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安全への手引き - 在シカゴ日本国総領事館
安全への手引き 平成16年4月 在シカゴ総領事館 1.はじめに 海外で日本人が事件や事故の被害者となる事例は後を絶ちません。当館が管轄するイリノイ、 インディアナ、ウィスコンシン、ミネソタの4州におきましても例外ではなく、一時滞在、長 期滞在を問わず邦人の方々の中には、事件事故の被害に遭われた方も数多く見受けられます。 事件、事故に遭わないためには、日頃から安全情報に関心を持ち、地域の治安情勢を知り、 そして安全対策の基本的な留意事項を守って行動することが必要です。 この手引きは、皆様の安全な滞在に少しでもお役に立てればとの趣旨で作成いたしました。 なお、当館では、皆様の安全な滞在のために最大限の協力をいたしますので、事件事故でお 困りの際は、ご相談ください。 2.犯罪統計から見た治安状況 アメリカ FBI 及び各州警察が発表した犯罪統計によりますと、2002 年中に発生した犯罪 の概要は以下のとおりです。 ※ 犯罪率とは、人口10万人当たりの犯罪発生率です。 (1) アメリカ全国 ○犯罪の発生状況 全米の 2002 年中の犯罪は、前年に比較して微増しましたが、犯罪率では、1.1%減少して おります。また、凶悪犯罪では0.9%の減少でした。 アメリカにおける犯罪率は、 日本国内と比較していずれの罪種でも高くなっています。特に、 イリノイ州のシカゴ市他、主要都市における凶悪犯罪の発生率は非常に高く、日本で生活して いるときのような感覚でいることはとても危険です。 1時間当たりの犯罪発生件数では、 殺人 アメリカ1.85件、日本0.15件 強盗 アメリカ50.0件、日本1.3件 1 であり、日米の治安状況の違いがわかります。 また、アメリカを4つの地域で分けた場合、犯罪発生率は高い方から、南部、西部、中西部、 北東部の順で、中西部と北東部は前年比で減少しています。 凶悪犯罪のうち、31.2%で武器が使用されています。このうち26.8%でけん銃等の 火器が使用されました。 ○検挙状況 全刑法犯の20%が検挙されました。 罪種別では、凶悪犯罪の46.8%、財産犯罪の16.5%が検挙されました。凶悪犯罪の うち殺人は、64%の検挙でした。 ○検挙被疑者の特徴 全検挙者のうち、18歳未満の者は18%でした。 このうち、凶悪犯罪では11.9%、財産犯罪では20.3%です。 男女別では、女性が0.8%増加、男性が0.1%減少しています。 また、人種別では、全検挙者のうち、白人65.5%、黒人31.9%、その他2.5%で、 凶悪犯罪は白人59.7%、黒人38.0%でした。 (2) イリノイ州 イリノイ州では、1991 年をピークに犯罪発生件数、犯罪率ともに減少傾向にあります。 2001 年に比較し、凶悪犯罪も財産犯罪も減少していますが、シカゴ市等の犯罪多発地域 を抱えていることから、全米の他地域と比較すると、凶悪犯罪の発生率は依然として高い水 準にあります。 在留邦人の多数居住するアーリントン・ハイツ、ホフマン・エステイト等のシカゴ市郊外 の地域は、犯罪率では東京と同程度であり、比較的治安の良い地域と思われます。 ◎ 2003 年中のシカゴ市の犯罪情勢 (イ)殺人事件 シカゴ市の殺人事件発生件数は、2003 年中は599件で、前年の646件から減少し、1960 年代以来の低い数値となりました。しかし、他の大都市と比較しますと、シカゴより人口の 多いロサンゼルスが499件、ニューヨークが596件であり、シカゴの殺人発生率の高さ 2 がわかります。 2003 年中の殺人事件を見ますと、動機別では、犯罪組織が関係したものが40%以上を占 め、他には口論の末のもの、家庭内暴力等が主原因となっています。 