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ページ 1 - 京都行政相談委員協議会ホームページ

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ページ 1 - 京都行政相談委員協議会ホームページ
ごあいさつ
「昔
男ありけり」
前京都行政評価事務所
所長
岩田
一彦
(情報公開・個人情報保護審査会事務局総務課長)
「昔、男ありけり。その男、身をえうなきものに思いなして、『京にはあらじ、東の方に住むべき
国求めに。』とて行きけり。」(伊勢物語
第九段)
昨年7月、祇園祭の宵々山の日、鉦の音を耳にしながら、京都に赴任いたしました。
それから、わずか一年余りで「東下り」することになりました。就職以来、始めて行
政相談の現場を垣間見ることができ、短くも、内容のある一年でした。
京都の行政相談委員の皆様とは、全体会議、地区研修会などで何回か直接お会いし、
お話をする機会を持つことができました。堅苦しい挨拶や説明は、次長や相談課職員
に任せ、もっぱら行政相談に関する蘊蓄や歴史の雑談に終始してしまいました。
行政相談委員制度は来年で50周年を迎えます。これにちなんで、「行政相談今昔
物語」と銘打った私家版雑文集を作成して、委員の方々に順次お渡しして参りました
が、全員にお渡しする前に退任することになり心苦しい限りです。幸い、先日京都行
政相談委員協議会のホームページが立ち上げられたので、その雑文集の一部を同ホー
ムページに掲載させていただくことになりました。
また、リサーチウォーキングや愛宕登山などで、行政相談委員の方々と一緒に汗を
流したことも良い思い出です。上記ホームページには、愛宕登山の写真も掲載されて
います。
「コンピュータは手に負えないからホームページなんか見ない。」と言わずに、ま
ずはインターネットを使ってみて下さい。手始めに、こんな使い方をしてみてはどう
でしょう。
「相談」を広辞苑で引くと「互いに意見を出して話しあうこと。また、他人に意見
を求めること。」と定義されていますが、どうも行政相談という場合の「相談」とは
ニュアンスが違うと思いませんか?こんな時、インターネットの「翻訳検索」を使っ
て外国語に翻訳してみると「相談」の親戚の言葉がたくさん見つかり、思いがけない
発見があります。
-1-
翻訳サイトによる「相談」などの翻訳結果
consultation
complaint
advice
mediation
mediation
arbitration
conference
相
苦
助
斡
調
仲
談
談
情
言
旋
停
裁
合
諮詢
意見
指導
幫助
調停
調停
商議
(咨询)
(意见)
(指导)
(帮助)
(调停)
(调停)
(商议)
EXCITE翻訳による http://www.excite.co.jp/world
中国語には「相談」という単語はなく、これに相当する言葉は、戦前の枢密院や軍
事参議院の設置規定でしか目にすることのない「諮詢」という単語であることが分か
ります。
「行政相談委員」であると自己紹介しても、中国の方には通じないのかもしれませ
ん。また、韓国の行政苦情処理制度である「民願手続」は苦衷処理委員(会)が担当
しています。同じ漢字圏でも「相談」という言葉がそのまま通じるとは限りません。
なお、我が国でも「相談」という単語がそれほど昔から使われてきたわけではなさそうです。
おおともの さ か う え い ら つ め
「万葉集」巻四の大伴 坂上郎女の歌(667)の詞書に「相談」という文字が見えます(「相見不踈、
あい
あい
」と対句となる「相談(ふ)
」であり、
「相談」という単語ではありま
相談既密」
)が、
「相見(る)
せん。筆者が見つけた中で一番古い「相談」という単語は、
「日本永代蔵」
(井原西鶴)巻六之二
(見立て養子が利発)に登場する、
「伊勢の親もとへ相談の人つかはしける時・・・」です。この
「相談」は現代の用法に近いようです。現在私たちが使っている「相談」という単語は、その親
戚の単語の意味をも含意し、文脈や使用場面によって微妙なニュアンスを内に秘めたものと考え
ることができます。
「行政相談」について問われた場合に、なかなか一言では言い尽くせない原因
の一つがここにあると思われます。
昨年もこの欄に書いたように、行政相談にも今後はIT(情報技術)の活用が不可
欠であり、また、情報化時代にこそ「顔の見える」(フェイス トゥ フェイス)存
在である行政相談委員の存在意義があると考えます。
京都のコンシェルジュとしての行政相談委員のご活躍とご健勝をお祈りいたします。
「名にしおはば いざ言問はむ都鳥
わが思ふひとは
みやこ ど り
ありやなしやと」
伊勢物語では、現在の言問橋の辺りで 都 鳥を見て京を思い出し、この歌を詠み、こ
ぞって泣いたと言われます。私の心残りは、「わが思ふひと」ならぬ「都をどり」を
十分堪能できなかったことです。
こんな「昔男」がいたことを、思い出していただければ幸いです。
-2-
特 別 寄 稿
「委員協議会の取組み」
京都市東山区
山本
次枝
昨年5月の京都行政相談委員協議会総会で会長という大役を
拝命いたしましたが、皆様のお支えのもと、早いもので1年がた
ちました。
2年目に当たります平成 22 年度は、京都行政相談委員協議会として、新たな取組
みにもチャレンジしていきたいと考えています。
まずは、
「行政相談委員法第4条に基づく委員意見の提出」。日頃何気なく過ごして
いますが、ちょっと見方を変えてみると、これはなぜこのようなことになっているの
だろうか、などという疑問が浮かぶことがあります。このような素朴な疑問を自主研
修会などで意見交換を行い、委員意見として提出できればいいなと思っております。
事務所からも一人1件を目指してはどうかとも言われていますので、なんとか期待に
添えるようにしたいと思います。
次は、
「京都行政相談委員協議会のホームページの開設」。既に、瀬田行政相談委員
を中心にホームページ委員会が立ち上がっており、無事、開設に至ることができまし
た。行政機関のホームページのような型苦しいものではなく、手作りの家庭的なホー
ムページを是非ご覧ください。
さて、来年の平成 23 年は、行政相談委員制度発足 50 周年に当たります。京都行政
相談委員協議会としても、記念事業に向けて何らかの取組みを計画しなければなりま
せん。皆さん、いいお知恵をどしどしお寄せください。
また、毎年度実施している行事として、昨年度に引き続き、一日合同行政相談所の
開設、出前教室や行政懇談会の開催、地域イベントへの出席などについて京都行政評
価事務所と協働で実施してまいります。
最後になりましたが、京都市の委員の間では、ウォーキングを通じて、様々なもの
との出会いにより、京都の魅力を再発見するとともに、行政相談委員の健康増進と相
互の親睦を図ることを目的に、平成 15 年度からリサーチウォーキングを実施してい
ます。発足から7年がたちますが、ますます元気に活動中です。まだ参加されていな
い委員におかれましては、一度参加されてみてはいかがでしょうか。お待ちしていま
す。
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