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18 ハ ー テ ィ ン グ テ クノ ロ ジ ニ ュ ー ス レ タ ー 寄稿記事: Prof. Dr.-Ing. Markus Glück 研究振興が、製品イノベーションの基礎をつくる Innovation from HARTING Frank Quast オープンな思考をモットーに Andreas Huhmann テンポをつくる Creative har-speed M12 Cable assemblies Han®-Eco New Ideas Customers Specific Solutions Efficiency Industrial Applications Automation IT Speed Fast Track Switching Connectivity & Networks Ha-VIS preLink® Quality Ethernet Reliable HARTING Technology Group RJ45 Han-Modular® Wind Energy System Control ® Han-Yellock Concept RFID Worldwide Standardization 10 Gigabit Installation Technology Pushing Performance Data IP 67 Innovative Transportation Device Connectivity Partnership Application Broadcast New Mindsets Standard Backplanes Future Connectors Network Energy 2 《新しいもの》を生み出す《新しい発想》 「私たちは《新しい発想》を行動原則に掲げています。この原則に沿って会社の力を高め、創造的な ソリューションを生み出し、柔軟な姿勢で将来に備えることにより、ハーティングテクノロジーの顧客 に、今も、そしてこれからも利益を提供することを目指してまいります」 Philip Harting, Senior Vice President Connectivity & Networks コネクタ技術は将来のキーテクノロジーと なるものです。新しい市場や用途が生まれ たことで、当社のコネクタにも、接続時に 直感的な操作で簡単にロックでき、しかも 偶発的に外れてしまうことを防ぐロック機 能など、新たな特性が求められるようにな りました。こうした条件の下でHan®コネク タのコンセプトを練り直した結果、まった く新しいHan®コネクタ、すなわち、数々の 新たな機能を実現したHan-Yellock®が生 まれました。本誌では多くのページを割い て、この革新的技術をご紹介しています。 に実現できたかについては、本誌をお読み いただければ分かります。 クリエイティブで何よりも価値を創出する ソリューションに、ハーティングのこの《新 しい発想》が生かされています。顧客が適 切に新しいソリューションを実現し、常に 新しいアプローチを続けて創造性を発揮 できる力となれるよう、私たちは未来に向 けて準備を整えています。 価値ある情報をお届けします 「クリエイティブで、何よりも価値を創出するソリューション に、ハーティングのこの《新しい発想》が生かされている」 私たちは、これからも《新しいもの》を生 み出していきます。 《新しい発想》なくし て、その実現は不可能です。誰もが辿る道 ではなく、新たな道を切り開くことによっ てのみ、真に革新的なものを市場に打ち出 すことができるのです。 真に《新しいもの》を生み出すための鍵 ― 私たちにとってそれは、顧客に価値をもた らし、未来のニーズを見据えたテクノロジ ーを開発することです。 《新しい発想》に よって、私たちはこれからも顧客に大きな メリットをもたらす革新の流れを作り続 けます。 もうひとつ、新たに登場したのがpreLink® テクノロジーです。 オフィス用途と制御用途では、イーサネッ トの配線方法が異なるために、すべての ニーズを満たすことが困難でした。そこで 障壁となっていたのは、通信技術というよ りもむしろ、それぞれの用途における発想 の違いでした。このケースにおける《新し い発想》とは、新しいpreLink®テクノロジ ーの力を借りて、両方の用途から求められ る当然のニーズを、ひとつのオートメーショ ンIT, ネットワークプラットフォームで実現 するというものでした。具体的にどのよう お知らせ:「tec.News」の発行時期は、本 号から春と秋の年2回発行となります。ハ ーティングの成長について、よりホットな ニュースをお届けしてまいります。 3 te c. N ew s 18: C ontent s Content イノベーション Automation IT 編集者記 / 03 基本に専念する / 17 テンポをつくる / 14 新しいマインドセットから生まれたアイデ 次世代RJ45シリーズ。 ハーティングの10G 製品: Automation IT イーサネット・トラフィックガードの高速 化 / 18 har-speed M12はより広帯域で利用可能。 化を実現。 あくまでも、シンプルに / 16 手早く、そして簡単に / 19 いコネクタテクノロジ。 ィア。 オープンな思考をモットーに / 06 ハーティングは接続技術について改めて考 はオフィスITと産業用ネットワークの統合 えてみました。 「カタチを見れば機能がわかります」 / 08 Han-Yellock®はハーティングのHan®シリー high-speed データネットワーク対応、新し ドッキングフレームでメンテナンスの工数 を削減。 高性能のリアルタイムソリューション / 20 軽さを実現する / 23 を推進。 ズに新しいコンセプトを追加。 あらゆる市場、多様化する用途に / 10 軽量化とメンテナンスコストの削減は作業 アプリケーションにとらわれず、 者の信頼を向上。 交通規則は分かりやすく / 26 Han-Yellock®は工業用コネクタとして広い 産業界のさらなるパフォーマンス向上にむけ 用途に対応。 て、ファストトラック・スイッチング(FTS)。 研究振興が、製品イノベーションの基礎 をつくる / 12 バイエルン テクノロジーセンターにおける 産業用接続技術研究会に参加。 4 RFIDによる自動識別がプロセスの効率化 te c. N ew s 18: C ontent s Applications トピックス 採用例: HARTING製品のアプリケーシ ョン / 24 アルミ生産工程のエネルギー再利用 / 34 ショートニュース / 40 カスタマイズ ソリューション。 ナンス時間を削減。 懸賞 / 42 快適さというスタンダード / 28 2010年、寅年の飛躍を後押し / 36 パブリケーション / 42 低床車両が活躍する市内鉄道。 中国の風力発電システムはグローバルで活 HARTING 高電流コネクタが工数とメンテ 躍。 イベントカレンダー / 43 性能向上と、オプションの充実化へ / 30 HARTING 高圧コネクタラインナップに新 録っているから、気をつけて。 / 38 製品が追加。 ライブ会場やテレビ番組制作現場におけるコ ネクタのニーズ。 グローバルに通用する保護基準をめざし て / 32 HARTING コネクタは鉄道向け安全規格に 準拠。 収束していくネットワーク / 33 イーサネットテクノロジーは産業界のプロ セスアプリケーションの可能性を広げます。 5 t e c . N e w s 1 8 : イノベー ション 「新しいものづくりを創造す るためのビジョン」 6 t e c . N e w s 1 8 : イノベー ション オープンな思考をモットーに ハーティングは新しいコネクタを探し求め続けています。そしてついに Han®コネクタとしてはこれまでの常識を打ち破る独自性を持つ、 Han-Yellock®を生み出しました。 Frank Quast, Product Manager, Germany, HARTING Technology Group, frank.quast@ HARTING .com かつてないデザインー優れ た機能性がそのまま形となっ て表現されています。HanYellock®は洗練されたデザ インとと機能的な構造を兼 ね備えています。 Han®プロダクトファミリーは 現在、世界のスタンダードと して認められています。それだけに、模倣されることも多くなりま した。Han®コネクタは広範な産業分野において、過酷な環境で もデータや信号、電力を確実に伝達することが求められる様々な 現場で利用されています。用途の幅広さと機能性、考え抜かれた コンセプトと高いクオリティこそが、Han®の成功を支えています。 接続部を制御盤からコネクタ内部へと移動させることで、効果的 に性能を高めることができます。したがって、このコネクタにより、 配電盤の負荷が軽減されるだけでなく、誤挿入防止へとつながり ます。また、制御盤のサイズの縮小化も期待されます。 フレキシブルであること、取り扱いの簡便性、大幅な性能向上が、 安全性に関するひとつの包括的コンセプトと結び付けられていま にあります。機能性がコネクタ内部へと移され、適用性とバリエー す。このプラグコンセプトにより片手で作業する場合でも、取り付 ションの豊かさを広げ、機能性を向上、シンプルな操作性により作 けと取り外しが驚くほど簡単になります。ロック方法も簡単、明快 業上のミスを削減するとともに安全性を確保しています。 であり、負荷に耐えるものです。カチッとはめてロックすれば、接続 部分が外れることはありません。まさにシンプルなのです。 Han-Yellock®は高い柔軟性を備え最高の安全性を提供し、制御盤 のような技術的に高度で複雑な構成部品の負荷を軽減する、コネ 「オープンな思考」とは言い換えれば、とりわけ、現場での適用範囲 クタ技術の大きな一歩です。 を広げ、コネクタ性能を高めることを目標に掲げて、ハーティング の豊富な経験とノウハウを駆使して新たな構想を生み出すことで Han-Yellock®開発の基本的なコンセプトは至ってシンプルで、それ もあります。創造性というものはひとつのプロセスであり、姿勢で でいて高い効果を発揮しています。Han-Yellock®は機械から、そし あり、そのため企業には能力と創造性とが求められます。ハーティ てケーブルからも取り付けが可能な設計です。それにより急な変更 ングは数十年以上前からそれらを意識して臨んできました。Hanにも迅速な対応が可能なのです。従っていつでも新しいアプリケー Yellock®はその一つの成果であり、私達は今後もさらなる可能性 ションに合わせて調整することができるのです。 を見出していきます。 Han-Yellock®が「特別な」Han®コネクタたる所以は、まさにそこ 7 t e c . N e w s 1 8 : イノベー ション 「カタチを見れば機能が わかります」 大幅な性能向上、安全性、誤配線防止するプラグコンセプト、そ して幅広い用途への対応こそが、Han-Yellock®の特徴です。ハー ティングは、新設計によって機能性をさらに高め、取り扱いを極 めて容易にしました。 Frank Quast, Product Manager, Germany, HARTING Technology Group, frank.quast@ HARTING .com Han-Yellock の技術コンセプトは、細部 ® にいたるまで考え抜かれたものです。5ピ ンのモジュールは、工具なしでハウジング システムに取り付けることができます。性 能の向上により、制御盤が担っていた機能 をコネクタで実現しています。5つのコンタ クトはそれぞれ20Aの送電能力を持ち、必 要に応じて2番ブリッジ、3番ブリッジ、4番 ブリッジ、5番ブリッジに切り替えることが できます。切り替えには色分けされたソケ ットアダプタを使います。これらのアダプタ は、差し込み側で顧客が取り付けることに なります。このとき、ソケットアダプタが、 コネクタ内部のケーブル側にあっても、ハ ウジング側にあっても構いません。 端子台が備えているこの機能を、今度は手 早く、簡単に、しかもごくわずかなスペース でコネクタ内部に取入れます。常に現状よ り小型でコンパクトな形状の機器や装置 を求め続けている市場にとっても、この接 続性は魅力的なものです。配線設計や調 達の分野では、配線図のシンプル化や、材 料と配線にかかるコスト削減といったオプ ションがもたらされることにより、配線コ ストを抑え、配線ミスを最小限に抑えるの に役立つでしょう。システム全体のコンポ ーネント数も減らせることから、調達コス トも抑えられます。Han-Yellock®の極めて 高い性能が、高水準のクオリティはそのま まに、経費全体が継続的に削減されるスリ ムなシステムを実現しています。 8 ケーブル側からの組み立て 組み立て業者にとっては、部品の選定を いかにスムーズに行なうかは作業効率の 向上において大きなポイントとなります。 コンポーネントの選択が容易になった Han-Yellock®は現場においてもメリット を発揮します。 Han-Yellock®では、保護アース(PEコン タクト)を圧着端子またはクイックロック 接続が可能です。必要な工具の数が減る ほか、保護コンタクトを含めた導体の束 全体が圧着接続できるため、組み立て工 程を2つの手順に分ける必要がなくなり、 あらゆる配線作業がワンステップで完了 します。また、顧客ではHan-Yellock®モジ ュールにオスコンタクトを差し込むだけで 済むため、メスコンタクトは完全に不要に なります。 Han-Yellock®は、準備組み立ての場合に も有利で、取り付けミスによる大幅な変 更作業がなくなります。Han-Yellock®で はハウジングのカバー部分を回転させる だけで、ケーブル出口の角度を180度回転 させることができます。このとき、引張力 やねじりによる負荷が配線にかかることは なく、保守作業中でも接続をしっかり維持 します。 Han-Yellock®システムの開発にあたって は、原則としてネジを使う工程を極力減ら すよう配慮しました。コンタクトインサー t e c . N e w s 1 8 : イノベー ション トとモジュールは、簡単かつ手早くハウジ ング部分にかみ合わされるようになってい ます。アセンブリの取り外しは、フォーク状 の工具を使って行い、この工具は、なくなら ないようにスリーブハウジング内につなぎ 留めておくことができます。 機器の取り付け Han-Yellock®の取り付けハウジングは、 超薄型の形状をしています。