殺人の凶器としては、けん銃等の銃器を使用したものが8割以上を占め、銃の不法所持が 横行している状況があります。また、発生時間別では、土曜、日曜の深夜から早朝にかけて の時間帯に最も多く発生しています。 また、被害者の40%が、17歳から24歳までの若者です。 (ロ)その他の犯罪 その他の全罪種でも減少傾向にあります。 特に、凶悪犯罪全体では10.5%も減少しました。 しかし、発生件数を見ますと、1日当たり、殺人が1.6件、強盗が47.4件と依然と して非常に高い発生率であり、住民の平穏な生活にとって大きな脅威となっています。 (3) インディアナ州 全米第14位の人口を持つインディアナ州では、2001 年に大幅増加した殺人、強盗事件も 2002 年中は再び大きく減少しました。犯罪全体では減少傾向にあるものの、強姦が7.4%対 前年比大幅に増加しています。 特に、在留邦人が比較的多く居住するあるいはオフィスを持つインディアナポリス、コロン バスでは高い犯罪率を示しており、注意が必要です。 (4) ウィスコンシン州 ウィスコンシン州は、凶悪犯罪、財産犯罪ともに犯罪率は低く、比較的治安が良い地域と 言えます。しかし、2002 年中は、強盗、強姦、侵入窃盗が大幅増加しました。 特に、州内最大都市のミルウォーキー市の犯罪率は非常に高く、特に殺人事件等の凶悪犯 罪の発生率はシカゴ市に匹敵するほどです。安全に対する特段の留意が必要な地域です。 (5) ミネソタ州 ミネソタ州における主要犯罪の発生率は、他の州と比較して低く、近年は、特に殺人、強 盗、侵入窃盗事件等は減少傾向にありました。しかし、2002 年中は、殺人を除く全ての凶悪 犯罪で増加しました。 また、強姦等の性犯罪事件の発生は全米の他地域と比較しても非常に高く、最近数年間も 同様の特徴を示しています。特に発生率の高い、ミネアポリス、セントポールでは、女性は 夜間の外出、帰宅等の際には十分注意をする必要があります。 3 3.邦人の犯罪被害状況 (1) 犯罪被害発生状況 シカゴ総領事館には、邦人の皆様から毎月1~2件の犯罪被害の届出がありますが、これら のほとんどが旅券を窃取されたことにより、被害者が再交付のため当館に届け出たものです。 従って、実際の事件被害者数は、残念ながらもっと多いものと思われます。 被害内容は、大半が窃盗被害で、その多くは、車上ねらい、置引き被害等によるものです。 発生場所は、郊外のショッピングセンター、ホテル、レストラン等で、手荷物等を身体から 離す機会が多い場所で発生しています。 (2) 最近の邦人被害事件 ○ 強盗事件 ・ 夕方6時頃、在留邦人女性が、自宅アパートの共用玄関前で2人組の少年に襲われ、頭部 を殴られ、ハンドバッグを強取された。 (シカゴ市内) この女性の警察への速報で、犯人は間もなく検挙になりました。 ・ 夜12時過ぎ、在留邦人男性が、ライブハウスから出て徒歩で駐車車両に向かう途中、2 人組の男に襲われ、羽交い絞めにされ、バッグを強取された。 この男性は、全く抵抗しなかったため、けがはありませんでした。 ○窃盗事件 ・ 夜10 時頃、旅行者女性が散歩中、男に声をかけられ、気を取られている間に共犯の男に バッグを開けられ、財布を窃取された。 (シカゴ市内) ・ 昼間、旅行者男性が、ハンバーガーショップ駐車場で車に乗り込んだ際に、女性に「タイ ヤがパンクしている」と言われ、降りて点検している間に、共犯と思われる別の男に車内 からバッグを持ち去られた。 (シカゴ市内) ・ 商用で短期滞在中の夫婦が、古着店で買い物をしている間に、駐車中のレンタカーのタイ ヤが切り裂かれる被害に遭った。このため、タイヤ交換をしていたところ、2人組が近寄 ってきて、修理を手伝うそぶりを見せながら、車内から貴重品を窃取された。(シカゴ市 内) この3件は手口が同じで、数人が共謀して親切を装って邦人に 近づき、1 人が注意を引き付けている間に、他の犯人が窃盗を行うものです。