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【工学部】 平成 23 年度国際交流活動報告書
【工学部】 平成 23 年度国際交流活動報告書 工学部国際交流委員会 1.国際交流に関する工学部の組織・体制 1-1. 工学部国際交流委員会 各学科から 1 名ずつの教員 4 名、副研究委員、教務委員、インターナショナルオフィス委員、協定校担 当の特別委員、事務課長補佐、教務職員が構成メンバーである。 平成 23 年度の国際交流委員会は以下のとおりである: 委員長 教 授 岡本 研正 副委員長 教 授 郭 書祥 委 員 准教授 石塚 正秀 委 員 教 授 石井 知彦 委 員 教 授 中西 俊介(平成 23 年 9 月 30 日まで)、垂水 浩幸(平成 23 年 10 月 1 日より) 委 員 准教授 野々村 敦子(教務委員会から) 委 員 教 授 澤田 秀之(インターナショナルオフィス委員) 委 員 事務課長補佐 岩瀬 耕作 委 員 教務職員 高橋 めぐみ 特別委員 教 授 秦 清治 (サボア大、ボン=ライン=ズィーク大、ミュンヘン工科大、 IOREM、コンピエーネ工科大、リモージュ大) 特別委員 教 授 郭 書祥 (上海大、ハルビン工程大、電子科学技術大、長春理工大、 北京工業大) 特別委員 教 授 澤田 秀之 (チェンマイ大) 特別委員 教 授 岡本 研正 (韓国海洋大) 特別委員 准教授 石原 秀則 (UBC) 特別委員 教 授 松島 学 (南ソウル大) 特別委員 教 授 石丸 伊知郎(フランシュ・コンテ大、ENSMM) 特別委員 准教授 和田 隆広 (ハンバット大) 特別委員 教 授 岩本 直樹 (トレド大) 特別委員 教 授 荒川 雅生 (ロバニエミ応用科学大、漢陽大) 特別委員 教 授 長谷川 修一(トリブバン大) なお、平成 23 年度は委員会を 10 回開催した。(H23.4.14、H23.5.17、H23.6.21、H23.8.2、H23.9.6、 H23.10.19、H23.11.21、H23.12.20、H24.2.6、H24.3.9) 1-2. 国際インターンシップ部会 工学部国際交流委員会の中に、国際インターンシップ部会を置いている。部会のメンバーは、上述の国 際交流委員会の各学科からの教員 4 名と、教務委員会からの 1 名で構成される。平成 23 年度は教務委員会 から、野々村准教授が部会に加わった。国際インターンシップ部会では、国際インターンシップに関する 全般を所掌しており、応募・選考から報告会に至るまで実施のサポートを行っている。また、毎年、国内 のインターンシップとあわせて、インターンシップ実施報告書(手引)の冊子を作成している。 1-3. 全学のインターナショナルオフィス会議 工学部からは、昨年に引き続き、澤田教授が、インターナショナルオフィス委員として参加している。 2.国際交流に関する行事等の企画・開催 2-1.国際インターンシップ交流会 国際インターンシップは今年度で 12 年目を迎え、恒例の国際インターンシ ップ交流会が、平成 23 年 7 月 23 日(土)工学部 1 号館 11 階ラウンジで開催さ れ、約 60 名が参加した。国際インターンシップに関わりのある国際交流機 関・団体、地域の方々、学生、教職員と多彩な顔ぶれが集い交流を深めた。 東北大震災の影響で日本への留学生が激減したなか、今年度は、協定校であ ▲交流会の集合写真 るフランスのポリテク・アヌシー・シャンベリーから 1 名がインターンシップ 実施のために来日した。工学部のインターンシップ派遣候補者 3 名と協定校訪問の派遣候補者 3 名も交流 会に参加した。交流会では、工学部後援会から、国際インターンシップ参加者にはひとり 6 万円、協定校 訪問参加者にはひとり 3 万円の援助金が贈呈された。 2-2-1.工学部協定校訪問(ネパール) 今年度で 4 回目となる工学部の協定校訪問事業では、ネパールのトリブバン 大学での交流を中心とし、公募により 3 名の工学部・工学研究科の学生が選考 を経て参加した。