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ニホンカナヘビの観察 4
全国都道府県教育長協議会会長賞 ニホンカナヘビの観察4 佐賀県佐賀市 高木瀬小学校 6 年 長﨑 ★研究テーマを設定した理由 璃子 ■ニホンカナヘビの 「順位制」 と 「縄張り」 〔研究テーマ:ニホンカナヘビには縄張り(テリトリー)があるか?〕 ◎オスがメスにする行動と違って,追いかける行 「ニホンカナヘビの観察2」で,縄張りがあると 動が見られる。また,一番高い所に大きなカナ 思われるとしたが,証拠を示すことはできなかっ ヘビがいて,小さなカナヘビはその下に来るの た。また,3∼6年生の観察の中で,ニホンカナ が普通で,逆の現象は見られない。⇨ニホンカ ヘビの縄張り争いのような行動を見たことがない ので,これまでとは別の実験を行って調べる。 ナヘビにも順位制があると思う。 ◎自然の状態で生きているニホンカナヘビの縄張 ■これまでの観察と問題点 り争いを見つけることができない。また,様々 ①これまでの考え方…テリトリーはあると思われ な条件での実験や観察でも縄張り争いを確認で るが,ニホンカナヘビの順位が決定した結果, きなかった。⇨縄張りはないと思う。 ■ニホンカナヘビの行動範囲 攻撃せず一緒に行動できる。 ②①に対する疑問…他のカナヘビが近づいても攻 撃しない。一緒に行動している時がある。 ③〈実験の見直し①〉 小屋の中のカナヘビを逃がして,行動範囲を観 察する。(尾の一部に色をつけた。) (観察日:2014年8月22日/5匹を逃がした) ・飼育していないカナヘビを捕まえて,同時に 小屋の中に放す。 (放すまでは接触させない。) 観察 記録 ・オス,メスの組み合わせではなく,同性のカ ナヘビで実験する。 結 果 最初は離れていて も警戒することはなく, すぐに近づく。→順位づ けがない状態でも,縄張 り争いは見られない。 〈実験の見直し②〉 ▲おたがいに近づくカナヘビ 通路 ・カナヘビのプライベー 結 果 行動範囲はそれほど広くはなく,近くで トルームを作って,1 対1の状況にする。 ▲プライベートルーム 結 果 時間がたつと一緒の部屋にいる。→順位 づけがない状態でも(順位づけの有無に関係な く)ニホンカナヘビは縄張り争いをしない。 生活しているが, 食べ物を求めて移動する。飼っ ていなかった他のカナヘビもいるが,ケンカを しないで同じ場所で行動している。 まとめ ■「順位づけ」について ニホンカナヘビは,他の個体と一緒に行動した ①魚には順位制はないか, 弱い影響しかない。 しっ り眠ったりしており,攻撃的な性格でもない。観 かりしたリーダー制はないとされている。 ②両生類で,明らかな順位関係は発見されていな いとされる。 察の結果から縄張りはないと思うが,順位制はあ ると思う。 また,行動範囲はある程度決まっているようだ ③は虫類では, トカゲに順位制があるといわれる。 が,その範囲の中には他のカナヘビも自然に生活 ④順位制や縄張りがある理由…順位をつくること しており,ケンカもしない。この観察結果は,縄 で関係が安定し,無駄な争いをしなくていい。縄張 張りがないことも強調できるし,順位があるとい りをもつことで,つがいができやすくなる。 など う考えとも矛盾しない。