取り付け前の 状態では外側の枠しか見えないため、機器 の外観にマッチして目立つこともありませ ん。取り付けハウジングの固定方法は2通 りあります。厚さ4 mmまでの機器壁面に 取り付ける場合は、いわゆるJack-Nuts® を使うことができます。この「金属製アン カー」には、差し込み側で、取り付けハウ ジングを4つの固定ポイントで機器壁面 に取り付け、差し込み側でネジ止めできる というメリットがあります。一方向だけの 作業で済むため、ロックナットを使った場 合に比べて取り付け作業を大幅にスピー ドアップできます。もうひとつの固定方法 は、例えば硬いハウジング底部をワッシャ ー寸法M4のタッピングネジで固定する従 来からの標準的方法です。どちらの固定方 法でも、固定用の穴とネジとを一緒に覆う Han-Yellock® IP 67フランジシールが有 効に用いられています。固定用ネジは、特 別なシーリングディスクを用意する必要 はありません。 取り付け手順についても配慮がなされて います。これまでは、使用するコネクタ が前面取り付け用か、背面取り付け用か によって、手順も決まっていました。HanYellock®はより柔軟な取り付けを可能にし ました。取り付けハウジングが前面取り付 け用であっても、Han-Yellock®モジュール と絶縁体とは、差し込み側と接続側のど ちらからでもはめ込むことができます。で すから、絶縁体をあらかじめ組み込んでお いて、スイッチボックスや機器に後からは め込んでも、まったく問題はありません。 扱いやすさ 最後に一言。コネクタの機能のなかで核と なるのが、ロック機能です。産業における 過酷な環境では、コネクタを確実に、しか も簡単に、手早く脱着できなくてはなりま せん。特に必要となるのは、扱いやすさ、 振動や衝撃に対する強さ、不注意によるロ ック解除および不正なロック解除の防止、 省スペースの構造です。 Han-Yellock®は安全ベルトとほぼ同様に 機能する、特許取得済みの内部ロック機 構を備えています。ケーブル側と機器側と の簡単な接合で、ロックがかかります。ハ ウジングの本体部分とフード部分がはめ 込まれていない状態では、押しボタンの 周りに赤いリングが見えます。さらに、こ の押しボタン式ロックは遮断機能も備え ています。押しボタンのスリット状部分を 90度回転させれば、ロックがかからない状 態になります。 Han-Yellock®のブロックを解除して取り外 す必要が生じた場合は、スリット部分をも う一度90度回転させます。押しボタンの状 態を見れば、コネクタがブロックを解除さ れているかどうかがひと目で分かります。 黄色のバーを押してロックを解除すると、 ハウジングの本体部分とフード部分の連 結が外れます。この仕組みによって、コン ポーネントを追加することなく、コネクタ を誤って開けてしまうことを巧みに防いで います。さらにケーブル側の保護キャップ と組み合わせれば、不正に差し込まれるこ とも防止され、安全性をさらに高めること が可能です。 9 t e c . N e w s 1 8 : イノベー ション 10 t e c . N e w s 1 8 : イノベー ション あらゆる市場の 多様化する用途に 高機能性 ― Han-Yellock®は幅広い産業分野での 利用が可能です。たとえば、電力技術およびオー トメーションがその例です。 Andre Beneke, Director Product Marketing Connectors, Germany, HARTING Technology Group, andre.beneke@ HARTING .com 産業用コネクタというものは、耐用年数が長く信頼性が高いと 同時に、作業が容易で、確実な電気接続を保証するものでなくて はなりません。そのうえ、それぞれの用途に応じた要求が発生しま す。これまでは、ニーズを満たしきれないでいたか、あるいは大幅 なデザイン変更費用がかさんでしう結果となってしまいました。 Han-Yellock®はこうしたジレンマを解消します。 エネルギー分野 複雑な機器類が使われている場合には、時には片手だけでも簡単 に、確実かつ素早い接続を行えることが重要です。Han-Yellock® のシンプルなロック機能は、たとえば風力発電機のハブ内部のよ うな、コンパクトでアクセスしにくい構造を特徴とする現場での使 用に適しており、しかも接続の安全性を損なうことがありません。 オートメーション分野 製造設備にダウンタイムが生じると、膨大なコストが発生します。 特に危険にさらされているのは、設備の運転に関しては周辺的な コンポーネントであり、このコンポーネントが自由にアクセス可能 である場合です。ロック機能を備えたHan-Yellock®は、コネクタ が許可なく不用意に開けられてしまうことを防ぐ必要があるときな どもふくめ用途にあわせた選択肢が用意されておりしかも、部品の 追加や改造の必要はありません。 機器、配電盤の取り付けに Han-Yellock®は、機器および配電盤がますますコンパクトになり、 短時間での取り付けが可能になりつつある現況に対応しています。 端子台よりさらに、ケーブルの本数を減らすことができます。HanYellock®コネクタは比較的に密な間隔で設置できるので、さらなる 省スペースを可能にします。 11 t e c . N e w s 1 8 : イノベー ション 研究振興が、 製品イノベーションの基礎をつくる 産業用ネットワーク技術および接続技術を専門とする研究開発センターが、バイエルン地方西部に設立さ れました。ハーティングは、この産業用接続技術研究開発センターを拠点に、アウグスブルク単科大学お よび西部バイエルン技術センター(TCW)とも緊密な協力関係を構築しています。 Prof. Dr.-Ing. Markus Glück, University of Applied Sciences Augsburg, Faculty of Engineering Andreas Nass, Director Engineering, Germany, HARTING Technology Group, andreas.nass@ HARTING .com 2002年、産業支援をめざす「バイ エルン・ハイテク戦略」プロジェクトと EUからの資金援助に基づき、アウグス ブルク単科大学の付属研究所「西バイ エルン技術センター、Western Bavarian Technology Center」(TCW)がネルトリ ンゲンの地に設立されました。当社と同 大学とのあいだでは現在、人材の交流も 行われています。同センターでは、産業 用接続技術を専門として業界をリードす る有名企業との提携が進めてきました。 ハーティングテクノロ ジーグループは積 極的に良好なパートナーシップを継続し ています。 模範的プロジェクト TCWのコンセプトは1)有力企業とのネ ットワークの構築、2)企業の設立と誘 致、3)各大学との連携、4)地元西バイ エルン・テクノロジーパークのための積 極的マーケティング展開、5)付加価値 の高いセミナーおよび教育機会の提供 を通じた職業訓練、の5つに重点を置い ています。 TCWは、めざましい成果をあげていま す。TCW自体では、26の事業プロジェク トを実現させました。このほかに、TCW はセンター外部の様々な分野で進められ ている53もの新規事業を支援しており、こ れまでにセンターが支援してきた事業の数 は、様々な産業分野を合わせて78にもの ぼっています。これまでの6年間に、TCW を中心としておよそ70の特許申請と知的 所有権申請が提出されました。経済と技 術の両面から助成を行うというこのモデル ケースは、すでに定評を得ています。TCW はまた、地域の枠を超えて、模範的なモデ ルプロジェクトとして広く紹介され、2006 12 年度バイエルン州クオリティー賞(Bayerischen Qualitätspreis 2006)をはじめと した数多くの賞を獲得しています。 シュヴァーベン北部にアウグスブルク単 科大学の外部センターを設立することを 目標にした同大学との密な連携は、ハー ティングとともにセンター設立に取り組 んでいる数々の地元企業によって支えら れています。 TCWの最新の取り組みは、最先端技術を 駆使した2つの「研究開発センター」の創 設であり、これらは、アウグスブルク単科 大学とFritz-Hopf技術専門学校の学生だ けではなく、産業界のパートナーにも門 戸を開いています。同センターでは、ロボ ット工学、グリップ技術、産業用のネット ワーク、および接続技術(産業用コネクテ ィビティ)に関するきわめて複雑な教育・ 試験・研究開発活動が実現可能になりま す。バイエルン州でただひとつの、模範的 プロジェクトと言えるでしょう。 最新技術情報 研究開発センターは、中堅企業のためにも 試験施設を提供しており、そこではこれら の企業が有力テクノロジー企業による最 新の技術やコンポーネントをいち早く利 用することができます。ここでは問題とな った状況をすばやく再現して、膨大なコス トを使わずに試験を実行することが求めら れます。そのために、センターでは、KUKA 社製の産業ロボット2台を利用することが できます。これらのロボットには、Schunk 社製の各種グリップ装置、あるいはハーテ ィング製のネットワークコンポーネントお よびRFIDテクノロジーが組み込まれ、日 夜開発に貢献しています。 TCWが入手した最も新しい機器は、KUKA 社製の研究用ロボットです。このロボット t e c . N e w s 1 8 : イノベー ション は、Rudolf Grenzebach氏によって2009 年の夏に導入されました。同氏は、研究開 発センター設立プロジェクトの後援者であ り、Dietmar Harting氏とならんでKUKA社 の最有力株主でもある、南ドイツの著名な 実業家です。最近では、パッサウ近郊のオ ルテンブルクに拠点を置くセンサーメーカ ー、Micro-Epsilon社もプロジェクトに加わ っています。 実践志向の教育を 学生たちは現場で授業を受け、TCWの協 賛企業で実際に進められている開発プロ ジェクトに参加します。新しい技術が実際 の状況に合わせて提示され、テストされま す。学生たちはここで高度な技術やサプラ 「具体的な実証と実用志向の研究を ― 学生、 地域企業、 そして世界企業とともに」 イヤー、技術企業について学び、その経験 を後に職場で活かすことになります。ま た、TCWでは独自の開発チームが結成さ れており、この開発チームが既存のコンポ ーネントや技術を組み合わせて、更なる開 発を進めています。 研究開発センター内部。学生たちがTCW技術者とともに、 実際の問題を通して研鑽を重ねている。工学博士Markus Glück教授が、課題の用意と指導にあたっている。 その一例をご紹介しましょう。KUKA社製 の産業ロボットが、ハーティング製コンポ ーネントを仕分けしています。ロボットセ ルはハーティング製RFIDユニットで拡張 装備されています。処理データは、これも またハーティング製である産業用ネット ワークコンポーネントを経由して世界中 に送信されるか、あるいはウェブエンジニ アリングプロジェクトに参加しているパー トナーによって引き続き処理されていきま す。同時に、例えば、KUKA社製ロボット とSchunk社製グリップ装置が連動して、 ハーティングのための処理ソリューション を提供するケースもあり、こうした情報は 必要に応じて第三者にも公開されていま す。ハーティングのプロダクトマネージャ ーと開発責任者は、インターネット経由で プロジェクトに加わっています。その際に、 彼らはデータ、カメラ、および機器に対し て直接にアクセスし、それによってプロジ ェクト業務に深く関わっています。 センターでは現在、8名の学生と常勤の職 員4名、Fritz-Hopf技術専門学校の学生12 名が活動しています。研究成果については 国際会議で報告を行い、さらには、翻訳作 業を通じて少しずつ、英語の専門用語の学 習も進んでいます。 TCWは、革新的ネットワークの結び目で あることを自負しています。産業商工会議 所や手工業会議所などの地域の会議所と 協力する一方で、バイエルン州に展開さ れているイノベーションクラスター「メカ トロニクスと自動化技術」(アウグスブル ク)および「センサー技術」(レーゲンス ブルク)にも参加しています。このほかに も、TCWは、カーボンコンポジット協会 とも提携しています。同協会は、繊維強 化プラスチックや軽量設計の分野を中心 に画期的な研究開発を推進しており、アウ グスブルク広域圏に展開された新たなネッ トワークです。 TEA(アウグスブルク地区知識移転協会) のパートナーネットワークに参加すること により、地域外の市場へのアプローチも 強化されています。ほかにも、TCWはドナ ウ=リース郡の施設として、 「EMM ―欧州 大都市圏ミュンヘン」の取り組みにも積極 的に参加しています。 13 te c. N ew s 18: Auto mat i on IT テンポをつくる ハーティングの10G対応製品により、産業用ネットワークとオフィスITの統一化 が実現。多様化する製造業アプリケーションに対応する通信プラットフォームの 構築を目指します。 Andreas Huhmann, Strategy Consultant Connectivity & Networks, Germany, HARTING Technology Group, andreas.huhmann@ HARTING .com オフィスITと産業オートメーションは”オ ートメーションIT”として統一化されていく 傾向にあります。オートメーションITの導 入により、ネットワークの役割も変わり、ア プリケーションの唯一の構成要素ではなく なっています。アプリケーションの統合に より通信プラットフォームは共用化がすす みます。そしてそれによりネットワーク運用 上のコスト削減とプロセス処理のスピード 向上において柔軟性を増しました。冗長化 された二つのネットワークが独立した形で 並列するのではなく、一つの通信・伝達規 格が採用され、オフィスITが全体のテンポ を決定します。 その結果、ネットワークインフラ全体が、 アクティブなネットワークコンポーネント とケーブルとによって構成されます。特に ケーブル配線が重要な役割を占めており、 あらゆる用途への対応を確認して初めて統 一的なネットワークコンポーネントの導入 が可能になります。 10ギガビットケーブル配線へ 10ギガビットの伝達速度を実現するケー ブル配線も、不可能なことではありませ ん。RFIDアプリケーションでは、制御シ ステムとERPシステムへの接続が必要に なります。