...

ペレット焚真空式温水機(バコティンヒーター) <木質バイオマス温水機>

by user

on
Category: Documents
240

views

Report

Comments

Transcript

ペレット焚真空式温水機(バコティンヒーター) <木質バイオマス温水機>
P.1
ペレット焚真空式温水機(バコティンヒーター)
<木質バイオマス温水機>
株式会社
日本サーモエナー
P.2
我が国のエネルギー資源対策と地球温暖化防止対策として導入が必要な新エネルギーの中に、平
成 14 年 1 月に改正された「新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法施工令」においてバイオ
マスエネルギーが提案されている。従来から使用している、石油や天然ガスなどの化石燃料に対し
て、環境を汚さないきれいなエネルギーを新エネルギーといい、その中の木質ペレットは、この新
エネルギーといえます。
バイオマスエネルギーは再生可能なエネルギーとして消費と植林のバランスを保つことにより炭
酸ガス CO2 排出がゼロ(カーボンニュートラル)という特徴がある。化石燃料の消費が軽減され、
二酸化炭素(CO2)の排出量を削減する事が可能となります。
バコティンヒーターは、タクマが開発した世界初の真空式温水ヒーターです。その技術を生かし、
貴重なクリーンエネルギーであるバイオマス資源「木質ペレット」を燃料とするペレット焚バコテ
ィンヒーターを開発しました。
(1)木質ペレットについて
木質ペレットは、間伐材を使用し、表面の皮部を使用しないホワイト材と樹皮も含めたバーク材
があります。このペレットを使用した温水機などは、カーボンニュートラルと言われ、この温水機
から排出される CO2は、温暖化ガスとしては、カウントされません。それは、この間伐材が成長
する過程で、炭酸ガスを吸収するため、排出炭酸ガスは免除する事が京都議定書で決定されていま
す。
ペレット(ホワイト)
P.3
<木質バイオマス燃料の種類>
木材チップ、おがくず、ブリケット、ペレット、残材などがあります。温水機などに使用可能
な木質バイオマス燃料は、燃焼を均一にする必要があるため、流動性、均一性、水分含水率、純
正材料(他の成分を含まない)などの条件が必要となり、比較的均一な木質ペレットを燃料とし
て使用しています。
建築廃材などから製造した木質ペレットの場合、廃材に付着しているコンクリートや土、薬剤な
どが燃焼に大きく影響し、ダイオキシンの排出の可能性があり使用できません。
木質ペレットは、おがくず、製材廃材や林地残材などを粉砕、圧縮し、100∼150℃程度の加熱
で木材の成分であるリグニンをバインダーとして成型固形した固形燃料です。粉砕→乾燥→冷却
→微粒子の選別→袋詰め貯蔵の工程により製造されます。乾燥工程では含水率が、7∼10%程度ま
で乾燥されます。
項
目
低発熱量
体積重量
含水率
灰分
寸法
特性
16,900KJ/kg(約 4,000∼4,500kcal/kg)
650kg/m3
7∼10%
0.5%∼1.0%以下
直径:6,8,10,12mm が一般的
長さ:直径の 4∼5 倍程度
(2)ペレット焚真空式温水機とは
温水ボイラの形式としてバコティンヒーターの名称で多くの納入実績がある真空式給湯暖房温
水機で、この真空式温水機の特徴は、
・「ボイラおよび圧力容器安全規則」に該当しなく、資格・検査が不要。
運転には取扱資格は不要で誰でも運転が可能。ボイラに該当しないため、法定定期検査は不要。
・ ヒーター内部は、真空のため、腐食が起こりにくく、スケールの付着が皆無で、熱効率のダウ
ン・過熱焼損がおこらず長寿命。原理的に爆発・破損のおそれが無く、缶体内には一定量の熱媒
水が封入されているため、空焚きの心配が無い。
などの特徴を持っています。
<燃焼性>
・ クリンカー生成を少なくするため、ペレット燃焼部にセラミックボールを敷き詰め、均一燃焼