トリブバン大学の協定校担当の長谷川教授をはじめ、松島教授、 垂水教授、野々村准教授、高橋教職員が随行した。平成 23 年 9 月 19 日から 25 日まで、関西空港からネパールの首都カトマンズ経由でポカラに入り、トリブ バン大学ポカラ Western Region キャンパスを表敬訪問後、約 200 キロの陸上 移動で、首都カトマンズに入った。 ▲学生交流の様子 協定校訪問のための準備として、説明会及び準備会を開催した。初めて海外 渡航する学生のためにも、パスポートやクレジットカード取得から、海外にお ける危機管理や訪問先についてまで、安全で実りのある訪問となるよう準備を 周到に行った。また、学生が主体となり自主的な交流ができるよう、今回も学生 による香川や香川大学の紹介を現地で行った。 今回の訪問で、トリブバン大学との協定締結後初の学生交流およびポカラ Western Region キャンパスと交流が実現したことは特に喜ばしいことであった。 ▲ポカラキャンパスでの記念撮影 今回は例年よりも学生の参加人数が少なかったが、帰国後の参加学生からは、この事業に参加して良か ったという回答が得られている。特に、それまでに海外への渡航経験がない学生は、この事業に参加して、 海外渡航するための準備について学んだ、また将来海外へ行ってみたい、もっと英語を勉強したい、など の報告も受けている。帰国後は、学生、教職員が各自の報告書と写真を提出し、報告書冊子を作成した。 2-2-2.工学部協定校訪問報告会 平成 23 年 10 月 26 日、ネパール協定校訪問の報告会が開催され、学生 3 名が、ネパールの協定校である トリブバン大学訪問について報告を行った。報告会は学生が主体となって行われた。 2-3.サボア大学のフロア教授が工学部を訪問 平成 23 年 9 月 12 日(月)、サボア大学ポリテク・アヌシー・シャンベリー学院 長 Laurent FOULLOY 教授が工学部を訪問された。サボア大学とは、今年度も学生の 相互派遣が実現した。今回の訪問では、午前中に工学部長を表敬訪問された後、国 際インターンシップ受入学生への試問が行われた。午後からは幸町キャンパスと医 学部キャンパスも訪問された。 ▲工学部長表敬訪問の様子 2-4.漢陽大学で共同ワークショップを開催 平成 23 年 9 月 29 日から 10 月 2 日、3 名の教員と学生が韓国の漢陽大学を訪問し た。訪問中にワークショップが開催され、香川大学からは学生 2 名が、荒川研究室 の研究紹介を行った。PSO の改良版の説明と ACO の新しい使い方について、また領域 遺伝型遺伝的アルゴリズム、多目的領域遺伝型遺伝的アルゴリズム、RBF ネットワ ークを近似器とした逐次多目的近似最適化及びデータ包絡分析法を用いた多目的デ ータの視覚化を発表した。 漢陽大学からは、スピンアウト会社を通じて開発・販売している Piano という統合 ▲ワークショップの様子 最適化ソフトウエアの事例紹介として、自動車への適用、熱の放射問題への適用、 LCD のボタンへの適用の紹介があり、Dong-Hoon Choi 教授から、打ち抜き塑性加工の制御問題、鋳型 への注入問題といった、現在最も難しいと言われている応用事例の紹介があった。 今後の研究とその協力についての議論もおこなった。 2-5.ロバニエミ応用科学大学との共同ワークショップを開催 平成 23 年 10 月 14 日、フィンランド、ロバニエミ応用科学大学の Veikko Keränen 教授と Matti Rahkala 教授が香川大学工学部を訪問され、共同ワークショップを 開催し、多くの工学部学生が参加した。ワークショップ後、両教授は、工学部長 を表敬訪問された。 ▲ワークショップの様子 2-6. オープンキャンパス 平成 23 年 10 月 29 日に開催された工学部オープンキャンパスに、留学生が積極 的に参加した。グループ参加した中国人留学生は、手作りの餃子や肉まんの店を 出店した。カラオケ大会に出場した中国人留学生は、すばらしい歌唱力で日本語 の曲を熱唱した。 