これら高性能装置のおかげで、 現在出回っているRFID端末やカメラ、産 業用コンピュータなど様々な機器が、すで にギガビットイーサネットに対応していま す。将来の開発につながる新たな基準も見 えてきています。ですから、現時点でギガビ ットの配線に制限を加えてしまうことは、 14 顧客にとっての将来のプロジェクトへの投 資効果にはつながらないでしょう。 もう一つの理由は、IT分野とオートメーシ ョンとの両方が相互に受容し合っているこ とです。IT分野では、EN 50173-xシリーズ とISO/IEC 11801が、多様なアプリケーシ ョンに対応可能であることが一つの不可欠 なケーブルの要件となっています。これら インフラ用配線のライフサイクルは約15 「共通の通信プラットフォームが、 業務プロセスの効率化へと導く」 年とされているため、オフィスITで現在設 定されているの条件よりも高レベルのケー ブルを使用すること、という認識が生じて きます。LAN環境では現在、最低でもカテ ゴリー5が必要とされています。ですから新 たに配線をする場合には将来を見越してケ ーブル交換なしで10ギガビットのデータ速 度を実現できるようにカテゴリー6が採用 されています。 オートメーションITと産業用を統一化す るという観点からも、データ技術上の要 件にこの原則を適用することは理に適っ ており、また一部では既に適用されてい ます。このため、IT管理者が管轄している 産業ネットワークでは、データ処理性能を 損なわないという目的のためだけに、妥協 策として、環境条件にそぐわないオフィス 技術が使用されています。 オートメーション環境でケーブル配線に 求められる要件が、オフィスの中で求めら れるものと違っているのには、それなりの 理由があります。第一に、オフィスの中で 使われているコネクタやケーブルその他 のパッシブなコンポーネントは、構造上、 産業分野での使用に耐えるものではあり ません。第二に、トポロジーやチャネルモ デルにおいても、多くの場合がオートメー ションに求められる要件には対応してい ません。 オートメーションにおいては、二つの装置 をじかに接続する必要があることも珍しく te c. N ew s 18: Auto mat i on IT ありません。このため、エンド・ツー・エン ドのリンクが定義されており、このリンク のためには、オフィスITで使われているよ うなジャックではなく、現場での組み立て が可能なプラグが必要になります。過酷な 環境条件から保護するためには、IP 65/67 の保護等級に適合するハウジング、または これに相当するコネクタ構造(M12など) が欠かせません。 ネットワーク統一化を高い水準で実現 ネットワーク技術は、絶えず限界に直面し ています。たとえば、かつてはケーブルと コネクタは固く結線されていました。その ため、利用できる接続技術に、過剰な制限 が設けられていました。たとえば嵌合面を 変更する場合には、新しいケーブルへの付 けかえ作業が必要でした。一方、ネットワー ク分野で利用できる接続技術も、その時々 で異なっていました。 ハーティングは、ケーブル接続と嵌合面 とを分け、このpreLink ®テクノロジーに より、柔軟性が飛躍的に向上しました。 オフィスで使われているRJ45に加え、2 ペアと4ペアのM12ケーブルもサポートさ れています。IP 20またはIP 67相当の環 境に合わせて、プラグまたはジャックを簡 単に取り付けることもできます。この場合 に、組立て済みのpreLink®は、10ギガビ ットのデータ転送にも耐える性能を備え ています。 将来の高度なパフォーマンスに備えて 統一化されたオートメーションITネットワ ークのもうひとつの課題は、オートメーシ ョンに新たな地平をもたらすことです。何 よりも、2ペアケーブル配線が自ら迷い込 んでしまった袋小路から抜け出す方法を 探らなくてはなりません。なぜなら、高速 イーサネット(100メガビット)の性能の限 界を乗り越えるためには、4ペアケーブル配 線が不可欠だからです。このとき、オート メーションのための現在の標準規格(IEC 61918)は、一般的な産業施設用配線規格 を参考にしたものとなっています。 とはいえ、4ペアケーブル配線にすれば、 ケーブルだけでなく個々のコネクタにも影 響を及ぼすことになります。このため、ハ ーティングは、M12用に、ペアごとにシー ルドを施した接触点を並べた4ペア構造 を採用しました。この接触面は、データ伝 達において高速かつ高い信頼性を確保し ます。メーカーおよびユーザーは、規格に 準拠した製品を使用することで機器の世 代が変わっても使い続けることが可能で す。いまだに2ペア配線のM12コネクタを 利用している機器の場合でも、preLink® テクノロジーにより接触面を上位互換さ せることができます。 15 te c. N ew s 18: Auto mat i on IT あくまで、シンプルに 高速データネットワークのための新たな接続技術 現代の産業オートメーションならびに産業施設のための配線は、帯域幅の拡張、データ転送速度の 高速化、およびネットワーク利用の強化を可能にするために、フレキシブルなものでなければなりま せん。Ha-VIS preLink®ならば、迅速にしかもコスト効率の高い形で調整を行うことができます。 Rainer Schmidt, Head of Product Management Structured Cabling, Germany, HARTING Technology Group, rainer.schmidt@ HARTING .com 産業用、および建築物用に使用されて いる高速データ転送ケーブルのための、新 しいハーティング社製接続コンセプトによ って、簡単ですばやい取り付け作業やフレ キシブルなインフラが確保され、保守や交 換部品の用意につきものだった煩わしさが 解消されました。 preLink®では、プラグコネクタの Ha-VIS 接触面と差込み面とが分離され、ケーブル 端子が汎用化されることにより、プラグコ ネクタが自由に選択できるようになりまし た。これにより、配線がpreLink® 仕様に変 わります。従来よりもすばやい取り付けが 可能となり、作業も簡単で配線ミス防止に もつながります。preLink®ケーブル端子は 高周波対応のケーブルスリーブとして考案 されたものですが、データモジュールの差 込み面は自由に選択することができます (preLink®プラグコネクタ)。 データ転送ケーブルの先がそれぞれpreLink®ケーブル端子で終端されると、すぐ にでも利用可能な配線区間が出来上が り、これを試験したり認証したりすること もできます。続いて、各種規格に準拠した 差込み面を、preLink® 化した配線区間に 装着すれば、パーマネントリンク構成の配 線区間が完成し、いつでも通信可能な状態 になります。 組み立てを簡単に preLink®ケーブル端子は、AWG 23およ びAWG 22規格の配線ケーブル、ならび にAWG 28からAWG 26までの接続ケー 送ケーブルのHF性能は、差込み面の形状 に左右されずに、何の制限も受けることな くpreLink®プラグコネクタに引き継がれ ます。preLink®によるシステムのデータ転 送速度は、将来性の高い10GBase-Tによ る10ギガビットイーサネットを実現、カテ ゴリー6/転送クラスE Aに対応した設計と なっています。 preLink®では配線ミスの心配がなく、配 線の保守や修理の作業もネットワークを ほとんど停止させることなく実施できる 「Ha-VIS preLink® はスピードとコストの両方にお いてサポートします」 ブルを想定して作られています。ケーブル の用意ができたら、後は組み立て用のペ ンチで端子ブロックを「ぴっちりと挟む」 だけです。このとき8本の芯線がIDC端子 で終端されて、はみ出ている芯線も確実に カットされます。これで、preLink®のケーブ ル端子はいつでも利用可能です。データ転 ので、ネットワークの拡張性がさらに向上 します。 データ転送ケーブルがいったんpreLink ® ケーブル端子を備えて利用可能となれば、 このデータ転送ケーブルは任意の差込み 面に対応できるため、より柔軟な配線が 可能になります。例えば、ハーティング社 製のプッシュプル・コネクタやHan® 3 Aイ ンターフェースを利用した、産業用アウト レットプログラムにも、preLink® RJ45ソ ケットを簡単に組み込んでいただけます。 多彩なメリット お客様は様々なメリットを期待できます。 取扱いの理解に要する時間を短縮し、交 換部品のストックを減らしコストを削減す るのも、Ha-VIS preLink®の大きなメリッ トです。取り付け工程が大幅に簡略化さ れているのでメーカーによって違う仕様 を理解するために時間をさく必要もあり ません。違う仕様の研修を追加し続ける 必要もありません。 16 t e c . N e w s 1 8 : イノベー ション 基本に専念する 2004年、未踏の分野への一歩としてハーティングが市場に投入した、現場での組立て 可能なイーサネットコネクタRJ45は、現在では標準規格として定着しています。 ハーティングは現在、さらなる開発を進めています。 Matthias Fritsche, Global Product Manager, Germany, HARTING Technology Group, matthias.fritsche@ HARTING .com イ ーサネットへの新たなニーズと転送 速度の向上により、接続技術にも新しい ソリューションが求められるようになりま した。ハーティングのRJ Industrial®シリ ーズ10ギガビット対応RJ45コネクタは、 次世代RJ45コネクタとして、10ギガビット イーサネットまでのデータ転送速度を保証 しており、また容易な脱着と高い信頼性を 両立しています。 屋外でも利用可能 ハーティングのRJ Industrial® 10Gは一般 的な2ペア、4ペアイーサネットケーブルに対 応しており、線号AWG 27からAWG 22ま で、芯線の断面が柔軟なものでも硬いもの でも、ケーブルの8極接続を可能にしてい ます。新たに開発されたケーブルクランプ により、直径4.5 mmから9 mmまでの範 囲で、ケーブルは確実に固定されます。こ れによって、オフィス用から産業用まで、 ほぼすべてのケーブルだけではなく、建物 内の配線で通常使われている硬い敷設ケ ーブルにまで、コネクタを接続することが できます。ハーティングのHan® 3 Aから PushPullなどIP 65/67対応フードにRJ45 を組み込むことにより、過酷な屋外環境に も耐えられる構造になっています。 シンプルな組立て重視 基本的な手順が統一されているため、組み 立ては簡単かつ確実に、手早く行うことが できます。ケーブル接続に必要な部品と工 数は少なく、現地で直接接続することも可 能です。新しいタイプのケーブルクランプ を備えたコネクタ用ハウジングには、あら かじめ固定用ナットが取り付けられていま す。わかりやすい配線図を備えたケーブル マネージャが添付されているので、圧接端 子を間違いなく配線することができ、配線 をやり直す場合の正しい接続位置も簡単 に識別できます。芯線の色は、4芯の産業 用高速イーサネットで世界的に採用されて いるEIA/TIA-568/AとEIA/TIA-568/Bにも とづき、接点の割り当てに応じた配色にな っています。ハーティングのRJ Industrial® シリーズ10G RJ45コネクタは、堅牢なが らも軽量の構造で、 マルチポートソケット での利用にも適しています。オプションで、 カラークリップやパッチケーブルIDとパラ メータ保存用のRFIDチップもご利用いた だけます。 現場での迅速かつ確実な取り付けがで きることから、ユーザーは取り付け時間 を30 %まで節約することが可能になりま す。 17 t e c . N e w s 1 8 : イノベー ション イーサネット・トラフィックガードの高速化 過酷なイーサネット利用環境では通常、M12コネクタが使われていますが、ハーティングのhar-speed M12コネクタは、一段上の帯域を提供します。 Dirk Peter Post, Global Product Manager, Germany, HARTING Technology Group, [email protected] 10ギガビットイーサネットは、M12コ ネクタの構造と設計に新たな課題を突き つけました。その課題は、まずデータ転 送ケーブルの構造から始まります。なぜな ら、ここで使用される8芯ケーブルは、2本 ずつ撚り合わされており、さらにシールド を施されているからです。また、NEXTや FEXTといったクロストーク、ならびにリタ ーンロスおよびインサーションロスに関し て、カテゴリー6Aまたはデータ転送クラス EAに対する要件を満たす必要もあります。 信号品位についても同じことが当てはまり ます。ハーティングM12コネクタの新しい 差込み面は、要求に応えるHF(高周波)性 能を提供します。さらに、嵌合面にコーデ ィング・キーを設けることにより、誤挿入 を防止します。 ハーティングは、現在のところ国内外の規 格委員会で議論され、PAS 61076-2-109 仕様に盛り込まれているギガビットイー サネットを念頭に置いて、M12コネクタ の嵌合面の仕様を作りました。10ギガビ ットイーサネット用のM12プラブコネクタ に信頼性を実現するような、規格の確立 が目標です。 完璧なシールド化 M12コネクタの構造は、8本の芯線を2本 ずつシールド化した構造を持つデータ転送 ケーブルを想定しています。嵌合面は基本 18 的に、十字型の仕切りによって4つに分割さ れており、それぞれの部分が、2本1組でシ ールドを施した対撚り線に備えています。 こうすることにより、ノイズの影響がなく なります。反対側も同様に処理されていま す。十字型の仕切りが設けられて接触し、 シールドされた信号を遮断することなくプ ラグコネクタ全体を通っています。 圧着コネクタの組み立ても、可能な限りシ ンプルになっています。選択したケーブル に端子を圧着して絶縁体内部に納めた後 で、この全体をベースボディーの中に挿入 します。二重シーリングリングとパッキン を使って固定することにより、張力を緩和 し、保護等級IP 65/IP 67の機密性を実 現しています。編みシールドの残余部分は パッキンとシールドリングの間に配置され て、ハウジングと連結接触することで完璧 なシールドが構築されたのです。 圧着コネクタは、数ある結線方式の一つ にすぎません。preLink ®テクノロジーを 利用すれば、産業用建造物に配線の容易 なケーブルをあらかじめ敷設したい、とい ったニーズにも対応することができます。 