を行うと共にペレットの流動燃焼としています。ペレットは燃焼に伴い灰となり燃焼室後部へ
流れます。
・ 燃焼室後部にも 2 次空気を送り、未燃のペレットを置き燃焼させる構造。缶本体は、炉筒煙管
構造を採用のため、缶後部に設けた覗き窓から容易に燃焼状態や灰の状況を目視確認できます。
<省エネ性>
・真空式のため熱損失が少なく、高効率 83∼85%(定格 100%時)を達成。
・実負荷運転時(30∼60%負荷)の効率も、真空式のため熱損失が少なく 80∼83%と高効率を維持
出来ます。
・ 貯湯タンクを併設しても、使用圧力に関係なく圧力容器の適用外。
・ 炉筒煙管構造のため灰掃除が容易です。燃焼部はセラミックボールと共に、缶前引き出し構造
とし、清掃、整備が簡単。
P.4
<ボイラの基本性能>
①燃料サイロからボイラへの燃料送り方式
燃料サイロからサービスサイロ間は、実績のあるスプリング式コンベアを使用し、サービス
サイロからボイラ間は、実績のあるスクリューコンベアを使用しています。
燃料サイロからサービスサイロへの補給は、サービスサイロのペレットレベルを検出し、自
動で補給されます。
②ペレット燃料への点火方式
油焚きの補助バーナーで点火する方式です。
③定常運転までの立ち上がり時間の短縮対策
始動時には、補助バーナーにより燃焼室を加温しつつ白煙が出ないようペレットを除々に供
給し、約 4∼5 分後にはペレットの自燃定格燃焼になります。
④無人自動運転、特に自動着火の可否等操作性
運転ボタンを操作した後は、温水負荷の増減により自動消火、自動着火を行います。
⑤出力の調整の可否
燃焼方式は 3 位置制御を採用し、できる限り燃焼を継続できるよう負荷変動に対応しやすい
制御方式としています。又、真空式のため、定格ボイラ効率は、83%(100%負荷時)と高く、
一般的な実負荷運転時(約 30%∼60%)の効率も真空式のため熱損失が少なく 80∼83%と
高く省エネとなります。
⑥燃料の成分変動に対する燃焼管理
運転中にペレット燃料の成分(含水率や樹種)が変動した場合、最適燃焼への自動対応は
できません。
⑦樹皮を含む燃料(バーク材)の利用の可否
ホワイト材のみ使用可能で、バーク材は原則として使用不可です。
⑧耐用年数
ボイラ本体の耐用年数は、ガス・油焚の真空式温水機と同じ 12∼15 年以上です。
P.5
<ペレット供給系統の防火対策>
①
サービスサイロを設けて、ペレット用サイロと縁切りを行っています。
②
ペッレット燃焼装置への供給も上から落下方式とし、縁切りを行っています。
③
誘引送風機を設け、炉内がマイナス圧になるよう運転し、サービスサイロへの燃焼ガスの
逆流を防止。
④
サービスサイロから燃焼装置へのペレット供給配管上流部に押し込み送風機を設け、サー
ビスサイロへの燃焼ガスの逆流を防止。
⑤
万一、ペレット供給配管の温度が上昇した場合、供給配管中の遮断ダンパーが閉じる。
さらに温度上昇があればペレット供給配管中に散水する安全装置を設けています。
(停止時も考慮し、バッテリー駆動の電磁弁採用)
<運転シーケンス>
運転スイッチON
誘引ファンON
燃焼用送風機ON
押し込み送風機ON
YES
圧力スイッチ
ON
NO
YES
温度ヒューズ
溶断
NO
サービス用スクリュ
ーコンベアーOFF
缶水85℃以下
NO
サービスサイロ用ス
クリューコンベアー
OFF
YES
誘引ファンOFF
燃焼用送風機OFF
押し込み送風機OFF
燃焼停止後
10分経過
NO
①
YES
原因・処置
リセット
点火用バーナー
OFF
YES
点火用バーナー運転
6分経過
誘引ファンOFF
燃焼用送風機OFF
押し込み送風機OFF
NO
点火用バーナーON
圧力スイッチ
ON
YES
①
NO
サービスサイロ用ス
クリューコンベアー
ON
インバーター制御
8分後、100%供給
温度ヒューズ
溶断
YES
①
NO