また、この日、工学部キャンパス当日に開催された、観音寺第一高等学校のス ーパーサイエンスハイスクール(SSH)講座には、留学生 6 名が参加して高校生と国 際交流をおこなった。 ▲日本語の曲を熱唱する留学生 2-7.チェンマイ大学で工学部生が講義を受講 平成 24 年 1 月 3 日から 10 日、学術交流協定校であるタイのチェンマイ大学を 工学部学生 3 名(信頼性情報システム工学科 4 年生 1 名、3 年生 2 名)と教員 2 名 (垂水副学部長、澤田教授)が訪問した。これは、工学部の国際化教育の一環と して、学生が国際的涵養を身につけることを目的として実施されたものである。 今回の訪問では、学生が英語で行われている授業や、米国人など外部講師の行 う特別講義、セミナー等に参加し、英語力と専門知識に磨きをかけた。セミナー では香川大学の研究紹介も行った。また授業後や休日には現地学生とのレクリエ ーションの機会を持ち、交流を深めた。 ▲実験技術を競う学生達 2-8. ミュンヘン工科大学 BUSS 教授が工学部を訪問 平成 24 年 1 月 20 日、ドイツ、ミュンヘン工科大学の Martin Buss 教授が工学 部を訪問された。数時間の短い滞在だったが、知能機械システム工学科の 3 つの 研究室を見学された後、The Autonomous City Explorer - Towards Mobile Outdoor Robotics という題目でショートセミナーも開催された。約 40 名の教職員および学 生が参加した。 ▲講演に聞き入る聴衆 2-9. 工学部の感謝状贈呈 今年度新たに始まった取り組みとして、工学部の感謝状贈呈がある。 平成 23 年度は、これまで工学部・工学研究科との国際交流にご尽力頂いてきた 3 つの協定校へ感謝状が贈 呈された。 2-9-1. トリブバン大学 ダハル博士への感謝状贈呈 平成 23 年 12 月 21 日、工学部はネパールのトリブバン大学講師ランジャン・クマ ール・ダハル博士へ感謝状を贈呈した。平成 17 年から 3 年間、香川大学大学院工学 研究科に在籍され、Ph.D.を取得されたダハル博士には、香川大学とトリブバン大 学との交流に対して多大なるお力添えをいただき、平成 22 年 11 月に学術交流協定 締結が実現した。平成 23 年 9 月に実施された工学部協定校訪問事業に対しても全面 的なご支援をいただき、短期間の滞在中にも関わらず、様々なプログラムをご用意 くださったおかげで、トリブバン大学との交流をさらに発展させることができた。 ▲贈呈式の様子 2-9-2. サボア大学と関係者への盾と感謝状の贈呈 平成 24 年 2 月 22 日、工学部は、長年にわたる国際交流へのご支援、御協力に対 し、フランスのサボア大学の Laurent Foulloy 教授(Polytech Annecy & Chambery、 ▲贈呈式の様子 Director)、Jacques Lottin 教授(Polytech Annecy & Chambery、メカトロニクス部門、 Director)、Philippe Bolon 教授(Polytech Annecy & Chambery、情報部門、Director)、Jacques Bouillot 教授へ感謝状を贈呈 した。また、平成 12 年 3 月、工学部林町キャンパス開設に合わせて学術交流協定、インターンシップ協定 等を締結、以来 10 数年にわたり、工学部との活発な交流を続けてきたサボア大学へ盾を贈呈した。 2-9-3. ハンバット大学 閔博士への感謝状贈呈式 平成 24 年 2 月 29 日、工学部は、韓国の国立ハンバット大学の教授であり、国際 交流センター長でもある閔丙賛博士へ感謝状を贈呈した。閔博士は、平成 20 年 4 月より香川大学とハンバット大学との学術交流協定の締結(平成 20 年 9 月)にあ たり、献身的に活動された。平成 21 年 9 月に実施された第 2 回香川大学工学部協 定校訪問事業に対しても全面的に支援された。 ▲贈呈式での記念撮影 2-10.