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第1回就労支援部会結果(PDF:209KB)

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第1回就労支援部会結果(PDF:209KB)
平成25年度第1回千葉県がん対策審議会就労支援部会議事録
1
日
時
平成25年10月30日(水)18:30~
2
場
所
県教育会館本館6階608会議室
3
出席委員
中川原委員、松岡委員、能川委員、加瀬委員、藤田委員、坂本委員、
杉坂委員
4 議題
(1)がんに関する就労支援の現状と取り組みについて
(2)がん患者・経験者と就労支援に関する調査について
(3)今後の進め方及びスケジュールについて
5
議事内容
○司会
定刻となりましたので、始めさせていただきます。
ただ今から、
「平成25年度第1回千葉県がん対策審議会就労支援部会」を開
催いたします。
私は、本日の司会を務めさせていただきます、健康づくり支援課の小川と申
します。どうぞよろしくお願いいたします。
ここで、お手元の資料の確認をさせていただきます。
不足等がございましたらお申しつけください。よろしいでしょうか。
はじめに、会議の開催にあたりまして、千葉県健康づくり支援課長
鈴木よ
り挨拶申し上げます。
○鈴木課長
千葉県健康づくり支援課長の鈴木です。
本日はお忙しい中、千葉県がん対策審議会就労支援部会にご出席いただき
ましてありがとうございます。開催に当たりまして、一言ご挨拶申し上げま
す。
がん医療が進歩し、がんに罹りながら、社会的な活動を続けている人が増
えている中で、がん患者・経験者とその家族の中には就労が可能であるにも
関わらず、復職・継続就労・新規就労することが困難な場合があるなどの問
題に直面していることが多くなっていることが指摘されています。
そこで県では、今年3月に改定をした「千葉県がん対策推進計画」におい
て、がん患者の就労に関する問題に取り組むこととし、がん対策審議会の下
に「就労支援部会」を設置したところです。
この就労支援部会では、がん患者・経験者の就労に関するニーズや課題に
関する実態調査を行うとともに、職場に対するがんの正しい知識の普及や事
業者・がん患者やその家族・経験者に対する情報提供・相談支援体制のあり
方等を検討してまいりたいと考えております。
本日の部会では、がん患者・経験者の就労支援の実態調査や今後のスケジ
ュールについての委員の皆さまの御意見をいただきたいと考えておりますの
で、よろしくお願いいたします。
以上、簡単ですが、御挨拶とさせていただきます。
○司会
次に、本日御出席いただいている委員の皆さまを御紹介させていただきます。
お手元の出席者名簿を御覧ください。
・委員紹介
次に、事務局職員を紹介いたします。
・職員紹介
続きまして、この会議の成立について御報告申し上げます。
千葉県行政組織条例第32条第2項の規定により、委員の半数以上の出席を
もって開催することができることとなっております。
本日の就労支援部会には、8名中7名の委員の御出席をいただいております
ので、会議が成立しておりますことを御報告いたします。
なお、議事に入る前に確認させていただきますが、本部会の議事内容につき
ましては、千葉県情報公開条例にのっとり公開いたしますので、御了承いただ
きたいと思います。
それでは、次に部会長を御紹介させていただきます。
部会長は千葉県がん対策審議会運営要綱第4条第4項に基づき、部会に属す
る審議会委員の互選により定めると規定されておりますが、この部会では審議
会委員が、中川原委員お一人となっておりますので、中川原委員に部会長をお
願いいたします。
ここからは、中川原部会長に、議事の進行をお願いしたいと思います。
中川原部会長、よろしくお願いいたします。
○中川原部会長
就労支援部会長の中川原です。
それでは、議事に入ります。まず、議題(1)の「がん患者・経験者に関す
る就労支援の現状と取り組みについて」事務局から説明をお願いします。
○事務局
資料1 「がん対策推進における「就労支援」」に基づき説明
○中川原部会長
ただ今、事務局から説明のありました「がんに関する就労支援の現状と取り
組みについて」、御質問や御意見がありましたら、お伺いします。
○藤田委員
がん対策の前委員会において、就労を 5 カ年計画の中に入れるときに委員と
して意見書を提出させてもらいました。先ほどの説明では、5 年間で調査を行い、
職場や事業所へ普及啓発していくことになりましたが、実際にがんになってい
る患者さんは 5 年間も待てないということをお伝えしたいです。
今、3 割の方が離職を迫られ困っているという状況の中で、5 年後を見据えた
事業とともに、千葉県の中で今できることはないのか、もしあるならばそれは
どのようにやればいいのか、そういったこともここで議論していきたいと思い
ます。
愛知県がんセンターでがんの経験者で社会保険労務士の方を採用し、相談支
援センターで相談を始めているというニュースがあります。
5 年間を待たずに、できることはやっていく姿勢で検討していただきたいです。
○中川原部会長
貴重な意見ありがとうございました。
日々、新しい患者さんが増え、就労について悩んでいる方も多くいる中で、
将来に向けての取り組みと今をどうするかということを並行して考えていくこ
とが大切です。
坂本さんは実際にどう感じていますか?
