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働くことに誇りを 持てる会社

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働くことに誇りを 持てる会社
働くことに誇りを
持てる会社
協力会社とともに取り組む
ものづくり
安全衛生管理に関する2010年度の総括
2010年度の安全成績について、労働災害は64件(うち
死亡災害0件)発生し、度数率0.66、強度率0.02という結
鹿島(元請)
と、各専門工事を担当する協力会社の皆さんで
果になりました。2011年度は引き続き、
「死亡・重篤・重大災
建設業は、多くの職種の協力会社の人々と一体となって
生産活動が行われています。現場における多くの力が一致
害ゼロ」を目標に掲げ、本社・支店・現場が一体となって重点
工事の完成を目指して努力しており、まさに一人ひとりの
協力して「竣工」という目標に向かって進んだ結果、建物や
実施事項を遂行していきます。また、協力会社との下請取
構造物ができあがるのです。
引・施工体制に関する適正化をさらに徹底するための取組み
能力が財産と言えます。
多くの人々が働く現場が、安全で相互に信頼し合え、かつ
識の啓発に努めています。
組織と個人で安全第一
私はダム現場を中心に30数年を過ごしてきましたが、
「組織」
として活気がある現場では、
よりよい方法でより高い品質を追
求できるような活力を感じます。たとえば鹿島社員の計画に
を強化していきます。
私たちの仕事が社会を支えているとの使命感に満ちた
「働きやすく誇りある」現場であるよう、環境の整備と意
VOICE
安全衛生マネジメントシステム
験を活かして、危険の芽を摘み取ったり、
より効率的な施工方
安全成績
鹿島
2.00
1.95
1.55
また、同様にして、鹿島社内に関しても、現場が個別に管理
1.50
安全衛生方針の見直しを行い、安全衛生目標を決定。さらに
それらを実践するための安全衛生計画を策定した上で、遂
1.00
では全社方針に則り、各工事にあわせた工事安全衛生方針・
0.00
り、それにより鹿島の現場で働くすべ
0.73
0.72
0.50
度数率
0.76
0.37
0.41
2006
0.23
0.19
0.08
2007
もらえると信じています。
0.61
0.33
0.33
ての皆さんが安全に毎日を過ごして
0.66
0.56
0.14
2008
強度率
0.02
2009
2010
(年度)
安全環境部 部長
田島 尚樹
度数率:100万延実労働時間当たりの労働災害による死傷者数をもって、
災害発生の頻度を
表したもの
強度率:1,000延実労働時間当たりの労働損失日数をもって、災害の重篤度を表したもの
地球環境保全と環境創造
行するというサイクルを取っています。また、各支店・各現場
するだけではなく支店・本社とが一体となることが肝要であ
1.09
安全衛生活動の仕組みや業務を規定・運用しています。
全社的には、前年度の実績や状況をもとに必要に応じて
が安全行動に徹することで、
安全に対する意識が高揚します。
1.56
管理を行っています。土木部門・建築部門それぞれで、安全
衛生・品質・環境の統合マネジメントシステムの一角として、
法を模索したりすることです。
その組織の力を基に、一人ひとり
総合工事業
1.89
目標に沿って、計画を立て、実践するために鹿島と協力会社
がそれらを共有して施工を進めます。工期から見た中長期の
安全衛生方針(抜粋)
2011年度 安全衛生目標
見通しから、一日のサイクルまでを緻密に計画した上で、
リス
安全は企業の能力と良心を示すバロメーター
クアセスメントを活用し、パトロールなどの点検・評価を繰り
1 三現主義の徹底(現場で・現物を・現実に)
2 コミュニケーションの強化(対話と相互尊重)
返して事前に災害や事故の発生要因を取り除くなど、
「計画
死亡・重篤・重大災害
安全基本行動
ゼロ
一声かけ
現地KY
指差喚呼
〈目標値〉度数率:0.6以下 強度率:0.2以下
地域社会との共生
(P)
−実施(D)
−評価(C)
−改善(A)」というサイクルによ
