Comments
Description
Transcript
資料3 「コミュニティの再興と暮らしの構造改革」論点(案) 【問題意識
資料3 「コミュニティの再興と暮らしの構造改革」論点(案) 【問題意識】 現在、急速に少子高齢化が進展する中で、財政状況の悪化とともに、活力の低下がみられ る地域が散在している。こうしたことを踏まえ、 「国から地方へ」 「官から民へ」という潮流 の中で構造改革が推進されるとともに、市町村合併の気運も高まっている。このような我が 国を取り巻く状況の変化を背景として、国民の暮らしに密着するコミュニティ(地域社会) のあり方について変革が求められている。 そうした中、自己の価値観に基づき自発的に社会参画していくという自立した個人が増加 している。そして、地域社会において、地域の安全、教育、環境保全、福祉などの領域を中 心に、こうした個人相互のつながりによって、政府や民間企業では対応しがたい、なじみに くいニーズに応えていくという動きがみられつつある。 こうした情勢は、今後、経済社会が成熟していく中で一層強まっていくとみられる。そこ では、市民相互の連携が、政府や民間企業などと結びつきつつ、新しいタイプの『市場』を 形成し、地域社会を従来の画一的・受動的なものから選択的・自律的なものへと転換させて いくことが期待される。 社会のニーズに対応した市民活動の先駆的な事例を手がかりにすることによって、こうし た新しい地域社会像を具体的に浮き彫りにしていくことができるのではないか。 【論点】 論点1 地方公共団体や民間企業などでは対応しがたい、なじみにくいもので、市民相互 の連携によって取り組まれている活動にはどのようなものがあるか。都市部と地方部 では、どのような違いが見られるか。 (活動の例) ○ 高齢者や障害者に対する配食や移送 ○ 街のらくがきを消去 ○ 子連れでの再婚を支援 ○ 育児に関する悩み相談と保育・家事援助 ○ 留学生にビジネス日本語を指導 ○ 若者(フリーター・ひきこもり)に対する就職支援 ○ 子どもたちに命の尊さ訴える ○ 中高年退職者のためのコミュニティづくり 論点2 市民相互の連携による取組みには、どのような特徴がみられるか。 (考えられる特徴) ○ 総花的ではなく専門的な活動目標・テーマをもつ ○ サービスの「受け手」「出し手」がお互いに顔が見える ○ 義務的なものではなく、市民の自発性(やる気・やりがい)が活動の ○ 誰でも参加しやすい開かれた組織 論点3 市民による新たな取組みは、地方公共団体、民間企業、学校・大学等とどのよう に結びつくのか。NPOそれ自身についても、地域社会においてどのように位置付け られるか(NPOの新たなステージ)。個人の視点からみて、どのように把握できる か。 ○ 民間企業(役員、会社員)はどのように市民の取組みに貢献できるか。 例:ボランティア休暇を活用した社員による地域活動、企業が有する経営・会計などのノ ウハウの提供、商店街や地場産業と市民活動の連携 ○ など 地方公共団体はどのように市民の取組みに貢献できるか。 例:これまで地方公共団体が担ってきた公共サービスの市民・NPOへの事業委託、遊休 施設や公民館など公共施設の提供、地方公共団体による市民・NPOへの財政支援 な ど ○ 学校・大学(教師・学生)はどのように市民の取組みに貢献できるか。 例:ボランティア休学やボランティア活動による単位取得、社会人を招いた一般教育の実 施 など ○ 地域における地方公共団体、民間企業、市民・NPOそれぞれの役割は。 ○ もたれ合いではなく、「緊張感のあるパートナーシップ」の形成 ○ 市民による政策の決定過程・運営への参画、行政評価の促進 論点4 市民相互の連携が生み出す『新しい市場』は、どのようにコミュニティ(地域社 会)の再興へとつながるのか。また、コミュニティの再興を進めていくことにより、 活力ある国づくりへとつながっていくのではないか。 ○ 「新しい市場」において、地方公共団体や民間企業では対応しがたい、なじみにくい分 野(「心のケア」など)はどの程度の市場規模となるか。 ○ 「新しい市場」において、地域通貨が流通することにより、市民間や別の主体(地方公 共団体・企業)との連携による取組みが加速されるのではないか。ひいてはコミュニテ ィの再興につながるのではないか。 ○ コミュニティの再興を活力ある国づくりへとつなげていくためには、構造改革特区など、 地域の発想に基づく取組みを活用することが考えられないか。 ○ NPOが新たなステージに向かうためには、どのような制度整備が必要か。 ○ その他に、市民やNPOの活動に基づくコミュニティの再興がなされる仕組みはあるか。