○坂本委員
相談支援センターの話を聞くと、就労にかかわらず、がんになったことで何
をどう考えたらいいのかわからないという相談が多いのですが、相談の根底に
は、実は働けなくなったという、社会からの疎外感があると思います。
相談支援の延長線上に働くことへの支援も入れられないかと思っていました
が、ここ数年、就労支援の話が出てき始めてきました。私のところでも相談支
援センターを出させていただいた際に「働くことについても相談してください」
といったリーフレットを置いたところ、相談支援センターでの相談内容よりも、
さらに踏み込んだ就労問題についての話を伺うことができました。
大きなシステムは作るのに時間がかかりますが、
「就労について相談ができる」
というメッセージを各拠点が出していくだけでも、患者さんにとっては大きな
メッセージにつながると思います。
○中川原部会長
ありがとうございます。他にありますか?
○杉坂委員
藤田さんより、3 割のがん患者さんが離職を迫られているというお話がありま
したが、労働局に離職、退職を迫られているというお話はきますか?
○加瀬委員
労働局ですが、解雇問題、申告事案については労働基準監督署で所掌してい
ます。労働基準法に違反した場合は監督署で指導を行っています。
しかし、監督署では解雇理由についての違反は指導できません。解雇が正当
かどうかは、民事的な部分となります。労使間での話し合いで解決しない場合
は、総合労働相談コーナーに相談することができます。
いじめ、いやがらせなどの事案はありますが、がんを理由に解雇されたとい
う事案は記憶がありませんが、そういった相談もできる場所があるということ
の周知が必要だと思います。
○藤田委員
訂正したいところがあるのでよろしいでしょうか。
3 割の方が退職と申し上げましたが、依願退職の方と解雇された方を合わせて
3 割でした。解雇限定ではありません。ですが、依願退職についてもいられない
ような状況により、依願退職をした場合が考えられます。
がん患者の方はお金が無ければ自分の命を守れない状況です。にもかかわら
ず退職するということは、辞めざるを得ない状況が作られているのではないで
しょうか。
○中川原部会長
3 割の話については、まとめると離職した割合ということでしょう。
この議題は大きく整理しますと、患者さん自身の問題と社会の問題とに分け
ることができるでしょう。
千葉県ではどうなっているのか調べる必要があると思います。議題(2)の
「がん患者・経験者と就労支援に関する調査について」、説明をお願いします。
○事務局
資料2、資料3に基づき説明。
○松岡委員
調査対象者について、がん患者さんと相談支援センターなどに調査をかける
ということですが、がん患者さんにはいろいろな方がいて、オペや化学療法等
によっても違います。調査対象 20 件とありますが、この振り分け方はどう考え
ていますか。
○事務局
絞り出した件数については前回の調査でご協力していただいたがん患者団体
の数を参考にしております。
まだ具体的に決めていないので、最初のとっかかりとしてがん患者団体とご
相談させていただき、今後は今お話して下さったように、様々なケースをご紹
介していただければと思います。
○中川原部会長
資料 2 の「現在の職場」についての拠点病院・協力病院アンケートとがん患
者団体を対象としたアンケートについてですが、がん患者団体の方は拠点病
院・協力病院の方と比較して、同じ職場で働いている人が少なく、依願退職を
された方が増えていますが、どういう理由があるのでしょうか。
○藤田委員
私が思うには、患者団体に入る方は、治療の過程や治療に納得ができない方、
職場や友人、家族などとの人間関係の中では解決できない問題をもった方、そ
して情報がほしい方が多いのでないでしょうか。
静岡県がんセンターの統計では相談相手として患者団体を選ぶ人は多くなか
ったです。まず、友人とか、先生などに相談されているのが多いようです。
○中川原部会長
より高い問題意識を持った方が多いのですね?