り、安全衛生水準の継続的な向上を目指しています。
CONTENTS
情報源②(意見聴取・指摘等)
情報源①(原因究明・分析等)
死亡・重篤災害、重大な事故などの事例や
安全パトロール、再発防止検討会など
PDCAサイクル図
働くことに誇りを持てる会社
鹿島は、厚生労働省の指針に基づく
「建設業労働安全衛
生マネジメントシステム(COHSMS)」に準拠して安全衛生
沿って作業を進めるだけでなく、協力会社の皆さんの知恵や経
コンプライアンスの徹底
建設工事は、現場全体を計画・調整しながら運営管理を行う
反映
重点となる危険性・有害性
反映
行政官庁・発注者・社内・協力会社などから
システムの基本事項
20
明日を担う社員の育成
24
安全衛生方針
の設定と表明
システムの補完事項
26
PASSION FOR KAJIMA
28
工事事務所
安全衛生特別監査
工事安全衛生方針
の設定と表明
A
P
C
D
協力会社の評価
原因の調査、問題点
の把握及び改善
KA JIMA CSR REPORT 2011
本社・支店の重点実施事項(抜粋)
危険・有害要因及び
実施事項の特定
安全衛生点検
20
安全衛生目標
の設定
本社・支店
規程の見直し
働きやすい
企業風土の確立に向けて
対策
ステークホルダーとのコミュニケーション
協力会社とともに
取り組むものづくり
工事安全衛生計画
の運用
安全衛生計画
の策定
工事安全衛生目標
の設定
工事安全衛生計画
の策定
協力会社店社の重点実施事項(抜粋)
「現場所長を一人にしない」
ための問題点の共有とフォロー
● 工事立上げ時の支援
● 災害・事故発生時の迅速な支援など
トラブル予防への取組み
● 作業計画策定支援と実施時のフォロー
● 社員及び社外人材に対する教育の実施
● 再発防止対策の水平展開
● 分かりやすい作業手順書の作成と日常での活用
● リスクアセスメントの実施と適切な措置
● パトロール
(店社・災防協)
の充実・実施
● 優秀な職長の要請と優先的な現場配置
● 指示者
(作業主任者・作業指揮者等)
の適切な配置
工事事務所の重点実施事項(抜粋)
安全衛生計画
の運用
重度な災害の
防止
リスクアセスメントを取り入れた事前検討会及び作業前周
知会を実施し、
高所からの墜落・転落、
重機による挟まれ・
巻き込まれを防止する。
社会的影響の
回避
発生頻度の
低減
保護具の使用や回転式電動工具を適正に使用する。
運搬計画の検討と確認、適正な台車等を使用する。
コミュニケーション
の活性化
機械能力を十分考慮した作業計画を作成し、安全装置の
機能維持と管理を徹底する。
火災・公衆災害等を防止する施工計画の作成と実施を
徹底する。
現場の施工条件を考慮した具体的な作業計画の策定と
計画どおりの施工を行う。
KA JIMA CSR REPORT 2011
21
働くことに誇りを持てる会社
現場における安全衛生管理
施工内容全体を検討し、工期から中長期の計画、1週間、
現場の1日
「安全第一」の施工計画と意識の共有
現場では朝礼で全員が会し、1日の作業の流れや注意事
施工計画では、無理のない安全を第一に捉えることが肝要
項を周知し、情報の共有を図ります。そこから持ち場で専門
です。
また、細かい作業手順に至るまでを協力会社と共有し、
1日と細分化した計画を練った上で、日々の作業が行われ
工種を担当します。協力会社の職長と作業員が班を作り、計
お互いの知識と経験でより確
ています。現場の安全衛生管理は、とりまく状況を理解し、
画された手順で作業を進め、鹿島の社員は品質と作業の安
実に計画し、作業に移すよう取
品質の確保を前提に、効率的でより安全な作業ができるよ
全を確保すべく現地を点検・管理します。1日の作業を進めな
り組んでいます。
う、人・重機・モノの動きを詳細に検討しています。
がら、少し先の計画を立て、準備を綿密にしています。
優秀な技術・技能者への表彰
鹿島では2000年4月から、自社の建設工事に6カ月以上
携わり、実績面で工事への貢献度が高く、他の模範となる職
長や優秀な技術・技能者を対象に「優秀技術・技能者報奨金
支給制度(通称:E賞)」を設けています。2010年度は国内
連続の受賞となりました。
