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03-切削条件

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03-切削条件
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●フライス盤の切削条件について
切削条件
切削条件には次のものがある。
・切削速度(m/min)
・送り速度(mm/min)
・送り量(mm/刃)
・切込み深さ(mm)
・切込み幅(mm)
・食い付き角と離脱角
・上向き削りと下向き削り
・切削剤
これらの条件は切削工具の材種、被削材の材質、切削工具と被削材の取り付け方法、機械の能力、作業者の習熟度等によって決まる。お
およその切削速度と送り量等を以下に示す。実際の作業でこの数値の決定にあたっては上記の各条件を考慮して適宜変更する。
切削速度
加工物が回転し刃先を通過する速度で、1分間の距離(m)で表します。
V=πDN/1000
V:切削速度(m/min) D:被削材の直径(mm) N:機械主軸の毎分回転数
切削工具と被削材質によって標準的な切削速度が推奨されています。その切削速度から上式を変形し、主軸毎分回転数を求めて作業しま
す。
実習室では切削工具、被削材質によっておおむね下記のように設定してください
フライス盤作業による主軸回転数
エンドミル径
低炭素鋼
ステンレス
黄銅
アクリル
アルミニウム
~5
1000
600
1000
1000
1000
5~10
600
400
1000
1000
1000
10~20
300
200
600
600
600
20~30
300
200
600
600
600
フライスカッタ(D=60)
300
200
600
600
600
送り速度と送り量
テーブルの1分間の移動距離(mm)を送り速度といい、そのときの工具の1刃当たりの削り量を送り量といいます
F=fNZ
F:送り速度(m/min) f:送り量(mm/刃) N:主軸毎分回転数 Z:工具の刃数
実習室ではおおむね下記のように設定してください
フライス盤作業による送り速度(mm/min)
エンドミル径(2刃)
低炭素鋼
ステンレス
黄銅
アクリル
アルミニウム
~5
30
12
60
60
60
5~10
36
16
100
60
100
10~20
60
20
120
60
120
20~30
40
30
80
60
120
フライスカッタ(4刃)
180
80
240
120
240
切込み深さと切込み幅
実習室ではおおむね下記のように設定してください
フライス盤作業による切込み幅と切込み深さ
D=工具径
切込み深さ(mm)
切込み幅(mm)
使用工具
アクリル・アルミ
炭素鋼・ステンレス
アクリル・アルミ
炭素鋼・ステンレス
エンドミル
D/2
D/5
3D/4
2D/3
フライスカッタ
2
2
3D/4
2D/3
食付き角と離脱角
食付き角と離脱角が大きくても工具刃先の磨耗や欠損を生じやすい。高炭素鋼やステンレスでは顕著なので注意が必要です。角度を小さく
するには刃先直径の大きなものを使えば良い。
実習室で高炭素鋼やステンレスを切削するとき、刃先直径は被削材幅の1.5倍以上にしてください。たとえば切削幅が10mmのステンレスの
ときはφ15mm以上のエンドミルを使います。
上向き削りと下向き削り
上向き削りは切削工具の回転方向と被削材の送り方向が対面している切削加工で、下向き削りは工具の回転方向と被削材の送り方向が
同一の加工方法です。下向き削りのほうが上向き削りよりも刃先寿命が長い、仕上り面が良好ですが、テーブル送り装置にバックラッシ(遊
び)のないことが条件になります。遊びがあると送り方向に被削材がテーブルごと引き込まれて、工具刃先や加工物の損傷につながります。
実習室では特に指示のない限り、上向き削りで加工してください。
切削剤
切削剤は加工時の発熱を奪い、工具寿命を延ばし、仕上り面を良好にする働きがあります。油性と水溶性があり、前者は潤滑性に、後者は
冷却性に優れます。加工目的にあったものを使用します。
実習室では油性を使用します。ただし、被削材が黄銅丸棒と鋳鉄の時は使いません。
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