○藤田委員
問題だと強く思っている方が多いのだと思います。
仕事を辞めさせられたことを理由に患者団体に入るという方は少ないのでは
ありませんか。
患者団体には会費もかかりますし、どちらかというと同じ悩みを話し合いた
い、情報がほしい方などが主に入られているのだと思います。
○中川原部会長
問題意識が高い方が多いのでしょう。これらのことも含めてアンケート結果
を分析していただきたいと思います。
○事務局
補足をすると、それぞれの母数については、拠点病院・協力病院の有効回答
数は 868、患者団体の有効回答数は 197 となり、4 倍近い違いがあります。
○藤田委員
また性別についても違いがあり、拠点病院・協力病院のアンケートについて
は男女の割合が半分ずつですが、患者団体のアンケートは女性の割合が多いよ
うです。そのため先ほどの依願退職の結果に違いが表れたのではないでしょう
か。
○中川原部会長
疾患によっても大きく異なると思います。
患者サロンについても乳がんの方の参加が多いのですが、婦人科がんとなる
と激減さらに激減します。これは就労に関してもかなりの差があるのではない
でしょうか。
○藤田委員
若い世代の有がん率が高いがんを選んでいくことが、より重要になってくる
と思います。
○中川原部会長
AYA 世代のがん、いわゆる 15 歳から 30 歳までの若年性のがんにかかった方々
は悪性の場合が多く、亡くなる割合が高いのですが、やはりご夫婦ともに若い
年齢であることが多いのです。就労問題といっても若い世代と高齢の世代とで
は異なると思うので、そういった視点も含めた調査の作成をお願いしたいと思
います。AYA 世代のがんについての情報がほとんど無いため、ぜひ入れて頂き
たいですね。
○藤田委員
今回はパイロット調査ということですが、がんの種別だけでなく、ステージ
も関係してくると思います。
今回は難しいかもしれませんが、次年度の本調査では、早期・初期、再発・
転移、末期のどの段階・状態で離職に至ったのかを知ることも大切だと思いま
す。
偏見だとかをなくすことによって、仕事をあきらめないようにしていく、
末期でも働ける方はいるので、その状態の方に対しても居場所をどうやって作
っていくのかということがあります。
○中川原部会長
細かく分けると分析が難しくなりますので、最初は大きな分類で聞いていき、
細かい問題も浮かび上がるような質問を作るのが良いかもしれません。また、
アンケートについて提案があるのですが、がん患者家族向けに 11 項目あります
が、がん患者さんの気持ちの動きをとらえられる様にしていただきたい。
がんと診断されると落ち込みますが、その後職場復帰するために、どのよう
に前向きな気持ちに持っていく努力をしたらよいのか、どのような悩みがある
のかを引き出せるようなアンケート項目を入れてほしいと思います。
○杉坂委員
実態調査アンケートの診断時の仕事という項目についてですが、自営業者と
雇用者とでは立場が大きく異なると思います。実際に自営業で働いている場合
は、休職制度や職場とのかかわりが無いんですよね。また家族の就労について
は、がん患者の方のサポートをしている家族の方が抱えている就労問題につい
て聞いているのですか?世帯などの収入面がどうかとか。
○事務局
そうです。がん患者の家族の方の就労についても質問しています。
御指摘いただいた自営業については、今回のアンケートに加えることは難し
いですが、聴き方を変えるなどの検討をしようと思います。
○松岡委員
家族構成などのバックグラウンド、お子さんが小さいとか、介護者がいると
かに関する質問も加えてほしいと思います。
○事務局
個人的な質問がとても多いので、どこまで聞きだせるかは信頼関係が大きく
関わってくると思いますので、御協力をお願いします。
○中川原部会長
アンケート調査は聞きとりですか?