留学生との交流会 第 6 回目となる留学生との交流会を平成 24 年 3 月 13 日(火)に開催し、平成 24 年 3 月で卒業及び修了する留学生 10 名の送別と、平成 23 年度に入学した留学 生の紹介を行った。県内の国際交流に関わる行政・団体、個人の方々をご招待し、 学生や教職員も加え、約 90 名の参加者でとても賑やかな会となった。留学生の 挨拶、在校留学生の司会によるゲームなどを通して交流を深めた。最後は、こ れから社会に旅立つ留学生のために、全員で「蛍の光」を斉唱した。 ▲留学生との交流会 2-11.全学主催の行事等への参加 2-11-1.平成 23 年度第 1 回外国人留学生課外教育行事 開催日:平成 23 年 9 月 28 日(水)∼ 29 日(木) 見学場所:愛媛(タオル美術館、伯方の塩) 広島(福山市自然研修センター、JFE スチール西日本製鉄所)等 工学部・工学研究科から 9 名参加 2-11-2.平成 23 年度第 2 回外国人留学生課外教育行事 開催日:平成 23 年 10 月 31 日(月) 見学場所:香川県(大庄屋うどん工場、国営讃岐まんのう公園) 工学部・工学研究科から 10 名の学生及び 1 名の教員が参加 2-11-3.平成 23 年度外国人留学生交歓会 開催日:平成 23 年 12 月 1 日(木) 場所: オークラホテル高松 工学部・工学研究科から約 30 名以上が参加 3.学術国際交流協定の締結及び更新 3-1.ハルムスタッド大学との学術国際交流協定の締結 平成 23 年 4 月 18 日、スウェーデン、ハルムスタッド大学の School of Information Science、 Computer and Electrical Engineering (IDE)と香川大学工学部が、郵送により学術交流協定を締結した。ハルムス タッド大学は 1983 年に設立された比較的新しい大学で、学生数約 5,900 人を有する総合大学である。 3-2.武漢理工大学との学術国際交流協定の締結 香川大学は、平成 23 年 5 月 30 日に中華人民共和国武漢理工大学と学術交流 協定を締結した。武漢理工大学は、24 の学院からなる教職員数 5,900 人、学生 数 45,000 人の総合大学である。 協定書の調印は武漢市内の本部会議室で、香川大学の協定は、武漢理工大学 の張清傑学長と一井学長により、工学部実施細則は武漢理工大学の謝科範教授 ▲調印式の様子 と大平工学部長により行われた。 3-3.長春理工大学との学術国際交流協定の締結 平成 24 年 1 月 16 日、香川大学と長春理工大学が学術交流協定を締結した。 これに伴い、香川大学工学部及び大学院工学研究科と長春理工大学工科系学院 は、学術交流協定に関する実施細則を締結する運びとなり、1 月 17 日、香川大 学工学部キャンパスにて調印式を行った。 工学部での調印式には、長春理工大学の于化東学長、香川大学工学部の増田 拓朗学部長、岡本研正教授、郭書祥教授が出席した。 3-4.国際メカトロニクス研究教育機構協定の追加加入に係る協定の締結 日 仏 11 大 学 ・ 機 関 と 設 立 し た 国 際 メ カ ト ロ ニ ク ス 研 究 教 育 機 構 (International Organization of Research and Education on Mechatronics: IOREM)へ、この度新たに、三重大学が参加することとなり、平成 24 年 2 月 22 日に、サボア大学にて実施された調印式において、サボア大学と香川大学が幹 事校として協定に調印した。 調印式には、サボア大学の Gilbert Angenieux 学長と Laurent Foulloy 教授を はじめとする関係者、三重大学の平井教授、香川大学工学部の秦教授が出席した。 3-5.北京師範大学化学学院と学術交流協定を締結 香川大学工学部および大学院工学研究科は、平成 24 年 3 月 31 日に北京 師範大学化学学院と学術交流協定を締結した。北京師範大学は 1902 年創 立の国立大学で、中国で最も歴史が長い大学である。