工程打合せの様子
関西支店 凌風小中学校 校舎新築工事
リスクアセスメント
朝礼
リスクアセスメントとは、施工計画や作業開始時など、あら
ゆる場面で作業を行うに当たって危険性や有害性を特定し、
災害や事故が発生するリスクを見積り、評価する手法です。
朝礼
TBM
現地KY
朝礼では全員が集合し、その後協力会社の職長
作業員の班分けや他職との調整伝達事項
実際に作業する場所を現認しながら危険
が主体となったTBM、続いて班毎に実際に作業
などを把握します。
予知(KY)
を行います。
施工計画に基づく施工
全景
働くことに誇りを持てる会社
を行う持ち場で現地KYを実施します。これらは
安全・品質確保の重要な時間です。
危険性や有害性のリスクを評価した後、どのようにリスク
を低減し、それらの優先順位はどのようなものかを検討し、
対策の実施、さらには記録を残すというプロセスが必要で
す。鹿島では、特に工事入手時検討会後の、施工計画書作
リスクアセスメントを実施しており、それ以外に本支店が行
休憩
成時や施工準備委員会、鉄骨建方等の施工前検討会などで
事前検討∼揚重作業∼
現場の中ではクレーンなど大きな資機材を
う安全衛生パトロールなども該当します。多くの人々の知識
総合計画図
地球環境保全と環境創造
動かす揚重機械が用いられます。それらを安
や経験で事前検討の効果を高めるとともに、より多くの人の
全に、かつ効率よく用いるためには、
「どの
ように、いつ何を」動かすのかという観点で
目で現場を実際に確認することで、安全衛生管理の確度を
事前の検討や計画が重要になります。
高めています。
資材をクレーンで吊るときにも綿密な計画を
作業間連絡調整
緊急事態発生時の対応
万が一、労働災害や事故・火災等が発生した場合には、関
図面で行います。そして関係者で打合せを
当日の午後からの作業と翌日の作業について、職
行い考えられる不具合や不安全な状況がな
種間の作業調整を行います。
また、職長会活動の
いかなどを検討します。さらに当日は、それら
1つである現場パトロールをふまえて、安全・環境
をふまえた注意喚起で、全員が同じ意識で
についての注意事項を周知します。
作業に当たります。
を現場内で共有しています。
地域社会との共生
る必要があります。そのために、着工時から緊急連絡先一覧
昼休み
連機関への連絡など、社内外と連携の上で迅速な対応をす
定期的な取組み
定期的に安全に対する意識を高めるための取組みも行っています。
緊急事態への対応
コンプライアンスの徹底
12支店で合計628名が受賞しました。このうち160名は3年
毎月1回協力会社が集まる「災害防止協議会」では、開催月の反省
や翌月の工程・作業内容の周知を行い、災害防止を図っています。
工事事務所
関連機関等
また、毎月1日には、全作業員に対し、当月の工事の流れや、災害事
● 消防署 ● 警察署
例を用いた安全への意識
● 病院 ● 監督署 ● 発注者
● 地下埋設管理者
所長
ステークホルダーとのコミュニケーション
担当者
啓発を行う「安全大会」を
(ガス・水道・電気等)
● その他の関連機関
実施しています。このとき
には、職長会活動に大い
なる貢献があった方に対
土木工事の 建築工事の 土木工事、建築工事の
場合
場合
いずれの場合も
土木部
建築部
パトロールの実施
休憩
支店
して安全表彰を行ってい
安全環境部
現場では、実際に計画通りに作業が行
支店長
われているかをなるべく多くの人の目で
確認することが大切です。現場従事者
だけではなく、鹿島の本支店や専門工
本社
土木管理本部
建築管理本部
安全環境部長
ます。
その他にもゼロエミッショ
ン活動を推進するための
講 習 会 や 周 辺 の 整 備も
行っています。
種を担当する協力会社の母店が定期的
にパトロールを実施しています。安全面
関係部署
担当副社長・担当役員
片付け・作業終了報告
だけではなく品質や施工手順など、改善
1日の最後は、次の日に向けて整理整頓を行い
策についても検討でき、他現場への水
ます。
平展開や情報共有にも役立ちます。
社長
22
KA JIMA CSR REPORT 2011
KA JIMA CSR REPORT 2011
23