○事務局
パイロット調査は聞き取りを中心に予定しています。
この聞き取りは次年度に行う本調査の前調査と考えています。
○松岡委員
調査する際には、いろいろながんの種類、ステージがあるので、さまざまなパ
ターンの質問を考えなければならないと思います。
○事務局
東京都では現在就労に関する調査を実施していますが、質問に扶養家族や単
身、ステージなどが入った調査が行われています。しかし質問内容が細かいこ
ともあり、質問数がとても多くなっているため、どのくらい答えていただける
かが問題となります。
○松岡委員
がん患者団体だけでなく、相談支援センターで対象者を洗い出しした方がい
いかもしれませんね。
○事務局
もし、御紹介いただけるような方がいればお願いいたします。
○藤田委員
確認なのですが、資料 3 のパイロット調査は次年度の本調査のために、何を
入れたらよいのかを調べるために、少数の人に対して実施するのですよね?
○事務局
そうです。本調査に生かせるようにするためのものです。
○藤田委員
基本的なこととして、勤めている会社の規模も質問項目に入れると良いと思
います。産業医がいるところとか、公務員とかですとほとんど問題がないと思
うので、産業医がいないところの問題が出るといいと思います。
また相談先に友人が入っていないのですが?
○事務局
「知人」という選択肢に含めています。
○中川原部会長
資料2で依願退職が 20~30%いるということも問題だと思います。また解雇
された方が 4、5%いるので、依願退職の理由が自分か、家族なのかとか、どの
ような理由かを引き出し分析できるようなアンケートが望ましいと思います。
他に意見はありますか?
○松岡委員
事業者に関してですが、やはり従業員規模の大きさや体制によって制度など
が異なってくると思うので、規模を選択肢に入れてほしいです。
○事務局
資料によると、規模の大きい事業所では休職などの制度が整っているところ
が多く、小さな規模の事業所とは異なります。こちらとしても業種、事業規模
などを勘案して調査できたらよいと思っています。
○藤田委員
中川原部会長が提案された依願退職の理由についてですが、資料の「がんと
仕事の Q&A」に書かれているようなので、これを参考に設問を考えて行くのが
良いと思います。治療に専念したいとか、病院が遠隔地にあって通いきれない
とか、相手の方が答えやすいように。
これを聞くことで依願退職の本当の理由、状況などを把握できたらいいと考
えています。リストラと一緒なのか、だんだんいられない状況になっていって、
皆に迷惑がかかるから依願退職になったのかとか。
○中川原部会長
依願退職が自らの意思なのか、それともそうせざるを得ない状況だったのか
など様々な場合がありますね。
○藤田委員
加瀬委員にお聞きしたいのですが、現在の職場や依願退職などについての各
アンケート結果を労働局側からみて、がん患者は一般の方と比べ依願退職が多
いとか特徴的だと思うところはありますか?
○加瀬委員
一般的に、解雇の理由として多くあるのは、景気等の影響によるものです。
景気が良い時には解雇は少ないですが、リーマンショック時には解雇が多い状
況でした。病気を理由というケースは記憶がありません。がんや病気が理由で
解雇になったということはないようです。
○藤田委員
おそらくがんが理由だと次の仕事がみつからなくなると考えているから言わ
ない方が多いのだと思います。
○加瀬委員
がんとは言いにくいため、一身上の都合と答える方が多いのかもしれません。
○藤田委員
もしがんを理由に辞めさせられていた場合には、なおさら言いにくくなりま
す。また、さらには周りの友人にも言いたくないという気持ちが働くと思いま
す。
そのため自分は元気で働けるということをハローワークにアピールされる方
が多いのでしょう。「がんです」と言うのは、究極のプライバシーなので、「糖
尿病です」と言うのとはちょっと違うので。
○杉坂委員
休職制度は企業によって期間が異なると思いますが、実際に病気になった方
は半年から1年ほど休むため使い切ってしまう方が多いと思います。この期間
満了の場合は解雇ではなくて、その他に入っているのか、依願退職なのかどれ
に当てはまるのでしょうか?
○松岡委員
休職期間や罹患年数がどのくらいなのかを知ることがいいのかもしれません。
○中川原部会長
離職期間は調査では 2 年間と出ていますが。
○杉坂委員
2 年は長いですね。ですが実際は 1 年のところが多いと思います。1 年間休職
制度を利用し、復帰後再び休職制度を使うなど、併せて何年といった場合があ
るのではないでしょうか。
○松岡委員
どういう休職の形態が多いのかを把握する必要があるかもしれません。
大企業では休職期間は長く、中小企業では短いというように企業規模によっ
て異なるかと思います。
○杉坂委員
実際には、就業規則が無い、もしくは公開していないという企業も多いと思
います。
産業医がいる企業は、社員が 50 人以上いるような規模の大きいところですの
で、千葉県にはそのくらい大きな企業はどのくらいあるのでしょうか?