当地 に限らず、全米でも多発しています。 特に、古着店周辺での窃盗事件が多発しています。 4 ・ 旅行中の男性が、ユースホステルの客室内にて、バックパックから現金、トラベラーズチ ェック等を引き抜かれ窃取された。(シカゴ市内) ・ 午後 8 時ころ、路上を歩行中の女性が、脇に挟んでいたバッグをひったくられた。(シカ ゴ市内) ・ 家族が、ショッピングモール駐車場に車を止めて買い物中に、ガラスを割られバッグ等を 窃取された。 (ウィスコンシン州) ・ 女性が、ナイトクラブ内で椅子に掛けておいたハンドバッグを窃取された。(ウィスコン シン州) ・ 女性が、電車に乗り込む際に男性から強く押され、気がつくとバッグの中から財布を抜き 取られていた。 (シカゴ市内・CTA レッドライン) ・ 商用で滞在中の男性が、ホテルの客室内に置いたバッグを盗まれた。 (シカゴ近郊) ・ 家人不在中に窓ガラスを割られ、家屋に侵入されて貴重品を盗まれた。 (シカゴ近郊) 貴重品は「肌身離さず」が大原則です。 特に、車内の見えるところに物を放置することは避けましょう。 4.安全対策の基本的心構え (1) 自分と家族の安全は自分達全員で守る 一般的に外国は、日本に比べて決して治安が良いとは言えません。日本的感覚で生活してい ると大きな落とし穴に落ちかねません。外国では犯罪に遭わないためにはどうすべきかを自分 自身、若しくは家庭や職場で考えてみて下さい。先ず何よりも、自分と家族の安全は自分たち 全員で守るとの強い心構えが極めて大切です。 (2) 予防が最良の危機管理 事件、事故、災害などに巻き込まれてしまってからでは全ては遅いのです。予防こそが最高 かつ最重要の危機管理であることを肝に銘じ、予防のため必要な努力と経費を惜しんではいけ ません。家族、社員全員がけがもなく、無事帰国できれば、その安全のための経費は最も価値 のある投資です。 (3) 悲観的に準備し、楽観的に行動する 「備えあれば憂いなし」です。常に最悪の事態を想定し、物心両面から準備を行い、万全の 対策を講じた上で、日々の生活を注意しながらも楽観的に生活することが重要です。 (4) 安全のための3原則の遵守 安全のための3原則とは、 「目立たない」、 「行動を予知されない」 、 「用心を怠らない」のこと 5 です。日本での行動形態、生活様式をそのまま海外に持ち込むと、本人が意識していると否と に関りなく目立ってしまい、自らを危険にさらすことになる場合もあります。 (5) 住宅面の安全確保 住宅は生活の基盤であり、その安全を確保することは安全対策の中でも最優先事項です。住 居の選択には十分過ぎるくらいの検討時間を費やし、必要な経費の支出を惜しまないことが必 要です。 (6) 現地社会に溶け込む 普段より、隣人、コミュニティ、在留邦人等と付き合い、良好な関係を築き上げるように努 め、様々な個人や組織との間でのネットワーク作りを心掛けます。そうすれば、いざというと きに、隣人の助けも得られますし、自然と様々な情報が入ってきます。 (7) 精神衛生と健康管理に留意 生活環境や習慣の大きく異なる海外での生活は、長期間に亘る緊張を余儀なくされている場 合も多く、精神面、肉体面の自己管理が重要です。体調に異変を感じたり、精神的に不安を覚 えたりした場合は、手遅れにならないように早め早めに必要なチェックを受けましょう。 5.具体的安全対策 今まで窃盗被害に遭った方々の原因をみますと、ホテルのチェックイン手続きや電話中に手 荷物等を置くなど、一瞬目を離した隙に持ち去られてしまったというケースが多いようです。 これらはもう少し警戒心を働かせていれば未然に防止できたものばかりで、非常に悔やまれ ます。 以下に、防犯対策として最低限守っていただくべき基本事項を列挙しましたが、前に述べた 邦人の被害事例とともに防犯の参考にしてください。 (1) 外出時の留意事項 (イ) ひったくり、路上強盗対策 犯罪多発地域での単独行動、夜間の外出、一見して旅行者とわかるような行動は危険です。 不幸にして強盗に遭った場合は抵抗しない、また、ひったくりに遭った場合も、引きずられる 危険がありますので抵抗せず荷物から手を離すことが大切です。 (ロ) 夜間の外出は控える 夜間の外出はできるだけ避けましょう。やむを得ず外出する場合でも、1人歩きや人通りの 6 少ない所、街路灯のない所は通行せず、また、できるだけ車両で移動しましょう。 (ハ) 多額の現金を持ち歩かない 現金を所持する場合は必要最小限にとどめ、分散して持ちましょう。また、人前でむやみに 財布や現金を手にしたり、一見して高価なアクセサリーを身につける等も犯罪の対象になりや すいので気をつけましょう。 (ニ) 見知らぬ者からの呼びかけに注意 呼びかけて注意を引く者、その隙にスリ、置引きを行う者など任務分担して行う組織的犯罪 が多発しています。知らない者から呼びかけられた場合や親切そうに近づく人には特に警戒し ましょう。 (ホ) 旅券の管理 旅券を所持する場合は、体から離さず、常に身に付けるようにしましょう。 旅券は、海外において身分を証明する重要な書類です。旅券を盗まれたり、紛失した場合は 当館において再発給手続きを行うことが可能ですが、旅券の不正使用に対処する観点からも、 慎重な審査を必要とし、そのため申請から発給まで相当日数を要します。旅券の保管には十分気 をつけて下さい。 (ヘ) 置引き対策 レストラン、公共の場所等では、荷物を床や机、椅子などに置いたまま席を離れることは窃 盗犯人を呼ぶようなものです。 ホテルのチェックイン等で手荷物を床等に置かざるを得ない場合は、知人に見張りを頼んだ り、両足で挟むようにしましょう。 (ト) スリ対策 ズボンの後ろポケットに入れた財布はスリ犯人の一番の標的になります。ポシェット、ナッ プサックはナイフで切られることもあるので、貴重品を入れないようにしましょう。特に、人 混みの中では、体の前に抱える等の注意が必要です。 (2) 自動車使用時の留意事項 ○ 危険地域を通過する際は、ロックを確認し、窓を閉め中央寄り車線を通行しましょう。 ○ 見知らぬ人に停止を求められてもそれに応じてはいけません。 ○ 信号待ち等で停車中も周囲の状況に注意しましょう。 7 ○ 駐車場所はできるだけ路上駐車を避け、係員がいる駐車場を選ぶようにしましょう。 ○ 車内に荷物を残しておく場合は、トランク内など車外から見えない場所に移しておきま しょう。 ○ たとえ短時間の停車・駐車であっても車両から離れる場合は必ずロックしましょう。 ○ 車の乗り降りの際は周囲に不審者がいないか確かめましょう。 (3) 住居の安全対策 ○ 出入口は複数の錠、鎖等で強化しましょう。 ○ 戸締りの確認をする習慣をつけましょう。 ○ 長期間留守にする際は、信用のおける近隣の者に注意を払ってもらうようにしましょう。 また、新聞、郵便物の配達を中断する手続きを取りましょう。 ○ 家の鍵を植木鉢や玄関マットの下に置いたりしないようにしましょう。 ○ 不在家庭と悟られないように、タイマーにより家屋の照明を点灯させる等の工夫をしま しょう。 6.交通事故対策 (1) 交通事情 ○ 全米では、1時間に224.5件の人身交通事故が発生し、4.4人が死亡しています。 ○ 米国の交通事故死者数では日本の約4.5倍と非常に多く発生しています。 ○ 管内の州別では、ウィスコンシン州で死亡事故の発生率が高くなっています。 ○ 事故原因では、全米の死亡事故の41%は飲酒に起因しています。飲酒運転に絡む死亡 事故は、イリノイ州とウィスコンシン州で増加しています。 [各州の交通死亡事故の発生状況] 数 率 米 38,309 13.3 イ リ ノ イ 1,411 11.2 インディアナ 792 12.9 ウィスコンシン 803 14.8 ミ ネ ソ タ 657 13.1 死者のうち酒気を帯びていた者 上段=人数、下段=割合(%) 15,626 40.1 648 45.9 269 34.0 364 45.3 255 38.8 死者のうち歩行者数 発 生 率 4,808 1.7 186 1.3 53 0.7 50 0.6 50 0.8 全 死 発 者 生 (統計数値は、2002 年のもの。) (2) 運転の際の留意事項 ○ 速度の出し過ぎには十分気を付けましょう。特に高速道路では大型トラックが頻繁に通 8 行しており、無理な追い越しは危険です。 ○ シートベルトは必ず着用しましょう。万が一事故に遭った場合、シートベルトを着用し ていたか否かで身体への影響が大きく異なります。 ○ 道路が凸凹の所や、また大きな穴が空いている所もあるので、特に夜間の運転は気を付 けましょう。 ○ 車両登録証と車両保険証は、常にダッシュボードの中に入れておきましょう。 ○ 酒気を帯びての運転は絶対にしてはいけません。 ○ 「日本とは違い、アメリカでは酒気帯び運転検挙の基準が甘いので、ある程度の飲酒は 大丈夫。 」という認識は誤りです。たとえ、BAC 検査値(血中アルコール値)が基準以下 でも、正常な運転ができないと警察官に判断されれば、確実に検挙されます。 ○ なお、2002 年中、シカゴ市警察とイリノイ州警察だけで、酒気帯び運転で 14,735 人(1 日40人以上)を検挙しています。 (3) 交通事故の場合の措置 ○ 負傷者がいるときは、911で救急車を呼ぶか、他の車を止める等して誰かに救急車を 呼んでもらいます。負傷者を動かせると判断できれば、安全な場所に避難させます。 ○ 事故当事車両が交通の妨害になっている場合には、事故当事者同士が事故の場所を確認 した上で、車を路側に移動させます。この際、双方の車両の止まっていた位置と車の衝 突個所に印を付けるか、写真撮影、スケッチ等をして現場の再現ができる措置をしてお くことがよいでしょう。ガソリンが漏れている等の危険な状況であれば、車両を移動さ せないで、当事者全員で遠くに避難します。 ○ 目撃者がいれば確保します。 ○ 911で警察に通報し、現場検証を依頼します。 ○ 車のトランクを開け、事故車であることが他の車にわかるようにして、追突等の二次事 故防止を図ります。 ○ 事故当事者は安全な場所で、お互いに、運転免許証や身分証明書等で相手の人定を確認 した後、相手の氏名、住所、電話番号、勤務先、車両登録番号、保険会社名、証券番号、 保険会社連絡先をメモします。その際、相手の書類にサインしたり、自分の過失を認め る言動はしないことが賢明です。 ○ 保険会社に電話して、手続きについて指示を受けます。 ○ 警察官が到着後、当事者双方が現場検証に立ち会います。 7.在留届の提出 海外に3か月以上滞在される方は、最寄りの在外公館に在留届を提出することが義務づけら 9 れています。これは緊急事態発生時に総領事館から皆様方に連絡を行うため、また、旅券の更 新手続きの簡素化などに必要なものです。更に、在外選挙の選挙人登録をする際、在留届の提 出が前提条件となっています。 また、既に当館に在留届を提出されている方で、住所や電話番号等の記載事項に変更がある 場合、或いは転出される場合は変更届の提出をお願い致します。 在留届及び変更届の用紙は当館にありますので、遠方の方は連絡を頂ければ郵送致します。 なお、在留届用紙は、当館ホームページからもダウンロードできますので、ご利用ください。 8.海外危険情報等の活用 外務省及び在外公館は、海外における邦人の安全対策の一環として、特定の国や地域の治安 や安全性に関する情報提供を行っています。当館においても、これら情報の提供が可能ですの で、当地から諸外国へ行かれる方で、その国や地域の治安等の情報を必要とされる方は、当館 領事部に照会して下さい。 