将来を見据えて 嵌合面が10ギガビットまでの用途に対応 した独特の設計になっていることにより、 将来おいてユーザーに大きな信頼性が提 供されます。IEC 61076に採用されたこと により仕様の透明性が保証され、機器メー カーは、何世代にもわたる機器について、 市場標準の確かな性能を享受することが できます。 har-speed M12コネクタを用いることによ り、10ギガビットまでの大量のデータを迅 速かつエラーなしで転送が実現できます。 交通技術の分野では、乗客に情報や娯楽 を提供するためのシステムがそのような用 途の実例であり、カメラからの情報を短時 間で大量に転送される安全技術の応用、あ るいは、大量のデータを短時間に転送する ことが今後ますます求められてくる工場自 動化なども、そのような用途に属します。 t e c . N e w s 1 8 : イノベー ション 手早く、 そして簡単に 電力供給の安定供給は主に、電力網が効率的に設計されていることが重要です。手早くスムーズに、しか し低コストにメンテナンスできるかどうかも、これまで以上に重要なポイントになっています。この課題に 応えているのが、ハーティングのHan-Modular ®ドッキングフレームです。 Thomas Zirk, Technical Support, Igel Elektronik GmbH Ingo Siebering, Market Manager Power Generation, Control and Distribution, Germany, HARTING Technology Group, ingo.siebering@ HARTING .com Mario Stolle, Field Sales Engineer, Germany, HARTING Technology Group, mario.stolle@ HARTING .com 昨今の電力供給においては、産業界や個人に よる幅広い電力需要をカバーするため、電力供給 網が非常に細分化しています。こうした複雑な供 給網においては、停電時間やコストを最小限に 抑えるために、供給網の計画と構築をできるかぎ り最適化することが求められます。高額な費用が かかる電力インフラにおいてコスト削減の可能性 を高める有効な方法のひとつが、インフラの保守 管理費用を減らすという方法です。導入する設備 とシステムが高品質で、人間工学にもとづいてい るかどうかが、機器を選択する際の最大の判断基 準になります。 多彩なバリエーション 開閉器に使われている二次回路用端子パッド ドイツ北部、ミュンスター市に近いゼンデンホル ストに拠点を置くIgel Elektronik社は、中電圧分 野でここ数年、かなり名前が知られるようになり ました。Igel社では新しいIGEL MV-CSシリーズ の開閉器にハーティングの接続技術を取り入れて、モジュラー構 受けて、Han-Modular ®ドッキングフレームが開発されました。 造による効率的な設備設計を実現しています。 同製品はフローティング・ドッキングフレームを備えることで、 ユニットのブラインド嵌合を可能にしています。Igel Elektronik この開閉器システムの最大の特徴は、どのような用途でも100 % でも、この利点を有効に活用しています。閉じた状態では、ドッ 変わらないベースユニットと、使用分野に応じて異なるリムーバブ キングフレームがリムーバブルユニットの二次回路とベースユニ ルユニットとの2つに、コンポーネントが厳密に分けられている点 ットとを接続しています。(一次回路の遮断後に)開閉器が開い にあります。このMV-CSは、エネルギー供給分野のあらゆるバリ ている状態でリムーバブルユニットを引き抜くと、二次回路が自 エーションのスイッチパネルに対応しているだけでなく、様々な駆 動的に遮断されます。これとは逆に、モジュラーユニットを差し 動方式にも例外なく対応しています。ベースユニットが統一されて 込むと、まずは二次回路が自動的に接続されて、顧客制御システ いることにより、各種スイッチパネルを、設備に合わせて後から調 ムとの接続を行います。 整、変更することも可能です。 例えば電源回路遮断器および負荷遮断器、あるいはソフトスター こうしたことから、既存の設備設計をこえる、簡潔な保守システ ターなどのバリエーションが可能です。 ムがモジュラー方式により誕生しました。Igel Elektronik社の開 閉器は公共電力供給網にとどまらず、産業設備や船舶でも利用 保守作業が簡単 されています。 Igel社が提供するシステムの基本的な考え方は、ハーティング のHan-Modular ®システムの理念と一致しています。インターフ Han-Modular ®ドッキングフレームは現在、6モジュールタイプと ェースの構造は変えずに、電力やデータを伝送するための30以 4モジュールタイプの2種類あります。市場のニーズに応えるべく、 上の様々なモジュールから選択が可能であることから、多彩な これ以外のバリエーションについても顧客と協力して計画を立案 バリエーションを提供することができます。同システムの成功を している段階です。 19 te c. N ew s 18: Auto mat i on IT これまでの多くの企業が、企業運営の 効率化を目指し多くの投資を行ってきま した。なかでも製品の自動識別は重要な 役割を果たしており、多くのケースでは バーコードによって行われています。しかし、 工程の最適化が進めば進むほど、バーコ ードシステムの限界が見えてくるようにな りました。 そこで、きわめて過酷な環境条件のもとで も正確で迅速な識別が可能なことから、 ロジスティック分野や製造プロセスを効 果的に制御できるRFIDシステムが、バー コードに代わって利用されるようになって います。無線自動識別、略してRFIDは、 次の点で他の識別テクノロジーより優れ ています。 • 従来では不可能だった、数メートルも離 れた距離からの商品の識別が可能 • 障害物があっても識別可能 • コンテナに収容した複数の商品を同時 に識別 • 輸送や製造工程の過程での情報変更が 可能 とはいえ、最新のRFIDシステムから実際 にメリットを得られるかどうかは、トラン スポンダでのデータ読み書きを行う際の データとRFID用ハードウェアとが、企業 のITインフラに完全に統合されているか どうか、つまり、企業という限られた領域 20 te c. N ew s 18: Auto mat i on IT 高性能のリアルタイム ソリューション 無線ICタグを使ったRFID自動識別が、プロセスの効率化を推進しています。RFIDシステムをITインフラ への導入がプロセス向上への近道となります。ハーティングのHa-VIS RFIDシリーズを利用してこの目 的にかなう高性能のソリューションをご紹介します。 Thomas Hartmann, Market- and Applications-Manager RFID-Systems, Germany, HARTING Technology Group, thomas.hartmann@ HARTING .com において統合は可能であるか、にかかって います。 書き時のアクセス経路をミドルウェアの汎 用インターフェースに一元化することがで きます。 RFIDインフラが実際にどの程度効果を発 揮できるかは、ソフトウェア側の条件にか かっています。 • 信頼性 ― 情報を確実に受信機に届け られるか • 安全性 ― 情報を誤りなく伝達で きるか • 情報の可用性を保証できるか • システム全体の拡張性 • システム全体を最低限のコ ストで運用できるか • バリューチェーン全体にど の程度統合できているか ネットワークの負荷を軽減 バッチ処理や保管処理などの、相異なっ た2つのシステムをつなぐインターフェー スでのデータ処理を行う場合に、従 来の処理方式では、RFIDミドルウ ェアに必要な要件を満たすことは できません。 なぜなら、読み取ったデータを「 データ」と結びつけたときに初め て、次の処理のトリガーとして伝 達できる、価値ある情報が得ら れるからです。実際の現場では、 例えばベルトコンベア上の製品を 識別した後、次の処理ステーション のアクチュエーターに正しい制御命令 が即座に送られていきます。 こうした機能を提供するのが RFID用ミドルウェアです。これ は、 「サービス提供機能」として、 通常であれば独立した形で稼動して いる企業内ITシステムとの間でシームレ スな伝達機能を可能にします。 オートメーション化を進める上で、ミドルウ ェアは様々なメリットをもたらします。 「ボ トムアップ」式のデータアクセス(例:SPS からERPデータへ)が、大幅に簡略化でき ます。結果データは「SPSとの互換性」を 備えているため、上位にあるすべてのシス テム(ERP、MES、SCADAなど)で、読み (ERP、SCADA、MESなど)を同期する 際、時間差なしでデータを処理できるよう に、基本的にリアルタイムシステムとして 構築されている点です。 R F I D シ ス テ ムで 肝 心 な こ と は 、 企 業 シス テムで 使 わ れ る 様 々な 値 RFIDデータは転送されて先へ送られる だけではありません。読み取りを行うた びに膨大な量のデータによってネットワ ークに負荷がかからないように、あらか じめ処理を施す必要があります。読み取 ったデータ全体のうち、実際に必要に なるデータは、ごく一部に過ぎないから です。 21 te c. N ew s 18: Auto mat i on IT この点について、ソフトウェアの専門家は 考え方に柔軟性が求められています。デ ータをまるごとデータバンクに取り込ん でから評価を行うのではなく、実際に必 要な部分だけをRFIDミドルウェアから取 り込む方向へと変えていく必要に迫られ ています。ミドルウェアはまさに、こうした 目的のために開発されたのです。必要のな いものまで保管するやり方を続けるとすれ ば、実際に必要になるほんのわずかなデー タのために、莫大な費用を投じて巨大なデ ータバンクを作って稼動させる破目になっ てしまいます。 複雑さを解消する 専用ミドルウェアには、複雑な工程を削減 するというメリットもあります。高性能ミド ルウェアがこなしている前処理作業の大部 分は、 「データの読み取りを行う」ターゲッ トシステムに伝わることなく、RFID読取装 置の中で直接実行されています。ターゲッ トシステムは、イベント駆動型(光バリア の起動後など)の情報や、メールのような 添付情報として、必要な情報だけを受け取 ります。多重読み取りや不完全な読み取り などが原因でエラーを多く含んでいるデー タも、発生箇所で検知してその場で修正す ることができます。 拡張性があるかどうかも、重要なポイント です。管理する対象が読取装置たったひと つでも複数の読取装置でも、または工場 全体や複数の拠点を管理しなくてはなら ない場合でも、その点に変わりはありませ ん。本当に優れたミドルウェアは、拡張性 があり、システムを変更することなく自由 に拡張できるものです。これがあって始め て、試験プロジェクトでもRFID用の複雑 なインフラでも、低コストでの運用が可能 になります。 ハーティングのHa-VIS RFIDシリーズは、 すべての企業アプリケーションへのRFID データ統合を可能にする、高性能のミド ルウェアを提供します。例えば、ハーディ ングのRFIDシステムは、ロジスティック に関連するIT業務にも、オートメーション 化にも対応する、総合的ソリューションで す。Ha-VIS RFIDシリーズをお使いいただ くことにより、個別のソリューションを寄せ 集めた場合と比較して、RFIDプロジェクト のエンジニアリングや計画立案、実装全 体にかかるコストを35 %程度削減するこ とができます。 Ha-VIS Enterprise Manager Data Store Ethernet Cellular Network Ha-VIS RFID Suite Ha-VIS RFID Suite Ha-VIS RFID Suite WLAN GSM Wi-Fi Ha-VIS Reader R800 Ha-VIS RFIDのネットワーク構造 22 Mobile Device RFID Printer SPS Ha-VIS Reader R800 Handheld RFID Handheld RFID t e c . N e w s 1 8 : イノベー ション 軽さを実現する ハーティングは、プラスチック製ハウジングを備え汎用性に優れたプラグコネクタHan® -Eco (エコライン)シリーズを新たに登場させました。そのメリットは、加工精度と安全性、信頼性の高さ を保ちながら、軽量化とコスト削減を実現したところにあります。 Gero Degner, Product Manager, Germany, HARTING Technology Group, gero.degner@ HARTING .com Han -Ecoシリーズは軽量化および費用において大きなメリッ ® トを発揮します。 Han® -Ecoシリーズは、Han® B スタンダードシリーズと同様 に、6 B、10 B、16 B、24 Bの各サイズに対応しています。ケーブ ル出口は各サイズに、ストレート、アングル、両用タイプのフード ハウジングを用意しています。メトリックネジ対応です。 シリーズとまったく同じなので、スイッチボックス壁面に合わせ て調整する手間は要りません。 ロッキングレバー(全サイズで2本のレバーで固定するロッキン グレバーシステムを採用)は、使用者の希望に応じて取り付け 用ハウジングまたはフードハウジングのどちらにでも自由に取 り付けることができます。 カップリングフードもご利用いただ けます。 Han® -Ecoハウジングは高性能プラスチック製で、耐環境性に優 れ、機械的堅牢性の面でも比類ない性能を発揮します。ロックさ れた状態では、保護等級IP 65(DIN EN 60 529準拠)を実現し ます。材質は、可燃性においてUL94規格にもとづく等級でV0と いう最も厳しい難燃性レベルを満たしています。 取り付けの簡単さとスピーディーさには、特に重点が置かれてい ます。Han® -Ecoハウジングはネジなしで組み立てが可能であり、 工具は一切必要ありません。簡単かつ確実な装着方法を採用して います(ワンクリック装着)。 Han-Modular ®シリーズの既存モジュールは、すべてがHan ® Ecoに対応しています。Han® -Ecoのハウジングでは、同サイズ のHan® B スタンダードシリーズよりもモジュールをひとつ多く 装着できることです。 Han® -Ecoのために、保護接地導体用の新しいPEモジュールが 開発されました。