缶水85℃以下
YES
NO
P.6
(3)仕様表
機種
定格熱出力
kW (kcal/h)
給湯
最大連続出力(20→6 5℃)
kW (kcal/h)
給湯量
l/h
同上時圧力損失
kPa
給湯出入口( フランジ)
暖房
最大連続出力(55→7 0℃)
温水流量
l/h
同上時圧力損失
kPa
給湯出入口( フランジ)
効率
%
燃焼量
kg/h
伝熱面積
m2
缶体構造
最大使用水頭圧
Mpa
電源
電気容量
燃焼用送風機
kW
誘引送風機
kW
サービスサイロス クリューコンベア
kW
ペレット用サイロスクリューコンベア
kW
燃焼用2次送風機
kW
押込送風機
kW
制御回路
VA
本体重量
kg
熱媒水重量
kg
始動用バーナ
kW (kcal/h)
排気筒
mm
取扱い免許
(4)外形図
BSL-100
116(10 0,0 00)
BSL-200
233(20 0,0 00)
BSL-300
349(300 ,00 0)
BSL-400
465(400 ,00 0)
BSL-500
581(500 ,00 0)
116(10 0,0 00)
2 ,22 0
27
40
233(20 0,0 00)
4 ,44 0
34
40
349(300 ,00 0)
6 ,67 0
47
40
465(400 ,00 0)
8 ,89 0
40
40
581(500 ,00 0)
11,110
65
40
116(10 0,0 00)
6 ,70 0
25
50
85
26 .1
7.5
炉筒煙管方式
0.49
三相AC20 0V
233(20 0,0 00)
13,400
19 .6
50
85
52 .3
9.9
炉筒煙管方式
0.49
三相AC20 0V
349(300 ,00 0)
20,000
6.4
50
83
80.3
9.9
炉筒煙管方式
0.49
三相AC20 0V
465(400 ,00 0)
26,700
3.9
65
85
1 04.6
13.9
炉筒煙管方式
0.49
三相AC20 0V
581(50 0 ,00 0)
33,200
5.9
65
83
13 3.9
13.9
炉筒煙管方式
0.49
三相AC200 V
0.15
0.75
0.2
0.2
0.04
0.04
5 00
1 ,20 0
4 10
81(70 ,00 0)
φ200
不要
0.25
1.00
0.2
0.2
0.04
0.04
5 00
2 ,20 0
9 00
81(70 ,000 )
φ3 00
不要
0.40
1.50
0.2
0.2
0.04
0.04
5 00
2 ,20 0
9 00
81(70,000 )
φ3 00
不要
0.75
1.50
0.2
0.2
0.04
0.04
50 0
2 ,60 0
1 ,10 0
81(70,000 )
φ4 00
不要
1.00
2.20
0.2
0.2
0.04
0.04
50 0
2,600
1,100
81(70,000 )
φ4 00
不要
P.7
(5)システム例
ペレット焚温水機を計画する場合、ペレットの供給体制などを考慮してバックアップ用の温
水機の設置が必要となります。又、ペレットの燃焼は、温調により ON-OFF 運転をなるべく起こ
さないようなシステムを検討する必要があります。
燃料費の安いペレット焚温水機を、主熱源として連続運転を行うシステム計画を行い、バック
アップ温水機の運転を極力運転しないような検討が必要です。
<ペレット温水機周辺機器関係>
消火用水タンク
排気筒へ
バッテリー駆動電磁弁
誘引ファン
スプリング式コンベアー
TC
押込み送風機
サイクロン集塵機
TC
熱 交 換 器 (SUS444)
給湯
遮断ダンパ
点火用バーナ
缶水
点検口
断熱材
スクリューコンベア
灰受ボックス
レベルセンサー(回転式)
サービスサイロ
オイルサービスタンクより
ペレット焚真空式温水機
二次エアー
燃焼用送風機
セラミックボール
補給用サイロ
Fly UP