働くことに誇りを持てる会社
明日を担う社員の育成
土木部門
新入社員基礎確認教育
種別を越えたテーマ教育
土木部門では、入社後5年次までを特に重要な育成期間
技術と現場運営の基本的な能力を修得するために、1年
鹿島では、
「人材」が非常に重要な資産と考えています。
と位置付けて土木技術の基礎修得期間とし、
10年次まで
次の教育は現場OJTを基本にしながら、導入教育、夜学など
170年を超える歴史は、各分野の専門家が伝統の「進取の
をダム、
トンネル、橋梁などの工種別の基礎技術修得期間と
様々なOff-JTで補完しています。この教育の集大成として、
テーマについては、本支店の拠点での集合研修や各自がパ
精神」を受け継ぎ、研究技術開発を続けてきた証です。自社
しています。10年次以降は工種別スペシャリストに向けて
3月の1カ月を「新入社員基礎確認教育」に当てています。
ソコン上で行うe-ラーニングを活用し、教育を行っています。
の事業やマインドに誇りを持ち、さらなる展開を求めて、明
の技術と現場管理・運営能力を修得し、鹿島の土木技術者
現場運営を行う上で設計図書の読解能力が必須であること
それ以外に、実際に現場運営を行うに当たって、種別に関係
社員に求める姿
としてキャリアアップしていくことになります。年次ごとに修
から、この教育では、モデル設計図から施工図 を作成する
なく必要な安全衛生・環境管理に関する内容やマネジメント
得すべきことを明確化し、自分が今やるべきことは何か、一
演習、躯体の各種数量を積算する演習を行い、設計図書の
教育などは本社の担当部署主催で年次や経験をもとに選抜
目でわかる教育体系となっています。
読解能力を修得させています。こうして設計図を読み解く能
して行われています。
コンクリートの品質教育を強化
力を身に付けることで現
安全衛生教育
近年、土木部門ではコンクリートの品質に関する教育を
場運営能力の基礎が固ま
使命であり、誇りであると考えています。多様化する社会か
強化しており、研修と資格取得の2本柱としています。コン
り、1日も早く現場の戦力
社員に対する安全衛生教育は、法令や社内規定などの
らの要望に応えるためには、常に時代の最先端をいく高い技
クリートは土木構造物の骨格をなすものであり、品質に直
として活躍できるようにな
知識を整理する「基礎研修」、事例研究等をもとにした実践
術力と、組織のリーダーとしての人材などが求められます。
結するためです。
ります。
社員育成の全体像
5年次の「土木技術研修会」に加えて、2010年度から中堅
的な「管理者研修」、さらにはリスクマネジメントの観点を組
施工図の作成演習
※設計図:設計者が作成した、建物の基本情報の図面。一般的に意
匠図・構造図・設備図のこと。
施工図:設計図を元に作成する、実際に建物を作るために細部を
描いた図面の総称。躯体図、鉄骨図、エレベーター図など。
み入れた「元方安全衛生管理者研修」、マネジメントの立場
になってからの心構えまでをふまえた「所長研修」という4
階層からなっています。それぞれ2010年度延べ17回で
鹿島は、土木・建築の設計・施工を行う建設事業と、不動産
社員向けに材料・配合に特化した「コンクリート中級研修」
開発を行う開発事業を柱としています。それぞれに求められ
を導入しました。この研修を加えたことにより、コンクリート
る人材像や大学等での専攻が異なるため、土木系・建築系・
に関して幅広い研修体系となり、試験練りやプラント視察
経験と研鑽を積んできた技術者の締め括りとして「所長
等のプログラムで実際に技術を体得できる内容になってい
マネジメント教育」があります。本教育では、初めて所長に
日ごろの 業 務を見 直
ます。
就いたとき、もしくは間もなく所長になる人材を対象として、
す有効な機会にもなっ
ています。
事務系など種別 に分けた採用を行っています。
入社後は各職場でのOJT教育を主に、種別ごとに必要な
560名が受講しました。鹿島の安全衛生マネジメントシステ
知識や技術など専門性を高めるための研修と、種別に関わら
資格取得に関してはコンクリート技士およびコンクリート
現場運営管理上の法令・会
ず鹿島社員として必要なコンプライアンスに関する知識な