学生総数約 20,000 人のうち、学部学生は約 8,600 人、大学院学生は約 9,900 人、長期留学生 は約 1,700 人で、研究を中心とする大学である。 協定書の調印は北京市にある北京師範大学で、北京師範大学化学学院 長の方教授と、香川大学の増田工学部長により行われた。 ▲調印式の様子 ▲調印式の様子 ▲調印後の記念撮影 4.学術国際交流協定校との国際交流 今年度は、新たに 3 つの協定校が追加された。協定校の数は 10 カ国 24 校となり、加えてコンソーシア ム型の IOREM の協定がある。 ヨーロッパ: ・フランス 1. サボア大学(協定校担当:秦教授) 2. ENSMM(協定校担当:石丸教授) 3. フランシュ・コンテ大学(協定校担当:石丸教授) 4.IOREM(協定校担当:秦教授) 5. コンピエーネ工科大学(協定校担当:秦教授) 6. リモージュ大学(協定校担当:秦教授) ・ドイツ 7. ボン=ライン=ズィーク大学(協定校担当:秦教授) 8. ミュンヘン工科大学(協定校担当:秦教授) ・フィンランド 9.ロバニエミ応用科学大学(協定校担当:荒川教授) ・スウェーデン 10.ハルムスタッド大学(協定校担当:鈴木(桂)准教授)★平成 23 年度新規 北米: ・カナダ 11. ブリティッシュコロンビア大学(協定校担当:石原准教授) ・アメリカ 12.トレド大学(協定校担当:岩本教授) アジア: ・中国 13. ハルビン工程大学(協定校担当:郭教授) 14. 上海大学(協定校担当:郭教授) 15. 中国電子科学技術大学(協定校担当:郭教授) 16. 長春理工大学(協定校担当:郭教授)★平成 23 年度全学協定へ 17. 北京工業大学(協定校担当:郭教授) 18. 武漢理工大学(協定校担当:郭教授)★平成 23 年度新規 19. 北京師範大学(協定校担当:馮教授)★平成 23 年度新規 ・韓国 20. 韓国海洋大学(協定校担当:岡本教授) 21. 南ソウル大学(協定校担当:松島教授) 22. ハンバット大学(協定校担当:和田准教授) 23.漢陽大学(協定校担当:荒川教授) ・タイ 24. チェンマイ大学(協定校担当:澤田教授) ・ネパール 25. トリブバン大学(協定校担当:長谷川教授) 5.外国人留学生の概要と支援 5-1. 工学部・工学研究科外国人留学生数 平成 23 年 3 月 1 日付の工学部及び工学研究科の外国人留学生は 50 名で内訳は以下のとおりである。 区 分 中国 マレーシア ラオス ベトナム 韓国 台湾 合計(人) 9 11 博士後期課程 1 1 (国費 3) (国費 3) 博士前期課程 10 1 1 12 学部 9 4 1 14 8 研究生 8 (国費 1) 特別聴講学生 2 2 特別研究学生 3 3 50 合計(人) 39 5 1 1 3 1 (国費 4) 昨年に引き続き、アジア、特に中国からの留学生の増加が著しい。国内の日本語学校を卒業後、研究生 として入学し、博士課程の正規生としての入学を希望するパターンが増えている。特記事項としては、初 めてのケースで、学部 3 年次編入のマレーシア政府派遣生の受入れを行った。 5-2. 区 外国人留学生の経済状況・奨学金等 分 国費 外国政府奨 学生 1 私費(奨学金 私費(奨学金 有り) 無し) 合計(人) 博士後期課程 3 5 2 11 博士前期課程 5 7 12 学部 4 3 7 14 研究生 1 7 8 特別聴講学生 2 2 特別研究学生 1 2 3 合計(人) 4 5 16 24 50 今年度、新たに1名の国費留学生を受入れた。学内の入学料や授業料の免除制度、民間奨学金の募集に は、例年通り、多くの私費留学生が申請した。年々、留学生会館への入居が厳しくなっており、卒業前の 半年というタイミングで民間アパートに転居した学生が数名いた。 経済的に貧窮した留学生が大学の短期貸与金制度を利用したケースが 2 件あった。 5-3. 留学生生活サポーター・チューター 今年度は、21 名の生活サポーター・チューターが留学生のサポートにあたった。来日時の様々な対応か ら、日本語のサポート、専門の授業等のサポートまで多岐にわたり活躍した。