○松岡委員
企業数としては 9 割くらいが 50 人未満で、人数的には 6 割くらいは小規模事
業所です。小規模事業所に関して言いますと、50 人以上は産業医がいますが、
50 人未満の企業に対しては地域産業保険センターがフォローをしています。千
葉県医師会で厚労省から委託されている事業で県内 9 センターありますが、長
時間労働や健康診断についての話が多く、がんに関する相談を受けたことはあ
りません。周知されていないということがあると思います。
○中川原部会長
表面に出てきていないということですね。資料 2 の規模別の調査があります
が?
○事務局
その調査では求職者へ企業の規模別に休職制度に関する結果を載せています。
○中川原部会長
がん患者のみが対象ですか?
○事務局
いいえ、
「私傷病による休業者への支援の状況」のため、メンタルやその他の
病気も含んだ統計になります。がんはこの中に含まれていますが、がんに絞っ
たものはありません。長期休職となると原因ががんによることが多いというデ
ータはあったと思います。
○中川原部会長
がん患者の方のみを対象としたこのような調査は可能ですか?
○事務局
がん対策推進計画を立てる時も、各拠点・協力病院に対しこのような調査を
行うといった話をしたとき、プライバシーの問題がある関係で、倫理審査会で
の手続きを経る必要があると言われました。
本調査は、そういうことを加味した形で各拠点・協力病院に協力をお願いし
ていくことになります。
○中川原部会長
拠点・協力病院で千葉県のがん患者の何割くらいをカバーできているのでし
ょうか?
○事務局
計画策定時の調査では 2,000 のうち、各拠点病院に 100 人ずつお願いしてい
ますが、そのうち 800 件程度の回答となっていますので、あまり多くでないと
思います。
○中川原部会長
拠点病院、もしくは拠点・協力病院でどのくらいカバーできているのかとい
う概数を出していただきたいです。それにより判断がしやすくなると思います。
○事務局
罹患状況については、地域がん登録をみると平成 20 年は新規で 2 万 6 千人い
るようです。
聞き取り調査で質問する項目について意見をいただきましたが、対面で聞き
取りを行うことやプライバシーに関するものが多いので、やり方の工夫を考え
ようと思います。
現在のところは、聞き取りと郵送を考えています。
○藤田委員
聞き取りで調査を行った場合には、話を聞いているうちに様々な意見が自然
と出てくると思うので、そのような話が出やすいような質問の仕方が良いと思
います。
○能川委員
簡単に言うとがん患者の方が就労できればいいのですよね?
主治医が就労可能だと診断書を持ってきたのに企業が認めないというケースは
聞いたことがありません。
メンタル面の改善は難しいですが、主治医がどのような条件で働くことがで
きるかを示せば企業も判断しやすいと思います。
企業によって異なるので、どこの事業所を対象にするかが重要となります。
規模の違いも重要ですが、小さな規模である中小・零細企業の中でどう就労
支援を行うかも大切だと思います。
また本人に働く意欲がなくなってしまっているということも考えられます。
○事務局
坂本さんは、実際に現場でどのように感じていますか?
○坂本委員
病院の立場から話すと、2 つの問題があると思います。1 つはどこにも相談せ
ずに辞めてしまう場合が多いということです。初期の診断時には辞めなくても、
再発・転移などにより辞めてしまい、抗がん剤治療の費用が膨大なことから、
再び仕事を探すという場合があります。
辞めずに仕事を続けている場合は、会社側も勘案してくれる場合があります
が、一度辞めてしまった場合の再就職は社会情勢上からも難しいので、辞める
前に相談してほしいというメッセージを発信することが重要だと思います。
また、もう 1 つは、主治医との対話の中で、がん患者の方は「仕事を続けら
れないですよね」と聞く方が多く、それに対して主治医は「そうですね」と曖
昧な回答をして、患者さんも続けられないと思ってしまう傾向があります。
そのため、お互いに踏み込んで、これからの治療はこうですとか、恒常的に
話していければいいと思いますし、どのような仕事ならできるかといった相談
ができるように、医療者と患者さんのコミュニケーションをとっていくことも
大切だと思います。
○松岡委員
主治医の方はどのように考えられているのでしょうか?がん患者の方の仕事
に対する熱意などを感じることはありますか?
