の風速階級別風配図
〈極値・順位値の更新〉7 月の極値と順位値の更新状況を第 1 表に示します。表において、
紫色のセルが通年の順位値を更新した記録、橙色のセルが今月の順位値を更新した記録です。
第 1 表 関空島の 7 月の極値・順位値
要素名/順位
1位
2位
3位
4位
5位
6位
7位
8位
9位
10位
日降水量
(mm)
142.5
103
65.5
56
53
49
46
46
44
42.5
(2015/7/17) (2010/7/14)
(2016/7/9)
15
(2007/7/16) (2006/7/20) (2010/7/29)
(2012/7/7)
(2009/7/19) (2006/7/19) (2010/7/13)
11.5
11
10.5
9.5
(2009/7/1)
(2010/7/14)
(2016/7/9)
(2012/7/6)
33
31
28.5
27
14
9.5
9.5
日最大10分間
降水量(mm)
17.5
16.5
(2013/7/6)
(2012/7/7)
日最大1時間
降水量(mm)
46
41
(2010/7/14)
(2012/7/7)
月降水量の
少ない方から(mm)
41
54.5
60
87
90
128
137
143.5
147
181.5
(2004/7)
(2008/7)
(2013/7)
(2016/7)
(2014/7)
(2003/7)
(2011/7)
(2012/7)
(2005/7)
(2009/7)
月平均気温の
高い方から(℃)
28.6
27.6
27.3
27.1
26.9
26.8
26.7
26.7
26.5
26.4
(2004/7)
(2008/7)
(2013/7)
(2016/7)
(2014/7)
(2010/7)
(2011/7)
(2005/7)
(2006/7)
(2012/7)
(2010/7/13) (2009/7/19)
40.5
35
(2009/7/20) (2009/7/19) (2007/7/17) (2004/7/10) (2010/7/13) (2007/7/16)
(2009/7/25) (2009/7/20)
25.5
21.5
(2013/7/6)
(2016/7/9)
最大
降
最大瞬
速
統計
統計期間:2003
年 1 月から。ただし、日最大
10 分間降水量及び日最大瞬間風速は
2009 年 1 月から。
平成 28 年度
第 1 回航空気象懇談会を開催しました
今年度第 1 回の航空気象懇談会は、7 月 14 日
に航空局庁舎1階講堂において開催し、島内 10
機関から 33 名のカスタマーに参加いただきまし
た。
今回の内容は、話題提供として、「ひまわり 8
号の概要と画像の利用について」と説明事項とし
て、「MetAir 掲載の LFM 予想図について」の 2
題で、ともに MetAir で配信している画像やプロ
ダクトの紹介を行いました。
ここでは、それぞれの MetAir での見方を紹介します。
懇談会会場の様子
ひまわり 8 号の画像は<実況情報>の<衛星画像(動画表示)>で見ることができます。
‐3‐
高頻度衛星画像には、積乱雲情報、雲頂高度情報、可視・赤外カラー合成画像、可視画像があ
ります。
LFM 予想図は<気象図情報>の<空港周辺の予想図>で予想平面図、予想断面図、時系列予想
図があります。
次回、第 2 回航空気象懇談会は 12 月上旬頃の開催を予定しています。
――
事務局からのお知らせ
――
<関空島ウェザーレポートについて>
「関空島ウェザーレポート」についてのご意見・ご要望は、担当(片桐)のメールアドレス
[email protected] まで、メールにてお願いします。
<関空島内各機関・事業所へのお知らせ>
MetAir 及 び 自 動 巡 回 ソ フ ト の ご 利 用 を 希 望 さ れ る 場 合 は 、 メ ー ル ア ド レ ス
[email protected](片桐)までご連絡ください。担当より折り返し連絡させていた
だきます。
発行日:平成 28 年 8 月 23 日
発行元:関西航空地方気象台
編
‐4‐
集:航空気象懇談会事務局
航空気象観測月表
官署名 関西航空地方気象台 地点略号 RJBB
日/要素
01
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
平均気圧
飛行場
海面
現地
x0.1hPa x0.1hPa
10124
10133
10102
10111
10096
10106
10122
10131
10151
10160
10159
10168
10142
10151
10125
10135
10060
10070
10043
10052
10055
10064
10052
10061
10012
10022
9982