後期からは新たに生活サポ ーター制度ができ、渡日直後の留学生のサポートが提供し易くなった。留学生が円滑に生活を送るために は、それを細やかにケアするチューターの存在が非常に重要である。今年度も、先輩の留学生が後輩の留 学生のチューターをしたケースが多かった。 5-4. 留学生用貸出パソコン 平成 23 年度は、新しいパソコンを 2 台購入して、計 13 台で対応していたが、11 月に 2005 年度購入分 1台が古くて使用不可となり廃棄処分になったため、年度末の時点で、貸出可能台数は計 12 台となった。 5-5. 留学生用貸出自転車 長年、高松市から借りていたリサイクル自転車の管理状態がひどかったため、修理したあと、貸与期間 が満了となった 3 月末をもって市に返却した。 別途、新たに工学部の留学生用に 2 台の自転車を購入頂いた。長期にわたって貸し出しをすると、どう しても管理がずさんになりがちで、壊れたまま返却してくるケースもあるため、今後は渡日直後に限定し て、留学生への貸出を実施する予定である。 5-6. 倉田奨学会から綾田寮の無償貸与 平成 18 年秋から、倉田奨学会が所有する綾田寮(高松市太田上町)を、工学研究科博士後期課程もしく は博士前期課程に在籍する留学生に無償で貸与いただいている。 平成 23 年 3 月に馮源さん夫妻が退居した後、4 月から 5 代目の入居者となる陳常東さん・罗菲さん夫妻 が入居した。ともに工学研究科に在籍する学生であり、平成 24 年度 9 月末までの入居予定となっている。 5-7. 留学生の事故、けが等 報告された交通事故は 2 件であった。1 件は、留学生が自転車で交差点を走行中、車とぶつかった。本 人にけがはなかったが、自転車がひどく破損したため、新しく購入することになった。2 件目は、原付バ イクで走行中だった留学生が、小さい交差点で一時停止せず、減速進行中、車と接触して肘と膝を怪我し た。病院で治療を受け、保険会社を介した示談も成立した。 キャンパス内の事故としては、バスケットボールをしている最中に転倒し、鎖骨を骨折した留学生がい た。手術を受け、術後の回復は特に問題がなかった。 民間アパートに入居中の留学生が、食事の準備中に油を火にかけたままにしてしまい、火災が発生した。 消火は学生本人が行い、被害は台所付近に留まった。加入していた住宅確保支援制度を利用して、家主へ の損害額(約 20 万円)全額が支払われた。 低温やけどを負った留学生が手術を受けた。 5-8. 留学生の退学等 平成 23 年度は退学者はいなかったが、若干名が留年となった。 勉学や研究が思うように進まない等の理由から、退学や休学を考える学生数名の対応・指導をおこなった。 6.国際インターンシップの推進 6-1. 国際インターンシップの概要 香川大学工学部は、設立理念の一つに「国際的人材の育成」を掲げているが、それを実現するため の具体策の一つとして、国際インターンシップを実施している。平成 12 年度から学生の派遣・受入 れを行っており、今年度は 13 年目にあたる。国際インターンシップの継続的な実施により、海外の インターンシップ協定校との交流を続け、結びつきを強めている。 平成 23 年度までに、42 名の工学部及び工学研究科の学生が国際インターンシップに参加している。 また、協定校からもほぼ同数の 43 名の学生を受入れている。 6-2. 平成 23 年度の派遣状況 平成 23 度の派遣学生: ① 川上 陽平 M2 (信頼性情報システム工学専攻) インターンシップ期間:平成 23 年 9 月 1 日∼平成 24 年1月 15 日 インターンシップ受入れ協定校:フィンランド ロバニエミ応用科学大学 インターンシップ先:p-LAB(ロバニエミ応用科学大学内研究機関) ② 大中 頌一 M1 (信頼性情報システム工学専攻) インターンシップ期間:平成 23 年 9 月 5 日∼平成 24 年1月 27 日 インターンシップ受入れ協定校:フランス サボア大学ポリテク・アヌシ ー・シャンベリー インターンシップ先:LISTIC Laboratory ③ 山下 真一 M1 (材料創造工学専攻) インターンシップ期間:平成 23 年 10 月 3 日∼24 年1月 28 日 インターンシップ受入れ協定校:ドイツ ボン=ライン=ズィーク大学 インターンシップ先:高分子研究室 ▲派遣先での様子 平成 23 年度の派遣は、選考会を通過した 4 名のうち、最終的に 3 名がフィンランドのロバニエミ応 用科学大学、フランスのサボア大学ポリテク・アヌシー・シャンベリー、ドイツのボン=ライン=ズ ィーク大学の 3 校にそれぞれ派遣となった。 