PEモジュールの使用はオプションで、それぞれ の用途の要件に合わせて選択することができます。ハーティング は、この新しい製品シリーズのユーザーセイフティーにおいては、 規格に定められた要件を完全に満たしています。例えば、PEシス テムの金属要素は、完全に保護接地導体接続されているので、導 電部にうっかり触れてしまうようなこともありません。一般的に、 このハウジングは、保護絶縁が施されている保護等級IIの機械も しくは設備での利用にも適しています。 規格に準拠した確実なPE転送を行うため、Han® B スタンダー ドシリーズのハウジングとの互換性はありません。ただし、増設 ハウジングHan® -Ecoの取り付け寸法は、Han® B スタンダード 23 te c. N ew s 18: A pplic at i ons Han® 10 Bとhar-mik ® オス‐メス変換アダプタの組み合わせ Stephan van Gelder, Product Manager, Netherlands, HARTING Technology Group, stephan.geldervan@ HARTING .com オランダ企業HTM Personenvervoer NV(旧社名Haagse Tram Maatschappij) コネクタハウジングHan ® 10 Bへのhar-mik®オス‐メス変換 アダプタ組み込み は、RFチップカードを使った新しい運賃管理方式のために、トラムの客室内に制御ユ ニットを設置しました。同ユニットの読み取りとプログラミングには、USBおよびharmik®コネクタ(26ピン)を介した接続が必要になります。そこで、防塵性har-mik®オス‐メ ス変換アダプタとハロゲンフリータイプの延長ケーブルとが採用されました。コネクティ ビティ&ネットワークのポートフォリオから選ばれた多彩なソリューション要素の組み合 わせが使用され、コネクタハウジングHan® 10 Bにプリント基板を組み込んでhar-mik® とUSBコネクタを両側に取り付け、これに対応したケーブルが組立てられました。 顧客の要求を確実に実現したことが本採用の決め手となりました。最初のユニットは約 5週間で納入しました。 バックプレーンの共同開発 Richard Culliford, Product Specialist, United Kingdom, HARTING Technology Group, richard.culliford@ HARTING .com Yvette Shortridge, Regional Account Manager, United Kingdom, HARTING Technology Group, yvette.shortridge@ HARTING .com 総合電気メーカーVetco Gray社とハー ティングは、海中用電子モジュール(SubSea Electronics Module=SEM)に搭載 するためのバックプレーンを開発しまし た。SEMは、最新の水面下制御システム の一部を構成するものであり、例えば海 面下3000メートルの深海で石油おやガス を採掘する際に、石油の流れや流量を制 御するために使用されています。 これは、非常に困難な課題でした。バック プレーンとドータカードの取り付けスペー スが狭く、そのうえ一部の配線がバックプ レーンの接続面上を通らなければならなか ったのです。 24 組み込まれたプリント基板 そこで、圧入式の端子と短いピンとを備え たDIN 41612コネクタが用いられました。 レイアウトを最適化し、バックプレーンに 直結されたシグナル端子と電力端子との 混成による「M-FLAT」タイプの構造を使 用することによって、省スペースを実現し ました。 te c. N ew s 18: A pplic at i ons 採用例: HARTING製品のアプリケーション トンネルのための、 ネットワーク化対応型交通標識 Håkon Sahlsten, Managing Director, Scandisign AS Tore Wilhelmsen, Product Manager, Norway, HARTING Technology Group, [email protected] ノルウェー企業Scandisign ASは、道路 Scandisign AS社で活躍中の、ハーティング製 プラスチックハウジング 用トンネルの電子情報パネルと交通標識 を製造しています。表示内容は、管轄する 交通局のコントロールセンターから遠隔 操作されます。 Scandisign社とハーティングは、電気技師 が工事を行わなくても現場で簡単に標識 の取り外しができる、接続ソリューション を開発しました。これによって、点検作業 中にトンネルを封鎖する必要はほとんど なくなりました。また、コネクタ接続を採 用することによって、交通標識を分解しな くとも修理に出せるようになり、保守作業 が容易になりました。 さらに、ハーティングのプラスチックハウ ジングを基本としたソリューションは、ト ンネル内の過酷な環境下でハウジングと コネクタが溶融してしまうというリスクを 低減します。 VME 64x(har-bus®)コネクタ F rank Ball, Area Sales Manager, North America, HARTING Technology Group, frank.ball@ HARTING .com Eric Nickerson, Product Manager, North America, HARTING Technology Group, eric.nickerson@ HARTING .com Alstom社は、60を超える海外拠点を設け、高速鉄道車両分野でソリューションを提 供しています。 ハーティング・インテグレーテッド・システム(HARTING Integrated System)(HIS) は、Alstom社用に、線路のすぐそばで信号制御と列車制御とを行うための、バックプレ ーンを提供しました。このソリューションによって、誤配線の危険が回避され、簡単で正確 な保守作業が可能になります。このVME 64xは、徹底的にテストされ、認証を受けてから 設置されました。har-bus ® 64によって顧客に提供されるのは、定評のあるDIN 41612 の160ピンコネクタです。信頼性に優れた圧入端子とロバストな端子設計とがその本質 的特徴であり、これによって、確実な接続技術が長期間にわたって提供されるのです。 Alstom社で使われているハーティング製バックプレーン 25 te c. N ew s 18: Auto mat i on IT 26 te c. N ew s 18: Auto mat i on IT 交通規則は分かりやすく イーサネット通信は、オフィスに続いて産業分野とオートメーション技術における通信をも席巻して います。それは、新しい分野に応じた条件を満たしていくことでもあります。オートメーションITは、 製造業のあらゆる用途に応える通信プラットフォームを作り上げています。そのオートメーションIT のカギとなり産業分野における方向性を決定づけ、パフォーマンスを確固たるものにする技術が「フ ァストトラック・スイッチング」(FTS)です。 Stefan Korf, Product Manager Ethernet, Germany, HARTING Technology Group, stefan.korf@ HARTING .com 産業分野における大きな挑戦は、現在 のフィールドバスシステムを引き継いで、 一貫したイーサネット通信のメリットを、 ユーザーに提供することにあります。多く のイーサネットプロトコルが独自の方式を 用いているために、ごく限られたコンポー ネントとチップしか使用できなくなり、ユ ーザーや機器メーカーを混乱させること のないよう、ハーティングのファストトラ ック・スイッチングは、別の方式を採用し ています。 カットスルー方式 ファストトラック・スイッチングでは、スイ ッチを用いることにより、パフォーマンス や方向性の決定など、多くの課題を、イー サネット標準の範囲内で解決しています。 ファストトラック・スイッチはヘッダからオ ートメーションフレームを識別して、他の あらゆるフレームよりも先に転送すること で、イーサネット上にある他の命令よりも オートメーションの命令を優先処理しま す。ファストトラック・スイッチに組み込ま れているカットスルー方式により、識別し たオートメーションフレームすべてが迅速 に転送され、入力ポートでの遅延と出力ポ ートでの混雑を回避しています。 ハーティングでは第一弾として、機械製造 分野などでの利用に特化したFTS 3100s スイッチを発売しました。 カットスルー方式 FTS 3100sスイッチは設定可能なスイッ チです。 「ファストトラック・スイッチン グ」モードで動作させるか、 「ストア&フォ ワード」モードで動作させるかに応じて、 どのようなポートについてもこのスイッ チを選択できます。データ転送速度は「 オートネゴシエーション」で選択すること も、固定して設定することも可能です。ま た、必要に応じてポートをわざと無効にす ることもできます。プロファイル設定の際 は、PROFINETやEthernet/IP、Modbus TCPなど関連プロファイルがあらかじめ定 義されているため、チェックを入れることに よって簡単に選択可能です。ユーザーはさ らに、ヘッダに現れる別のイーサネットプロ トコルについても個別に設定を行い、ファ ストトラック・スイッチングのメリット感じ ることができます。 こうした設定機能により、ユーザーはネッ トワーク要件に合わせてスイッチを個別に 調整できるようになります。 2010年のうちには、FTSスイッチファミリ ーがPROFINET IOスタックを備えたマネ ージドスイッチまで拡大し、これによってネ ットワークを使った直接診断と設定が可能 になります。 27 te c. N ew s 18: A pplic at i ons 快適さというスタンダード 都市交通では、快適な低床車両の数が続々と増えています。ポーランドのメー カーSolaris社は先ごろ、ハーティングと提携してTraminoという高性能の最 新型車両シリーズを発表しました。 Grzegorz Kałużny, Chief Engineer Electrical Design, Solaris Bus & Coach S.A. Marcin Napierała, Marketing & PR Manager, Solaris Bus & Coach S.A. Krzysztof Frątczak, Industrial Market Manager, Poland, HARTING Technology Group, krzysztof.fratczak@ HARTING .com Hanna Patalas, Market Development Manager, Poland, HARTING Technology Group, hanna.patalas@ HARTING .com 世界的に人口密度の高い地域では、こ こ20年間で、公共の近距離交通機関が増 加の一途をたどっています。その背景に は、公共交通機関の重要性が高まり続け ているという現状があり、そのため都市計 画立案者も公共交通機関には大いに注目 しています。設計、安全性、および積載能 力に関する要求は高まっており、その点で は、現在運用されている車両に搭載された 機械設備も、ネットワークおよび電力供給 のソリューションも違いはありません。 給の安全性と信頼性、持続性を高めるこ とに成功しています。 車両の安全な電力供給と運用を重視する 環境にハーティング製品はそのニーズにお 応えします。それはハーティング製品は規 格IEC 60352-2とEN 61984への順守を徹 底しているからです。これらの規格では、 産業分野で使われるクリンプ接続とコネ クタの安全性について、高度な要件が定め られています。 「安全性の高い輸送手段と安定した電力供給。」 そこで、ポーランドのメーカーSolaris社 は、低床車両Traminoの新規開発に乗り 出しました。ここ数年、同社は近距離鉄 道の連続運転における通信および電力供 パンタグラフ 28 ドア制御システム ハーティング製品は、トラムのパンタグラ フから給電用の配線、蓄電装置、コンバ ーター、ブレーキ、ドア制御装置、空調装 置、さらには通信網から車両制御装置に 運転席のTCN(列車内情報制御 伝送系) 至るまで、Traminoのあらゆる箇所で使わ れています。ここでは、モジュラー構造を 備え、幅広い用途にも効率よく省スペース を実現できるハーティングの技術が威力 を発揮しました。 Traminoの基本コンセプト Traminoの設計は、人間工学、技術面、お よび見た目の美しさについての高いハード ルをクリアしています。Traminoの基本構 造は、全長31.7 mの広々とした5両編成タ イプであり、この構造に基づいて各種装備 が開発されました。車両は、2軸式気動車 に乗せた前後の先頭車両が2両、間に連結 され牽引される車両が2両、2軸のボギー 車に乗せた中央車両が1両という構成にな っています。従来型のホイールセット台車 を利用することにより、非常に快適な乗り 心地が実現されています。 100 %低床構造により、トラムへの乗り降 りが完全にバリアフリー化されただけで はなく、空調のきいた車室内でも段差は完 全に排除されています。このトラムは、回 HVAC(暖房・空調設備) コンバーター te c. N ew s 18: A pplic at i ons 転式ドアとスライド式ドアを採用して、快 適に乗り降りできる構造になっています。 また、乗車口の高さは、一般的なプラット フォームの高さに合わせて、軌道から350 mmに設定されています。このほか、補助 用に折りたたみ式の車椅子用昇降台が取 り付けられています。 注目すべきは、運転コンソールの高さを 変えることができる点であり、これは従 来の軌道車両ではほとんど例がありませ ん。運転席の操作ボタン類はサイドコン ソールに移され、数も最小限にとどめて います。こうした工夫のあれこれは、運転 手の負担をできる限り軽くするために役 立っています。 電気関連装備、制御系 3両目の車両には、集電器と高速度遮断器 が取り付けられています。24 Vの電源供給 は、一つだけ取り付けられたスタティック コンバーターを経由して行われます。 Solaris社のトラムでは、ブレーキをかけた 際に発生する電気エネルギーは、架線網 に送られるかスーパーキャパシターに蓄電 されます。そのエネルギーは、発車の際に 利用できるので、架線から受け取る電力量 が減ります。