9991
10005
10014
10048
10057
10060
10069
10081
10090
10094
10104
10105
10114
10102
10111
10093
10103
10110
10120
10129
10138
10125
10135
10094
10103
10083
10093
10101
10110
10117
10126
10117
10127
10103
10113
上旬
中旬
下旬
月
極値
起日
10112
10049
10107
10090
日最低
< 0.0
0
日平均
< 0.0
0
10122
10059
10116
10099
2016 年 07 月
平均
気温
最高
最低
相対湿度
平均
最小
x0.1℃
258
276
281
280
279
281
280
255
242
266
274
275
275
270
254
266
273
279
283
276
270
271
268
264
264
262
271
280
278
280
285
x0.1℃
305
302
327
326
322
325
328
279
265
306
316
311
288
313
283
307
301
312
320
323
316
322
312
299
299
288
313
320
315
332
338
x0.1℃
224
257
252
243
243
258
252
236
226
238
246
255
257
248
242
233
257
250
246
240
237
239
239
239
249
238
247
258
254
253
250
%
81
75
79
81
79
75
75
88
92
86
85
87
86
83
73
73
85
71
63
63
68
69
73
74
76
82
79
75
76
74
72
270
273
272
271
309
307
314
310
338
31
243
247
246
245
224
1
81
77
74
77
42
20
気温 日数 ℃
日最高 日最低 日平均 日最高 日最高
< 0.0
>= 25.0 >= 25.0 >= 25.0 >= 30.0
0
12
30
31
24
日最深積雪階級別日数 cm
>= 0
特
記
事
項
>= 5
>= 10
>= 20
>= 50
>= 100
%
58
61
65
63
62
57
53
75
78
68
58
73
79
63
62
59
75
52
48
42
49
45
53
59
59
72
60
54
54
52
46
>= 200
最大風速
風向
風速
36
方位
kt
220
14
200
24
190
24
270
14
220
18
220
17
220
15
240
13
20
15
230
12
220
14
180
13
200
18
330
17
280
16
190
13
250
12
50
12
40
16
30
17
30
12
310
13
220
13
220
15
190
13
200
14
230
14
250
15
220
14
220
14
220
11
190
最大瞬間風速
風向
風速
36
方位
kt
220
17
200
31
200
29
260
17
220
22
250
23
220
20
230
17
30
19
220
16
220
18
180
16
200
24
330
25
310
27
190
18
280
19
50
17
30
22
40
21
20
17
30
20
220
17
220
20
190
16
210
18
220
17
250
19
220
18
220
17
210
15
24
3
200
31
2
降水量
降雪の
最大
最大
深さの
1時間 10分間
合計
x0.1mm x0.1mm x0.1mm
cm
0
0
0
0
0
0
55
25
5
655
215
105
0
0
0
0
0
0
60
60
45
10
10
10
10
5
5
0
0
0
75
65
25
5
5
5
0
0
0
0
0
0
合計
710
80
80
870
655
9
最大風速階級別日数 kt
>= 20
2
>= 30
0
215
9
大気現象
積雪の
深さ
09h
cm
SHRA
SHRA
SHRA RA
SHRA RA
SHRA
SHRA
SHRA
SHRA
SHRA
SHRA
SHRA
SHRA
SHRA
SHRA
105
9
日降水量階級別日数 mm
>= 40
0
>= 50
0
>= 0.0
14
視程継続時間 分
m
m
m
< 5000 < 3200 < 1600
286
110
22
m
< 1600
153
m
< 800
0
>= 1.0
6
>= 5.0
4
RVR継続時間 分
m
m
< 600