また、海外の安全に関する最新情報は、 外務省海外安全ホームページ http://www.mofa.go.jp/pubanzen でもお知らせしています。 9.大規模自然災害等緊急事態発生時の対応 アメリカにおいて、大規模自然災害として予想されるものには、竜巻、集中豪雨などがあり ますが、これらに対する皆さんの安全対策は万全でしょうか。身の回りで発生します犯罪には 安全対策を講じている方でも、自然災害への対応は十分でないことあります。自然災害は全く 予想できないものもありますので、日頃からその対応策を考えておく必要があります。 (1) 平素の準備 ○ 家庭や職場間で、自然災害が発生した場合の集合場所を予め決めておきましょう。 ○ 1人最低1週間分の飲料水、非常食、着替えを用意しましょう。 ○ 懐中電灯(予備電池)、携帯ラジオ(予備電池) 、ローソク、マッチ、救急医薬品、衛生 用品などいつでも取り出せる場所に用意しておきましょう。 ○ 携帯電話はいつでも使用できる状態にしておきましょう。 ○ クレジットカードが使用できない時を想定し、当座必要な現金を用意しておきましょう。 ○ 家庭、職場で自然災害を想定した訓練を実施しましょう。 ○ 自宅付近の病院施設等の所在地を確認しておきましょう。 10 ○ 車のガソリンは常に3分の2以上を入れておきましょう。 (2) 発生時の措置 ○ 沈着冷静な行動をとります。 ○ ラジオ、テレビ等から情報入手に努めます。 ○ 避難の指示が出された場合には、直ちに従います。 ○ 身体の安全を第一に考えた行動を心がけます。 ○ 群集心理に影響されない行動をとります。 ○ 暴動等の発生があった場合、暴徒に近寄らないようにします。 10.テロ対策 (1) 外務省「海外安全ホームページ」や当地のテレビ、ラジオ、新聞等の関連記事に関心を 持ち、常に最新の関連情報の入手に努めましょう。 (2) テロの標的となる可能性のある施設等危険な場所には近付かない、周囲の状況その他の 動向にも気を付ける等安全確保に十分注意しましょう。 (3) テロ事件や不測の事態が発生した場合の対応策を再点検し、状況に応じて適切な安全対 策がとれるよう心掛けて下さい。 (4) 前項「大規模自然災害等緊急事態発生時の対応」で述べたものと同様の「平素の準備」 をしましょう。 11.生活上の注意 日本ではうっかりで済まされる行為も、外国では犯罪として処罰の対象になることもありま す。以下の点にご留意ください。 ○ 子供への体罰は虐待行為とみなされ刑事事件として訴追されることがあります。 ○ 夫婦喧嘩でも、隣家が警察に通報し、家庭内暴力として扱われることもあります。 ○ 買い物中に子供を車内に残しておくこと、幼児だけを自宅に残して外出することは法律 違反になります。 ○ 他人から不注意に預かった物が原因で麻薬の不法所持に問われ、厳罰に処せられること があります。 ○ 未成年者には各市町村によって門限が定められております。住居地の自治体のホームペ ージ等で確認してください。 ○ 幼児を車に乗せる際は、チャイルドシートの使用が義務付けられます。 11 参考 SARS(重症急性呼吸器症候群)やウェスト・ナイル熱に関する情報等、疫病に関する情報に ついては、以下のホームページを参照してください。 関係機関 米国防疫センター 世界保健機関 イリノイ州 各州保健当局 インディアナ州 ウィスコンシン州 ミネソタ州 シカゴ市保健部 米国国務省(米国民の渡航に関する情報) ホームページアドレス www.cdc.gov www.who.int www.idph.state.il.us www.in.gov/isdh/index.htm www.dhfs.state.wi.us www.health.state.mn.us www.ci.chi.il.us/Health www.travel.state.gov 以上 12