主任技士の取得を推進しています。現在、必須としているコ
計・契約・労務・人材育成等を
ど、各テーマに合った研修を行っています。前者については、
ンクリート技士の取得率は60%を達成し、さらなる取得率向
重点テーマとし、所長として
各種別で年次等の階層別に専門知識や技術を習得させるプ
上を目指すとともに、2011年度は特にコンクリート主任技
の責務についての認識を深
ログラムを企画し、各分野における技術者を育成していま
士の取得推進に力点をおき、
30人合格を目標としています。
めていきます。
ムを再認識しながら、
地球環境保全と環境創造
※
所長マネジメント教育
グループワークで発表する様子
所長マネジメント教育
織マネジメント能力の向上を図るとともに、現状の経営課題や
育成フロー図
1
ピックスについても触れ、また、経営幹部との交流を通じて将
次の集合教育により、技術と現場運営の基本的な能力を修
くしなどの問題は技術者の知識に先立って、技術者倫理の
得する期間としています。
5年次終了時には「小規模現場を
問題です。品質の高い建造物を世の中に送り出すために
一人で管理できること」を、また10年次終了時には「中規模
は、その強い「決意」と、それを裏づける「知識・技術力」の2
現場の計画から施工管理まで、責任者として全体を運営管
つが必要不可欠です。よって、技術者に対してはこの両面を
理できること」を目標としています。
KA JIMA CSR REPORT 2011
安全所長研修
財務研修
国際要員研修
マネジメント初級管理者研修
重点育成期間
マネジメント中級管理者研修
3年次
研修
4年次
研修
新入社員
教育
5年次
研修
4年次
研修
6年次
研修
5年次
研修
次期所長育成研修
コンクリート中級
工種別研修会(基礎)
工種別研修会(上級)
役職任用期間
一般工事の基本理解
3年次
研修
▪工種別のスペシャリストに向けて技術修得
▪現場運営・マネジメント能力の修得
工種別の基礎技術修得期間
重点育成期間
基礎
固め
ゼネラリスト・
スペシャリストへ
所長任用に向けての業務修得期間
土木技術基礎修得期間
新入社員
教育
建築施工
題となっている、構造計算書偽装問題、手抜き工事、労災か
24
安全管理者研修
小規模現場を一人で管理
所長任用期間
中規模工事の全体責任
e-ラーニングによる品質・安全教育
大中工事の全体責任
所長マネジメント教育
KA JIMA CSR REPORT 2011
25
ステークホルダーとのコミュニケーション
系を設けています。このうち建築施工の技術者については、
5年次までを重点育成期間とし、現場業務と並行して、各年
ています。
安全基礎研修
建築部門は、施工・設計・設備とそれぞれの種別で教育体
能力・意識が建物・構造物の品質に大きく影響します。近年話
醸成し、
『責任を持って良い物を造る』風土づくりに軸をおい
20
10
建築施工部門
土木
建設業は、工場内ではなく屋外単品生産であり、造る際の
プラント視察
共通
現場に携わる技術者の育成
技術研究所での試験練り
新入社員研修
来のビジョンを共有させ、鹿島の総合力を醸成しています。
※事務・土木・建築施工・建築設計・設備・機電・数理・開発
5
地域社会との共生
す。後者に関しては、次世代リーダーの育成を目的として、組
「メンタルヘルス」・
「ワーク・ライフ・バランス」など最近のト
働くことに誇りを持てる会社
鹿島は、ものづくりを通して社会に貢献することが最大の
これまで開催している3年次の「コンクリート基礎研修」、
コンプライアンスの徹底
日を担う社員の育成を行っています。
※
種別に関係なく、定期的に周知や注意喚起を目的とする
働くことに誇りを持てる会社
働きやすい企業風土の
確立に向けて
多様な人材の活躍
社員の労働安全衛生
様々な休暇制度
鹿島は日本国内だけでなく、世界をフィールドとしており、
鹿島では毎月衛生委員会を開催し、社員の就業環境や健
鹿島本体・海外現地法人で様々な国籍の人材を採用してい
取得できる「現場異動時休暇制度」は2010年度対象者の約
康管理等について改善を図っているほか、産業医を中心と
社員それぞれが自分の能力を発揮して、やりがいのある仕