< 400
0
0
降雪の深さの日合計階級別日数 cm
>= 10.0
1
>= 30.0
1
>= 50.0
1
>= 70.0 >= 100.0
0
0
m
< 200
0
m
< 100
0
ft
< 1500
22
ft
< 1000
0
>= 0
>= 5
>= 10
最低雲高継続時間 分
ft
ft
ft
< 500
< 300
< 200
0
0
0
ft
< 100
0
>= 20
>= 50
>= 100
大気現象出現日数
雷
0
霧
0
雪
0
関空島 WEATHER REPORT で使用する航空気象に関する用語の解説
1 本文中で使用する語句の定義等
VIS:全周を見渡して半分またはそれ以上の範囲で共通した視程(卓越視程)を(m)で表す。
CIG:雲量が 5/8 以上の雲層のうち、一番低い雲層の雲底の高さを(ft)で表す。
RVR:滑走路視距離計で観測した滑走路視距離を(m)で表す。
風:RWY06R に設置した観測装置の値(関西国際空港の代表風)を、風向を真方位(°)で風速を(kt)で表す。
風配図は、RWY 06R の、正時から 10 分毎の 10 分間平均風を、月毎の風向別に百分率で表す。
Calm(静穏)は、10 分間平均風速の値が 0.4kt(0.2m/s)以下の場合をいう。
ガストは、平均風速を 10kt 以上上回る最大瞬間風速があった場合に報じられる。
ウィンドシアー:鉛直方向又は水平方向の風速や風向の差をいう。
平年値:アメダスの関空島地域気象観測所として算出した平年値を使用している。
関空島の統計期間は、2003-2010 年(但し、日最大 10 分間降水量及び日最大瞬間風は 2009 年から)。
2 気象観測施設の配置とデータ利用について
気象観測施設は、関空島の A-RWY(3500m)と B-RWY(4000m)周辺に配置した屋外観測装置(第 1 図)と、当台観測
課(航空庁舎ペントハウス)に設置した気象観測報の作成、配信等の処理を行う屋内観測装置で構成する。
屋外観測装置からのデータは屋内観測装置に表示し、METAR-AUTO 報として 10 分毎に自動配信するとともに、屋上
で行う目視による観測とあわせて航空観測気象報(METAR 報、SPECI 報)で配信する。
航空観測気象報で通報する風は「06R」の観測値である。障害等で「06R」が使用できない時は「06L、24L、24R」の順に
代用して通報し、RMK に使用した風向風速計名を記載する。(例:WIND BY EQPT/06L)
3 航空気象観測月表の解説資料
平均気圧:毎正時の観測値の平均を、ヘクトパスカル(hPa)の 1/10 位まで、小数点を省いて記載。
飛行場現地気圧(QFE)は、飛行場の標点から 3m の高さに合わせた気圧値。
海面気圧(QFF)は、平均海面上の気圧値。
気温:摂氏(℃)の 1/10 位まで、小数点を省いて記載(0℃未満の場合は、「-」を前置)。
日平均気温は、毎正時の観測値の平均を記載。
相対湿度:パーセント(%)で記載。
日平均相対湿度は、毎正時の観測値の平均を記載。
最大風速及び最大瞬間風速:風速はノット(kt)単位、風向は 10 度(°)間隔で発生時の起時の値を記載。
降水量:ミリメートル(mm)の 1/10 位まで 0.5mm 間隔で、小数点を省いて記載。
日降水量は、毎正時の観測値の合計を記載。
最大 1 時間及び最大 10 分間は、任意の 1 時間並びに 10 分間の最大値を記載。
降雪の深さ:09 時、15 時及び 21 時の、前回の観測時刻以降に降った雪の深さを、センチメートル(cm)で記載。
降雪の深さの合計は、09 時、15 時及び 21 時の観測値の合計を記載。
積雪の深さ:9 時の積雪の深さをセンチメートル(cm)で記載。
積雪の深さが 1cm に満たない場合は 0cm と記載。積雪は、飛行場の半分以上が雪などの固形降水(暖候期のひょうを
除く)に覆われている場合を「積雪あり」とする。
大気現象:大気現象を略号により記載(略号の意味は、第 1 表のとおり)。
視程・RVR及び最低雲高継続時間:欄の区分に該当する値未満であった時間の合計を記載。
継続時間は、METAR・SPECI から該当する値を引用して算出する。
第 1 表 大気現象と略号
大気現象
略号
雨
RA
しゅう雨
SHRA
着氷性の降水
FZRA
着氷性の霧雨
FZDZ
霧雨
DZ
雪
SN
しゅう雪
SHSN
みぞれ
RASN
しゅう雨性のみぞれ SHRASN
関空島内の気象観測機器配置状況
霧雪
SG
凍雨
PL
雪あられ/氷あられ
SHGS
ひょう
SHGR
霧
FG
煙
FU
黄砂
SA
雷電
TS
2016.8 関空島 Weather Report 編集部
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