インターンシップ実施後の 2 月 21 日の報告会では、3 名それぞれに個性溢れる、貴重な体験が報告 され、報告会後は次期派遣候補者から多くの質問が出ていた。主な報告内容としては、自分の専門と 異なる研修テーマであり、言葉の壁もあったが、自分なりに工夫を凝らし、周囲の協力のもと懸命に 挑戦したこと、現地の人や他国からの留学生との交流を積極的に行ったこと、今回の海外研修が自分 の将来の方向性を決める大きな要素になったことなどが挙げられた。 平成 23 年度の派遣の取り止めは 1 名だった。取り止め時期は 6 月下旬で、受入れ体制が具体化され る前だったため、大きな影響はなかった。取り止めの主な理由は、候補者の就職活動であった。この 1 名については、卒業年度の派遣を予定していたため、卒業後の進路を決定してから出発を希望して いたがそれが叶わなかった。就職活動と平行して、派遣前の様々な準備を主体的に進めていく必要も あったが、これらが思うように進まなかったことも派遣を取り止めた 1 つの理由である。 なお、平成 23 年 6 月に臨時募集をおこない、新たに 1 名の学生を募ったが、申請者は出なかった。 平成 23 年度の派遣候補者の渡航ビザ取得には大きな問題はなかった。フランスは昨年度取得が難航 したこともあり、今年度はできる限り早く申請準備を開始した。結果としては、申請から約1週間で ビザ取得となった。しかし申請に至るまでには、様々な対策を取った。確実にビザを取得するため旅 行代理店の代理申請サービスも検討したが、申請は渡航者本人が東京にあるフランス大使館へ直接赴 いて行わなければならないことが分かり、9 月のインターンシップ開始に備え、7 月下旬にビザを申請 した。最も困難だった点は、申請すべきビザがどれかを見極めることであった。まず在日フランス大 使館のホームページで最新の情報をよく確認して、何度も検討と確認を繰り返した結果、大学生の研 修生ビザ(長期滞在)を申請した。申請前には、曖昧な点を大使館へメールで問い合わせしたり、協 定校から学生の受入身分を明記した書類を送付頂いたりした。大学生の研修生ビザ(長期滞在)は学 生ビザではなく、よってキャンパスフランスを介して申請する必要はなかった。 昨年度に引き続き、今年度も派遣候補者は保護者の同意書とともに留学届を提出した。 工学部後援会の支援により平成 19 年度から開始している、ネイティブスピーカーによる英会話の クラスは、今年度も前期・後期を開催し、ほとんどの派遣候補者が中級クラスを活用している。 また、平成 20 年度から、週 1 回の英語の準備会としてネイティブスピーカーによるマンツーマンの クラスを工学部で実施している。月 4 回程度(週 1 回、40 分)のレッスンで、費用は学生の個人負担 である。常時、8 名程度の学生がこのクラスを利用している。クラスは学生に非常に好評で、日常会 話から英文履歴書や学会でのプレゼンテーションの添削まで、個人のニーズに合わせてレッスンをし てくれる。短期間で効率的な語学力アップが期待できる。 6-3. 平成 23 年度の受入状況 平成 23 年度の受入学生: ① サボア大学 ポリテク・アヌシー・シャンベリー(フランス) 3 年次(日本の M2 相当) インターンシップ先:工学部(品川研究室) インターンシップ期間:平成 23 年 6 月 1 日∼9 月 30 日 ▲受入研究室のメンバー 平成 23 年度の受入れは当初予定していた 3 名から、最終的に 1 名となった。