ます。社員は国籍を問わず、国内外で活躍しています。また
70%、一定勤続年数ごとに連続休暇を取得できる「リフレッ
してメンタルヘルスを含めた社員の健康管理をサポートし、
事ができるとともに、健康で充実した生活を送れるような企
2011年3月末現在の障がい者雇用率は1.75%でしたが、
シュ休暇制度」も2010年度に取得期限を迎えた対象者の約
必要に応じて産業医による面接指導や特定保健指導、健康
業風土を創っています。
法定雇用率(1.8%)
を上回るよう、引き続き障がい者雇用を
70%が取得しました。
相談を実施しています。また、やむを得ず長期休業した社員
促進していきます。
記念日休暇制度の導入
がスムーズに職場復帰できるよう、本人や職場の負担を最
女性の活躍推進
社員を大切にする人事制度
2010年度から、社員が毎年1日それぞれにとっての記念
小限に留めるため、
「リハビリ出勤制度」などの職場復帰プ
鹿島では性差による職務区分の限定はなく、近年では基
日に休暇が取れるよう「記念日休暇制度」を設けました。導
ログラムを実施しています。
鹿島は「鹿島グループ企業行動規範」に基づき、性別・出
幹業務を担当する総合職の女性社員も増加しています。ま
入1年目の取得率は65.3%でした。一斉休暇とは異なり、社
震災後の社員の健康相談
身・人種・国籍・宗教等による差別を禁止しているほか、社員
た、研究・設計部門や事務部門だけでなく、現場の施工管理
員が休暇や働き方に関して考えるきっかけにもなり、特に現
の公平な処遇に努め、多様な人材が能力を十分発揮できる
や営業を担当するなど活躍の場が広がっています。
場勤務の社員でも休暇を取得しやすい制度となっています。
員の健康管理のため、発災から2週間後の3月23日に本
よう様々な取組みをしています。
高齢者再雇用制度
今後も、制度の定着を図るとともに、社員組合と協同で取得
社・健康管理センター所長の永田幹男産業医が東北支店
推進キャンペーンを展開する予定です。
を訪問しました。相談に訪れる社員に、身体の不調や不安
人権への取組み
き続き就労意欲を有する場合、原則として再雇用していま
鹿島では、人権啓発委員会を組織し、同和問題やセクシュ
す。再雇用者は特に次代を担う社員への教育や技術の伝
アルハラスメントをはじめとする人権問題に取り組んでいま
承に活躍しており、その数は2011年3月末現在1,002人
す。新入社員に「人権研修」を行っているほか、全国の支店
となっています。
で定期的に人権研修会を実施し、2010年度は計525名が
ワーク・ライフ・バランス
公正な評価とキャリアメイク
鹿島では、社員がそれぞれの能力を最大限発揮できる環
調和推進プロジェクト」に参画し、ワーク・ライフ・バランスを推
境を整えるために、公平、公正な評価がなされる制度を設け
進しています。特に、現場勤務の社員を対象に、柔軟に取得し
ています。半期ごとに目標を設定し、それに対する実績の評
やすい休暇制度を整備しています。
ワーク・ライフ・バランスの実現
また、毎年社員に部署異動や職務変更の希望などを調査
し、適材適所の人員配置に活用するほか、社員一人ひとりの
キャリアデザインに役立てています。さらに種別によっては、
入社後一定期間に複数の部署や担当職務を経験させ、社員
職場ごとの
ワーク・ライフ・バランス
永続的
発展
再雇用者合計(人)
離職率 (%)
2008
2009
2010
8,817
8,705
8,452
8,164
514
703
882
1,002
1.78
1.82
1.90
1.75
3.8
2.3
3.1
2.7
会社(企業)
両立支援制度
休暇取得推進
適正な人員配置
教育・制度
現状
※1
2007
課題
障がい者雇用率(%)
1人現場/顧客ニーズの多様化・高度化
上記のうち女性
(人)
2010
2011
189
185
185
27
25
26
20
人材の流出・
新規人材の不足
経営状態の悪化
不調和
新入社員数 (人)
2009
187
コミュニケーション
家族(育児・介護)
働き方の見直し
趣味・自己啓発
有期事業/単品生産/品質確保/安全第一/近隣関係/
(各年度4月1日時点)
2008
社員(個人)