○中川原部会長
ケースバイケースで、前向きな方や落ち込んでいる方など様々です。
医師が就労できるという診断書を書くことが一つのポイントだと思います。
書いた診断書ががん患者を復職させることになるということを医者も知らない
し、患者さんからもお願いする権利があるということを知ってもらうことが良
いかもしれません。
○能川委員
企業でそれ用の診断書を用意できればどうでしょう。主治医の先生が、労働
者で休職している者に復職可能を示せるものがあれば。主治医の先生が診断書
に、どう書いたらよいか知らないという可能性がある。
○中川原部会長
そうした診断書を作っておくことが必要かと思います。
○杉坂委員
その診断書に、完全な労務提供はできないが 5~6 割ほどの労務なら提供でき
るといった内容を盛り込めないでしょうか。
○中川原部会長
やはり医者の立場として、がん患者の方にはフルで働いてもらうよりも、休
みながら体をいたわりつつ働いてもらったほうがいいという人が多い。
そのときに診断書をどう書くかが問題です。
○能川委員
就労条件などを主治医から診断書に具体的に書いていただくと、会社側とし
ても分かりやすい。
○中川原部会長
医者はあまりそのようなことは分からないので、何かひな形のようなものが
あるといいのですが。千葉県で作れそうですか?
○事務局
診断書は、先生方の御意見を頂かないと難しい。県としてできるのはがんセ
ンターなどを通して、
「がんになっても働ける」というような普及啓発となりま
す。
○中川原部会長
企業側もがん患者に対しての知識が無いため、どの程度までできるかなどを
診断書や指標として書いてあれば企業が対処しやすいようになるのではないで
しょうか。
○能川委員
「今は軽作業が可能」といった内容ですね。
○事務局
杉坂委員は社会保険労務士としてどう思いますか?
○杉坂委員
10 人程度の少人数の規模だと、がん患者の方の仕事のウェイトが大きくなり
ます。利益が大きい会社であれば軽作業でも半年から 1 年間雇い続けるという
こともできますが、利益や規模が小さい会社だとがん患者の方に仕事を続けて
もらいながら、新たに仕事を補うための人を雇うというのは大変だと思います。
また仕事によって、デスクワークなのか、立ち仕事が中心なのかで、がんにな
ったことでできる仕事がなくなってしまう場合もあります。
○松岡委員
そこで産業医が入っていくことが重要になってくると思います。休職があっ
て産業医が職場復帰などの診断書を見ることでできることを把握し、主治医と
意見を交換することが大切だと思います。
○杉坂委員
休職制度があれば、有給休暇と休職制度を使うことは可能だと思いますが、
それを使い切った後が問題だと思います。
その後は、その人の性格によって違うかと思いますが、会社の立場や同僚の
立場に重きを置く人だと、依願退職を選択する人がいます。
○松岡委員
がん対策としては、アンケートだけでなく問題共有が出来るようにシンポジ
ウムなどを開くことなどを考えていくとかでしょうか。
○事務局
ハローワークの方では、今話に出たような診断書を再就職につなげる事は出
来ますか?
