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4 差別実態に即した行政闘争の強化と日常活動としての 「人権まちづくり

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4 差別実態に即した行政闘争の強化と日常活動としての 「人権まちづくり
① 狭山第3次再審闘争勝利へ向けた不屈の闘いの展開
第3次再審の闘いは、「狭山闘争に勝利するために何が必要か」ということを常に問い返
しながら、石川無実の新証拠の正当性、新たな証拠開示の請求、えん罪防止や再審実現へ
の司法制度の改革などをさらに広範な人々や日弁連を中心とする法曹界、マスコミ関係など
にしっかりと訴えていくことが重要であり、そのためのとりくみ方を真剣に工夫していきます。
すでに、10月には「現場に立ち戻る」という視点から狭山現地での勝利への徹底討論会、
市民集会や現地調査などを重視した新たな闘い方の実戦が開始されています。
このよう
なとりくみを、各地で狭山住民の会などの拡充を図りながら、「狭山勝利」への大きな社会的
世論をつくりだしていくために、地域からの粘り強い草の根運動として強化していきます。
② 最近の差別事件の特徴と傾向及び歴史の教訓
21世紀になってからの最近の差別事件は、さらに悪質・頻発化する傾向を帯びてきてい
ます。換言すれば、差別撤廃の取り組みに逆流する差別事件や顔の見えない陰湿な差別
事件が横行してきていることです。
とりわけ、行政書士などによる戸籍謄本等大量不正取得事件は、30年前に発覚した「部
落地名総鑑」差別事件がいまだに集結しておらず、日本社会が根強い差別体質を持ってい
ることを示すものであり、事件の解明を急ぐとともに、戸籍関連制度や8業種の戸籍などの
自由閲覧・取得制度のあり方。興信所業者の規制のあり方、個人情報の自己コントロ-ル
権のあり方などをふくめて、抜本的な社会の仕組みを問い直していく闘いが必要です。
同時に、これらの差別事件の悪質・頻発化の社会背景に、政治反動や経済不況の基づく
社会不安が存在していることを看破(かんぱ)しなければなりません。すなわち、「戦争のでき
る普通の国」や「愛国的排外主義」の政治宣伝がなされ、「大量失業とホ-ムレスの急増」や
「400万人超の若年不就労と就労人口の3割が非正規雇用労働者」という状況にみられる
ように、市場原理にもとづく際限なき競争主義により「貧富の格差」が拡大し続け、社会の二
極化が顕著になりつつあるもとで「凶悪犯罪の多発化と低年齢化」、「DV 問題、児童虐待や
高齢者虐待の急増」「セクハラやパワハラの急増」、「13万人を超す小中学生の不登校」、
「7年連続の3万人超の自殺者」などとして、社会不安の現象が増大してきていることです。
部落解放運動の歴史的教訓は、差別事件の増大と社会不安の増大は表裏一体であり、
「危険な時代」に突入していく前兆であることを教えてくれており、肝に銘じておかなければな
りません。まさに、「差別は世界の平和と社会の平穏を脅かす」のであり、人権先進国といわ
れるフランスやオ-ストラリアでの最近の人種差別を契機とした大規模な「暴動」は決して対
岸の火事ではないことを教えています。
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差別実態に即した行政闘争の強化と日常活動としての
「人権まちづくり」運動の活性化への課題
① 差別実態の全体的把握に向けた実態調査実施へのとりくみ
部落解放運動にとっての試金石は、「部落差別」をどのように認識するかということであ
り、この認識が運動の正否にとってきわめて重要であることは言を待ちません。
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