長時間労働/休日出勤/単身赴任/健康への不安/
帰りづらい雰囲気/タイムマネジメント/モチベーション
背景
※1 新卒採用した総合職で入社3年以内に離職した比率
※2
支援ガイドを作成し、社内イントラネットで公開しています。
自覚できないことも多
また、次世代支援対策推進法に対しては、2011年3月に第
く、被 災 後も継 続して
3回行動計画目標を掲げて取り組んでいます。
社 員 の 心 身 の ケ アを
計画
結果
第3回計画
1.男性の育児休業取
得者・育児フレックス
タイム勤 務 制 度 利 用
者計5名以上
男性の育児休業取得
者 6 名 、育 児フレック
スタイム勤 務 制 度 利
用者7名
1.男性の育児休業取
得者・育児フレックス
タイム勤 務 制 度 利 用
者計5名以上
2.女性の育児休業取
得率80%以上
取得実績98%
2.女性の育児休業取
得率80%以上
3.育児フレックスタイ
ム勤務制度対象期間
の延長
対象期間を小学校就
学前の子を養育する
社員から小学校4年生
の始 期が到 達 するま
での子を養 育する社
員に拡大
3.職場優先の意識
や固定的な役割分担
意識の是正のための
社内教育の実施
図っています。
丁寧に処置を行う永田所長
社員組合との関係
鹿島では賃金交渉、各種人事制度改正時等に社員組合
と交渉を行っています。また、社員の就労意識などをテーマ
として、毎年定期的に意見交換の場を設けており、より働き
やすい職場を実現するために健全な労使関係を構築してい
ます。
VOICE
(各年度3月末時点)
調和
社員数(人)
たって いると、疲 労を
健康で
豊かな
生活
のキャリアメイクを図っています。
人事データ
鹿島では「仕事と家庭の両立支援」を推進するため、両立
ステークホルダーとのコミュニケーション
一人ひとりの
ワーク・ライフ・バランス
も余震が続く状況の中では、緊張状態を保って業務に当
かけがえのない財産に ── 男性の育児休業
私は2 0 1 0 年 1 0月に1カ月間の育 児 休 業を取 得しまし
かけがえのない財産となりました。
た。息子がちょうど1歳を迎える頃で、妻が育児休業明けで
「育児休業」は、男性に馴染まない制度と捉えられがちで
職場復帰する際の負担を軽減したいという思いからの申請
すが、子供の成長過程のほんの僅かな時間でも、
「タイミン
でした。申請から休業までの時間を用いて、上司ならびに職
グ」を図りながら興味のある方
場の関係者と充分に調整ができ、周囲の理解と協力のおか
は是非取得されてはいかがで
げでスムーズに進みました。私にとって、実際育児に専念し
しょうか。
た1カ月間は貴重な経験でした。息子と存分に触れ合い、育
心身の不調
生きがいの喪失
児の大変さを痛感すると同時に、夫婦間において同じ目線
技術研究所
総務経理グループ 課長代理
で色々なことを見る目を養うことができ、親子三人にとって
福士 秀昭
※2 総合職の人数
26
KA JIMA CSR REPORT 2011
KA JIMA CSR REPORT 2011
地域社会との共生
ワーク・ライフ・バランスの概念図
アメイクを含めた人材育成を行っています。
「仕事と家庭の両立支援」の推進
第2回行動計画の結果(期間:2008年4月1日∼ 2011年3月31日)
鹿島は2008年度から厚生労働省主催の「仕事と生活の
価を社員とその評価者が面談することで、それぞれのキャリ
について丁寧に説明や必要な処置を行いました。その後
地球環境保全と環境創造
受講しました。
今回の東日本大震災を受けて、復旧作業に従事する社
働くことに誇りを持てる会社
鹿島では定年を迎えた社員が、一定の基準を満たし、引
コンプライアンスの徹底
現場勤務の社員が次の現場に異動する際に、連続休暇を
27
働くことに誇りを持てる会社
鹿島建設(瀋陽)技術諮詢有限公司
設立から約半年。
瀋陽市より鹿島の技術力に絶大なる信用を得て、
建設マネジメント、建設基本計画などを行っている。
技術系社員が多く出向している。
Kajima Europe Ltd.
ヨーロッパ大陸での建設事業と、
英国と南フランスでの不動産開発事業を行っている。
Kajima U.S.A. Inc.