サボア大学(フランス) のポリテク・アヌシー・シャンベリ−から来日し、大学内の研究室(材料創造工学科)で、6 月から 4 ヵ月間研修をおこなった。 この 1 名については、3 月の東日本大震災発生後、一時は日本への渡航が制限され、手続きが思う ように進められず、一旦受入れ手続きを中止した。その後の 5 月上旬に、日本への渡航制限が緩和さ れ、候補者本人から予定通り 6 月からの受入れを希望する連絡が入ったため、急遽受入れ準備を再開 して来日が実現した。震災発生後、多くの留学生が日本への渡航を見送った中、今年度も留学生が工 学研究科での研修期間を無事終了して帰国できたことは、大変うれしいことである。学部内外で広く 交流を深め、例年と同様に地域の皆様にも大変よくして頂いた。 同じく受入れを予定していた 2 名のうち 1 名は、企業での受入を検討していたが、学生の都合で早 い時期に辞退の申し出があった。残る1名はコンピエーネ工科大学からの初の受入れ候補者として 4 月の来日を準備していたが、東日本大震災発生後、渡日をキャンセルせざるを得ない状況となった。 6-4. 国際インターンシップ報告会 国際インターンシップ報告会は、成果の評価も兼ねて行っているが、今年度は 2 月 21 日に行われた。学生、教職員合わせて 35 名が報告会に参加し、派遣学生 3 名 の興味深い発表に聞き入った。研究の実験結果や研究室で経験した事、外国での 生活の様子などが発表され、異文化に触れ、語学の壁を乗り越え、インターンシ ップの機会を最大限に生かせるように積極的に行動した努力の様子がよくうかが える発表であった。発表後には、英語力を伸ばしたい学生に対するアドバイスや、 日本と外国の研究室の具体的な違いなど、様々な質問がされ有意義な報告会 となった。 ▲報告会の様子 6-5.国際インターンシップ実施報告書 毎年発行しているインターンシップ実施報告書には、インターンシップ実施報告だけでなく、国際イン ターンシップへの参加の手引きを記載している。このインターンシップ実施報告書は、国内インターンシ ップも含まれてれおり、ガイダンスで全学生に配布される。 7.広報 7-1. ホームページの活用 国際関係・留学生についてのニュースは、逐次記事を作成し、工学部ホームページのトップのニュース に掲載している。平成 23 年度の掲載記事については、以下のとおりである。 2012.03.14 2012.03.02 2012.01.23 2012.01.17 2012.01.11 2011.12.21 2011.10.26 2011.10.14 2011.10.03 2011.09.28 2011.09.14 留学生との交流会を開催しました 閔博士への感謝状贈呈式を行いました ミュンヘン工科大学 BUSS 教授が工学部を訪問されました 長春理工大学と学術交流協定を締結しました チェンマイ大学で工学部生が講義を受講しました ダハル博士への感謝状贈呈式を行いました ネパールの協定校訪問の報告会を開催しました ロバニエミ応用科学大学との共同ワークショップを開催しました 漢陽大学で共同ワークショップを開催しました 協定校トリブバン大学を表敬訪問しました サボア大学のフロア教授が工学部を訪問されました 2011.07.25 2011.06.01 2011.04.20 国際インターンシップ交流会を開催しました 武漢理工大学と学術交流協定を締結しました ハルムスタッド大学との学術交流協定を締結しました 留学生への連絡事項については、通常、学生掲示板とグループメールで、情報を提供している。 7-2. 工学部ニュース(工学部広報誌)の活用 季刊の工学部ニュースに、国際・留学生関係の記事を掲載している。 7-3. ガイダンスの活用 特に 4 月の学部新入生ガイダンスで、国際交流の取り組みについて、広報している。 7-4. 高校生向け広報 昨年度から開始した取り組みで、入学前から、国際交流に興味を持ってもらえるように、工学部におけ る国際交流の取り組みについて記載したパンフレットを、今年度も高校訪問する教員に配布を依頼した。