これによって消費電力を30 % 程度減らすことができます。電力会社が企 業に請求する電気料金を算出する際の基 準になる最大出力電流もまた、抑えられ ます。 牽引システム、ブレーキシステム、ドアシス テム、空調設備、操作要素、各種照明は、 設備の運転状況を制御し診断できるよう、 バス方式でネットワーク化されています。 ここでも、ハーティングの製品が、確実 で効果的なシステム接続を実現してい ます。 Han ® Mコネクタ 車両の屋上部分にあるコンバーター、補 助システム、空調機器に使われています。 InduComコネクタ 制御機器用の標準インターフェースとし て、またドア上部に設置されてドア制御用 として、多く利用されています。 DINコネクタ 制御機器のI/Oインターフェース。特に運 転コンソールで使用されています。EMV( 電磁的両立性)への要求が高まっている ため、ハウジングは全体に金属を使用し たものと部分的に金属を使用したものが 選択可能。 HCモジュラー付Han® HPR、Han® M 主にコンバーターでの電力伝達に使わ れます。 Han ® Bコネクタ 運転コンソール外部のインターフェースと して、車両内で使われています。 ホイールセット用センサーインターフェース 主に温度や車軸部分の速度測定に使わ れています。 Solaris S.A.(ポーランドOwińska) Solarisは、1996年から都市交通用車両 の製造を手がけ、大きな成功を収めてい ます。Solarisの車両は、ノルウェーからア ラブ首長国連邦までの20か国の道路で 利用されています。同社は今や、路面電 車の分野でも成功を収めようとしていま す。都市交通機関の乗客を、すばやく確 実、快適に目的地に送り届けたい ― Solarisは、Traminoブランドのトラムによっ てこの目標を世界各地で達成しようとし ています。 発車補助ケーブル ― 高圧 29 te c. N ew s 18: A pplic at i ons 性能向上と、オプションの充実化へ 鉄道技術において、車両から車両へのエネルギー伝達や車両設備などに使える、プラグ着脱可能な システムへの需要が高まっています。 Frank Böhmann, Product Manager, Germany, HARTING Technology Group, frank.boehmann@ HARTING .com 高電流コネクタでは主に、産業環境に 適した優れた送電能力と省サイズ、端子 数の多さ、堅牢な構造が求められます。 ハーティングは、これまでに、多様な接続 技術をサポートした200 Aから650 Aまで の各種高電流インターフェースを提供して います。特に稼動時のメリットが大きいこ とから、コネクタに対する評価はますます 高まっています。選択いただける幅をさら に広げて、顧客の用途に合わせた効率化と モジュール化とを実現するために、今回新 たに2つの高電流コネクタが製品ラインナ ップに加わりました。新登場の「Han® 24 HPR車両用コネクタ」は、組み立て工程に 大きなメリットをもたらします。同じく新登 場の「Han® HC 250コンタクトシステム」 は、既存の200A対応ソリューションでは 物足りないけれどもHan® HC Modular 350を使うほどではない、というケースの ためのソリューションを提供します。 開放型システム 新しいHan® 24 HPR車両用コネクタは、 基本的に、2つに分かれたハウジングで構 成されています。ハウジングをカバーとフ ード部分に分けることによって、組み立て 工程を大幅に簡略化させた「開放型」シス テムが生まれました。組み立てが済んだ時 「高電流コネクタと、モジュラーシステムの融合が もたらすメリット」 30 点でコネクタの上にフードをかぶせればよ いのですから、組み立て作業を妨げるもの は何もありません。 車両用コネクタHan® 24 HPRは、広い配 線用スペースを備えた堅牢かつコンパクト な設計になっており、特に鉄道分野で求め られる特長を備えています。車両構体また は台車への車両用コネクタ固定には、固定 プレートを使います。プレートは、顧客側 での取り付け方およびスペースの都合に 合わせてカットすることができます。鉄道 分野で必要になることの多い外部保護ア ース(PE)接続用には、ケーブルシュー接 続用のネジ穴が設けられています。 新たに開発されたケーブルグランドによ り、シールドケーブルの編みシールドを、 確実に、しかも目に見える場所でかぶせる ことが可能になりました。裸のケーブルを ケーブルグランドに差し込み、シールドを ケーブルグランドの継手部分に巻きつけ た後、セルフロック式クランプで固定しま す。 本来の電力伝送機能用には、これまで使 用されてきた高電流コンタクトHan® HC Modular 350とHan® HC Modular 650と を引き続き用いることができます。新しい Han® HC 250コンタクトシステムも、この 新しいハウジングに対応しています。 コンタクト数の変更が可能 新しいHan® HC 250コンタクトシステム は、定評のある高電流性能とモジュラー システムがもたらすメリットとを組み合 わせたものです。このコンタクトシステム は、オス・メス絶縁体、様々 な断面の導体に対応したオ ス・メスコンタクト、およびホルダ ーアームを備えており、これによって、オ ス・メスコンタクトを備えた絶縁体を組み こむことができるようになっています。 オス・メスコンタクトは、絶縁体の一部で ある取り付けプレートを介して絶縁体に 固定されます。さらに、取り付けプレート は、それぞれのホルダーアームに絶縁体を 固定します。コンタクトはホルダーアーム を介して、ハウジングに収められている絶 縁体に固定されます。 新しいHan® HC 250コンタクトシステム は、Han® HPRハウジングへの組み込み を想定して作られていますが、新しいHan® 24 HPR車両用コネクタに組み込むことも 可能です。定格電流は250 A、定格電圧は 2000 Vです。コンタクトには、断面が35 mm2から70 mm2までの導体が接続可能 な、定評あるクリンプ接続技術が採用さ れています。 オス・メスコンタクトの接触用としては、メ ス側コンタクトにコンタクトバンドを採用 し、これによって伝送時の抵抗を抑えると ともに、抜き差しの際にかかる力も抑えて います。個別のコンタクトとしての形状を 取ることによりモジュール性が生まれ、柔 軟なコンタクト配列が可能になりました。 これによりコンタクト数が柔軟に変更可能 になりました。 Han® HC Modular 350コンタクトに比べ て寸法が小さく、また集積密度を上げて省 スペース化を実現したことにより、コスト が削減できました。また、新しいHan® HC 250コンタクトシステムは、定評あるHan® K 3/0に代わるクリンプ型ソリューション も提供しており、既存の200 Aと350 Aの 高電流ソリューションにもシームレスに組 み込むことができます。 多彩なラインナップ Han® 24 HPR車両用コネクタとHan® HC 250コンタクトシステムは、ハーティ ングの製品ラインナップの中でも、Han® K 3/0やHan® K 3/2、Han® HC Modular 350、Han® HC Modular 650といった従 来の高電流コネクタシリーズをさらに充 実させます。これらのコンタクトインサー トは、Han® HPRファミリーの特定のハウ ジングとの組み合わせにより幅広いアプリ ケーションに適応します。 Han® K 3/0、Han® K 3/2コネクタは狭 いスペースで高電流を伝送するのに最適 で、例えば鉄道分野の駆動モーターや変 圧器、整流器への電力供給などに利用さ れています。ストレートタイプと角度を付 けたアングルタイプがあり、ほとんどすべ てのシチュエーションに対応可能です。ア ングルタイプは、角度90度でのケーブル 取り回しにより省スペース化をはかること もできます。 シングルコンタクトデザインであることか らHan® HC Modularコンタクトシステム のモジュラー構造が可能となり、優れた柔 軟性を提供することによって顧客の要求に 応えます。 Han® HC Modular 350コンタクトは、例 えば、軌条走行車両の高出力駆動部、渦電 流ブレーキ、等電位化接続導体、バッテリ ー充電時の接続などに使われています。こ れに対して、Han® HC Modular 650コン タクトは、鉄道のなかでも車両間の電力伝 達や、主変圧器への電力供給に使われてい ます。 31 te c. N ew s 18: A pplic at i ons グローバルに通用する保護基準をめざして 鉄道分野における安全性基準をクリア 鉄道で利用されるコネクタは、汎用性を備え、極端な環境負荷に耐えて厳しい稼動要件を満たす ものでなくてはなりません。ハーティングのDINパワーおよびDINシグナルコネクタシリーズは、世 界でも最も厳しい規格に準拠しています。 Rainer Hüske, Global Product Manager, Germany, HARTING Technology Group, rainer.hueske@ HARTING .com 鉄道分野の安全規格においては一層の 課しているフランス鉄道規格NFF 16-101 と16-102に準拠して、コネクタその他の電 気コンポーネントを製造しており、これら 規格をクリアするための耐久試験に合格 しています。 国際対応が求められています。使用する材 料についても、きわめて厳しい技術的ハー ドルが設定されており、これらが相反する ような場合もあります。材料の不燃性に加 えて、排気ガス密度についても制限が設 けられていることが大きな特徴となって NFF 16-101は、軌条走行車両で使用され います。両方の要件を同時に満たすこと る非金属製材料の分類に関する規格であ ができる材料はごくまれ であり、ほとんどの場合 フランス鉄道規格NFF 16-101、16-102: には、材料は一方の要件 しか満たすことができま 1. 難燃クラス 2. 耐煙クラス せん。 そのうえ、鉄 道分野に はワールドワイド規模の メーカーが参入していま す。鉄道用コンポーネン トメーカーの製品は、同 時に様々な国際規格を満 たしていなければなりま せん。ハーティングは、 現在最も厳しい要件を I0 素指数:70以上、 酸 960℃で引火せず I1 素指数:45以上70未満、 酸 960℃で引火せず I2 素指数:32以上45未満、 酸 850℃で引火せず I3 素指数:28以上32未満、 酸 850℃で引火せず I4 酸素指数:20以上 NC 該当等級なし 注:上記の値は、指定された試験方法によって限界酸 素指数を特定し、ホットワイヤ試験による発火を実施す ることによって得られたものである。 32 り、難燃クラスについての規定以外にも、 さらに不透明度(opacity)と材料から排出 される排気ガスの毒性(toxicity)とについ ての規定を含んでいます。 ハーティングによるDINパワーおよび DINシグナルのコネクタシリーズは、等 級I2およびF1に相当する、鉄道での用 途に適した新しいバリエ ーションを提供していま す。この標準ラインナッ プは、すでに長年にわた り操作・監視・制御用の 部品で使用され、あるい F0 煙発生度:5以下 は信号伝達および電気 F1 煙発生度:5超20以下 部品への電力供給に採 F2 煙発生度:20超40以下 用されています。 F3 煙発生度:40超80以下 I2やF1といった厳しい等 F4 煙発生度:80超120以下 級に準拠したことにより、 F5 煙発生度:120超 これらのコネクタは、鉄道 分野のあらゆる用途で無 条件に使用可能となった 注:上記の値は、指定された試験方法によって不透明度 のです。 (特定の光学濃度、視界低下率)と毒性(煙に含まれる 一酸化炭素、二酸化炭素、塩化水素、臭化水素、シアン 化水素、フッ化水素、二酸化硫黄の危険濃度)を特定し て得られたものである。 te c. N ew s 18: A pplic at i ons 収束していくネットワーク イーサネット技術は、すでに産業プロセスの現場レベルでの実用に応えるレベルに到達しています。 このようなオートメーションIT通信によりシームレスな設計が可能になりました。ハーティングは、そ のための適切なソリューションを提供しています。ブラジルの自動車サプライヤーTeksid do Brasil社 におけるイーサネットベースの工程監視システムは、その一例です。 Sérgio Calixto Moreira, Automation Engineer, Teksid do Brasil Wallace Louzavio, Sales Engineer, Brazil, HARTING Technology Group, wallace.louzavio@ HARTING .com Gustavo Yokoyama, Sales Engineer, Brazil, HARTING Technology Group, gustavo.yokoyama@ HARTING .com 産業オートメーションの分野におけるイーサネットの重要性 さて、ブラジルの自動車サプライヤーTeksid do Brasil社の事例でハ が高まるにつれて、オートメーション技術者が新しい技術を開発 ーティングが導入したソリューションは、以上のような要求を満たす する際の手法も変化しています。その結果として、工程の最適化 ものでした。在庫量、温度、湿度、および自動車モーター用の金型製 における新たな可能性が生まれ、プロセス制御に柔軟性がもた 造に必要な鋳物砂の消費量が、このソリューションによってモニター らされます。 されています。顧客と協働することによって、産業用イーサネット技 術をベースにしたシステムが開発されたのです。ハーティングは、こ 産業プロセスの中では、稼動 のソリューションのために、すべ 中の現場から寄せられる情報 ての機器を統合できる産業用イ をもれなく処理することが不 ーサネットスイッチを納入しまし 可欠です。こうした状況の下 た。また、このスイッチは、ネッ ではプロセス制御技術が決 トワーク全体のために高度なセ 定的な役割を演じます。過去 キュリティと効果的なアクセス 数年間にわたり、このプロセ 制御を可能にしたのです。 スを短時間かつ高精度に実行 できるオートメーションコンポ 特徴 ーネントの推進によって、産業 この事例では、グラスファイバ プロセスの要である情報処理 ーケーブルをベースにした冗長 を制御しようという試みが重 化リングトポロジーが使用さ ねられてきました。