KUSAと似た人員構成で、日本人はわずか6%。
鹿島(上海)工程有限公司
設立10年超で努力が実り、
現地法人と
現
地法
法人
法
人とし
して設立が最も古い。
て設立が最
最も
最
も古い。
い
今後の発展が期待される現法。
企業買収により傘下におさめた3法人や
企
買収
収により 下
下に
におさめた3法
法人や
経
経営の柱である
柱
IDI
(倉
(倉庫開発事業)
倉庫開発事
発事
事業)
を含め
を含
含め
100%ローカル社員の会社が多い。
10
00%ロ
が多い。
が多
出向社
出向社員がこれらの会社をマネジメ
社員がこれら
ネジメ
ジメントす
トする
する
経営形態となっている。
経
営形
形態 なっ
っている
って
海外の建築工事、開発事業は、米国をはじめとする世界5地域に
設立された6現地法人で運営され、海外の土木工事については鹿
島本体の海外支店で施工を担当しています。現在、これら海外で
は、約3,500人が働いており、売上高は鹿島グループ全体の約15
∼20%を推移しています。
1990年代後半には、他の海外進出企業同様、世界的な不動産
バブル崩壊の影響を受け厳しい経営を強いられた時期もありまし
中鹿営造股有限公司
中鹿営造股有
有限公司
たが、地域社会に根を張った永続的な企業たりうることを旨として
歴史が古く、地域社会に浸透している。
着実に事業を遂行してきた結果、今日のようなゼネコンでは類のな
鹿島の品質が評価され
鹿島の品質が
が評価され
い海外事業推進体制を構築することができました。
近年では超高
高級マンションの施工実績が多い。
近年では超高級マンショ
Kajima Ove
Overseas
eerseas
rseas Asia Pte Ltd.
Ltd
世界各地で社員がいきいきと働く姿をご紹介します。
ローカル社員
ローカル社員の離職率が低く、
員の離職率が低く、
アジア地域の好況を背景に
アジア地域の
アジ
ジア地域
地域
域の
の好況を背景に
好況を背景
を背景に
300人近く在籍。
300人近く在
在籍。
成長を続けており、
成長
成長を続けて
長を続け
長を続け
けて
ており、
おり、
日本人出向社員が多いのが
日本人出向社
本人出
出向社
社員が多いのが
員が多いの
特徴である。
徴である
る。
VOICE
VOICE
変化を求めて
世界で歴史と地図に刻む仕事
私は、2010年9月にKUSAに転職しました。以前
ちと、新しい考えを出し、意見交換を重ね、相互理解
私は2001年入社から約10年間、海外で国際空
技術者として、その国
はBatson-Cook社(現在はKUSAの傘下)に23年
を深めてグループ全体が将来発展していくように
港、高速道路、開削トンネル工事と海外工事の見積
の歴史と地図を刻む今
間勤め、現場管理からオフィス・マネージャーまで様々
日々取り組んでいます。私は、鹿島グループの一員と
作業に携わってきました。多種多様の自然環境のな
の 仕 事を私 は 誇りに
な部門で多くの経験を積みましたが、
「変化する」こと
して、会社にとってなくてはならない存在になりたいと
かで、各国の文化・言語・宗教・価値観の相違をお互い
思っています。これか
で次のキャリアステップにしたいと転職を決心しまし
考えています。
に尊重しながら工事を進めていくことは、想像以上に
らも海外工事の実績を上げ、若手を育成することによって、鹿島
やりがいのある仕事でした。更には、国の一大プロ
の海外事業拡充に貢献したいと考えております。
た。夫はBatson-Cook社、私はKUSA、夫婦がグ
また、仕事を離れては、Batson-Cook社のチャリ
ループ内の異なる会社に勤めることになり、家では仕
ティ活動に参加し、2006年の活動開始より50万ドル
ジェクトということにより、新聞やテレビに注目され、
事に関する会話も弾みます。
以上の寄付を集めました。
大統領が現場を訪れたこともありました。大変な責任
海外支店
フィリピン・セブ南道路開削トンネル工事出張所
の下での仕事ですが、鹿島の社員として日本の土木
渡邊 卓哉
KUSAの他のグループ会社で働く人事部門の人た
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KA JIMA CSR REPORT 2011
Kajima U.S.A. Executive Secretary
Leia Wolfe
KA JIMA CSR REPORT 2011
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