○加瀬委員
雇用保険を受給するときに診断書が必要な場合があります。会社を辞めた際
に会社から本人に雇用保険被保険者離職票が出るので、それを持って雇用保険
手続きに来ますが、失業の定義があり、再就職の意思と能力がないと雇用保険
は受給できません。その時に病気で辞めたということですと、働けますかとお
尋ねします。通院中の方だと就労可能の診断書を求める場合があります。
○中川原部会長
そうすると、そのような場合に診断書があると判断がしやすく良いかもしれ
ませんね。
○藤田委員
診断書についてお聞きしたいのですが、乳がんについていえば、手術の後に
放射線治療とか、抗がん剤を投与してとかありますが、副作用が重いのは一定
期間だったりします。今回の話の診断書には軽作業が出来るかどうかのみが書
かれるのでしょうか?その方はどんな副作用があるかとかはいかがでしょうか。
○中川原部会長
そのことについて書けるのは医者だけです。
患者の方の治療期間や副作用、その後は仕事ができますというような内容を
示すことで企業側が把握しやすいようにできたらと思います。
○藤田委員
そのような内容なら、病気の期間も今だけだと考えてもらいやすいので、と
ても良いと思います。自分の休むペースとかもわかってくると思います。
○中川原部会長
主治医が出す診断書というのは、今現在の状況を記したものが多いので、治
療後は普通に生活できるといった復職を前提とした診断書が出来れば役に立つ
と思います。
○加瀬委員
先ほどの雇用保険の受給に診断書が必要という内容について、付け加えたい
ことがあるのですが、雇用保険を受けなければ就労可能であるという診断書は
出さなくてもよいので、ハローワークに求職申し込みをして、自由に仕事を選
択できます。義務付けではありません。
しかし、再就職の会社面接では職歴とか退職理由を聞かれるかもしれないの
で、やはり会社に説明して理解を求めることになるかと思います。
○中川原部会長
がんが治り、元通り元気になる人もいれば、そうでない人もいます。そうでな
い人のために、主治医より診断書を出してもらえるというシステムを作ること
が良いのだと思います。
○能川委員
根本的には経営の問題だが、その人が抜けてしまうと経営が成り立たないこと
もある。メンタルの場合に比べがんの場合は就労の壁が低いと思う。雇用主に
情報を提供することがいいのではないかと思います。
○中川原部会長
積極的なご意見ありがとうございました。
議題 3 の「今後の進め方及びスケジュールについて」事務局からお願いします。
○事務局
資料 4「今後の進め方及びスケジュールについて」に基づいて説明。
また今回の話し合いの中で出てきた診断書については中川原部会長と相談しな
がら進めたいと思います。
○中川原部会長
診断書はとてもいい提案だと思うのですが、医師会の立場から見て、復職に
関する診断書は、患者さんにとって、どういう内容、形式にしたらよいか検討
していただきたい。
○松岡委員
県医師会に産業医学研究委員会の会議があるので、そこで検討させていただ
こうと思います。
○中川原部会長
そこで良いという結論が出れば、モデルを作って動いていけるでしょう。
○事務局
がん診療連携協議会の各臓器主要専門部会から、最終的には病院長の集まる
会議で検討していただければと思います。まずは広く認知していただく事が大
切だと思います。
○松岡委員
診断書を書く時期やタイミングも考えていった方が良いと思います。
○事務局
医者からの診断書ということで患者から事業者への説得力が増すことにつな
がると思います。
○藤田委員
アンケートだけでなく、今年度中にがんセンターが何かアクションを起こし、
メディアに取り上げてもらうことで、相談センターに相談しやすくなるのでは
ないでしょうか。相談支援センターで就労の相談もできるというアピールが大
切だと思います。
○事務局
国の補助金で、今年度から相談支援センターの方で社会保険労務士や MSW
を雇う費用を補助するといった制度があり、まだ始めたばかりなので、実際に
は国立がん研究センター東病院が実施しているという現状です。今年度は、ま
だ実施していないところが多いのですが、それを拠点病院などに普及していく
のが県の仕事と考えています。
○藤田委員
大阪はキャンサーリボンズが就労に関する Q&A を作り、会社で勤めている人
を対象に配ることで、がんになっても就労に選択肢を持てるような運動を始め
たという記事を見ました。
このような冊子の作成などを千葉県がんセンターで試していただけたらいい
と思います。
○事務局
今回予定しているパイロット調査は聞き取りで行う予定ですが、その狙いは
県がこのような調査を行うことで、企業に意識を持ってもらおうという意図も
あります。
今回いただいた意見を基に修正し、また改めて意見を伺いたいと思っていま
す。そのうえで、調査を行いたいと考えています。
○中川原部会長
活発な意見交換をありがとうございました。
それでは、事務局にお返しします。
○事務局
先ほどの相談センターの関係で来年 2 月頃にがん診療連携協議会の相談支援
専門部会があるので、国立がん研究センターで社会保険労務士さんを入れたお
話しをいただくなど、相談員の集まりで広げていただけたらと思います。
最後に、お配りした資料に平成 24 年8月に国の検討会から公表された「治療
と職業生活の両立支援に関する検討会報告書」がありますが、ここに支援の在
り方として行政の役割が書かれています。このようなことを参考にしながら、
県として取組を進めていきたいと考えています。
委員の皆さまには、御多忙な中、御出席いただき、ありがとうございました。
また、多くの御意見をいただきありがとうございました。
これで、平成25年度第1回千葉県がん対策審議会就労支援部会を終了いた
します。
【終了】
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