しかし、こ れ、これによって、電磁干渉を のような試みは、所期の成果 受けない通信が確立されまし をあげることができませんで た。この設計は、三つのmCon した。そのことは、すべてのセ 3082-ADスイッチによって実 ンサーおよびアクチュエータを 現されており、これらのスイッ 同一のネットワーク内に組み チが4台のイーサネットメディ 込むという課題の困難さと関 アコンバータを接続して、100 連しています。オートメーショ メートル以上も離れて置かれ ンネットワークの設計者たち たこれらの機器の間をつない は、特殊なプロトコルを用い でいます。次の段階では、イー た「閉じた」ソリューションを サネットをベースにしたこのネ 選ぶか、それとも多様なプロトコルの入り混じったものを選ぶかの ットワークを顧客社内のERPシステムに接続する予定です。数か月 選択を余儀なくされていましたが、いずれにしても所期の成果をあ 後には、システム全体のネットワーク化が完了して稼動可能になり、 げることはできませんでした。過去においても現在においても、産 原材料の購入処理が自動で行われるようになります。 業用イーサネットと社内のERPシステムとを調和させた均質なネッ このソリューションの主なメリットは、時間の節約、および稼動中 トワークを構築することが、困難な課題であることに変わりはあり の現場から寄せられるデータ情報の統合にあります。現在はまだ ません。こうしたプロセスのために最高の解決策を提供してくれる 導入途上の段階ですが、それでもすでに大幅なコスト削減効果が のが、イーサネットなのです。 もたらされています。 33 te c. N ew s 18: A pplic at i ons もちろん、廃熱利用設備のメンテナンスや修理を行っている最 中でも、安定した運転が保証され、生産が滞りなく進められるよ うでなくてはなりません。 アルミは電気分解炉の中でごく高温で溶解されることから、この廃 熱を効率的に再利用できないかに注目が集まっていました。ノルウ ェーのテクノロジー企業Goodtech社は、このたび、高効率的・低 価格のエネルギー回収システム「TurboCron®」を開発しました。 Goodtech社は、世界の主なアルミ生産者と技術提携をしていま す。2010年にはノルウェーで、TurboCron®試験用プラントが運 転を開始する予定です。 34 TurboCron®の基本的な原理は至ってシンプルです。(実際の細 部はそれなりに複雑ですが)容積3立方メートルのユニットが、ア ルミ電解槽から熱を取り出して電力に変換します。目的は、生産 施設の効率を高めることにあります。廃熱の量を見れば、それは 一目瞭然です。平均的なアルミ生産プラントでは、300個ほどの 炉が稼動しています。それぞれの炉からは300 kWの電力に相当 する熱を得ることができます。今のところ、このエネルギーは手 付かずのまま空気中に直接放出されています。セル数300のプラ ントの場合、理論的には9 MWのエネルギーを生み出すことがで きます。これは一般家庭3000戸分の電力をまかなえる量です。 実際に回収できるエネルギー量はこれを下回るとはいえ、廃熱 te c. N ew s 18: A pplic at i ons アルミニウム工場におけるエネルギーの効果 的な利用 ハーティングの高電流コネクタが、メンテナンス時の作業時間を削減します。 大量のエネルギーを消費するアルミ産業では、廃熱の再利用を行うことが生産効率を高め、企業の エネルギー収支最適化に貢献します。 Tord Finstad, Project Manager, Goodtech Recovery Technology AS Ole Christian Ruge, Managing Director, Norway, HARTING Technology Group, ole.c.ruge@ HARTING .com Tom Egil Svartsund, Product Manager, Norway, HARTING Technology Group, tomegil.svartsund@ HARTING .com Goodtech ASAにおける採用例 利用は大きな可能性を秘めており、しかも現時点ではまったく利 用されていません。 廃熱を再利用する際に特に重要になってくるのが、TurboCron®の 導入によって廃熱利用設備の補修が必要になった場合でも、アル ミ生産工程はその影響を受けずに運転できるという点です。その ためGoodtechでは、点検作業のしやすい構造の実現に力を注い できました。全てのケーブルの接続に産業用コネクタを使用して、 電気技術者の手を借りなくてもユニット全体を30分以内で交換で きる設計にしています。電気分解炉の運転においてはまさに、 「時 は金なり」です。補修作業に時間がかかりすぎると炉の停止を余 儀なくされてしまいますが、それだけは避けなくてはなりません。 アルミ生産工程では粉塵や磁場の影響など、過酷な条件が重なり ます。TurboCron®の電解槽には、それぞれJ熱伝対76個,電力用 接点24個,信号用接点20個が準備され,Han® EMCハウジング8 個を備えています。汎用性と高品質でHan®コネクタが選ばれまし たが、特にHan®ハウジングは高く評価されました。 2010年には、TurboCron® 技術の集中テストが多数予定されてお り、継続的に測定と分析を行うことになっています。その効果が 実証されて認定された際には、TurboCron®による廃熱利用シス テムを市場に投入する運びになります。 Goodtech ASA社はノルウェーの上場企業です。同社の製品技術 ラインナップには、エネルギー回収システムも含まれています。詳 しくはhttp://goodtech.noをご覧ください 35 te c. N ew s 18: A pplic at i ons 2010年、寅年の飛躍を後押し! 中国は現在、風力エネルギーの分野で最もダイナミックな市場となっています。ごく短期間のうちに、中 国のメーカーは世界市場での地位を確立するまでに成長しました。ハーティングテクノロジーグループ も彼らの主要なパートナーとして名を連ねています。 Kai Wu, Deputy Director of Goldwind Vendor Management, Goldwind Science & Technology Co., Ltd. Johnson Chen, Head of Product and Technical Application Management, China, HARTING Technology Group, johnson.chen@ HARTING .com Bryan Miao, Market Manager Energy, China, HARTING Technology Group, bryan.miao@ HARTING .com Sunny Wang, Regional Sales Manager, China, HARTING Technology Group, sunny.wang@ HARTING .com Peter Yu, Filed Application Engineer, China, HARTING Technology Group, peter.yu@ HARTING .com 中国のエネルギー産業は今、大きな課題に直面しています。経 済成長を成しとげながら、CO2排出量を抑えていかなくてはなり ません。中国政府は環境保護が持続的な経済成長を支えることを 認め、エネルギー供給全体における再生可能なエネルギーの割合 を高めることを目標に掲げた助成プログラムを打ち出しています。 同プログラムでは風力エネルギーも重点項目に挙げられています。 世界をリードする風力タービンメーカー上位10社の中に、2009年 Goldwind社提供 36 はSinovel(世界市場シェアの5 %弱)とGoldwind(4 %)の中国企 業2社が食い込んでいます。 各国の事例 現在のところ、ブレードや電気・制御システムの大部分などの風 力発電用各種サブシステムの多くは、まだ輸入に頼っている状況 です。もちろん、輸入したサブシステムには現地で改造が施され、 te c. N ew s 18: A pplic at i ons 発電コストを削減しています。風力発電による電力1kWhあたりの コストは、諸経費抜きで現在わずか0.375~0.50人民元(約5円~6 円68銭)であり、石炭による火力発電の約2倍のところまで迫って います。これに対して太陽光発電のコストは、諸経費抜きで1kWh あたり2.00人民元(約26円72銭)にのぼります。国家による風力 エネルギー支援を受けて、風力発電技術の開発と生産性のさらな る向上が見込まれています。ブレード、変速装置、発電機、あるい はピッチ制御装置などの主要なサブシステムを中心に、技術面で の最適化が進行中です。 各国のテクノロジ情報 中国では、空力学や高耐性素材の分野における技術志向の研究開 発が行われていないことが、風力発電技術開発の障害となってい ます。現時点では、風力資源を調査するための包括的な気象デー タバンクを構築している段階です。 こうした問題を克服するために、例えば中国における風力発電製 造の先駆者であり最先端の技術を有するGoldwind社では、独自 技術と技術開発力の向上を目指して、2008年にドイツのVensys Windenergieanlagen社の株式の過半数を取得しました。 この活動は顕著な成果に結びついてい ます。Goldwind社は、2008年から2009 年にかけて、合計容量1.5 MWにのぼる “The product portfolio includes passive connectivity 1,300の設備を販売しました。Goldwind products such as connectors and cables as well as 社でサプライヤー管理担当副部長を務 Ethernet switches.” めるKai Wu氏は、この状況を高く評価 しています。特に、中国政府が2009年 から風力発電市場の統制を始めて以降 も、Goldwindの市場シェアは伸びを続けています。 風力発電システムソリューション 「Made in China」の風力発電が誕生して以来、ハーティング中 国支社は、業界をリードする風力発電メーカーやサブシステムサ プライヤーの多くと協力を重ねてきました。市場に投入された製 品郡は、プラグやケーブルといったパッシブな連結技術にとどま らず、イーサネットスイッチにまで及んでいます。風力発電メーカ ー側がサブシステムのサプライヤーにハーティング製プラグコネ クタを使うよう指定していることも、ハーティングの追い風になっ ています。 37 te c. N ew s 18: A pplic at i ons 録っているから、気をつけて。 ライブ会場やテレビ番組などの制作現場では、ケーブルの配線およびコネクタの信頼性に問題があ れば直ちにクオリティの低下につながるため、確実な配線と厳しい環境における耐久力はとても重 要です。ハーティングの角形コネクタは、これらのニーズに応える堅牢で柔軟性に富んだソリューシ ョンを提供します。 Jody Williquette, Marketing Manager, North America, HARTING Technology Group, jody.williquette@ HARTING .com コスト、取り付けやすさ、耐久力、接続 安定性、柔軟性といった点から考慮しても 何種類ものコネクタを使うことは決して得 策とは言えません。Han®角形コネクタをお 使いいただけば、こうした難問のほとんど を解決に導くことができます。確かに、施 設管理者から見ても利用者から見ても、プ ラグの形状やコネクタの種類を変更するに は、かなりの勇気がいることでしょう。それ でも、角形という形状には相当の長所があ ることには違いなく、使い続けるうちに、乗 り換えにかかったコストを補って余りある メリットをもたらしてくれるでしょう。 38 角形のコネクタの最大の長所はロッキング システムにあります。主としてレバー式の ロックによって、すばやく安定した接続が 可能になります。また極めて耐久性に優れ ており、極端に汚れた状態でも機能に影 響はありません。レバー式システムは、こ うした点でも、例えばネジが汚れたり軽度 の損傷を受けたりしただけで機能が損な われてしまう丸型コネクタなどの、ねじ込 み式ロックとは一線を画しています。ねじ 込み式システムでは、地面に落としただけ でケーブルがたやすく損傷してしまうこと もあるのです。 このほか、ロッキングレバーは、極めて耐 振動性に優れています。保守も簡単であ り、レバーに不具合が出た場合はすぐに 交換することができます。 これらコネクタの大半は、水気やホコリの 多い屋外での使用に適し、保護等級IP 65 / IP 67やボックス規格UL50のType 4/12の 要件を満たしています。 ロッキングレバー構造により、コネクタの 脱着に要するスペースは小さく抑えられま す。複数のコネクタを並べて利用する際に te c. N ew s 18: A pplic at i ons 「レバー式ロックが、迅速で確かな接続を可能 にする」 はコネクタどうしの間隔を狭くでき、省ス ペースにつながります。 脱着の所要時間が短いというメリットもあ ります。差し込んでロックをかけるだけで 接続完了。また、誤挿入を防ぐデザインも ほどこされています。 接続は、そもそも頑丈にできていますが、 さらに保護を強化するための方法も取ら れており、これによって、差し込み時に端 子が損傷する可能性が削減されました。 組み立て 長方形コネクタは、端子数が多い場合に も簡単かつ手早く組み立てることができ るので、組み立てコストが抑えられます。 オーディオ、映像、電力/エネルギー、な らびに信号伝達用のケーブルがひとつの ハイブリッドインターフェースに束ねられ ている、いわゆるモジュラーコネクタにつ いても同じことが言えます。こうしたソリ ューションによって、必要なコネクタの 数が減るので、現場での時間節約につな がります。 混合信号の使用 角形コネクタは、特に、混合信号の使用 に適しています。従来からある導線の他 にも、角形コネクタは光ファイバーやイー サネット、同軸、空圧、その他の特殊な接 続での使用にも対応しています。 端子部分は、銀メッキと金メッキが用意さ れています。また、光コネクタ、同軸コネ クタなど幅広いラインナップを用意して います。 このときPE転送は、常に、堅牢なセパレー ト型の接地要素を経由して行われ、この設 置要素は、導電性を持たせた形でしっかり と金属製ハウジングに固定されています。 多彩なメリット ハーティングの角形コネクタのラインナッ プは豊富なラインナップを準備し多様化 するアプリケーションに対応しています。 品質の高さ、信号精度、信頼性、そして取 り付けやトラブルシューティングならびに 修理などの作業が簡単なこと、これがハー ティングの角型コネクタの長所です。費用 対効果の大きさにより、角型コネクタは、 ライブコンサート、劇場、スポーツイベン ト、音楽スタジオ、映画のセットなどのエ ンターテイメントの現場に適した、魅力あ る製品として認められています。 39 t e c . N e w s 1 8 : トピックス 最優秀、 エンタープライズ 賞受賞 お気軽にお問合せください。 本誌に掲載された製品や技術に 本誌は、今後すべての号に新企画 ついてはお気軽にお問合せくだ 「専門家に聞く」を設け、読者の皆 さい。 さまからのご相談に素早く対応し ていきます。ご質問はpresse@ HARTING.com宛にお送りくだ さい。 組織や企業の優れた取り組みに対して与 えられるルートヴィヒ・エアハルト賞は、ド イツ国内産業の推進を目的としてます。名 高いこの賞を与えられるのは、継続的にト ップクラスの業績をあげており、高い競争 力と顧客志向に優れた組織や企業です。評 価の基準は、EFQM(ヨーロッパ品質管理 基金)エクセレンス・モデルです。ドイツの ハーティング販売会社は、2009年に同賞 を受賞し、それよって、(従業員101~500 名企業の部において)最優秀企業2社のひ とつに名を連ねました。 世界から高く評価されている 「ファストトラックスイッチ」 「ファストトラックスイッチ」は、ハノーヴァー見本市で2009年 ヘルメス賞にノミネートされて以来、国際的にも成功をおさめ ています。フランスの「mesures」誌は、この技術を、2009年の 「オートメーション」分野における優れた新技術として高く評価 しています。計測技術と産業オートメーションの専門誌である 同誌は、毎年、オートメーション用コンポーネントやデータ収 集などの10部門にを授与しています。 Jean-Louis Varron and Bernard Montrelay (from left) are delighted to receive the award。 40 t e c . N e w s 1 8 : トピックス 現地法人を新たに設立 ハーティングは、デンマーク、トルコ、アラブ首長国連邦にそれぞれ新しい子会社を 設立し、販売網を世界に広げています。32カ国に展開されたハーティングの現地法人 はお客様へのより迅速なサービスを目指します。 HARTING Han-Modular® 「コンフィギュレーション、 そして注文 へ」オンラインシステム ハーティングのHan-Modular ®シリーズは、豊富な種類の モジュールによって、それぞれの顧客のアプリケーションに 合わせた最適のコネクタを提案します。Han-Modular ® コンフィギュレータの使用により、当社のHan-Modular ® コネクタは、オンライン上で選定が可能です。その利点は、 このコンフィギュレータを用い顧客がまず一つのモジュー ルを選定します。するとそれに適したモジュールをプログ ラムが自動的に提案します。 最後に個々に選定した部品には完成品として一つの製品 番号が割りあてられます。顧客は全部品を別々に注文す るか、それとも、完全に組みあがったモジュール一式をひ とつの製品として購入するかを選択できます。 41 t e c . N e w s 1 8 : トピックス 読者の皆様へ 「tec.News」のアンケートにご協力いただき、ありがとうございます。皆様からのご提 案およびご要望に基づき、 「tec.News」の内容をさらに充実させ、皆様にハーティング の最新情報と活用事例をご紹介してまいります。皆様からいただくお誉めの言葉が、私 たちの喜びとなります。 ご提案には迅速に対応し、実現につとめます。今後、 「tec.News」は年2回発行されま す。内容についてのご意見は真摯に受け止め、その多くは、すでに今号の中にも活かさ れています。 今号についてのご感想を、心よりお待ちしております。ほんの少しだけお時間をいただ き、当社のオンラインアンケートにご協力いただければ幸いです。 アンケートの締め切りは2010年6月30日です。当社からのささやかなお礼として、ご協力 いただいた方の中から抽選で、1名の方にApple iPodをプレゼントいたします。 前回のアンケート当選者は、AurichのHans-Joachim Multhauptさんでした。 編集チーム アンケートには、こちらのURLからご参加いただけます。www.HARTING.com/tecNews-survey Publication details Published by: harting KGaA, M. Harting, P.O. Box 1133, 32325 Espelkamp (Germany), Phone +49 5772 47-0, Fax: +49 5772 47-400, Internet: www.harting.com | Chief Editor: A. Bentfeld Vice Chief Editor: A. Huhmann, Dr. H. Peuler | Overall coordination: Communication and P ublic Relations Department, A. Bentfeld | Design and Layout: Contrapunkt Visuelle Kommunikation GmbH, Berlin Production and printing: Druckerei Meyer GmbH, Osnabrück | Circulation: 25.000 copies worldwide ( German, English and 11 additional languages) | Source: If you are interested in obtaining this newsletter on a regular basis, free of charge, contact your nearest harting branch, your harting sales partner or one of the local harting distributors. You can also order tec.News online at www.harting.com. Reprints: Complete reprints and excerpts of contributions are subject to approval in writing by the Editor. This also applies to input into electronic d atabases and reproduction on electronic media (e. g. CD-ROM and Internet). | All product designations used are trademarks or product names belonging to harting KGaA or other companies. | Despite careful editing it is not possible to completely rule out printing errors or changes to product specifications at short notice. For this reason harting KGaA is only bound by the details in the appropriate catalogue. Printed by an environmentally friendly method on paper bleached entirely without chlorine and with a high proportion of recycled paper. © 2010 by harting KGaA, Espelkamp. All rights reserved. 42 t e c . N e w s 1 8 : トピックス HARTING イベントカレンダー 2010 Apr 19 - Apr 23 Germany, Hanover, Hannover Messe 2010 May 05 - May 09 Malaysia, Kuala Lumpur, Automex 2010 May 11 - May 15 Brasil, São Paulo, Feira da Mecânica May 19 - May 21 Spain, Barcelona, Tecni Expo May 23 - May 26 North America, Dallas, TX, WINDPOWER May 25 - May 28 Slovakia, Nitra, MSV Nitra June 08 - June 10 Italy, Torino, Expoferroviaria June 14 - June 18 China, Beijing, CIMES June 30 - July 01 Switzerland, Zurich, Fair for Automation Sept 07 - Sept 10 India, Bangalore, electronic India Sept 12 - Sept 15 United Kingdom, London, Plasa 2010 Sept 13 - Sept 17 Czech Republic, Brno, MSV Brno Sept 21 - Sept 23 Denmark, Odense, Elektronik 2010 Sept 27 - Sept 30 Norway, Lillestrøm, Industridagene Oct 05 - Oct 07 Finland, Jyväskylä, Tekniikka 2010 Oct 12 - Oct 15 Austria, Vienna, VIENNA TEC Oct 13 - Oct 15 China, Beijing, Global Wind Power Oct 26 - Oct 28 France, Avignon, SEPEM Nov 09 - Nov 11 Brasil, São Paulo, Negócio nos Trilhos Nov 09 - Nov 12 Germany, Munich, electronica Nov 23 - Nov 25 Germany, Nuremberg, SPS/IPC/Drives Dec 07 - Dec 09 Russia, Ekaterinenburg, PTA-Ural 2010 Australia Great Britain Austria Hong Kong HARTING Pty Ltd Suite 11 / 2 Enterprise Drive Bundoora 3083, AUS-Victoria Phone +61 9466 7088, Fax +61 9466 7099 E-Mail: [email protected], www.HARTING.com HARTING Ges. m. b. 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T., Hong Kong Phone +852 2423 7338, Fax +852 2480 4378 E-Mail: [email protected], www.HARTING.com.hk Romania HARTING Romania SCS Europa Unita str. 21, 550018-Sibiu, Romania Phone +40 369-102 671, Fax +40 369-102 622 E-Mail: [email protected], www.HARTING.com Russia HARTING ZAO Maily Sampsoniyevsky prospect 2A 194044 Saint Petersburg, Russia Phone +7 812 327 6477, Fax +7 812 327 6478 E-Mail: [email protected], www.HARTING.ru Singapore Hungary HARTING Magyarország Kft. Fehérvári út 89-95, H-1119 Budapest Phone +36 1 205 34 64, Fax +36 1 205 34 65 E-Mail: [email protected], www.HARTING.hu HARTING Singapore Pte Ltd. 25 International Business Park #02-06 German Centre, Singapore 609916 Phone +65 6225 5285, Fax +65 6225 9947 E-Mail: [email protected], www.HARTING.com India Slovakia HARTING India Private Limited No. D, 4th Floor, ‚Doshi Towers‘ No. 156 Poonamallee High Road, Kilpauk, Chennai 600 010, Tamil Nadu, Chennai Phone +91 44 435604 15/416, Fax +91 44 435604 17 E-Mail: [email protected], www.HARTING.com Italy HARTING SpA Via dell‘Industria 7, I-20090 Vimodrone (Milano) Phone +39 02 250801, Fax +39 02 2650 597 E-Mail: [email protected], www.HARTING.it Japan HARTING s.r.o. Sales office Slovakia Povázska 2, SK - 940 67 Nové Zámky Phone +421 356-493 993, Fax +421 356-402 114 E-Mail: [email protected], www.HARTING.sk Spain HARTING Iberia S.A. 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